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車両用ブレーキ制御装置 - 日産自動車株式会社
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発明の名称 車両用ブレーキ制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−71959(P2000−71959A)
公開日 平成12年3月7日(2000.3.7)
出願番号 特願平10−239638
出願日 平成10年8月26日(1998.8.26)
代理人
発明者 中村 英夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ドライバによるブレーキ操作部材の操作量等に基づいて、車輪の回転を抑制するブレーキに作用する油圧の指令値を算出するブレーキ油圧指令値演算手段と、前記車輪の回転を抑制するブレーキに作用する油圧の実際値を計測するブレーキ油圧計測手段と、前記ブレーキ油圧指令値にブレーキ油圧計測値を一致させるために、双方の値を入力して、油圧制御電磁弁への電流指令値を算出する油圧フィードバック制御演算手段と、算出された電流指令値に基づいて電流制御を行う油圧制御電磁弁用電流制御手段と、を有した車両用ブレーキ制御装置において、前記油圧制御電磁弁用電流指令値と、ブレーキ油圧計測値とに基づいて、油圧制御電磁弁の不感帯幅を学習記憶する油圧制御電磁弁不感帯幅学習手段と、不感帯幅学習値を用いて、油圧制御電磁弁用電流指令値をオフセット補正する電流指令値オフセット補正手段と、を有することを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
【請求項2】 前記油圧制御電磁弁の不感帯幅を学習記憶する処理が完了するまでの間は、前記油圧フィードバック制御演算手段のフィードバックゲインを通常よりも小さい値に設定する不感帯幅学習時フィードバックゲイン変更手段を有することを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項3】 前記油圧制御電磁弁の不感帯幅学習値と、学習時の電磁弁差圧とに基づいて、この差圧に応じた電磁弁不感帯幅を推定する電磁弁不感帯幅推定手段を有し、前記電流指令値オフセット補正手段が、差圧に応じた不感帯幅推定値を用いて、前記油圧制御電磁弁用電流指令値をオフセット補正することを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項4】 前記油圧制御電磁弁不感帯幅学習手段が、前記ブレーキ油圧計測値の変化率が所定幅を越えた時に、その時点の油圧制御電磁弁用電流指令値を油圧制御電磁弁の不感帯幅として学習記憶することを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項5】 前記ブレーキ油圧指令値演算手段が、車両の駆動輪につながる電動機の回生ブレーキ可能量と、ドライバによるブレーキ操作部材の操作量との双方に基づいて、車輪の回転を抑制するブレーキに作用する油圧の指令値を算出し、車両の駆動輪につながる電動機の回生ブレーキ可能量と、ドライバによるブレーキ操作部材の操作量との双方に基づいて、電動機への回生ブレーキトルク指令値を算出する回生ブレーキトルク指令値演算手段を有することを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項6】 前記油圧制御電磁弁不感帯幅学習手段が、車両停止中のブレーキ操作時に限定して油圧制御電磁弁の不感帯幅を学習記憶することを特徴とする請求項2記載の車両用ブレーキ制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用ブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用ブレーキ制御装置としては、特開平9−254752号公報に記載のものが挙げられる。