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発明の名称 アイリス認識装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−237167(P2000−237167A)
公開日 平成12年9月5日(2000.9.5)
出願番号 特願平11−42241
出願日 平成11年2月19日(1999.2.19)
代理人 【識別番号】100069615
【弁理士】
【氏名又は名称】金倉 喬二
【テーマコード(参考)】
4C038
5B085
【Fターム(参考)】
4C038 VA07 VB04 VC05 
5B085 AE25
発明者 梅澤 義尚
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 生物のアイリスの画像を取得し、これをあらかじめ登録してあるデータと照合して個体を識別するアイリス認識装置において、アイリス画像を照合する時に、取得したアイリス画像の合焦度を判定する照合画質判定部と、取得したアイリス画像とあらかじめ登録してあるデータとの照合時における本人判定のしきい値を、前記照合画質判定部で求めた合焦度に応じて変化させるしきい値設定部を設け、合焦度の低下に応じてしきい値を高めて行くことを特徴とするアイリス認識装置。
【請求項2】 請求項1において、アイリス画像を登録する時に、取得したアイリス画像の合焦度を判定する登録画質判定部を設け、この登録画質判定部における判定基準を、前記照合画質判定部における判定基準より厳しくしたことを特徴とするアイリス認識装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体的特徴を用いた個体識別装置、特に人間のアイリスを用いたアイリス認識装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体的特徴を用いた個体識別装置として、目のアイリスの部分の画像を用いたアイリス認識装置が提案されている。このアイリス認識装置は、人間等の生物の目付近の画像をカメラで取得し、この取得した画像の中からアイリスの部分を切り出して、あらかじめ登録してあるデータと照合し、本人判定を行うものである。
【0003】アイリスの画像を取得する際、カメラのレンズが固定焦点のレンズであると、利用者がその一点に自分のアイリスの位置を合わせなければならないため、利用者の負担が増大する。そこで、カメラにオートフォーカス(AF)の機能を持たせ、利用者の位置を厳密に決めなくても、利用者の位置に応じて焦点の合ったアイリス画像を取得できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カメラにAF機能を持たせても、照合時に多くの時間を必要とし、利用者に負担をかけるという問題点があった。すなわち、良好な認識率を得るため画質判定を厳密に行うため、AFレンズ移動を繰り返し行わなければならず、その結果多くの時間を必要としていた。
【0005】また、撮影対象が人間であるため完全に静止することができず、最適なAFを行ったとしても、人間が動くことにより、良好な画質が得られず、その結果、さらに繰り返しAFを行う必要が発生し、ここでもまた時間がかかっていた。そこで、照合時にある程度ピントの甘い画像でも受入れ可能とし、その代わりにピントの甘い画像の場合には、ピントの甘さに応じて本人に断定するしきい値を高く設定するようにしたアイリス認識装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、本発明は、生物のアイリスの画像を取得し、これをあらかじめ登録してあるデータと照合して個体を識別するアイリス認識装置において、アイリス画像を照合する時に、取得したアイリス画像の合焦度を判定する照合画質判定部と、取得したアイリス画像とあらかじめ登録してあるデータとの照合時における本人判定のしきい値を、前記照合画質判定部で求めた合焦度に応じて変化させるしきい値設定部を設け、合焦度の低下に応じてしきい値を高めて行くことを特徴とするアイリス認識装置である。
