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発明の名称 腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−237200(P2000−237200A)
公開日 平成12年9月5日(2000.9.5)
出願番号 特願平11−42409
出願日 平成11年2月19日(1999.2.19)
代理人 【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
【テーマコード(参考)】
4C060
【Fターム(参考)】
4C060 EE21 FF12 GG22 GG23 GG24 MM26 
発明者 吉田 修 / 寺地 敏郎 / 新関 隆一郎 / 巽 正哉
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】腹腔鏡下手術において使用する臓器圧潰器具であって、先端に開閉可能な圧潰顎を備え、後端には握持操作部を備え、上記圧潰顎と握持操作部とを連結する連結機構を有した連結部を備えて成り、上記握持操作部を片手で握持したままで、その握持操作部を操作することによって、上記圧潰顎に掴み込まれた組織を押し潰す構成とすると共に、上記圧潰顎には、掴み込まれた組織を押し潰す際の逃げ出しを防止するための逃げ止め凸凹部を、または/かつ、上記圧潰顎の先端には、掴み込まれた組織を押し潰す際の逃げ出しを防止するための逃げ止め突片を設けた構成とした腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具。
【請求項2】請求項1において、上記圧潰顎に設けられた逃げ止め凸凹部は、組織の逃げ出し方向に交差する方向に形成されていることを特徴とする腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具。
【請求項3】請求項1または2において、上記圧潰顎の逃げ止め凸凹部が、スパイク状に突出させた複数の突出部と、その突出部が嵌入する凹部又は貫通孔を有する受け部とで構成されていることを特徴とする腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具。
【請求項4】請求項1から3のいずれかにおいて、上記圧潰顎の組織を押し潰すために相対する圧潰面が、それぞれ、平面状、曲面の凸凹状、鋭角の凸凹状に、かつ、その圧潰面の相対する部分が、互いに相手の形状に沿うように形成されていることを特徴とする腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具。
【請求項5】請求項1から4のいずれかにおいて、上記圧潰顎は、閉じた際に、掴み込まれた組織を完全に潰さない程度の隙間を形成する全閉防止手段を設けていることを特徴とする組織圧潰器具。
【請求項6】請求項1から5のいずれかにおいて、上記連結機構は、上記握持操作部を操作したときに、圧潰顎を閉じるに従って、その操作力が増幅される構造となっていることを特徴とする腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具。
【請求項7】請求項1から6のいずれかにおいて、上記圧潰顎は、上記把持操作部側に設けられた回動手段により、回動可能となっていることを特徴とする腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹腔鏡下手術などにおいて、人体臓器などの一部を切除した組織を、臓器バッグに収容した後に施術穴から臓器バックごと取り出すときに、取り出しやすいように押し潰すための組織圧潰器具に関する。
【0002】
【従来の技術】腹腔鏡下手術においては、悪性腫瘍などの病変のある人体臓器の一部あるいは全部は、組織として切除され、その悪性腫瘍などの影響が他の部分へ及ばないように、いったん、臓器バッグの中に収容されて、標本採取などの処置が行われたのち、その臓器バッグごと、腹腔鏡手術のために設けられた施術孔を介して、腹腔外へ取り出される。
【0003】この際、施術孔は、その大きさが制限されており、切除され臓器バッグに収容された組織をそのまま、腹腔外へ取り出せないことがある。そのため、臓器バッグ内の組織を、臓器バッグごと施術孔から取り出せる程度に小さく押し潰す必要がある。
【0004】図11(a)は、このような組織の圧潰にも用いられる従来の鉗子の一例を示す正面図、(b)はその先端部の要部詳細斜視図である。
【0005】この鉗子110は、組織を把持するように開閉する把持部111、この鉗子110を握持するとともに、把持部111の開閉操作を行う握持操作部114、これらの把持部111と握持操作部114の操作力を連結する連結機構を内蔵した連結部115、この握持操作部114に設けられ、そのリング部の外周を回動操作することによって、把持部111を、連結部115、つまり握持操作部114に対して回動させることのできる回動手段117が、握持操作部114側に設けられている。
【0006】把持部111は、図11(b)に示すように、この例では、L字状に屈曲された把持顎111aを開閉するような構造で、その把持顎111aの把持側表面には、把持した組織の滑りを防止するための細かい凹凸面111bが設けれられている。この把持部111の把持顎111aを開閉するには、鉗子110の握持操作部114の握持部114aに片手の親指以外の最大4本の指をあてがい、親指を操作部114bのリング孔に挿入して、親指操作するようになっている。
