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発明の名称 アイリスコード生成装置およびアイリス認識システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−33080(P2000−33080A)
公開日 平成12年2月2日(2000.2.2)
出願番号 特願平10−203468
出願日 平成10年7月17日(1998.7.17)
代理人 【識別番号】100089093
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 健治
【テーマコード(参考)】
4C038
5B043
5B047
【Fターム(参考)】
4C038 VA07 VB04 VC05 
5B043 AA09 AA10 BA04 DA05 GA02
5B047 AA23 BA02 BB01 BC11 CA04
発明者 小田 高広
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 目の画像から取得したアイリスの特徴点をコード化してアイリスコードを生成するアイリスコード生成装置において、目の画像を撮影する撮影手段と、撮影した目の画像を処理する画像処理手段と、被撮影者の目に生体反応を喚起させる刺激手段と、前記刺激手段によって喚起された生体反応に応じて、前記撮影手段によって撮影された目の画像が生物のものであるのか否かを判別する制御手段とを有することを特徴とするアイリスコード生成装置。
【請求項2】 目の画像から取得したアイリスの特徴点をコード化してアイリスコードを生成するアイリスコード生成装置において、目の画像を撮影する撮影手段と、撮影した目の画像を処理する画像処理手段と、被撮影者の目に生体反応を喚起させる刺激手段と、前記刺激手段によって喚起された生体反応に応じて、前記撮影手段または前記画像処理手段の真偽を判別する制御手段とを有することを特徴とするアイリスコード生成装置。
【請求項3】 前記刺激手段は可視光を発する光源と近赤外光を発する光源とからなることを特徴とする請求項1または2に記載のアイリスコード生成装置。
【請求項4】 前記刺激手段は可視光を発する光源を中心にして、その周囲に複数の近赤外光を発する光源を配置したことを特徴とする請求項3に記載のアイリスコード生成装置。
【請求項5】 前記制御手段は、前記複数の近赤外光を発する光源から目の画像に対して照射された光の位置に基づいて、前記撮影手段または前記画像処理手段の真偽を判別することを特徴とする請求項3または4に記載のアイリスコード生成装置。
【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のアイリスコード生成装置を備え、前記アイリスコード生成装置によって生成されたアイリスコードを予めアイリスコードを登録したデータベースに照合して個人を識別することを特徴とするアイリス認識システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、個人識別等に用いられるアイリスコードを生成するアイリスコード生成装置、および当該装置を備え、インターネット等のネットワークにアクセスする情報通信端末や部屋に出入りする人物を管理する入退室端末等の機器に適用されるアイリス認識システムに関する。
【0002】
【従来の技術】アイリスコードは、目の中の虹彩(アイリス)の模様(以下、アイリスパターンという)を基にして、その特徴点をデジタルコード化したデータである。アイリスコードは個人毎に異なるので高い個人識別性を有している。そのため、例えば、インターネット等のネットワークにアクセスする情報通信端末や部屋に出入りする人物を管理する入退室端末等の機器において、ネットワークにアクセスする人物が電子決済や電子認証等のサービスを受けれる正当な権利を有する人物であるのか否かを識別したり、部屋に出入りする人物が部屋に出入りすることが許可された人物であるのか否かを識別するための本人識別手段に用いることが提唱されている。以下に、本人識別手段の具体的な構成を説明する。なお、本人識別手段は被識別者が本人(前述のサービスを受けれる正当な権利を有する人物や部屋に出入りすることが許可された人物を総称して本人という)であるか否かを識別するようにプログラムされているが、被識別者が誰であるのかを識別するようにプログラムすることもできる。
【0003】図7は本人識別手段としてのアイリス認識システムの構成を示す図である。図中、3はアイリスコード生成装置であり、8はホストコンピュータ(以下、HOSTという)である。