【0007】アイリスの照合のみでなく、登録も行えるアイリス認識装置では、上述したアイリス認識装置に、アイリス画像を登録する時に、取得したアイリス画像の合焦度を判定する登録画質判定部を設け、この登録画質判定部における判定基準を、前記照合画質判定部における判定基準より厳しくするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明のアイリス認識装置の第1の実施の形態を示す機能ブロック図、図2は本実施の形態のアイリス認識装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。まず、図2を用いてアイリス認識装置のハードウエア構成について説明する。
【0009】ハードウエアとしてのアイリス認識装置は、光学ユニット11と制御ユニット12より構成される。光学ユニット11は、カメラと照明を中心に構成され、アイリスの画像キャプチャを行う。制御ユニット12は、光学ユニット11によりキャプチャされる画像をデジタル化してユニット内に取り込み、更にそれを用いて認識処理の全般を行う。
【0010】光学制御部11aは、制御ユニット12内の主制御部12aからの命令を受け、光学ユニット11全体を制御する。カメラ11bは、画像キャプチャ用のカメラであり、エリアセンサとレンズユニットより構成される。ここでは、オートフォーカス制御のため、AF用のレンズが用いられている。照明11cは、被写体であるアイリスを明るく照らすための光源である。照明11cの点灯/消灯タイミング等は、光学制御部11aにより制御される。AF部11dは、カメラ11b内のレンズユニットを制御しAFを行う。AFの指示(レンズユニットの変位量の決定等)は、光学制御部11aを介して主制御部12aが行う。
【0011】主制御部12aは、制御ユニット12内の各部の制御はもとより、光学ユニット11までを含めた装置全体の制御を行う。イメージキャプチャ部12bは、光学ユニット11より供給されるアナログの画像信号を、デジタル信号に変換する。画像判定部12cは、得られた画像の画質のチェックを定量的に行い、この値をもとにAF制御が行われる。認識処理部12dは、アイリスの切り出し、コード化、マッチング等の認識処理の全般を行う。
【0012】次に、図1を用いて第1の実施の形態のアイリス認識装置の機能の詳細について説明する。なお、以下に示す機能は、図2で説明した制御ユニット12の主制御部12aが、光学ユニット11の各構成や、制御ユニット12の各構成を制御することで実現される。図において、1はアイリスを含む目周辺の画像をキャプチャする画像キャプチャ部、2は前記画像キャプチャ部1でキャプチャされた画像の画質が適切であるかどうか判定する画質判定部である。
【0013】この画質判定部2では、キャプチャされた画像の焦点が合っているかどうかの判断が定量的に行われる。ここで得られる値を合焦度と呼ぶ。合焦度の算出には、2乗法、最大輝度探索法等のアルゴリズムが知られている。2乗法とは、ある画素とその画素に隣接する4方または8方の画素との輝度値の差を求めて行き、それぞれの値を2乗して足して行く。そして、このような演算をいくつかの画素、または全画素に対して行い、算出された値が所定値より大きい場合に焦点が合っていると見なす技術である。最大輝度探索法とは、明るい画素は周囲の画素との輝度差がはっきりし易いので、画像の中の一番明るい画素を検索し、その周囲との輝度差を求めてその差の値が所定値よりも大きい場合に焦点が合っていると見なす技術である。
【0014】画質判定部2においては、このようなアルゴリズムにより合焦度を求め、合焦度が規定の範囲に収まっているとき、画質OKと判定し、合焦度が規定の範囲に収まっていない時には画質NGの判定を下す。3は前記画質判定部2における判定結果に基づき、合焦度が規定の範囲に収まるようにオートフォーカスを行うAFレンズ移動部である。
【0015】このAFレンズ移動部3は、前記画質判定部2における判定結果に基づき、合焦度が規定の範囲に収まるまでAF制御を行うので、画質判定部2において高い合焦度が判定基準として要求されると、AF制御にかかる時間は長くなる。本発明では、照合時における合焦度の判定基準を少し甘くし、AF制御にかかる時間を短くする。
