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発明の名称 歯科技工用揺動モデルトリマー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−126208(P2000−126208A)
公開日 平成12年5月9日(2000.5.9)
出願番号 特願平10−307344
出願日 平成10年10月28日(1998.10.28)
代理人 【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
【テーマコード(参考)】
3C058
【Fターム(参考)】
3C058 AA04 AA11 AA16 CA01 CB03 CB06 
発明者 寺沢 純二 / 道野 能和
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 モータのシャフトにトリマー用ディスクを取り付け、石膏模型等の研削を行う歯科技工用モデルトリマーにおいて、トリマー用ディスクを装着するシャフトが、揺動を伴って回転することを特徴とする歯科技工用揺動モデルトリマー。
【請求項2】 モータのシャフトにトリマー用ディスクを取り付け、石膏模型等の研削を行う歯科技工用モデルトリマーにおいて、一方側の回転シャフトと他方側のディスク装着用揺動シャフトを、連設する手段を介して直線的に配設してなり、連設手段は、基部に、円板状で直径方向に対し一定幅の凸状突起又は凹状溝を有する回転側継ぎ手が固着された回転シャフトと、基部に、前記回転側継ぎ手と対称形の揺動側継ぎ手が、90゜ずれて固着された揺動シャフト及び、前記回転側継ぎ手と揺動側継ぎ手との間に位置して、両者継ぎ手と嵌合しかつ摺動するための、円板状で直径方向に対しその表面及び裏面にそれぞれ90゜異なった位置に、前記各継ぎ手に対応する一定幅の凹状溝又は凸状突起を有するクロス形揺動子とを備えて構成し、また、前記揺動シャフトは、回転シャフトの軸線に対し、偏心して配設されており、さらに、上記揺動シャフトを軸支する、内径の軸線と外径の軸線にずれを有する肉厚が異なる偏心カラーと、上記偏心カラーの外周に配設された、回転シャフトと同一の軸線を有しかつ偏心カラーを回転可能に支持する揺動体ハウジングとを備え、そして、前記回転シャフトと偏心カラーの回転用モータ及び、該モータ回転数が調整できる回転シャフトと偏心カラーの回転駆動部とからなることを特徴とする歯科技工用揺動モデルトリマー。
【請求項3】 回転シャフトと偏心カラーの回転駆動部が、駆動源が、モータの左右にシャフトを突出させた単一のモーターであり、前記モータの片側のシャフトに嵌着された回転用プーリ及び、前記回転プーリとの間にローラーを介して張設されたベルトとからなる回転シャフト用駆動部と、前記モーターの対象側シャフトに嵌着された回転シャフト用プーリ及び、前記揺動シャフトを軸支する偏心カラーの端部外周に嵌着された前記回転用プーリに比し小径の偏心カラー回転用プーリを配設し、その間に張設されたベルトとからなる偏心カラーの駆動部を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
【請求項4】 回転シャフトと偏心カラーの回転駆動部が、駆動源が、モータのシャフトを突出させた複数のモーターであり、一台のモータのシャフトに嵌着された回転用プーリ及び、該回転用プーリとの間にローラーを介して張設されたベルトとからなる回転シャフト用駆動部と、他の一台のモーターのシャフトに嵌着された回転用プーリ及び、前記揺動シャフトを軸支する偏心カラーの端部外周に嵌着された偏心カラー回転用プーリを配設し、その間に張設されたベルトとからなる偏心カラーの駆動部を備えてなることを特徴とする請求項2に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
【請求項5】 偏心カラー回転用モータの回転速度を、偏心カラーの端部外周に嵌着された回転用プーリを大〜小径の回転用プーリに交換することにより変化させ、揺動シャフトにおける揺動回数が自在に設定できることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
【請求項6】 偏心カラーの端部外周に嵌着された回転用プーリを、偏心カラー回転用モータの回転速度を変化させることにより直接変化させ、揺動シャフトにおける揺動回数が自在に設定できることを特徴とする請求項4に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
