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虹彩領域抽出方法及び個体識別装置 - 沖電気工業株式会社
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発明の名称 虹彩領域抽出方法及び個体識別装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−189403(P2000−189403A)
公開日 平成12年7月11日(2000.7.11)
出願番号 特願平10−368410
出願日 平成10年12月25日(1998.12.25)
代理人 【識別番号】100082050
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 幸男 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4C038
5B043
【Fターム(参考)】
4C038 VA07 VB04 VC05 
5B043 AA09 BA04 DA05 EA02 EA05
発明者 須崎 昌彦 / 久野 裕次
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 目画像から虹彩領域を抽出する場合、虹彩領域の内側と外側の境界線に円の一部を当てはめて抽出することを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【請求項2】 請求項1に記載の虹彩領域抽出方法において、瞳孔の形状に基づき虹彩領域の外側の境界線を推定することを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【請求項3】 請求項1または2に記載の虹彩領域抽出方法において、瞳孔の輪郭に円の一部を当てはめ、かつ、瞳孔両端とその円の中心を結ぶ二つの直線のなす角によって虹彩領域の外側境界線の半径を推定することを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【請求項4】 請求項1または2に記載の虹彩領域抽出方法において、瞳孔に楕円を当てはめ、かつ、その楕円の長軸と短軸の比によって虹彩領域の外側境界線の半径を推定することを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の虹彩領域抽出方法において、先ず、虹彩領域を、円周に沿う方向と、円周に垂直な方向の二つの方向でそれぞれ分割し、次に、それぞれの分割帯に対して予め決められた画像処理を行ってコード化し、二つのアイリスコードを得ることを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【請求項6】 目画像から瞳孔の輪郭を抽出する瞳孔輪郭抽出部と、前記瞳孔輪郭抽出部で抽出した瞳孔の輪郭に円の一部を当てはめ、かつ、瞳孔両端とその円の中心を結ぶ二つの直線のなす角によって虹彩領域の外側境界線を求める瞳孔円・アイリス円設定部と、前記瞳孔円・アイリス円設定部で設定した虹彩領域のアイリスコードを生成するアイリスコード生成部と、前記アイリスコード生成部で生成したアイリスコードと予め登録されているアイリスコードとを比較し、前記目画像の個体識別結果とするアイリスコード比較部とを備えた個体識別装置。
【請求項7】 目画像から瞳孔の輪郭を抽出する瞳孔輪郭抽出部と、前記瞳孔輪郭抽出部で抽出した瞳孔の輪郭に円の一部を当てはめ、かつ、瞳孔両端とその円の中心を結ぶ二つの直線のなす角によって虹彩領域の外側境界線を求める瞳孔円・アイリス円設定部と、前記瞳孔円・アイリス円設定部で設定した虹彩領域のアイリスコードを、当該虹彩領域の円周方向に沿って生成する第1アイリスコード生成部と、前記瞳孔円・アイリス円設定部で設定した虹彩領域のアイリスコードを、円周に垂直な方向に沿って生成する第2アイリスコード生成部と、前記第1アイリスコード生成部および第2アイリスコード生成部で生成した二つのアイリスコードと予め登録されているアイリスコードとを比較し、前記目画像の個体識別結果とするアイリスコード比較部とを備えた個体識別装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動物や人間の目画像から虹彩領域を抽出する虹彩領域抽出方法およびアイリスコードに基づいて個体識別を行う個体識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、目の中の虹彩を用いた個体識別技術が考えられている。この種の個体識別技術として、例えば、米国特許第5291560号明細書や特表平8−504979号公報等に示されているのがあった。
