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感熱孔版印刷用原紙、孔版印刷版、孔版製版印刷方法及び多色刷り孔版製版印刷方法 - 株式会社リコー
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発明の名称 感熱孔版印刷用原紙、孔版印刷版、孔版製版印刷方法及び多色刷り孔版製版印刷方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−79772(P2000−79772A)
公開日 平成12年3月21日(2000.3.21)
出願番号 特願平10−361043
出願日 平成10年12月18日(1998.12.18)
代理人 【識別番号】100074505
【弁理士】
【氏名又は名称】池浦 敏明 (外1名)
発明者 安達 浩
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも電磁波吸収層と熱可塑性樹脂フィルムからなる感熱孔版印刷用原紙において、該電磁波吸収層が少なくとも電磁波吸収性物質と樹脂成分を含有することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
【請求項2】 少なくとも電磁波吸収層と熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体とからなる感熱孔版印刷用原紙において、該電磁波吸収層が少なくとも電磁波吸収性物質と樹脂成分を含有することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
【請求項3】 前記の電磁波吸収層よりも電磁波照射側に保護層が積層されることを特徴とする請求項1又は2記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項4】 前記の熱可塑性樹脂フィルムよりも電磁波照射側に電磁波吸収層が積層されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項5】 前記の電磁波吸収層よりも電磁波照射側に熱可塑性樹脂フィルムが積層されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項6】 前記電磁波吸収性物質の電磁波吸収層中の含有率が20重量%以上80重量%未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項7】 前記電磁波吸収性物質がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項8】 前記電磁波吸収層の塗布量が3.0g/m2以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項9】 前記熱可塑性樹脂フィルムの膜厚が5.0μm未満であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項10】 前記多孔質支持体が少なくとも天然繊維あるいは化学繊維あるいは金属繊維を含む多孔質体であることを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項11】 前記多孔質支持体が多孔性樹脂膜であることを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項12】 前記樹脂成分がポリビニルブチラール系樹脂であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙。
【請求項13】 画像パターンにしたがって変調された電磁波を請求項1〜12のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙に照射し、該感熱孔版印刷用原紙に穿孔画像を形成することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製版方法。
【請求項14】 電磁波源が半導体レーザであることを特徴とする請求項13記載の感熱孔版印刷用原紙の製版方法。
【請求項15】 画像パターンにしたがって変調された電磁波が請求項1〜12のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙に照射され、該感熱孔版印刷用原紙に穿孔画像が形成されたことを特徴とする孔版印刷版。
【請求項16】 請求項15に記載の孔版印刷版に受像用紙を圧接させ、該孔版印刷版の裏側に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に転移させて印刷を行うことを特徴とする孔版印刷方法。
【請求項17】 請求項1〜12のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙を用い、この感熱孔版印刷用原紙に画像パターンにしたがって変調された電磁波を照射して穿孔画像を形成し、穿孔画像を有する孔版印刷版に受像用紙を圧接させ、該孔版印刷版の裏側に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に転移させて印刷を行うことを特徴とする孔版製版印刷方法。
【請求項18】 請求項1〜12のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙を用い、この感熱孔版印刷用原紙に画像パターンにしたがって変調された電磁波を照射して穿孔画像を形成し、穿孔画像を有する孔版印刷版を版胴の外周面に巻き付け、その孔版印刷版に受像用紙を圧接させ、該版胴内周面に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に転移させて印刷を行うことを特徴とする孔版製版印刷方法。
【請求項19】 請求項15に記載するいずれかの孔版印刷版を複数用意し、これらに受像用紙を順次圧接させ、該孔版印刷版の裏側に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に順次転移させて印刷を行うことを特徴とする多色刷り孔版印刷方法。
【請求項20】 請求項1〜12のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙を用い、この感熱孔版印刷用原紙に画像パターンにしたがって変調された電磁波を照射して穿孔画像を形成し、穿孔画像を有する複数の孔版印刷版に受像用紙を順次圧接させ、該孔版印刷版の裏側に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に順次転移させて印刷を行うことを特徴とする多色刷り孔版製版印刷方法。
