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発明の名称 転炉ガスの利用方法およびその利用装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−283658(P2000−283658A)
公開日 平成12年10月13日(2000.10.13)
出願番号 特願平11−90113
出願日 平成11年3月30日(1999.3.30)
代理人 【識別番号】100080687
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 順三 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4H006
4K002
4K056
【Fターム(参考)】
4H006 AA02 AC46 BE40 
4K002 BA10
4K056 AA02 CA02 DB00
発明者 田村 望 / 田玉 智明 / 信沢 達也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 COガス含有転炉ガスの少なくともその一部を、COガスを原料とする化学物質合成設備に供給するようにしたことを特徴とする転炉ガスの利用方法。
【請求項2】 転炉ガスの発生量および/または転炉ガス消費設備の消費量に応じ、化学物質合成設備への供給量を調整することを特徴とする請求項1に記載の転炉ガス利用方法。
【請求項3】 回収したCOガス含有転炉ガスを、酢酸の合成設備に供給することを特徴とする、請求項1または2に記載の利用方法。
【請求項4】 転炉ガス回収設備の延長上に、転炉ガスの消費設備と転炉ガスの貯蔵設備とを設けると共に、これらの各装置を繋ぐガス輸送ダクトを設けてなる装置に対し、前記ガス輸送ダクトに分岐ダクトを設け、かつこの分岐ダクトの延在位置にCO ガスを原料とする化学物質の合成設備を配設したことを特徴とする転炉ガスの利用装置。
【請求項5】 上記化学物質の合成設備が酢酸の合成設備であることを特徴とする、請求項4に記載の利用装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転炉ガスの利用方法およびその利用装置に関し、とくにCOガスを多量に含む回収転炉ガスを、COを原料とする化学物質合成設備に供給して有効利用しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の転炉精錬時に発生する転炉ガスは、COガスを70%程度含有する可燃性ガスであることから、転炉の炉頂に転炉ガス回収設備を配設して回収し、有効利用することが広く行われている。例えば、回収した転炉ガスは、従来、単独またはコークス炉ガスや高炉ガスなどと混合した上で、燃焼設備などの燃料として使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来の転炉ガス利用方法は、転炉ガスを、もっぱら転炉ガス消費設備、すなわち燃焼設備の燃料ガスとして使用しているため、その燃焼設備を稼動させる必要がないときには、全く不要のガスとなり、せっかく回収した可燃性転炉ガスを利用することができなくなる。この場合、回収ダクトの途中に設けられたガスホルダーにて一時的に貯蔵することにより対処するのが従来の一般的なやり方である。しかし、ガスホルダーをむやみに大きくしたり、複数基設置したりすると、設備コストの著しい上昇を招く。しかもねこのホルダーへの貯蔵可能量は、たかだか100,000 〜200,000Nm3程度にしかすぎない。しかしながら、この程度のガスホルダー容積では、転炉ガスの発生量が200 トンを超えるような大型転炉の場合、精錬1回につき40,000Nm3 の転炉ガスが発生するし、精錬時間も1時間のうち30分程度であるため、たとえガスホルダーにて貯蔵できたとしても、僅か3〜5時間の余裕しかできない。結局、使用 (消費)や貯蔵に限界が生じ、このような余分の転炉ガスについては、回収設備や回収ダクトの途中に設けられた放散用の煙突を介して燃焼後放散するのが普通である。