【0003】このような従来の技術では、以下のような方法を用いて個体識別を行っていた。
1.カメラなどにより目の映像を取得し、瞳孔と虹彩の境界、および虹彩と強膜の境界に瞳孔内部に中心を持つ円を当てはめ、これらの円をそれぞれ虹彩の内側境界、外側境界とする。
2.この境界の間をいくつかの環状帯域に分割し、それぞれの環状帯域のパターンの組織情報を2−Dガボールフィルタによるコンボリューションによって抽出し、その振幅によって0か1の値でコード化する。
3.予め登録しておいたアイリスコードと入力画像から生成されたアイリスコードのハミング距離を計算し、本人であるか他人であるかの判断を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の虹彩領域抽出方法では瞳孔が円形であるとしてその抽出を行っていたため、瞳孔の形状が楕円状である動物等では高精度の瞳孔領域の抽出を行うことができなかった。
【0005】図2は人の目を示す説明図である。図3は動物の目を示す説明図である。図3において、(a)は馬の目、(b)は犬の目、図3(c)は猫の目を表している。
【0006】図3の(a)に示すように馬の瞳孔および虹彩の輪郭は円ではない。また、瞳孔の上部の輪郭線上には虹彩顆粒と呼ばれる物質が存在するため、瞳孔の輪郭線を正確に抽出することは不可能である。
【0007】更に、図3(a)〜(c)のように動物の目では、虹彩と強膜の境界はまぶたの中に隠れていることが多いため、この境界線を抽出することは困難である。
【0008】一方、虹彩の輪郭線の近似を円から楕円に変更し、それ以外は前述した従来の技術と同様にしてアイリスコードを生成する方法も考えられる。しかしながら、このような方法は、瞳孔の大きさによっては瞳孔の輪郭線を正確に抽出できなかった。
【0009】図4は、瞳孔の縮瞳状態と散瞳状態を示す説明図である。図4(a)のように縮瞳した時の瞳孔に楕円を当てはめると、特に長軸の両端付近で当てはめ誤差が生じるため、座標系の設定が不安定となり照合の精度が低下する。
【0010】また、明るさによる瞳孔の変動(縮瞳や散瞳)に対して、虹彩のパターンの移動の方向は、瞳孔の下部と両端では図4(a)のようになる(矢印の大きさは移動量を表す)。従って、瞳孔内に中心点を持つ極座標系で表すと、散瞳状態(図4(b))と縮瞳状態(図4(a))では虹彩パターンの位置が異なってくるため、アイリスコードが同一にはならない。
【0011】以上のような理由から従来の個人識別方法をそのまま馬や牛といった動物の個体識別に応用するだけでは、十分な精度を得ることができないという問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉目画像から虹彩領域を抽出する場合、虹彩領域の内側と外側の境界線に円の一部を当てはめて抽出することを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【0013】〈構成2〉構成1に記載の虹彩領域抽出方法において、瞳孔の形状に基づき虹彩領域の外側の境界線を推定することを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【0014】〈構成3〉構成1または2に記載の虹彩領域抽出方法において、瞳孔の輪郭に円の一部を当てはめ、かつ、瞳孔両端とその円の中心を結ぶ二つの直線のなす角によって虹彩領域の外側境界線の半径を推定することを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【0015】〈構成4〉構成1または2に記載の虹彩領域抽出方法において、瞳孔に楕円を当てはめ、かつ、その楕円の長軸と短軸の比によって虹彩領域の外側境界線の半径を推定することを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【0016】〈構成5〉構成1〜4のいずれかに記載の虹彩領域抽出方法において、先ず、虹彩領域を、円周に沿う方向と、円周に垂直な方向の二つの方向でそれぞれ分割し、次に、それぞれの分割帯に対して予め決められた画像処理を行ってコード化し、二つのアイリスコードを得ることを特徴とする虹彩領域抽出方法。