【請求項7】 揺動シャフトの先端にトリマー用ディスクが取り付け可能なアタッチメントを備え、自在に着脱できることを特徴とする請求項1〜6に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
【請求項8】 揺動シャフトのアタッチメントに装着されたトリマー用ディスクの研削面が、被研削物面に対し揺動回転及び微小な偏心回転運動の揺動との合成作用を生成し、被研削物を研削するものであることを特徴とする請求項1〜7に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科技工における石膏模型等の成型用の研削を行うモデルトリマーに係り、特にトリマー用ディスクを装着し回転するシャフトが揺動する揺動モデルトリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モデルトリマーの回転シャフトは、軸線が一定でありしたがって研削する場合、研削材と研削物との当たりが同一箇所に当たるため、例えば、円盤状砥石(トリマー用ディスク)の目詰まりが起き、あるいは研削面を均一に仕上げることが難しく効率が悪かった。また研削物が引き込まれやすく、さらに研削の際の発熱も大であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記課題の解決のため、研削材の目詰りを少なくし、また細部まで研削物を均一に仕上げ、さらに研削物を引き込まれにくくし、かつ発熱を少なくするモデルトリマーを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は上記に鑑み鋭意研究の結果次の手段によりこの課題を解決した。
(1)モータのシャフトにトリマー用ディスクを取り付け、石膏模型等の研削を行う歯科技工用モデルトリマーにおいて、トリマー用ディスクを装着するシャフトが、揺動を伴って回転することを特徴とする歯科技工用揺動モデルトリマー。
(2)モータのシャフトにトリマー用ディスクを取り付け、石膏模型台座部等の形成、削除を行う歯科技工用モデルトリマーにおいて、一方側の回転シャフトと他方側の揺動シャフトを、連設する手段を介して直線的に配設してなり、連設手段は、基部に、円板状で直径方向に対し一定幅の凸状突起又は凹状溝を有する回転側継ぎ手が固着された回転シャフトと、基部に、前記回転側継ぎ手と対称形の揺動側継ぎ手が、90゜ずれて固着された揺動シャフト及び、前記回転側継ぎ手と揺動側継ぎ手との間に位置して、両者継ぎ手と嵌合しかつ摺動するための、円板状で直径方向に対しその表面及び裏面にそれぞれ90゜異なった位置に、前記各継ぎ手に対応する一定幅の凹状溝又は凸状突起を有するクロス形揺動子とを備えて構成し、また、前記揺動シャフトは、回転シャフトの軸線に対し、偏心して配設されており、さらに、上記揺動シャフトを軸支する、内径の軸線と外径の軸線にずれを有する肉厚が異なる偏心カラーと、上記偏心カラーの外周に配設された、回転シャフトと同一の軸線を有しかつ偏心カラーを回転可能に支持する揺動体ハウジングとを備え、そして、前記回転シャフトと偏心カラーの回転用モータ及び、該モータ回転数が調整できる回転シャフトと偏心カラーの回転駆動部とからなることを特徴とする歯科技工用揺動モデルトリマー。
【0005】(3)回転シャフトと偏心カラーの回転駆動部が、駆動源が、モータの左右にシャフトを突出させた単一のモーターであり、前記モータの片側のシャフトに嵌着された回転用プーリ及び、前記回転プーリとの間にローラーを介して張設されたベルトとからなる回転シャフト用駆動部と、前記モーターの対象側シャフトに嵌着された回転シャフト用プーリ及び、前記揺動シャフトを軸支する偏心カラーの端部外周に嵌着された前記回転用プーリに比し小径の偏心カラー回転用プーリを配設し、その間に張設されたベルトとからなる偏心カラーの駆動部を備えてなることを特徴とする(2)項に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
(4)回転シャフトと偏心カラーの回転駆動部が、駆動源が、モータのシャフトを突出させた複数のモーターであり、一台のモータのシャフトに嵌着された回転用プーリ及び、該回転用プーリとの間にローラーを介して張設されたベルトとからなる回転シャフト用駆動部と、他の一台のモーターのシャフトに嵌着された回転用プーリ及び、前記揺動シャフトを軸支する偏心カラーの端部外周に嵌着された偏心カラー回転用プーリを配設し、その間に張設されたベルトとからなる偏心カラーの駆動部を備えてなることを特徴とする(2)項に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
