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発明の名称 硫酸製造システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−130902(P2001−130902A)
公開日 平成13年5月15日(2001.5.15)
出願番号 特願平11−310917
出願日 平成11年11月1日(1999.11.1)
代理人 【識別番号】100084087
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨田 朝雄
【テーマコード(参考)】
4D002
【Fターム(参考)】
4D002 AA02 AC10 BA02 BA05 BA13 BA15 BA16 CA01 CA07 DA26 EA02 FA08 GA03 GB01 GB02 GB03 GB04 GB08 HA08 
発明者 坂本 孝司 / 一色 靖志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 廃ガスの乾燥塔と三酸化硫黄の吸収塔を有し、乾燥塔から出た廃ガスから得られる三酸化硫黄を吸収塔において硫酸に吸収させると共に、このとき発生する熱を熱交換で回収する硫酸製造システムにおいて、三酸化硫黄の吸収を第1系列と第2系列とで各々行い、第1系列においてのみ熱回収を行い、主として第2系列で負荷変動を吸収することを特徴とする硫酸製造システム。
【請求項2】 第1系列は、熱回収用吸収塔と最終吸収塔を有し、第2系列は、第1吸収塔と最終吸収塔を有し、前記第1吸収塔と各系列の乾燥塔の間で交酸を行い、硫酸の製造に必要な水の大部分を第1系列における熱回収に供給し、第1,2系列の最終吸収塔には、乾燥塔の硫酸を補給することで硫酸濃度を制御することを特徴とする請求項1記載の硫酸製造システム。
【請求項3】 熱回収を行う第1系列への廃ガスの流量を一定に維持し、第2系列への廃ガスの流量を制御することを特徴とする請求項1記載の硫酸製造システム。
【請求項4】 廃ガスの二酸化硫黄濃度を最終吸収塔を出たガスで希釈することを特徴とする請求項1記載の硫酸製造システム。
【請求項5】 製錬排ガスから得た三酸化硫黄を硫酸に吸収させ、この吸収熱を熱交換器で他の流体へ伝達することにより有用な形で回収する硫酸製造システムにおいて、2系列の三酸化硫黄転化・吸収設備をもち、その内1系列の三酸化硫黄転化・吸収設備に上記の熱回収設備を導入し、かつ、もう一つの系列の三酸化硫黄転化・吸収設備には通常の熱回収を行わない設備を導入し、熱回収設備内で乾燥塔硫酸と熱回収吸収塔硫酸の交酸を行わなず、熱回収設備の乾燥塔酸は、通常の熱回収を行わない系列の吸収塔と交酸することにより、熱回収系の負荷変動を導入ガスの二酸化硫黄濃度のみとすることで安定した熱回収を行うことを特徴とする硫酸製造システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫酸製造システムに関し、具体的には、硫酸プラントにおける熱回収に関し、特に、濃硫酸に三酸化流黄を吸収させるとき生じる発熱の回収に関する。
【0002】
【従来の技術】硫酸製造システムでは、金属製錬廃ガス等の二酸化硫黄を含むガスより硫酸を製造する。
【0003】硫化精鉱を用いる製錬方法に、自熔炉等の熔錬炉と転炉とを用いて粗銅を得るプロセスがある。このような製錬方法では、熔錬炉で硫化精鉱を熔錬してマットとスラグとを得るときに、二酸化硫黄を含む熔錬炉廃ガスが生じる。そして、転炉でマットを熔錬し、マット中の不純物を含むスラグと、銅分を含む粗銅と、硫黄分を二酸化硫黄の形で含む転炉廃ガスを得ている。そして、熔錬炉廃ガスと転炉廃ガスとを合わせて硫酸工場で処理して、これらの廃ガス中の二酸化硫黄を硫酸として回収している。
【0004】硫酸工場に導入された廃ガスは温度250〜350℃の高温であるため、まず増湿塔で冷却される。その後、洗浄塔で更に冷却洗浄され、清浄化される。廃ガスは、その後湿式電気集塵機でミストを除去したのち、乾燥塔で95%の濃硫酸と接触されて乾燥される。こうして乾燥された廃ガスは、二酸化硫黄を4〜20体積%、酸素を8〜20体積%の範囲で含む。
