米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 繊維;紙;印刷 -> 株式会社リコー

発明の名称 インクジェット記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−71448(P2000−71448A)
公開日 平成12年3月7日(2000.3.7)
出願番号 特願平10−247948
出願日 平成10年9月2日(1998.9.2)
代理人 【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057 AF91 AF93 AG15 AG54 AG55 AG85 AG92 AG93 AP02 BA04 
発明者 木村 隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板と、この振動板に対向配置した個別電極とを有し、前記振動板と個別電極との間に電圧を印加することで前記振動板を静電力によって変形させて前記ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドの基板上に形成した個別電極の電極取り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドの電極取り出し部と前記プリント基板との接続部を押える押さえ部材を設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドには前記電極取り出し部と前記プリント基板との複数の接続部があり、前記押さえ部材は複数の接続部の2以上の接続部を共通して押える部材であることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、複数のインクジェットへッドを備え、前記押さえ部材はこれら複数のインクジェットヘッドの前記電極取り出し部と前記プリント基板との2以上の接続部を共通して押える部材であることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】 インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板と、この振動板に対向配置した個別電極とを有し、前記振動板と個別電極との間に電圧を印加することで前記振動板を静電力によって変形させて前記ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドの基板上に形成した個別電極の電極取り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドのノズル面の少なくとも一部を覆うカバー部材に、前記インクジェットヘッドの電極取り出し部と前記プリント基板との接続部を押える押さえ部材を一体的に設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】 請求項4に記載のインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドには前記電極取り出し部と前記プリント基板との複数の接続部があり、前記カバー部材には複数の接続部の2以上の接続部を共通して押える押さえ部材を一体的に設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】 請求項4又は5に記載のインクジェット記録装置において、複数のインクジェットヘッドを備え、この複数のインクジェットヘッドの内の2以上のインクジェットヘッドのノズル面の少なくとも一部を覆う1つの前記カバー部材を設け、このカバー部材に前記2以上のインクジェットヘッドの前記電極と前記プリント基板との接続部を共通して押える押さえ部材を一体的に設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項7】 インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板と、この振動板に対向配置した個別電極とを有し、前記振動板と個別電極との間に電圧を印加することで前記振動板を静電力によって変形させて前記ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドの個別電極の電極取り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録装置において、前記個別電極とプリント基板とをワイヤボンディング法で接続し、このワイヤボンディングのワイヤの高さを前記インクジェットヘッドのノズル面より低くしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項8】 インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室内容積を変化させて前記ノズルからインク滴を吐出させるアクチュエータ手段とを備えたインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドのアクチュエータ手段の電極取り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドのノズル面の一部を覆うカバー部材に前記インクジェットヘッドの電極取り出し部と前記プリント基板との接続部を覆って押える押さえ部材を一体的に設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置に関し、特にインクジェットヘッドとプリント基板との接続部を保護するようにしたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置として用いるインクジェット記録装置において使用するインクジェットヘッドは、インク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐出室(圧力室、加圧液室、液室、インク流路等とも称される。)と、この吐出室内のインクを加圧するエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを備えて、エネルギー発生手段を駆動することで吐出室内インクを加圧してノズル孔からインク滴を吐出させるものであり、記録の必要なときにのみインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方式のものが主流である。そして、インク滴(記録液体)の発生方法及び飛翔方向を制御するための制御方法により、幾つかの方式に大別される。