【0017】〈構成6〉目画像から瞳孔の輪郭を抽出する瞳孔輪郭抽出部と、瞳孔輪郭抽出部で抽出した瞳孔の輪郭に円の一部を当てはめ、かつ、瞳孔両端とその円の中心を結ぶ二つの直線のなす角によって虹彩領域の外側境界線を求める瞳孔円・アイリス円設定部と、瞳孔円・アイリス円設定部で設定した虹彩領域のアイリスコードを生成するアイリスコード生成部と、アイリスコード生成部で生成したアイリスコードと予め登録されているアイリスコードとを比較し、目画像の個体識別結果とするアイリスコード比較部とを備えた個体識別装置。
【0018】〈構成7〉目画像から瞳孔の輪郭を抽出する瞳孔輪郭抽出部と、瞳孔輪郭抽出部で抽出した瞳孔の輪郭に円の一部を当てはめ、かつ、瞳孔両端とその円の中心を結ぶ二つの直線のなす角によって虹彩領域の外側境界線を求める瞳孔円・アイリス円設定部と、瞳孔円・アイリス円設定部で設定した虹彩領域のアイリスコードを、虹彩領域の円周方向に沿って生成する第1アイリスコード生成部と、瞳孔円・アイリス円設定部で設定した虹彩領域のアイリスコードを、円周に垂直な方向に沿って生成する第2アイリスコード生成部と、第1アイリスコード生成部および第2アイリスコード生成部で生成した二つのアイリスコードと予め登録されているアイリスコードとを比較し、目画像の個体識別結果とするアイリスコード比較部とを備えた個体識別装置。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて詳細に説明する。
《具体例1》図1は本発明の虹彩領域抽出方法を説明するためのフローチャートであるが、この説明に先立ち、本発明の個体識別装置の説明を行う。
【0020】〈構成〉図5は、具体例1の個体識別装置の構成図である。図の装置は、カメラ101、瞳孔輪郭抽出部102、瞳孔円・アイリス円設定部103、円周分割帯設定部104、アイリスコード生成部105、アイリスコード比較部106、照合結果表示部107、登録コード記憶部108からなる。
【0021】カメラ101は、馬や牛などの動物の目の映像を取得するものである。瞳孔輪郭抽出部102は、カメラ101で取得した画像から、瞳孔と虹彩顆粒の輪郭線を抽出する機能を有している。瞳孔円・アイリス円設定部103は、瞳孔輪郭抽出部102で抽出した瞳孔の輪郭線に対して円弧を当てはめ、その円弧から虹彩(アイリス)と強膜の輪郭線を表す円を推定する機能部である。
【0022】円周分割帯設定部104は、アイリスの内側の輪郭線と外側の輪郭線の間を円周に沿って分割し、コード化を行うための画像を取得する機能部である。アイリスコード生成部105は、円周分割帯設定部104で取得した画像に対して、既知の周波数フィルタを用いてコード化する機能部である。
【0023】アイリスコード比較部106は、アイリスコード生成部105で生成したアイリスコードと予め登録したアイリスコードとの比較演算を行う機能部である。照合結果表示部107は、アイリスコード比較部106の結果から入力された目が、登録してある動物の目と一致するかどうかを判断し、表示する装置である。登録コード記憶部108は、カメラ101からアイリスコード生成部105までの方法を用いて予め登録したアイリスコードを記憶する機能部である。
【0024】〈動作〉次に、具体例1の個体識別装置の動作を図1に沿って説明する。
[ステップS101]カメラ101から取得された動物の目の映像はA/D変換によりディジタル化され、瞳孔輪郭抽出部102の図示しない計算機のメモリ上に記憶される。
【0025】[ステップS102]瞳孔輪郭抽出部102では、取得した画像を二値化するなどにより、瞳孔と虹彩顆粒の輪郭線を抽出する。
【0026】[ステップS103]瞳孔円・アイリス円設定部103では、瞳孔の下の部分の輪郭線に対して円の一部(円弧)を当てはめる。これを瞳孔円と呼ぶ。
【0027】[ステップS104]瞳孔円・アイリス円設定部103では、瞳孔円からアイリスの外側の輪郭の円を推定する。これをアイリス円と呼ぶ。
【0028】[ステップS105]円周分割帯設定部104では、コード化の対象となる矩形領域を切りとる。
