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発明の名称 歯科診療装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−166995(P2000−166995A)
公開日 平成12年6月20日(2000.6.20)
出願番号 特願平10−341406
出願日 平成10年12月1日(1998.12.1)
代理人 【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
【テーマコード(参考)】
4C052
4C341
【Fターム(参考)】
4C052 AA06 GG01 GG16 LL09 LL13 
4C341 MM11 MN02 MP02 MP05 MP10 MQ02 MQ05 MR02 MR12 MR15
発明者 西川 和夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】患者を座位または仰臥位にて保持する患者用診療台と、術者用椅子と、歯科診療器具を載置または係止する歯科診療器具保持手段とからなる歯科診療装置において、歯科診療器具保持手段を任意の位置に移動させる駆動手段と、この歯科診療器具保持手段の位置を記憶する記憶手段と、術者用椅子の位置を検出する位置検出手段と、保持手段位置自動設定スイッチとを備え、この保持手段位置自動設定スイッチを操作した場合には、上記位置検出手段によって検出した術者用椅子の位置に対応させて、予め記憶手段に記憶させた対応最適位置に、上記歯科診療器具保持手段を自動的に移動させることを特徴とする歯科診療装置。
【請求項2】請求項1において、上記術者用椅子の位置検出手段が、上記患者用診療台に対する術者用椅子の相対的位置を検出することを特徴とする歯科診療装置。
【請求項3】請求項1または2のいずれかにおいて、上記保持手段位置自動設定スイッチを操作した場合には、更に、上記位置検出手段によって検出した術者用椅子の位置に対応させて、自動的に、予め記憶手段に記憶させた対応最適位置に、上記患者用診療台の昇降、または/かつ、その背板の傾動を行うことを特徴とする歯科診療装置。
【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、上記保持手段位置自動設定スイッチを操作した場合には、更に、上記位置検出手段によって検出した術者用椅子の位置に対応させて、自動的に、予め記憶手段に記憶させた対応最適位置に、上記患者用診療台の照明装置の移動、または/かつ、点消灯を行うことを特徴とする歯科診療装置。
【請求項5】患者を座位または仰臥位にて保持する患者用診療台と、術者用椅子と、歯科診療器具を載置または係止する歯科診療器具保持手段とからなる歯科診療装置において、歯科診療器具保持手段を任意の位置に保持させる位置保持手段が、歯科診療器具保持手段の移動に対する安定保持位置を設定可能とする安定保持位置設定手段を備え、この歯科診療器具保持手段は、手動操作により、術者用椅子に対応させて予め上記安定保持位置設定手段で設定した所定の対応最適位置に、選択的に安定位置保持されることを特徴とする歯科診療装置。
【請求項6】請求項5において、上記位置保持手段が、歯科診療器具保持手段のX軸、Y軸、Z軸、回転の単一位置保持手段のいずれか、あるいは、いずれかの組み合わせから構成され、上記安定保持位置設定手段は、それぞれの単一位置保持手段に対応させて設けられていることを特徴とする歯科診療装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科診療装置の歯科診療器具保持手段の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科診療装置は、患者を座位または仰臥位で保持する患者用診療台と、術者用椅子と、ハンドピースなどの歯科診療器具を載置または係止する歯科診療器具保持手段などから構成され、患者を診療台に載せ、適切な治療姿勢に設定保持し、これに対して、術者は歯科治療に適切な位置に座り、あるいは立って、必要な処置を行うものである。
【0003】この場合、必要な処置をスムーズに行うためには、処置に必要な歯科診療器具を載置または係止する歯科診療器具保持手段が、その術者の位置のままで、最も使い易い場所にあることが望ましい。また、患者の口腔部や、照明装置の位置も、その術者の位置に対応して、最適の位置にあることがのぞましい。この要望に対して、従来の歯科診療装置では、歯科診療器具保持手段と照明装置については、いわゆるフリーアーム式の位置保持手段を用いて、手動により、その位置や向きを設定できるようにしており、また、患者の治療姿勢を決める、診療台の昇降や背板の傾動は、半自動の駆動装置により行っていた。
【0004】図13は、そのような従来の歯科診療装置の一例を示すもので、(a)は、その平面図、(b)は、その側面図である。この歯科診療装置100は、シート101、背板102、ヘッドレスト103、フットレスト104からなる患者用治療台105と、レントゲンフィルムなどを観察するためのフィルムビュア106とハンドピースなどの歯科診療器具を係止するためのホルダー107を備えた歯科診療器具保持手段108、この歯科診療器具保持手段108を支持する保持アーム109、この保持アーム109を支える支持部110、この支持部110や治療台105を支え、昇降装置などを内蔵したベース111、スピットン112、照明装置113とこれを位置自由に支える照明アーム114、照明アーム114を支える照明ポール115、この照明ポール115を立設させている照明支持部116から構成されている。
【0005】この歯科診療装置100においては、患者Cを図示のような仰臥位の治療姿勢[1]において治療するが、術者は、この患者に対して、まず、手動で照明装置113の位置を適当な位置に設定し、ついで、通常は、図13(a)の平面図において、患者の口腔部に時計の文字盤の中心を置いて、その患者の頭頂部、つまり、時計の12時の位置に座位の状態で位置して、処置を行う。この場合、この12時の位置で、最も作業のし易い位置に、歯科診療器具保持手段108を手動で設定していたが、正確な位置に設定するには、一定の手間を要していた。
