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発明の名称 ペンタシル型結晶性ゼオライトの製造方法およびε−カプロラクタムの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−72411(P2001−72411A)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
出願番号 特願2000−198919(P2000−198919)
出願日 平成12年6月30日(2000.6.30)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
発明者 市橋 宏 / 杉田 啓介 / 八子 誠
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】(1):ケイ素化合物、水および水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムを混合する工程、(2):(1)で調製された混合液から水熱合成によりゼオライト結晶を含む反応液を得る工程、(3):(2)で得られた反応液をゼオライト結晶と溶液とに分離する工程、(4):(3)で分離されたゼオライト結晶を焼成する工程、および(5):(4)で焼成されたゼオライト結晶をアンモニアおよび/またはアンモニウム塩を含む水溶液で処理する工程、からなり、工程(1)で調製された混合液中、ケイ素に対する水酸化物イオンのモル比が0.1〜0.4の範囲であり、ケイ素に対するカリウムイオンのモル比が0〜0.1の範囲であることを特徴とするペンタシル型結晶性ゼオライトの製造方法。
【請求項2】工程(1)で用いるケイ素化合物がオルトケイ酸テトラアルキルである請求項1記載の製造方法。
【請求項3】工程(1)で調製された混合液中、ケイ素に対するカリウムイオンのモル比が0.04〜0.1の範囲である請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】工程(1)で調製された混合液中、ケイ素に対する炭酸イオンのモル比が0〜0.12の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】工程(1)において、さらに水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを混合する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】工程(1)において、さらに工程(3)で分離された溶液の少なくとも一部を混合する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の方法で得られたペンタシル型結晶性ゼオライトを触媒として用い、気相条件下にシクロヘキサノンオキシムをベックマン転位反応させることを特徴とするε−カプロラクタムの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペンタシル型結晶性ゼオライトの製造方法、およびその方法により得られたペンタシル型結晶性ゼオライトを触媒として用いるε−カプロラクタムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ペンタシル型結晶性ゼオライトの製造方法としては、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム等の化合物をいわゆる鋳型剤として用い、オルトケイ酸テトラアルキル等のケイ素化合物を水熱合成反応させる方法が知られている(例えば、特開昭59−164617号公報等)。そして、このペンタシル型結晶性ゼオライトを触媒として用いた有機合成反応の例として、気相反応条件下にシクロヘキサノンオキシムをベックマン転位(気相ベックマン転位)させ、ε−カプロラクタムを製造する方法が知られている(例えば、特開平2−275850号公報、特開平2−250866号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、ペンタシル型結晶性ゼオライトを主に気相ベックマン転位の触媒として用いる観点から、その製造方法について検討を行なったところ、従来の方法では、得られたペンタシル型結晶性ゼオライトの触媒活性が十分でないことがあり、また再現性の点でも満足できるものではなかった。そして、この問題点は、水熱合成反応液から結晶を回収した残液に含まれる未反応原料をリサイクル使用する場合において、特に顕著なものであった。本発明の目的は、上記問題点を解決し、優れた触媒活性を有するペンタシル型結晶性ゼオライトを再現性良く製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討の結果、原料の使用量や原料中の不純物を管理する等して、水熱合成に供する原料混合液中の特定の成分のモル比を調整することにより、優れた触媒活性を有するペンタシル型結晶性ゼオライトを再現性良く製造できることを見出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1):ケイ素化合物、水および水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムを混合する工程、(2):(1)で調製された混合液から水熱合成によりゼオライト結晶を含む反応液を得る工程、(3):(2)で得られた反応液をゼオライト結晶と溶液とに分離する工程、(4):(3)で分離されたゼオライト結晶を焼成する工程、および(5):(4)で焼成されたゼオライト結晶をアンモニアおよび/またはアンモニウム塩を含む水溶液で処理する工程、からなり、工程(1)で調製された混合液中、ケイ素に対する水酸化物イオンのモル比が0.1〜0.4の範囲であり、ケイ素に対するカリウムイオンのモル比が0〜0.1の範囲であるペンタシル型結晶性ゼオライトの製造方法に係るものである。また、本発明は、上記方法により得られたペンタシル型結晶性ゼオライトを触媒として用い、気相条件下にシクロヘキサノンオキシムをベックマン転位反応させるε−カプロラクタムの製造方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明においては、工程(1)として、ケイ素化合物、水、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムおよび必要に応じて他の化合物を混合することにより、水熱合成の原料液として用いる混合液を調製することができる。
【0006】ケイ素化合物としては、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラプロピル、オルトケイ酸テトラブチル等のオルトケイ酸テトラアルキルが好ましく、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でもオルトケイ酸テトラエチルが特に好ましい。また、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムとしては、通常、水溶液が用いられる。
【0007】混合液中、ケイ素に対する水のモル比は、通常5〜100、好ましくは10〜60の範囲である。またケイ素に対するテトラ−n−プロピルアンモニウムイオンのモル比は、通常0.1〜0.3、好ましくは0.15〜0.3の範囲である。
【0008】本発明においては、混合液中、ケイ素に対する水酸化物イオンのモル比を0.1〜0.4の範囲とする必要があり、好ましくは0.2〜0.4の範囲である。該モル比が0.1未満の場合、得られるゼオライト結晶が大きくなるため、その外表面積が減少し、気相ベックマン転位における触媒活性が十分でないことがあり、一方、0.4を越える場合、得られるゼオライト結晶が小さくなるため、濾過性が良好でないことがある。