【0003】第1の方式は、例えば米国特許第3060429号明細書に開示されているものである。これは、Tele type方式と称され、インク滴の発生を静電吸引的に行い、発生したインク滴を記録信号に応じて電界制御し、被記録体上にこのインク滴を選択的に付着させて記録を行うものである。
【0004】より詳細には、ノズルと加速電極間に電界をかけて、一様に帯電したインク滴をノズルより吐出させ、吐出したインク滴を記録信号に応じて電気制御可能なように構成されたXY偏向電極間を飛翔させ、電界の強度変化によって選択的にインク滴を被記録体上に付着させるものである。
【0005】第2の方式は、例えば米国特許第3596275号明細書、米国特許第3298030号明細書等に開示されているものである。これは、Sweet方式と称され、連続振動発生法により帯電量の制御させたインク滴を発生させ、この帯電量の制御されたインク滴を、一様電界がかけられている偏向電極間を飛翔させて、被記録体上に記録を行わせるものである。
【0006】具体的には、ピエゾ振動素子の付設されている記録ヘッドを構成する一部であるノズルのオリフイス(吐出口)の前に記録信号が印加されるようにした帯電電極を所定距離離間させて配置し、前記ピエゾ振動素子に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ振動素子を機械的に振動させ、オリフィスよりインク滴を吐出させる。この時、吐出するインク滴には帯電電極により電荷が静電誘導され、インク滴は記録信号に応じた電荷量で帯電される。帯電量の制御されたインク滴は、一定電界が一様にかけられている偏向電極間を飛翔する時に、付加された帯電量に応じて偏向を受け、記録信号を担うインク滴のみが被記録体上に付着することになる。
【0007】第3の方式は、例えば米国特許第3416153号明細書に開示されているものである。これは、Hertz方式と称され、ノズルとりング状の帯電電極間に電界をかけ、連続振動発生法によって、インク滴を発生霧化させて記録する方式である。すなわち、ノズルと帯電電極間にかける電界強度を記録信号に応じて変調することによりインク滴の霧化状態を制御し、記録画像の階調性を出して記録させるものである。
【0008】第4の方式は、例えば米国特許第3747120号明細書に開示されているものである。これは、Stemme方式と称され、上記第1〜3の方式とは根本的に原理が異なるものである。すなわち、第1〜3の方式が、いずれもノズルより吐出されたインク滴を、飛翔している途中で電気的に制御し、記録信号を担ったインク滴を選択的に被記録体上に付着させて記録を行わせるのに対し、このStemme方式では、記録信号に応じて吐出口よりインク滴を吐出飛翔させて記録するものである。
【0009】つまり、Stemme方式は、記録液体を吐出する吐出口を有する記録ヘッドに付設されているピエゾ振動素子に、電気的な記録信号を印加してピエゾ振動素子の機械的振動に変え、この機械的振動に従い吐出口よりインク滴を吐出飛翔させて被記録体に付着させるものである。
【0010】これらの4方式は、各々に特長を有するが、同時に、不利な点もある。先ず、第1〜第3の方式は、インク滴を発生させるための直接的エネルギーが電気的エネルギーであり、かつ、インク滴の偏向制御も電界制御による。したがって、第1の方式は、構成上はシンプルであるが、小滴の発生に高電圧を要し、かつ、記録ヘッドのマルチノズル化が困難で高速記録には不向きである。
【0011】また、第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル化が可能で高速記録に向くが、構成上複雑であり、かつ、インク滴の電気的制御が高度で困難であり、被記録体上にサテライトドットが生じやすい。第3の方式は、インク滴を霧化することにより階調性に優れた記録が可能ではあるが、他方、霧化状態の制御が困難である。また、記録画像にカブリが生じたり、記録ヘッドのマルチノズル化が困難で高速記録には不向きであるといった不利な点がある。
【0012】一方、第4の方式は、比較的多くの利点を持っている。つまり、まず、構成が簡単であり、また、オンデマンドでインク滴をノズルより吐出させて記録を行うために、第1〜第3の方式のように吐出飛翔するインク滴の、画像記録に要しなかったインク滴を回収する必要がない。さらに、第1、2の方式のように、導電性のインクを使用する必要はなく、インクの物質上の選択自由度が大きい。
【0013】しかしながら、所望の共振周波数を有するピエゾ振動素子の小型化が極めて困難である等の理由から、記録ヘッドのマルチノズル化が難しい。また、ピエゾ振動素子の機械的振動という機械的エネルギーによってインク滴の吐出飛翔を行わせるために、上記のマルチノズル化の困難さと相俟って、高速記録には不向きのものとなっている。
【0014】そこで、例えば特開昭56−9429号公報に開示されているように、液室内のインクを加熱して気泡を発生させて、インクに圧力上昇を生じさせ、微細な毛細管ノズルからインクを吐出させる方式や特公昭61−59914号公報に開示されているように、液体を所定の方向に吐出させるための吐出口に連通する液路中の液体の一部を熱して膜沸騰を生起させることにより、吐出口より吐出される液体の飛翔的液滴を形成し、この液滴を被記録体に付着させて記録させるものなどがある。