【請求項21】 請求項1〜12のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙を用い、この感熱孔版印刷用原紙に画像パターンにしたがって変調された電磁波を照射して穿孔画像を形成し、穿孔画像を有する孔版印刷版を複数の版胴の外周面に巻き付け、その孔版印刷版に受像用紙を順次圧接させ、該版胴内周面に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に順次転移させて印刷を行うことを特徴とする多色刷り孔版製版印刷方法。
【請求項22】 少なくともシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを用いることを特徴とする請求項19記載の多色刷り孔版印刷方法。
【請求項23】 少なくともシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを用いることを特徴とする請求項20又は21記載の多色刷り孔版製版印刷方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【従来の技術】デジタル式の孔版印刷方法は、熱可塑性樹脂フィルムとインキ透過性支持体から構成される感熱孔版印刷用原紙をサーマルヘッドで該熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶融して画像状の穿孔を形成し、印刷インキをその穿孔を通し紙等の被印刷物に印刷を行うのが一般的である。しかし、サーマルヘッドで熱溶融し穿孔を行う方法は、穿孔密度が発熱体素子密度で制約を受け、現状では600dpi以上の高解像化ができず、また熱可塑性フィルムのサーマルヘッドへの融着が生じやすい点で問題がある。これらの不具合を解決するために、レーザ光等の電磁波をデジタル照射し、この電磁波を吸収し熱可塑性樹脂フィルムに穿孔が行われる感熱孔版印刷用原紙およびその製版方法が提案されている。
【0002】特開昭61−229560号には、感熱プラスチックフィルムと多孔性薄葉紙とを貼り合わせた感熱孔版用原紙のフィルム面に、画像パターンに従って変調されたレーザビームを走査して、画像状に溶融穿孔する製版方法が開示されている。また、特開平6−127106号には、感熱性孔版原紙の裏面に光吸収発熱性物質を含有するインキを付着させ、表面からレーザ光線を照射しインク層で発生する熱で感熱性孔版用原紙を溶融穿孔する製版方法が開示されている。これらの方法を用いることで穿孔密度の制約および熱可塑性フィルムのサーマルヘッドへの融着の問題は改善された。
【0003】ところが、特開昭61−229560号においては感熱プラスチックフィルム自体で電磁波を吸収する必要があり、このため、製版に用いることができる光源は大出力、かつ1μm以上の長波長の光を発振するレーザに限定され、コンパクトかつ安価な半導体レーザを使用することができず、装置本体が大型かつ高価となってしまう点で問題がある。また、特開平6−127106号においては、感熱孔版印刷用原紙に常にインクを付着させ、このインク層で照射された電磁波を光熱変換により発熱させて穿孔を形成させることから、光吸収部でインクが発熱してもインクに熱が拡散しやすい。そのため、感熱孔版印刷用原紙自体に光吸収能を有し、感熱孔版印刷用原紙の内部で光熱変換を行う場合と比較すると、必然的に製版に要するエネルギーが大きくなり、結果として製版スピードが遅くなることが避けられない点で問題である。また、インクが加熱されることによりビヒクルが揮発し穿孔部の目詰まりが生じたりエマルジョンタイプのインクの場合、水相と油相の相分離が生じ、印刷初期の画質が低下するなどの問題がある。
【0004】これらの不具合を解消できる手段として、コンパクトな半導体レーザの発振波長に孔版原紙それ自体が吸収を持つ感熱孔版印刷用原紙あるいはこれを用いた製版方法が提案されている。例えば、特開昭62−33689号には電磁波吸収物質を含有する熱可塑性フィルムと多孔質部材を貼り合わせて構成される感熱孔版印刷用原紙が開示されている。特開昭62−181149号には原稿の画像情報に基づき作動する半導体レーザで穿孔を行う孔版原紙の作製方法が開示されている。また、特開平6−64134号には電磁波吸収物質が塗布された感熱孔版印刷用原紙の表面粗さがレーザの焦点深度より小さい条件で溶融穿孔を行う感熱孔版製版方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に印刷を行う場合、製版された孔版印刷版は受像用紙にインクを転移させる際に印圧が加わり機械的ストレスを受ける。孔版印刷用原紙の電磁波吸収物質を含有する層の機械的強度が不十分であると層のはがれが生じ、はがれにより生じたカスが受像用紙に付着することで印刷物を汚し画質低下を招く。また、電磁波吸収物質含有層のはがれにより生じたカスがインクの粘着力によって孔版印刷版に付着し、そのカスを介してインクが受像用紙に転移すると大きな画像欠陥となり、やはり画質低下を招く。 特に多数枚の印刷時には多数回の機械的ストレスがかかり孔版印刷版の損傷が大きくなり、その結果、画像欠陥が大きくなり、大幅な画質低下を招く。繰り返し印刷時の耐久性は大変重要な課題であるにもかかわらず、電磁波で製版する孔版印刷用原紙の耐久性は、過去注目どころか認識もされておらず、当然のことながら耐久性を改善する提案はなされておらず、一切開示されていない。したがって、電磁波で製版する孔版印刷用原紙の耐久性を考慮した発明は本発明が初めてである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、前記の問題を解決し、コンパクトかつ安価な製版印刷装置を用いてレーザ光等の電磁波照射により製版を行う孔版印刷方式において、製版スピードを損なうことなく、印刷による経時での画質低下がない感熱孔版印刷用原紙、孔版製版印刷方法および多色刷り孔版製版印刷方法を提供することである。