これは、ブレーキ操作部材の操作量からドライバの減速要求量を算出し、実際の車両減速度がこれに一致するようにブレーキ油圧指令値を決定し、さらに、実際に計測されたブレーキ油圧が指令値に一致するように、油圧制御電磁弁の電流がフィードバック制御されるものである。この油圧制御電磁弁は、アキュムレータ(ポンプにより高圧を確保)とリザーバタンク(低圧)とに接続され、油圧を車輪の回転を抑制するために必要なレベルに調整してホイルシリンダに供給する。なお、油圧制御電磁弁は、増圧用電磁弁と減圧用電磁弁との2つで構成される場合と、それらの機能を1つに集約した増減圧用電磁弁を用いた場合とがある。(図2は、本発明実施の形態の構成を示す図であるが、油圧制御電磁弁の構成は上記従来例の場合と同一である。)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の車両用ブレーキ制御装置にあっては、油圧制御電磁弁が有する、電流値に対する流量特性の不感帯が、油圧制御の過渡特性に大きく影響を及ぼしてしまう。油圧制御電磁弁は、通常、スプリング力、電磁力、および流体力の関係上、ある程度の電流を流さないと、弁が開かず油が実際に流れないという不感帯特性を有する。特に廉価で小型な設計をした電磁弁ほどこの不感帯が大きくなる傾向にある(図8参照)。圧力センサで実際のホイルシリンダ圧を計測して、油圧指令値と仕較し、電磁弁の電流値を制御するような油圧フィードバック制御システムを構成したとしても、前述の不感帯があるので、増圧から減圧、減圧から増圧に制御が反転した際に、フィードバック制御器が有する積分特性により、電磁弁の電流指令値が、不感帯を越える値に積算されるまで、実際に油が流れず油圧が指令値に全く追従しない。つまり、油圧フィードバック制御系において、油圧指令値反転時に、不必要なむだ時間が生じることになる。これは、油圧制御電磁弁として、ON/OFF的な電磁弁(電流/流量特性が急峻)を用いた場合、あるいは比例的な電磁弁(電流/流量特性が比較的に緩やか)を用いた場合にも共通して発生する問題点である。本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、油圧指令値反転時のむだ時間を短縮して油圧制御電磁弁の制御応答性を高めることにより、ドライバの意志に沿った制動を行うことができる車両用ブレーキ制御装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明請求項1記載の車両用ブレーキ制御装置は、図1のクレーム対応図に示すように、ドライバによるブレーキ操作部材の操作量等に基づいて、車輪の回転を抑制するブレーキに作用する油圧の指令値を算出するブレーキ油圧指令値演算手段aと、前記車輪の回転を抑制するブレーキに作用する油圧の実際値を計測するブレーキ油圧計測手段bと、前記ブレーキ油圧指令値にブレーキ油圧計測値を一致させるために、双方の値を入力して、油圧制御電磁弁への電流指令値を算出する油圧フィードバック制御演算手段cと、算出された電流指令値に基づいて電流制御を行う油圧制御電磁弁用電流制御手段dと、を有した車両用ブレーキ制御装置において、前記油圧制御電磁弁用電流指令値と、ブレーキ油圧計測値とに基づいて、油圧制御電磁弁の不感帯幅を学習記憶する油圧制御電磁弁不感帯幅学習手段eと、不感帯幅学習値を用いて、油圧制御電磁弁用電流指令値をオフセット補正する電流指令値オフセット補正手段fと、を有することを特徴とする。請求項2記載の車両用ブレーキ制御装置では、請求項1記載の発明において、前記油圧制御電磁弁の不感帯幅を学習記憶する処理が完了するまでの間は、前記油圧フィードバック制御演算手段のフィードバックゲインを通常よりも小さい値に設定する不感帯幅学習時フィードバックゲイン変更手段を有することを特徴とする。請求項3記載の車両用ブレーキ制御装置では、請求項1記載の発明において、前記油圧制御電磁弁の不感帯幅学習値と、学習時の電磁弁差圧とに基づいて、この差圧に応じた電磁弁不感帯幅を推定する電磁弁不感帯幅推定手段を有し、前記電流指令値オフセット補正手段が、差圧に応じた不感帯幅推定値を用いて、前記油圧制御電磁弁用電流指令値をオフセット補正することを特徴とする。