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発明の名称 臓器収納バッグと臓器収納バッグ挿入具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−37388(P2000−37388A)
公開日 平成12年2月8日(2000.2.8)
出願番号 特願平11−103111
出願日 平成11年4月9日(1999.4.9)
代理人 【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
発明者 吉田 修 / 寺地 敏郎 / 新関 隆一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】膨張式枠縁を設けた臓器受入口を形成した柔軟な袋体に、鉗子、内視鏡などの処置具挿入部を形成した臓器収納バッグにおいて、上記膨張式枠縁には、立体裁断で生じるマチ部を設け、その膨張式枠縁に流体を注入することによって、上記臓器受入口を拡開させる構造としている臓器収納バッグ。
【請求項2】膨張式枠縁を設けた臓器受入口を形成した柔軟な袋体に、鉗子、内視鏡などの処置具挿入部を形成した臓器収納バッグにおいて、上記膨張式枠縁は、流体を注入することによって多角形状に膨張して、上記臓器受入口を拡開させる構造としている臓器収納バッグ。
【請求項3】膨張式枠縁を設けた臓器受入口を形成した柔軟な袋体に、鉗子、内視鏡などの処置具挿入部を形成した臓器収納バッグにおいて、上記膨張式枠縁は、流体を注入することによって膨張する複数のセグメントを連ねて円形又は多角形状に形成して、上記臓器受入口を拡開させる構造としている臓器収納バッグ。
【請求項4】請求項2において、上記膨張式枠縁は、その外周に適宜間隔でマチ部を設けることによって、多角形状のコーナー部を形成するようにしている臓器収納バッグ。
【請求項5】請求項1または4のいずれかにおいて、上記マチ部の接合片が、上記コーナー部の内面側に形成されるようにしている臓器収納バッグ。
【請求項6】請求項2〜5のいずれかにおいて、上記多角形状は、三角形状、四角形状、五角形状のいずれかである臓器収納バッグ。
【請求項7】請求項1〜6のいずれかにおいて、上記膨張式枠縁は、流体を注入したときに、その表面がほぼ均等に膨張するようにしている臓器収納バッグ。
【請求項8】請求項2〜7のいずれかにおいて、上記マチ部は、蛇腹状とすることによって、多角形状のコーナー部を形成するようにしている臓器収納バッグ。
【請求項9】請求項2〜8のいずれかにおいて、上記膨張式枠縁は、複数の膨張式円柱状体を連通している臓器収納バッグ。
【請求項10】請求項2〜9のいずれかにおいて、上記膨張式枠縁は、上記多角形状のコーナ部が円弧形状となっている臓器収納バッグ。
【請求項11】請求項1〜10のいずれかにおいて、上記膨張式枠縁は、伸縮性の少ないシート材料によって形成されている臓器収納バッグ。
【請求項12】請求項1〜11のいずれかにおいて、上記臓器受入口には、閉じ紐を通した複数の通孔を周設した閉じ代片を付設している臓器収納バッグ。
【請求項13】請求項12において、上記閉じ代片には、掴み孔を穿設している臓器収納バッグ。
【請求項14】請求項12または13のいずれかにおいて、上記閉じ紐は、結び目のないエンドレスに形成している臓器収納バッグ。
【請求項15】請求項1〜14のいずれかにおいて、上記処置具挿入部は、上記袋体の臓器受入口に対向する側に設けられている臓器収納バッグ。
【請求項16】請求項15において、上記袋体の周壁には、臓器受入口から処置具挿入部方向に走る複数本の膨張式リブ枠を上記膨張式枠縁に連通させて、配設した構造としている臓器収納バッグ。
【請求項17】請求項1〜16のいずれかにおいて、上記袋体は、厚さ50〜80ミクロンの丈夫で柔軟なウレタンシートあるいはポリエチレンシートで形成されている臓器収納バッグ。