【0015】この方式の記録ヘッドは、特公昭62−59672号公報に記載されているように、基板上の所定位置にインクに液摘発生のためのエネルギーを与えるエネルギー発生手段としての発熱素子、圧電素子等の能動素子を複数個固定的に設置した後(電極は適宜形成される)、基板表面に所定厚さで感光性組成物層を塗布法等により形成し、通常のフオトリソグラフイー法により、オリフィス部、作用部、インク供給路部、インク吐出路部等のインク流路を形成するためのインク流路溝を形成し、この後、上蓋を接合させて記録ヘッドを製造するようにしている。
【0016】このようにフオトリソ技術を用いることにより、高密度化が可能となるが、インクの中で発熱体を高温に発熱させること、さらには気泡を瞬間的に膨張・消滅させるため、その熱ストレスや、衝撃で発熱体が劣化しやすく、また、発熱体が直接インクに接触するために、使用できるインクの自由度が少ないという欠点がある。
【0017】これらの問題点を解決し、しかもフオトリソ技術の使用による高密度化を実現するものとして、特開平4−52214号公報、特開平3−293141号公報などに記載されているように、シリコン基板からなる第1の基板(振動板基板)にエッチングによって液室とこの液室の一壁面を形成する振動板とを形成し、この第1の基板の下側に電極を形成した第2の基板(電極基板)を配置して、振動板に所定ギャップを置いて電極を対向させ、振動板と電極間に電圧を印加することで、静電力によって振動板を撓ませて液室の内容積を変化させて液室に連通するノズルからインク滴を吐出させる静電型インクジェットヘッドが知られている。
【0018】この静電型インクジェットヘッドの電極(個別電極)に駆動波形を印加するための構成としては、例えば特開平7−246706号公報に記載されているように、インクジェットヘッドの個別電極とプリント板とを異方導電性膜で接続するものが知られている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述したような電極基板上に振動板基板を設けた静電型インクジェットヘッドにあっては、電極の取り出しのために電極基板を振動板基板より大きく形成し、電極基板上の電極を振動板基板より外側に延設して電極取り出し部とし、この電極取り出し部にプリント基板と接続するための電極パッドを設ける必要がある。そのため、個別電極の電極パッドに駆動波形印加用のプリント基板を接続した状態では、電極取り出し部とプリント基板との接続部が露出することになる。
【0020】特に、振動板の変位方向がインク滴吐出方向に一致するいわゆるサイドシュータ方式の静電型インクジェットヘッドの場合にあっては、電極基板の個別電極を形成する電極形成面はノズル面と同方向の面になり、しかも、ヘッドの小型化に従って電極形成面とノズル面とが近接するので、電極取り出し部とプリント基板との接続部はノズル面に極めて近接した状態になる。
【0021】ところで、インクジェット記録装置においては、インク滴吐出やノズル面のワイピング、ノズル内のインクの吸引排出などの信頼性維持動作を行うために、この信頼性回復動作によってノズル面に残留したインクが上述のようにノズル面に近接した電極取り出し部とプリント基板との接続部に侵入し、インクによって電極間のリークが発生して吐出不能になったり、誤動作をするチャンネルが発生することがあり、長期安定性及び信頼性に欠けることがある。
【0022】また、インクジェットヘッドをキャリッジに搭載するシリアル型インクジェット記録装置においては、インクジェットヘッドにはキャリッジの往復移動による激しい振動が伝わることから、長期間の使用によって、プリント基板が電極取り出し部から剥離して電気的な接続が得られなくなり、吐出不能になったり、誤動作することもあり、特に、印写速度の高速化に伴ってインクジェットヘッドに伝わる振動も大きくなる傾向にあることから、このような問題も顕著になっている。
【0023】なお、上述したような各問題は、アクチュエータ手段として振動板に対向配置した電極を有する静電型インクジェットヘッドに限らず、例えば基板上に積層型圧電素子を配置したインクジェットヘッドにあっても、基板上に電気機械変換素子に駆動波形を与えるための電極取り出し部(電極パターン)を設けて、この電極取り出し部とプリント基板とを接続するような場合には同様に発生するものである。ただし、積層型圧電素子を用いる場合にはノズル面と電極パターンとが静電型インクジェットヘッドに比べて離れているので、前者の問題は静電型インクジェットヘッドの場合ほど顕著ではない。
【0024】本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、低コストで信頼性を向上したインクジェットヘッド記録装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、請求項1のインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板と、この振動板に対向配置した個別電極とを有し、前記振動板と個別電極との間に電圧を印加することで前記振動板を静電力によって変形させて前記ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドの基板上に形成した個別電極の電極取り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドの電極取り出し部と前記プリント基板との接続部を押える押さえ部材を設けた構成とした。