【0029】[ステップS106]円周分割帯設定部104は、矩形領域を分割し、アイリスコード生成部105では、各分割帯域に対して2−Dガボールフィルタなどを用いてコード化を行う。
【0030】[ステップS107]アイリスコード比較部106では、上記のステップS107までの処理で生成したアイリスコードと予め登録しておいたアイリスコードを比較し、本体であるか他体であるかの判断を行う。
【0031】[ステップS108]照合結果表示部107は、ステップS107の結果を表示する。
【0032】次に、図1の各処理を詳細に説明する。
●瞳孔・虹彩顆粒の輪郭線の抽出処理(ステップS102)の説明ステップS102の瞳孔・虹彩顆粒の輪郭線抽出処理と、ステップS103の瞳孔円当てはめ処理は、例えば、次のような処理を行う。
【0033】図6は、虹彩顆粒の輪郭線抽出処理(ステップS102)のフローチャートである。最初に、入力された画像中から瞳孔と虹彩顆粒を含む矩形領域を抽出する(ステップS201)。これは、例えば目を撮影した画像中では瞳孔領域が最も暗く、また画像の中心付近に存在することを利用する。まず、適当な閾値Tを用いて画像を二値化し、閾値Tより暗い領域のうちで最も画像中の中心付近にある領域を瞳孔領域として抽出する。
【0034】図7は、瞳孔矩形抽出の説明図である。図7(a)に示すように、抽出された瞳孔領域を含む矩形をRpとする。この矩形Rpの中には虹彩顆粒の領域も含まれるように、瞳孔のみの領域に対して十分なマージンを与え、その幅をWr、高さをHrとする(図7(b)参照)。マージンの大きさは固定であっても良いし、抽出された瞳孔の大きさによって変化させても良い。更に、入力画像中からその矩形領域を切りとった画像を瞳孔矩形画像と呼び、図のように画像の左上が(0,0)、右下が(Wr,Hr)となるような座標系とする。
【0035】瞳孔矩形内画像内では、瞳孔領域の平均的な濃度が最も暗く、次に虹彩顆粒領域、アイリス領域という順番になっている。そこで、瞳孔領域の平均濃度をDp、虹彩顆粒領域の平均濃度をDg、アイリス領域の平均濃度をDiとして、Dp <Tp<Dg<Tg<Diとなるような閾値Tp、Tgを設定する。ここで、濃度値が低いとは暗いことを意味する。
【0036】図8は、瞳孔矩形画像の二値化と輪郭線抽出の例を示した図である。先ず、図8(a)に示す画像に対して、閾値Tpを用いて瞳孔矩形画像を二値化する(図6中のステップS202)。ここで、図8(b)のように、閾値Tpより暗い領域は瞳孔のみの領域であり、この領域をApとする。領域Apの輪郭線は、瞳孔の輪郭線および虹彩顆粒の下側の輪郭線(瞳孔と虹彩顆粒の境界線)となり(ステップS203)、この輪郭線をCpとする(図8(c))。
【0037】次に、閾値Tgを用いて瞳孔矩形画像を二値化する(ステップS204)。ここで図8(d)のように閾値Tgより暗い領域は瞳孔と虹彩顆粒を合わせた領域であり、この領域をAgとする。領域Agの輪郭線は、瞳孔の輪郭線および虹彩顆粒の上側の輪郭線(アイリスと虹彩顆粒の境界線)となり(ステップS205)、この輪郭線をCgとする(図8(e))。
【0038】輪郭線CpとCgに挟まれた部分が虹彩顆粒の領域Agrnである(図8(f))。また、馬の目の場合、虹彩顆粒は瞳孔の上部に存在するため、輪郭線CpとCgの下半分はほとんど重なっている。したがって、CpまたはCgの下半分を瞳孔下部の輪郭線CUpupilとし、瞳孔上部の輪郭線COpupilは輪郭線CpとCgの中間を通る線とし、これらの輪郭線に囲まれた領域を瞳孔領域Apupilとする(図8(g))。
【0039】主成分分析などの手法を用い、瞳孔領域の重心および主軸(瞳孔領域の広がりが最も大きくなるような直線)を求める(ステップS206)。
【0040】図9は、瞳孔の傾き補正動作の説明図である。図9(a)に示す主軸が上記の瞳孔領域の広がりが最も大きくなるような直線である。この主軸が水平になるように瞳孔の重心を中心として瞳孔矩形画像と輪郭線Cp、Cgを回転し、瞳孔の重心を原点、主軸をx軸として、新たにx−y座標を設定する(ステップS207、図9(b))。
【0041】尚、以上説明した瞳孔、虹彩顆粒の輪郭線抽出処理としては、この他にも、例えば、特願平9−073190号に示した方法や、特願平9−343841号に示した方法等を利用してもよい。