【0007】しかしながら、このような鉗子110は、組織を押し潰すための専用品ではなく、その把持顎111aも、組織を把持することだけを目的としたもので、組織を押し潰すことを考慮しておらず、その形状は、組織圧潰に適したものではなかった。
【0008】また、握持操作部114も、親指で操作するようになっているため、あまり力を加えることができず、組織を把持するには支障がないが、組織を押し潰すのには適していなかった。
【0009】さらに、このような鉗子110では、その把持部111は、完全に閉じてしまうことができるものであるため、臓器バッグ内で使用した場合、この把持部111の把持顎11aに挟まれた臓器バッグの一部が、その把持顎111aの凹凸面111bなどで損傷されて、内部の悪性腫瘍などの外部への影響を阻止するという臓器バックの機能を損ねることとなってしまう。
【0010】図12は、従来、用いられていた組織圧潰の他例を示す説明図である。
【0011】この場合は、組織を押し潰すために、特別の器具を用いず、図示するように術者の手Bを用いる。
【0012】この図は、腹腔鏡下手術における腹腔Hの状態を示すもので、すでに、人体臓器から切除された組織Aが、腹腔H内の臓器バッグEに収容されている。この状態で、組織Aを臓器バッグEに収容したまま施術孔Jから取り出すために、術者の手Bの人指し指Dを施術孔Jから覗いている臓器バッグEの開口部を通して臓器バッグE内部の組織Aにあてがい、この人指し指Dで臓器バッグEを介して腹壁Kに押しつけるようにして、組織Aを押し潰すようにしている。
【0013】このようにして、柔らかい組織の場合は、あまり困難なく、組織を圧潰することができるが、固い、繊維質の多い組織の場合は、押し潰すことは容易ではなく、時間も要していた。
【0014】また、他の方法として、特開平7−275253号公報、特開平8−257032号公報に記載されたものなどがあるが、これらは、図11を用いて上述した鉗子と同様のものに過ぎず、組織を把持するのには適しているが、組織を押し潰すのには適していない。また、これらの把持部の把持面に設けられた凹凸形状も、いずれも、組織を把持したときの組織の滑り落ちを防止するためのもので、組織を押し潰すためのものではない。
【0015】特許公報第2573782号に記載された医療用器具も、組織の把持を目的とするもので、組織を押し潰すことを目的としたものではない。そのため、その把持部の先端に設けられた端部作用手段も、把持した組織の落ち止めに過ぎないものである。
【0016】さらに、鉗子と、その内部に貫通挿入できる円筒回転刃を用い、その鉗子の把持部の先端に、この円筒回転刃の当たりとなる突片を立設させて、この把持部に組織を把持し、円筒回転刃を挿入して、この突片と円筒回転刃の間に組織を挟むようにして、この突片を俎板として用いて、組織を切除する組織採取切除器を用いて組織をこま切れにする方法も考えられるが、この組織採取切除器は、あくまでも、組織を採取するためのもので、組織を押し潰すためのものではなく、組織圧潰器具としては、効率が悪く長時間を要していた。
【0017】さらに、鋏形状の先端部を有する鉗子によって、組織をこま切れにする方法などもあるが、その刃部がむき出しになるため、臓器バッグを損傷してしまう畏れがあり、安全性の点で問題があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題を解決するために提案されるもので、組織を収容した臓器バッグなどを破損することなく、確実に、かつ、容易に、短時間で、組織を押し潰すことのできる、腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具は、腹腔鏡下手術において使用する臓器圧潰器具であって、先端に開閉可能な圧潰顎を備え、後端には握持操作部を備え、上記圧潰顎と握持操作部とを連結する連結機構を有した連結部を備えて成り、上記握持操作部を片手で握持したままで、その握持操作部を操作することによって、上記圧潰顎に掴み込まれた組織を押し潰す構成とすると共に、上記圧潰顎には、掴み込まれた組織を押し潰す際の逃げ出しを防止するための逃げ止め凸凹部を、または/かつ、上記圧潰顎の先端には、掴み込まれた組織を押し潰す際の逃げ出しを防止するための逃げ止め突片を設けた構成としている。
【0020】この組織圧潰器具は、まず、臓器バッグなどに収容された組織を押し潰すための専用器具として開発されたことを特徴とする。そのため、従来の鉗子と同様の構成を有し、腹腔鏡下手術において、施術孔、あるいは、施術孔に設けられた外套管などに挿入して用いられるように先端部と、連結部と、握持操作部を有しながら、その先端部に、特に、組織圧潰のために用いる開閉可能な圧潰顎を備えている。
【0021】この圧潰顎は、単に組織を把持するものではなく、組織を押し潰すためのものであるので、施術孔などを介した抜き差しに支障のない程度に一定の広がりを有した圧潰面を有し、この間に、組織の一部を掴み込んで、押し潰すようにしている。したがって、より広い面積で押し潰すので、効率よく、短時間で押し潰すことができる。
【0022】また、この圧潰顎を操作する握持操作部も、この器具を握持した片手の、親指以外の指で操作するようにすれば、従来の親指操作に比べ、より、力を込めることができ、押し潰しが容易に、かつ、簡単にできる。
【0023】この組織圧潰器具は、また、組織を掴み込んで押し潰す際に、その組織が逃げ出すのを防止するために、この圧潰顎に逃げ止め凸凹部、または/かつ、この圧潰顎の先端に逃げ止め突片を設けたことを特徴とする。
