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発明の名称 衣料用防虫剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−199816(P2001−199816A)
公開日 平成13年7月24日(2001.7.24)
出願番号 特願2000−7657(P2000−7657)
出願日 平成12年1月17日(2000.1.17)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011 AC05 BA01 BB15 BC01 BC03 BC05 BC18 DA03 DA07 DC08 DC10 DC11 DD06 
発明者 菅野 雅代
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】一般式 化1【化1】

[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。]で示されるエステル化合物を有効成分とすることを特徴とする衣料用防虫剤。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衣料用防虫剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来、ハエ、カ等の衛生害虫に対し有効な家庭用殺虫剤として、ピレスロイド系化合物が広く使われており、その中でも、アルコール側にシクロペンテノロン環を有するd−アレスリン、プラレトリン等は、蚊取線香、マット等の有効成分として使用されている。しかしながら、これらの化合物は衣料用防虫剤としては効力等の点で必ずしも充分とは言えない。
【0003】また、衣料用防虫剤として、パラジクロロベンゼン、ナフタレン、ショウノウ等を有効成分とするものが知られているが、衣類に異臭が移ることや防虫効力が必ずしも充分でないことが問題とされている。
【0004】一方、近年衣料用防虫剤として使用できるピレスロイド系化合物としてエムペントリンが開発され、衣類に異臭が移らない等の利点が評価されているが、該化合物は苛酷な条件の下では、時として衣料品の銅もしくは銅合金部分、更には含銅染料による染色部等における変色を引き起こすことがあり、該化合物も衣料用防虫剤として必ずしも万全とは言えない。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる状況の下、本発明者らは検討を重ねた結果、一般式 化2【化2】

[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。]で示されるエステル化合物を有効成分とする防虫剤が、衣料害虫に対し卓効を示すのみならず、即効性および残効性に優れ、衣料に対し異臭、変色等の悪影響を起こさない等、衣料用防虫剤として優れた性能を発揮することを見出し本発明に至った。即ち、本発明は、前記一般式 化2で示されるエステル化合物(以下、本化合物と略す。)を有効成分とする衣料用防虫剤を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本化合物には不斉炭素に基づく光学異性体(R,S)や二重結合に基づく幾何異性体(E,Z)やシクロプロパン環に基づく幾何異性体(シス,トランス)が存在するが、本発明には衣料害虫防除活性を有するすべての光学異性体、幾何異性体およびそれらの混合物が含まれる。
【0007】本化合物は、例えば、一般式 化3【化3】