【0042】●瞳孔円当てはめ処理(ステップS103)の説明ここでは、瞳孔の下部輪郭線に、先に設定したx−y座標上のy軸上に中心を持つ円弧を当てはめる。
【0043】先ず、主軸が水平になるように回転した瞳孔下部の輪郭線CUpupilを構成する画素の集合をCUpupil={(X0,Y0),(X1,Y1),…,(Xn−1,Yn−1)}(但し、nは輪郭線を構成する点の数、0≦i<nに対してXi<Xi+1である)とする。
【0044】図4(a)のように瞳孔が縮瞳している場合、瞳孔下部の輪郭線の中央部分と両端付近を同じ円弧で近似することは不可能であるため、瞳孔の両端の距離をLpとすると、円弧の当てはめは両端付近をカットした部分に対して行う。ここでカットする長さは左右それぞれLpの5〜10%程度とし、カットされる画素数をそれぞれm(全体では2m)とする。
【0045】瞳孔下部輪郭に対する円弧の当てはめは、例えば以下のようにして行う。図10は、円弧の当てはめ処理を示すフローチャートである。先ず、y=0とし、D(=最終的に求める誤差値)を十分に大きな値(初期値)にしておく(ステップS301)。次に、円の中心を(0,y)としたときの輪郭線上からの平均半径cを計算する(ステップS302)。そして、この場合の平均誤差dを計算し(ステップS303)、この場合の誤差dがDyより小さいかを判定する(ステップS304)。
【0046】このステップS304において、d<Dyであった場合は、誤差値Dyをその時点の誤差dとし、また、半径Cをその時点の半径c、円弧の中心点のy軸上の座標Pをその時点の座標値yとする(ステップS305)。
【0047】そして、yの値をdyだけ大きくし(ステップS306)、yの値がYmaxより小さいかを判定し(ステップS307)、そうであるならばステップS302に戻って、上記の処理を繰り返す。但し、dy、Ymaxは正の定数であり、dyは、y=0から予め定めたyの最大値Ymaxまでのyの増加分を示している。
【0048】このようにして、y=0からy=Ymaxまでの円弧の半径cおよび誤差dを求め、最も誤差dが小さかった座標値yを円弧の中心Pとし、半径cを半径Cとする。このC,Pが、それぞれ、瞳孔の下部の輪郭に当てはまる円弧の半径および中心のy座標となる。
【0049】図11は、瞳孔に対する円弧の当てはめの説明図である。図示のように、円弧を含む円の方程式は、x+(y−P)=Cである。
【0050】また、この近似に用いた輪郭線に対応する円弧の開始と終了の角度をそれぞれrs,re(=π−rs)とし、その長さをLcとした場合、これらの関係は、図面中に示すように、rs=π−re=arccos(Xm/C)
Lc=2πC×{(re−rs)/2π}=C×(re−rs)
となる。
【0051】尚、円弧の当てはめは、上記の方法以外にも、ハフ(Hough)変換等の他の方法を用いてもよい。
【0052】●アイリス円推定処理(ステップS104)の説明従来の技術で述べたように、馬や牛などの動物の虹彩部分の外側の輪郭の大部分はまぶたの下に隠れている場合が多い。そのため、画像中からこれを抽出すると抽出結果が不安定となり、認識精度の低下を招くことになる。
【0053】ここで、瞳孔がどれくらい散瞳または縮瞳しているかが分かれば、アイリスの外側の輪郭線がどの当たりにあるかを推定することができる。また、同じ馬の瞳孔に円弧を当てはめた場合、散瞳状態では中心角が大きく、縮瞳状態では中心角が小さくなることから、この中心角の大きさによって、瞳孔の散瞳・縮瞳の度合(以降、瞳孔開閉度と呼ぶ)を表すことができる。
【0054】図12は、同一馬における縮瞳状態と散瞳状態の瞳孔円の説明図である。図示のように、縮瞳状態では瞳孔中心角Apが小さく、散瞳状態では瞳孔中心角Cpが大きいことが分かる。
【0055】以下、具体的なアイリス円の推定の例を説明する。図13は、瞳孔円当てはめ処理(ステップS103)によって抽出された円の座標系を説明するための図である。
【0056】図13において、瞳孔円Cpの中心角をApとし、これを瞳孔中心角と呼ぶ。瞳孔円Cpの半径の大きさをrpとする。また、推定するアイリス円Ciの半径の大きさをriとする。瞳孔円とアイリス円の中心および中心角は同じである。
【0057】ある馬に対して、図1のステップS101〜S103の方法で瞳孔円Cpを抽出する。そのときの瞳孔中心角Apに対する瞳孔円の半径rpとアイリス円の半径riの比ratioIPを測定する。