【0026】請求項2のインクジェット記録装置は、上記請求項1のインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドには前記電極取り出し部と前記プリント基板との複数の接続部があり、前記押さえ部材は複数の接続部の2以上の接続部を共通して押える部材である構成とした。
【0027】請求項3のインクジェット記録装置は、上記請求項1又は2のインクジェット記録装置において、複数のインクジェットへッドを備え、前記押さえ部材はこれら複数のインクジェットヘッドの前記電極取り出し部と前記プリント基板との2以上の接続部を共通して押える部材である構成とした。
【0028】請求項4のインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板と、この振動板に対向配置した個別電極とを有し、前記振動板と個別電極との間に電圧を印加することで前記振動板を静電力によって変形させて前記ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドの基板上に形成した個別電極の電極取り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドのノズル面の少なくとも一部を覆うカバー部材に、前記インクジェットヘッドの電極取り出し部と前記プリント基板との接続部を押える押さえ部材を一体的に設けた構成とした。
【0029】請求項5のインクジェット記録装置は、上記請求項4のインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドには前記電極取り出し部と前記プリント基板との複数の接続部があり、前記カバー部材には複数の接続部の2以上の接続部を共通して押える押さえ部材を一体的に設けた構成とした。
【0030】請求項6のインクジェット記録装置は、上記請求項4又は5のインクジェット記録装置において、複数のインクジェットヘッドを備え、この複数のインクジェットヘッドの内の2以上のインクジェットヘッドのノズル面の少なくとも一部を覆う1つの前記カバー部材を設け、このカバー部材に前記2以上のインクジェットヘッドの前記電極と前記プリント基板との接続部を共通して押える押さえ部材を一体的に設けた構成とした。
【0031】請求項7のインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板と、この振動板に対向配置した個別電極とを有し、前記振動板と個別電極との間に電圧を印加することで前記振動板を静電力によって変形させて前記ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドの個別電極の電極取り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録装置において、前記個別電極と前記プリント基板とをワイヤボンディング法で接続し、このワイヤボンディングのワイヤの高さを前記インクジェットヘッドのノズル面より低くした構成とした。
【0032】請求項8のインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室内容積を変化させて前記ノズルからインク滴を吐出させるアクチュエータ手段とを備えたインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドのアクチュエータ手段の電極取り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドのノズル面の一部を覆うカバー部材に前記インクジェットヘッドの電極取り出し部と前記プリント基板との接続部を覆って押える押さえ部材を一体的に設けた構成とした。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視図、図2は同ヘッド部のインクジェットヘッドのカバー部材を取り外した状態の斜視図、図3は同インクジェットヘッドの斜視図、図4は図1のA−Aに沿う要部拡大断面図、図5は図2のB−B線に沿う要部拡大断面図である。
【0034】インクジェットヘッド1は、図3乃至図5に示すように、振動板基板10と、この振動板基板10の上側に設けた液室基板11と、振動板基板10の下側に設けた電極基板12と、液室基板11の上側に設けたノズルプレート13と、ノズルプレート13のノズル面13aの周縁部分を覆うカバー部材であるノズルカバー14とを備え、複数のノズル15、各ノズル15が連通する液室16などを形成している。
【0035】振動板基板10には、液室16及びこの液室16の底部をなし、第1の電極で共通電極となる振動板18を形成する凹部17と、各液室16にインクを供給する図示しない共通インク室、共通インク室と液室16とを連通する図示しない流体抵抗部などを形成する凹部、溝等を形成している。この振動板基板10は、SUS基板などの金属基板、シリコン基板等をエッチングすることで所望の微細な液室パターンを形成したものである。この振動板基板10上に液室16に対応する貫通穴19等を形成した液室基板11を接合している。
【0036】電極基板12には凹部20を形成して、この凹部20の底面に振動板18に所定(ここでは、1μmとしている。)のギャップを置いて対抗する第2の電極となる個別電極21を形成し、この個別電極21と振動板18によって、振動板18を変位させて液室16の内容積を変化させるアクチュエータ部を構成している。この電極基板12の個別電極21上には短絡、放電によって個別電極21が破損するのを防止するためのSiO2などの絶縁層22を成膜し、また、個別電極21は振動板基板10より外側に延設してプリント基板と接続するための電極取り出し部21aとしている。
【0037】この基板電極12は、SUSなどの金属や、ガラス、Si等をエッチングして凹部20を形成し、この凹部20にNi、A1、Ti/Pt、Cuなどの電極材料を、スパッタ、CVD、蒸着などの成膜技術で所望の厚さに成膜し、その後、フォトレジストを形成してエッチングすることにより、凹部20にのみ個別電極21を形成したものである。