【0009】また、本発明においては、混合液中、ケイ素に対するカリウムイオンのモル比を0〜0.1の範囲とする必要があり、好ましくは0.04〜0.1の範囲である。該モル比が0.1を越える場合、得られるゼオライトを気相ベックマン転位の触媒として用いたときに転化率と選択率が十分でないことがある。
【0010】さらに、本発明においては、混合液中、ケイ素に対する炭酸イオンのモル比を0〜0.12の範囲とするのが好ましく、さらに好ましくは0〜0.06、特に好ましくは0〜0.03の範囲である。このようにすることにより、気相ベックマン転位の触媒として用いた場合に優れた転化率と選択率を与えるゼオライトを得ることができる。また、混合液中、ケイ素に対する炭酸イオンのモル比が0.06を越える場合は、ケイ素に対する水酸化物イオンのモル比を0.2〜0.4の範囲とするのが好ましい。
【0011】混合液中のケイ素に対する水酸化物イオンのモル比は、ケイ素化合物や水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムの使用量を調節すること等により、適宜調整することができる。また、混合液中のケイ素に対するカリウムイオンのモル比は、ケイ素化合物の使用量を調節することや、各原料、特に水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムに不純物として含まれうるカリウム化合物の含有量を管理すること等により、適宜調整することができる。さらに、混合液中のケイ素に対する炭酸イオンの含有量は、ケイ素化合物の使用量を調節することや、各原料、特に水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムに含まれうる炭酸イオン源の含有量を管理することにより、あるいは混合液の調製中や保存中に二酸化炭素が溶け込まないように管理すること等により、適宜調節することができる。
【0012】工程(1)においては、必要に応じて、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを混合してもよいし、また、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウムを混合してもよい。水酸化ナトリウムは、水酸化物イオンのモル比の調整に用いることができる。水酸化カリウムは、水酸化物イオンのモル比の調整やカリウムイオンのモル比の調整に用いることができる。また、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウムは、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオンのモル比の調整に用いることができる。
【0013】混合液中の各成分の含有量については、例えば、ケイ素はICP発光法により、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、炭酸イオンおよび臭化物イオンはイオンクロマト法により、カリウムイオンおよびナトリウムイオンは原子吸光法により、それぞれ求めることができる。水酸化物イオンの含有量は、中和滴定法(例えば、0.2N塩酸による中和滴定)で求められる炭酸イオンと水酸化物イオンの総含有量から、イオンクロマト法で求めた炭酸イオンの含有量を差し引いて求めることができる。水の含有量は、混合液の量から水以外の成分の含有量を差し引いて求めることができる。また、各原料の使用量および各原料中の各成分の量をもとに算出することもできる。
【0014】なお、工程(1)においては、必要に応じて、アルミニウム化合物、ガリウム化合物、ホウ素化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物および亜鉛化合物から選ばれる少なくとも1種を混合してもよく、該化合物としては、例えば、硝酸塩やイソプロポキシドのようなアルコキシドが挙げられる。これらの化合物の使用量は、混合液中のアルミニウム、ガリウム、ホウ素、チタン、ジルコニウムおよび亜鉛の合計に対するケイ素のモル比が通常500以上、好ましくは1000以上となるように、定めることができる。該モル比が500未満である場合、得られるゼオライト結晶の耐熱安定性や、気相ベックマン転位の触媒として用いたときの選択率が十分でないことがある。
【0015】工程(1)で調製された混合液を、工程(2)として、水熱合成に供することにより、ゼオライト結晶を含む反応液を得ることができる。水熱合成の条件については、通常、温度は80〜160℃の範囲であり、時間は1〜200時間の範囲である。
【0016】工程(2)で得られたゼオライト結晶を含む反応液は、工程(3)として、ゼオライト結晶と溶液とに分離される。該分離は、濾過により行なうのが好ましい。
【0017】工程(3)で分離されたゼオライト結晶は、必要に応じて乾燥した後、工程(4)として、焼成に供される。該焼成は、通常、空気中、窒素中または空気と窒素の混合ガス中で、400〜600℃の温度範囲で行われる。
【0018】一方、工程(3)で分離された溶液には、未反応の水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムが含まれることから、工程(1)において、該溶液の少なくとも一部を混合して、リサイクル使用することができる。
【0019】該溶液中にエタノール等のアルコールが含まれる場合、例えば、ケイ素化合物としてオルトケイ酸テトラエチル等のオルトケイ酸テトラアルキルを用い、水熱合成によりエタノール等のアルコールが生成した場合は、該溶液をリサイクル使用する前に、アルコールの一部または全部を蒸留等の操作により除去することが好ましい。
【0020】該溶液をリサイクル使用するにあたっては、保存中等に、該溶液に二酸化炭素が溶け込まないように管理するのが好ましい。具体的には、窒素ガスや二酸化炭素を除去した空気でシールして、該溶液を保存するのが好ましい。
【0021】工程(4)で焼成されたゼオライト結晶は、工程(5)として、アンモニアおよび/またはアンモニウム塩を含む水溶液で処理される。該アンモニウム塩としては、例えば、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等が挙げられ、中でも硝酸アンモニウムが好ましい。
【0022】該処理の条件については、通常、温度は50〜100℃の範囲であり、時間は0.1〜12時間の範囲である。上記水溶液として、アンモニアを含む水溶液またはアンモニアとアンモニウム塩を含む水溶液を使用する場合は、該水溶液のpHを9〜13の範囲とするのが好ましい。該処理により、ゼオライト結晶の気相ベックマン転位触媒としての触媒活性をさらに向上させることができる。処理後のゼオライト結晶は、必要に応じて、乾燥後、再度焼成してもよい。
【0023】上記工程(1)〜(5)を経て製造されたペンタシル型結晶性ゼオライトを触媒として用い、気相条件下にシクロヘキサノンオキシムをベックマン転位反応させることにより、ε−カプロラクタムを効率良く製造することができる。
【0024】該ベックマン転位反応は、固定床方式、流動床方式のいずれにおいても行なうことができる。反応温度は、通常250〜500℃、好ましくは300〜450℃、さらに好ましくは300〜400℃の範囲である。反応圧力は、通常10kPa〜0.5MPaの範囲である。触媒1kgあたりの原料シクロヘキサノンオキシムの供給速度(kg/h)、すなわち原料シクロヘキサノンオキシムの空間速度WHSV(h-1)は、通常0.1〜40h-1、好ましくは0.2〜20h-1、さらに好ましくは0.5〜10h-1の範囲である。