【0007】本発明によれば、第一に、少なくとも電磁波吸収層と熱可塑性樹脂フィルムからなる感熱孔版印刷用原紙において、該電磁波吸収層が少なくとも電磁波吸収性物質と樹脂成分を含有することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0008】第二に、少なくとも電磁波吸収層と熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体とからなる感熱孔版印刷用原紙において、該電磁波吸収層が少なくとも電磁波吸収性物質と樹脂成分を含有することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0009】第三に、前記の電磁波吸収層よりも電磁波照射側に保護層が積層されることを特徴とする上記第一又は第二の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0010】第四に、前記の熱可塑性樹脂フィルムよりも電磁波照射側に電磁波吸収層が積層されていることを特徴とする上記第一、第二又は第三の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0011】第五に、前記の電磁波吸収層よりも電磁波照射側に熱可塑性樹脂フィルムが積層されることを特徴とする上記第一、第二又は第三の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0012】第六に、前記電磁波吸収性物質の電磁波吸収層中の含有率が20重量%以上80重量%未満であることを特徴とする上記第一〜五のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0013】第七に、前記電磁波吸収性物質がカーボンブラックであることを特徴とする上記第一〜六のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0014】第八に、前記電磁波吸収層の塗布量が3.0g/m2以下であることを特徴とする上記第一〜七のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0015】第九に、前記熱可塑性樹脂フィルムの膜厚が5.0μm未満であることを特徴とする上記第一〜八のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0016】第十に、前記多孔質支持体が少なくとも天然繊維あるいは化学繊維あるいは金属繊維を含む多孔質体であることを特徴とする上記第二〜九のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0017】第十一に、前記多孔質支持体が多孔性樹脂膜であることを特徴とする上記第二〜九のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0018】第十二に、前記樹脂成分がポリビニルブチラール系樹脂であることを特徴とする上記第一〜十一のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0019】また本発明によれば、第十三に、前記パターンにしたがって変調された電磁波を上記第一〜十二のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙に照射し、該感熱孔版印刷用原紙に穿孔画像を形成することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製版方法が提供される。
【0020】第十四に、前記の電磁波源が半導体レーザであることを特徴とする上記第十三の感熱孔版印刷用原紙の製版方法が提供される。
【0021】また、本発明によれば、第十五に、前記パターンにしたがって変調された電磁波を上記第一〜十二のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙に照射し、該感熱孔版印刷用原紙に穿孔画像を形成されたことを特徴とする孔版印刷版が提供される。
【0022】第十六に、上記第十五の孔版印刷版に受像用紙を圧接させ、該孔版印刷版の裏側に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に転移させて印刷を行うことを特徴とする孔版印刷版が提供される。
【0023】さらに本発明によれば、第十七に、上記第一〜十二のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙を用い、この感熱孔版印刷用原紙に画像パターンにしたがって変調された電磁波を照射して穿孔画像を形成し、穿孔画像を有する孔版印刷版に受像用紙を圧接させ、該孔版印刷版の裏側に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に転移させて印刷を行うことを特徴とする孔版製版印刷方法が提供される。
【0024】第十八に、上記第一〜十二のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙を用い、この感熱孔版印刷用原紙に画像パターンにしたがって変調された電磁波を照射して穿孔画像を形成し、穿孔画像を有する孔版印刷版を版胴の外周面に巻き付け、その孔版印刷版に受像用紙を圧接させ、該版胴内周面に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に転移させて印刷を行うことを特徴とする孔版製版印刷方法が提供される。
【0025】第十九に、上記第十五に記載するいずれかの孔版印刷版を複数用意し、これらに受像用紙を順次圧接させ、該孔版印刷版の裏側に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に順次転移させて印刷を行うことを特徴とする多色刷り孔版印刷方法が提供される。
【0026】第二十に、上記第一〜十二のいずれかに記載の感熱孔版印刷用原紙を用い、この感熱孔版印刷印刷用原紙にレーザ光を照射し穿孔画像を形成し、穿孔画像を有する複数の孔版印刷版に受像用紙を順次圧接させ、該孔版印刷版の裏側に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に順次転移させて印刷を行うことを特徴とする多色刷り孔版製版印刷方法が提供される。
【0027】第二十一に、上記第一〜十二に記載の感熱孔版印刷用原紙を用い、この感熱孔版印刷用原紙に画像パターンにしたがって変調された電磁波を照射して穿孔画像を形成し、穿孔画像を有する孔版印刷版を複数の版胴の外周面に巻き付け、その孔版印刷版に受像用紙を順次圧接させ、該版胴内周面に付与されたインクを該受像用紙上に穿孔画像状に順次転移させて印刷を行うことを特徴とする多色刷り孔版製版印刷方法が提供される。
【0028】第二十二に、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを用いることを特徴とする上記第十九の多色刷り孔版印刷方法が提供される。