【請求項18】請求項1〜17のいずれかにおいて、上記袋体は、透明あるいは半透明のウレタンシートあるいはポリエチレンシートで形成されている臓器収納バッグ。
【請求項19】請求項1〜18のいずれかにおいて、上記袋体の袋部を2重構造とした臓器収納バッグ。
【請求項20】請求項1〜19のいずれかにおいて、上記流体として、清浄空気、炭酸ガス、滅菌蒸溜水のいずれかを注入するようにした臓器収納バッグ。
【請求項21】請求項1〜20のいずれかにおいて、上記処置具挿入部には、挿入される処置具に合わせた挿入孔を設けた受け口部材と、その挿入孔を必要に応じて気密にシールするシール栓とを付設している臓器収納バッグ。
【請求項22】請求項1〜20のいずれかに記載の臓器収納バッグを折り畳んで、腹腔内に、その臓器収納バッグを挿入するためのガイドをするガイド筒と、その臓器収納バッグを挿入するための押し軸で構成される臓器収納バッグ挿入具。
【請求項23】請求項1〜20のいずれかに記載の臓器収納バッグを折り畳んで、腹腔内に、その臓器収納バッグを挿入するためのガイドをするガイド筒と、その臓器収納バッグを挿入するための押し軸で構成される臓器収納バッグ挿入具であって、上記ガイド筒には、上記臓器収納バッグの上記処置具挿入部の末端をシールするシール機構が設けられ、上記押し軸には、上記臓器収納バッグ挿入後、鉗子、内視鏡などの処置具を上記臓器収納バッグ内に気密に挿入することができる挿入孔が設けられている臓器収納バッグ挿入具。
【請求項24】請求項21に記載の臓器収納バッグを折り畳んで、腹腔内に、その臓器収納バッグを挿入するためのガイドをするガイド筒と、その臓器収納バッグを挿入するための押し軸で構成される臓器収納バッグ挿入具であって、上記押し軸には、上記受け口部材の形状に合わせたときには、その受け口部材を通過させる形状の合わせ孔が設けられている臓器収納バッグ挿入具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹腔鏡下手術などにおいて、摘出臓器などを収納するための臓器収納バッグと、その臓器収納バッグを腹腔などに挿入するための臓器収納バッグ挿入具に関する。
【0002】
【従来の技術】腹腔鏡下手術は、腹腔あるいは胸腔での手術に用いられ、例えば、腹部全体を開腹するのでなく、最小限の施術孔を切開又は穿孔し、その施術孔に腹腔鏡と、鉗子や電気メスなどの処置具を挿入して、腹腔鏡で腹腔内部を観察しながら、処置具を用いて、病変した摘出臓器を切除し、体外へ取り出すものである。この手術法は、手術のための切開又は穿孔による施術孔が小さいので、術後の回復も早く、外部からの菌などの侵入も最小限に抑えることができるので、近年より多く用いられている。この手術の場合、患者への悪影響を避けるために、さらに、臓器収納バッグを用い、切除した摘出臓器を、腹腔内で、いったん臓器収納バッグに収納してから、さらに、そのバッグ内で、摘出臓器を細かく切り分けるか、あるいは、そのまま、臓器収納バッグに収納した状態で外部へ取り出すようにしている。このようにすると、例えば、病変が悪性腫瘍によるものであっても、切除後にすぐ、バッグに収納し、その後は、全ての処置をバッグに収納した状態で行うので、その悪性腫瘍の影響が、腹腔内の他の部位に及ぶことがなく、患者への悪影響を最小限に抑えることができる。
【0003】一方、施術孔の空間的な制約、いわゆる単眼観察となる腹腔鏡の視覚的制約などのため、開腹手術に比べ、手術の自由度が少なく、臓器収納バッグを腹腔内で使用する場合、切除臓器を出来るだけ早くバッグに取り入れるために、いかにして、その臓器受入口を早く確実に拡開させるかが、重要な課題となっている。
【0004】この課題を解決するものとして、様々な臓器収納バッグが提案されており、本出願人も、特開平9−173337号公報に記載された臓器収納バッグを提案している。
