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富士通株式会社
発明の名称
磁気ディスク装置のシークエラー防止方法,磁気ディスク装置及び記録媒体
発行国
日本国特許庁(JP)
公報種別
公開特許公報(A)
公開番号
特開2000−243049(P2000−243049A)
公開日
平成12年9月8日(2000.9.8)
出願番号
特願平11−37972
出願日
平成11年2月17日(1999.2.17)
代理人
【識別番号】100094662
【弁理士】
【氏名又は名称】穂坂 和雄 (外2名)
【テーマコード(参考)】
5D088
5D096
【Fターム(参考)】
5D088 MM04
5D096 AA03 CC01 DD01 DD06 EE03 EE06 EE18 GG01 HH11 KK11
発明者
鶴見 浩司
要約
目的
構成
特許請求の範囲
【請求項1】 磁気ディスク装置のシークエラー予防方法において,磁気ディスク上にサーボ情報の記録が十分保証された特定のシリンダを設け,磁気ディスク装置の運用中に一定時間以上コマンドが入力されない状態になるとシークエラー検出予防の制御が起動され,起動により前記特定のシリンダをシークしてシークエラーの有無を検出し,シークエラーを検出すると,ダミーライトまたはヘッドチェンジの何れか一つの動作を実行して,一つのヘッドについて終了すると次のヘッドについて同様の処理を繰り返し行うことを特徴とする磁気ディスク装置のシークエラー予防方法。
【請求項2】 請求項1において,前記シークエラー発生を検出すると,ログ情報としてヘッド情報を含む関連情報を格納することを特徴とする磁気ディスク装置のシークエラー予防方法。
【請求項3】 磁気ディスク装置において,磁気ディスク上にサーボ情報の記録が十分保証された特定のシリンダを設け,磁気ディスク装置は,運用中に一定時間以上コマンドが入力されない空き時間を検出する手段と,前記検出手段により空き時間を検出すると起動するシークエラー検出予防部とを備え,前記シークエラー検出予防部は,起動すると前記特定のシリンダをシークする手段と,前記特定シリンダシーク手段によるシークエラーの発生の有無を判別するシークエラー判別手段と,前記シークエラー判別手段によるエラーの発生を判別すると,ダミーライトまたはヘッドチェンジの何れか一つの動作を実行するバルクハウゼンノイズ除去手段とを備え,前記シークエラー検出予防部は空き時間が続く間各ヘッドに対して各手段による制御を繰り返し行うことを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項4】 磁気ディスク上にサーボ情報の記録が十分保証された特定のシリンダを設けた磁気ディスク装置を制御するためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって,磁気ディスク装置の運用中に一定時間以上コマンドが入力されない空き状態になるとシークエラー検出予防の制御を起動させ,前記特定のシリンダをシークしてシークエラーの有無を検出させ,シークエラーの検出によりダミーライトまたはヘッドチェンジの何れか一つの動作を実行させ,前記空き状態の期間各ヘッドについて同様の処理を繰り返し実行させるプログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本願は磁気ディスク装置のシークエラー防止方法,磁気ディスク装置及び記録媒体に関する。
【0002】磁気ディスク装置のエンベデッドサーボ方式では,サーボ情報だけが格納されたサーボ面サーボ方
式と異なり,データを格納する面にサーボ情報が埋め込まれ(エンベデッドされ)る形式であり,そのサーボ情報を読み込むことでヘッドの位置決めを行っていた。また,磁気ディスクを高密度に書き込み,読み出すためのヘッドとして従来のフェライト型のヘッドではなくMR(Magneto Resistive:磁気抵抗効果) ヘッドが利用されるようになったが,雑音による影響を受けやすいためその改善が望まれている。
【0003】
