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発明の名称 熱電対補償導線
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−111417(P2000−111417A)
公開日 平成12年4月21日(2000.4.21)
出願番号 特願平10−286703
出願日 平成10年10月8日(1998.10.8)
代理人 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
発明者 安田 辻彦 / 阪納 章祥 / 梅村 佳邦 / 船田 敏秋 / 向井 弘 / 片岡 俊也 / 佐伯 徳文
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 第一絶縁層で被覆された少なくとも一対の導線が第二絶縁層で被覆されている熱電対補償導線において、前記第一・第二絶縁層が耐熱有機繊維及び/又はセラミック繊維で形成され、前記第二絶縁層が防湿性塗料で塗布処理され、雰囲気温度28℃、相対湿度95%の空気雰囲気中285h加湿試験後の、及び、360℃雰囲気中7h加熱試験後の、500V絶縁抵抗計による導線/導線間の絶縁抵抗値がそれぞれ50MΩ/m以上を示すものとされていることを特徴とする熱電対補償導線。
【請求項2】 雰囲気温度28℃、相対湿度95%の空気雰囲気中285h加湿試験後の、及び、360℃雰囲気中7h加熱試験後の、500V絶縁抵抗計による導線/導線間の絶縁抵抗値がそれぞれ1000MΩ/m以上を示すものとされていることを特徴とする請求項1記載の熱電対補償導線。
【請求項3】 前記防湿性塗料が、ポリアミドイミド系ワニスであることを特徴する請求項1又は2記載の熱電対補償導線。
【請求項4】 前記耐熱有機繊維がポリベンザゾール繊維であることを特徴とする請求項3記載の熱電対補償導線。
【請求項5】 前記耐熱有機繊維がポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維であることを特徴とする請求項4記載の熱電対補償導線。
【請求項6】 前記セラミック繊維がアルミナ繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱電対補償導線。
【請求項7】 前記防湿性塗料が、ポリアミドイミド系ワニスであることを特徴する請求項6記載の熱電対補償導線。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体芯線が複層絶縁層で被覆されている熱電対補償導線に関する。特に、火力発電所におけるガスタービン用燃焼器(ボイラー)内の燃焼温度を測定するために使用する熱電対の補償導線として好適な熱電対補償導線に関する。
【0002】
【背景技術】火力発電所におけるガスタービン用ボイラーBには、各燃焼器11(図例では10個)の各温度を測定するために、熱電対13をそれぞれの燃焼器11に取付けている。図例では代表的に一個の燃焼器11のみに熱電対13の表示がしてあるが、実際は全ての燃焼器11に熱電対13が取付られている。そして、熱電対11は熱電対/補償導線結線用ボックス16を介して補償導線束24に接続され、該補償導線束24は、更に、ケーシング12上を複数の補償導線サポート金具14で支持されて補償導線/補償導線結線用ボックス20に接続されている。図例中、図符号18は、グレーチング(格子床)である。
【0003】補償導線束24は、複数本(図例では5本)の補償導線22を結合させものである。当該補償導線束24は、耐熱性及び耐擦傷性等を確保するために、通常、ステンレス製等の金属フレキシブルチューブ(スワーリングメタル)26で被覆されて配線される。
【0004】即ち、当該補償導線束24は、図4に示すように、第一絶縁層28で被覆された少なくとも一対の導線22a、22bが第二絶縁層30で被覆されている補償導線22が、図5で示すように、第三絶縁層32で被覆されているものである。
【0005】そして、これらの絶縁層は、高度の耐熱性が要求されている。高度の耐熱性に対応できる絶縁層の材料としては、従来、ガラス繊維を用いていた(JIS C 16106.3 表5参照)。
【0006】なお、高耐熱用として、四フッ化エチレン系素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)が使用されることもあるが(同表5参照)、繊維体は存在せず、絶縁層を形成するために、圧縮成形後燒結する方法しかなく、上記ガスタービンに適用するような長尺の補償導線には不適であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、耐熱ガラス繊維で絶縁層を形成した補償導線は、上記のようなガスタービン用燃焼器においては、十分な耐熱絶縁性及び耐湿絶縁安定性が得難かった。
【0008】本発明は、上記にかんがみて、十分な耐熱絶縁性とともに高度の耐湿絶縁安定性を有する複層絶縁層を備えた熱電対補償導線を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意開発に努力をする過程で、補償導線の第一・第二絶縁層を耐熱有機繊維及び/又はセラミック繊維で形成し、かつ、特定の耐熱性防湿塗料を組み合わせた場合、高湿度雰囲気放置後における絶縁安定性を確保できるとともに、高温雰囲気放置後における絶縁安定性にも優れていることを見出し、下記構成の熱電対補償導線に想到した。