[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。]で示されるアルコ−ル化合物と式 化4【化4】

で示されるカルボン酸化合物またはその酸クロリドとを反応させることにより製造することができる。該反応は、通常、縮合剤または塩基の存在下、溶媒中で行なわれる。縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロリド(WSC)等があげられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基があげられる。溶媒としては、ベンゼン、トルエンまたはヘキサン等の炭化水素類もしくはジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テル類、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等があげられる。反応終了後の反応液は、これを水に注加した後に有機溶媒抽出、濃縮等の後処理操作を行うことにより、本化合物を得ることができる。本化合物はクロマトグラフィ−、蒸留等の操作によって精製することができる。
【0008】式 化4で示されるカルボン酸は、例えば特開昭57−142993に記載の方法に準じて製造することができる。本発明の衣料用防虫剤で防除できる衣料害虫としては、例えばTinea属 Tinea translucens(イガ)等Tineola属 Tineola bisselliella(コイガ、common clothes moth)等Hofmannophila属 Hofmannophila pseudospretella(brown house moth)等Endrosis属 Endrosis sarcitrella(white-shouldered house moth)等の鱗翅目衣料害虫Attagenus属 Attagenus unicolor(ヒメカツオブシムシ)等Attagenus piceus(black carpet beetle)等Anthrenus属 Anthrenus verbasci(ヒメマルカツオブシムシ、varied carpetbeetle)等Dermestes属 (hide beetles)D.maculatus(hide beetles)D.lardarius(larder beetle)D.haemorrhoidalisD.peruvianus 等の鞘翅目衣料害虫等を挙げることができる。
【0009】本発明の衣料用防虫剤は、通常、衣料に対する防虫効果が要求される場所、例えば、和タンス、洋服タンス、整理タンス、衣装箱、クロゼット等の衣料品や衣類を収納する目的に用いられる各種の収納具内で使用される。
【0010】本発明の衣料用防虫剤は、本化合物をそのまま用いることもできるが、通常は、本化合物に、固体担体、昇華性担体、液体担体、ガス状担体等適当な担体および必要により界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、例えば粉末剤、顆粒剤、錠剤、棒状製剤、板状製剤等の固剤形態、あるいは水和剤、乳剤、分散剤、懸濁剤、噴霧剤、エアゾール剤、油剤等の液剤形態、樹脂蒸散剤、含浸紙蒸散剤等の非加熱蒸散剤に調製した上で、各剤に応じた施用形態で衣料用防虫剤として使用される。
【0011】上記液剤形態へ調製するに際し用いられる担体(希釈剤)としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ケロシン、パラフィン、石油ベンジン、シクロヘキサン、灯油、軽油等の脂肪族炭化水素類、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エ−テル類(ジイソプロピルエ−テル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類等、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等を挙げることができる。
【0012】また、該液剤形態に用い得る製剤用補助剤としては、乳化剤、分散剤等の界面活性剤、展着剤、湿潤剤、安定剤、噴射剤、塗膜形成剤等を例示することができ、具体的には、例えば、石けん類、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールモノステアレート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等のアルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩などの界面活性剤;液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、フルオロカーボン、ブタンガス、炭酸ガス等のガス状担体、即ち噴射剤;ニトロセルロース、アセチルセルロース、メチルセルロース、アセチルブチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル樹脂等のビニル系樹脂、アルキッド系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ゴム等のゴム、ポリビニルアルコール等の塗膜形成剤;カゼイン、ゼラチン、でんぷん粉、アラビアガム、セルロ−ス誘導体、アルギン酸等の多糖類、カルボキシメチルセルロース(CMC)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等の合成水溶性高分子等の固着剤や分散剤等の製剤用補助剤を例示できる。
【0013】また、上記固剤形態へ調製するに際し用いられる担体としては、例えば、ケイ酸、カオリン、活性炭、ベントナイト、珪藻土、タルク類、クレー、炭酸カルシウム、合成含水酸化珪素、酸性白土等の粘土類、セラミック、セリサイト、石英、硫黄、水和シリカ等のその他の無機鉱物、硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等の化学肥料等の微粉末あるいは粒状物、陶磁器粉等の各種鉱物物質粉末や、シクロデキストリン等の包接化合物を例示できる。昇華性担体としては、例えば、ジハイドロキシヘキサン、ジメチルオキサレ−ト等を例示できる。
【0014】さらに、上記固剤形態には、本化合物を、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の合成樹脂等の樹脂に練り込み、この混練物を成型することにより得られる樹脂成形物の形態も包含される。
【0015】このようにして調製される各種形態を有する本発明の衣料用防虫剤は、本化合物を、通常0.01〜80重量%の範囲、好ましくは0.1〜65重量%の範囲で含有する。