【0006】また、治療内容によっては、患者の右耳あたり、つまり、先の表現でいうと、時計の10時の位置で処置を行うが、この場合には、その位置に合わせて、また、最も作業のし易い位置に、歯科診療器具保持手段108を手動で移動させていた。更に、場合によっては、図13(b)に矢印で示したように、患者を座位[3]で、処置したりする場合もあるが、その場合には、照明装置113を、患者に当たらないように、また、座位で適切な位置に移動させたり、歯科診療器具保持手段108も手動で移動させたりしなければならなかった。また、このとき、患者を座位で診療するためには、患者用治療台105を昇降させたり、背板102を傾動させなければならなかった。
【0007】この問題に対して、背板の傾動等を含めた患者用治療台の位置、照明装置の位置、歯科診療器具保持手段の位置などを、所定のスイッチの操作により、予め設定した初期位置や、治療位置、退避位置などに自動的に移動させる歯科診療装置も提案されているが、設定されている位置の種類が限定されていたり、所定のスイッチの選択が、それぞれの位置に対して必要であったりして、面倒であったり、選択ミスにより、患者に不必要な姿勢変更を強いることもあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、患者に余分な姿勢変更を強いることなく、術者が一定の動きで正確、迅速な治療を行うことができるように、治療目的に最も適した位置に、治療のために必要な関係機器、つまり、歯科診療器具保持手段、患者用治療台、照明装置などを自動的に移動させることのできる歯科診療装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の歯科診療装置は、患者を座位または仰臥位にて保持する患者用診療台と、術者用椅子と、歯科診療器具を載置または係止する歯科診療器具保持手段とからなる歯科診療装置において、歯科診療器具保持手段を任意の位置に移動させる駆動手段と、この歯科診療器具保持手段の位置を記憶する記憶手段と、術者用椅子の位置を検出する位置検出手段と、保持手段位置自動設定スイッチとを備え、この保持手段位置自動設定スイッチを操作した場合には、上記位置検出手段によって検出した術者用椅子の位置に対応させて、予め記憶手段に記憶させた対応最適位置に、上記歯科診療器具保持手段を自動的に移動させることを特徴とする。
【0010】この歯科診療装置は、ハンドピースなどの歯科診療器具を載置または係止する歯科診療器具保持手段、いわゆるトレーテーブルを、保持手段位置自動設定スイッチの操作により、その時の術者用椅子の位置に対応させて、自動的に、対応最適位置に移動させることを特徴とする。つまり、術者用椅子の位置、実質的には、術者の位置に合わせて、術者が最も使い易い位置に、歯科診療器具保持手段を自動移動させるものである。
【0011】従来、選択スイッチにより歯科診療器具保持手段などを所定の設定位置に自動移動させるものは多種提案されているが、術者用椅子の位置、つまり、術者の位置に対応させて、歯科診療器具保持手段を自動移動させるものはなかった。本発明者は、歯科治療の治療実態を詳細に研究した上で、歯科治療に関係する機器の位置設定は、術者用椅子の位置を基準として決定するのが、最適であることを見出し、これを、従来の自動移動手段に利用したものである。なぜならば、ほとんどの歯科治療は、術者が座位の状態で行われ、立位で行われる治療は、従来例で説明した9時の位置付近に限定されているので、術者が術者用椅子から立ち上がったことを検出すれば、この立位にも対応することができるからである。
【0012】したがって、自動設定スイッチを操作するだけで、歯科診療器具保持手段は、術者の位置に合わせて、最適の位置である対応最適位置に移動し、歯科診療に非常に便利である。また、複数の選択スイッチの操作が不要なので、選択の間違いがなく、誤って患者を不必要に姿勢変更させることがなく、患者への負担を軽減する。
【0013】なお、この場合に、治療箇所である患者の口腔位置を基準とする方法も考えられるが、その際には、仰臥位で患者の口腔が同じ位置にあっても、処置の都合で、術者の位置が変わる場合に対応できない。請求項2に記載の歯科診療装置は、請求項1において、上記術者用椅子の位置検出手段が、上記患者用診療台に対する術者用椅子の相対的位置を検出することを特徴とする。
【0014】この歯科診療装置は、術者用椅子の位置検出を、患者が保持されている患者用診療台に対する相対的位置を検出することで行うので、患者の口腔位置を基準とした術者の位置検出、つまり、上述した12時、9時などの位置を、正確かつ簡単に検出することができる。請求項3に記載の歯科診療装置は、請求項1または2のいずれかにおいて、上記保持手段位置自動設定スイッチを操作した場合には、更に、上記位置検出手段によって検出した術者用椅子の位置に対応させて、自動的に、予め記憶手段に記憶させた対応最適位置に、上記患者用診療台の昇降、または/かつ、その背板の傾動を行うことを特徴とする。
【0015】この歯科診療装置では、更に、歯科診療に関係する患者用診療台の昇降、背板の傾動も、最適の位置移動判断基準である術者用椅子の位置を基準に、自動に行うので、間違いのない移動がなされると共に、便利がよい。請求項4に記載の歯科診療装置は、請求項1〜3のいずれかにおいて、上記保持手段位置自動設定スイッチを操作した場合には、更に、上記位置検出手段によって検出した術者用椅子の位置に対応させて、自動的に、予め記憶手段に記憶させた対応最適位置に、上記患者用診療台の照明装置の移動、または/かつ、点消灯を行うことを特徴とする。
【0016】この歯科診療装置では、更に、歯科診療に関係する照明装置の移動、点消灯も、最適の位置移動判断基準である術者用椅子の位置を基準に、自動に行うので、間違いのない設定がなされると共に、便利がよい。請求項5に記載の歯科診療装置は、患者を座位または仰臥位にて保持する患者用診療台と、術者用椅子と、歯科診療器具を載置または係止する歯科診療器具保持手段とからなる歯科診療装置において、歯科診療器具保持手段を任意の位置に保持させる位置保持手段が、歯科診療器具保持手段の移動に対する安定保持位置を設定可能とする安定保持位置設定手段を備え、この歯科診療器具保持手段は、手動操作により、術者用椅子に対応させて予め上記安定保持位置設定手段で設定した所定の対応最適位置に、選択的に安定位置保持されることを特徴とする。