【0038】ノズルプレート13は、NiやSUSなどの金属板、ガラス、或いは樹脂などで形成し、エッチングやニッケルのエレクトロフォーミング法などの周知の方法で作製することができる。ノズルプレート13のノズル面(吐出方向の表面)13aには、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。
【0039】これらの振動板基板10、液室基板11、電極基板12及びノズルプレート13は、接着剤や陽極接合などの直接接合法によって接合している。
【0040】このインクジェットヘッド1は、振動板18と個別電極21との間に駆動電圧を印加することによって静電力によって振動板18が変形して、液室16の内容積(体積)が変化することによって、ノズル15からインク滴が吐出される。
【0041】そこで、このインクジェットヘッド1の個別電極21の端部(電極取り出し部21a)には、図4に示すように電極パッド25を設け、同図及び図2に示すように、この個別電極21の電極パッド25に、個別電極21に駆動波形を与えるために外部回路(駆動IC等)に接続したフレキシブルプリントケーブル(FPC)からなるプリント基板26の電極リード27を接続している。
【0042】このプリント基板26は、ガラスエポキシ樹脂やフェノール樹脂等からなる板状のプリント基板や、ポリイミド樹脂、PET樹脂等からなるフィルム状のプリント基板を用いることができ、このプリント基板上に個別電極21に電圧を印加するための電極リード27を形成したものである。
【0043】プリント基板26上の電極リード27と個別電極21の電極パッド25を電気的に接続する方法としては、例えば、半田を熱圧着する方法、異方導電性接着剤で熱圧着する方法、電極間同士を圧接する方法、ワイヤボンディングで接続する方法、バンプで接続する方法などがある。これらの中でも、半田や異方導電性接着剤、圧接などの方法を用いることで、複数の電極間同士の接続を一度に行うことができ、接続作業が効率的で、低コスト化を図れる。
【0044】ノズルカバー14は、ノズルプレート13のノズル面13aの周縁部を覆うと共にノズル面13aのノズル15を開口する開口部14aを形成すると共に、その一部を折り曲げることで、少なくともプリント基板26と個別電極21の電極パッド25との接続部を押さえる押さえ部材28を一体に形成している。
【0045】以上のように構成したインクジェットヘッド1においては、振動板18と個別電極21との間に駆動電圧を印加することによって静電力によって振動板18が変形して、液室16内容積が変化することによって、ノズル15からインク滴が吐出される。
【0046】そして、この場合、インク滴吐出、ノズル面13aのインクを拭き取るワイピング動作、ノズル15からインクを吸引排出する回復動作などが行われることで、ノズルプレート13のノズル面13aから個別電極21とプリント基板26との接続部方向にインクが垂れたときでも、ノズルカバー14と一体の押さえ部材28が個別電極21の露出部やプリント基板26との接触部を覆っているので、インクが隣接する個別電極21,21間を短絡したり、個別電極21とプリント基板26との接続部に侵入することを防止でき、インク滴の吐出不良や誤吐出を防止することができる。
【0047】また、インクジェットヘッド1をキャリッジに搭載したシリアル型インクジェット記録装置に適用した場合、キャリッジの往復移動による振動によって、個別電極21とプリント基板26との接続部が剥離することを防止でき、インク滴の吐出不良や誤吐出を防止することができる。
【0048】すなわち、上述したインクジェットヘッド1のように電極基板12上に振動板基板10を配設した構成にあっては、電極基板12の個別電極21を外部に接続するために、電極基板12を振動板基板10より大きく形成して、電極パッド部25(電極取り出し部21a)を振動板基板12より外方に付設した構成とする必要がある。したがって、電極パッド25にプリント基板26を接続しただけの状態では、図2に示すように、個別電極21とプリント基板26との接続部が外部にむき出しの状態になる。
【0049】特に、インク滴の噴射方向が振動板面と垂直方向である、いわゆるサイドシュータ型インクジェツトヘッドの場合、この個別電極21の露出部(プリント基板26との接続部)は、ノズル面と同方向になり、しかもヘッドの小型化のために、電極取り出し部21aはノズル面13aと近接した状態となる。そのため、インク滴吐出や、ノズル面13aのワイピング、ノズル15内インクの吸引排出などの信頼性を維持するための動作により、インクが個別電極21とプリント基板26との接続部に入り込み、水性インクの場合、導電性を有しているため、入り込んだインクによって隣接する個別電極21がリークしたり、プリント基板26の電極リード27が電気的に誤った個別電極21に接続されて、吐出不良や誤吐出が生じる。
【0050】また、インクジェットヘッド1をキャリッジに搭載するシリアル型インクジェット記録装置の場合、インクジェットヘッド1にはキャリッジの往復移動による激しい振動が伝わり、長期使用によって、プリント基板26が個別電極21から剥離して電気的な接続が得られなくなり、吐出不能になることもあり、特に印写速度の高速化に伴ってインクジェットヘッドに伝わる振動も大きくなる傾向にある。
【0051】そこで、ノズルカバー14と一体形成した押さえ部材28で個別電極21の露出部やプリント基板26との接続部を押えて覆うことによって、これらの部位にインクが侵入することを防止でき、また、個別電極21とプリント基板26との接続部の剥離を防止できるのである。しかも、ノズルカバー14と押さえ部材28とを一体的に形成することで、低コスト化を図ることができる。