【0005】図39は、そのような臓器収納バッグの例を示すものである。
【0006】図39(a)は、臓器収納バッグ31の拡開方法として、弾性を有し、拡開ガイド34側から力を加えることによって、リング状になる拡開材32を用いている。この臓器収納バッグ31は、力を加えない状態で拡開材32を拡開ガイド34に収納し、バッグ31をガイド内筒36の外周に折り畳んだ状態で、ガイド外筒35の内部に収容し、ガイド外筒35を用いて、腹腔内に挿入し、その後、拡開手段(不図示)で拡開材34をリング状にして、バッグ31を拡げ、臓器受入口33を拡開させている。
【0007】この方法は、比較的簡単な方法で、臓器収納バッグを拡開させることができる点で優れていたが、一定の剛性を有する拡開材32や拡開ガイド34を腹腔内で、不可視に近い状態で、操作する必要があるため、人体臓器に損傷をもたらさないように操作するのに努力を要し、また、理想的な拡開を得るのは困難であった。
【0008】図39(b)、(c)は、臓器収納バッグの拡開方法として、上記のような剛性体を用いず、袋体の全体あるいは一部に中空部を設け、その中空部に空気などを注入して、拡開させる方法を用いている。
【0009】図39(b)の臓器収納バッグ41では、臓器受入口43に円環状の中空部で構成される膨張式枠縁42を設けており、この膨張式枠縁42にはチューブ45が処置具挿入部44を通って、外部に導出されており、このチューブ45で空気などを注入し、膨張式枠縁42を膨張させることによって、臓器受入口43を拡開させている。
【0010】図39(c)の臓器収納バッグ51では、袋体全体を円筒状に形成した膨張式筒縁52としており、処置具挿入部54から導出されたチューブ55で空気などを注入し、膨張式筒縁52を膨張させることによって、臓器受入口53を拡開させている。なお、46、56は、さらに設けられた処置具挿入部であり、鉗子や腹腔鏡を挿入して、バッグ内に収納した臓器を見ながら処置をすることができるようにしたものである。
【0011】このような臓器収納バッグは、袋自体は、人体に損傷を与えないポリエチレンシートなどで構成されているので安全の点では優れていた。
【0012】しかし、これらの臓器収納バッグは、流体を注入して形状が定まり拡開できるようになるまでに、かなりの空気量を要し、また圧力も相当程度高くしないと、理想的な状態に拡開しないし、拡開後も、わずかの力で変形し易いものであった。特に、万が一、膨張式枠縁や膨張式筒縁が破裂した場合、その空気の漏れ出しによる腹腔内の圧力上昇の問題、及び、その空気による腹腔内部の汚染の問題を防ぐため、出来るだけ低い圧力で、しかも少ない空気量で理想的な拡開ができることが求められていた。
【0013】また、従来、拡開の方法については、上述した従来例の方法も含め、様々な方法が提案されていたが、その拡開の形状や立体裁断について注目したものは、ひとつとしてなかった。これは、臓器収納バッグの材質として、その折り畳みのし易さ、袋体の強度、人体への影響、透明性などの点からポリエチレンシートやウレタンシートが用いられ、その柔軟性のため、その拡開の形状は、円形状、あるいはそれに近いものになるのが当然と考えられていたからであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題を解決するために提案されるもので、腹腔鏡手術に用いられ、低い圧力で、しかも少ない流体量で簡単に拡開することができ、かつ変形しにくい臓器収納バッグと、その臓器収納バッグを挿入するための臓器収納バッグ挿入具を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1〜20では、臓器収納バッグを提案しており、膨張式枠縁に立体裁断のマチ部を設けたこと、膨張式枠縁によって臓器受入口を、円形形状ではなく、多角形状に拡開させることを特徴としている。