【0004】アイリスコード生成装置3は、人物1の目の画像2を撮影するカメラ4と、撮影された目の画像を拡大したり、アイリスの切り出し等を行なう画像キャプチャボード6と、アイリスコードを生成するアイリスコード生成部7を含むパソコン(以下、PCという)5とから構成される。またHOST8は、氏名等の本人に関するデータとアイリスコードとが対応付けられて登録されているアイリスコード登録データベース9と、カメラによって撮影されたアイリスコードとアイリスコード登録データベース9に登録されているアイリスコードを照合して本人であるのか否かを識別する本人識別照合部10とから構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】悪意有る者(以下、第三者という)は様々な不正な手段によってシステムに侵入することを試みるものと予測される。例えば、第三者は他人のアイリスコードを盗んだり、偽造することが考えられる。また、第三者は本人識別照合に耐えられるほど精確な他人の目の画像を取得することが考えられる。さらに、第三者はシステムの構成物の一部(例えばカメラ4や画像キャプチャボード6等)を不正なものと交換したり接続することが考えられる。仮に、第三者がこのような不正な手段によってシステムに侵入しえた場合に、第三者は他人になりすまして様々な犯罪(法律に規定されない不正な行為を含む)を行なうおそれがある。
【0006】本発明は、このような不正な手段を検知し、犯罪を未然に防ぐことができるアイリスコード生成装置やアイリス認識システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明に係るアイリスコード生成装置は、目の画像を撮影する撮影手段と、撮影した目の画像を処理する画像処理手段と、被撮影者の目に生体反応を喚起させる刺激手段と、前記刺激手段によって喚起された生体反応に応じて、前記撮影手段によって撮影された目の画像が生物のものであるのか否かを判別する制御手段とを有する構成とした。
【0008】あるいは、アイリスコード生成装置は、目の画像を撮影する撮影手段と、撮影した目の画像を処理する画像処理手段と、被撮影者の目に生体反応を喚起させる刺激手段と、前記刺激手段によって喚起された生体反応に応じて、前記撮影手段または前記画像処理手段の真偽を判別する制御手段とを有する構成とした。
【0009】また、前記刺激手段は可視光を発する光源と近赤外光を発する光源とからなる構成とした。しかも、前記刺激手段は可視光を発する光源を中心にして、その周囲に複数の近赤外光を発する光源を配置する構成とした。これは、被撮影者は目視できる可視光に視線を合わせるため、可視光源が瞳孔の中心付近に位置決めされるとともに、複数の近赤外光源も瞳孔の中心から規則正しく位置決めされ、近赤外光が本人識別に用いられるアイリスパターンに重なることがないようにするためである。
【0010】さらに、前記制御手段は、前記複数の近赤外光を発する光源から目の画像に対して照射された光の位置に基づいて、前記撮影手段または前記画像処理手段の真偽を判別する構成とした。
【0011】また、本発明に係るアイリス認識システムは、前記のアイリスコード生成装置を備え、前記アイリスコード生成装置によって生成されたアイリスコードを予めアイリスコードを登録したデータベースに照合して個人を識別する構成とした。
【0012】本発明は、これにより前記撮影手段によって撮影された目の画像が生物のものであるのか否かを判別することができる。また、前記撮影手段または前記画像処理手段の真偽を判別することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、被撮影者がリアルタイムで目の画像を正規のシステムに入力しているのか、それとも不正な手段によって入力しているのかを検知する。これにより第三者が他人になりすまして犯罪(法律に規定されない不正な行為を含む)を犯すのを未然に防止する。
【0014】以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】被撮影者がカメラの前にいて、リアルタイムで目の画像をシステムに入力する場合に、入力された目の画像は、入力時間や被撮影者の姿勢、外部環境(設置場所の温度や湿度、明るさ等)等によって不連続的に刻一刻と変化する。本発明では、この変化を目の生体反応と表現する。目の生体反応は、(1)縮瞳(瞳孔の径が縮む)、(2)瞳孔反射(瞳孔が光を反射する)、(3)瞳孔動揺(瞳孔が動く)、(4)眼球運動(眼球が動く)、(5)まばたき(まぶたが動く)等がある。本発明はこれらの反応を利用して、システムに入力された目の画像の真偽(生物のものであるのか否か)を判定したり、システムの構成物の真偽(正規のものであるのか否か)を判定する。