【0029】第二十三に、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを用いることを特徴とする上記第二十又は第二十一の多色刷り孔版製版印刷方法が提供される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、少なくとも電磁波吸収層と熱可塑性樹脂フィルムからなる感熱孔版印刷用原紙、又は、少なくとも電磁波吸収層と熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体とからなる感熱孔版印刷用原紙において、該電磁波吸収層が少なくとも電磁波吸収性物質と樹脂成分を含有する、あるいは、電磁波吸収層よりも電磁波照射側に保護層を積層させる、あるいは、電磁波吸収層よりも電磁波照射側に熱可塑性樹脂フィルムを積層させることによって、本発明の課題を効果的に解決できる。本発明の感熱孔版印刷用原紙は、レーザ光等の電磁波を照射し画像状の穿孔を感熱孔版印刷用原紙に形成することで孔版印刷版として使用できる。
【0031】電磁波吸収層に混入された電磁波吸収性物質の含有率が80wt%以上である場合、電磁波吸収層は機械的強度が低く、印刷時の機械的ストレスによって電磁波吸収層が破壊され、生じたカスを受像用紙に付着する、あるいはインクの粘着力によって孔版印刷版の非画像部に付着したカスを介してインクが受像用紙に転移することで地汚れが生じるなどして、いずれにしても画像欠陥を生じさせてしまう。これは、樹脂含有量が少ないために膜強度が低くなることに加えて、電磁波吸収層の熱可塑性樹脂フィルムへの接着強度が低くなることが原因である。この電磁波吸収層の破壊を防ぐには電磁波吸収層中の樹脂成分を一定量以上に増やす必要があり、80wt%未満の電磁波吸収物質の含有率が必要不可欠となる。電磁波吸収層が樹脂を全く含まない場合、さらに機械的耐久性が悪化する。したがって、従来提案されている電磁波で製版する感熱孔版印刷用原紙では樹脂を含有することが全く記載されておらず、機械的強度が極めて低い孔版印刷用原紙しか得られない。
【0032】逆に、電磁波吸収層に混入された電磁波吸収性物質の含有率が20wt%未満である場合、機械的強度は良好となり機械的ストレスを受けても電磁波吸収層のはがれは生じなくなる。しかしながら、電磁波の吸収率が十分でないために発熱量が十分でなく、電磁波吸収層と熱可塑性樹脂フィルムを両方とも溶融させるだけの温度上昇が得られず、穴自体が形成されにくくなる。その結果、完全に穴が開かない箇所が生じてしまい、その部分ではインクが通過しないため画像欠陥が生じる。熱可塑性樹脂フィルムは電磁波を吸収しないため自らは発熱しないが、電磁波吸収層の他にこの熱可塑性樹脂フィルムを溶融させないことには穿孔が形成されない。そのため電磁波吸収層で十分に電磁波を吸収し発熱させて2層とも溶融させる必要がある。そのためには20wt%以上の電磁波吸収物質の含有率が必要不可欠となる。
【0033】なお、熱可塑性樹脂フィルムをなくし、電磁波吸収層だけで感熱孔版印刷用原紙を形成することも考えられるが、電磁波吸収物質を層中に溶解させる場合、電磁波吸収物質が可塑剤となってしまう。その結果、十分な発熱を得るために電磁波吸収物質を多量添加すると感熱孔版印刷用原紙全体が極端に柔らかくなり印刷中に破断してしまう。また、電磁波吸収物質を層中に分散させる場合は通常添加量が10wt%程度までに制限され十分な電磁波吸収が行われず発熱量も少なくなってしまい穿孔が形成されない恐れがある。無理に分散量を多くすると膜が極端にもろくなり、やはり印刷中に破断してしまう。その点、本発明の感熱孔版印刷用原紙は熱可塑性樹脂フィルムと電磁波吸収層が分離されているため機械的強度が維持できる。
【0034】本発明で明らかとなった電磁波吸収性物質の電磁波吸収層中含有率が20wt%以上80wt%未満の条件を満たしたとき初めて、印刷時の機械的ストレスによっても破壊されないことと、製版時にきれいな穿孔を形成することが両立できる。結果として高品質な画質の印刷物を得ることができる。電磁波吸収性物質の含有率は20wt%以上80wt%未満であることが好ましいが、30wt%以上70wt%未満であることがさらに好ましい。
【0035】前記電磁波吸収性物質としては、カーボンブラック、黒鉛、窒化炭素、炭化珪素、ボロン系化合物、金属酸化物、光吸収性金属、その他無機物、有機染料、有機顔料、電磁波吸収性高分子等が挙げられるが、照射される電磁波に吸収があり、かつ吸収した光を熱に変換する物質であればいずれも好適に用いることができる。中でも、カーボンブラックが安価で汎用性があり、より好適である。
【0036】電磁波吸収層に用いることができる樹脂成分としては、ポリビニルブチラール系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系などの樹脂が挙げられ、中でもポリビニルブチラール系樹脂の使用が効果的である。ポリビニルブチラール系樹脂は熱可塑性樹脂と良好な接着性を示すこと、およびポリビニルブチラール系樹脂自体が熱可塑性であるため穿孔できず、穿孔感度が高いことが理由としてあげられる。
【0037】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、電磁波吸収層よりも電磁波照射側に保護層を積層させることで、印刷時の機械的ストレスによる電磁波吸収層の破壊、そしてそれが原因で生じる印刷物の画像欠陥の発生(画質低下)を防ぐことができる。本発明に用いることができる保護層は高分子であれば良く、具体的にはポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系などの樹脂が挙げられる。
【0038】また、電磁波吸収層よりも電磁波照射側に熱可塑性樹脂フィルムが積層させることで印刷時の機械的ストレスによる電磁波吸収層の破壊による印刷物の画像欠陥の発生を防ぐことができる。熱可塑性樹脂フィルムは熱で溶解する必要があるため、印刷時の機械的ストレスに耐えられる範囲で薄いことが好ましい。具体的には10μm未満であることが好ましく、5μm未満であることがさらに好ましい。
【0039】本発明に用いることができる熱可塑性樹脂フィルムは、押出法、流延法等により形成された熱可塑性樹脂フィルムであれば良く、具体的にはポリエステル系(好ましくは共重合ポリエステル)、ナイロン系(好ましくは共重合ナイロン)、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、塩化ビニル系、アクリル酸誘導体系、エチレン・ビニルアルコール系、ポリカーボネート系(好ましくは共重合ポリカーボネート)等が挙げられる。この他に主鎖あるいは側鎖に電磁波吸収性基を導入した高分子等が好適に用いられる。また、穿孔感度が高いことが好ましく、そのためには熱可塑性フィルムが非晶質から結晶化度15%までの範囲であることが好ましく、非晶質であることがより好ましい。