【0016】4は前記画質判定部2において適切な画像が得られたと判断すると、その画像の中からアイリスの部分を切り出すアイリス切り出し部である。5は前記アイリス切り出し部6によって切り出されたアイリスの画像から所定の特徴量を抽出してコード化するコード化部である。6は前記コード化部5によってコード化されたアイリスコードと、あらかじめ登録データ部7に登録してあるアイリスコードとの間で類似度を算出するためのマッチングを行うマッチング部、8は類似度判定のしきい値を設定するしきい値設定部、9は前記マッチング部6で求めた類似度と、しきい値設定部8で設定されたしきい値とを比較し、類似度がしきい値以上の場合に本人であると判定し、それ以外の場合本人でないと判定する判定部である。
【0017】前記しきい値設定部8は、前記画質判定部2から受け取った合焦度に応じて、判定部9で使用されるしきい値の設定を行う。すなわち、前記画質判定部2においては、画質OKと判定される合焦度は、規定の範囲が決められている。この範囲内において、合焦度の低下に応じて、本人と断定するしきい値を高めて行く。以下に、第1の実施の形態の動作について説明する。
【0018】画像キャプチャ部1において、アイリスを含む人間の目周辺の画像をキャプチャする。そして、キャプチャした画像が適切であるかどうか、画質判定部2により判定を行う。この画質判定部2においては、キャプチャした画像の合焦度が規定の範囲に収まっているかどうか、合焦度が規定の範囲に収まっていない場合、どの程度合っていないかを定量的に判断する。そして、合焦度が規定の範囲に収まっていないことで、画質がNGと判定されると、AFレンズ移動部3により合焦度のズレに応じてカメラ11bのレンズを移動して、再び画像キャプチャを行う。このように、画質OKと判定できる適切な画像が得られるまで、画像キャプチャ部1、画質判定部2、AFレンズ移動部の間で動作が繰り返される。
【0019】そして、画質判定部2において、合焦度が規定の範囲に収まっており、画質OKの場合は、キャプチャした画像をアイリス切り出し部4に送り、アイリスの部分を切り出す。ここでは、アイリスの外縁と内縁の境界が検出される。切り出されたアイリス画像は、コード化部5において、所定の特徴量が抽出されコード化される。
【0020】そして、コード化部5においてコード化されたアイリスコードと、登録データ部7にあらかじめ登録してあるデータとの間で類似度を算出するためのマッチングを行う。ここで、アイリス認識においては、利用者が照合に先立って自分のIDコード等をカードリーダにカードを通したりキーボードから暗証番号を入力する等により装置に入力することで、登録してあるデータの中から該当するデータを特定してから照合を行う1:1照合と、利用者がIDコード等の入力を行わない1:n照合が存在するが、ここでは、1:1照合を例に説明する。
【0021】すなわち、マッチング部6においては、コード化されたアイリスコードと、あらかじめ登録したデータの中で利用者により特定された該当データとの間で類似度を算出するためのマッチングを行う。一方、しきい値設定部8では、画質判定部2より受け取った合焦度に応じて、判定部9にて使用されるしきい値の設定を行う。すなわち、合焦度の低下に応じて、本人と判断するしきい値が高くなるように変化させる。図3は本人と他人の類似度分布としきい値の関係を示すグラフで、本人と他人の類似度は、互いに重なることなく、それぞれある幅をもって分布することが実験的、統計的に確かめられている。この類似度を示す値の一例として、ハミング距離が用いられる。このハミング距離とは、キャプチャした画像から取得したアイリスコードと、あらかじめ登録してあるデータとを比較したときに、一致しないビットの総数であり、本人である程値が小さくなり、他人である程値が大きくなるものである。本人判定に用いられるしきい値は、合焦度が高い場合、この2つの分布が重ならないある一点を採用している。
【0022】これに対して、合焦度が低い場合は、しきい値を類似度の高い方向に設定する。そして、設定されたしきい値は判定部9に転送され、判定部9では、しきい値設定部8より得られたしきい値と、マッチング部6より得られた類似度を比較し、類似度がしきい値以上の場合に本人であると判定し、それ以外の場合本人でないと判定する。
【0023】上述したように、より高い類似度判定基準を設けることにより、合焦度が低い画像を受け入れても、認識率を落とさず、かつ、利用者に不快感を与えないようにすることができ、合焦度が低い画像を受入れ可能とすることで、認識にかかる時間を短縮できる。上述した合焦度としきい値の相関関係は、実験や統計的手法によってあらかじめ求めておく。
【0024】以下にしきい値設定の一例を示す。合焦度をF、しきい値をTとすると、しきい値Tは以下に示す(1)式により求められる。