【0016】例えば、本発明は、アイリスコードを生成する前に、システムに入力された目の画像の真偽(生物のものであるのか否か)の判定を行なう。その構成は、システムに被撮影者の目に生体反応を喚起させる手段(以下、刺激手段という)を設け、カメラにて被撮影者の目の画像を撮影する毎に被撮影者の目の生体反応を検査するためのコード(以下、ライフチェックコードという)を乱数的に作成し、同ライフチェックコードによって刺激手段を制御しつつ被撮影者の目の画像を撮影し、その画像を検証するというものである。
【0017】被撮影者の目の画像は、被撮影者がカメラからリアルタイムにアイリスを入力している場合は刺激手段によって何らかの生体反応を示すが、被撮影者がカメラからアイリスを入力していない場合は生体反応を示さない。そのため、本発明はシステムに入力された目の画像の真偽の判定ができる。
【0018】また、本発明は、アイリスコードを生成する前に、システムの構成物(例えばカメラや画像キャプチャボード等)の真偽(正規のものであるのか否か)の判定を行なう。その構成は、前述の刺激手段を設け、カメラにて被撮影者の目の画像を撮影する毎にライフチェックコードを乱数的に作成し、同ライフチェックコードによって刺激手段を制御しつつ被撮影者の目の画像を撮影し、その画像を用いて前述のシステムの構成物が正規の処理を行なっているのか否かを検証するというものである。
【0019】前述のシステムの構成物は、システムの正規のものであればライフチェックコードに応じた生体反応が示された被撮影者の目の画像を撮影したり、画像処理することできるが、不正なものであればライフチェックコードに応じた生体反応が示された被撮影者の目の画像を撮影したり、画像処理することできない。そのため、本発明は前述のシステムの構成物の真偽の判定ができる。
【0020】本発明は、特に、次の2つの点から第三者が不正や犯罪を犯しにくくしている。すなわち、本発明はライフチェックコードを乱数的に作成するため、第三者が一定しないライフチェックコードを予測することは不可能に近い。また、仮に第三者が同ライフチェックコードを入手して生体反応があるかのような目の画像を偽造しえたとしても、本人が実際に目の画像をシステムに入力して本人識別の照合を行なう場合の処理時間と同等の早さでその画像を入力して本人識別の照合を行なうことは不可能である。
【0021】<刺激手段について>以下、例えば前述の(1)の縮瞳と(2)の瞳孔反射の2つの反応を利用した実施例を説明する。
【0022】図1は被撮影者の目に生体反応を喚起させる刺激手段の原理を示す図である。図中、11は刺激手段となる点光源であり、可視光(波長が約400nm〜700nmのもの)を発する光源(以下、可視光源という)12を中心にして、その周囲に複数(本実施例では4つ)の近赤外光(波長が約700nm〜1000nmのもの)を発する光源(以下、近赤外光源という)13を配置した構成となっている。なお、以下、このように5つの光源を有する点光源を5点光源という。5点光源11は被撮影者の目に可視光および近赤外光を照射するように配置される。
【0023】4は被撮影者の目2の画像を撮影するカメラであり、そのレンズには可視光を遮断する可視光カットガラス14が取り付けられている。
【0024】15〜17は、以下の条件により、5点光源12により生体反応が喚起された状態で撮影された被撮影者の目の画像である。なお、図1では説明しやすいように、5点光源11の可視光が当る位置にも光源反射点を示しているが、実際には、カメラ4に装着された可視光カットガラス14により撮影されない。
【0025】画像15は、可視光源12の光量を最大にして瞳孔の径を最小にした上で、4つの近赤外光源13を点灯させて瞳孔表面で光を反射させている。
【0026】画像16は、可視光源12の光量を中間にした上で、3つの近赤外光源13を点灯させて瞳孔表面で光を反射させている。なお、このときの可視光源12の光量は、可視光源12の光量が最大の場合の瞳孔の径の大きさと光量が最小の場合の瞳孔の径の大きさの中間になるように設定されている。
【0027】画像17は、可視光源12の光量を最小にして瞳孔の径を最大にした上で、2つの近赤外光源13を点灯させて瞳孔表面で光を反射させている。
【0028】これらに示されるように、被撮影者の目は、5点光源11から外的な刺激を受けることによって生体反応が喚起される。例えば、瞳孔は可視光源12の光量が大きくなるほど径が小さくなる。そこで、可視光源12の光量を制御することによって、瞳孔の径を変化させることができる。また、瞳孔は光を反射する。そこで、近赤外光源13の点灯数を制御することによって、瞳孔表面に写る反射点の数を変化させることができる。
