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発明の名称 車両の前部車体構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−62641(P2000−62641A)
公開日 平成12年2月29日(2000.2.29)
出願番号 特願平10−239344
出願日 平成10年8月26日(1998.8.26)
代理人
発明者 佐藤 学
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 車両のフロントサイドメンバと、該フロントサイドメンバの先端部近傍で、左右の前記フロントサイドメンバを結合するクロスメンバを有し、前記フロントサイドメンバにおけるエンジンマウントの取り付け位置が、前記フロントサイドメンバ先端からの距離に関して前記左右フロントサイドメンバで異なるレイアウトを有する車両において、前記クロスメンバには、前記フロントサイドメンバ間の長さを伸縮自在とする伸縮機構を有することを特徴とする車両の前部車体構造。
【請求項2】 請求項1に記載の前部車体構造において、前記伸縮機構を構成するにあたり、前記クロスメンバは少なくとも2分割され、分割部材は互いに嵌合し、その嵌合寸法によって伸縮量をコンロトールすることを特徴とする車両の前部車体構造。
【請求項3】 請求項2に記載の前部車体構造において、前記嵌合部には、前記伸縮量をコンロトールするガイド穴が設置され、該ガイド穴に沿って、前記クロスメンバを結合するボルトがスライドすることによって前記伸縮量を規定することを特徴とする車両の前部車体構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の前部車体構造に関し、特に、フロントサイドメンバとサイドメンバを結合するクロスメンバの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、エンジン本体、トランスミッションなどからなるパワーユニット12は、車両前部(ダッシュパネル)11に設置されている。パワーユニット12は、通常、エンジンマウント14を介して、フロントサイドメンバ10に取り付けられている。エンジンマウント14は、エンジンが発生する振動をボディーに伝えないようにパワーユニット12を弾性支持するものであり、フロントサイドメンバ10に、通常、左右非対称な位置に設置されている。
【0003】フロントサイドメンバ10は、閉断面を形成しているので、車両走行中に加わる荷重やパワーユニット12を支持するのに十分な剛性が得られる。また、フロントサイドメンバ10は、車両衝突時、衝突荷重を受けて軸方向に圧縮変形することで、衝突エネルギを吸収する機能を有している。
【0004】しかしながら、図6に示すように、車両が非衝突物36に衝突する際、フロントサイドメンバ10は、衝突荷重を受けて、その前端部より軸圧縮するとともに、エンジンマウント14の設置部の前方部10dで曲折される傾向がある。フロントサイドメンバ10が曲折されると、軸圧縮する部位が減少し、衝突エネルギ吸収量が低下するおそれがある。
【0005】この問題を解決するために、従来、フロントサイドメンバを補強する技術が、種々提案されている。一例として、特開平7−25353号公報が開示されている。この従来技術は、サイドビューにおけるサイドメンバの曲折(上下)の防止に着目し、サイドメンバを補強するリブを追加することで、エンジンマウント設置面の抗力を上げる構成としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のフロントサイドメンバ補強構造は、サイドビューにおけるサイドメンバの曲折(上下)の防止に対して、主として効果を狙った構成となっている。したがって、エンジンマウント設置位置が左右サイドメンバで異なることに起因するプランビューにおけるサイドメンバの曲折(左右)の防止には十分な効果を期待することができない。
【0007】ここで、プランビューにおけるサイドメンバの曲折が発生するメカニズムを、以下に延べる。
【0008】図1において、車両が衝突荷重を受けると、フロントサイドメンバ10には軸方向の圧縮荷重F1 が作用する。これと同時に、フロントサイドメンバ10と被衝突物36との衝突角度が直角以外であったり、もともとサイドメンバ10がプランビューにおいてカーラインに対して角度ηをもってレイアウトされている場合、フロントサイドメンバ10とダッシュパネル11との結合部10bには、曲げモーメントM1 が作用する。(M1 =F1 sinη・L1