【0024】つまり、圧潰顎に組織を掴み込んで、その圧潰顎を閉じることによって、その掴み込んだ組織を押し潰そうとすると、掴み込まれた組織は、押し潰す圧力によって、その圧潰顎のより開いた方向へ逃げようとする。これを、放置したのでは、組織の押し潰しが良好になされない。そのため、この圧潰顎の圧潰面の適所に、逃げ止め凸凹部を設け、または、この圧潰顎の先端部に、開口方向への逃げを阻止する逃げ止め突片を設けている。
【0025】したがって、圧潰顎による組織の押し潰しが、より、スムーズに失敗無く行われ、押し潰しが、より容易に、確実にできる。
【0026】また、上記の逃げ止め凸凹部と逃げ止め突片の双方を設けると、逃げ止め効果がさらに高くなる。
【0027】さらに、刃部を設けていないので、組織を収容した臓器バッグなどを損傷することがなく、安全性が高い。
【0028】請求項2に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具は、請求項1において、上記圧潰顎に設けられた逃げ止め凸凹部は、組織の逃げ出し方向に交差する方向に形成されていることを特徴とする。
【0029】この組織圧潰器具は、逃げ止め凸凹部が、組織が逃げ出す方向に交差する方向、つまり、逃げ出し方向に交わる方向に形成されている。したがって、この逃げ出し凸凹部が、圧潰顎に掴み込んだ組織を、挟み込めば挟み込むほど、圧潰顎の内部に引き込まれるようにするので、組織の逃げ出しをより効果的に阻止する。
【0030】請求項3に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具は、請求項1または2において、上記圧潰顎の逃げ止め凸凹部が、スパイク状に突出させた複数の突出部と、その突出部が嵌入する凹部又は貫通孔を有する受け部とで構成されていることを特徴とする。
【0031】この組織圧潰器具は、逃げ止め凸凹部の具体的な形状を、スパイク状の突出部と、それに対応させた凹部、あるいは、貫通孔を有する受け部として規定した点に特徴を有する。
【0032】したがって、ちょうど、スパイクのように、掴み込んだ組織の逃げ出しを防止することができる。
【0033】請求項4に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具は、請求項1から3のいずれかにおいて、上記圧潰顎の組織を押し潰すために相対する圧潰面が、それぞれ、平面状、曲面の凸凹状、鋭角の凸凹状に、かつ、その圧潰面の相対する部分が、互いに相手の形状に沿うように形成されていることを特徴とする。
【0034】この組織圧潰器具は、圧潰顎の圧潰面の形状を、具体的に、平面状、曲面の凸凹状、鋭角の凸凹状に規定し、また、もっぱら、組織圧潰を目的とするため、その相対する部分が、互いに、相手の形状に沿うように、つまり、凸部には凹部が、凹部には凸部が対応するように設けられていることを特徴とする。
【0035】本発明の組織圧潰器具は、組織バッグの中などにおいて、組織を切り刻んでばらばらにするのではなく、その組織を押し潰して、組織バッグの中に収容された状態で、施術孔などから、取り出すようにすることができれば十分なので、相対する部分が、相手に沿うような形状となっておれば十分であり、また、そうすることによって、より、押し潰し面が広くなり、より、効率的に押し潰すことができる。
【0036】また、互いに凸部と凸部が対応していないので、この凸部の間に、臓器バッグの一部が挟まれて損傷するようなことを、次請求項で述べる全閉防止手段と相まって、よりよく、防止することができる。
【0037】さらに、この圧潰面は、基本的には、平面状で足りるが、上記のように凸凹面としてもよく、その場合には、この凸凹面は、組織の圧潰の役割と同時に、組織の逃げ出しを防止する役割も果たすこととなる。
【0038】請求項5に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具は、請求項1から4のいずれかにおいて、上記圧潰顎は、閉じた際に、掴み込まれた組織を完全に潰さない程度の隙間を形成する全閉防止手段を設けていることを特徴とする。
【0039】この組織圧潰器具は、圧潰顎が完全に閉じてしまわないようにする全閉防止手段を設けているので、組織の押し潰しをしている途中に、万一、圧潰顎に臓器バッグの一部が挟まれた場合でも、臓器バッグを損傷するようなことがなく、安全性が高い。このような安全性は、臓器バッグの中の観察が容易でない腹腔鏡下手術では、とくに重要で、組織圧潰器具を安心して用いることができる。請求項6に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具は、請求項1から5のいずれかにおいて、上記連結機構は、上記握持操作部を操作したときに、圧潰顎を閉じるに従って、その操作力が増幅される構造となっていることを特徴とする。
【0040】この組織圧潰器具は、握持操作部と圧潰顎を連結する連結機構に、倍力機能を有したリンクを設けて、圧潰顎を閉じるに従って、その操作力が増幅されるようにしている。
【0041】したがって、開き状態では、握持操作部の操作に対して、圧潰顎はより多く開閉し、一方、閉じ状態では、握持操作部の操作に対して、圧潰顎は、より少なく開閉し、つまり、より少ない操作力で、より大きい圧潰圧力を生じさせることができ、組織の押し潰しをより簡易に、少ない力ですることができる。