【0029】なお、可視光源12と近赤外光源13の波長の異なる光源を用いる理由は2つある。
【0030】第1に、予測した生体反応が撮影できるように、それぞれの生体反応を独立に喚起させるためである。つまり、瞳孔の径を変化させるように光源を制御しているのに瞳孔表面の反射光の数も変化したり、瞳孔の反射光の数を変化させるように光源を制御しているのに瞳孔の径も変化するようなことがないようにするためである。これにより、被撮影者が正規の手段で入力しているにも関わらず、不正な手段で入力していると判断しないようにする。
【0031】第2に、アイリスは近赤外光に対して特に強く反射する特性があるからである。つまり、近赤外光を目に照射すると、アイリスは瞳孔よりも明るくなって撮影することができる。そのため、近赤外光源13を被撮影者の目に照明することで、アイリスと瞳孔の境界を鮮明にして撮影できるとともに、アイリスパターンも明るく撮影できるからである。
【0032】ところで、本実施例では、カメラ4のレンズに可視光を遮断し、近赤外光を透過する可視光カットガラス14が取り付けられている。これは、カメラ4のCCD素子(撮影素子)が可視光源12による反射成分に反応しやすい傾向があるため、近赤外光源13の照明によって反射したアイリスパターンが可視光源12の反射成分に隠れた状態で撮影されがちになるのを防ぐためである。本実施例は、これにより近赤外光を反射する部分のみを高精細に撮影することができる。
【0033】本実施例の場合、生体反応のパターン数は、1回のサンプリングにおいて、可視光源12の光量を制御するパターン数が3通りあり、また近赤外光源13の点灯を制御するパターン数が2の4乗通りあるので、これらをかけ合せると48通りとなる。それをパターンを違えて複数回、例えば5回サンプリングする場合、総パターン数は48の5乗通り、すなわち、254、803、968通りとなる。
【0034】第三者が他人になりすまそうとする場合、第三者は48通りのパターンの他人の目の画像を用意し、前述の総パターン数だけ存在するライフチェックコードに同期して入力するか、あるいは同ライフチェックコードを読み取って、このライフチェックコードに同期した他人の目の画像を偽造して入力するしかない。しかしながら、このようなことを行なえば処理時間がかかるため、システムは第三者の不正を検出することができる。したがって、第三者が他人になりすますことは困難である。
【0035】<システムの構成について>図2は、このようなアイリスコード生成装置を備えたアイリス認識システムの構成を示す図である。なお、基本的な構成は、従来技術と同様であるので、従来技術で説明した構成については同じ符号を付して説明する。
【0036】図中、18はアイリス画像入力部であり、19はアイリス画像処理部である。
【0037】アイリス画像入力部18の構成は以下の通りである。すなわち、アイリス画像入力部18は、5点光源11と、イルミネーションドライバー20と、レンズ21と、レンズドライバー22と、CCD素子23と、スキャンニング処理部24と、シグナルセキュリティドライバー(以下、SSDという)25とを備える。
【0038】5点光源11は前述の通りである。
【0039】イルミネーションドライバー20はライフチェックコードによって5点光源11の各光源の点灯・消灯を制御する。
【0040】レンズドライバー22は、CCD素子23からの信号を用いて、レンズ21の位置や絞りの開放率を制御し、画像のピントを調整する。
【0041】スキャニング処理部24は、CCD素子23の各画素に結像した画像のコントラストパターン(光量の強弱パターン)の強弱に比例して出力する電圧(以下、コントラスト電圧という)を検出し、水平方向の画素と垂直方向の画素とで合成して画像を取得して記憶する。記憶する画像のフレーム数はライフチェックコードによって規定されており、スキャニング処理部24は、規定された数のフレームがサンプリングできた段階でフレーム単位で画像をSSD25を介してアイリス画像処理部19に送信する。なお、スキャニング処理部24は、各画素ごとにコントラスト電圧が独立に出力できる場合には、画像の読取方法をランダムに変えることができる。例えば、縦・横・斜め等の読取方法をライフチェックコードの一部に関係づけて行なうことが可能である。すなわち、ライフチェックコードの中から一部を抽出し、その値を3で割り、余りがないときは縦方向読取、余りが1のときは横方向読取、余りが2のときは斜め読取と設定することができる。
【0042】SSD25は、アイリス画像入力部18とアイリス画像処理部19の間を接続するケーブルやデータのセキュリティを管理する。