【0016】また本発明の衣料用防虫剤は、必要に応じて公知のピレスロイド系殺虫剤に配合可能なピペロニルブトキサイド(α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン)、MGK−264(N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、S−421(ビス−(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル)等の共力剤や、安定化剤として例えば有機酸やPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノ−ルと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノ−ルとの混合物)、トコフェロ−ル等の抗酸化剤、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸またはそのエステル等を含有することができる。これらの添加量は本化合物に対し、通常、1/100〜10重量倍である。また、その他の添加剤として、例えばパラベン(パラヒドロキシ安息香酸)、PCMX(4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール)、チモール(6−イソプロピル−m−クレゾール)、ヒノキチオール等天然抽出物抗菌剤等の防菌・防黴剤等を用いることもできる。更に本発明の衣料用殺虫剤は、他の衣料用防虫剤の活性成分を含有していてもよい。また、本発明の衣料用殺虫剤と他の衣料用防虫剤とを併用することもできる。
【0017】また、本発明の衣料用殺虫剤は、他の殺虫剤、昆虫生長制御剤、殺ダニ剤、殺菌剤、害虫忌避剤、その他の香料、色素、顔料等の添加剤等と混用または併用することもできる。かかる殺虫剤、殺ダニ剤としては、例えばDDVP〔2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェ−ト〕等の有機リン系化合物、トランスフルスリン〔2,3,5,6−テトラフルオロベンジル(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、テトラレトリン(RS)−3−アリル−2−メチル−4−オキソシクロペント−2−エニル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、5−(2−プロピニル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、ペルメトリン〔3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、d−フェノトリン〔3−フェノキシベンジル (1R−シス,トランス)−クリサンテマ−ト〕、シフェノトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R−シス,トランス)−クリサンテマ−ト〕、d−レスメトリン〔5−ベンジル−3−フリルメチル(1R−シス,トランス)−クリサンテマ−ト〕、テフルトリン〔2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル(1RS−シス(Z))−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、テトラメトリン〔3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1RS)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕、アレトリン〔(RS)−3−アリル−2−メチル−4−オキソシクロペント−2−エニル(1RS)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕、プラレトリン〔(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)シクロペント−2−エニル(1R)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕、イミプロスリン〔2,5−ジオキソ−3−(プロプ−2−イニル)イミダゾリジン−1−イルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)シクロプロパンカルボキシレ−ト〕、d−フラメトリン〔5−(2−プロピニル)フルフリル(1R)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕等のピレスロイド化合物、メトキサジアゾン〔5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル−2−(3H)−オン〕等があげられ、昆虫生長制御剤としては、例えばピリプロキシフェン〔4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピルエーテル〕、フェノキシカルブ〔エチル 2−(4−フェノキシフェノキシ)エチルカーバメート〕、ハイドロプレン〔エチル(2E,4E)−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエノエート〕、メトプレン〔イソプロピル (2E,4E)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエノエート〕等があげられ、害虫忌避剤としては、例えば3,4−カランジオール、N,N−ジエチル−m−トルアミド、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸−1−メチルプロピル、p−メンタン−3,8−ジオール、2、3、4、5、−ビス(△2−ブチレン)テトラヒドロフルフラ−ル、ジ−n−プロピルイソシンコロネ−ト、ジ−n−ブチルサクシネ−ト、2−ヒドロキシオクチルスルフィド、(N−カルボ−sec−ブチロキシ)−2−(2’−ヒドロキシエチル)ピペリディン、ヒソップ油、ホースラディシュ油、ベイ油、ヨロイグサ油、フェンネル油、バジル油、アニススタ−油、ショウブ油、オレガノサンダルウッド油、セイヨウノコギリソウ油、シソ油、バレリアン油、ショウガ油、パルマロ−サ油、セイヨウニッケイ油、イランイラン油、クロ−ブ油等を有効成分とする害虫忌避剤があげられる。
【0018】本発明の衣料用防虫剤は、衣料に対し防虫効果を要求される場所、例えば衣料の収納家具内に、適当な包装材、例えば公知の各種の起毛状、クレープ状、網状、層状の紙、不織布、布等で包装するかもしくは包装することなく投入する方法や、撒布、噴霧、塗布、貼り付け等の方法により使用することができる。殊に、本化合物は実質的に無臭であるため、直接衣料や衣類に接触する方法により使用することも可能である。
【0019】また本発明の衣料用防虫剤は、例えばこれを予め適当なシート状基材に塗布、含浸、噴霧、滴下、混練等により保持させて、該基材に保持された形態で、使用され得る。この際用いられるシート状基材とは、各種素材のフィルム、シート、紙、布、不織布、皮革等を含むものであり、素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の合成樹脂、動物質繊維、無機質繊維等を挙げることができる。そして、シート状基材として、単一の素材を用いた基材のみならず、これらの素材の2種以上を混合したシートや混紡布、これらの素材の不織布の2種以上を積層したシート等をも挙げることもできる。また必要に応じ、シート状基材中に無機質粉体等を含有することもできる。