【0005】五酸化バナジウムを活性物質とする触媒層を設けた転化器に前記廃ガスが導入され、二酸化硫黄は三酸化硫黄に転化される。生成した三酸化硫黄は吸収塔で98%濃硫酸と接触され、濃硫酸中に吸収される。こうして、二酸化硫黄の少なくとも95%が硫酸として回収される。
【0006】近年、この転換・吸収工程は2段に分けられ、第一段で転換・吸収された後に、第二段で、残りの二酸化硫黄を更に転化・吸収する。これによって、99.5%以上の高い二酸化硫黄の回収率が達成されている。
【0007】この際、吸収塔での三酸化硫黄の吸収反応は発熱反応で、多量の熱が発生する。このため、循環している硫酸を冷却水で冷却して熱を除去している。従来、吸収塔の各設備を硫酸による腐食から護るため、循環している硫酸の温度を100℃以下に保つので、冷却水は、比較的低い温度で排水されるように制御され、廃棄されていた。
【0008】近年、特開昭60−36310号公報、特開昭61−117105号公報に記載されているように、吸収塔の廃熱を回収するシステムが開発され、硫黄炊きの硫酸工場や、連続炉による非鉄金属精錬工場で実際に稼働している。
【0009】図6〜図8は、特開昭60−36310号公報、特開昭61−117105号公報で開示された硫酸製造システムにおける吸収塔からの熱回収に関するものである。図6は、熱回収装置を備えた硫酸工場の例を示すフロ−図である。図7は、熱回収設備を備えた吸収塔の例を示すシステム図である。図8は、熱回収の操作サイクルと、代表的な中間吸収塔の操作サイクルとの関係の例を示すグラフで、腐食線はSUS304Lのものである。
【0010】図6〜図8から判るように、この硫酸製造システムは、濃度99%以上、温度200℃以上という濃熱硫酸を使用するため、その濃度の管理が大変重要になる。
【0011】この硫酸製造システムでは、吸収塔内を循環している濃硫酸の温度を200℃付近まで上昇させ、ボイラ−を通して冷却水を蒸発させて蒸気を得るので、高温の濃熱硫酸の使用により、非常に厳しい操業条件が要求される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記硫酸製造システムは、操業条件が非常に厳しいので、連続的に安定した操業のできる硫黄炊きの硫酸工場や、連続炉による非鉄金属精錬工場の硫酸プラントには前記熱回収システムを適用できるが、PS転炉のようなバッチ炉をもつ一般の非鉄金属精錬工場の硫酸プラントでは操業の変動が大きく、前記熱回収システムの導入は困難であった。
【0013】三酸化硫黄用吸収塔の操業に影響を与える因子は、導入ガス量、導入ガスの二酸化硫黄濃度である。更に、廃ガスの乾燥工程では、大量の廃ガスを乾燥させるため、乾燥塔を循環する濃硫酸が水分を吸収し濃度の低下が生じる。この濃度を維持するために乾燥塔と吸収塔との間で交酸を行う必要があり、この交酸の量の変動も熱回収システムに大きな影響を与える。
【0014】図4に従来の硫酸製造システムの吸収工程に熱回収設備を設置した場合のフロ−を示す。製錬からの廃ガスは、ガス精製工程で、冷却、洗浄され、ミストコットレルでミストを除去され、その後硫酸製造工程へ送られる。硫酸製造工程では、まず乾燥塔でガス中の水分を硫酸に吸収させて除去した後、転化器でガス中のSO2 をSO3 に転化し吸収塔に送られる。吸収塔では、ガス中のSO3 を硫酸中に吸収させて、工業用水を補給して硫酸濃度を調整し、製品硫酸を得る。この時、乾燥塔の硫酸濃度を維持するためと、乾燥塔で吸収した水分を吸収塔の補給水として使用するために、乾燥塔と吸収塔の間で交酸を行っている。また、吸収塔で熱回収を行う。
【0015】図4に示すような一系列の硫酸製造工程からなる従来例の吸収塔からの蒸気の発生パタ−ンを図5(縦目盛:5t/h、横目盛:0.5h)に示す。ここに、熱回収の大きな変動が見られる。
【0016】吸収塔の配管には、通常は耐酸鋳鉄管を使用している。また、塔類は鉄鋼板(SS)にレンガライニングを行っている。このため、通常の操作範囲(EDF)では、耐酸鋳鉄の腐食はほとんど0であり、塔類のレンガの腐食もない。しかし、これらの材料は濃熱硫酸には耐性がないため、ある程度の耐腐食範囲をもつステンレスを使用することになるが、熱回収設備の操作範囲は非常に重要で、この範囲を外れると、設備を猛烈な腐食環境にさらすことになる。また、注水の応答精度や濃度計の信頼性も、負荷変動が大きい場合には、大きな問題になってくる。