【0043】例えば、アイリス画像データや後述のライフチェックコードが外部に漏れないように、データを送受信する前に、ケーブルのインダクタンス等を計測して同値に変化がないことを識別する。これによりケーブルにバイパス線が追加されるとインダクタンス等の値が変化するため、不正な行為を検出し、データが外部に漏洩するのを防止することができる。また、仮にデータが外部に漏洩してもそれを解読できないようデータを暗号化する。これは、例えば公知のRSA等の暗号化の理論を用いることによって行なうことができる。また、スキャニング処理部24で説明した画像の読取方法の変換を用いることによって行なうことができる。更に、ライフチェックコードの3rdコードの値を10進数値に変換した値Nが偶数か奇数かで、サンプリングした画像のフレーム送信順番を変化させることによって行なうことができる。これらの暗号化によって、仮に画像が漏洩しても、正しい生体反応を示す目の画像を復元して正しい順番通りに送信することができず、第三者が他人になりすますのを防止することができる。
【0044】アイリス画像処理部19は従来技術における画像キャプチャボード6に後述のライフチェック処理部を組み込んだものであり、PC5に装着される。ライフチェック処理部26は、ライフチェックコードを乱数的に作成するライフチェック制御部27と、システムに入力された目の画像の真偽(生物のものであるのか否か)を判定したり、システムの構成物の真偽(正規のものであるのか否か)を判定する真偽判定処理部28を備える。
【0045】ライフチェック制御部27は、ライフチェックコードを乱数的に作成する。このライフチェックコードはイルミネーションドライバー20に供給され、イルミネーションドライバー20はこのライフチェックコードに基づいて5点光源11の各光源を点灯させる。これによって、被撮影者の目は外的刺激を受けて生体反応が喚起される。
【0046】真偽判定処理部28は、ライフチェック制御部27からこのライフチェックコードを受けとるとともに、このライフチェックコードに基づく外的刺激に反応した被撮影者の目の画像データをアイリス画像入力部11から受けとる。そして、この画像を所定の手順で縮瞳や瞳孔反射等の生体反応の特徴を抽出し、生体反応の特徴の有無によって画像が生物のものであるのか否かを検証する。すなわち、生体反応の特徴が有れば画像は生物のものであると判断して引き続き本人識別照合のための処理を行ない、生体反応の特徴が無けらば画像は生物のものでないと判断して以降の処理を中止する。真偽判定処理部28は、生体反応の特徴が有る場合、抽出した生体反応の特徴からライフチェックコードを算出し、算出したコードと先にライフチェック制御部27から受け取ったライフチェックコードとを比較して一致するのか否かを識別する。真偽判定処理部28は、一致すれば目の画像が真正なものであり、またカメラ4がシステムの真正なものであると判断して引き続き本人識別照合のための処理を行ない、一致しなければ目の画像が真正なものではない、あるいはカメラ4がシステムの真正なものではないと判断して以降の処理を中止する。
【0047】また、アイリス画像処理部19は、画像処理部29と、SSD30を備える。
【0048】画像処理部29は、SSD25によってサンプリング順番が変えられて送信された画像の順番を正規の順番に戻して真偽判定処理部28に送信するとともに、真偽判定処理部28で判断された画像の真偽判定の結果を得て、アイリスコード生成部7に画像を送信する。
【0049】SSD30は、SSD25と同様にしてアイリス画像入力部18とアイリス画像処理部19の間を接続するケーブルやデータのセキュリティを管理する。
【0050】このようなアイリス画像処理部19が装着されるPC5は、アイリスコード生成部7と、HOST8との間で入出力する信号を調停したり暗号化するセキュリティコード処理部31を備える。
【0051】アイリスコード生成部7は、画像処理部29から送信された真正なアイリス画像からアイリスコードを生成する。なお、撮影された画像は図1の画像15〜17のようになる。これらに示されるように生体反応を示す部分はアイリスパターン上にないので、アイリスコードを生成するときの支障になることはない。
【0052】セキュリティコード処理部31は、RSA等の暗号化技術を用いてアイリスコードの暗号化処理を行う。つまり、PC5は暗号コード(公開カギ)を用いてアイリスコードを暗号化してHOST8に送信し、HOST8は受信したアイリスコードから復元コード(秘密カギ)を用いて被撮影者の真のアイリスコードを復元する。なお、仮に、第三者が暗号化されたアイリスコードと暗号コードを盗んでも、第三者はHOST8がもつ復元コードを生成することはできないため、他人のアイリスコードを復元することはできず、不正を行うことはできない。