【0017】この歯科診療装置は、請求項1の歯科診療装置の特徴である位置移動判断を術者用椅子の位置を基準に行うという点を、手動移動式の歯科診療器具保持手段の位置保持手段に適用したものである。これを実現するために、位置保持手段は、ラッチ手段などを用いた安定保持位置設定手段を備えている。この安定保持位置設定手段によれば、例えば、歯科診療器具保持手段の高さを手動で適当な高さし、その高さに安定保持高さ位置を設定すれば、その後は、別の高さ位置で、歯科診療器具保持手段を、その安定保持高さ位置方向にわずかに押すだけで、歯科診療器具保持手段は、安定的にその安定保持高さ位置に移動し、その位置を保持する。
【0018】したがって、自動手段を用いなくとも、同様に、最適の位置移動判断基準である術者用椅子の位置を基準にした最適対応位置に、わずかな手動操作で歯科診療器具保持手段を移動させることができるので、便利がよい。請求項6に記載の歯科診療装置は、請求項5において、上記位置保持手段が、歯科診療器具保持手段のX軸、Y軸、Z軸、回転の単一位置保持手段のいずれか、あるいは、いずれかの組み合わせから構成され、上記安定保持位置設定手段は、それぞれの単一位置保持手段に対応させて設けられていることを特徴とする。
【0019】この歯科診療装置は、請求項5の位置保持手段と安定保持位置設定手段を、より具体的に、歯科診療器具保持手段の移動方向に対応させて規定したものであり、請求項5の効果を発揮する歯科診療装置を簡単に実現することができる。この請求項5及び請求項6に記載した安定保持位置設定手段を備えた位置保持手段は、照明装置の位置保持手段としても用いることができ、その場合にも同様の効果を発揮する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について図とともに説明する。図1は、本発明の歯科診療装置の一例における術者用椅子の位置に対応させた対応最適位置を概念的に示すもので、(a)は、術者が座位12時の位置にある時の対応最適位置[1]の平面図、(b)は、術者が座位10時の位置にある時の対応最適位置[2]の平面図である。
【0021】この図は、歯科診療装置の診療に関連して位置変化をする関係機器だけを概念的に図示したもので、詳細な部分は省略しているが、従来例で示したような機器が、同様に設置されているものである。この歯科診療装置10は、患者Cを座位または仰臥位にて保持する患者用診療台1、術者用椅子2、歯科診療器具Tを載置または係止する歯科診療器具保持手段3、治療部位である患者Cの口腔部などを照明するための照明装置4などを備えている。
【0022】患者用診療台1は、駆動手段を備え昇降可能であり、傾動可能な背板11を備えている。術者用椅子2は、移動可能なタイプであって、後述するように、患者用診療台1との相対的位置を検出する位置検出手段(不図示)を備えている。歯科診療器具保持手段3は、後述するように駆動手段を備えた支持手段(不図示)に支えられており、保持手段3を、希望のX軸位置(図1の左右位置)、Y軸位置(図1の上下位置)、Z軸(図2(b)の上下位置)に移動させ、また希望の回転位置(図1での保持手段3の向き、θで表示。)に回動させることができる。
【0023】照明装置4は、この照明装置4を、自由に位置保持しながら支持する照明アーム41に支持され、この照明アーム41は、治療台1に設けられた支持ブロック42に位置保持可能に回動支持されている。この照明アーム41と支持ブロック42も、照明装置4を希望の位置に移動させ、その照明方向を変化させる駆動手段(不図示)を備えている。
【0024】図示したBは、X軸基準位置で、これは任意に設定できるが、このX軸基準位置Bに対して、X軸方向の患者Cの口腔位置をX0、患者Cの口腔位置に対する術者Oの位置をX1、術者Oの位置の位置に対する保持手段3の位置をXで示している。Y軸方向については、患者Cの正中線、つまり、診療台1の幅方向の中心線を基準位置とし、術者Oの位置をY1、術者Oの位置に対する保持手段3の位置をYで示している。回転位置については、保持手段3の長手方向の幅の中心線の、診療台1の幅方向の中心線対する反時計回りの傾きをθで示している。
【0025】この歯科診療装置10の特徴は、図示しない保持手段位置自動設定スイッチを操作すると、図1(a)に示すように、術者用椅子2の位置で検出した術者Oの12時位置[1]に対して、予め設定した対応最適位置[1]に、患者用治療台1、歯科診療器具保持手段3、照明装置4を自動的に移動させ、また、設定に応じて照明装置4を点灯させる点にある。図では、それぞれの対応位置を同じ、「[1]」の記号を付加して示している。
【0026】一方、同じように保持手段位置自動設定スイッチを操作しても、術者用椅子2が、図1(b)の10時位置[2]にある時は、予めその10時位置[2]に対応させて設定した対応最適位置[2]に、患者用治療台1、歯科診療器具保持手段3、照明装置4を自動的に移動させる。なお、この図において、歯科診療器具保持手段3は、患者に当たらないように、その高さが調整されている。この場合も、それぞれの対応位置を、「[2]」の記号を付加して示している。
【0027】このように、この歯科診療装置10では、保持手段位置自動設定スイッチを操作すると、そのときの術者用椅子2の位置を検出して、術者Oが12時位置[1]にあるか、10時位置[2]にあるかを判断して、それに合わせて、関係機器を最適対応位置[1]あるいは[2]に移動させるので、位置選択の間違いがなく、患者に余分な姿勢変更を強いることがない。また、術者Oは、常に、最も適した照明状態と位置で、患者に向かい、最も便利な位置で歯科診療器具保持手段3に載置などされた歯科診療器具Tを使うことができる。
【0028】なお、ここでは、例示として、12時位置[1]と10時位置[2]についての自動移動の例について説明したが、これに限らず、9時位置や、その他の位置についても、自動移動の設定をすることができる。また、それぞれの位置に術者用椅子があるか、否かの判断は、一定の許容範囲を設けて、判定するようにするとよい。
【0029】図2は、本発明の歯科診療装置の実施態様において、術者が座位12時の位置にある時の対応最適位置[1]を概念的に示すもので、(a)は、その平面図、(b)は、その側面図、図3は、術者が立位の位置にある時の対応最適位置[3]を概念的に示すもので、(a)は、その平面図、(b)は、その側面図である。
【0030】図2は、図1(a)と同じ対応最適位置[1]を示すもので、ここでは、平面図に合わせて、側面図も示したものである。また、これより、同じ部分については、同じ符号を付して、重複説明を省略する。図2、図3においても、図1と同じように、術者の座位12時位置[1]と立位9時位置[3]に対応して設定された最適対応位置を、それぞれ、符号「[1]」、「[3]」で示している。また、12は、患者用診療台1を載置した診療台ベースであり、この診療台1を昇降させる駆動手段を内蔵している。