【0017】PS転炉の場合の製錬廃ガスは、ガス量及び二酸化硫黄濃度がどちらも変動するため、吸収塔の酸濃度の制御が難しくなる。また、二酸化硫黄濃度が比較的低いため、大量の廃ガスが乾燥塔へ導入されることにより、交酸量が増大し、吸収塔の酸濃度の制御が困難になる。更に、交酸により吸収塔から大量の濃熱硫酸が乾燥塔に払い出されるため、吸収塔における熱回収効率が悪く、二酸化硫黄濃度が低下すると、吸収塔で蒸気が発生しなくなる。
【0018】上述のように、この熱回収システムの導入には、操業の変動を小さくすることが要求されるため、PS転炉を用いた非鉄金属精錬工場においては、大変困難であった。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、三酸化硫黄の転化・吸収工程を2系列に分け、1系列でのみ熱回収を行い、もう1つの系列では、熱回収を行わないで操業の負荷変動を吸収させ、熱回収設備内で乾燥塔と熱回収吸収塔の交酸を行わなず、熱回収設備の乾燥塔は、通常の熱回収を行わない系列の吸収塔と交酸することにより、熱回収系の負荷変動を導入ガスの二酸化硫黄濃度のみとすることにより、効率よく安定した熱回収を行えるようにすることである。
【0020】すなわち、本発明の硫酸製造システムは、廃ガスから得られる三酸化硫黄を硫酸に吸収させると共に、このとき発生する吸収熱を熱交換で回収するために、三酸化硫黄の吸収を第1系列と第2系列からなる2系列で各々行い、第1系列においてのみ熱回収を行い、主として第2系列で負荷変動を吸収する。
【0021】第一系列の熱回収設備内で乾燥塔と熱回収吸収塔の交酸を行わなず、第1系列の乾燥塔は、通常の熱回収を行わない第2系列の吸収塔と交酸することにより、第一系列の熱回収系への交酸の影響を排除し、負荷変動を導入ガスの二酸化硫黄濃度のみとする。
【0022】第1系列は、熱回収用吸収塔と最終吸収塔を有し、第2系列は、第1吸収塔と最終吸収塔を有し、前記第1吸収塔と各系列の乾燥塔の間で交酸を行い、硫酸の製造に必要な水の大部分を第1系列における熱回収に供給し、第1,2系列の最終吸収塔には、乾燥塔の硫酸を補給することで硫酸濃度を制御することが好ましい。
【0023】熱回収を行う第1系列への廃ガスの流量を一定に維持し、第2系列への廃ガスの流量を制御することが好ましい。
【0024】廃ガスの二酸化硫黄濃度を最終吸収塔を出たガスで希釈することが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明者らは、第1系列と第2系列の2系列で三酸化硫黄を各々転化・吸収する設備を用意し、第1系列の設備では上記熱回収を行い、かつ、第2系列では熱回収を行わないで負荷変動を吸収するようにして、上記課題を解決できることを発見した。
【0026】熱回収する第1系列内では、乾燥塔と吸収塔とで硫酸の交酸を行わない。そして、熱回収する第1系列の乾燥塔と、熱回収を行わない第2系列の吸収塔とで交酸することにより、熱回収する第1系列の負荷変動を導入ガスの二酸化硫黄濃度のみとする。これにより安定した熱回収を行えることが見出された。
【0027】また、PS転炉で吹錬を行っていない場合は、ガス量が非常に少なく、かつ二酸化硫黄濃度が高いため、転化器触媒の温度が上がりすぎるので、一般には希釈空気を導入して二酸化硫黄の濃度を下げている。この場合には、大量の希釈空気が必要となり、二酸化硫黄の量に比べて大量の水分が入ってくるため、交酸の量が増大し、かつ、水バランスがとれなくなるおそれがある。これについては、希釈空気の代わりに、最終吸収塔から出た水分のないガスを使用することで解決できることを見いだした。更に、従来、最終吸収塔の硫酸の濃度制御は水を補加して行っていたが、この代りに乾燥塔から出た硫酸を利用し、この硫酸を制御することで、熱回収側の吸収塔で最大限の熱を回収することが可能になった。