【0053】また、このようなPC5と通信回線等によって接続されるHOST8は、アイリスコード登録データベース9と、本人識別照合部10と、アイリス画像処理部19との間で入出力する信号を調停したり暗号化するセキュリティコード処理部32を備える。
【0054】なお、本実施例では刺激手段として縮瞳と瞳孔反射を利用したものを説明しているが、その他の瞳孔動揺や眼球運動、まばたき等を利用したものもありえる。本発明はこれら他の反応を利用したものも含むものである。
【0055】また、ライフチェック処理部26は画像キャプチャーボードであるアイリス画像処理部19からPC5側に移した構成とし、アイリス画像処理部19に対しても真偽を判定する構成にすることができる。さらに、アイリス画像入力部18とアイリス画像処理部19及びPC5を被撮影者が所有または管理するシステムとし、PC5とHOST8間を公共の通信網を利用する構成にすることができる。また、アイリス画像入力部18のみを被撮影者が所有または管理するシステムとし、アイリス画像処理部19及びPC5をHOST8と一体化して、アイリス画像処理部19及びPC5を一体化したHOST8のライフチェック処理部26によって被撮影者が入力した目の画像の真偽及びアイリス画像入力部18の構成物の真偽を判定する構成にすることもできる。本発明はこれら構成も含むものである。
【0056】<システムの動作について>以下に、真偽判定メカニズムを説明する。
【0057】まず、ライフチェック処理部26のライフチェック制御部27がライフチャックコードを算出し、同コードをSSD30を介してアイリス画像入力部18に送信するとともに、真偽判定処理部28に送信する。なお、以下の説明ではこのときのコードをライフチェックコードINという。このコードは、後処理において、真偽判定処理部28で使用されることになる。
【0058】次に、アイリス画像入力部18はSSD25を介して同コードを受信し、同コードを解読してイルミネーションドライバー20に送信する。イルミネーションドライバー20は、ライフチェックコードINに基づいて5点光源11の各光源を点灯させて被撮影者の目に外的刺激を与える。このとき、被撮影者が前述した本人の場合にはリアルタイムで予期する通りの生体反応を示すことができるが、被撮影者が本人でない場合(第三者が他人になりすましている場合)にはこのような生体反応を示すことができない。
【0059】被撮影者の目の画像はレンズ21を通してCCD画素23に結像される。スキャニング処理部24はライフチェックコードINによって規定されたサンプリング周期、すなわち5点光源11の制御周期とは同期した周期で撮影された画像をサンプリングして記憶しつづける。そして、スキャニング処理部24はライフチェックコードINによって規定されたフレーム数サンプリングすると、SSD25によって画像データを所定のデータ変換処理(サンプリングの順序を変換)してアイリス画像処理部19に送信する。
【0060】次に、アイリス画像処理部19はSSD30を介して画像データを受信し、画像処理部29に送信する。画像処理部29はサンプリングの順序を解読して画像データを元の順序に変換し、真偽判定処理部28に送信する。
【0061】真偽判定処理部28は、画像データから所定の手順で縮瞳や瞳孔反射等の生体反応の特徴を抽出し、生体反応の特徴の有無によって画像が生物のものであるのか否かを検証する。すなわち、生体反応の特徴が有れば画像は生物のものであると判断して引き続き本人識別照合のための処理を行ない、生体反応の特徴が無けらば画像は生物のものでないと判断して以降の処理を中止する。生体反応の特徴が有る場合、抽出した生体反応の特徴からライフチェックコード(以後、ライフチェックコードOUTという)を算出し、ライフチェックコードOUTとライフチェックコードINとを比較して一致するのか否かを識別する。一致すれば目の画像が真正なものであり、またアイリス入力部18がシステムの真正なものであると判断して画像処理部29に真である旨の信号を送信し、一致しなければ目の画像が真正なものではない、あるいはアイリス入力部18がシステムの真正なものではないと判断して偽である旨の信号を送信する。
【0062】画像処理部29は、真偽判定処理部28から真である旨の信号を受信した場合にはアイリスコード生成部7に画像データを送信する。真偽判定処理部28から偽である旨の信号を受信した場合には以降の処理を中止する旨の信号をPC5に送信する。
【0063】アイリスコード生成部7は画像処理部29から受信した画像データに基づいて被撮影者のアイリスコードを生成し、セキュリティコード処理部31によってアイリスコードを暗号化してHOST8に送信する。