【0010】本発明は、第一絶縁層で被覆された少なくとも一対の導線が第二絶縁層で被覆されている熱電対補償導線において、第一・第二絶縁層が耐熱有機繊維及び/又はセラミック繊維で形成され、第二絶縁層が防湿性塗料で塗布処理され、雰囲気温度28℃、相対湿度95%の空気雰囲気中285h加湿試験後の、及び、360℃雰囲気中7h加熱試験後の、500V絶縁抵抗計による導線/導線間の絶縁抵抗値がそれぞれ50MΩ/m以上を示すものとされていることを特徴とする。
【0011】上記において、耐熱防湿性塗料としては、ポリアミドイミド系ワニスを使用することが望ましい。
【0012】上記耐熱有機繊維としては、ポリベンザゾール繊維が好適に使用でき、特に、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が好ましい。
【0013】上記セラミック繊維としては、アルミナ繊維が好ましい。
【0014】
【構成の詳細の説明】以下、本発明の熱電対補償導線の構成(課題を解決するための手段)について、詳細に説明をする。以下の説明で「%」は、特に断らない限り、重量単位である。
【0015】(1) 本発明の熱電対補償導線22は、第一絶縁層28で被覆された少なくとも一対の導線22a,22bが第二絶縁層30で被覆されていることを、上位概念的構成とする(図4参照)。
【0016】上記において一対の導線22a、22bは、例えば、300℃以上の高温用熱電対であるアルメルクロメル熱電対を使用する場合、アルメル側をアルメル(Ni約95%、残りAl、Mn、Si)、クロメル側をクロメル(Ni約90%、Cr約10%)の導線とする。この通常の形態は、0.65mmφの単線とする。
【0017】(2) 当該構成において第一・第二絶縁層28、30が耐熱有機繊維及び/又はセラミック繊維で形成されていることを第一の特徴的要件とする。
【0018】ここで、上記のような要件(高温時における大きな絶縁抵抗値)を満足させることができる耐熱有機繊維としては、例えば、ポリベンザゾール繊維が挙げられる。ここで、ポリベンザゾール繊維とは、ポリベンズオキサゾール若しくはポリベンズチアゾール、またはそれらのランダム若しくはブロック共重合体からなる繊維を言うが、特にポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)が望ましい。
【0019】具体的には、東洋紡績株式会社から「ザイロン:ZYLON 」の商品名で市販されているものを使用できる。
【0020】なお、該「ZYLON 」の500℃空気雰囲気中2.5h加熱後の重量保持率は、約40〜60%であり、500℃空気雰囲気中でも熱分解が徐徐にしか進行しないことが裏付けられる。
【0021】セラミック繊維の形成材としては、アルミナ、ガラス、シリカ、ジルコニア、アルミニウムシリケート等を挙げることができるが、耐熱性及び後述のポリアミドイミド系防湿塗料との密着性の見地から、アルミナが望ましい。
【0022】上記耐熱有機繊維及び/又はセラミック繊維で形成される第一・第二絶縁層28、30の形態は、通常、編組体とするが、編物や織布からなる円筒状のスリーブや、テープを導線22a、22b上に巻き回して形成してもよい。紡績糸やフィラメントヤーンを用いて形成する編組体が、導線22a、22bとの及び絶縁層相互との密着性に優れ、また、絶縁層の表面平滑性及び被覆作業性に優れているため望ましい。
【0023】また、セラミック繊維より、耐熱有機繊維の方が、耐屈曲性等の見地から望ましい。編組糸は、耐熱有機繊維とセラミック繊維の混紡糸であってもよい。
【0024】(3) そして、第二絶縁層30が防湿性塗料で塗布処理されて、雰囲気温度28℃、相対湿度95%の空気雰囲気中285h加湿試験後の、及び、及び、360℃雰囲気中7h加熱試験後の、500V絶縁抵抗計による導線/導線間の絶縁抵抗値が50MΩ/m以上、望ましくは1000MΩ/m以上を示すものとされていることを第二の特徴的要件とする。
【0025】ここで当該耐熱性・絶縁性及び絶縁安定性は、上記耐熱繊維で形成した第二絶縁層30を形成するとともに、下記防湿性塗料で塗布処理することにより容易に、達成することができる。
【0026】上記防湿性塗料としては、下記構造式で示されるポリアミドイミド系ワニス(下記構造式で示される樹脂分を25〜40wt%含む。)を、濃度3〜20wt%となるように、N−メチル2ピロリドン等のアミン系有機溶剤に溶解させたものを好適に使用できる。
【0027】
【化1】

【0028】具体的には、東洋紡績株式会社から、「耐熱性ポリマーワニスN100」の商品名で市販されているものを好適に使用できる。
【0029】塗布処理の態様は、スプレー、刷毛塗り等であってもよいが、浸漬塗布が望ましい。例えば、ポリアミドイミド系ワニスのN−メチル2ピロリドン4wt%のとき、浸漬時間1〜2秒(浸漬スピード12m/分)とする。
【0030】この塗布処理は、通常、図4に示す状態の一対の補償導線の形態で行うが、図5に示す如く、5対補償導線からなる複線補償導線の形、又は、第一絶縁層を被覆した単線の形態で行ってもよく、さらには、これらを組み合わせて行ってもよい。
