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発明の名称 澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の製法、沈殿防止方法、及びミルクリング防止方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−314177(P2001−314177A)
公開日 平成13年11月13日(2001.11.13)
出願番号 特願2001−132845(P2001−132845)
出願日 平成5年12月27日(1993.12.27)
代理人
発明者 伊藤 健司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 溶液に未水和増粘剤を添加した後、500kg/cm2以上の圧力で均質化し、該未水和増粘剤を溶液中に水和させることを特徴とする澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の製法。
【請求項2】 溶液に未水和増粘剤を添加した後、500kg/cm2以上の圧力で均質化し、該未水和増粘剤を溶液中に水和させることを特徴とする澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の沈殿防止方法。
【請求項3】 溶液に未水和増粘剤を添加した後、500kg/cm2以上の圧力で均質化し、該未水和増粘剤を溶液中に水和させることを特徴とする高粘度食品のミルクリング防止方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、増粘剤を少量添加するだけで、従来よりも高粘度となり、食品成分の沈殿もしくはミルクリングが防止された、風味の良い食品を得ることができる澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の製法、沈殿防止方法、及びミルクリング防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ココア、スープ等の飲料や調味ソース等は、成分であるココア粒子や、コーン澱粉、繊維等が沈殿し易いという問題がある。そこで、通常はこれらの成分(以下、食品成分と記す)の分散性を良くするために、乳化剤や増粘剤を添加することが行われている。しかしながら、乳化剤や増粘剤を多量に添加しても、食品中でダマになって十分に溶けきれず、飲み心地や舌触り、外観を悪くしたり、乳化剤や増粘剤に由来する異味異臭が感じられたり、長期保存中にゲル化してしまったりするという問題がある。従って、乳化剤や増粘剤の添加量は高々0.3〜0.6重量%(以下「%」と記す)程度に調整されているのが実情である。しかしながら、この程度の量では上記食品成分の沈殿防止効果は殆どなく、結局、飲食前に良く振ってから飲食しなければならない。
【0003】また、例えば、ペクチン等の増粘剤の場合には、添加直後にはその増粘効果が十分に発揮されないため、予めペクチンを水和・エージング処理した後、飲料溶液に添加することも提案されている(特開平3−201943号公報)。しかしながら、この方法では、ペクチンの効果が最大限に発揮されるものの、エージングに長時間を要するため、製造効率が悪いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、少量の増粘剤の使用で増粘効果を最大限に発現させることができ、ココア、スープ、調味ソース等の沈殿し易い食品成分を含有する食品の沈殿もしくはミルクリングが防止された、風味や飲み心地、舌触りの良い澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の製法、澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の沈殿防止方法、及び高粘度食品のミルクリング防止方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、溶液に未水和増粘剤を添加した後、500kg/cm2以上の圧力で均質化し、該未水和増粘剤を溶液中に水和させることを特徴とする澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の製法によって達成される。
【0006】また、上記の目的は、溶液に未水和増粘剤を添加した後、500kg/cm2以上の圧力で均質化し、該未水和増粘剤を溶液中に水和させることを特徴とする澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の沈殿防止方法によって達成される。
【0007】また、上記の目的は、溶液に未水和増粘剤を添加した後、500kg/cm2以上の圧力で均質化し、該未水和増粘剤を溶液中に水和させることを特徴とする高粘度食品のミルクリング防止方法によって達成される。
【0008】すなわち、本発明者は、増粘剤を少量使用して最大限の増粘効果を発揮し得る方法について検討を重ねた。その結果、未水和増粘剤を添加した溶液を500kg/cm2以上の高圧で均質化すると、未水和増粘剤が微粒化され、その時点で十分に溶液中に水和して最大限の増粘効果が発現し、少量の使用で沈殿防止効果もしくはミルクリング防止効果のある粘度にまで高めることができることを見出し本発明に到達した。