【0025】反応混合物からε−カプロラクタムを分離、精製する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、反応生成ガスを冷却して凝縮させ、該凝縮液を、液液分配、蒸留、晶析、水素添加処理、イオン交換、活性炭処理等に供することにより、精製されたε−カプロラクタムを得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、空間速度WHSVは、シクロヘキサノンオキシムの供給速度(Kg/h)を触媒重量(kg)で除することにより算出した。また、シクロヘキサノンオキシムの転化率およびε-カプロラクタムの選択率は、供給したシクロヘキサノンオキシムのモル数をX、未反応のシクロヘキサノンオキシムのモル数をY、生成したε-カプロラクタムのモル数をZとして、それぞれ以下の式により算出した。
シクロヘキサノンオキシムの転化率(%)=[(X−Y)/X]×100ε−カプロラクタムの選択率(%)=[Z/(X−Y)]×100【0027】実施例1<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)208g、41%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:0.063%、カリウムイオン含有量:1.28%)114gおよび水581gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.23、0.23、0.0012および0.037であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが8付近になるまでイオン交換水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて1時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて1時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。得られた粉末状白色結晶10gをオートクレーブに入れ、この中に7.5%硝酸アンモニウム水溶液110gと25%アンモニア水溶液168gとの混合液278gを加え、90℃にて1時間攪拌した後、濾過により結晶を分離した。このような硝酸アンモニウム水溶液とアンモニア水溶液との混合液による処理をさらに2回繰り返した後、得られた結晶を水洗、乾燥し、触媒Aを調製した。
【0028】<気相ベックマン転位>触媒Aを24〜48メッシュにて篩分けし、その0.375gを内径1cmの石英ガラス製反応管中に充填し触媒層を形成し、窒素を流通(4.2lh-1)させ、350℃にて1時間予熱処理した。次いで触媒層の温度を325℃に下げた後、シクロヘキサノンオキシム/メタノール=1/1.8(重量比)の混合物を8.4g/hの供給速度で反応管に供給し、シクロヘキサノンオキシムを反応させた。このときの空間速度WHSVは8h-1である。反応開始後0.5〜5.5時間の間、反応ガスを捕集し、ガスクロマトグラフで分析した。その結果、シクロヘキサノンオキシムの転化率は99.5%、ε-カプロラクタムの選択率は96.2%であった。
【0029】実施例2<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)125g、40.3%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:0.399%、カリウムイオン含有量:1.27%)71.2g、85%水酸化カリウム0.371g、および水349gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.23、0.24、0.0079および0.048であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが8付近になるまでイオン交換水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて1時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて1時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。得られた粉末状白色結晶10gに、実施例1の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Bを調製した。
【0030】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Bを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は98.4%、ε-カプロラクタムの選択率は96.7%であった。
【0031】実施例3<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)139g、40.5%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量0.913%、アンモニウムイオン含有量:0.511%、カリウムイオン含有量:1.27%)77.9gおよび水386gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.23、0.23、0.018および0.038であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが8付近になるまでイオン交換水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて1時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて1時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。得られた粉末状白色結晶10gに、実施例1の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Cを調製した。
【0032】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Cを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は98.1%、ε-カプロラクタムの選択率は96.3%であった。
【0033】実施例4<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)115g、40.1%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:1.43%、カリウムイオン含有量:1.27%)65.8g、85%水酸化カリウム0.341g、および水321gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.23、0.24、0.028および0.048であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが7付近になるまで蒸留水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて1時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて1時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。得られた粉末状白色結晶10gに、実施例1の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Dを調製した。