【0040】多孔質支持体には繊維状多孔質体あるいは多孔性樹脂膜を用いることができる。繊維状多孔質体はさらに天然繊維、化学繊維、金属繊維に分けられ、これらの素材は単独で紗のような織物状シートあるいは不織物状シートあるいは紙の形態として用いても良いし、2つ以上の素材を組み合わせて織物状シートあるいは不織物状シートあるいは紙の形態として用いても良い。
【0041】天然繊維としては、マニラ麻、亜麻、パルプ、ミツマタ、コウゾ、和紙、綿、カポック、ラミー、ココナッツ繊維、アスベスト、羊毛、モヘヤ、蚕糸などが挙げられる。化学繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ナイロン、アラミド等のポリアミド系、ビニロンなどのポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリウレタン系、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系、フェノール系、ポリフルオロエチレン系が挙げられる。また、化学繊維の表面にクロムなどの金属を被覆した繊維も用いることができる。金属繊維としてはステンレス、鉄、アルミニウムなどが挙げられる。この他に炭素繊維、ガラス繊維も用いることができる。これらの繊維は単独で用いても良いし、複数組み合わせて用いても良い。
【0042】多孔性樹脂膜は複数の穴が貫通した樹脂膜であれば用いることができる。例えば、特開平10−24667号公報に開示されるような糸瓜状樹脂膜が挙げられる。
【0043】製版において用いられる半導体レーザは発振波長が紫外領域から赤外領域までのいずれのものも用いることができ、非線形光学材料と組み合わせて用いても良い。半導体レーザは単独で用いても良いし、複数で用いても良い。
【0044】本発明の感熱孔版印刷用原紙の代表的なものの構成例を図1から図6までに示し、また、本発明の孔版製版印刷方法の実施に有用な装置の例を図7に示すが、本発明の感熱孔版印刷用原紙、孔版製版印刷方法はこれらに限定されるものではない。なお、図7の例では版胴に巻き付ける前に感熱孔版印刷原紙を製版しいてるが、版胴に巻き付けた後に感熱孔版印刷用原紙を製版しても良い。
【0045】本発明の多色刷り孔版製版印刷方法の実施に有用な装置の例を図8に示すが、本発明の多色刷り孔版製版印刷方法はこれに限定されるものではない。図8の例では版胴に巻き付ける前に感熱孔版印刷用原紙を製版しているが、版胴に巻き付けた後に感熱孔版印刷用原紙を製版しても良い。また、図8では各色独立した版胴を設けているが、1つの版胴を複数のインク室に分けた構造としても良い。
【0046】本発明の孔版製版印刷方法を用いる(殊に多色刷り孔版製版印刷方法を用いる)場合、受像用紙に転移した1色目のインクが2つ目以後の版胴に逆転移することで版胴を汚すことが考えられる。逆転移したインクが受像用紙の再転移すると、受像用紙の搬送位置精度が低い場合には印刷画像のダブリ(ゴースト)となり画質低下が生じる。そこで、この画質低下を防止するために、本発明の孔版製版印刷方法には、紫外線硬化型インクを用い紫外線照射する、温度変化により粘性変化するインクを用いる、剪断応力により粘性変化するインクを用いる、等のインク定着手段を組み合わせることができる。
【0047】
【実施例】本発明を実施例をもって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0048】
実施例1(感熱孔版印刷用原紙の製造例1)
カーボンブラック 1.30g ブチラール樹脂 11.70g 変性エタノール 117.0g上記組成の混合物をボールミル900gと共にガラス製容器に入れ、ボールミリング用ロール上で24時間回転させることでカーボンブラックの粉砕および分散液の撹拌混合を行い、カーボンブラックの分散液を得た。得られた分散液を厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの片面にワイヤーの太さが0.05mmのワイヤーバーを用いて塗工した。塗工後直ちに40℃雰囲気下で10分間乾燥を行い製造例1の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.10g/m2であった。
【0049】実施例2〜6(感熱孔版印刷用原紙の製造例2〜6)感熱孔版印刷用原紙の製造例1において、カーボンブラックを1.30g、ブチラール樹脂を11.70g用いた代わりに表1に示す量のカーボンブラックおよびブチラール樹脂を添加した以外は感熱孔版印刷用原紙の製造例1と同様にして製造例2〜6の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は、製造例2が1.15g/m2、製造例3が1.08g/m2、製造例4が1.18g/m2、製造例5が1.25g/m2製造例6が1.16g/m2であった。
【0050】
【表1】

【0051】
実施例7(感熱孔版印刷用原紙の製造例7)
カーボンブラック 11.70g ブチラール樹脂 1.30g 変性エタノール 117.0g上記組成の混合物をボールミル900gと共にガラス製容器に入れ、ボールミリング用ロール上で24時間回転させることでカーボンブラックの粉砕および分散液の攪拌混合を行い、カーボンブラックの分散液を得た。得られた分散液を厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの片面にドクターブレードを用いて塗工した。塗工後直ちに40℃雰囲気下で10分間乾燥を行い製造例7の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.15g/m2であった。
【0052】
実施例8(感熱孔版印刷用原紙の製造例8)
カーボンブラック 7.80g ブチラール樹脂 5.20g 変性エタノール 117.0g上記組成の混合物をボールミル900gと共にガラス製容器に入れ、ボールミリング用ロール上で24時間回転させることでカーボンブラックの粉砕および分散液の撹拌混合を行い、カーボンブラックの分散液を得た。得られた分散液を厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムに和紙を貼り合わせたもののフィルム面にワイヤーの太さが0.05mmのワイヤーバーを用いて塗工した。塗工後直ちに40℃雰囲気下で10分間乾燥を行い製造例8の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.20g/m2であった。