【0004】上述したように、転炉ガス回収に関する従来技術は、ガス発生量およびガス利用量が変動した場合にこれによく対応できないために、むだに放散することが多いという問題点があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、転炉ガス利用効率の向上を図る上で有効な転炉ガス回収, 利用方法を提案することにある。本発明の他の目的は、過大な設備の増強を招くことなく簡便に転炉ガスエネルギーの有効利用を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】従来技術が抱えている上述した問題点を克服し、上記の目的を実現するための手段として、本発明は、COガス含有転炉ガスの少なくともその一部を、COガスを原料とする化学物質合成設備に供給するようにしたことを特徴とする転炉ガスの利用方法を提案する。本発明においては、転炉ガスの発生量に応じ、とくにその発生量が転炉ガス消費設備の消費量よりも多くなるような場合に、化学物質合成設備への供給を積極的に調整することが好ましい実施形態となる。とくに、転炉ガス発生量が転炉ガス消費設備の消費量よりもも多くなるような場合に、化学物質合成設備への供給量を積極的に調整し供給する方法がより好ましいと言える。
【0007】また、本発明は、転炉ガス回収設備の延長上に、転炉ガスの消費設備と転炉ガスの貯蔵設備とを設けると共に、これらの各装置を繋ぐガス輸送ダクトを設けてなる装置に対し、前記ガス輸送ダクトに分岐ダクトを設け、かつこの分岐ダクトの延在位置にCO ガスを原料とする化学物質の合成設備を配設したことを特徴とする転炉ガスの利用装置を提案する。なお、本発明においては、COガスを原料とする化学物質の合成設備が、酢酸の合成設備であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】発明者らは、製鉄所の製鋼プロセスの過程で発生する転炉ガスの利用効率を高めるために、このガス中に含まれる主成分であるCOガスを、化学物質合成用原料として利用することに着目した。例えば、COガスを原料とする化学物質の合成設備としては種々存在するが、なかでも系統が単純で原料が安価で容易に入手しやすく、かつ生成物の有用性が高いものとして、酢酸を合成する設備の場合に有利に適合する。すなわち、この酢酸合成設備は、転炉ガス中に含まれるCOガスを、PSA法などの方法によって純度を高め、このガスと別途に用意するメタノールをニッケル触媒あるいはコバルト触媒の存在下で反応させ、下記の反応によって酢酸を合成する設備である。
CH3 OH+CO → CH3 COOH【0009】図1に基づき、本発明にかかる転炉ガスの利用方法およびその利用装置の概念を説明する。まず、転炉1の炉口より発生するCOガス含有転炉ガスは、炉口上に配設された転炉ガス回収設備 (ダクト) 2を通じて回収される。回収された転炉ガスは、ベンチュリーグラスバーなどの乾式の除塵器3により清浄化され、輸送ダクト4を介して転炉ガス消費設備11へと送られる。その輸送ダクト4の途中には、余剰のガスを一時的に貯蔵するためのガスホルダー5が設置されるのが普通である。なお、図示の12は放散用煙突である。本発明では、上記輸送ダクト4の途中に分岐ダクト6を接続し、この分岐ダクト6に分流させた転炉ガスの一部もしくは時にはその全部を、酢酸合成設備7に供給する。その酢酸合成設備7には、液体のメタノールを貯蔵するタンク8、合成された酢酸を貯蔵するタンク9、必要に応じて副生品としてメタンなどの可燃性ガスを転炉ガス輸送ダクトに戻すための環流ダクト10を付帯して設ける。
【0010】転炉ガス回収系統の下流に、上述した酢酸合成設備を配設したことにより、転炉ガスの一部または全部を、いつでも自由に酢酸合成設備7に導入することが可能になり、転炉ガスを利用し、酢酸を合成することが可能になる。この場合、酢酸合成設備7は、所定量を定常的に合成するように連続運転してもよいし、間欠的な運転をしてもよい。この運転の切換えは、転炉ガス発生量や消費設備での消費量を考慮して、ガス量を調整することにより達成できる。一方において、このように運転の自由度を上げることにより、転炉ガスを上記消費設備にも安定的に供給することができるようになる。例えば、上記消費設備での燃料ガスの需要が減少した場合や、転炉ガスの発生が多く、需給バランスが発生側で多い場合には、酢酸合成設備7により多くの転炉ガスを供給し、その合成量を上昇させることで、転炉ガスの余剰分の放散を防止する。この意味で、該酢酸合成設備7は、転炉ガス発生量の変動を吸収するバッファーとしての機能をも持つことになる。このような方法の採用により、発生する転炉ガスは、大気への燃焼放散を完全に阻止して、すべてを有効に使用することが可能になる。