【0034】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Dを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は96.9%、ε-カプロラクタムの選択率は96.5%であった。
【0035】実施例5<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)115g、21.3%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:0.825%、カリウムイオン含有量:0.308%)135g、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム9g、85%水酸化カリウム1.05g、および水255gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.32、0.29、0.034および0.048であった。この混合液を105℃にて48時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが7.5〜8になるまで蒸留水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて3時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて3時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。得られた粉末状白色結晶10gに、実施例1の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Eを調製した。
【0036】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Eを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は99.7%、ε-カプロラクタムの選択率は96.3%であった。
【0037】実施例6<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)115g、12.4%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:1.22%、カリウムイオン含有量:0.199%)316gおよび水87gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.35、0.35、0.12および0.029であった。この混合液を105℃にて48時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが7付近になるまで蒸留水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて3時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて3時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。得られた粉末状白色結晶10gに、実施例1の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Fを調製した。
【0038】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Fを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は98.5%、ε-カプロラクタムの選択率は96.9%であった。
【0039】実施例7<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)208g、10%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:0%、カリウムイオン含有量:0%)468gおよび水227gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.23、0.23、0および0であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが8付近になるまで蒸留水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて3時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて3時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。得られた粉末状白色結晶12gをオートクレーブに入れ、この中に7.5%硝酸アンモニウム水溶液135gと28%アンモニア水溶液200gとの混合液335gを加え、90℃にて1時間攪拌した後、濾過により結晶を分離した。このような硝酸アンモニウム水溶液とアンモニア水溶液との混合液による処理をさらに2回繰り返した後、得られた結晶を水洗、乾燥し、触媒Gを調製した。
【0040】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Gを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は99.8%、ε-カプロラクタムの選択率は96.1%であった。
【0041】実施例8<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)208g、41%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:0.066%、カリウム含有量:1.1%)114gおよび水581gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.23、0.23、0.0013および0.032であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが8付近になるまで蒸留水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて3時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて3時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。カリウムの含有量は0.84%(ケイ素に対するカリウムのモル比は0.013)であった。得られた粉末状白色結晶12gに、実施例7の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Hを調製した。
【0042】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Hを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は99.5%、ε-カプロラクタムの選択率は96.2%であった。