【0006】(5)偏心カラー回転用モータの回転速度を、偏心カラーの端部外周に嵌着された回転用プーリを大〜小径の回転用プーリに交換することにより変化させ、揺動シャフトにおける揺動回数が自在に設定できることを特徴とする(2)項〜(4)項のいずれか1項に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
(6)偏心カラーの端部外周に嵌着された回転用プーリを、偏心カラー回転用モータの回転速度を変化させることにより直接変化させ、揺動シャフトにおける揺動回数が自在に設定できることを特徴とする(4)項に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
(7)揺動シャフトの先端にトリマー用ディスクが取り付け可能なアタッチメントを備え、自在に着脱できることを特徴とする(1)項〜(6)項に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
(8)揺動シャフトのアタッチメントに装着されたトリマー用ディスクの研削面が、被研削物面に対し揺動回転及び微小な偏心回転運動の揺動との合成作用を生成し、被研削物を研削するものであることを特徴とする(1)項〜(7)項に記載の歯科技工用揺動モデルトリマー。
【0007】
【発明の実施の形態と実施例】本発明の実施の形態を、以下実施例の図面に基づいて説明する。図1は、本発明の歯科技工用揺動モデルトリマーの外観斜視図である。図において、1は揺動モデルトリマー本体、2は本体カバー、2aはフックハンドル、5はホイルカバーA、9はメインスイッチ、10はディスク、13はゴム足、14は作業調節台座、15は調節台座ハンドルを示す。回転・揺動する(後記)トリマー用ディスク10の前面の一部が露出しており、作業調節台座14に石膏模型の台座部等をセットし、形成、削除を行う。また、調節台座ハンドル15によって作業調節台座14の傾斜を調節することができる。図2は、上記、揺動モデルトリマーの本体底面の外観斜視図である。図において、2bは注水パイプ、2cは排水パイプ、11は電源コードを示す。前記ディスク10の研削作業による発熱は、注水パイプ2bの先端の注水口(8)からのディスク10前面への注水(図4)により冷却され、その後注水は研削屑とともに排水パイプ2cによって外部に排出される。電源コード11はモータ(36)の回転駆動用である。
【0008】図3は、ディスク着脱の説明図である。図において、5aはホイルカバーB、10aはアルミ補強板、10bはセットネジ、10cはセンターキャップ、16はVリング、を示す。図に示したように、ディスク10は前記ホイルカバーA5b及び作業調節台座14をフックハンドル2aを操作して(図1)取り外した後着脱する。なお、装着した状態を後記(図4)に示す。ディスク10の取り付け用のセッネジ10bは、揺動シャフト3の回転に対し逆ねじが切られており、作業時ディスク10がはずれることはなく、またVリング16によって注水を遮断しかつ、ディスク10及びアルミ補強板10aを円滑に回転させる。
【0009】図4は、本体内部の主要機構の配置を示す平面図で、前記本体カバー2の上面を除いて透視した回転・揺動機構の主要部分の配置図である。図において3は揺動シャフト、4は回転シャフト、6は揺動体ハウジング、7は回転体ハウジング、8は注水口 12はアタッチメント、17は回転プーリ、19a、19bはベルト、27は回転・揺動部取り付け台、29は揺動側プーリ、31はローラ、32は回転プーリ、33はモータの揺動用回転プーリ、34はモータシャフト、35は揺動側モータシャフト、36はモータ、をそれぞれ示す。図5は、回転駆動部の説明図で、(イ)図は図4のB−B矢視図、(ロ)図は図4のC−C矢視図である。図において、38はモータ支持具、39は支持具止めネジを示す。