【0025】
【数1】T=a・e(F-b) +c・・・(1)
ここで、eは自然対数、a,b,cは実験により求める。図4は(1)式を用いて求めた合焦度としきい値の関係を示すグラフである。なお、しきい値の設定手法は、(1)式に限定されるものではない。また、類似度の判断も、ハミング距離ではなく、別の手法によって判断することができ、その場合でも、しきい値を変更することで、合焦度が低い画像を受け入れても、認識率を落とさず、かつ、利用者に不快感を与えないようにすることができる。
【0026】次に、合焦度の低い画像を受け入れても、認識率を落とさず、かつ、利用者に不快感を与えることがない理由について説明する。アイリスの模様は、そのパターンが細かい者と荒い者がいる。アイリスのパターンが細かい場合、合焦度が高ければ高い類似度が得られるし、合焦度が多少低くても高めの類似度が得られる。
【0027】ここで、高い合焦度を得るためには、AF制御にかかる時間が長くなるが、合焦度が多少低い画像でも受入れ可能とすれば、AF制御にかかる時間を短縮できる。そして、上述したように、アイリスのパターンが細かい場合、合焦度が低くても高い類似度が得られるので、合焦度が多少低い画像であっても誤認識をすることがない。よって、合焦度が多少低い画像を受入れ可能としても、誤認識することなく処理時間を短縮できる。
【0028】これに対して、アイリスのパターンが荒い場合、アイリスのパターンが細かい場合に比較して類似度は低めに出る傾向にある。したがって、合焦度の低い画像を受け入れると、誤認識する可能性が出てくる。よって、合焦度が低い場合には、しきい値を高くすることで、取得したアイリスが荒いパターンの場合、誤認識をするような可能性のあるものを排除することで、信頼性を高めることができる。なお、取得したアイリスが細かいパターンの場合は、合焦度が低くても高い類似度が得られるので、しきい値が高くなっても、判定には影響がない。上述したように、合焦度の低い画像でも受入れ可能とすることで、AFの制御にかかる時間が短縮でき、よって、本人であるか否かの判定までにかかる時間も短縮できる。このため、もし、パターンの荒いアイリスを持つ者がアイリス認識を行った結果、本人でないと判定される場合でも、その判定までにかかる時間は短くて済み、リトライにより、条件が変わることで高い合焦度が得られれば、やはり短時間で本人であることが認識できるので、結果的に、利用者に与える不快感を減らすことができる。
【0029】図5は本発明のアイリス認識装置の第2の実施の形態を示す機能ブロック図である。この第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明したアイリスの照合に加え、アイリスの登録を行えるアイリス認識装置に本発明を適用した例を示す。なお、アイリス認識装置のハードウエア構成は、図2で説明したものと同じとする。
【0030】図において、1はアイリスを含む目周辺の画像をキャプチャする画像キャプチャ部である。2aはアイリスの登録時において、前記画像キャプチャ部1でキャプチャされた画像の画質が適切であるかどうか判定する登録画質判定部、2bはアイリスの照合時において、前記画像キャプチャ部1でキャプチャされた画像の画質が適切であるかどうか判定する照合画質判定部、10aは前記画像キャプチャ部1でキャプチャされた画像の送り先を、登録画質判定部2aか照合画質判定部2bかに装置のモードに応じて切り換える第1のスイッチであり、第1のスイッチ10aは、装置のモードが登録モードであれば、画像キャプチャ部1でキャプチャされた画像の送り先を登録画質判定部2aとし、装置のモードが照合モードであれば、画像の送り先を照合画質判定部2bとする。
【0031】上述した登録画質判定部2aおよび照合画質判定部2bでは、キャプチャされた画像の焦点が合っているかどうかの判断が定量的に行われる。ここで得られる値を合焦度と呼ぶ。合焦度の算出には、2乗法、最大輝度探索法等のアルゴリズムが知られている。このようなアルゴリズムにより合焦度を求め、合焦度が規定の範囲に収まっているとき、画質OKと判定し、合焦度が規定の範囲に収まっていない時には画質NGの判定を下す。