【0064】HOST8は、セキュリティコード処理部32を介してアイリスコードを受信して復号化し、本人識別照合部10に送信する。
【0065】本人識別照合部10は、受信したアイリスコードとアイリスコード登録データベース9に登録されているアイリスコードと比較して本人識別の照合を行なう。そして、その結果をPC5に送信する。
【0066】<真偽判定処理について>真偽判定処理部28は、アイリス画像入力部18から受信した画像データから以下のようにしてライフチェックコードOUTを算出し、ライフチェックコードOUTとライフチェックコードINとを比較して、画像の真偽判定やシステムの構成物の真偽判定を行なう。ところで、ライフチェックコードは、本実施例では可視光源12の光量を制御するとともに、4つの近赤外線光源13の点灯・消灯を制御し、またサンプリングするフレーム数を指示することができる。そこで、ライフチェックコードは、例えば可視光源12の光量を定めるコード(以下、1stコードという)と、近赤外線光源13の点灯・消灯を制御するコード(以下、2ndコードという)と、サンプリングするフレーム数を定めるコード(以下、3rdコードという)により構成されるものとする。
【0067】真偽判定処理部28は、画像の真偽判定およびシステムの構成物の真偽判定を行なうにあたり、瞳孔円検出と、瞳孔反射点検出と、フレーム数検出の3つの検出動作を行なう。
【0068】瞳孔円検出とは、画像データから瞳孔とアイリスの境界の円(以下、瞳孔円という)を抽出して瞳孔円のサイズを測定することである。瞳孔反射点検出とは、瞳孔表面に反射して画像上に形成された反射点(以下、瞳孔反射点という)を抽出して瞳孔反射点の数と位置を測定することである。フレーム数検出とは、サンプリングされた画像のフレーム数を検出することである。
【0069】瞳孔円検出により算出した瞳孔円のサイズDdは可視光源12の光量に反応したものであるので、瞳孔円のサイズDdを測定することで1stコードを求めることができる。そこで、真偽判定処理部28は、瞳孔円検出により瞳孔円のサイズDdを算出し、予め規定された基準に基づいて3段階に分類する。そして、分類が光量が大のものであるのか、中くらいのもであるのか、小のものであるのを判定し、1stコードを求める。なお、どのようにして瞳孔円を検出するのかについては後述する。
【0070】瞳孔反射点検出によりにより検出した瞳孔反射点は近赤外光源20の各光源の点灯を表している。そのため、真偽判定処理部28はその位置を識別することにより2ndコードを求めることができる。なお、どのようにして瞳孔反射点を検出するのかについては後述する。
【0071】3rdコードはアイリス画像入力部18から受信したフレーム数を検出により求めることができる。
【0072】以上によって、真偽判定処理部28はこれら3つのコードを求めることができ、これら3つのコードからライフチェックコードOUTを算出することができる。
【0073】<瞳孔円検出について>図3は瞳孔円検出の原理を説明する図である。図3は、CCD素子23の表面に結像した被撮影者の目の画像と同画像より得られるコントラスト電圧との関係を示している。同図の中央部分には撮影した目の画像が配されており、また、同図の右部分にはA−A’ラインを目の画像の左から右方向に走査したときのA−A’ライン上の画素から出力されるコントラスト電圧VAの波形図が配されている。また、同図の下部分にはB−B’ラインを目の画像の下から上方向に走査したときのB−B’ライン上の画素から出力されるコントラスト電圧VBの波形図が配されている。
【0074】図中、33は白目であり、34はアイリス、35は瞳孔、36は上瞼、37は下瞼、38はCCD素子、A−A’は水平方向の走査ライン、B−B’は垂直方向の走査ライン、VAとVBはコントラスト電圧、VA0とVB0はコントラスト電圧のしきい値、V1とV2V3とV4は瞳孔円の交点、Oは瞳孔円の中心である。なお、CCD素子23にて撮影される画像のコントラスト分布は、白目33が最も明るく、次に上下瞼36と37、アイリス34、瞳孔35の順となる。つまり、瞳孔が最も暗い部分となる。また、同図のCCD素子23を構成する画素数は、水平方向がPm、垂直方向がPnとなっている。
【0075】真偽判定処理部28は、コントラスト電圧VAとVBがそれぞれのしきい値VA0とVB0にほぼ一致する点、すなわち点V1、V2、V3、V4を瞳孔円の交点と判断し、VAとVBがしきい値VA0とVB0より小さくなる部分を瞳孔と判断する。