【0010】本実施例に示した歯科技工用揺動モデルトリマーは、回転シャフト並びに揺動シャフトの回転駆動源に単一のモータを使用した可搬型の事例である。図示したように、揺動モデルトリマー本体1は、電源コード11(図2)により商用電源に接続され、メインスイッチ9(図1)を入り切りしてモータ36を回転あるいは停止させる。モーターは、定格トルク2kg/cm、回転数0〜10,000rpmのDCモータを使用している。なお、回転速度制御部及び速度調整つまみを設け、モータ回転数の増減が調整できるようにしてもよい。図5において、(イ)図は回転シャフト4の駆動部分で、シャフト回転用プーリとベルトの関連図、(ロ)図は揺動シャフト用の偏心カラーの回転駆動部分で、シャフト回転用プーリとベルトの関連図、を示している(後述)。
【0011】次に本発明の揺動モデルトリマーの構造と作用について説明する。図6は、図4の揺動体ハウジングと回転体ハウジングと揺動シャフト及び回転シャフトの横断面図及びモータ部の平面図、図7は、継ぎ手の外観図、図8は、クロス揺動子の外観図、をそれぞれ示す。図において、18はプーリ止めネジ、20aは継ぎ手の凸部、20bは対称形継ぎ手の凸部、21は止めネジ、22は揺動ブラケット、23aは偏心カラー外周用ベアリング、23bは偏心カラー内周用ベアリング、24は継ぎ手、24aは継ぎ手のシャフト貫通孔、24bは継ぎ手止めネジ、25はクロス揺動子、25aは丸孔、26は対称形継ぎ手、28はクロス揺動子A側凹面、30は固定カラー、37はクロス揺動子B側凹面、40はDカット部、41は偏心カラー、47は回転シャフト用ベアリング、をそれぞれ示す。
【0012】まず、前記メインスイッチ9を入れ、モータ36を回転させる(図1、図4)、図6において、モータ36が回転すると、モータシャフト34に発生した回転は、左側の回転プーリ32から、ベルト19aによりローラ31を介して、止めネジ18によって回転シャフト4に固着されている回転プーリ17に伝達され、回転シャフト4が回転する。
【0013】次ぎに、揺動シャフト3の揺動作用について説明する。上記図6における揺動シャフト3の回転は、回転シャフト4の回転を左側の継ぎ手24とクロス揺動子25及び前記継ぎ手24と対象形の右側の継ぎ手26とを介して、揺動シャフト3を回転させる。そして、第1の作用として、前記揺動シャフト3は、本事例では回転シャフト4に対してその軸を0.2mm偏心させており、したがって、揺動シャフト3は、軸線が回転シャフトの軸線より、0.2mmずれて回転している。さらに、図6の右側のモータシャフト35に発生した回転は、右側のモータの揺動用回転プーリ33から揺動側ベルト19bにより止めネジ18によって偏心カラー41に固着されている揺動側プーリ29に伝達され、偏心カラー41を回転させる。
【0014】また、第2の作用として、前記回転シャフト4と同一の軸線を持ち、偏心カラー41を回転可能に支持する揺動体ハウジング6によって、偏心カラー41は、その内周が偏心した状態で、揺動体ハウジング6及び揺動シャフト3との間の、複数の偏心カラー外周用ベアリング23a及び、偏心カラー内周用ベアリング23bにより、回転自在に配設されている。そして、前記偏心カラー41を回転させるための揺動側プーリ29の直径は、前記回転プーリ17の直径比して小さいため、偏心カラー41の回転数は、揺動シャフト4の回転数に比して大であり、より速く回転するように設定されている。したがって、上記の揺動シャフト3の回転数と偏心カラーの回転数の、差の回数及び偏心カラーの偏心幅に比例して、偏心カラー41の内周で偏心カラー内周用ベアリング23bに接している揺動シャフト3は、上下左右に揺動する(図10)。上記の第1の作用と、第2の作用の動きは合成され、揺動シャフト3の断面は揺動回転しかつ、その任意点は偏心と同等な微小な偏心回転運動が付与される。(図11)
【0015】また、上述した揺動シャフト3の揺動は、図6に示したように、揺動側の継ぎ手26と、クロス揺動子25と、回転側の継ぎ手の24の嵌合摺動部分において摺動して揺動を可能にし、また揺動シャフト3の揺動は回転シャフト4に伝達されないように継ぎ手の部分で吸収される(図9)。
【0016】図7は継ぎ手の外観図で、図7の(イ)図は(ロ)図の左側面図、(ロ)図は正面図、(ハ)図は(ロ)図の右側面図、である。上図に示した回転側の継ぎ手24と揺動側の対称形継ぎ手26は、クロス揺動子25(図8)に対し嵌合しかつ摺動する形状となっている(図9)。図7に示したように、本事例の継ぎ手24の形状は、円板状で直径方向に対し一定幅の凸状突起20aを有し、また中央に回転シャフト4及び揺動シャフト3を固着する継ぎ手のシャフト貫通孔の24a及び、前記シャフトを止めるシャフト止ネジ24bがある。そして、回転側の継ぎ手24及び揺動側の継ぎ手26の関係(図8)は、図示したように、前記回転側の継ぎ手24と対称形の揺動側の継ぎ手26は、各々90゜ずらせた状態で、回転シャフト4及び揺動シャフト3がそれぞれ固着されている(図9)。