【0032】ここで、登録画質判定部2aと照合画質判定部2bでは、画質OKと判定する合焦度の範囲が異なる。すなわち、登録画質判定部2aの方が、画質OKと判定する合焦度の範囲が狭く、照合画質判定部2bより高い合焦度を要求するようにしてある。3は前記登録画質判定部2aもしくは照合画質判定部2aにおける判定結果に基づき、合焦度が規定の範囲に収まるようにオートフォーカスを行うAFレンズ移動部である。
【0033】4は前記登録画質判定部2aもしくは照合画質判定部2aにおいて適切な画像が得られたと判断すると、その画像の中からアイリスの部分を切り出すアイリス切り出し部である。5は前記アイリス切り出し部4によって切り出されたアイリスの画像から所定の特徴量を抽出してコード化するコード化部である。
【0034】6は前記コード化部5によってコード化されたアイリスコードと、あらかじめ登録データ部7に登録してあるアイリスコードとの間で類似度を算出するためのマッチングを行うマッチング部である。10bは前記コード化部5によってコード化されたアリイスコードの送り先を、マッチング部6か登録データ部7かに装置のモードに応じて切り換える第2のスイッチであり、装置のモードが登録モードであれば、コード化部5によってコード化されたアイリスコードの送り先を登録データ部7とし、装置のモードが照合モードであれば、アイリスコードの送り先をマッチング部6とする。
【0035】8は類似度判定のしきい値を設定するしきい値設定部、9は前記マッチング部6で求めた類似度と、しきい値設定部8で設定されたしきい値とを比較し、類似度がしきい値以上の場合に本人であると判定し、それ以外の場合本人でないと判定する判定部である。前記しきい値設定部8は、前記照合画質判定部2bから受け取った合焦度に応じて、判定部9で使用されるしきい値の設定を行う。すなわち、前記照合画質判定部2bにおいては、画質OKと判定される合焦度は、規定の範囲が決められている。この範囲内において、合焦度の低下に応じて、本人と断定するしきい値を高めて行く。
【0036】以下に、第2の実施の形態の動作について説明する。この第2の実施の形態では、装置が登録モードであると、第1のスイッチ10aは、画像キャプチャ部1でキャプチャされた画像の送り先を登録画質判定部2aとし、第2のスイッチ10bは、コード化部5によってコード化されたアイリスコードの送り先を登録データ部7とする。これに対して、装置が照合モードであると、第1のスイッチ10aは、画像キャプチャ部1でキャプチャされた画像の送り先を照合画質判定部2bとし、第2のスイッチ10bは、コード化部5によってコード化されたアイリスコードの送り先をマッチング部6とする。
【0037】まず、登録モードにおける動作を説明する。画像キャプチャ部1において、アイリスを含む人間の目周辺の画像をキャプチャする。そして、キャプチャした画像が適切であるかどうか、登録画質判定部2aにより判定を行う。なお、登録時における画質判定は、照合時の認識性能に大きな影響を与えるので、画質OKと判定する判定基準を厳しくして、最も良い画像を用いて登録データが作成できるようにしてある。
【0038】この登録画質判定部2aにおいては、キャプチャした画像の合焦度が規定の範囲に収まっているかどうか、合焦度が規定の範囲に収まっていない場合、どの程度合っていないかを定量的に判断する。そして、合焦度が規定の範囲に収まっていないことで、画質がNGと判定されると、AFレンズ移動部3により合焦度のズレに応じてカメラ11bのレンズを移動して、再び画像キャプチャを行う。このように、画質OKと判定できる適切な画像が得られるまで、画像キャプチャ部1、登録画質判定部2a、AFレンズ移動部3の間で動作が繰り返される。
【0039】そして、登録画質判定部2aにおいて、合焦度が規定の範囲に収まっており、画質OKの場合は、キャプチャした画像をアイリス切り出し部4に送り、アイリスの部分を切り出す。ここでは、アイリスの外縁と内縁の境界が検出される。切り出されたアイリス画像は、コード化部5において、所定の特徴量が抽出されコード化される。
【0040】そして、コード化部5においてコード化されたアイリスコードは、登録データ部7に送られ、保存される。次に、照合モードにおける動作を説明する。画像キャプチャ部1において、アイリスを含む人間の目周辺の画像をキャプチャする。そして、キャプチャした画像が適切であるかどうか、照合画質判定部2bにより判定を行う。