【0042】請求項7に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具は、請求項1から6のいずれかにおいて、上記圧潰顎は、上記把持操作部側に設けられた回動手段により、回動可能となっていることを特徴とする。
【0043】この組織圧潰器具は、圧潰顎と握持操作部を連結する連結機構が、それを収容した連結部において、回動可能となっており、この連結部の把持操作部側に設けられた回動手段によって、圧潰顎が、連結部、つまり、把持操作部に対して、回動できるようになっている。
【0044】したがって、圧潰しようとする組織の姿勢に合わせて、圧潰顎の開閉方向を回動させることができ、圧潰に便利である。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の組織圧潰器具の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0046】図1は、本発明の組織圧潰器具の一例を示す一部縦断面の正面図で、(a)は圧潰顎を閉じた所、(b)は圧潰顎を開いた所を示すものである。図1(a)では、解りやすくするため、圧潰顎1を前方から見た所を示すA矢視図、圧潰顎1を下から見た所を示すB矢視図を併せて示している。
【0047】この組織圧潰器具10は、その先端部に設けられた圧潰顎1、この圧潰顎1に設けられた逃げ止め凸凹部2と逃げ止め突片3、この組織圧潰器具10を握持すると共に、圧潰顎1の開閉操作を行うための握持操作部4、圧潰顎1と握持操作部4を連結する連結機構を有した連結部5、この連結部5と圧潰顎1の接続部に設けられた全閉防止手段6から構成されている。
【0048】圧潰顎1は、この例では、連結部5に固定された固定顎1aと、この固定顎1aに対して開閉支点gによって開閉可能に支持された可動顎1bとから成り、それぞれチタン合金やステンレス鋼材など、腹腔内で、人体組織に悪影響を与えない材料で、オートグレーブ滅菌などの方法で滅菌消毒可能な材料で形成されている。
【0049】また、この圧潰顎1の固定顎1aと、可動顎1bの、それぞれ相対する面、つまり、その面と面との間に組織を掴み込んで、組織を圧潰する圧潰面11a、11bは、その圧潰顎1が、腹腔鏡下手術で用いられる施術孔、あるいは、外套管などを通過させることができる範囲内で、できるだけ広くなるように構成されている。
【0050】この点で、この組織圧潰器具10の圧潰顎1は、従来の組織を把持するための鉗子の把持部と相違し、このように、できるだけ圧潰面積の広い圧潰顎1とすることによって、組織の押し潰しをより、効率的に、かつ、確実にすることができる。
【0051】この圧潰顎1に設けられた逃げ止め凸凹部2は、掴み込まれた組織を押し潰す際の逃げ出しを防止するもので、この例では、可動顎1bに設けられたスパイク状に突出させて複数の突出部21と、この突出部21が嵌入するように固定顎1aに設けられた貫通孔を有する受け部22から構成され、この突出部21と受け部の形成方向は、組織が逃げ出す方向に交差するように成っている。
【0052】また、これらの突出部21と受け部22から構成される逃げ止め凸凹部2は、この例では、圧潰顎1の圧潰面11a、11bに対して、B矢視図に示すように、その全面に分散されるように設けられている。
【0053】このスパイク状の突出部21と、それに対応した受け部22によって、この圧潰顎1に掴み込んだ組織は、横移動しないように規制されるので、圧潰顎1の上下の圧潰面11a、11bを閉じて、掴み込んだ組織を押し潰すようにしても、その組織は、圧潰面11a、11bから逃げ出すようなことがなく、確実に、失敗なく、掴み込んだ組織を押し潰すことができる。また、突出部21と受け部22の形成方向が、組織の逃げ出し方向に交差するようになっているので、その防止効果が大きい。
【0054】この圧潰顎1に更に設けられた逃げ止め突片3は、上記逃げ止め凸凹部2と、同様の目的で設けられたもので、固定顎1aの先端に立設され、A矢視図でも解るように、特に、圧潰顎1に掴み込まれた組織が、一番逃げやすい圧潰顎1の先端部から逃げ出すのを防止している。
【0055】逃げ止め手段は、このように、逃げ止め凸凹部2と逃げ止め突片3を両方、設けてもよいが、どちらか、片方だけ設けてもよい。
【0056】握持操作部4は、連結部5の適所に設けられた固定支点dを支点として、回動可能に支持された操作部41と、連結部5の後端に固定された握持部42から成り、この操作部41には、操作部41の両方向の回動を可能にする指止め41aが設けられている。
【0057】この組織圧潰器具10を握持するときには、片手の親指側を握持部42にあてがい、操作部41の指止め41aの上部に人指し指、その下部に残りの指をあてがうように、握持操作部4を握持する。このとき、その握持した片手の掌で、ちょうど握持部42を包み込むような形となり、操作部41を、親指以外の3〜4本の指を用いて、より力が込められるような形で操作することができる。
【0058】したがって、従来例で説明したような親指操作を基本とする鉗子などを用いた組織の押し潰しに比べて、より強力に、組織を押し潰すことができる。
【0059】この握持操作部4の操作部41には、連結部5に内蔵された連結機構51に接続される支点bが設けられている。
【0060】連結部5は、筒状体で、固定顎1aを固定支持している前方筒5aと、この前方筒5aに着脱可能に挿嵌固定されている筒状体の後方筒5bから成り、両者を嵌合固定したときには、所定の内空部5cを内部に形成するようになっている。また、上記した握持操作部4の握持部42は、この後方筒5bに固定されている。