【0031】図2、3では、Z軸方向については、フロアー面を基準位置として、そこからの歯科診療器具保持手段3の表面の高さをZで示している。これらの図で示すように、この歯科診療装置10においては、保持手段位置自動設定スイッチを操作すると、そのときの術者用椅子2の位置を検出して、術者が座位12時位置[1]にあるか、立位9時位置[3]にあるかを判断して、それぞれの対応最適位置[1]、[3]に、自動的に、患者用治療台1を昇降、その背板11を傾動、歯科診療器具保持手段3を移動及び回転、照明装置4を移動及び点消灯させる。
【0032】なお、既述したように、歯科診療においては、術者が立位で診療する場合、ここに説明した立位9時位置[3]となることが通例であり、よって、術者用椅子に術者が着座しているか、どうかを検出する検出手段を設置しておけば、術者が立位9時位置[3]にあるかどうかを検出することができる。この場合、同じ、9時位置でも、着座を検出すれば、座位9時位置に術者が居ると判別することが出来る。
【0033】また、ここでは、患者用治療台1は、従来例のようなフットレスト104(図13参照)を設けていないフラットタイプを例として説明したが、この従来例のようにフットレストを設け、膝部が折れ曲がるようなタイプの患者用治療台や、その他の種々のタイプの治療台も、本発明の患者用治療台に含まれるものである。
【0034】図4は、本発明の歯科診療器具保持手段の駆動手段の一例の構成を示す概念図である。この駆動手段は、後述するように歯科診療装置10の適当な設置場所、治療台のベース、あるいは、フロア、天井などに設置される様々な駆動手段の一例であり、歯科診療器具保持手段3の支持手段を兼ねるもので、また、それぞれの可動部分に、その移動位置を検出する位置検出手段を備えている。
【0035】この駆動手段は、治療台ベース12(図2、3(b)参照)に設置された支持ブロック33、水平回動する2本のアーム34、36と、アーム34を上下させるための補助筒35、アーム36に設置され、歯科診療器具保持手段3を回動可能に支持する回動軸37から構成されている。支持ブロック33は、アーム34を回動可能に支持し、このアーム34を回動させるためのモータ33aと、このモータ33aの出力軸に設置された歯車33b、アーム34の回動角度を検出するエンコーダ33c、そのエンコーダ33cの取付板33dを備え、歯車33bでアーム34の回動軸34aを回動させ、その回動角度をエンコーダ33cで検出している。
【0036】アーム34は、上記回動軸34aを備え、この回動軸34aに対向する位置には、次に連結されるアーム36と補助筒35のための連結部34bが設けられている。連結部34bには、補助筒35を回動させるためのモータ34cと歯車34d、この補助筒35の回動角度を検出するエンコーダ34eが設置されている。
【0037】補助筒35には、上下可動に、かつ共回動するようにアーム36の上下軸36aが挿嵌され、また、この上下軸35に形成されたラックに噛み合う歯車35bとこの歯車35bを駆動するモータ35a、上下軸36aの上下移動位置を検出するエンコーダ35cが設置されている。したがって、アーム36は、アーム34に対して、上下移動し、また回動し、その上下移動位置、回動位置が検出される。
【0038】アーム36は、この上下軸36aを備え、その対向する位置には、保持手段3の回動軸37を回動可能に支持する軸受け部36bが設けられている。この軸受け部36bには、この回動軸37を回動させるためのモータ36cと歯車36d、回動軸37の回動角度を検出するエンコーダ36eとこのエンコーダ36eの取付板36fが設置されている。
【0039】回動軸37は、歯科診療器具保持手段3の下面の中央部に立設され、保持手段3は、この回動軸37の回動に伴って回動し、その回動角度は、エンコーダ36eによって検出される。こうして、この駆動手段によれば、二つの水平回動するアーム34、36の回動の組み合わせで、保持手段3のX軸位置、Y軸位置を移動させ、その位置を保持することができ、その回動角度を検出し、後述する記憶手段で記憶しておくことにより、その記憶したX軸位置、Y軸位置に、保持手段3を自動移動させることができる。
【0040】また、補助筒35によって、保持手段3のZ軸位置を移動させ、その位置を保持することができ、そのZ軸位置を検出し、後述する記憶手段で記憶しておくことにより、その記憶したZ軸位置に、保持手段3を自動移動させることができる。さらに、回動軸37によって、保持手段3を回動させ、その回動位置を保持することができ、その回動位置(θ)を検出し、後述する記憶手段で記憶しておくことにより、その記憶した回動位置(θ)に、保持手段3を自動回動させることができる。
【0041】図5は、本発明の歯科診療装置の自動制御系の構成を示すブロック図である。この自動制御系は、上述した駆動手段に関するものだけを抽出したものである。この自動制御系は、中央制御処理装置であるCPU7を中心として、これに接続されている患者用診療台1、術者用椅子2、歯科診療器具保持手段3、照明装置4、記憶手段5、保持手段位置自動設定スイッチ6から構成されている。なお、ここでは、例えば、患者用診療台1と記載して、この診療台の制御に関する機器を示している。
【0042】患者用診療台1には、背板11(図1参照)を傾動させる駆動手段13、その傾動角度を検出する位置検出手段14、診療台1自体を昇降させる駆動手段15と、その昇降位置を検出する位置検出手段16が備えられている。術者用椅子2には、位置検出手段21と立位センサ22が備えられている。この位置検出手段21は、既述したように、術者用椅子2の患者用診療台1に対する相対的位置、つまり、患者の口腔部を中心として、術者用椅子2の角度が、時計の文字盤表記で、9時から12時のどの位置にあるかを検出するものである。また、立位センサ22は、術者Oが、椅子2に着座しているかどうかを検出するものであるが、この立位センサ22は、この椅子2に設けた圧力センサなどで構成してもよいし、また、適所に術者Oの頭部を検出する光電センサなどを所定の高さに設けて構成してもよい。