【0016】本発明は、上述したように、従来全く省みられなかった、膨張式枠縁の材料の立体裁断とその拡開形状に注目し、材料をより膨らませし易いように立体裁断して膨張式枠縁を形成するとともに、その形状を材料の成り行きにまかせるのではなく、意識的に変化させることを着想し、試行錯誤の結果、立体裁断し、また、円形状ではなく、多角形状にすると、より低い圧力で、しかも少ない流体量で臓器受入口を拡開でき、また変形に強いことを見出だすにいたり、これを本発明の臓器収納バッグに利用したものである。
【0017】また、本発明の臓器収納バッグは、腹腔鏡手術に用いられるもので、腹腔あるいは胸腔などに、挿入され、切除した臓器を取り入れ、取り入れた臓器を腹腔鏡で観ながら、必要な処置などをその中ですることができ、また、切除臓器を中にいれたままで、バッグ全体を、施術孔から取り出すこともできるものである。
【0018】さらに、このような気密性のある臓器収納バッグを用いると、臓器収納バッグの臓器受入口などの開口部を適宜シールすると、その袋体内部に気体を注入して、内部を膨らませた状態で、収容した臓器の処置などをすることができるので、腹腔鏡の視野も確保することができ、腹腔鏡下手術に適している。
【0019】特に、請求項1に記載の臓器収納バッグは、膨張式枠縁を設けた臓器受入口を形成した柔軟な袋体に、鉗子、内視鏡などの処置具挿入部を形成し、上記膨張式枠縁には、立体裁断で生じるマチ部を設け、その膨張式枠縁に流体を注入することによって、上記臓器受入口を拡開させる構造としている。
【0020】ウレタンシートなどの柔軟性材料を用いて、膨張式枠縁を形成する場合に、膨張して立体形状になったときに、シート材に不均一な伸縮が生じないように、立体裁断によって、マチ部を設けるようにしたものである。
【0021】理想的には、流体を注入して形成される立体形状になるようにシート材を完全立体成形しておけば、その立体形状が形成されるまでは、シート材の伸縮による弾性力が、流体の注入を妨げることがなく、最も低い圧力で、立体形状を形成し、臓器受入口を拡開することができる。しかし、実際の生産加工技術上は、このようなことは困難で、平面状のシート材を立体裁断して、立体形状を形成するように、弛みなどのマチ部をもうけるのがよく、こうすることによって、より低い圧力で、膨張式枠縁を所定の形状に膨張させ、臓器受入口を拡開させることができる。さらに、このマチ部は、折り畳んで小さくできるように工夫されている。
【0022】また、この場合の拡開形状は、多角形状に限定されるものでなく、円形形状、楕円形状などであってもよい。請求項2に記載の臓器収納バッグは、その拡開形状に特徴を有するものであり、膨張式枠縁を設けた臓器受入口を形成した柔軟な袋体に、鉗子、内視鏡などの処置具挿入部を形成し、上記膨張式枠縁は、流体を注入することによって多角形状に膨張して、上記臓器受入口を拡開させる構造としている。
【0023】多角形状とした場合、その所定形状にまで膨張した後は、さらに膨張させる場合に、その表面が比較的に同じように伸長するので、低い圧力で済み、また、角が立っているので、外力に対して変形しにくい。
【0024】請求項3に記載の臓器収納バッグは、膨張式枠縁を設けた臓器受入口を形成した柔軟な袋体に、鉗子、内視鏡などの処置具挿入部を形成した臓器収納バッグにおいて、上記膨張式枠縁は、流体を注入することによって膨張する複数のセグメントを連ねて円形又は多角形状に形成して、上記臓器受入口を拡開させる構造としている。
【0025】この臓器収納バッグは、膨張式枠縁が複数のセグメントに分割され、それぞれのセグメントに独立に、あるいは適宜共通の流体注入用のチューブが設けられている。したがって、バッグが均一に膨張し易くなっている。
【0026】請求項4に記載の臓器収納バッグにおいて、上記膨張式枠縁は、その外周に適宜間隔でマチ部を設けることによって、上記多角形状のコーナー部を形成するようにしている。