ratioIP=ri/rpこの測定を複数の馬の種々の瞳孔開閉度に対して行い、ApとratioIPの関係のグラフを得る。この測定結果からApとratioIPの関係の近似式RatioIP(Ap)を計算する。
【0058】ここでRatioIP(Ap)は、ある状態の瞳孔の瞳孔中心角Apを入力すると、その時の瞳孔円Cpとアイリス円Ciの半径の比を出力するもので、瞳孔円の半径rpは既知であるため、そこからアイリス円の半径riを計算することができる。
ri=RatioIP(Ap)×rp【0059】アイリス円の推定は上記方法以外に、瞳孔に対して楕円を当てはめ、その楕円の長軸と短軸の比によってアイリスの外側の境界線の半径を推定する方法などでもよい。この方法によっても瞳孔の散瞳状態、縮瞳状態に応じて高精度で虹彩領域の抽出を行うことができる。
【0060】以上が、本発明の虹彩領域抽出方法に対応する動作である。このように本発明の虹彩領域抽出方法では、目画像から虹彩領域を抽出する場合、虹彩領域の内側と外側の境界線に円の一部を当てはめて抽出するようにしたので、瞳孔の形状が円形ではない馬や牛であってもその瞳孔抽出を高精度で行うことができる。
【0061】また、瞳孔の形状に基づいて虹彩領域の外側の境界線を推定するようにしたので、瞳孔の散瞳状態、縮瞳状態に応じて高精度で虹彩領域の抽出を行うことができる。
【0062】更に、瞳孔両端とその円の中心を結ぶ二つの直線のなす角によって虹彩領域の外側境界線の半径を推定するようにしたので、より正確に虹彩領域の外側境界線を求めることができ、高精度の瞳孔領域抽出を行うことができる。
【0063】●アイリスコード化矩形取得処理(ステップS105)の説明図14は、アイリスコード化矩形取得処理(ステップS105)の説明図である。
【0064】アイリスコードは、瞳孔円Cpの中心Pを原点とする極座標系をx−y座標系に線形写像した領域に対して生成する。図14のように、円周方向の座標当てはめ誤差を吸収するため、瞳孔中心角Apに対してマージンdaをとった角度を、コード化基準角Acとする。また、アイリスの下の部分はまぶたに隠れることがあるため、半径rp<rc<riとなるアイリスコード化基準円Ccを設定する。
【0065】アイリスコードを生成するための矩形データであるアイリスコード矩形RIは、アイリスコード化基準円Cc、瞳孔円Cpと図14のLc1、Lc2に挟まれた範囲を線形写像したものである。以降の説明では、アイリスコード矩形RIのサイズ(幅×高さ)は、rw×rhであるとする。
【0066】●アイリスコード生成処理(ステップS106)の説明図15は、アイリスコード生成処理(ステップS106)の説明図である。公知の2Dガボールフィルタのサイズを、gw×gh、コード長をLA、アイリスの半径方向(図面上下方向)に沿った分割数をNAとする。
【0067】フィルタリング矩形のサイズをiw×ihとすると、iw=LA+gw、ih=NA×ghとなる(ある点でのコンボリューションを求めるためには、その前後±gw/2の幅の領域に対する情報が必要であるためiw=LA+gwとなる)。アイリスコード矩形RIからこのフィルタリング矩形を切りとり、アイリスコードを生成する。
【0068】図15は、NA=8の例であり、図15(b)の方向にフィルタリング(コンボリューションの計算)を行い、図15(c)のような0または1の系列を得るものとする。即ち、このアイリスコードは、アイリスの円周方向に沿ったアイリスコードとなる。
【0069】●アイリスコード比較処理(ステップS107)の説明登録コード記憶部108に予め登録しておいたアイリスコードと、入力画像から生成されたアイリスコードのハミング距離を計算し、本人であるか他人であるかの判断を行う。この処理は従来と同様である。
【0070】尚、上記具体例1の説明で、アイリスコードを生成する領域を瞳孔の下側に限定したが、上下左右を含めても良い、また、瞳孔円、アイリス円を瞳孔領域の主軸を中心に対称移動して、瞳孔の上側をコード化領域にしても良い。
【0071】この座標系の設定方法は、馬や牛などの草食動物以外に、犬、猫など他の動物、人間などにも利用可能である。例えば、猫のように瞳孔の形が縦長の形状の場合は、画像を90度回転させるか、上記の方法の各パラメータを90度回転させたものに変更するなどして利用できる。また、アイリス円推定は、強膜とアイリスの境界が見えている場合でも利用可能である。