【0017】また、図8は、クロス揺動子の外観図で、図8の(イ)図は(ロ)図の左側面図、(ロ)図は正面図、(ハ)図は(ロ)図の下面図である。図示したように、このクロス揺動子25の形状は、円板状で直径方向に対しその表面にクロス揺動子A側凹溝37及び、裏面にクロス揺動子B側凹溝28が、それぞれ90゜異なった位置に、前記継ぎ手に対応する一定幅の凹状溝が、クロス状に設けるられているクロス形の円板で、また中央には丸孔25aがあいている。上記クロス揺動子25は、前記回転側の継ぎ手24と揺動側継ぎ手26との間に位置して、両者をその表面及び裏面において嵌合しかつ摺動させる作用をするが、その詳細を図9に基づいて下記に説明する。
【0018】図9は、回転シャフトと回転側の継ぎ手と揺動子と揺動側の継ぎ手及び揺動シャフトの関連を示す説明図(外観斜視図)である。図示したように、シャフトの基部に継ぎ手24を固着した回転シャフト4と、同継ぎ手と対称形の揺動側の継ぎ手26が、90゜ずらせて固着された揺動シャフト3と、前記回転側の継ぎ手24と対称形の揺動側の継ぎ手26との間に位置し、前記継ぎ手の両者をその表面及び裏面において嵌合しかつ摺動させるための、円板状で直径方向に対しその表面及び裏面に、それぞれ90゜異なった位置に、前記継ぎ手24の凸状突起20aと、対称形の揺動側の継ぎ手26の凸状突起20bに対応する一定幅の凹状溝(クロス揺動子A側凹部28)及び(クロス揺動子B側凹部37)を有するクロス揺動子25とから構成される。そして、上記の凸凹両者の嵌合は、XY方向に摺動可能なように、わずかな隙間をもたせており、回転シャフト4の動力を揺動シャフト3に伝達するとともに、後記揺動シャフト3の揺動が、回転シャフト4に伝達されないように、上記XY方向の摺動によって吸収している。
【0019】次ぎに揺動シャフト3の作用を図に基づいて詳細に説明する。図10は、図6のA−Aの矢視断面拡大図で揺動シャフトの動きを示す図である。なお、止ネジ21は省略した。図において、44は回転シャフト断面の中心線、45は揺動シャフト断面の中心線、46は偏心幅、をそれぞれ示す。図示したように、前記揺動シャフト断面の中心線45は、回転シャフト断面の中心線4の軸線に対し偏心幅46だけ偏心して直列に配設(図6)されており、さらに、上記揺動シャフト3を軸支する、内径の軸線と外径軸線にずれを有する肉厚が異なる偏心カラー41と、上記偏心カラー41の外周に配設され、前記回転シャフト4と同一の軸線を有して、偏心カラー41を回転可能に支持する揺動体ハウジング6が、設けられている。そして、該揺動ハウジング6と偏心カラー41の外周の間には、偏心カラー外周用ベアリング23aが、また、偏心カラー41の内周と揺動シャフト3の間には偏心カラー内周用ベアリング23bが、回転自在に配設されている。
【0020】前述したように、偏心カラー41を回転させるための揺動側プーリ29の直径は、回転プーリ17の直径比して小さいため、偏心カラー41の回転数は、揺動シャフト3の回転数に比して大であり、より速く回転する(図6)。そして、この回転数の差の回数及び偏心幅に応動し、偏心カラー41の内周に偏心カラー内周用ベアリング23bを介して接している揺動シャフト3は、回転しかつ上下左右に揺動する(図10)。
【0021】次ぎに、上記揺動シャフト3の揺動状態を図によって詳細に説明する。図11は、揺動シャフトの揺動状態を示す断面拡大図である。図において、42は揺動シャフトの仮想回転中心点、Pは揺動シャフト断面上の任意の一点、43は揺動時のP点の軌跡(P1〜P8)、PC.PC1〜PC7は揺動の円の軌跡、PC′.PC1′〜PC7′は揺動軸の円の中心点をそれぞれ示す。図示したように、揺動の中心が45゜づつ右に移動したものとするとその時、前記揺動シャフト断面上の一点Pは、揺動の円の軌跡PC1上の軌跡点P1にある。同様にしてP2〜P8点も図に示すような軌跡を画いて揺動する。したがって、例えば、回転シャフトの一回転に対し、偏心カラーの回転数との比をNとすると、上下左右のクロスの動きはN回行われたことになるため、Nの回数が多いほど揺動の運動量は大きくなり効果的となる。なお、図11における上記Nは、1,26である。
【0022】本実施例では、前述したように単一のモータを使用し、偏心カラーの回転速度は、偏心カラーの端部外周に嵌着された揺動側回転プーリを、大〜小径の回転用プーリに交換することにより変化させ、揺動シャフトにおける揺動回数が自在に設定できるようにしており、本体は可搬型としてコンパクトに作製されている。