【従来の技術】図5はエンベデッドサーボの磁気ディスクを示す。磁気ディスクには各トラック上の一定間隔毎にサーボ情報が記録されており,データ面に扇状にサーボ領域が設けられている。サーボ情報の構成は,図6に示され,先頭にサーボ情報であることを表すデータが記録されたサーボマーク,次にヘッド位置のずれを検出して補正するためのポジション信号,その後にシリンダ番号,ヘッド番号の情報がグレイコードで記録される。このグレイコードは,ヘッドが必ずしもデータの中央に位置していない場合に,ヘッドがこのデータの一部を横切っても読み取りが可能である。データヘッドはサーボマークを検出することによりサーボ情報と同期をとって後続のポジション情報やグレイコード等を読み込む。
【0004】このエンベデッドサーボ方式では従来のサーボ面サーボと異なり,データに対するオフセット補正がリアルタイムに行われるため,シーク(またはトラッキング)動作時の位置決め精度を高くすることができ,記録密度を高めることが可能となった。
【0005】現在,データヘッドには従来のフェライトに対し,飛躍的に記録密度を上げることができるMRヘッドを使用している。MRヘッドは,磁束の変化に対して抵抗値が変化して,そこに電流を流すと抵抗値に対応した電圧が変化し,その電圧を再生出力として得られる。このため,MRヘッドは外来ノイズにより出力電圧に影響を受けやすい。また,MRヘッドの磁区が揃っていれば問題がないが,製造時の特性が悪いために磁区が揃っていない場合や,使用中に磁区が乱れる(揃わない状態になる)と,再生した信号にノイズが乗る現象を発生する。この現象をバルクハウゼンノイズという。
【0006】このようなノイズが発生すると磁気ディスクからデータを読めなくなる他に,サーボ情報が読めなくなるため,シーク(トラッキング)エラーを発生する。そこで,外来ノイズやバルクハウゼンノイズを除去するために,従来から次のような方法が用いられている。
【0007】すなわち,バルクハウゼンノイズがリード時に発生した場合,シーク時にエラーが発生するため,シークリトライ(シーク動作の再試行)時にデータのライト(書き込み)を行うか,ヘッドチェンジを行う(ヘッドを予備に切り替えることでバイアス電流が瞬間的に消えた状態となる)等の方法により,乱れた磁区がそろ
い,ノイズが発生しなくなる確率が高い。
【0008】従って,シークリトライ時に,ダミーライト(ダミーデータを書き込み)させたり,ヘッドチェンジを行わせることによりバルクハウゼンノイズを除去する方法いをとることが従来採用されてきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが,ダミーライトやヘッドチェンジの方法は,一回行うことで必ずバルクハウゼンノイズを除去できる方法ではなく,シークリトライ時に行う以外に,予防的にバルクハウゼンノイズを検出し,必要に応じてダミーライトやヘッドチェンジ等の対策を行ったり,SMARTデータ(インタフェースの標準規格の一つであるSCSIにより規定されたシークエラーやライトエラーのレートが一定以上になった時に障害の予測を表す警報を発生するのに使用するデータ)等にログを記録しておく方法が望まれている。
【0010】バルクハウゼンノイズがひどく発生している場合は,シーク時にエラーが発生するためシークリトライ時にダミーライトやヘッドチェンジを行うことでバルクハウゼンノイズを除去する方法を実行すれば良い。
【0011】しかし,軽微なバルクハウゼンノイズの場合,シーク時にエラーは発生せずに,ヘッドをオントラック後にリードを始めてから検出する場合が多い。この場合には,ダミーライト等のバルクハウゼンノイズ除去のための方法が適用されなかったり,適用が遅れる要因になった。
【0012】また,装置の出荷後に外来ノイズやバルクハウゼンノイズが原因で装置不良となった場合,その後で原因調査を行っても同じ状態を再現するとは限らず,原因の特定が困難な場合が多い。
【0013】本発明は外来ノイズや軽微なバルクハウゼンノイズを検出してシークエラーを防止することができる磁気ディスク装置のシークエラー防止方法,磁気ディスク装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理構成である。
【0015】図1において,1は磁気ディスク装置の制御部,10は空き時間検出部,11は指令検出部,12はシークエラー検出予防部,12aは特定シリンダシーク手段,12bはシークエラー判別手段,12cはバルクハウゼンノイズ除去手段,12dはログ記録手段である。