【0020】更に、収納家具の部材、例えばキリ、ペンシルシダ、クス、イチイ、モミ、トドマツ、ツガ、ジョンコン、ジエルトン、アガチス、スギ、オニグルミ、ブナ、ミズナラ、ケヤキ、ハルゴレ等の木材;塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のプラスチックス;段ボール等に予め塗布、含浸、噴霧、滴下等により、あるいは可能な場合には混練により、本発明の衣料用防虫剤を保持させることもできる。その好適な保持手段としては、本化合物及び、加温等により液化させた常温でゲル化するか又は結晶化ないし固化する化合物を、別々に又は予め混合後、常圧下、減圧下又は加圧下、例えば家具部材に含浸させる方法を例示できる。ここで用いられる加温等により液化可能な常温でゲル化する化合物としては、通常のゲル化剤、例えばジベンジリデン−D−ソルビトールを挙げることができ、加温等により液化可能な常温で結晶化ないし固化する化合物としては、例えばアセトアニリド、イソフタル酸ジメチル、酢酸マグネシウム、テレフタル酸ジメチル、無水マレイン酸、ラウリン酸、ステアリルアルコール、石油系固形パラフィン、動植物系固体ロウ、四ホウ酸ナトリウム(10水塩)、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸マグネシウム(6水塩)、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン、トリシクロデカン、トリメチレンノルボルネン、リン酸水素二ナトリウム(5水塩)を挙げることができる。
【0021】本発明の衣料用防虫剤は本化合物が通常10mg〜100g/m2となるように使用される。
【0022】本発明の衣料用防虫剤は、衣料害虫に対する強力な防虫効力及び適度な揮散性を有すのみならず、速効性および残効性を併せ持つ。また、粉剤、粒剤、昇華製剤等の剤型とするときには短期用として少量で有効に揮散させることができる。更に異臭もほとんど無く無臭であり、好みの付香もでき、且つタンス等の収納器内に洋服等の衣料を長期間保管する場合でも衣料の変色、その他の悪影響を引き起こすことがなく、該衣料をタンスから出して直ちに着用可能である等、優れた性能を有している。また、本化合物は、温血動物に対して低毒性の化合物である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1ベンジルアルコール300mg、ピリジン329mgおよびトルエン10mlの混合溶液に、氷冷下、(1RS)−シス−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸クロリド724mgを加えた後、室温で8時間攪拌を続けた。反応液を氷水約50ml中に注加し、これを酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、粗油状物を得た。該粗油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)に付し、ベンジル (1RS)−シス−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(本化合物1)501mg(収率54%)を得た。1H−NMR(CDCl3,TMS内部標準)δ値(ppm):1.31(s,6H),2.05(d,1H),2.19(dd,1H),5.12(s,2H),6.91(d,1H),7.28〜7.40(m,5H)
製造例22メチル−ベンジルアルコール500mg、ピリジン647mgおよびトルエン20mlの混合溶液に、氷冷下、(1RS)−シス−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸クロリド1268mgを加えた後、室温で8時間攪拌を続けた。反応液を氷水約50ml中に注加し、これを酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、粗油状物を得た。該粗油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)に付し、2−メチルベンジル (1RS)−シス−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(本化合物2)1272mg(収率90%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS内部標準)δ値(ppm):1.30(s,3H),1.31(s,3H)2.02(d,1H),2.16(dd,1H),2.38(s,3H),5.18(d,2H),6.92(d,1H),7.18〜7.39(m,4H)
【0024】製剤例1長方形(0.35m×1m)の不織布に本化合物/ブチルヒドロキシアニソール=5/1(重量比)の混合剤を本化合物が5g/m2となるよう塗布、乾燥し、厚さ80μmのポリエチレンフィルムではさみ、ヒートシーラーにより長方形の三辺を熱圧着することにより防虫シートを得る。
【0025】製剤例2本化合物をアセトンに溶解したものを、0.9m2タトー紙に2g/m2となるよう塗布、乾燥し、和ダンス盆部用防虫シートを得る。
【0026】製剤例3本化合物をアセトンに溶解したものを、100mmφ×3mmパルプ製厚紙に3mg/cm2となるよう塗布、乾燥し、マット状防虫シートを得る。
【0027】製剤例4本化合物:ケイ酸:シクロドデカン=1:1:98重量部を十分擂潰混合後、300kg/cm2圧力下10g/錠に打錠して錠剤を得る(これは不織布で包装して用いるのに適する。)。
【0028】製剤例5片面に塩化ビニリデンコートナイロン/ポリエチレンを20μ厚にラミネートしたダンボールの他面より本化合物の10%含有ジクロルメタン溶液を110ml/m2処理し、溶剤留去後、500×800×200mmの蓋付防虫衣裳箱を得る。
【0029】試験例1ポリエチレンカップ(底部の直径10cm,開口部の直径12.5cm,高さ9.5cm,体積950cm3)の底部に2cm×2cmのウールモスリン布とコイガ中令幼虫10頭を入れ、その蓋から本化合物1または2を所定量処理した濾紙(2cm×2cm)を吊るして密封した。温度25℃で1週間放置後、開封し、苦死虫率を求めた(2反復)。また、比較例として、本化合物1または2にかえて、4−メチルベンジル (1RS)−シス−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(比較化合物A)、2,4,6−トリメチルベンジル (1RS)−シス−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(比較化合物B)または2,5−ジクロロベンジル (1RS)−シス−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(比較化合物C)を用いる以外は全て同様に試験を行った。なお、化合物A、B及びCは特開昭58−46005号公報に記載の化合物である。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