【0076】真偽判定処理部28は、瞳孔がほぼ円形状になっていることから、瞳孔円の直径を算出する。これは、A−A’ラインまたはB−B’ラインで瞳孔を走査するときに、瞳孔円の縁から中心までは瞳孔円の各交点間の距離、すなわちV1とV2またはV3とV4間の距離が増加し、中心を越えたらこれら交点間の距離は減少するので、瞳孔円の直径はこれら交点間の距離が最大になるときの値を求めることにより算出できる。さらに、これら交点間の距離が最大になったときのA−A’ラインとB−B’ラインの位置を記憶しておくことにより瞳孔円の中心Oの座標(OX,OY)を算出することもできる。真偽判定処理部28は、このようにして瞳孔円を検出し、それを基にしてライフチェックコードの1stコードを生成する。
【0077】図4はこれら瞳孔円検出の動作を示すフローチャートである。
【0078】真偽判定処理部28は、まず、画像処理部29から被撮影者の目の画像データを受信し、瞳孔円検出を開始する(ステップS1)。
【0079】次に、A−A’ラインによるコントラスト波形を抽出する(S2)。
【0080】しきい値VA0を用いて瞳孔円の交点V1とV2を抽出する(S3)。
【0081】交点V1とV2間の距離を求め、瞳孔円の直径DAを算出する(S4)。
【0082】次に、B−B’ラインによるコントラスト波形を抽出する(S5)。
【0083】しきい値VB0を用いて瞳孔円の交点V3とV4を抽出する(S6)。
【0084】交点V3とV4間の距離を求め、瞳孔円の直径DBを算出する(S7)。
【0085】瞳孔円の中心Oの座標を算出する(S8)。
【0086】瞳孔円の直径Ddを算出する(S9)。
【0087】瞳孔円のサイズを3段階に分類する(S10)。
【0088】1stコードを算出する(S11)。
【0089】以上により瞳孔円検出の動作を終了する(S12)。
【0090】<瞳孔反射点検出について>図5は瞳孔反射点検出の原理を説明する図である。図5は図3とほぼ同様のものであるので、図3にて説明した構成については同一の符号を付して説明を省略し、新規の構成についてのみ新たな符号を付して以下に説明する。
【0091】図中、39は反射点であり、40〜43は反射点検出領域である。VA1とVB1はコントラスト電圧のしきい値である。
【0092】真偽判定処理部28は、まず、目の画像データに対して検査すべき領域を設定する(特徴検出範囲設定)。ここでは、反射点は瞳孔円の中の領域にあるので、瞳孔円内の領域を特徴検出範囲として設定する。
【0093】次に、特徴検出範囲である瞳孔円内の領域を瞳孔円の中心Oの座標(OX,OY)を基準にして、近赤外光源20の配列に対向する配列で分割する(反射点検出領域設定)。
【0094】A−A’ラインとB−B’ラインによる走査にて反射点を検出する(反射点検出)。これは、コントラスト電圧VAとVBが反射点を検出するために設定されたしきい値VA1とVB1よりもそれぞれ大きくなった部分を反射点と判断することによってなされる。
【0095】反射点がどの位置の近赤外光源20に対応するものであるのかを判定する(反射点位置判定)。なお、このとき、瞳孔円は可視光源12の光量によってサイズが変わるが、反射点の位置は変わらないので、瞳孔円の径のサイズに対する反射点の位置の割合を検出することによって目の画像データの真偽(生体のものであるのか否か)も判定することができる。
【0096】最後に、求めた反射点の位置に基づいてライフチェックコードの2ndコードを生成する。
【0097】図6はこれら瞳孔反射点検出の動作を示すフローチャートである。
【0098】真偽判定処理部28は、被撮影者の目の画像データ瞳孔円検出を終えたら、瞳孔点反射検出を開始する(ステップS21)。
【0099】特徴検出範囲を設定する(S22)。
【0100】反射点検出領域を設定する(S23)。
【0101】A−A’ラインにより反射点を検出する(S24)。
【0102】B−B’ラインによる反射点を検出する(S25)。
【0103】反射点位置を判定する(S26)。
【0104】2ndコードを算出する(S27)。
【0105】以上により瞳孔円検出の動作を終了する(S28)。
【0106】
【発明の効果】以上説明した本発明には、次の効果がある。
【0107】本発明は、被撮影者がリアルタイムで目の画像を正規のシステムに入力しているのか、それとも不正な手段によって入力しているのかを検知する。すなわち、システムに入力された目の画像が真のものであるのか偽のものであるのかが判定できる。また、システムの構成物が正規のものであるのか不正なものであるのかが判定できる。そのため、第三者が他人になりすまして犯罪を犯すのを未然に防止することができる。




 

 


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