【0023】他方、回転シャフト並びに揺動シャフト揺動の駆動源を、モータの回転シャフトを突出させた複数のモーターとし、一台のモータのシャフトに嵌着された回転用プーリ及び、前記回転プーリと、その間にローラーを介して張設されたベルトとからなる回転シャフト用駆動部と、他の一台のモーターのシャフトに嵌着された回転用プーリ及び、前記揺動シャフトを軸支する偏心カラーの端部外周に嵌着された偏心カラー回転用の揺動側回転プーリを配設し、その間に張設されたベルトとからなる偏心カラーの駆動部を備えたものとする。この場合、回転シャフトの回転数と、偏心シャフトの揺動の数は独立して任意の比率に設定できるので設定が容易であり、用途の拡大を図ることができる。
【0024】また、前述したように、上記揺動シャフト3は、例えば、その先端部にアタッチメントを装着し、そこに研削用の砥石(ディスク)をセットし、被研削物を研削するものとすると、砥石(ディスク)は前記回転及び揺動の動きをするため、研削面に当接する部分は常に変化しながら研削され、細部まで均一に研削することができる。また研削物が引き込まれる現象もなく、砥石(ディスク)の目詰りも少なく、さらに、研削による発熱も少ない等の優れた作用がある。
【0025】また、揺動シャフトの先端に研削材の砥石(ディスク)を着装可能なアタッチメントを備えて、例えば前記砥石(ディスク)を自在に着脱できるため、歯科技工作業に適応した研削材を容易に選択できる。
【0026】
【発明の効果】本願発明によれば下記に示す優れた効果を発揮する。
1、本発明の請求項1の発明によれば、石膏模型等の研削を行う歯科技工用モデルトリマーにおいて、トリマー用ディスクを装着するシャフトが、揺動を伴って回転するため、研削材の目詰りを少なくし、また細部まで研削物を均一に仕上げ、さらに研削物を引き込まれにくくし、かつ発熱を少なくする歯科技工用揺動モデルトリマーが得られ、作業の効率化、作業の安全化、研削物の研削の完成度の向上等の優れた効果を発揮することができる。作業者の操作も容易である。
2、請求項2の発明によれば、一方が軸線が一定な回転シャフトで、他方が偏心カラーの回転比率を変えて、回転と揺動が合成された作用をもつ揺動シャフトを、継ぎ手及びクロス形揺動子を介して直線的に配設して構成されており、揺動シャフトは回転シャフトに対し揺動回転しかつ、そのシャフト断面における任意点は、偏心カラーの回転数と偏心軸の回転数の差分の微小な偏心回転運動が付与される合成作用により、従来に比し、優れた研削結果が得られる効果がある。また構造が簡単でかつ、製作及び作業者の操作が容易である。
3、請求項3の発明によれば、回転駆動部の駆動源を単一のモータとし、揺動数の設定を偏心カラーの回転速度により設定できるようにしたため、機構が簡単でありかつ本体を可搬型としてコンパクトにすることができる。
4、請求項4の発明によれば、回転駆動部の駆動源を複数のモータとし、一台のモータを回転シャフト用とし、他の一台のモーターを偏心カラー回転用として配設させたため、揺動数の設定が容易である。
【0027】5、請求項5の発明によれば、偏心カラー回転用モータの回転速度を、偏心カラーの端部外周に嵌着された回転用プーリを、大〜小径に交換することにより変化させ、揺動シャフトにおける揺動回数が自在に設定できるため機構が簡単である。
6、請求項6の発明によれば、回転シャフトの回転数と偏心シャフトの揺動の数を、各々独立して任意の比率に設定できるので設定が容易であり、用途の拡大を図ることができる。
7、請求項7の発明によれば、揺動シャフトの先端に、研削用砥石(ディスク)が取り付け可能なアタッチメントを備え、自在に着脱できるため、歯科技工における研削材の選択と、作業が容易である。
8、請求項8の発明によれば、揺動シャフトのアタッチメントに装着された研削材(砥石:ディスク)の研削面が、被研削物面に対し揺動回転及び微小な偏心回転運動との合成作用を生成し研削するため、例えば歯科技工における石膏模型の台座外形等の成型に際して、研削材の目詰りを少なくし、また細部まで研削物を均一に仕上げ、さらに研削物を引き込まれにくくし、かつ発熱を少なくする歯科技工用揺動モデルトリマーが得られるので、作業の効率化を図ることができるとともに、作業安全性の確保、研削物の研削の完成度の向上等の優れた効果を発揮することができる。




 

 


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