請求項4記載の車両用ブレーキ制御装置では、請求項1記載の発明において、前記油圧制御電磁弁不感帯幅学習手段が、前記ブレーキ油圧計測値の変化率が所定幅を越えた時に、その時点の油圧制御電磁弁用電流指令値を油圧制御電磁弁の不感帯幅として学習記憶することを特徴とする。請求項5記載の車両用ブレーキ制御装置では、請求項1記載の発明において、前記ブレーキ油圧指令値演算手段が、車両の駆動輪につながる電動機の回生ブレーキ可能量と、ドライバによるブレーキ操作部材の操作量との双方に基づいて、車輪の回転を抑制するブレーキに作用する油圧の指令値を算出し、車両の駆動輪につながる電動機の回生ブレーキ可能量と、ドライバによるブレーキ操作部材の操作量との双方に基づいて、電動機への回生ブレーキトルク指令値を算出する回生ブレーキトルク指令値演算手段を有することを特徴とする。請求項6記載の車両用ブレーキ制御装置では、請求項2記載の発明において、前記油圧制御電磁弁不感帯幅学習手段が、車両停止中のブレーキ操作時に限定して油圧制御電磁弁の不感帯幅を学習記憶することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は、本発明実施の形態の構成図である。これは、交流同期モータにより回生ブレーキトルク制御する間、ブレーキ油圧を減圧制御することで、回生エネルギを効率的に回収する「回生協調ブレーキ制御システム」に本発明の車両用ブレーキ制御装置を応用したものである。
【0006】構成を説明すると、1はドライバが操作するブレーキペダルであり、2の油圧ブースタ、3のマスタシリンダ(以下、マスタシリンダをM/CYLと称す)に連結している。油圧ブースタ2は、ポンプによってアキュムレータに蓄積された高圧(圧力スイッチによりシーケンス制御されている)を用いて、ブレーキ圧を倍力してM/CYL3に供給する。また、この高圧は、油圧フィードバック制御の元圧としても利用される。4,6は、油経路切替え用電磁弁であり、両弁は同期して制御される。図は非通電時の状態であり、M/CYL3の油がそのままホイリシリンダ7に供給される(通常モード)。
【0007】通電時には、M/CYL3は、5のストロークシミュレータ(ホイルシリンダ7と同等の油負荷)に連結され、通常モードと同じブレーキペダルフィーリングを確保する。同時に、10,11の油圧制御電磁弁にホイルシリンダ7(以下、ホイルシリンダをW/CYLと称す)が連結され、M/CYL3とは遮断される。10は増圧用電磁弁であり、上記高圧ラインとW/CYL7との間に位置して、W/CYL7に流入する油量を調節する。11は減圧用電磁弁であり、W/CYL7とリザーバ(低圧)との間に位置して、W/CYL7から流出する油量を調節する。10,11の1組の電磁弁を用いて、W/CYL7の油圧が制御される。8はM/CYL圧力(ドライバの制動要求量)を計測するM/CYL圧力センサである。9はW/CYL圧力(フィードバック制御用)を計測するW/CYL圧力センサである。12は、ブレーキコントローラであり、CPU、ROM、RAM、デジタルポート、A/Dポート、および各種タイマ機能を内蔵するワンチップマイコン(あるいは同機能を実現する複数チップ)と、高速通信用回路、各アクチュエータ駆動用回路によって構成されていて、本発明のクレーム対応図(図1)に示した各手段が有するそれぞれの機能は、このブレーキコントローラ12が果たす。なお、図2は、車輪1輪分のW/CYL7に関する構成を示しているが、他の3輪も同様の構成であるため図示を省略している。
【0008】15は、車両の駆動輪に減速機構を介して連結された交流同期モータであり、駆動トルク制御や、回生ブレーキ制御による車両運動エネルギのバッテリヘの回収を行うものである。14は、直流交流変換用電流制御回路であり、直流バッテリと交流同期モータ15との間に位置して、13のモータコントローラからの3相PWM信号に基づいて、交流電流と直流電流との変換を行う。モータコントローラ13は、12のブレーキコントローラから、通信によって受信した回生ブレーキトルク指令値に基づいて、回生ブレーキトルクを制御する。また、駆動時には交流同期モータ15による駆動トルク制御を行う。さらに、バッテリの充電状態、温度等できまる最大許容回生トルク値を算出して、通信を介して、ブレーキコントローラ12ヘ送信する。