【0053】
実施例9(感熱孔版印刷用原紙の製造例9)
カーボンブラック 7.80g ブチラール樹脂 5.20g 変性エタノール 117.0g上記組成の混合物をボールミル900gと共にガラス製容器に入れ、ボールミリング用ロール上で24時間回転させることでカーボンブラックの粉砕および分散液の撹拌混合を行い、カーボンブラックの分散液を得た。得られた分散液を厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの片面にワイヤーの太さが0.05mmのワイヤーバーを用いて塗工した。塗工後直ちに40℃雰囲気下で10分間乾燥を行った。次にカーボンブラックを含有する電磁波吸収層に接着液を塗工後、和紙を貼り付け、再び40℃雰囲気下で10分間乾燥を行い、製造例9の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.22g/m2であった。
【0054】
実施例10(感熱孔版印刷用原紙の製造例10)
カーボンブラック 10.40g ブチラール樹脂 2.60g 変性エタノール 117.0g上記組成の混合物をボールミル900gと共にガラス製容器に入れ、ボールミリング用ロール上で24時間回転させることでカーボンブラックの粉砕および分散液の撹拌混合を行い、カーボンブラックの分散液を得た。得られた分散液を厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの片面にワイヤーの太さが0.05mmのワイヤーバーを用いて塗工した。塗工後直ちに40℃雰囲気下で10分間乾燥を行った。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.15g/m2であった。次に下記組成のポリスチレン溶液をワイヤーバーを用いて電磁波吸収層上に塗工後、直ちに40℃雰囲気下で10分間乾燥を行い保護層(塗工量:0.25g/m2)を形成し、製造例10の感熱孔版印刷用原紙を得た。
ポリスチレン(デンカスチロールHRM、電気化学工業社製) 2.0g トルエン 98.0g【0055】実施例11(感熱孔版印刷用原紙の製造例11)感熱孔版印刷用原紙の製造例4において、ワイヤーの太さが0.05mmのワイヤーバーを用いた代わりに、ワイヤーの太さが0.20mmのワイヤーバーを用いた以外は感熱孔版印刷用原紙の製造例4と同様にして製造例11の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は2.51g/m2であった。
【0056】実施例12(感熱孔版印刷用原紙の製造例12)感熱孔版印刷用原紙の製造例4において、ワイヤーの太さが0.05mmのワイヤーバーを用いた代わりに、ワイヤーの太さが0.30mmのワイヤーバーを用いた以外は感熱孔版印刷用原紙の製造例4と同様にして製造例12の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は3.35g/m2であった。
【0057】実施例13(感熱孔版印刷用原紙の製造例13)感熱孔版印刷用原紙の製造例4において、厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを用いた代わりに、厚さ3.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを用いた以外は感熱孔版印刷用原紙の製造例4と同様にして製造例13の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.15g/m2であった。
【0058】実施例14(感熱孔版印刷用原紙の製造例14)感熱孔版印刷用原紙の製造例4において、厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを用いた代わりに、厚さ5.0μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを用いた以外は感熱孔版印刷用原紙の製造例4と同様に製造例14の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.18g/m2であった。
【0059】実施例15(感熱孔版印刷用原紙の製造例15)感熱孔版印刷用原紙の製造例4において、厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを用いた代わりに、厚さ0.8μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを用いた以外は感熱孔版印刷用原紙の製造例4と同様にして製造例15の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.10g/m2であった。
【0060】実施例16(感熱孔版印刷用原紙の製造例16)感熱孔版印刷用原紙の製造例9において、和紙を用いた代わりに、ナイロン製の紗(300メッシュ)を用いた以外は感熱孔版印刷用原紙の製造例9と同様にして製造例16の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.15g/m2であった。
【0061】実施例17(感熱孔版印刷用原紙の製造例17)感熱孔版印刷用原紙の製造例9において、和紙を用いた代わりに、ナイロン製極細繊維で構成される不織布を用いた以外は感熱孔版印刷用原紙の製造例9と同様にして製造例17の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.20g/m2であった。
【0062】実施例18(感熱孔版印刷用原紙の製造例18)感熱孔版印刷用原紙の製造例9において、和紙を用いた代わりに、ステンレス製の紗(300メッシュ)を用いた以外は感熱孔版印刷用原紙の製造例9と同様にして製造例18の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.10g/m2であった。
【0063】
実施例19(感熱孔版印刷用原紙の製造例19)