【0043】歯科診療器具保持手段3には、駆動手段31と位置検出手段32が備えられている。この駆動手段31は、例えば、図4に示したものでは、支持ブロック33、水平回動する2本のアーム34、36と、アーム34を上下させるための補助筒35、アーム36に設置され歯科診療器具保持手段3を回動可能に支持する回動軸37と、これらに付設されたモータと歯車などで構成され、また、位置検出手段32は、それぞれの可動部分に設けられたエンコーダ33c、34e、35c、36eなどで構成されている。
【0044】照明装置4には、照明装置4の位置を自由に移動させ保持し、また、その照明角度を希望する角度に回動させ、保持する駆動手段43、その位置と角度を検出する位置検出手段44、さらに、照明装置4を点灯させ、消灯させる点消灯手段45が備えられている。なお、これらの駆動手段43、位置検出手段44は、図1、2、3で説明した照明アーム41、支持ブロック42に内蔵されている。
【0045】記憶手段5は、ここでは、歯科診療装置の全体を制御するための可変情報を書き換え可能に、かつ、電源を切断しても保持可能に記憶するもので、例えば、電気的に可変のデータを記憶保持するEEPROMで構成すると良い。このEEPROMとは、Electrically Erasable Programmable ROMの略称で、電気的に特定データの消去及び書き込みが何度でもできるROMである。
【0046】この記憶手段5には、例えば、術者Oの座位12時位置[1]、座位10時位置[2]、また、立位9時位置[3]に対応して設定された患者用診療台1、歯科診療器具保持手段3、照明装置4などの最適対応位置[1]、[2]、[3]が記憶保存される。保持手段位置自動設定スイッチ6は、上述した術者用椅子2の位置、つまり、術者Oの位置に対応させた患者用診療台1、歯科診療器具保持手段3、照明装置4の対応最適位置への自動移動モードを開始させるスイッチである。
【0047】この保持手段位置自動設定スイッチ6は、術者の操作に便利な位置、例えば、背板11の上部、あるいはサイド部、フートスイッチなどに設けることができ、そのスイッチ操作検出方法も、従来の、物理的にスイッチ動作を検出するスイッチ、あるいは、感圧スイッチ、タッチパネルなど以外に、光電センサを用いて、その光を遮ることによるスイッチ操作検出、音声センサを用い、術者が所定の音声、例えば、「テーブル移動」などを発した時に、これをスイッチ操作と判断するものなどを用いてもよい。
【0048】このような制御系によれば、上述したように、保持手段位置自動設定スイッチ6を操作すれば、術者用椅子2の位置を検出して、術者Oの位置を判断し、それに基づいて、記憶手段5に保持された対応最適位置に関係する機器を自動的に移動させることができる。また、この自動設定スイッチ6を操作しない場合には、術者用椅子2が、どのような位置にあっても、関係機器の自動移動は行われない。したがって、術者が、一時的に、他の用事で、位置変更する場合などに、それを検出して、不用意に関係機器が自動移動するようなことがなく、安全である。
【0049】図6(a)、(b)、(c)は、本発明の位置検出手段の例を示す概念図である。図6(a)は、術者用椅子が患者用治療台に対して、一定の半径で回動するタイプの場合の位置検出手段を示している。術者用椅子2は、その椅子2を自転回動可能に支える回動軸2aと、この回動軸2aを、仰臥位の患者の口腔部、つまり背板11に立設されたヘッドレスト11aの幅方向中心で、やや下部の位置を中心として所定の半径で回動させるように支持する回動アーム2bと、この回動アーム2bの回動中心を支えるようにフロアに設けられた椅子回動軸受け2cを備えている。
【0050】位置検出手段21は、この椅子回動軸受け2cの内部に設けられ、この回動アーム2bの回動角度を検出するエンコーダ21aと、このエンコーダ21aを支える取付板21aで構成されている。このような位置検出手段21によれば、患者用治療台1に対する相対的な術者用椅子2の位置、つまり、患者の口腔位置に対して、術者用椅子2が、9時から12時のいずれの位置にあるかを、簡単に、かつ、間違いなく検出することができる。
【0051】また、この術者用椅子2には、回動アーム2bの適所で、術者の脚の邪魔にならないような所に、立位センサ22が設けられている。この立位センサ22は、例えば、応力歪みセンサを用いて、術者が着座しているときと、していないときの回動アーム2bの応力あるいは歪みを検出するようなもので構成することができる。
【0052】こうして、この立位センサ22で、術者が着座しているか、いないかを検出することができる。図6(b)は、術者用椅子が自由に移動する場合の位置検出手段で、無線を利用したものを示している。この場合、術者用椅子2Aは、支持軸2Aaに回動可能に支持され、この支持軸2Aaは、フリーキャスタを備えた脚部2Abに固定され、フロア上を自由に移動することができる。
【0053】位置検出手段23は、この脚部2Aaの下側に設置された発信部23aと、この発信部23aからの位置信号を無線で受信する受信部23bと、その位置信号を分析して、患者用治療台に対する術者用椅子2Aの相対的位置を検出するCPU7Aから構成されている。この場合、位置検出だけに、別途、パーソナルコンピュータなどのCPUを用いてもよいし、歯科診療装置全体を制御しているCPUで兼用させてもよい。
【0054】こうして、このような位置検出手段23によっても、術者用椅子の患者用治療台に対する相対的位置を検出することが出来る。また、自由に移動する術者用椅子に、信号用の配線がないので、移動の妨げにならず、便利であり、また、その配線の断線の心配がない。図6(c)は、術者用椅子が自由に移動する場合の位置検出手段で、位置検出ボールを利用するものを示している。
【0055】この場合、術者用椅子2Bは、支持軸2Baに回動可能に支持され、この支持軸2Baは、フリーキャスタを備えた脚部2Bbに固定され、フロア上を自由に移動することができる。位置検出手段24は、この脚部2aの下側に設置されたケース体24aと、このケース体24aの下部開口部に全方向に回動可能に設けられた位置検出ボール24bと、このボール24bがフロアに接して回動するときに、このボールに常に接触して共回転する一対の円柱状の位置読み出しロール24c、24dから構成されている。
【0056】この位置読み出しロール24c、24dは、互いに、その回転軸が直交するように設けられており、これによって、ちょうど、パーソナルコンピュータの位置検出手段(ポインター)として用いられるマウスと同じ原理で、術者用椅子の位置を検出することができる。この位置検出手段24からの信号を、別途設けた信号処理回路、あるいは、歯科診療装置全体を制御しているCPUで処理して、患者用治療台に対する術者用椅子2Aの相対的位置を検出することができる。