【0061】この連結部に内蔵された連結機構51は、圧潰顎1の可動顎1bに支点fでリンクされた前リンク板51a、この前リンク板51aに支点eでリンクされ、連結部51の前方筒5aから、後方筒5bの後端に固定された握持部42まで貫通している連接軸51b、この連接軸52bの連結部51の内空部5cに当たる部分に挿嵌され、連結部51の後方筒5bに対して、この連接軸52bを前方に(図において左方向に、つまり、可動顎1aを開く方向に)付勢しているバネ51c、連接軸52bの後方筒5bの後端に固定された握持部42から露出している後端に着脱可能に挿嵌固定されているリンク筒51d、このリンク筒51dに設けられた支点cと握持操作部4の操作部41の支点bをリンクする後リンク板51fから構成されている。
【0062】このような連結機構によると、握持操作部4の操作部4を、図において右方向(反時計回り)、つまり、握持部42に近づくように操作すると、その操作力が、支点b、後リンク板51f、支点c、リンク筒51d、連接軸51b、支点e、前リンク板51a、支点fとリンク伝達され、可動顎1bをその開閉支点gを中心として、閉じ方向に回動させ、最終的に図1(a)のような状態となる。
【0063】逆に、握持操作部4の操作部4を、図において左方向(時計回り)、つまり、握持部42から離れるように操作すると(この場合、上述したように、連接軸51bがバネ51cによって、可動顎1aを開く方向に付勢されているので、この操作部4にあてがった指の力を抜くだけで、その付勢力により、操作部41は、その方向に移動する。)、連結機構51の同様のリンク伝達により、可動顎1bをその開閉支点gを中心として、開き方向に回動させ、最終的に図1(b)のような状態となる。
【0064】こうして、片手で握持操作部4を握持すると共に、その握持した片手の親指以外の指で、より強力に、かつ、簡単に、圧潰顎1を開閉することができる。
【0065】全閉防止手段6は、ここでは、いわゆるストッパーピンの態様で、連結部5の前方筒5aの内部に、開閉支点fを中心として開閉回動する可動顎1bの圧潰面11bと点対称部分となる背部1baの当たりとなるように設けられ、図1(a)に示すように、その背部1baが全閉防止手段6に当接したときに、固定顎1aの圧潰面11aに対して、可動顎1bの圧潰面11bが、掴み込まれた組織を完全に潰さない程度の隙間を形成するようにしている。
【0066】このようにしておくと、組織の押し潰しをしている途中に、万一、圧潰顎1に臓器バッグの一部が挟まれた場合でも、臓器バッグを損傷するようなことがなく、安全性が高い。このような安全性は、腹腔内や、臓器バッグの中の観察が容易でない腹腔鏡下手術では、とくに重要で、組織圧潰器具を安心して用いることができる。
【0067】このような構成の組織圧潰器具10は、広い圧潰面11a、11bを有する圧潰顎1でより効率的に、逃げ止め凸凹部2や、逃げ止め突片3によって、掴み込んだ組織が逃げ出すことなく確実に組織を押し潰すことが出来、また、握持操作部4で、握持した片手で、より強い力で操作することができ、腹腔鏡下手術で用いるのに適している。
【0068】なお、点aは、握持操作部4の操作部41の指止め部41aを形成している首下部の中央点を示すもの、また、点hは、圧潰顎1の可動顎1bの圧潰面11bの先端部を示すもので、これらの点は、いずれも、図中に示した、他の小文字表記の点b〜gなどと共に、後に、上記連結部5の連結機構51の増幅作用について説明する際に用いるために記載したものである。
【0069】図2は、本発明の組織圧潰器具の圧潰顎に設けられた逃げ止め凸凹部の種々の例を示す一部縦断面の要部正面図で、(a)は上下逆タイプ、(b)は偏在タイプ、(c)は上下タイプ、(d)は不均一突出タイプ、図3は、本発明の組織圧潰器具の圧潰顎に設けられた逃げ止め凸凹部の種々の他例を示す一部縦断面の要部正面図で、(a)は先尖りタイプ、(b)は角柱タイプ、(c)は不貫通タイプ、(d)は曲げ突出タイプである。
【0070】なお、これより、すでに説明した部分については、同じ符号を付して、重複説明を省略する。
【0071】本発明の組織圧潰器具では、圧潰するときに、圧潰顎に掴み込まれた組織の逃げ出しを防止するのに、逃げ出し防止凸凹部を設けることを特徴とするが、この逃げ出し防止凸凹部の態様は、図1で説明したものだけには限らない。
【0072】図2(a)は上下逆タイプ、つまり、突出部21が固定顎1bに設けられ、受け部22が可動顎1bに設けられたものを示している。
【0073】図2(b)は偏在タイプで、突出部21と受け部22で構成される逃げ止め凸凹部2が、圧潰顎1の先端付近だけに設けられ、全体に分散されるようには、設けられてはいないものである。
【0074】図2(c)は上下タイプ、つまり、一部の突出部21が可動顎1bに、一部の突出部21が固定顎1aに設けられ、受け部22もそれに対応するように固定顎1a、可動顎1bに設けられたものを示している。
【0075】図2(d)は、不均一突出タイプで、突出部21の長さが、可動顎1bの先端にいくほど、長くなっているものである。このようにすると、初め、この圧潰顎1に掴み込んで、組織に逃げ止めを効かせようとするときに、最も開口の大きい先端部から順に突出部21が組織に当接し、逃げ止めできるようになるので、より確実に逃げ止め効果が発揮される。
【0076】図3(a)は先尖りタイプで、突出部21の先端を、尖らせたものである。こうすると、組織の中により食い込み易くなる。