【0028】図1に本発明を適用した場合の硫酸製造システムのフロ−を示す。硫酸製造工程が二つの系列に分かれており、かつ熱回収する第1系列では、吸収塔と乾燥塔との間で交酸を行わず、熱回収する第1系列の乾燥塔は、熱回収を行わない第2系列の吸収塔との間で交酸する。なお、この図の実施例では第1系列と第2系列の両方に乾燥塔(ガス乾燥)を設けているが、乾燥塔を1基にして、乾燥塔までを1系列にしてそれ以降を2系列にしてもよい。また、この図での実施例ではテ−ルガス処理工程を第1系列と第2系列に各々設けているが、1系列にまとめてもよい。
【0029】図2に本発明による硫酸製造工程のダイヤグラムを示す。第1系列では、熱回収を行う吸収塔(HRT)および熱回収を行わない吸収塔(2AT)を導入し、第2系列は熱回収を行わない吸収塔(1AT、2AT)を設ける。第2系列にて発生した熱はクーラーで冷却水によって冷却されて廃棄される。ここでは、#1ブロワ−がガス量を一定になるように制御されるため、第1系列には常に一定のガス量が送り込まれる。一方、第2系列は#2ブロワ−をガス流量で制御せず、硫酸工場入り口の圧力で制御するためガス量が常に変動する。
【0030】第1系列における交酸は、第1系列の乾燥塔(1DT)と第2系列の吸収塔(1AT)とで行い、第1系列の熱回収用吸収塔(HRT)では行わない。更に、乾燥塔の水分を最大限利用して系内水のバランスをとるために、最終吸収塔(2AT)は、従来では工業用水で硫酸濃度を調整していたが、本発明では第1系列、第2系列ともに乾燥塔(2DT)の硫酸で調整する。これにより、第1系列に分配されるガスの量を最大にすることができる。
【0031】ガス量を一定にすることによって転化器での反応が安定するため、SO2 濃度を高く保つことができ、かつ熱回収用吸収塔(HRT)で交酸を行わないことによって、従来では熱回収される吸収塔と乾燥塔と間の交酸のために乾燥塔に払い出されていた高温硫酸がなくなる。このため、熱回収用吸収塔(HRT)での熱回収効率が向上し、硫酸工程を2つに分けて1系列だけにしか熱回収用吸収塔(HRT)を設定しないにもかかわらず、従来の1系列硫酸製造システムと、ほぼ同じ熱回収を行うことができる。
【0032】PS転炉を使用した非鉄金属精錬では、PS転炉を操業せずに自熔炉だけ操業している時間が出現するが、この時ガス量が少なくSO2 濃度の濃いガスが硫酸工場に導入される。この際、転化器の触媒温度が上昇してしまうために、大量の希釈空気をいれてSO2 濃度を下げなければならない。しかし、この場合には、ガス量が少なくSO2 濃度が低いため、第2系列だけでは第1系列の乾燥塔(1DT)の水分を吸収しきれなくなり、水バランスがくずれてしまう。そこで、このような自熔炉のみの操業時には、希釈用の空気の代わりに第2系列の最終吸収塔(2AT)を出たテ−ルガスを使用することで、余分な水分が系列内に入らなくなり、水バランスを維持することができる。
【0033】
【実施例】図2の硫酸製造システムにおいて、第1系列の排ガス量を一定値100kNm3 /Hに維持し、第2系列の排ガス量を90〜170kNm3 /Hで変動させた。全ガス量は250kNm3 /Hであった(SO2 13体積%)。交酸量は、1DT、2DTから1ATへ3.4t/min、各2ATへ各々0.3t/minであった。注水量は、HRTへ0.17t/min、1ATへ0.07t/minであった。
【0034】図3に本発明の実施例による熱回収吸収塔からの蒸気の発生パタ−ン(縦目盛:5t/h、横目盛:0.5h)を示す。図5の発生パターンに比較して、本発明の方法により、安定した蒸気回収が行われることがわかる。このことは、熱回収設備への負荷変動が少なく、より安定した硫酸の濃度管理が行えることを示している。更に、熱回収用吸収塔へのガス量が固定され、乾燥塔との交酸も無くなったことにより、熱回収用吸収塔の硫酸の濃度はSO2 濃度のみに依存することになるため、必要な注水量をSO2 濃度から計算するこができる。これによって、常時硫酸濃度計の監視が可能となる。更に、注水量をSO2 濃度によりフィ−ドフォワ−ド制御することも可能であり、常に安定した濃度制御を実現できる。
【0035】
【発明の効果】本発明により、熱回収システムの変動が少なく安定した操業が可能になるため、PS転炉を有する製錬所に熱回収用吸収塔を導入することが可能になる。




 

 


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