【0052】ここで、インクジェットヘッドの具体的な構成について説明する。ここで採用したインクジェットヘッドは、インク液室6の幅は0.2mm、奥行き2.0mm、ピッチを0.28mmとした。Si基板をエッチングして厚さ10μmの振動板18を形成した板厚0.2mmの振動板基板10と、パイレックスガラス基板に0.5μmの溝(凹部20、ギャップとなる)の底部に、Niの個別電極21を幅0.2mm、ピッチ0.28mmで形成し、更に個別電極21上に1000ÅのSiO2の絶縁層22を形成した電極基板12とを接着剤で接合し、振動板基板10の上に、板厚150μmの液室基板11、板厚30μmのノズルプレート13とを順次接着剤で接合して、静電型インクジェットヘッドを作製した。このヘッドのノズルピッチは0.28mm、ノズル数は64チャンネルである。
【0053】そして、個別電極21には、異方導電性フィルム(株式会社スリーボンド製3370C:商品名)により、FPC(プリント基板)26の電極リード27を接着し、FPC26、異方導電性フィルムを介して、個別電極21に駆動電圧を供給できるようにした。そして、ノズルカバー14をノズルプレート13のノズル面に接合した。また、このインクジェットヘッドのインク液室16に連通したインク供給口を通して、インクタンクからインクが供給できるようにした。
【0054】次に、このようにして形成された記録ヘッドチップは、例えば次のような方法でインク飛翔記録ヘッドユニットとして完成する。このインク飛翔記録ヘッドユニットは、インク供給管(インク供給手段)に接続された中空のインク供給室を有して形成されたマニホールドをベース材として構成し、マニホールドの頂部には記録ヘッドチップを固定し、インク供給管から供給されたインクをインク供給室を通して、マニホールドの頂部に導き、記録ヘッドチップの端に設けたインク供給口から記録ヘッドチップの共通インク室に供給し、その後は、各インク供給チャンネルの毛管現象により、各エネルギー作用部まで運ばれる。さらに、記録ヘッドチップは周囲を覆い、枠状の保持部材により押え固定される。
【0055】そして、このインクジェットヘッドにおいては、インク供給管よりインク供給口に供給されたインクが共通インク室を通ってインク供給チャンネル全域に満たされている状態で、画像情報に応じて各個別電極に対して個別に駆動電圧を与えることで、個別電極と振動板との間で静電気力が発生し、振動板が個別電極側に変位する。この状態から、通電をオフすると、振動板は元の状態に戻ろうとし、この時の急激な容積変化により、インクがノズルより液滴となって飛翔する。
【0056】このインク飛翔記録ヘッドチップを用いて、次の具体的構成、条件で印写実験を行った。
振動板サイズ :200μm×2mm 振動板の配列密度 :90dpi(=ノズルの配列密度)
振動板の数 :32個×2列=64個(ノズルの数)
駆動電圧 :120V パルス幅 :30μsec 連続駆動周波数 :2kHz(ベタ印写時)
ノズルカバーの材質:SUS【0057】印写実験では、全チャンネル駆動のべタ印字を行い、約lmm離れたところに設けた紙面上への印写の可否を評価した。このとき、キャリッジの速度は、用紙との相対的な速度で200mm/sで移動させた。駆動回数は、1チャンネル当たり、109回であり、その間に105回毎にゴムブレードでノズル面を数回ワイピングした。その結果、109回連続駆動させた後にも良好な印写結果が得られた。
【0058】その後、ノズルカバー14を外し、個別電極21とプリント基板26との接続部を観察したところ、プリント基板26の電極リード27の剥離は見られず、テスターによる導通チェックでは、すべてのビットで導通が確保されていることが確認された。
【0059】次に、本発明の第2実施形態について図6乃至図8を参照して説明する。なお、図6は本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視図、図7は同ヘッド部のインクジェットヘッドのカバー部材を取り外した状態の斜視図、図8は同インクジェットヘッドの斜視図である。なお、図1乃至図5と対応する部分には同一符号を用いて説明を省略する(以下の実施形態についても同様。)
【0060】このインクジェットヘッド31は、ノズルプレート13にノズル15を2列千鳥状に配列してノズル密度を高くしたものであり、これに対応して振動板基板10、液室基板11には液室16、振動板18を、電極基板13には個別電極21を、それぞれ2列配列して設けている。
【0061】そして、電極基板12上の各列の個別電極21を左右に引き出して、それぞれにプリント基板26を接続している。すなわち、このインクジェットヘッド31では1つの電極基板13上に電極取り出し部21aを両側2箇所に設けた構成となっている。
【0062】このインクジェットヘッド31は、図6に示すように、ヘッドホルダ(台座)32上に組み付けて、両側の個別電極21とプリント基板26との接続部を覆ってプリント基板26を個別電極21側に押さえる共通の押さえ部材33で押さえ付けている。
【0063】このようにインクジェットヘッドに個別電極の電極取り出し部とプリント基板との接続部が複数ある場合、すなわち、個別電極とプリント基板との接続部が複数に分割された接続領域からなるときに、少なくとも2以上の接続領域を1つの共通の押さえ部材で押さえることによって、それぞれ別個の押さえ部材を設けて押さえ場合に比べて、部品点数が少なくてすみ、押さえるための工程も少なくてすむので、低コスト化を図れる。
【0064】なお、押さえ部材33の形状としては、図9(a)に示すように四角形状のもの、或いは同図(b)に示すように略コ字形状のものなどを用いることができる。
【0065】次に、本発明の第3実施形態について図10を参照して説明する。なお、同図は第3実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視図である。この実施形態においては、インクジェットヘッド31のノズルプレート13のノズル面13aの周縁部を覆うカバー部材であるノズルカバー44を設けている。