ポリビニルブチラール 4.0重量部 エチルアルコール 35.5重量部 水 11.5重量部 針状珪酸マグネシウム (水沢化学社製、エードプラスSP) 0.8重量部ポリビニルブチラール樹脂をエチルアルコールおよび水の混合液中に溶解後、針状珪酸マグネシウムを添加しボールミルで分散混合した後、濾過して塗工液とした。これを厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム上にワイヤーバーを用いて均一塗工した。塗工後50℃の熱風中に3分間乾燥して二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム上に多孔性樹脂膜を形成した。乾燥後の多孔性樹脂膜の付着量は8.2g/m2であった。
カーボンブラック 7.80g ブチラール樹脂 5.20g 変性エタノール 117.0g上記組成の混合物をボールミル900gと共にガラス製容器に入れ、ボールミリング用ロール上で24時間回転させることでカーボンブラックの粉砕および分散液の撹拌混合を行い、カーボンブラックの分散液を得た。得られたカーボンブラックの分散液を二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの多孔性樹脂膜を形成した面とは逆の面にワイヤーの太さが0.05mmのワイヤーバーを用いて塗工した。塗工後直ちに40℃雰囲気下で10分間乾燥を行い製造例19の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.22g/m2であった。
【0064】
比較例1(感熱孔版印刷用原紙の製造例20)
カーボンブラック 13.00g 変性エタノール 117.0g上記組成の混合物をボールミル900gと共にガラス製容器に入れ、ボールミリング用ロール上で24時間回転させることでカーボンブラックの粉砕および分散液の撹拌混合を行い、カーボンブラックの分散液を得た。得られた分散液を厚さ1.5μmのPETを主成分とする二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの片面にワイヤーの太さが0.05mmのワイヤーバーを用いて塗工した。塗工後直ちに40℃雰囲気下で10分間乾燥を行い、製造例20の感熱孔版印刷用原紙を得た。カーボンブラックを含有する電磁波吸収層の塗工量は1.01g/m2であった。
【0065】(感熱孔版印刷用原紙の製版条件)図9に示す製版装置を用いて製造例1〜20の感熱孔版印刷用原紙に製版を行ったが、その際の製版条件は下記のとおりである。
半導体レーザ(LD):最大連続発振出力:100mW発振波長 :827nmレーザ光照射条件:パルス幅 :300μsec主走査方向速度 :67mm/sec副走査方向速度 :14.2μm/secレーザ出力 :40mW入力画像:SCID(Standard Color Image Data)N5画像((財)日本規格協会発行)
【0066】実施例20図9の製版装置を用いて、感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を製版した。製版した孔版印刷版をプリポートインクVT−1000(リコー社製)を充填したプリポートカラードラムVT−A3IIVT−3820(リコー社製)の外周に巻き付けた。このドラムをプリポートVT−3820(リコー社製)に装着し、PPC用紙タイプ6200を通して印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0067】実施例21実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに感熱孔版印刷用原紙の製造例3の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0068】実施例22実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに感熱孔版印刷用原紙の製造例4の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0069】実施例23実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに感熱孔版印刷用原紙の製造例5の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0070】実施例24実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに、感熱孔版印刷用原紙の製造例7の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で確認したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷した後印刷物を観察したところ、地汚れがある画像であった。また、孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがあることを確認した。
【0071】実施例25実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに感熱孔版印刷用原紙の製造例8の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0072】実施例26実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに感熱孔版印刷用原紙の製造例9の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0073】実施例27実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに感熱孔版印刷用原紙の製造例10の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0074】実施例28実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに感熱孔版印刷用原紙の製造例1の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、やや鮮明性に劣る画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0075】実施例29実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに感熱孔版印刷用原紙の製造例6の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、わずかに地汚れがある画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがわずかにあることを確認した。