【0011】
【実施例】この実施例では、転炉ガスの回収系に上記した利用装置を接地し、適宜に酢酸合成を行うことによって転炉ガスを有効に使用した本発明適用例と、酢酸合成を行なわない比較例とについて、それぞれ1日づつ実験した。転炉は、300 トンのものを2基使用し、これらを時間をずらして稼動させた。各転炉のガス回収時間は30分であり、精錬は1時間に1回ずつ行った。転炉ガスの発生量は、ガス回収時のものが各々100,000Nm3/H であった。回収した転炉ガスは、基本的に3基の発電所ボイラーの燃料として使用した。発電所で消費できる転炉ガス量はボイラー1基ごとに最大35,000 Nm3/H である。また、転炉ガスの貯蔵設備としては、100,000Nm3のガスホルダーを設けたが、実験中は貯蔵余力が60,000 Nm3であった。そして、この実験は、発電所ボイラーの定期検査や突発のトラブルを想定して、実験開始後3時間後に1基のボイラーを停止するようにした。使用した酢酸合成設備の転炉ガス使用量は、最大40,000 Nm3/H であった。
【0012】本発明に適合する操業例では、転炉ガスの発生が転炉2基あわせてちょうど100,000Nm3/H であったので、初めは酢酸合成設備を運転せず、ボイラー停止時に、30,000 Nm3/H の転炉ガスを酢酸合成設備に分流させるケース1と、ボイラーの停止に関係なく初めから連続的に10,000 Nm3/H を酢酸合成設備に分流させ、ボイラーが停止した後に30,000 Nm3/H に増量して分流するケース2の2通りとした。実験はすべて12時間で終了とした。
【0013】この操業の結果、比較例の場合、ボイラーが2基になると、使用可能な転炉ガス流量は70,000 Nm3/H に減少するため、30,000 Nm3/H の余剰転炉ガスが発生した。また、ガスホルダーの貯蔵余力が60,000 Nm3/H あるため、ボイラー2基運転した後から2時間の間はガスホルダーにて貯蔵することで放散は必要なかったが、運転開始後5時間経過した後は、発生量と使用量の差がすべて放散され、7時間で合計210,000Nm3の放散量となった。
【0014】一方、本発明ケース1では、ボイラーの稼動が2基となってから酢酸合成設備を稼動させたために、安定稼動するまでに2時間を要した。その2時間の間の転炉ガスの使用量は30,000 Nm3しかなかったため、その差の30,000 Nm3はガスホルダーに貯蔵した。設備が安定して以降、設備能力の40,000 Nm3/H で運転してガスホルダー貯蔵量を減少させてもよかったが、ガスホルダーが空になると運転条件を変更しなければならないので、バランスする30,000 Nm3/H のままで継続させた。その結果、転炉ガスの放散は生じなかった。
【0015】また、本発明のケース2では、もともと酢酸合成設備を稼動させていたため、30,000 Nm3/H への条件変更に30分程度ですみ、ガスホルダーに貯蔵した量は10,000 Nm3ですんだ。以降はケース1と同様に稼動させた結果、転炉ガスの放散は生じなかった。
【0016】以上説明したように、本発明のケース1および2では、転炉ガスの大気への燃焼放散を完全に防止することができた。なお、この実施例では、転炉ガス消費先を3基の発電用ボイラーとしたが、その他の消費先設備としては、鋼片や鋼板の加熱炉、高炉の熱風炉などへ供給する場合も、本発明の効果は同じように現れる。
【0017】
【表1】

【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、転炉ガス発生量やガス消費設備での使用量の如何にかかわらず、転炉ガスの無駄な放散が少なくなると共に、過大な設備投資も不要になる。また、CO2 を無駄に大気中に放散することがなくなるので、CO2 の削減を通じて地球環境上によい結果を与えることができる。




 

 


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