【0066】このノズルカバー44にはノズル面13aを覆わないように開口部44aを形成すると共に、インクジェットヘッド31の両側に個別電極21とプリント基板26との接続部があるので、これら両側の接続部をそれぞれ覆ってプリント基板26を個別電極21側に押さえる共通の押さえ部材28、28を一体に形成している。したがって、ノズルカバー44をインクジェットヘッド31のノズル面13aに装着することによって、インクジェットヘッドの31の両側2箇所の個別電極21とプリント基板26との接続部を押さえ部材28、28で覆って押えることができる。
【0067】このように、インクジェットヘッドに個別電極の電極取り出し部とプリント基板との接続部が複数ある場合、すなわち、個別電極とプリント基板との接続部が複数に分割された接続領域からなるときに、少なくとも2以上の接続領域を1つの共通の押さえ部材で押さえることによって、それぞれ別個の押さえ部材を設けて押さえ場合に比べて、部品点数が少なくてすみ、押さえるための工程も少なくてすむので、低コスト化を図れる上、ノズル面のノズルを除く少なくとも一部分を覆うカバー部材を設けて、このカバー部材に個別電極とプリント基板との接続部を押さえる押さえ部材を一体的に形成することで、ノズル面の保護と電極接続部の保護を1つの部材で兼ねることができ、更に低コスト化を図れる。
【0068】次に、本発明の第4実施形態について図11を参照して説明する。なお、同図は第4実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視図である。このインクジェット記録装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のインク滴を各々吐出する3個のインクジェットヘッド31(各色毎に符号を「31Y」、「31M」、「31C」で表記する。)を備えてカラー画像を記録できるようにしたものである。
【0069】そして、これらの3個のインクジェットヘッド31Y、31M、31Cのそれぞれの個別電極21とプリント基板26とのすべての接続部を押さえる共通の押さえ部材51を備えている。この押さえ部材51は、各インクジェットヘッド31Y、31M、31Cに対応する窓部51y、51m、51cを穿設している。したがって、1つの押さえ部材51を装着することでインクジェットヘッド31Y、31M、31Cのそれぞれの個別電極21とプリント基板26とのすべての接続部を押さえることができる。
【0070】このように複数のインクジェットヘッドを備えて、複数のインクジェットヘッドの各個別電極とプリント基板との接続部を押さえる共通の押さえ部材を設けることによって、個々のインクジェットヘッド毎に押さえ部材を設ける場合に比べて、部品点数が少なくて済み、低コスト化を図ることができる。
【0071】なお、カラーインクジェット記録装置としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色にブラック(Bk)を加えた4色のヘッド、更には、高画質化を目的として、これらに薄いY、薄いM、薄いC色を加えた7色のヘッドを用いるものなどがあるが、いずれの場合にも同様に適用することができる。
【0072】また、共通の押さえ部材で接続部を押さえる2以上のインクジェットヘッドとしては、搭載している複数のすべてのインクジェットヘッドの接続部であってもよく、或いは、その一部の2以上のインクジェットヘッド、例えばY、M、C、Bkの4個のインクジェットヘッドを搭載する場合、Y、M、Cの3個のヘッドのみ共通の押さえ部材を設け、Bkヘッドについては個別の押さえ部材を設けるようにすることもできる。
【0073】次に、本発明の第5実施形態について図12を参照して説明する。なお、同図は第5実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視図である。このインクジェット記録装置においても、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のインク滴を各々吐出する3個のインクジェットヘッド31Y、31M、31Cを備えている。
【0074】そして、この実施形態では、これらの各インクジェットヘッド31Y、31M、31Cの各ノズル面13aの周縁部を覆う1つのカバー部材52を設け、このカバー部材52にこれらの3個のインクジェットヘッド31Y、31M、31Cのそれぞれの個別電極21とプリント基板26との接続部を押さえる押さえ部材53を複数設けている。
【0075】したがって、1つのカバー部材52を装着することでインクジェットヘッド31Y、31M、31Cのそれぞれのノズル面13aを保護することができるとともに、各インクジェットヘッド31Y、31M、31Cの個別電極21とプリント基板26とのすべての接続部を押さえることができる。
【0076】このように複数のインクジェットヘッドを備えて、複数のインクジェットヘッドの各ノズル面の一部を覆う共通のカバー部材を設けて、このカバー部材に各個別電極とプリント基板との接続部を押さえる押さえ部材を一体的に設けることによって、個々のインクジェットヘッド毎にカバー部材を設け、押さえ部材を設ける場合に比べて、部品点数が極めて少なくて済み、低コスト化を図ることができる。
【0077】次に、本発明の第6実施形態について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13は第6実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視図、図14はその要部断面図である。このインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッド31をプリント基板であるPCB基板61上に固定し、インクジェットヘッド31の電極基板12の個別電極21の電極パッドとPCB基板61の電極パターン62の電極パッドとを、超音波ボンダーやボールボンダーによって、細い金属線(AlやAu)のワイヤ63によってワイヤボンディングで接続している。