【0009】図3は、ブレーキコントローラ12のマイコンが行う制御動作を示すフローチャートであり、同図のルーチンは一定周期(例えば5msec)ごとに実施される。S1では、マイコン内蔵のA/D変換器を用いて、M/CYL圧力センサ8の信号を計測し、所定の物理単位に変換してM/CYL圧Pmcを算出する。S2では、マイコン内蔵のA/D変換器を用いて、W/CYL圧力センサ9の信号を計測し、所定の物理単位に変換してW/CYL圧Pwcを算出する。
【0010】S3では、モータコントローラ13との間の高速通信受信バッファから、最大許容回生モータトルクTmmaxを読み込む。S4では、M/CYL圧Pmcと、予めROMに記憶した車両諸元定数K1とを用いて、ドライバ制動トルク要求値Tbdemを算出する。
Tbdem=Pmc×定数K1定数K1=W/CYL面積×ブレーキパッド面積×ブレーキロータ有効半径×ブレーキ摩擦係数【0011】S5では、回生協調制御を行うか否かを判定する。下記式が成立する場合は、S6へ進み、成立しない場合にはS13へ進む。
M/CYL圧Pmc≧定数K2 かつ、最大許容回生モータトルクTmmax≧定数K3【0012】S6では、ドライバ制動トルク要求値Tbdemを、油圧ブレーキトルク指令値Tbcomと回生ブレーキトルク指令値Tmcomとに配分演算する。
Tbdem≧Tmmaxの場合Tbcom=Tbdem−Tmmax,Tmcom=TmmaxTbdem<Tmmaxの場合Tbcom=0,Tmcom=Tbdem【0013】さらに、油圧ブレーキトルク指令値Tbcomと車両諸元定数K1とを用いて、ブレーキ油圧指令値Pcomを算出する。
Pcom=Tbcom÷定数K1定数K1=W/CYL面積×ブレーキパッド面積×ブレーキロータ有効半径×ブレーキ摩擦係数【0014】S7では、後述の不感帯幅学習が終了しているか否かを判断して、終了していれば、S8へ進み、通常の油圧フィードバック制御処理を行う。未終了であれば、S14へ進み、不感帯幅学習用の油圧フィードバック制御を行う。
【0015】S8では、ブレーキ油圧指令値Pcom、ブレーキ油圧計測値(W/CYL圧)Pwcの各々と後述の基準圧P0との偏差を、線形フィードバック補償器用入力変数として再定義する。PCOM=Pcom−P0,PWC=Pwc−P0S9では、ブレーキ油圧指令値PCOMにブレーキ油圧計測値PWCを一致させるために、公知の線形フィードバック制御手法を用いて、油圧制御電磁弁用電流指令値ICOMを算出する。
【0016】本実施の形態では、「ロバストモデルマッチング制御手法」を用いた場合のデジタルフィルタ演算の方法を示す。まず、概要をパルス伝達関数を用いて説明する。制御対象の伝達特性をパルス伝達関数P(z-1)でおくと、制御器は図5のようになる。
【0017】z-1は遅延演算子であり、z-1を乗ずると1サンプル周期前の値となる。C1(z-1),C2(z-1)は外乱補償器を構成しており、外乱やモデル化誤差による影響を抑え、制御対象の応答特性を、ノミナルモデルP(z-1)に一致させる。また、C3(z-1)はモデルマッチング補償器であり、制御対象の応答特性を規範モデルH(z-1)の特性に一致させる。規範モデルH(z-1)は、設計者の所望の過渡特性である。
【0018】油圧制御電磁弁用電流指令値ICOMを入力、ブレーキ油圧計測値PWCを出力とする部分を制御対象とおくと、P(z-1)は下に示す積分要素P1(z-1)とむだ時間要素P2(z-1)=z-nとの積で近似する。
P1(z-1)=(Ka・Ts・z-1)/(1−z-1
但し、Ts:サンプル周期(5msec)
Ka:電磁弁の定常特性ゲイン【0019】この時、C1(z-1)、C2(z-1)は下式になる。
C1(z-1)={(1−γ)・z-1}/(1−γ・z-1
(時定数Tbのローパスフィルタ)
C2(z-1)={(1−γ)・(1−z-1)}/{Ka・T・(1−γ・z-1)}
(C2=C1/P1)
但し、γ=exp(−Ts/Tb)である。
【0020】制御対象のむだ時間を無視して、規範モデルを時定数Taの1次のローパスフィルタとするとC3(z-1)は下記の定数となる。