【0077】図3(b)は角柱タイプである。突出部21の形状は、円柱形状だけでなく、このように角柱形状であってもよく、逃げ止め効果を発揮するものであれば、その断面形状は限定されるものではない。
【0078】図3(c)は不貫通タイプで、受け部22が貫通していない凹部で構成されているものである。
【0079】図3(d)は曲げ突出タイプで、突出部21が、それが設けられた可動顎1bの開閉支点gを曲率中心とする曲線を描くように曲げられており、受け部22もそれに対応するような形状となっている。
【0080】このようにすると、可動顎1bの閉じ方向、つまり、組織の押し潰し方向と、突出部21の組織への食い込み方向がちょうど、直交するようになり、開き状態から閉じ状態に渡って、均一に、掴み込んだ組織の逃げ出しを防止する。
【0081】また、この場合、突出部の曲げ具合を、さらに、開閉支点g側になるようにして、可動顎1bを閉じれば閉じるほど、掴み込まれた組織が、圧潰顎1の開閉支点g方向に押しやられるようにしてもよい。
【0082】図4は、本発明の圧潰顎の圧潰面の種々の例を示す要部正面図で、(a)は鋭角凸凹タイプの閉じた状態、(b)は鋭角凸凹タイプの開いた状態、(c)は曲面凸凹タイプの閉じた状態、(d)は曲面凸凹タイプの開いた状態である。
【0083】また、図4(a)では、解りやすくするため、圧潰顎1の鋭角凸凹タイプの圧潰面11cを真上から見た所を示すC矢視図を併せて示している。
【0084】図1では、圧潰顎1の圧潰面11a、bは、平面状のものを示していたが、これに限らず、組織を押し潰す効果を発揮するものであれば、平面状だけに限るものではなく、例えば、この図4に示したようなものがある。
【0085】図4(a)、(b)は鋭角凸凹タイプの圧潰面11c、11dを有した固定顎1c、可動顎1dを、また、(c)、(d)は曲面凸凹タイプの圧潰面11e、11fを有した固定顎1e、可動顎1fを示している。
【0086】これらの凸凹状の圧潰面11c、11d、11e、11fは、それぞれ、凸部と凸部、凹部と凹部が対応するように配置されているのではなく、凸部に対しては凹部、凹部に対しては凸部が対応するように設けられている。
【0087】なんとなれば、本発明の組織圧潰器具10では、組織バッグの中などにおいて、組織を切り刻んでばらばらにするのではなく、その組織を押し潰して、組織バッグの中に収容された状態で、施術孔などから、取り出すようにすることができれば十分で、相対する部分が、相手に沿うような形状となっておれば十分であり、また、そうすることによって、より、押し潰し面が広くなり、より、効率的に押し潰すことができるからである。
【0088】また、互いに凸部と凸部が対応していないので、この凸部の間に、臓器バッグの一部が挟まれて損傷するようなことを、上述した全閉防止手段6(図1参照)と相まって、よりよく、防止することができる。
【0089】さらに、このように、圧潰面を凸凹面とすると、組織の圧潰の役割と同時に、組織の逃げ出しを防止する役割も果たすことができる。したがって、この場合、積極的な逃げ止め手段としては、図に示すように、圧潰顎1の先端に設けた逃げ止め突片3だけで、十分、逃げ止めの効果を発揮させることができる。
【0090】図5は、本発明の圧潰顎の圧潰面の他例を示す要部正面図で、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態を示している。
【0091】この圧潰顎1は、曲面凸凹タイプの圧潰面11g、11hを有した固定顎1g、可動顎11hから構成されており、圧潰面11g、11hが、相手の形状に沿わずに、凸部と凸部、凹部と凹部が対応するように配置されている。
【0092】このような圧潰顎は、圧潰効果は図4で説明した圧潰顎より劣るものの、実際の使用には、十分耐えるものである。
【0093】図6は、本発明の圧潰顎の他例を示す要部正面図で、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態である。
【0094】この圧潰顎1は、曲面凸凹タイプの圧潰面11e、11fを有した固定顎1e、可動顎1fで構成される圧潰顎1に、更に、固定顎1eに設けられた受け部22と、可動顎11fに設けられた突出部21から構成される逃げ止め凸凹部2を設けたものである。
【0095】上述したように、凸凹タイプの圧潰面11e、11fは、組織を押し潰すと同時に、押し潰す組織の逃げ止めの役割を果たすが、さらに、逃げ止め凸凹部2を設けることによって、組織の押し潰しを、より確実にすることが出来る。
【0096】図7は、本発明の圧潰顎の逃げ止め突片の種々の例を示す要部正面図で、(a)は片方上タイプの閉じた状態、(b)は片方上タイプの開いた状態、(c)は両方タイプの閉じた状態を前方よりみた状態、(d)は両方タイプの閉じた状態、(e)は両方タイプの開いた状態である。
【0097】この例では、突出部21と受け部22から構成される逃げ止め凸凹部2を設けた圧潰顎1にさらに、その先端部に逃げ止め突片3A、3Bを設けたもので、図1と同様な構成であるが、図7(a)(b)は、圧潰顎1の可動顎1bに逃げ止め突片3Aを設けたもの、図7(c)(d)(e)は、圧潰顎1の固定顎1aと、可動顎1bの双方に、逃げ止め突片3Ba、3Bbを設けたものである。
【0098】逃げ止め突片を、上下に設ける場合、図7(c)に示すように、上下の逃げ止め突片3Ba、3Bbが、相互に干渉しないように設ける必要がある。