【0031】なお、絶縁層としてセラミック繊維を使用する場合は、セラミック繊維が柔軟性がなく真円状に編組するため、図6や図7に示す如く、第一絶縁層28と第二絶縁層30との間や、更には、第二絶縁層30と第三絶縁層32との間に、同類セラミック繊維からなる、補填紐34又は補填ロープ36を配する。
【0032】
【発明の効果】本発明の熱電対補償導線は、上記の如く、第一絶縁層で被覆された少なくとも一対の導線が第二絶縁層で被覆されている熱電対補償導線において、第二絶縁層が耐熱有機繊維又はセラミック繊維で形成され、第二絶縁層が防湿性塗料で塗布処理され、雰囲気温度28℃、相対湿度95%の空気雰囲気中285h加湿試験後の、及び、360℃雰囲気中7h加熱試験後の、500V絶縁抵抗計による導線/導線間の絶縁抵抗値がそれぞれ50MΩ/m以上を示すものとされている構成により、優れた耐熱絶縁性とともに高度の耐湿絶縁安定性を有する複層絶縁層を備えた熱電対補償導線を提供することが可能となる。
【0033】特に、絶縁層を耐熱有機繊維で形成した場合は、セラミック繊維で形成した場合に比して屈曲性に優れる。また、第二絶縁層を耐熱有機繊維で形成した場合は、セラミック繊維で形成する場合のような毛羽立ちがなく、補償導線の取扱性にも優れている。
【0034】即ち、本発明の熱電対補償導線の、上記のような、絶縁特性は、従来にない新規なものである。
【0035】
【試験例】以下に、本発明の効果を確認するために、実施例及び比較例に基づいて行った試験例について説明をする。
【0036】<サンプルの調製>(1) 実施例1.線径0.65mmφのアルメル導線22a及びクロメル導線22bを、それぞれ、500dザイロン二本撚り糸を用いて8本給糸で編組して、第一絶縁層28を形成したものを、更に、1500dザイロン一本撚り糸を用いて8本給糸で編組して第二絶縁層30を形成して1mの補償導線を調製した。
【0037】該各補償導線を、250℃×4hの条件で乾燥後、絶縁抵抗値を、500V絶縁抵抗計(測定限界1000MΩ)による導線/導線間の絶縁抵抗値を測定した結果、「∞MΩ」(指示針が振り切れて「∞」表示の位置を指すときの抵抗値を意味する。以下同じ。)であることを確認した。
【0038】その後、防湿性塗料として、耐熱性ポリマーワニス「N100」(東洋紡績株式会社製ポリアミドイミド系ワニス(固形分濃度30wt%))の4wt%Nメチル2ピロリドン溶液を用いて、浸漬時間1〜2秒の条件で浸漬塗布した。そして天日干し後、210℃×15時間の条件で乾燥を行い、試験片(1m)を調製した。
【0039】(2) 実施例2.防湿性塗料としてポリマーワニス「N100」の10wt%Nメチル2ピロリドン溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして調製した。
【0040】(3) 比較例3.防湿性塗料として、シリコーンワニスの60%キシレン溶液を用い、147℃×15時間、溶剤乾燥を行った以外は、実施例1と同様にして調製した。
【0041】(4) 実施例3.補償導線として、下記の如く調製した図6に示す構成の1mのものを使用した以外は、実施例1と同様にして調製した。
【0042】線径0.65mmφのアルメル導線22a及びクロメル導線22bを、それぞれ、3600dアルミナ繊維糸を用いて8本給糸で編組して第一絶縁層28を形成し、さらに8本の3600dアルミナ繊維糸を補填紐34として介在さたものを、1500dザイロン一本撚り糸を用いて8本給糸で編組して第二絶縁層30を形成して調製した。
【0043】<絶縁特性試験>上記の様にして調製した各サンプルについて、下記各項目の試験を行った。6に示すような原理図に従って、絶縁特性を、温度25℃、湿度65%の条件で、表示の各時間経過毎に測定した。
【0044】(1) 加湿試験後絶縁特性:雰囲気温度28℃、相対湿度95%の空気雰囲気中に、285hに放置後に、図8に示す原理図にしたがって、温度25度×湿度65%の雰囲気で測定した。なお、コアむき出し量は約5mm、第一絶縁層むきだし量は約20mmとした。
【0045】測定結果は、1m当たりの抵抗値である。
【0046】表1にその結果を示すが、各実施例の絶縁抵抗値は、285時間経過後でも∞MΩであり、良好な耐湿絶縁安定性に優れていることがわかる。それに対して、比較例の場合、48時間後では100MΩ/mを示すが、73時間後には、基準値50MΩ/mを下回り、耐湿絶縁安定性に劣ることが分かる。
【0047】(2) 耐熱絶縁特性:電気炉内に格納された長さ420mmの各実施例のサンプル(2個ずつ)に対して、表示の各雰囲気温度での各時間経過後の絶縁抵抗値を、上記と同様にして測定した。
【0048】表2にその結果を示すが、200〜360℃の温度範囲において外観が良好で、かつ絶縁抵抗値も∞MΩ/m(1000MΩ/m以上)であり、耐熱絶縁性に優れていることが分かる。なお、370℃では、いずれも繊維が崩れて、抵抗値測定不能であった。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】





 

 


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