【0016】本発明は磁気ディスクにサーボ情報の記録が十分保証された特定のシリンダ(全データ面の特定の同一トラック)を設け,このシリンダには特殊なパターンを書き込む必要はなく他のシリンダと同様のサーボ情報で良く,出荷前の工程試験時にはこの特定のシリンダの各サーボ情報を試験コマンド等で読み取り,記録媒体
に欠陥がなく,正常なデータであることを保証すれば良い。
【0017】磁気ディスク装置の運用中は,磁気ディスク装置の制御部1において,空き時間検出部10において,指令が一定時間発生しないことを検出すると,シークエラー検出予防部12を起動する。シークエラー検出予防部12は起動すると上記の特定のシリンダをシークする動作を開始し,シークエラー判別手段12bにより指定されたシリンダに位置決めされたか(シークエラーが検出されないか)の判別をする。シークエラーが検出されない場合はこのシークエラー検出予防部12の動作は終了するが,検出された場合は,当該特定シリンダの書き込み情報は十分に保証されているため,主にバルクハウゼンノイズを中心とする媒体と関係ないノイズが発生している確率が高いので,バルクハウゼンノイズを除去するための方法を実行する。すなわちダミーライトやヘッドチェンジの一方または両方を実行する。この後,該当するヘッド番号等をログ情報に記録する。このシークエラー検出予防部12による動作は,空き時間が続く間はヘッド(各ディスク面)を順番に切り替えて各ヘッドについて繰り返し実行される。なお,ログ情報は,予防保守や,後に発生する障害の調査に利用される。
【0018】上記図1には磁気ディスク装置の制御部をハード的な手段として示したが,ソフトウェアにより実現することができることは明らかであり,後述する実施例の構成として示す。また,そのようなソフトウェア(プログラム)をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して,必要な装置にローディングして実施することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図2は本発明が実施される磁気ディスク装置のハードウェア構成を示す。図2において,20は磁気ディスク,21は磁気ディスク装置全体の制御を行うマイクロコントロールユニット(MCU),22は磁気ディスク装置の電源オン時のブート動作を行うためのプログラムを保持するフラッシュロム(FLASH ROM:書き換え可能な不揮発性メモリ) ,23は本発明によるシークエラー検出及び予防のための処理を行うプログラムを含む制御プログラムを格納したRAM,24はハードディスクコントローラ(HDC),25はリード(読み出し)/ライト(書き込み)データを一時格納するためのデータバッファ,26はヘッドのドライバ,サーボ情報のチャネル,データ信号のチャネルとのインタフェースの制御を行うドライブインタフェース,27は機構系の制御を行うための信号処理を行うディジタル信号処理装置(Digital Signal Processor) ,28はヘッドの位置決めの駆動を行うサーボドライバ,29はサーボ情報の信号の読み書きを行う回路であるサーボチャネル,30はデータ信号の読み出し,書き込みを行う回路であるリードチャネル(READ CHANNEL) である。
【0020】図2に示す構成において,ハードディスクコントローラ(HDC)24は上位のホスト(コンピュータ)とSCSIif(Small Computer System Interface)により接続され,ホストからのコマンド(リード,ライト等)を受け取って,MCU21に指示を行い,書き込みデータや読み出しデータはデータバッファ25を介して入出力される。
【0021】図3は実施例のフローチャートであり,このフローチャートは上記図2のハードウェア構成中のマイクロコントロールユニット(MCU)においてプログラム(RAMに格納)に従って実行される。なお,この磁気ディスク装置の場合,予め磁気ディスクのシリンダA上にはサーボ情報の記録が十分保証されているものとする。