【0099】このように、逃げ止め凸凹部と、逃げ止め突片の双方を設けると、押し潰す際の組織の逃げ出しをより確実に阻止することができる。
【0100】図8は、本発明の組織圧潰器具の圧潰顎の両開きタイプの一例を示す一部縦断面の要部正面図で、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態である。
【0101】これまで、圧潰顎1は、一方は、固定で、他方だけが可動のものについて説明したが、双方共、開閉するようにしても、本発明の圧潰顎の効果は発揮される。ここに示した圧潰顎1Aは、そのような両開きの一例である。
【0102】この圧潰顎1Aでは、圧潰顎1Aを構成する2つの顎は、それぞれ、握持操作部4の操作により開閉支点iを中心として回動開閉する可動顎1g、1hから構成されており、それぞれ、平面状の圧潰面11g、11hを備え、また、一方の可動顎1gに受け部22が設けられ、他方の可動顎1hに突出部21が設けられ、これらの突出部21と受け部22で逃げ止め凸凹部2を構成している。また、この逃げ止め凸凹部2は、組織の逃げ出す方向に交差する方向、望ましくは、逃げ出し方向にほぼ直交する方向に設けられている。
【0103】これらのそれぞれの可動顎1g、1hは、それぞれ、支点j、kを有しており、その支点j、kによって、前リンク板51ab、51aaを介して、連接軸51bに接続されており、上述の一方可動の圧潰顎の場合と同様に、連結機構を介して、握持操作部4により開閉され、掴み込んだ組織を押し潰すことができる。
【0104】6Aは、図1の圧潰顎1に設けられた全閉防止手段6と同様の全閉防止手段であり、ここでは、開閉支点iを中心として開閉回動する可動顎1gの圧潰面11gと点対称部分となる背部の突起として設けられ、図8(a)に示すように、その全閉防止手段6Aが、前リンク板51aaに当接したときに、可動顎1g、1hの相対する圧潰面11g、hの間に、掴み込まれた組織を完全に潰さない程度の隙間を形成するようにして、上記全閉防止手段6と同様の効果を発揮している。
【0105】なお、これまで説明した圧潰面の種々のタイプ、逃げ止め凸凹部の種々のタイプ、逃げ止め突片の種々のタイプは、ここに上げた組み合わせだけでなく、それぞれ、自由に選択して、組み合わせることが出来るものであり、その場合には、それぞれが持つ効果を相乗的に発揮するものである。
【0106】図9は、本発明の組織圧潰器具の連結機構を模式的に説明する概念図で、(a)は、圧潰顎が閉じられた状態、(b)は開かれた状態である。
【0107】この図は、図1(a)、(b)に示した連結機構51に関係する点a〜hの相対的関係がどのように変化するか模式的に説明するもので、図1の握持操作部4の操作部41の操作による点aの動きに対して、圧潰顎1の可動顎1bの先端の点hがどのように動くかを示している。
【0108】図9(a)において、これらの点a〜hの圧潰顎1が最も閉じた時の位置を添字0で示し、それから操作部41を回転角10度だけ、開方向に操作した時の位置を添字1で示している。一方、図9(b)では、これらの点a〜hの圧潰顎1が最も開いた時の位置を添字9で示し、それから操作部41を回転角10度だけ、閉方向に操作した時の位置を添字8で示している。
【0109】また、図において、圧潰顎1の開閉支点gと、操作部4の固定支点dは常に位置固定されており、位置変化しないので、添字を付していない。さらに、支点e、cを結ぶ直線は、図1の連接軸51bを模式的に示すもので、この軸51bは、連結部5に収容されて前後方向だけにスライドする。
【0110】こうして、図1の相対的関係を維持しながら、図9(a)に示すように、操作部41の点aを全閉点a0から、開き方向に10度の点a1になるように操作した時には、可動顎1bの先端の点h0は、点h1へと約31度しか回動しないが、操作部41の点aを全開点a9から閉方向に10度の点a8になるように操作した時には、可動顎1bの先端の点h9は、点h8へと約47度回動することが解る。
【0111】このような関係は、図より、より両端になるほど増幅されることが解り、このような連結機構51を用いて、握持操作部4と圧潰顎1を連結すれば、圧潰顎1の閉じ状態になるにつれ、操作部41の動きに対して、圧潰顎1はより小さく回動し、逆に、全開状態になるにつれ、操作部41の動きに対して、圧潰顎1はより大きく回動するようになる。
【0112】このようにして、力のかからない開き状態では、より早く圧潰顎1を回動させ、力のかかる閉じ状態では、操作部41の操作力をより増幅させて圧潰顎1に伝え、理想的な態様で、圧潰顎1を開閉操作することができ、組織を押し潰すのに適している。
【0113】図10は、本発明の組織圧潰器具の他例を示す一部縦断面の正面図である。
【0114】この組織圧潰器具10Aは、圧潰顎1の開閉構造は、図1のものと同じであるが、この圧潰顎1が、連結部5に対して回動可能に支持されており、この連結部の後端には、この圧潰顎1を回動させる回動手段7を備えていることを特徴とする。
【0115】この組織圧潰器具10Aにおいては、圧潰顎1を固定支持する連結部5の前方筒5dが、後方筒5eに対して回動可能に挿嵌されており、その前方筒5d内に、前リンク板51aに連結され、この前方筒5d内を前後にスライドし、かつ、この前方筒5dと共回動する連接軸受け51gが収容され、この連接軸受け51gの収容穴51gaに、この連接軸受け51gと後部のリンク筒51dとを接続する連接軸51hの頭部51haが、回動可能に、かつ、スライド力を伝達するように収容されている。