【0057】この方法によると、簡単な構造で、術者用椅子の位置検出をすることができ、コストダウンを図ることができる。図7は、本発明の歯科診療装置の位置保持手段の一例の構成を示す概念図である。この位置保持手段は、図4で説明した駆動手段と基本構造は同様であるが、それぞれの可動部分にモータや歯車、及びエンコーダなどが設置されず、代わりに安定保持位置設定手段が設置され、歯科診療器具保持手段の移動が手動で行われる点が相違する。また、この位置保持手段についても、図4で説明したように、その基端部の設置位置、アームの数、個々の可動部の移動方向など、様々なタイプのものがある。
【0058】この位置保持手段は、治療台ベース12(図2、3(b)参照)に設置された支持ブロック81、水平回動する2本のアーム82、84と、アーム84を上下させるための補助筒83、アーム84に設置され、歯科診療器具保持手段3を回動可能に支持する回動軸85から構成されている。支持ブロック81は、アーム82を回動可能に支持し、設定可能な所定の回動位置でアーム82を安定保持させる安定保持位置設定手段91を備えている。
【0059】安定保持位置設定手段91は、上下位置固定で、かつ回動可能に支持ブロック81に挿嵌された設定筒91aと、支持ブロック81の設定筒設置部に設けられ、この設定筒91aの回動を希望の位置でロックする設定筒ロックネジ91b、さらに設定筒91aの外周の適所に、その外周から内周に向けて設けられたラッチ手段91cで構成されている。このラッチ手段91cは、例えば、先端にバネなどで付勢されたボールを内蔵した押しネジ様のプランジャで構成すると良い。
【0060】設定筒91aには、アーム82の回動軸82aが、回動可能に挿嵌され、この回動軸82aの外周には、軸方向に、所定の深さの略断面三角形状の安定溝82bが設けられている。したがって、アーム82を手動で回動させると、この安定溝82bにラッチ手段91cの先端部がバネ付勢により係止されて、アーム82は、その回動位置で安定的に保持される。
【0061】この安定保持回動位置は、アーム82の安定溝82bがラッチ手段91cで係止されている状態で、設定筒91aの回動をロックしている設定筒ロックネジ91bのロックを解除し、手動によって、アーム82と設定筒91aを共回動させることによって回動し、この安定保持回動位置が、術者用椅子に対して対応最適位置となった際に、再び、設定筒ロックネジ91bを締め込んで、設定筒91aの回動をロックすれば、そのときの術者用椅子の位置に対する対応最適位置を再現するアーム82の安定保持回動位置が設定される。
【0062】このようにして、安定保持位置設定手段91によって、対応最適位置を再現するアーム82の安定保持回動位置を設定した後は、アーム82が、この安定保持回動位置にないときに、その安定保持回動位置に向かうように、わずかに手動操作すれば、アーム82の安定溝82bがラッチ手段91cで係止される位置まで回動して、アーム82は、その対応最適位置に安定的に位置保持される。
【0063】なお、この場合、上記安定溝82bは、軸方向に伸びた形状でなく、ラッチ手段91cが回動軸82aに当接する部分に、円錐形状に形成してもよい。また、ここでは、安定保持位置設定手段91によって設定される安定保持位置が、1箇所の場合について説明しているが、複数箇所についても設定でき、その例については、後述する。
【0064】アーム82は、上記回動軸82aを備え、この回動軸82aに対向する位置には、次に連結されるアーム84と補助筒83のための連結部82cが設けられている。連結部82cには、補助筒83が上下位置固定で回動可能に支持され、その補助筒83の小径部83aは、この連結部34bに設けられた安定保持位置設定手段92の設定筒92aに挿嵌され、その小径部83aの外周には、アーム82の回動軸82aに設けられたと同様の安定溝83bが形成されている。
【0065】この安定保持位置設定手段92は、上記安定保持位置設定手段91と同様に、上記した設定筒92aと、設定筒ロックネジ92b、ラッチ手段92cで構成され、補助筒83の安定溝83bと協働して、上記安定保持位置設定手段91と同様に、術者用椅子の位置に対する対応最適位置を再現する補助筒83の安定保持回動位置を設定することができる。
【0066】補助筒83は、アーム84を上下移動可能に支持し、設定可能な所定の上下位置でアーム84を安定保持させる安定保持位置設定手段93を備えている。安定保持位置設定手段93は、基本的な構造は、安定保持位置設定手段91、92と同様であるが、回動位置ではなく、上下位置について、安定保持位置を設定できる点で相違する。
【0067】つまり、安定保持位置設定手段93は、上下位置移動可能に補助筒83に挿嵌された設定筒93aと、補助筒83の設定筒設置部に設けられ、この設定筒93aの上下位置を希望の位置でロックする設定筒ロックネジ93b、さらに設定筒93aの外周の適所に、その外周から内周に向けて設けられたラッチ手段93cで構成されている。
【0068】設定筒93aには、アーム84の上下軸84aが、相互に回動しないように、かつ、上下移動可能に挿嵌されている。このような係合は、例えば図示したように、上下軸84aを角軸で構成し、それに対する補助筒83の挿嵌孔を対応した四角形状とすれば実現できる。この上下軸84aの一面には、ラッチ手段93cが当接する部分に、断面略円錐形状の安定溝84bが設けられている。したがって、アーム84を手動で上下移動させると、この安定溝84bにラッチ手段93cの先端部がバネ付勢により係止されて、アーム84は、その上下位置で安定的に保持される。
【0069】なお、アーム84の上下軸84aの下端部には、このアーム84に連結されている歯科診療器具保持手段3、回動軸85、この回動軸の安定保持位置設定手段94及びこのアーム84自身などの重量に逆らって、アーム84を手動で軽く上下できるような付勢力の付勢手段84dが設けられている。この付勢手段84dは、アーム82の連結部82cに設けられた受け蓋82dで支えられ、アーム84をアーム82に対して付勢しているので、上述したような安定保持上下位置への手動移動が可能となっている。