【0009】次に、本発明を詳しく説明する。本発明に係る高粘度食品は、抹茶等の茶飲料、濃厚コーヒー等の飲料や、調味ソース等の各種調味食品等が挙げられる。このうち、澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の飲料としては、ココア,ホットチョコレート等のカカオ成分を含有する飲料、ポタージュ,味噌汁等のスープ類、汁粉,ぜんざい等の豆類含有飲料、甘酒等の澱粉含有飲料等の沈殿し易い澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する飲料全般に適用される。
【0010】次に、食品に含有させる未水和増粘剤としては、カラギナン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム等の海藻抽出物や、グアーガム、ペクチン、アラビアガム、カードラン、キサンタンガム、ローカストビーンガム等の植物もしくは微生物由来の粘質物や、ゼラチン、卵白、カゼインナトリウム等の蛋白質等や、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース等の化学合成物等が挙げられる。これらは食品の種類等に応じて適宜選択して用いればよい。また、単独でも数種併用するようにしてもよい。中でも、結晶セルロース、カラギーナン及びキサンタンガムは、分散性に優れ、かつ夾雑物が少ないので、高圧均質化処理における増粘効果の点で好適である。
【0011】また、増粘剤の添加量は、最終食品全体に対し、0.3%以上にすることが好適である。0.3%以上であれば、後述する高圧均質化により増粘性を発揮し、沈殿防止がなされる。また、本発明に於いては、使用量が0.3〜0.6%という少量であっても、増粘性を十分に発揮するので、増粘剤に由来して飲料の飲み心地や外観を悪くしたり、異味異臭を放ったり、長期保存中にゲル化してしまったりするという問題を生じることがない。また、粘度が高すぎて、配管中を輸送しにくくなることもない。なお、増粘剤の添加量上限は、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下にする。
【0012】次に、本発明の高粘度食品の製法は、例えば、次のようにして行う。すなわち、まず、各種原料と未水和増粘剤とを水等の水性媒体に溶解、混合して溶液とする。このとき、溶液中、固形分は0.1〜50%となるようにすることが後工程の均質化効果の点で望ましい。また、油脂分は、目的に応じて、0.005〜30%とすることが望ましい。
【0013】溶液中には、食品の種類に応じ、未水和増粘剤の他に、蔗糖、液糖、水飴、非糖質甘味料等の甘味料や、乳製品、油脂、ビタミン類等の各種栄養素や、酸味料、色素、香料、各種エキス類、アルコール類、果汁、野菜搾汁、ピューレー、塩類、pH調整剤、澱粉等の適宜副原料を添加すればよい。これらは目的に応じて単独でも2種以上併用してもよい。
【0014】また、上記溶液の温度は85℃以下に設定することが望ましい。85℃を超えると、後述の均質化工程中に溶液の温度が90℃以上に上昇してしまい、過度の熱履歴を受けて風味が劣化し易くなる傾向にある。なお、85℃以下の温度に調整するために、水として95℃以下の温水を用いるようにしてもよく、あるいは混合時に85℃以下となるよう溶液原料もしくは水の温度を調整したり、溶液の温度を適宜上昇するようにしてもよい。
【0015】次に、上記溶液を、500kg/cm2以上の圧力で均質化する。均質化の圧力は、500kg/cm2以上、好ましくは700〜1500kg/cm2にする。圧力が500kg/cm2未満であると、均質化が不十分となる。この均質化により、溶液の見掛け粘度を40cP(20℃)以上とすることが好適である。見掛け粘度が40cP未満であると、食品成分の沈殿防止効果が得られにくい。なお、見掛け粘度とは、B型粘度計(例えば、ビスメトロン粘度計VDA−L(芝浦システム))にて低粘度用アダプター(回転数6rpm、40秒)を用い、20℃の試料を測定した数値である。
【0016】また、均質化後の溶液中の水不溶性成分の平均粒子径は、好ましくは1.0μm以下、好ましくは0.7μm以下となっていることが乳化安定効果の点で望ましい。なお、ここでいう水不溶性成分とは、油脂単独、あるいは油脂もしくは蛋白質に、増粘剤、乳化安定剤等の原料が複合化され、水不溶性となったもの、または澱粉粒子、ココア粒子等を指す。また、上記均質化は、1回でも2回以上繰り返してもよく、圧力や溶液の種類に応じて適宜設定すればよい。このようにして得られた食品は、食品に添加された未水和増粘剤が食品中に水和し、良好に増粘して、食品成分の沈殿が防止され、また、風味、飲み心地、舌触りが良好である。
【0017】また、上記均質化に使用する装置は、図2に示すような高速ホモミキサーや、図3に示すようなマントンゴーリン、図1に示すような液体流路が分岐後合流する機構となった均質機等が挙げられるが、特に図1に示すような機構の均質機を用いると、乳化安定性の点で更に好適である。