【0116】連結部5の後方筒5eの後端には、握持操作部42のリング部42aが固定され、そのリング部42aに回動リング71が回動可能に挿嵌され、この回動リング71と、連結部5の前方筒を連接する回動筒72が、後方筒5e内に収容されている。したがって、この回動リング71を回動させると、後方筒5eに対して、前方筒5dが回動し、それにともなって、この前方筒5dに固定された圧潰顎1が回動するようになっている。
【0117】したがって、握持操作部4を片手で握持して、その握持状態のままで、その親指を使って、回動リング71を回動させることができ、それによって、圧潰顎1を、握持操作部4に対して回動させることができる。
【0118】こうして、この組織圧潰器具10Aによれば、上記の組織圧潰器具10の効果を発揮すると共に、圧潰顎1を、握持状態で握持操作部4に対して回動させることができるので、圧潰しようとする組織の姿勢に合わせて、圧潰顎の開閉方向を合わせることができ、圧潰に便利である。
【0119】なお、上記に説明した組織圧潰器具の全ての外に露出している角部を丁寧に面取りしておくと、万一、圧潰対象となる臓器バッグなどに接触した場合も、その接触相手を損傷するようなことがない。
【0120】
【発明の効果】請求項1に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具によれば、専用の圧潰顎を備えているので、効率よく、短時間で組織を押し潰すことができる。
【0121】また、組織を掴み込んで押し潰す際に、その組織が逃げ出すのを防止する逃げ止め凸凹部、または/かつ、逃げ止め突片を設けたので、圧潰顎による組織の押し潰しが、より、スムーズに失敗無く行われ、押し潰しが、より容易に、確実にできる。
【0122】さらに、刃部を設けていないので、組織を収容した臓器バッグなどを損傷することがなく、安全性が高い。
【0123】請求項2に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具よれば、請求項1に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、逃げ止め凸凹部が、組織の逃げ出し方向に交差する方向に形成されているので、この逃げ出し凸凹部が、圧潰顎に掴み込んだ組織を挟み込んで、組織の逃げ出しをより効果的に阻止する。
【0124】請求項3に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具によれば、請求項1または2に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、逃げ止め凸凹部が、スパイク状の突出部と、それに対応させた凹部、あるいは、貫通孔を有する受け部として構成されているので、ちょうど、スパイクのように、掴み込んだ組織の逃げ出しを防止することができる。
【0125】請求項4に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具によれば、請求項1から3のいずれかに記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、圧潰顎の圧潰面が、それぞれ、平面状、曲面の凸凹状、鋭角の凸凹状に、かつ、その圧潰面の相対する部分が、互いに相手の形状に沿うように形成されているので、組織を押し潰すのに都合がよく、互いに凸部と凸部が対応していないので、この凸部の間に、臓器バッグの一部が挟まれて損傷するようなことを、請求項5の全閉防止手段と相まって、よりよく、防止することができる。
【0126】さらに、この凸凹状の圧潰面は、組織の圧潰の役割と同時に、組織の逃げ出しを防止する役割も果たす。
【0127】請求項5に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具によれば、請求項1から4のいずれかに記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、圧潰顎は、閉じた際に、掴み込まれた組織を完全に潰さない程度の隙間を形成する全閉防止手段を設けているので、組織の押し潰しをしている途中に、万一、圧潰顎に臓器バッグの一部が挟まれた場合でも、臓器バッグを損傷するようなことがなく、安全性が高い。
【0128】請求項6に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具によれば、請求項1から5のいずれかに記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、連結機構は、握持操作部を操作したときに、圧潰顎を閉じるに従って、その操作力が増幅される構造となっているので、組織の押し潰しをより簡易に、少ない力ですることができ、組織圧潰に適している。
【0129】請求項7に記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具によれば、請求項1から6のいずれかに記載の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、圧潰顎は、把持操作部側に設けられた回動手段により、回動可能となっているので、圧潰しようとする組織の姿勢に合わせて、圧潰顎の開閉方向を回動させることができ、圧潰に便利である。




 

 


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