本化合物1と本化合物2は処理直後および処理1週間後の観察時に、薬剤処理濾紙の変色をもたらさず、また異臭も認められなかった。
【0031】試験例2本化合物1および本化合物2の3.3mgを各々アセトンに溶解し、各々のアセトン溶液を2cm×1.5cmの濾紙に各々塗布し、風乾し、薬剤処理濾紙を調製した。真鍮粉処理濾紙[真鍮粉(Cu/Zn=76〜78/22〜24)を約0.03mg/cm2の割合で直径5.5mmの濾紙の片面にすり込んだもの]を真鍮粉処理面を内側にして2つ折りにし,この中に、上記薬剤処理濾紙を各々挟みこんでクリップで止め、全体をアルミラミネート袋中にヒートシールして密閉し、60℃の恒温槽に24時間保持した。その後開封し、真鍮粉処理濾紙、薬剤処理濾紙の変色および臭気を調査した。その結果、真鍮粉処理濾紙、薬剤処理濾紙ともに臭気、変色は認められなかった。
【0032】試験例3 コイガに対する常温揮散による殺虫試験本化合物1を125mg含有するアセトン溶液を処理した角濾紙(10cm×15cm)を風乾した後、ビニ−ルロッカ−(60cm×50cm×155cm)に服6着とともに吊るし、試験装置を調製した。この服にコイガ卵10〜16個を入れた袋を吊るし、温度25℃、湿度60%条件下に保存した。1週間後に実体顕微鏡下にて生存孵化幼虫数、苦死孵化幼虫数、死卵数を調査し、下記の数式 数1により防除率を算出した。
【数1】防除率(%)=(死卵数+苦死孵化幼虫数)÷(生存孵化幼虫数+苦死孵化幼虫数+死卵数)×100ビニ−ルロッカ−はそのまま保存し、試験装置調製後2、4、8及び12週間後に、同様の試験を繰り返し行い、化合物の残効性を調べた。また、対照として本化合物1を含まない以外は全く同様にして試験を行った。所定時期に試験装置に設置した、コイガ卵についての防除率を表2に示す。
【0033】
【表2】

【0034】試験例4 コイガに対する常温揮散による殺虫試験本化合物1または本化合物2を各々100mg含有するアセトン溶液を処理した濾紙(34cm×58cm)を風乾した後、衣装箱(427mm×725mm×158mm)に服8着とともに収納し、試験装置を調製した。この服にコイガ卵10〜15個を入れた袋を設置し、温度25℃、湿度60%条件下に保存した。1週間後に実体顕微鏡下にて生存孵化幼虫数、苦死孵化幼虫数、死卵数を調査し、上記の数式 数1により防除率を算出した。衣装箱はそのまま保存し、試験装置調製後2、4、8及び12週間後に、同様の試験を繰り返し行い、化合物の残効性を調べた。また、対照として本化合物1または本化合物2を含まない以外は全く同様にして試験を行った。所定時期に試験装置に設置した、コイガ卵についての防除率を表3に示す。
【0035】
【表3】

【0036】
【発明の効果】本発明の衣料用防虫剤は、衣料害虫に対し卓効を示すのみならず、即効性および残効性に優れ、衣料に対し異臭、変色等の悪影響を起こさない等、衣料用防虫剤として優れた性能を発揮する。




 

 


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