【0041】この照合画質判定部2bにおいては、キャプチャした画像の合焦度が規定の範囲に収まっているかどうか、合焦度が規定の範囲に収まっていない場合、どの程度合っていないかを定量的に判断する。この照合画質判定部2bにおいては、登録画質判定部2aと比較して低い合焦度でも画質OKと判定するようにしてある。低い合焦度でも画質OKと判定することで、AF制御にかかる時間は短縮する。そして、合焦度が規定の範囲に収まっていないことで、画質がNGと判定されると、AFレンズ移動部3により合焦度のズレに応じてカメラ11bのレンズを移動して、再び画像キャプチャを行う。このように、画質OKと判定できる適切な画像が得られるまで、画像キャプチャ部1、照合画質判定部2b、AFレンズ移動部3の間で動作が繰り返される。
【0042】そして、照合画質判定部2bにおいて、合焦度が規定の範囲に収まっており、画質OKの場合は、キャプチャした画像をアイリス切り出し部4に送り、アイリスの部分を切り出す。ここでは、アイリスの外縁と内縁の境界が検出される。切り出されたアイリス画像は、コード化部5において、所定の特徴量が抽出されコード化される。
【0043】そして、コード化部5においてコード化されたアイリスコードと、登録データ部7に上述した登録モード時に登録したデータとの間で類似度を算出するためのマッチングを行う。ここで、アイリス認識においては、利用者が照合に先立って自分のIDコード等をカードリーダにカードを通したりキーボードから暗証番号を入力する等により装置に入力することで、登録してあるデータの中から該当するデータを特定してから照合を行う1:1照合と、利用者がIDコード等の入力を行わない1:n照合が存在するが、ここでは、1:1照合を例に説明する。
【0044】すなわち、マッチング部6においては、コード化されたアイリスコードと、登録モード時に登録したデータの中で利用者により特定された該当データとの間で類似度を算出するためのマッチングを行う。一方、しきい値設定部8では、照合画質判定部2bより受け取った合焦度に応じて、判定部9にて使用されるしきい値の設定を行う。すなわち、合焦度の低下に応じて、本人と判断するしきい値が高くなるように変化させる。図3で説明したように、本人と他人の類似度は、互いに重なることなく、それぞれある幅をもって分布することが実験的、統計的に確かめられている。本人判定に用いられるしきい値は、合焦度が高い場合、この2つの分布が重ならないある一点を採用している。
【0045】これに対して、合焦度が低い場合は、しきい値を類似度の高い方向に設定する。そして、設定されたしきい値は判定部9に転送され、判定部9では、しきい値設定部8より得られたしきい値と、マッチング部6より得られた類似度を比較し、類似度がしきい値以上の場合に本人であると判定し、それ以外の場合本人でないと判定する。
【0046】上述したように、より高い類似度判定基準を設けることにより、照合モードにおいては、合焦度が低い画像を受け入れても、認識率を落とさず、かつ、利用者に不快感を与えないようにすることができ、合焦度が低い画像を受入れ可能とすることで、認識にかかる時間を短縮できる。なお、上述した合焦度としきい値の相関関係は、第1の実施の形態の場合と同様に、実験や統計的手法によってあらかじめ求めておく。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、アイリス画像を照合する時に、取得したアイリス画像の合焦度を判定する照合画質判定部を設け、取得したアイリス画像とあらかじめ登録してあるデータとの照合時における本人判定のしきい値を、合焦度の低下に応じて高めて行くこととしたので、合焦度の低い画像を受け入れた場合に、誤認識をするような画像を排除でき、認識率を落とすことなく、少々画質の悪い画像でも、本人認識に使用できる確率を上げることができる。
【0048】よって、照合に使用できる画像を取得するまでの時間を短縮できることで、利用者が照合にかかる時間を短縮でき、よりヒューマンインターフェースの優れた製品を提供することができる。また、アイリスの照合のみでなく、登録も行えるアイリス認識装置では、画質判定の基準が厳しい登録画質判定部を設け、登録時には画質判定にこの登録画質判定部を使用し、照合時には上述した照合画質判定部を使用することで、登録時には最も良い画像を取得でき、後の照合時における認識率を上げるとともに、照合時には、照合にかかる時間を短縮できる。




 

 


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