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発明の名称 射出成形方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−43110(P2000−43110A)
公開日 平成12年2月15日(2000.2.15)
出願番号 特願平10−215323
出願日 平成10年7月30日(1998.7.30)
代理人
発明者 岡原 悦雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 金型キャビティ内に溶融樹脂を射出充填後冷却・固化して成形する射出成形方法において、溶融樹脂の射出後、該溶融樹脂が流動可能な時間内に金型を僅かに開いて成形品表面と金型キャビティ面との間に隙間を設けて一定時間保持し、更に該溶融樹脂が流動可能な時間内に再型締して賦形することを特徴とする射出成形方法。
【請求項2】 両金型を僅かに開いた状態で溶融樹脂を再射出した後、再型締して賦形することを特徴とする請求項1記載の射出成形方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリブやボス等の部分的に厚肉部を有する形状の成形品に発生するヒケと呼ばれる表面欠陥をなくするための射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形または射出プレス成形において、製品形状にリブやボス等の部分的に厚肉部がある場合には、厚肉部は他の部分に比べて冷却・固化が遅れるので、この厚肉部の表面にはヒケと呼ばれる表面欠陥が発生していた。図2(A)に示した高温部が固化して体積収縮するため、図2(B)のように反リブ側表面にヒケが発生する。これを無くすため保圧工程において溶融樹脂の冷却・固化に伴う体積収縮分を補うための補償充填を行っているが、ゲート部の樹脂が流動性を失った後(ゲートシール完了後)では保圧の効果はなく、ヒケを完全に無くすことは実際上不可能であった。特に、ポリプロピレン樹脂のような結晶性樹脂では成形収縮率が大きく、ヒケの発生は避けられなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】射出成形または射出プレス成形において、部分的に厚肉部が存在する形状の製品を成形する場合には、この厚肉部の表面にヒケが発生するのを防止できなかった。このヒケを目立たなくするため、製品設計上や成形条件面より種々の工夫がなされていたが満足できる状態ではなかった。特に、成形収縮率が大きいポリプロピレン樹脂のような結晶性樹脂についてはヒケが大きくなるので、製品設計上から大きな制約となるとともに成形条件出しにも手間がかかっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決するために、本発明においては、第1の発明では、金型キャビティ内に溶融樹脂を射出充填後冷却・固化して成形する射出成形方法において、溶融樹脂の射出後、該溶融樹脂が流動可能な時間内に金型を僅かに開いて成形品表面と金型キャビティ面との間に隙間を設けて一定時間保持し、更に該溶融樹脂が流動可能な時間内に再型締して賦形することとした。また、第2の発明では、第1の発明において、両金型を僅かに開いた状態で溶融樹脂を再射出した後、再型締して賦形することとした。
【0005】
【作用】リブやボス等の部分的に厚肉部がある製品形状であっても、製品の表面側(反リブ・ボス側)に断熱層としての隙間を設けることにより反表面側(リブ・ボス側)からのみ冷却・固化が進行する。このため、射出された樹脂は製品の表面側では反表面側に比べて冷却・固化が遅れるので、未だ溶融状態にあり流動可能である。製品表面側が未だ溶融状態にある時間内で、且つ、射出開始から一定時間経過後に再型締を行うことにより、樹脂を流動させてヒケを防止することが可能である。
【0006】リブ・ボス部を含む厚肉部の反表面側(リブ・ボス側)の冷却・固化は、製品の表面側に比べて大幅に先行しているので、表面側が溶融状態であっても反表面側の冷却・固化は略完了している。表面側の溶融状態にある高温部の樹脂は図2(C)に示すように表面に薄いスキン層を形成した状態で、略一様な厚みになっている。このスキン層の内側に高温の溶融樹脂があり、この溶融樹脂を加圧することにより流動させることができる。リブ側(反表面側)は冷却・固化しており、体積収縮は略完了している。即ち、溶融状態にある樹脂はスキン層の内側に均一な厚みで存在していることになる。この状態で、再型締動作を行うと溶融樹脂の冷却・固化は製品の表面側から均一に進行することになる。このようにして、成形収縮率が大きな結晶性樹脂で部分的に厚肉部が存在する形状の成形品に対してもヒケの発生を防止することができる。
【0007】製品形状によっては、冷却・固化により生ずる溶融樹脂の体積減少量が大きすぎて、再型締動作を行っても樹脂量が不足して製品の表面を均一に加圧することができない場合がある。このような場合には、再型締動作を開始する前に溶融樹脂を補充するための射出(再射出)を行う。この再射出はゲートシールが完了する前までに完了しておくことが必要である。
【0008】また、金型キャビティ内に表皮材をインサートして射出成形する貼合わせ成形においても、同様な効果を発揮することができる。即ち、表皮材は成形品の表面側(反リブ側)にあり、これが断熱層としての機能を果たす。成形品表面(この場合は表皮材の表面)と金型キャビティ面との間の隙間と相俟って成形品表面側の断熱を効果的に行なうことができる。従って、表皮材があってもヒケの防止効果は変らない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の実施例の詳細について説明する。図1〜図3は本発明の実施例に係り、図1は本発明に係る射出成形装置の全体構成図、図2は厚肉部のヒケの発生と防止対策を図解するための説明図、図3は本発明の効果の確認実験に使用した成形品の平面図および縦断面図である。
【0010】図1に示すように、本発明による射出成形装置100は射出装置200、型締装置300、金型装置400、制御装置500とで構成されている。金型装置400は、固定盤401に取り付けられた固定金型403と可動盤402に取り付けられた可動金型404とからなり、可動盤402および可動金型404は型締装置の型締シリンダ301で前後進できるように構成されている。型締装置300は、金型装置の金型の型開、型閉を作動する型締シリンダ301を備えており、可動金型が固定金型に対して図示しないタイバーに案内されて前後進する。
【0011】射出装置200は、射出ユニット201と射出シリンダー202および油圧モータ203とで構成されている。一方、制御装置500は、図1に示すように、成形装置制御部501、成形材料樹脂の可塑化と溶融樹脂の金型キャビティ内への射出を制御する射出制御部510、金型の開閉や型締力を制御する型締制御部520と型開タイミングを制御する比較制御部530等から構成されている。比較制御部530は切替タイミング条件設定部534、タイマ533、温度モニタ部532および型締制御部520と接続されている。また、型締制御部520は成形装置制御部501、型締位置モニタ部522、型締条件設定部521、比較制御部530等に接続されている。なお、本実施例では、直圧式の型締装置を有する射出成形機を用いたが、トグル式型締装置の射出成形機や、あるいは竪型の射出成形機または電動式の型締装置を有する射出成形機を使用してもよい。
【0012】次に、本発明の射出成形方法の概要と運転方法について説明する。成形材料としてABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂とPP(ポリプロピレン)樹脂を使用した成形方法を例にとって詳細に説明する。成形品としては、図3に示すような形状の400mm角のリブ付天板であり、天板部およびリブ部の厚みは3mmである。ゲート形状は直径が0.5mmのピンポイントゲートである。
【0013】最初に、成形材料がABSの場合について説明する。型締装置300により350トンの型締力で型締された金型キャビティ内に、射出装置200により溶融状態のABS樹脂を射出充填する。射出充填完了後3秒経過した時点で、成形品表面と金型キャビティ面との隙間が1mmとなるように型締装置300により可動金型404を後退させる。この状態を8秒間保持した後に、型締装置300により可動金型404を前進させて再型締を行ない350トンの型締力を金型装置400に負荷する。この状態(冷却・固化工程)を30秒間保持した後に、型開きの上、成形品600を取出す。
【0014】次に、成形材料がPPの場合について説明する。型締装置300により350トンの型締力で型締された金型キャビティ内に、射出装置200により溶融状態のPP樹脂を射出充填する。射出充填完了後3秒経過した時点で、成形品表面と金型キャビティ面との隙間が1mmとなるように型締装置300により可動金型404を後退させて型開状態にする。PP樹脂は結晶性樹脂であり、固化時の収縮量が大きいので、収縮による体積減少量に見合う量の溶融樹脂を補充する必要がある。このため、型開完了後、溶融状態のPP樹脂を射出装置200により再度射出充填する。その後、この型開状態で8秒間保持した後に、再型締を行ない350トンの型締力を金型装置400に負荷する。この状態を30秒間保持した後に、型開きの上、成形品600を取出す。
【0015】PPの場合に行なった再射出について補足説明する。一回目の射出時には全射出樹脂量の95%を射出充填した。二回目の射出時(再射出)には全射出樹脂量の5%を射出充填した。
【0016】次に、本発明による射出成形方法と従来より実施されている射出成形方法との比較を行なった結果を表1に示す。なお、ヒケの測定は図3に示すように中心部にあるピンポイントゲートから50mm離れた位置で行なった。
【表1】