【0078】なお、プリント基板としては、PCB基板のように硬い基板でもよいし、FPCのようにフレキシブルな基板でもよい。また、ワイヤボンディングをした後に、ワイヤ63部は樹脂により封止している。これは、ワイヤ63が接触により断線すること、あるいは変形して、他のワイヤ63と接触してしまうのを防止するためである。
【0079】そして、ここでは、ワイヤボンディングのワイヤ63の最も高い部分の高さを、ノズル面13aより低くしている。これにより、印字時に、用紙とワイヤ63又はその封止剤とが接触することがなく、ワイヤの断線、隣接ワイヤ同士の接触による隣接電極の短絡などが発生することを防止できる。
【0080】なお、上記各実施形態においては本発明を静電型インクジェットヘッドを搭載するインクジェット記録装置に適用した例で説明したが、アクチュエータ部(例えば、積層型圧電素子などの電気機械変換素子、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いるもの)よりもこのアクチュエータ部に駆動波形を与えるための電極の取り出し部を形成した基板が大きく、電極を外部に露出させてプリント基板と接続するインクジェットヘッドを搭載するいかなるインクジェット記録装置にも適用することができ、この場合、ノズル面のノズルを除く少なくとも一部分を覆うカバー部材を設け、このカバー部材と一体的にアクチュエータ手段の電極取り出し部とプリント基板との接続部を押さえる押さえ手段を設けた構成を採用する。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインクジェット記録装置によれば、静電型インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドの電極取り出し部とプリント基板との接続部を押さえる押さえ部材を設けたので、低コストで信頼性を向上することができる。
【0082】請求項2のインクジェット記録装置によれば、上記請求項1のインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドには電極取り出し部とプリント基板との複数の接続部があり、押さえ部材は複数の接続部の2以上の接続部を共通して押える部材である構成としたので、部品点数が少なく、組み付け作業が容易で、更に低コストで信頼性を向上することができる。
【0083】請求項3のインクジェット記録装置によれば、上記請求項1又は2のインクジェット記録装置において、複数のインクジェットへッドを備え、押さえ部材はこれら複数のインクジェットヘッドの電極取り出し部とプリント基板との2以上の接続部を共通して押える部材である構成としたので、低コストで、特にカラーインクジェット記録装置の信頼性を向上することができる。
【0084】請求項4のインクジェット記録装置によれば、静電型インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドのノズル面の少なくとも一部を覆うカバー部材に、インクジェットヘッドの電極取り出し部とプリント基板との接続部を押える押さえ部材を一体的に設けた構成としたので、簡単な構成でノズル面保護と電極の接続部の保護を行うことができ、低コストで信頼性を向上することができる。
【0085】請求項5のインクジェット記録装置によれば、上記請求項4のインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドには電極取り出し部とプリント基板との複数の接続部があり、カバー部材には複数の接続部の2以上の接続部を共通して押える押さえ部材を一体的に設けた構成としたので、部品点数が少なく、組み付け作業が容易で、更に低コストで信頼性を向上することができる。
【0086】請求項6のインクジェット記録装置によれば、上記請求項4又は5のインクジェット記録装置において、複数のインクジェットヘッドを備え、この複数のインクジェットヘッドの内の2以上のインクジェットヘッドのノズル面の少なくとも一部を覆う1つのカバー部材を設け、このカバー部材に2以上のインクジェットヘッドの電極とプリント基板との接続部を共通して押える押さえ部材を一体的に設けた構成としたので、低コストで、特にカラーインクジェット記録装置の信頼性を向上することができる。
【0087】請求項7のインクジェット記録装置によれば、静電型インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置において、個別電極とプリント基板とをワイヤボンディング法で接続し、このワイヤボンディングのワイヤの高さをインクジェットヘッドのノズル面より低くした構成としたので、低コストで信頼性を向上することができる。
【0088】請求項8のインクジェット記録装置によれば、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室内容積を変化させてノズルからインク滴と吐出させるアクチュエータ手段とを備えたインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドのアクチュエータ手段の電極取り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドのノズル面の一部を覆うカバー部材にインクジェットヘッドの電極取り出し部とプリント基板との接続部を覆って押える押さえ部材を一体的に設けた構成としたので、低コストで信頼性を向上することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013