【0072】〈効果〉以上のように具体例1の個体識別装置によれば、瞳孔の輪郭のに円の一部を当てはめ、かつ、瞳孔両端とその円の中心を結ぶ二つの直線のなす角によって虹彩領域の外側境界線を求めて虹彩領域を決定し、この虹彩領域のアイリスコードを用いて個体識別処理を行うようにしたので、馬や牛のように、瞳孔やアイリスの形状が円近似できなくても、アイリスによる個体識別を行うことができる。また、アイリスの外側がまぶたで隠れたりしていても、コード化のための座標系の当てはめを、安定して行うことができる。
【0073】《具体例2》具体例2は、取得した画像の二つの方向のコードを生成し、これら二つのコードに基づき照合を行うようにした個体識別装置である。
【0074】〈構成〉図16は本発明の個体識別装置の具体例2の構成図である。図の装置は、カメラ201、瞳孔輪郭抽出部202、瞳孔円・アイリス円設定部203、円周分割帯設定部204、第1アイリスコード生成部205、第2アイリスコード生成部206、アイリスコード比較部207、複合判定部208、照合結果表示部209、登録コード記憶部210からなる。
【0075】ここで、カメラ201〜円周分割帯設定部204は、具体例1におけるカメラ101〜円周分割帯設定部104と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0076】第1アイリスコード生成部205は、円周分割帯設定部204で取得した画像に対して周波数フィルタを用いてコード化する機能部である。第2アイリスコード生成部206は、円周分割帯設定部204で取得した画像に対して周波数フィルタを用いて、第1アイリスコード生成部205とは直交する方向のコードを生成する機能部である。
【0077】アイリスコード比較部207は、第1、第2アイリスコード生成部205、206で生成したアイリスコードと、予め登録したアイリスコードとの比較演算を行う機能部である。複合判定部208は、アイリスコード比較部207における二つのアイリスコードと登録コードとの比較結果を複合判定する機能部である。
【0078】照合結果表示部209は、複合判定部208の結果から入力された目が、登録してある動物の目と一致するかどうかを判断し、表示する装置である。登録コード記憶部210は、カメラ201から第2アイリスコード生成部206までの方法を用いて予め登録したアイリスコードを記憶する機能部である。
【0079】〈動作〉図17は、具体例2の動作を示すフローチャートである。各部の説明は以下の通りである。
[ステップS401〜ステップS405]具体例1における図1のステップS101〜ステップS105と同様である。
【0080】[ステップS406]第1アイリスコード生成部205は、矩形領域を分割し、各分割帯域に対して2−Dガボールフィルタ等を用いてコード化を行い、第1のアイリスコードを得る。
【0081】[ステップS407]第2アイリスコード生成部206は、矩形領域を、上記ステップS406とは直交する方向に分割し、各分割帯域に対して2−Dガボールフィルタ等を用いてコード化を行い、第2のアイリスコードを得る。
【0082】[ステップS408]アイリスコード比較部207では、上記で生成したアイリスコードと予め登録しておいたアイリスコードを比較し、二つの相違度を求める。
【0083】[ステップS409]複合判定部208では、ステップS408の結果を複合的に判断し、本体であるか他体であるかの判定を行う。
【0084】[ステップS410]照合結果表示部209では、ステップS409の結果を表示する。
【0085】上記ステップS406で、第1の分割の方向は具体例1と同じとする。この分割の方向は、入力画像上では極座標系の角度方向に沿った方向であり、従来と同様に、アイリスの内側と外側の境界の間を環状帯に切ったものとなる。
【0086】●第2のアイリスコードの生成処理(ステップS407)の説明図18は、第2のアイリスコード生成処理(ステップS407)の説明図である。
【0087】公知の2−Dガボールフィルタのサイズを、gw×gh、コード長をLR、分割数をNRとする。