【0009】一方、パワーユニット12はエンジンマウント14を介してフロントサイドメンバ10と結合されているため、フロントサイドメンバ10のエンジンマウント設置点14a,14bには、前記モーメントとは逆方向のモーメントM2 が作用する。
【0010】ところが、FF車に多く見られる横置きのパワーユニットのエンジンマウントのサイドメンバに対する設置位置は、サイドメンバ先端からの距離が左右で異なっていることが多く、一般にこの距離が短いエンジン側のエンジンマウント14aを設置するサイドメンバに対する前記逆方向モーメント(M2e=F2 ・L2l)は、他方、トランスミッション側のエンジンマウント14bを設置するサイドメンバに作用する逆方向モーメント(M2t=F2 ・L2t)に対して大きい。
【0011】したがって、モーメントは、 エンジン側 : Me =F1 sinη・L1 −F2 ・L2e トランスミッション側 : Mt =F1 sinη・L1 −F2 ・L2tとなり、トランスミッション側のモーメントの方がF2 (L2e−L2t)分だけエンジン側より大きい。このため、サイドメンバの左右方向のたわみ角δも、トランスミッション側のサイドメンバに対してエンジン側のサイドメンバの方が大きくなる。
【0012】ここで、フロントサイドメンバ10の先端部10aには、サイドメンバの左右方向の剛性を確保するために、クロスメンバ18が両サイドメンバを結合しているが、前出のサイドメンバに発生するたわみに対してクロスメンバ18には引張り入力が作用し、一方でサイドメンバ側にはその反力が作用する。この反力の大きさはたわみ角δの大きさに比例すると考えられるため、当然、サイドメンバ先端10aからエンジンマウント14までの距離(L1 −L2 )が長いトランスミッション側のエンジンマウント14近傍のサイドメンバ10には、サイドメンバ先端を車両中心方向へ曲折しようとするモーメントmがエンジン側よりも大きく作用する。
【0013】したがって、トランスミッション側のサイドメンバ10は、エンジン側に比べて、エンジンマウント14の前方部10dにおいてはるかに曲折しやすく、左右のサイドメンバを均等に軸方向に圧潰することは困難なのである。
【0014】また、仮に、前述の従来技術(特開平7−025353号)におけるリブをプランビューにおけるサイドメンバの曲折(左右)の防止に効果を有するサイドメンバ側面に設けたとしても、サイドメンバ周長増加にともなう重量増加は避けられない。
【0015】本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、レインフォースやリブなどのサイドメンバの補強をおこなわずに、エンジンマウント付近に発生するモーメントを低減することにより、衝突時、フロントサイドメンバの曲折を防止することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解決するために、車両のフロントサイドメンバと、フロントサイドメンバの先端部近傍で、左右のフロントサイドメンバを結合するクロスメンバを有し、フロントサイドメンバにおけるエンジンマウントの取り付け位置が、フロントサイドメンバ先端からの距離に関して左右フロントサイドメンバで異なるレイアウトを有する車両において、前記クロスメンバには、フロントサイドメンバ間の長さを伸縮自在とする伸縮機構を有することを特徴とする。
【0017】以下、本発明の作用を説明する。本発明における車両の前部車体構造は、車両が衝突荷重を受けると、フロントサイドメンバには軸方向の圧縮荷重が作用する。これと同時に、フロントサイドメンバと被衝突物との衝突角度が直角以外であったり、もともとサイドメンバ10がプランビューにおいてカーラインに対して角度ηをもってレイアウトされている場合、フロントサイドメンバ10とダッシュパネル11との結合部10bには、曲げモーメントM1 が作用する。
【0018】一方、パワーユニット12はエンジンマウント14を介してフロントサイドメンバ10と結合されているため、フロントサイドメンバ10のエンジンマウント設置点14a,14bには、前記モーメントとは逆方向のモーメントM2 が作用する。
【0019】ところが、FF車に多く見られる横置きのパワーユニットのエンジンマウントのサイドメンバに対する設置位置は、サイドメンバ先端からの距離が左右で異なっていることが多く、一般にこの距離が短いエンジン側のエンジンマウント14aを設置するサイドメンバに対する前記逆方向モーメントM2eは、他方、トランスミッション側のエンジンマウント14bを設置するサイドメンバに作用する逆方向モーメントM2tに対して大きい。したがって、サイドメンバ先端での左右方向のたわみ角δも、トランスミッション側のサイドメンバに対してエンジン側のサイドメンバの方が大きくなる。