【0070】この安定保持上下位置は、アーム84の安定溝84bがラッチ手段93cで係止されている状態で、設定筒93aの上下移動をロックしている設定筒ロックネジ93bのロックを解除し、手動によって、アーム84と設定筒93aを共上下させることによって上下し、この安定保持上下位置が、術者用椅子に対して対応最適位置となった際に、再び、設定筒ロックネジ93bを締め込んで、設定筒93aの上下移動をロックすれば、そのときの術者用椅子の位置に対する対応最適位置を再現するアーム84の安定保持上下位置が設定される。
【0071】このようにして、安定保持位置設定手段92によって、術者用椅子の位置に対する対応最適位置を再現する補助筒83の安定保持回動位置を設定し、また、安定保持位置設定手段93によって、術者用椅子の位置に対する対応最適位置を再現するアーム84の安定保持上下位置を設定した後は、アーム84は補助筒83と共回転するので、アーム84が、これらの安定保持位置にないときに、アーム84がその安定保持位置に向かうように、わずかに手動操作すれば、アーム84の安定溝84bがラッチ手段93cで係止される位置まで上下して、また、補助筒83の安定溝83bがラッチ手段92cで係止される位置まで回動して、アーム84は、その対応最適位置に安定的に位置保持される。
【0072】アーム84は、この上下軸84aを備え、その対向する位置には、保持手段3の回動軸85を回動可能に支持する軸受け部84cが設けられている。この軸受け部84cには、この回動軸85を回動可能に支持し、設定可能な所定の回動位置で保持手段3を安定保持させる安定保持位置設定手段94を備えている。この安定保持位置設定手段94は、支持ブロック81に設けられた安定保持位置設定手段91と同様に、設定筒94aと、設定筒ロックネジ94b、ラッチ手段94cで構成され、回動軸85の安定溝85aと協働して、上記安定保持位置設定手段91、92などと同様に、歯科診療器具保持手段3の対応最適位置を再現する安定保持回動位置を設定することができる。
【0073】こうして、これらの安定保持位置設定手段91、92、93、94を備えた、位置保持手段によれば、歯科診療器具保持手段3を、わずかの手動操作だけで、術者用椅子の位置に対応させた対応最適位置に、移動させ安定保持させることができる。なお、この例では、アーム82と補助筒83などで、歯科診療器具保持手段3のX軸及びY軸の単一位置保持手段の組み合わせを構成しており、それらには、それぞれ、安定保持位置設定手段91、92が設けられている。また、アーム84の上下軸84aなどで、保持手段3のZ軸の単一位置保持手段を構成しており、これには、安定保持位置設定手段93が設けられている。さらに、回動軸85で、保持手段3の回動(θ)の単一位置保持手段を構成しており、これには、安定保持位置設定手段94が設けられている。
【0074】図8、9は、位置保持手段の安定保持位置設定手段の他例を示すもので、図8(a)は回動に対する安定保持位置設定手段の斜視図、(b)はその要部断面図、図9(a)は上下移動に対する安定保持位置設定手段の斜視図、(b)はその要部断面図である。この安定保持位置設定手段は、図7で説明した安定保持位置設定手段に比べ、一つの位置設定手段で、複数位置についての安定保持位置の設定ができる点が特徴である。まず、回動に対する安定保持位置設定手段の例について説明する。
【0075】図8(a)、(b)の安定保持位置設定手段は、例えば、図7で説明した支持ブロック81とアーム82の間に設けられた安定保持位置設定手段91に替えて取り付けられ、円周上の位置の異なるラッチ手段を複数箇所、位置設定可能に取り付けられるようにしたものである。この安定保持位置設定手段95は、調整長孔95bを設けた設定筒95a、ラッチ手段95dを取り付ける取付板95c、ラッチ手段95d、取付板95cを位置決めしてロックする取付板ロックネジ95eから構成されている。
【0076】設定筒95aは、安定保持位置設定手段91の設定筒91aに比べ、調整長孔95bを設け、取付板95cを、回動軸86aの回りに回動可能に収容する収容部95baを備えている点が相違し、設定筒91aと同様の設定筒ロックネジ(不図示)で、その回動がロックされるようになっている。取付板95cには、ラッチ手段95dが、回動軸86aにラッチ機構が作用するように設けられ、また、設定筒95aの収容部95baに収容される側には、調整長孔95bを介して、取付板ロックネジ95eが螺入されるようになっている。
【0077】ラッチ手段95dは、安定保持位置設定手段91のラッチ手段91cと同様のものである。取付板ロックネジ95eは、調整長孔95bを介して、取付板95cに螺入され、この調整長孔95bの任意の位置で、取付板95cを、設定筒95aに対して、固定するものである。回動軸86aは、図7のアーム82の回動軸82aと同様のもので、また、同様の安定溝86bを備えている。
【0078】上記調整長孔95b、取付板95c、ラッチ手段95d、取付板ロックネジ95eは、ここでは、それぞれ2個ずつ設けられ、それぞれを区別する場合には、その符号の末尾に、「#1」、「#2」を付加して示す。このような安定保持位置設定手段95によれば、まず、いずれかの取付板95c、例えば、取付板95c#1を取付板ロックネジ95e#1で、調整長孔95b#1の適当な位置でロックして、取付板95c#1を設定筒95aに対して回動位置固定し、この状態で、ラッチ手段95d#1と回動軸86aの安定溝86bとを係合させ、図7で説明したのと同様に、例えば、術者の座位12時位置に対応させて、回動軸86aの対応最適位置を再現する第1の安定保持回動位置を設定する。
【0079】ついで、設定筒95aを回動ロックした状態で、ラッチ手段95d#1と回動軸86aの安定溝86bとの係合を解除し、こんどは、例えば、術者の座位10時位置に対応させた対応最適位置に回動軸86aを回動させる。この状態で、ラッチ手段95d#2を備えた取付板95c#2を調整長孔95b#2にそって回動させ、ラッチ手段95d#2と回動軸86aの安定溝86bが係合する位置に来たら、その回動位置で、取付板ロックネジ95e#2で取付板95c#2を調整長孔95b#2に対してロックすると、術者の座位10時位置に対応させた対応最適位置を再現する回動軸86aの第2の安定保持回動位置が設定される。
【0080】このようにして、この安定保持位置設定手段95によれば、2種類の対応最適位置に対して、安定保持回動位置を設定することができる。ついで、上下位置について、複数箇所の安定保持位置の設定ができる安定保持位置設定手段について説明する。図9(a)、(b)の安定保持位置設定手段は、例えば、図7で説明した支持補助筒83とアーム84の間に設けられた安定保持位置設定手段93に替えて取り付けられ、上下位置の異なるラッチ手段を複数箇所、位置設定可能に取り付けられるようにしたものである。