【0018】図2(a)〜(c)に示すように、高速ホモミキサーは、ステーター16内のタービン羽根17を高速回転させることによって、液体を高速で攪拌し、その間に生じる剪断力、衝撃、粒子同士の衝突等によって均質化を行うものである。また、図3に示すように、マントンゴーリンは、一定量の試料30を高圧でバルブ22とバルブ23との細い隙間Cに送り、その時の粒子の衝突によって均質化するものである。マントンゴーリンにおける圧力は、試料30が隙間Cを通過する前までにかかる圧力の総量を検出するようになっている。
【0019】また、図1のような機構を有する均質機としては、例えばナノマイザー(株)製の「ナノマイザー」やマイクロフルイデックス社製の「マイクロフルイダイザー」等が挙げられる。図1において、1はポンプ、2は圧力計、3はチャンバー、4は送液路、5a、5bは分割路(細管)、6は送液路、7は製品出口である。この均質機は、送液路4が分岐点Aで2本の分割路5a、5bとなり、更に、この分割路5a、5bが合流点Bで合流して送液路6となっている。
【0020】このような機構となっていることにより、ポンプ1を介して、高圧で試料10を送液路4へ送ったとき、試料10中の粒子が合流点Aで衝突して分岐し、次に各分割路5a、5bの細い流路を通ることにより、更に粒子同士が衝突し、そして、各分割路5a、5bの合流点Bで液体同士が合流する衝撃で更に粒子が衝突するようになっている。なお、この均質機においての圧力は、試料10が分割路5a、5bに入る前までの圧力を検出するようになっている。従って、前述の図2や図3に示す高速ホモミキサーやマントンゴーリンタイプの均質機に比べ、送液全体に均一に均質圧力が加わり、液体中の水不溶成分の粒子径を均一に小さくできる。
【0021】上記のようにして得られた高粘度食品は、そのままでもよいが、製品化に当たっては、缶、瓶、紙パック、レトルトパウチ等の容器に充填、密封し、必要に応じて殺菌すればよい。また、例えば、密封容器入り飲料とした場合は、常温のまま流通しても、必要に応じ、加温もしくは冷蔵して販売してもよい。
【0022】また、本発明の高粘度食品の場合には、油脂を含有していても、乳化安定剤を用いずに乳化することが可能であるが、油脂の含有量が多い場合や静菌、粘度調整等の各種目的に応じて乳化安定剤を用いてもよい。乳化安定剤としては、従来用いられているものを用いればよく、例えば、サポニン、レシチン、モノグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは単独でも数種併用してもよい。これらの添加量は、高粘度食品の配合等に合わせ適宜設定すればよく、通常は、高粘度食品全体重量中の1.0%以下とする。また、上記乳化剤は、乳化安定性、静菌性を高める点で均質化の後に添加すると更に好適である。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明の澱粉粒子もしくはココア粒子を含有する高粘度食品の製法は、未水和増粘剤を添加した溶液を高圧で均質化し、溶液中に未水和増粘剤を十分水和させ、増粘剤の増粘効果を最大限に発現させるようにしている。従って、最少量の増粘剤の使用で食品成分の沈殿を防止することができると共に、風味、飲み心地、舌触りのよい食品とする事ができる。また、乳化安定性に優れており、長期保存してもその品質を保持することができる。また、乳化安定性が向上することにより、乳化安定剤の使用量が少なくて済むか、もしくは使用しなくても済み、乳化安定剤に由来する臭い、味の影響が少なく、風味の良い食品とする事ができる。また、高圧均質化する事により、食品の白濁が改善され、透明度の高い高粘度食品とする事もできる。また、溶液に添加した未水和増粘剤を、高圧均質化を行うことにより十分溶液中に水和させることができるので、製造効率が良い。
【0024】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説明する。
〈実施例1〜4、比較例1〜2〉表1に示す組成、条件でそれぞれ溶液を調製し、ガラス瓶(165cc容量、直径53mm、高さ133mm)に155ml充填し、巻き締めし、121℃で、25分間加熱殺菌して密封容器入りココア飲料を得た。なお、均質化には、ナノマイザー又はマントンゴーリンを用いた。得られた密封容器入りココア飲料について、下記のようにして試験を行った。
【0025】〈沈殿有無確認試験〉上記瓶入りココア飲料各10本を室温にて2週間保存した後、生じた沈殿物の層の厚さを測定した。
〈乳化安定性確認試験〉上記瓶入りココア飲料各10本について、55℃2週間保存後のミルクリング(内容物上部に浮上した油脂層)の厚みを測定した。以上の結果を表1に併せて示す。
【0026】
【表1】

【0027】表1の結果から、実施例のココア飲料は、いずれも沈殿や油脂分の分離がなく、また、外観、風味共に良好なココア飲料であった。これに対し、比較例1は均質化を150kg/cm2で行ったので、粘度が低く、沈殿が生じた。また、油脂分の浮上によるミルクリングの発生も見られた。また、比較例2のココア飲料は、沈殿及びミルクリングが発生し、また、増粘剤の分散が不十分なため、風味評価でざらつきが認められた。




 

 


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