注記:(1) 従来法の成形条件はABS、PPとも、型締力/350トン、保圧力/樹脂圧力換算値で400kgf/cm2、保圧時間/7秒である。
(2)実施例1の成形条件は以下の通りである。型締力/350トン、保圧力/樹脂圧力換算値で400kgf/cm2、保圧時間/3秒→その後1mm型開の上8秒間保持→その後型締力350トンで再型締、保持時間/30秒→型開の上、成形品取出し(3)実施例2の成形条件は以下の通りである。型締力/350トン、保圧力/樹脂圧力換算値で400kgf/cm2、保圧時間/3秒→その後1mm型開するとともに樹脂圧力換算値で80kgf/cm2kの保圧力を1秒間負荷した→その後保圧力を除去して型開状態を保持/8秒→その後型締力350トンで再型締、保持時間/30秒→型開の上、成形品取出し【0017】表1より明らかなように、ABS樹脂、PP樹脂とも従来の成形方法に比べて厚肉部表面側のヒケの程度は大幅に少なくなっており、1/15〜20程度になっている。このように本発明の射出成形方法はヒケ対策としては画期的なものである。本発明で懸念されることは成形品の表面状態(金型の転写性)と賦形性であるが、これらは従来の射出成形方法と何ら変ることなく良好な状態であったことを付言しておく。
【0018】なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。
【発明の効果】以上説明したように、本発明による射出成形方法によれば、部分的に厚肉部を有する成形品であっても、従来の射出成形方法では避けることができなかった厚肉部に発生するヒケをなくすことが可能となった。本発明により、部分的に厚肉部を有する成形品を効率的に、且つ、高品質に設計・生産することができる。即ち、非晶性樹脂は勿論のこと、成形収縮率が大きいポリプロピレン樹脂のような結晶性樹脂に対しても、製品設計上からの制約もなく成形条件出しも容易となり効率的な生産が可能となる。また、結晶性樹脂を対象にした場合は最初の射出充填時に充填する樹脂量が少ないことおよび冷却・固化に伴う体積収縮を補うための再射出を型開状態で行なうことにより必要型締力を大幅に小さくできる。




 

 


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