【0022】MCUは,ホストからのコマンド(リード,ライト等の各種ある)を受領したか周期的に判別を行い(図3のS1),受領した場合はそのコマンドを実行する(同S2)。コマンドを受領しない場合は,その時間をカウントして予め設定された規定時間以上経過したか判別し(図3のS3),経過しなければ最初の処理(図3のS1)に戻るが,経過した場合はシリンダAにシークする(同S4)。この時,シークエラー(トラッキングエラー)が発生したか判別する(図3のS5)。シークエラーを検出した場合,予め設定されたシークエラー発生の規定回数をオーバーしたか判別し(図3のS6),繰り返してエラーが発生して規定回数をオーバーした場合は
■の経路によりログ情報の記録を行い(同S15),
■の経路でシークエラーの検出動作(同S5)に移行する。規定回数をオーバーしない場合は,従来と同様にシークリトライ時にダミーライトを行う(同S7)と共にヘッドチェンジを行って(同S8),バルクハウゼンノイズの除去を試みる。この後,
■の経路でシークエラーの検出動作に移行する。
【0023】上記のステップS5において,シークエラーを検出しないで,オントラックが正常に行われると(図3のS9),規定された時間(最低限トラックを一周する時間)内にトラッキングエラー(例えば,サーボマークが見つからない等)が発生しないか監視する(同S10)。ここで,規定時間内にサーボエラーが検出されない場合は,全ヘッドについてのシリンダAのシークが終了したか判別し(図3のS11),終了しないとヘッドチェンジを行って(同S8),次のヘッドについてシリンダAのシークを行う(同S5)。
【0024】上記のステップS10で規定時間内にサーボエラーが発生した場合は,それはバルクハウゼンノイズである可能性が高いので,ダミーライトまたはヘッドチェンジを行い(図3のS12),シークリカバリを行って(同S13),規定回数オーバーしたか判別し(同S14),オーバーしない場合は,シリンダAのシークに戻り,再びオントラックしておき,サーボエラーが発
生しないか監視する。この動作を予め規定された回数を繰り返してもサーボエラーが発生する発明IPLは,そのヘッドをSMART等のログ情報に記録しておき,ヘッドチェンジして同様の動作を行う。
【0025】オントラック後にトラッキングエラーを検出した場合,媒体きずや,サーマルアスピリティ(MRヘッドの熱特性により発生するノイズ)を検出しておき,シークリカバリを行った後,同じフレームで発生するか検証を行った方が良い。
【0026】以上の動作は,ホストの検出するタイムアウトを防ぐため,コマンド受領時,リセット,アボート等が入った時は直ちに中断する必要がある。
【0027】上記図3に示すフローチャートによる処理を行うプログラムは,図4に示すプログラムを実行する情報処理システムにおいて実行することができる。
【0028】図4において,30は処理装置,31は処理装置の中のRAMまたはハードディスク等のプログラム及びデータがローディングされるメモリである。32は回線により処理装置30と接続されたプログラム提供者が備える遠隔装置のプログラムを格納したメモリ(例えばDASD等),33はプログラム(データ)を格納したCD−ROMまたはフレキシブルディスクである。本発明による記録媒体は,遠隔装置のメモリ32,CD−ROMまたはフレキシブルディスク33,または処理装置30のメモリ31等の各形態の記録媒体の何れかに記録することができ,処理装置30のメモリにローディングされて実行される。
【0029】
【発明の効果】本発明によればダミーライトやヘッドチェンジはバルクハウゼンノイズに効果が認められる方法であるが,確実にノイズを除去する方法ではない。そこで,以上に述べたようにコマンドを受領していない時にバルクハウゼンノイズを監視しておき,発生が確認されればできるだけ除去することにより,コマンド実行時にバルクハウゼンノイズが発生する確率を減少させることができる。
【0030】また,ログ情報を記録することにより,バルクハウゼンノイズの発生頻度が非常に高い磁気ディスク装置は早期に交換が可能となる。更に,バルクハウゼンノイズは一時的に発生した後,電源のオフ・オンにより再現しなくなることも多く,後の障害調査において障害原因が判明しないことも多いが,バルクハウゼンノイズが発生したことをログに残すことにより,調査に役立つことができる。
【0031】そして,本発明ではノイズを検出するためにシリンダに特殊なパターンをライトする必要がなく,特殊な検出回路が不要であり,低コストで実現できる。
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