【0020】ここで、フロントサイドメンバ10の先端部10aには、サイドメンバの左右方向の剛性を確保するために、クロスメンバ18が両サイドメンバを結合しているが、前出のサイドメンバに発生するたわみに対してクロスメンバ18には引張り入力が作用し、一方でサイドメンバ側にはその反力が作用する。この反力の大きさはたわみ角δの大きさに比例すると考えられるため、当然、サイドメンバ先端10aからエンジンマウント14までの距離が長いトランスミッション側のエンジンマウント14近傍のサイドメンバ10には、サイドメンバ先端を車両中心方向へ曲折しようとするモーメントがエンジン側よりも大きく作用するため、トランスミッション側のサイドメンバ10は、エンジン側に比べて、エンジンマウント14の前方部10dにおいてはるかに曲折しやすく、左右のサイドメンバを均等に軸方向に圧潰することは困難である。
【0021】そこで、車両のフロントサイドメンバと、フロントサイドメンバの先端部近傍で、左右のフロントサイドメンバを結合するクロスメンバ18において、フロントサイドメンバ間の長さを伸縮自在とする伸縮機構を設置したことにより、サイドメンバのたわみ角に応じてフロントサイドメンバ間の長さが伸縮するため、エンジンマウント近傍を起点として発生するサイドメンバを曲折しようとするモーメントが低減されるため、プランビューにおけるサイドメンバの曲折を防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車両の前部車体構造の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜4は、本発明による車両の前部車体構造の一実施の形態を示す図であり、図1は通常時の上面図、図2は衝突時の上面図、図3は伸縮機構の分解構成図、図4はクロスメンバにおける伸縮機構の作用図である。
【0023】まず、図1を用いて構成を説明する。本実施の形態の前部車体構造は、フロントサイドメンバ(以下、サイドメンバ)10と、パワーユニット12およびパワーユニット12を支持するエンジンマウント(以下、マウント)14とから構成されている。
【0024】サイドメンバ10は、車体構造の剛性を高めるための基本的な骨格であり、車体側部左右に配置され車両前後方向に延びている。サイドメンバ10の前端部10aには、車両幅方向に延びるクロスメンバ18が設置されている。また、サイドメンバ10の後端部10bは、ダッシュパネル11と結合されている。クロスメンバ18は、左右サイドメンバ10と結合している部分18a,18c、および、センタメンバ13を設置するマウント部を有するセンタ部18bによって3分割されて構成されており、これらは所定の嵌合寸法をもって嵌合されている。
【0025】図3及び図4に示すように、嵌合部分は、ナットプレート18eおよびボルト18fによって締結されており、左右クロスメンバ18a,18cに設けたガイド穴18dに沿って、所定のせん断力すなわちクロスメンバの軸方向引張り圧縮力が作用すると、ガイド穴18d寸法の範囲でクロスメンバ左右部とセンタ部の嵌合寸法が図4のように変化するため、クロスメンバ18が伸縮可能な構成となっている。
【0026】図1に示すように、マウント14は、パワーユニット12をサイドメンバ10などの車体骨格に設置する際の中間部材として両者間に設置されている。マウントは弾性材などを備え、パワーユニットが発生する振動をボディーに伝えないように振動を減衰させるものである。マウント14のサイドメンバ10への設置位置については、一般にパワーユニットの慣性軸上に設置されることが多く、エンジン、トランスミッションは、一般に前後・左右対称形状ではないために、慣性軸はカーラインに対して傾きを持つ。
【0027】その結果、本実施の形態では、横置きエンジン車におけるマウント設置位置として一般的な、エンジン側のマウント14aがトランスミッション側のマウント14bに対して、車両前方となるように設置されている。
【0028】次に、本実施の形態の車両の前部車体構造が、車両衝突時に衝突エネルギを吸収する作用について説明する。
【0029】車両が衝突荷重を受けると、フロントサイドメンバ10には軸方向の圧縮荷重が作用する。これと同時に、フロントサイドメンバ10と被衝突物36との衝突角度θが直角以外であったり、もともとサイドメンバ10がプランビューにおいてカーラインに対して角度ηをもってレイアウトされている場合、フロントサイドメンバ10とダッシュパネル11との結合部には、曲げモーメントM1 が作用する。