【0081】この安定保持位置設定手段96は、調整長孔96bを設けた設定筒96a、ラッチ手段96dを取り付ける取付板96c、ラッチ手段96d、取付板96cを位置決めしてロックする取付板ロックネジ96eから構成されている。設定筒96aは、安定保持位置設定手段93の設定筒93aに比べ、取付板96cを上下軸87aに当接した状態で上下可動に収容する収容部を備え調整長孔96bを設けている点が相違し、設定筒93aと同様の設定筒ロックネジ(不図示)で、その上下移動がロックされるようになっている。
【0082】取付板96cには、ラッチ手段96dが、上下軸87aにラッチ機構が作用するように設けられ、また、設定筒96aの収容部に収容される側には、調整長孔96bを介して、取付板ロックネジ96eが螺入されるようになっている。ラッチ手段96dは、安定保持位置設定手段93のラッチ手段93cと同様のものである。取付板ロックネジ96eは、調整長孔96bを介して、取付板96cに螺入され、この調整長孔96bの任意の上下位置で、取付板96cを、設定筒96aに対して、固定するものである。
【0083】上下軸87aは、図7のアーム84の上下軸84aと同様のものであるが、その安定溝87bは、この上下軸87aの外周を取り巻く状態で設けられている点で相違する。なお、図7の上下軸84aが角軸であるのに比べ、この上下軸87aは丸軸で構成されているが、これは説明の都合によるものである。上記調整長孔96b、取付板96c、ラッチ手段96d、取付板ロックネジ96eも、安定保持位置設定手段95と同様に、それぞれ2個ずつ設けられ、それぞれを区別する場合には、その符号の末尾に、「#1」、「#2」を付加して示している。
【0084】このような安定保持位置設定手段96によれば、上記の回動に対する安定保持位置設定手段95で説明したのと同様にして、2種類の対応最適対応上下位置に対して、安定保持上下位置を設定することができる。つまり、この安定保持位置設定手段によれば、術者用椅子で判断する術者の座位12時、座位10時、座位9時、立位9時などの複数の位置態様にも対応して、安定保持位置の設定ができる。
【0085】図10(a)〜(c)、図11(d)〜(f)、図12(g)〜(j)は、本発明の歯科診療器具保持手段の駆動手段あるいは位置保持手段の取付位置の種々の例を示す概念図である。(a)は、治療台下部の術者側に取り付けたもので、図4、7で説明したものと同様である。(b)は、治療台下部の助手側に取り付けたもので、この場合は、治療台をまたぐためのアームが更に必要となる。(c)は背板に取り付けたタイプである。(d)はフロアの術者側に立設したもので、(e)はそれを助手側にしたものである。
【0086】(f)は、歯科診療器具保持手段3がサイドキャビネットに収容されるタイプのものである。このサイドキャビネットは、例えば、P0S(Patient Oriented System) キャビネットであって、内部に殺菌装置を備えている。その場合、歯科診療器具保持手段3は、保持手段位置自動設定スイッチの操作により、術者用椅子の位置によって治療終了を判断して、自動的にサイドキャビネットに収容され、ここで、滅菌処理などが施されるようにすることもできる。
【0087】(g)は、照明装置の支持手段とともに設けられるもので、壁取付タイプ、(h)は同様に天井吊り下げタイプ、(i)は同様にスタンドポール式、(j)はフロアと天井を結ぶポールに設置したタイプである。このようないずれの、取付位置、取付方法であっても、本発明の歯科診療器具保持手段の駆動手段あるいは位置保持手段は、その効果を発揮する。
【0088】
【発明の効果】請求項1に記載の歯科診療装置によれば、ハンドピースなどの歯科診療器具を載置または係止する歯科診療器具保持手段、いわゆるトレーテーブルを、保持手段位置自動設定スイッチの操作により、その時の術者用椅子、つまり術者の位置に対応させて、術者が最も使い易い位置に、歯科診療器具保持手段を自動移動させるので、術者が一定の動きで正確、迅速な治療を行うことができ、歯科診療に非常に便利である。また、複数の選択スイッチの操作が不要なので、選択の間違いがなく、誤って患者を不必要に姿勢変更させることがなく、患者への負担を軽減する。
【0089】請求項2に記載の歯科診療装置によれば、請求項1に記載の歯科診療装置の効果に加え、術者用椅子の位置検出を、患者が保持されている患者用診療台に対する相対的位置を検出することで行うので、患者の口腔位置を基準とした術者の位置検出、つまり、上述した12時、9時などの位置を、正確かつ簡単に検出することができる。
【0090】請求項3に記載の歯科診療装置によれば、請求項1または2のいずれかに記載の歯科診療装置の効果に加え、更に、歯科診療に関係する患者用診療台の昇降、背板の傾動も、最適の位置移動判断基準である術者用椅子の位置を基準に、自動に行うので、間違いのない移動がなされると共に、便利がよい。請求項4に記載の歯科診療装置によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の歯科診療装置の効果に加え、更に、歯科診療に関係する照明装置の移動、点消灯も、最適の位置移動判断基準である術者用椅子の位置を基準に、自動に行うので、間違いのない設定がなされると共に、便利がよい。
【0091】請求項5に記載の歯科診療装置によれば、請求項1の歯科診療装置の特徴である位置移動判断を術者用椅子の位置を基準に行うという点を、手動移動式の歯科診療器具保持手段の位置保持手段に適用したもので、ラッチ手段などを用いた安定保持位置設定手段によって、自動手段を用いなくとも、最適の位置移動判断基準である術者用椅子の位置を基準にした最適対応位置に、わずかな手動操作で歯科診療器具保持手段を移動させることができるので、便利がよい。
【0092】請求項6に記載の歯科診療装置は、請求項5に記載の歯科診療装置の効果に加え、請求項5の位置保持手段と安定保持位置設定手段を、より具体的に、歯科診療器具保持手段の移動方向に対応させて規定したもので、請求項5の効果を発揮する歯科診療装置を簡単に実現することができる。




 

 


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