【0043】実施例9<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)208g、41%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:0.066%、カリウム含有量:1.1%)114g、85%水酸化カリウム0.87gおよび水581gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.23、0.24、0.0013および0.045であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが8付近になるまで蒸留水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて3時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて3時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。カリウムの含有量は1.5%(ケイ素に対するカリウムのモル比は0.023)であった。得られた粉末状白色結晶12gに、実施例7の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Iを調製した。
【0044】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Iを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は99.8%、ε-カプロラクタムの選択率は96.9%であった。
【0045】実施例10<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)208g、41%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:0.066%、カリウム含有量:1.1%)69g、85%水酸化カリウム3.7gおよび水290gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ18、0.14、0.20、0.00076および0.076であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが7付近になるまで蒸留水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて3時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて3時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。カリウムの含有量は3.4%(ケイ素に対するカリウムのモル比は0.054)であった。得られた粉末状白色結晶12gに、実施例7の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Jを調製した。
【0046】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Jを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は98.8%、ε-カプロラクタムの選択率は96.8%であった。
【0047】実施例11<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)83g、実施例9と同様に水熱合成を行い、濾過後の濾液を濃縮して得られた濃縮液(水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム含有量:7.87%、炭酸イオン含有量:0.0231%、カリウム含有量:0.22%、シリカ含有量2.43%)350g、85%水酸化カリウム0.42gおよび水40gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.25、0.27、0.0025および0.048であった。この混合液を105℃にて48時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが8付近になるまでイオン交換水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて1時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて1時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。得られた粉末状白色結晶10gに、実施例1の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Kを調製した。
【0048】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Kを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は99.4%、ε-カプロラクタムの選択率は96.5%であった。
【0049】比較例1<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)208g、41%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:0.066%、カリウム含有量:1.1%)45g、85%水酸化カリウム7.5gおよび水290gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ18、0.091、0.20、0.00050および0.13であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行った。得られた反応液を濾過し、濾残を洗液のpHが8付近になるまで蒸留水で連続的に洗浄し、白色結晶を得た。この白色結晶を110℃にて16時間乾燥した後、530℃にて3時間窒素流通下に焼成し、次いでさらに530℃にて3時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオライトと同定された。カリウムの含有量は8.2%(ケイ素に対するカリウムのモル比は0.14)であった。得られた粉末状白色結晶12gに、実施例7の<ゼオライト合成>の後段と同様の操作を行ない、触媒Lを調製した。
【0050】<気相ベックマン転位>実施例1の<気相ベックマン転位>において、触媒Aの代わりに触媒Lを用いた以外は、同様の操作を行なった。シクロヘキサノンオキシムの転化率は80.5%、ε-カプロラクタムの選択率は96.8%であった。
【0051】比較例2<ゼオライト合成>容量1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)139g、41%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液(炭酸イオン含有量:0.063%、カリウム含有量:1.1%)77.9g、85%水酸化カリウム11.2gおよび水386gを入れ、120分間激しく攪拌した。得られた混合液中のケイ素に対する、水、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびカリウムイオンのモル比は、それぞれ36、0.23、0.49、0.0012および0.29であった。この混合液を105℃にて96時間、300rpm以上の回転数で攪拌し、水熱合成を行ったが、結晶は得られなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、気相ベックマン転位反応の触媒等として優れた性能を有する、ペンタデシル型結晶性ゼオライトを再現性良く製造することができる。




 

 


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