【0030】
【数1】M1 =F1 sinη・L1(式中、F1 はサイドメンバ軸圧縮反力、L1 はサイドメンバ10先端からダッシュパネル11結合部までの距離である。)
【0031】一方、パワーユニット12はエンジンマウント14を介してサイドメンバ10と結合されているため、サイドメンバ10のエンジンマウント14の設置点14a,14bには、前記モーメントM1 とは逆方向のモーメントM2 が作用する。
【0032】
【数2】M2 =F2 ・L2(式中、F2 はエンジンマウント発生反力、L2 はエンジンマウント14からダッシュパネル11結合部までの距離である。)
【0033】ところが、FF車に多く見られる横置きのパワーユニットのエンジンマウントのサイドメンバに対する設置位置は、サイドメンバ先端からの距離が左右で異なっていることが多く、エンジンマウント14からダッシュパネル11結合部までの距離L2 も左右で異なる。
【0034】本実施の形態において、L2 寸法がトランスミッション側に対して長い、エンジン側のエンジンマウント14を設置するサイドメンバ10に発生する逆方向モーメントM2eは、トランスミッション側のエンジンマウント14を設置するサイドメンバ10に作用する逆方向モーメントM2tに対して大きい。したがって、エンジン側のサイドメンバたわみ角δe に対して、トランスミッション側のサイドメンバたわみ角δt の方が大きくなる。
【0035】ここで、サイドメンバ先端部10aには、サイドメンバの左右方向の剛性を確保するためにクロスメンバ18が両サイドメンバ10を結合しているが、前出のサイドメンバ先端部10aに発生するたわみ角δに対して、このクロスメンバ18には引張り入力rが作用し、一方でサイドメンバ10側にはその反力Rが作用する。この反力Rの大きさはたわみ角δの大きさに比例すると考えられるため、当然、サイドメンバ10先端からエンジンマウント14までの距離が長いトランスミッション側のサイドメンバ10において、先端部10aとエンジンマウント設置点14a,14bの間には、サイドメンバ先端を車両中心方向へ曲折しようとするモーメントmt が、エンジン側のモーメントme よりも大きく作用する。
【0036】ところが、本実施の形態によれば、車両のフロントサイドメンバ10と、フロントサイドメンバ先端部10a近傍で、左右のフロントサイドメンバを結合するクロスメンバ18において、フロントサイドメンバ10間の長さを伸縮自在とする伸縮機構を設置したことにより、サイドメンバ10のたわみ角δに応じてフロントサイドメンバ10間の長さが伸縮する。
【0037】すなわち、左右サイドメンバと結合している部分18a,18c、および、センタメンバ13を設置するマウント部を有するセンタ部18bによって3分割されて構成されたクロスメンバ18において、所定の嵌合寸法を決定するナットプレート18eおよびボルト18fによる締結部に対して、所定のせん断力すなわちクロスメンバ18の軸方向引張りまたは圧縮力rが作用すると、ガイド穴18d寸法の範囲でクロスメンバ左右部とセンタ部の嵌合寸法がサイドメンバのたわみを減らす方向に変化する。
【0038】つまり、たわみ角δの大きいトランスミッション側では、大きく嵌合寸法が変化し、たわみ角δの小さいエンジン側では、小さく嵌合寸法が変化する。したがって、エンジンマウント近傍を起点として発生するサイドメンバを曲折しようとするモーメントが相殺され、しかも、左右サイドメンバのたわみ角δの差を小さくすることができるので、プランビューにおけるサイドメンバの曲折を防止すると同時に、左右のサイドメンバを均等に軸方向に圧潰することができる。
【0039】以上、レインフォースやリブなどのサイドメンバの補強をおこなわずに、エンジンマウント付近に発生するモーメントを低減することにより、衝突時、フロントサイドメンバの曲折を防止する構造について説明した。なお、本実施の形態においては、クロスメンバ嵌合部の閉断面形状は長方形断面同士が嵌め合う構造としたが、クロスメンバ断面は車体全体の剛性を考えて必要形状を考慮すべきであり、必ずしも長方形である必要はない。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、レインフォースやリブなどのサイドメンバの補強をおこなわずに、エンジンマウント付近に発生するモーメントを低減することにより、衝突時、フロントサイドメンバの曲折を防止することができるので、車両の軽量化を図ることができる。




 

 


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