C3(z-1)=K=(1−α)/Ka/Ts、但し、γ=exp(−Ts/Ta)である。
【0021】次に、漸化式を用いて実際にマイコンで行う演算を示す。モデルマッチング補償器に相当する下記演算を行う。y(k−1)は1サンプル周期前のy(k)を示す。
y4(k)=K・{PCOM(k)−PMC(k)}
外乱推定器の一部である補償器C1(z-1)に相当する下記演算を行う。
y2(k)=(1−γ)・y5(k−1)+γ・y2(k−1)
外乱推定器の一部である補償器C2(z-1)に相当する下記演算を行う。
y3(k)=γ・y3(k−1)+(1−γ)/Ka/Ts・PWC(k)−(1−γ)/Ka/Ts・PWC(k−1)
【0022】上記のy2、y3、y4からy1を求める。y2(k−2)はy2(k)の2サンプル周期前のデータである。
y1(k)=y4(k)−y3(k)+y2(k−2)
y1(k)を上下限値(±Imax)で制限してy5(k)を求め、油圧制御電磁弁用電流指令値ICOM(k)とする。
【0023】この値を、増圧用電磁弁用電流指令値Icom1と減圧用電磁弁用電流指令値Icom2とに配分する。
ICOM(k)≧0の場合Icsb1=ICOM(k),Icsd1=0ICOM(k)<0の場合Icsb1=0,Icsd1=−ICOM(k)
【0024】S10では、差圧による電磁弁流量特性の差異(モデルP(z-1)における定常ゲインKaの差異)による影響を排除するために、差圧に応じた補正係数を各電流指令値(Icsb1,Icsd1)に乗算する。
Icsb2=Kcsb×Icsb1Kcsbは差圧(Pmc−Pwc)でテーブルデータを表引きして算出。
Icsd2=Kcsd×Icsd1Kcsdは差圧(Pwc−P大気)でテーブルデータを表引きして算出。S11では、後述の電流指令値オフセット値(不感帯幅学習値)を用いて、増圧および減圧用電磁弁用電流指令値をオフセット補正する。
Icsb2=Kcsb×Icsb1+IcsbofsIcsd2=Kcsd×Icsd1+Icsdofs【0025】S12では、回生協調通常制御時(つまり不感帯幅学習制御終了後)に行う出力処理である。油路切替え用電磁弁4,6をONするようにポート出力を行い、増圧用電磁弁(CSB)10と減圧用電磁弁(CSD)11の各電流指令値を各電流制御回路へ出力するためにD/A出力を行い、回生モータトルク指令値を高速通信を用いて、モータコントローラ13ヘ送信するための送信処理を行う。
【0026】S13では、回生協調停止時(つまり油圧フィードバック制御停止時)に行う出力処理を行う。油路切替え用電磁弁4,6をOFFするようにポート出力を行い、増圧用電磁弁(CSB)10と減圧用電磁弁(CSD)11の各電流指令値(=0)を各電流制御回路へ出力するためにD/A出力を行い、回生モータトルク指令値(=0)を高速通信を用いて、モータコントローラ13ヘ送信するための送信処理を行う。
【0027】S14では、油圧制御電磁弁(増圧用電磁弁10,減圧用電磁弁11)の不感帯幅学習を目的として、通常制御時(S9)よりも低いフィードバックゲインを設定とした油圧フィードバック制御演算を行う。S9で説明した適合定数(規範モデル用時定数:Ta、外乱補償器用時定数:Tb)を、通常制御時に使う値に対して大きい値に設定する以外はS9の処理と同じである。
【0028】S15では、S10で行う差圧補正と同じ処理を行う。S16では、S12と同じ出力処理を行ってS17の不感帯幅学習ルーチンに進む。
【0029】図4は、S17の不感帯幅学習ルーチンを示すフローチャートである。S18では、ブレーキ油圧指令値Pcomと、ブレーキ油圧計測値(W/CYL圧力)Pwcとを比較して、増圧制御が必要な場合にはS19へ進み、減圧制御が必要な場合はS22へ進む。
【0030】S19では、増圧用電磁弁10の不感帯幅学習が可能なタイミングか否かを下式で判定する。成立時にはS20へ進み、そうでなければS25へ進む。
|ΔPwc|(ブレーキ油圧計測値Pwcの変化率、つまり1サンプル周期前値との差)≧所定値 かつ、 増圧用電磁弁学習フラグ=0S20では、その時点での増圧用電磁弁用電流指令値Icsb2を、増圧用電磁弁用不感帯幅学習値Icsbofsとして記憶する。また、その時点での差圧も記憶しておく。