【0076】実施例30感熱孔版印刷用原紙の製造例4で製造した感熱孔版印刷用原紙を図7に示す孔版製版印刷装置の製版部で製版した後、この孔版印刷版をブラックのインクが充填された版胴に巻き付け、PPC用紙タイプ6200(リコー社製)を版胴に通して印刷を行った。1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。また、孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0077】実施例31感熱孔版印刷用原紙の製造例4で製造した感熱孔版印刷用原紙を図8に示す多色刷り孔版製版印刷装置の製版部でシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色用に色分解した画像を製版した後、これらの孔版印刷版をシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクが充填された各版胴にそれぞれ巻き付け、PPC用紙タイプ6200(リコー社製)を各版胴に順次通して4色印刷を行った。1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明なフルカラー画像であった。また、孔版印刷版の表面を観察したところ、いずれも電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0078】実施例32実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代わりに、感熱孔版印刷用原紙の製造例11の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0079】実施例33実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代わりに、感熱孔版印刷用原紙の製造例13の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0080】実施例34実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代わりに、感熱孔版印刷用原紙の製造例15の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0081】実施例35実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代わりに、感熱孔版印刷用原紙の製造例16の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0082】実施例36実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代わりに、感熱孔版印刷用原紙の製造例17の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0083】実施例37実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代わりに、感熱孔版印刷用原紙の製造例18の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0084】実施例38実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代わりに、感熱孔版印刷用原紙の製造例19の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、サイズの揃った穿孔が確実に形成されていることを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、地汚れ等の画像欠陥のない鮮明な画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0085】比較例2実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代りに感熱孔版印刷用原紙の製造例20の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様にして製版印刷を行った。1枚印刷した後印刷物を観察したところ、地汚れが多い画像であった。また、孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれが多いことを確認した。
【0086】実施例39実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代わりに、感熱孔版印刷用原紙の製造例12の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様に製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、穿孔が形成されている箇所と形成されていない箇所を混在することを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、画像濃度が低いが地汚れのない画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0087】実施例40実施例20において感熱孔版印刷用原紙の製造例2の感熱孔版印刷用原紙を用いた代わりに、感熱孔版印刷用原紙の製造例14の感熱孔版印刷用原紙を用いた以外は実施例20と同様に製版印刷を行った。印刷前の感熱孔版印刷用原紙の穿孔部を顕微鏡で観察したところ、穿孔が形成されている箇所と形成されていない箇所とが混在することを確認した。また、1000枚印刷後の印刷物を観察したところ、画像濃度が低いが地汚れのない画像であった。孔版印刷版の表面を観察したところ、電磁波吸収層のはがれがないことを確認した。
【0088】
【発明の効果】請求項1〜12の発明によれば、印刷による経時での画質低下がない感熱孔版印刷用原紙が得られる。請求項13〜15の発明によれば、電磁波によって穿孔が行なわれるので、シャープで良質の孔版印刷版が得られる。請求項16〜18の発明によれば、良好な製版印刷が行なえる。請求項19〜23の発明によれば、良質の多色刷り孔版印刷物が得られる。




 

 


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