【0088】分割方向は垂直方向である。入力画像上では極座標系の半径方向に沿った方向であり、アイリスの内側と外側の境界の間を円周に沿った方向(第1のアイリスコードの方向)とは垂直な方向に切ったものとなる。また、2−Dガボールフィルタで検出する波の方向も第1のアイリスコード生成時とは直交するものとなる。
【0089】フィルタリング矩形のサイズをiw×ihとすると、iw=NR×gw、ih=LR+ghとなる(ある点でのコンボリューションを求めるためには、その上下±gh/2の幅の領域に対する情報が必要であるためih=LR+ghとなる)。アイリスコード矩形RIからこのフィルタリング矩形を切りとり、アイリスコードを生成する。図18は、NR=14の例であり、図18(b)の方向にフィルタリング(コンボリューションの計算)を行い、図18(c)のような0または1の系列を得るものとする。
【0090】●アイリスコード比較処理(ステップS409)説明予め、ステップS401〜ステップS408の処理によって作成しておいた登録コードとの比較を行う。
【0091】登録コードは第1のアイリスコードと第2のアイリスコードをそれぞれ持っているものとし、従来例と同じ方法で、第1のアイリスコード同士、第2のアイリスコード同士のコード比較を行う。コード比較の結果、入力アイリスコードと登録アイリスコードの相違度(ハミング距離)が二つ出力される。
【0092】第1のアイリスコードの入力アイリスコードと登録アイリスコードの相違度(ハミング距離)をD1、第2のアイリスコードの入力アイリスコードと登録アイリスコードの相違度(ハミング距離)をD2とする。
【0093】入力画像が登録しているコードと同じ動物の目であるか否かの判定は、判定1:D1が予め定めておいた閾値T1より小さい。
判定2:D2が予め定めておいた閾値T2より小さい。
判定3:D1とD2の複合距離Dsが予め定めておいた閾値Tsより小さい。
のいずれかで判断する。
【0094】判定1と判定2の閾値T1、T2の決定方法および判定方法は従来と同じである。一方、判定3におけるD1とD2の複合距離Dsの求め方は、例えば次のように行う。予め、・本体同士のD1の分布とD2の分布・他体同士のD1の分布とD2の分布を測定し、二次元平面にプロットする。
【0095】図19は、相違度分布の説明図である。図19(a)の例では、D1を横軸(x軸)に、D2を縦軸(y軸)にプロットしたものである。この図から他体同士の分布の重心Goを求め、原点とGoを結ぶ直線上に、図19(a)上の全ての点を射影する(図19(b))。
【0096】この直線上の原点からの距離がD1とD2の複合距離Dsとなり、これを用いて本体と他体を分ける閾値を設定する。また、この直線の方程式を記録しておき、新たな入力画像に対するD1とD2の複合距離Dsを同様に計算し、入力画像が登録してあるコードと同じ動物の目であるか否かの判定を行う。
【0097】射影を行う直線は、・本体同士の分布の重心と原点を結ぶ直線・本体同士の分布を主成分分析した時の主軸・他体同士の分布を主成分分析した時の主軸などでもよい。
【0098】判定1〜判定3は、それぞれ単独の判定結果をシステム全体の判定結果としても良いし、判定3の判定結果をシステム全体の判定結果としても良い。
【0099】また、判定3の代わりに、パターンマッチングのように二次元平面上で二つのクラスを分類するための手法であれば、他の判定法を用いることができる。
【0100】以上が、図17のフローチャートの説明である。
【0101】尚、上記具体例2において、二つのアイリスコードを生成する方法は、牛や馬に限らず、犬や猫などの他の動物、人間などにも利用可能である。特に、動物だけでなく人間への適用であっても、二つのアイリスコードで個人識別を行うため、より精度の高い識別を行うことができる。
【0102】〈効果〉以上のように、具体例2の虹彩領域抽出方法によれば、虹彩領域を円周に沿う方向と、円周に垂直な方向の二つの方向でそれぞれ分割し、それぞれの分割帯に対して予め決められた画像処理を行ってコード化し、二つのアイリスコードを得るようにしたので、一つの虹彩領域画像から二つの特徴データを得ることができる。
【0103】また、具体例2の個体識別装置によれば、2方向のパターンを解析してこれらのパターンを照合するようにしたので、1方向のパターンのみを解析した場合より精度の高い照合結果を得ることができる。




 

 


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