Icsbofs=Icsb2,Pcsb=Pmc−Pwc【0031】S21では、増圧用電磁弁不感帯幅学習終了フラグをセットする。S22〜S24では、減圧用電磁弁11に対して、S19〜S21と同様の処理を行う。
Icsdofs=Icsd2,Pcsd=Pwc−P大気【0032】S25では、油圧フィードバック補償器用内部変数の初期化可否判断を行う。
増圧用電磁弁学習フラグ=1 かつ、 減圧用電磁弁学習フラグ=1かつ、 ブレーキ油圧指令値Pcomとブレーキ油圧計測値Pwcの大小関係が、1サンプル周期前と反転成立時にはS26へ進み、非成立時はRTSとする。
【0033】S26では、油圧制御用の線形フィードバック補償器の内部状態変数(状態内部変数y1,y2,y3,y4,y5およびその過去値)をゼロクリアして初期化する。また、同フィードバック補償器用入力値の基準値P0を学習記憶する。
P0=PwcS27では、不感帯幅学習終了フラグをセットする。
【0034】次に、本実施の形態の作用および効果を説明する。定常偏差を残さないために内部に積分要素を1つ有する1型のサーボコントローラを用いて油圧フィードバック制御を構成している。したがって、増減圧用電磁弁10,11の電流/流量特性に不感帯特性があったとしても、定常的には積分器が作用してブレーキ油圧指令値PCOMに、ブレーキ油圧計測値PWCが一致する。さらに、本実施の形態によれば、増圧用電磁弁10と減圧用電磁弁11の各不感帯幅が学習され、学習後は常に、増圧用電磁弁用電流指令値Icom1,減圧用電磁弁用電流指令値Icom2に増圧用電磁弁用不感帯幅学習値Icsbofs,減圧用電磁弁用不感帯幅学習値Icsdofsが加算されオフセットされるので、増減圧方向切替え時のような過渡時においても、応答遅れ(むだ時間)を最小限に抑えることが可能である。
【0035】図6を用いて、学習シーケンスを説明する。ブレーキ油圧指令値PCOMが一定値から減少に推移すると、油圧フィードバック補償器が機能して減圧用電磁弁用電流指令値Icsdofsが増加する。減圧用電磁弁11が有する不感帯幅を越えると、ブレーキ油圧計測値|ΔPwc|が所定値を越えるので、減圧用電磁弁不感帯学習条件が成立し(☆1)、減圧用電磁弁用電流指令値Icsdofsが記憶される。ブレーキ油圧指令値PCOMが一定値から増加に推移すると、油圧フィードバック補償器が機能して増圧用電磁弁用電流指令値Icsbofsが増加する。増圧用電磁弁10が有する不感帯幅を越えると、ブレーキ油圧計測値|ΔPwc|が所定値を越えるので、増圧用電磁弁不感帯学習条件が成立し(☆2)、増圧用電磁弁用電流指令値Icsbofsが記憶される。図7は、学習後の油圧フィードバック制御系の挙動を示すものである。増減圧切替え時には、各電磁弁用の電流指令値が有効範囲に早く入るので、応答遅れ(むだ時間)が最大限に短縮される。
【0036】また、本実施の形態のように交流同期モータ15を用いた回生協調ブレーキシステムにおいては、従来の油圧制御系と本実施の形態との性能差をより明確に比較できる。ブレーキ油圧指令値PWCに対する応答遅れ(むだ時間)が短縮されることで、回生モータトルクと油圧ブレーキの切替え時のような過渡時においても、常に、ドライバの意志に沿った総制動力を確保することができる。つまり、従来例のようにむだ時間が大きいと、総制動力として、ドライバの意志に沿わないようなスパイク状の制動力変化が生じる可能性があるが本実施の形態においてはその制動力変化を最小限に抑えることが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の車両用ブレーキ制御装置においては、油圧指令値反転時の応答遅れ(むだ時間)を最小限に抑えて油圧制御電磁弁の制御応答性を高めることにより、回生モータトルクと油圧ブレーキとの切替え時のような過渡時においても、常にドライバの意志に沿った総制動力を確保することができるという効果が得られる。




 

 


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