【0027】ここでいう、マチ部とは、とくに、次のような部分をいう。例えば、2枚の長方形のシート材の周辺部を単純に接着し、そのシート材の2枚のシートの間に空気を注入すると、その空気の圧力とシート材の柔軟性から、円柱状のものが形成される。しかし、一方のシートだけを少し長いものを用い、その長さの分だけ、重なり部分を設けて長さを揃えた状態で周辺部を接着してから、そのシートの間に空気を注入すると、その重なり部分の余分の長さだけ、その長いシート側は余分に外側に突出し、結局、その部分がコーナー部を形成して、全体としては、折れ曲がった円柱状のものが形成される。この重なり部分をマチ部という。
【0028】このように、シート材で袋状の臓器収納バッグを形成し、その開口部分にさらにシート材を接着して中空の膨張式枠縁を作るのに、外周に適宜マチ部を設けると、簡単に膨張したときに多角形状となる膨張式枠縁を実現することができる。また、折り畳んだ時にかさばることがなく、小さくまとめることができる。
【0029】請求項5に記載の臓器収納バッグは、上記マチ部の接合片が、上記コーナー部の内面側になるようにしている。
【0030】熱圧着などで接着された接合片は、他の部分に比べ多少固くなっており、そのような接合片が、バッグの外側へ突出することがなく、腹腔や胸腔内部の人体組織を損傷することがない。また、この接合片はコーナー部の内側に設けられた補強リブの役割も果たし、多角形状のコーナー部を立て、全体形状の安定性を向上させている。
【0031】ここで、内面側とは、膨張式枠縁を膨張させるときに、流体が注入される内部側をいう。
【0032】請求項6に記載の臓器収納バッグは、上記多角形状を、三角形状、四角形状、五角形状のいずれかとしたものである。
【0033】請求項7に記載の臓器収納バッグにおいて、上記膨張式枠縁は、流体を注入したときに、その表面がほぼ均等に膨張するようにしている。
【0034】発明者の試行錯誤の実験によると、円形形状の場合、膨張すればするほど、断面形状の膨張に加え、その形状の性質より、内径及び外径が大きくなる、つまり、内周及び外周が大きくなるという性質を有しており、また、内径の膨張度合と外径の膨張度合は等しくない。円形形状でない、多角形状の場合、そのような断面形状の膨張以外の表面の伸長という現象は少なく、また、膨張の度合もあまり場所による差がない。
【0035】したがって、表面が均等に膨張するようにすると、低い圧力で膨張させることができると考えるに至ったものである。
【0036】請求項8に記載の臓器収納バッグにおいて、上記マチ部を蛇腹状とすることによって、多角形状のコーナー部を形成するようにしている。
【0037】蛇腹状とするとは、いわば、小さなマチを重ねてもうけることであり、同様の効果を得ることができる。
【0038】請求項9に記載の臓器収納バッグにおいて、上記膨張式枠縁は、複数の膨張式円柱状体を連通している。
【0039】例えば、四角形状とする場合には、円柱状体を4つ、それぞれ小径でできるだけ短い流体通路によって連通したもので、この場合は、四角形状を形成した場合の内側と外側の円柱状部の伸長度が等しく、より低い圧力で膨張し、所定形状に達する。
【0040】請求項10に記載の臓器収納バッグにおいて、上記膨張式枠縁は、多角形状のコーナ部を円弧形状としている。
【0041】請求項11に記載の臓器収納バッグにおいて、上記膨張式枠縁は、伸縮性の少ないシート材料によって形成されている。
【0042】伸縮性が少ないため、所定の形状に達した後は、あまり余分の圧力をかけなくとも、その所定の形状を強固に維持し、理想的な拡開形状が維持される。また、膨張して余分の流体を蓄えることが少なく、万が一、破裂したときにも、腹腔内へ漏れ出す流体量を最小限に抑えることができ、圧力の影響も少なくすることができる。請求項12に記載の臓器収納バッグにおいて、上記臓器受入口には、閉じ紐を通した複数の通孔を周設した閉じ代片を付設している。
【0043】閉じ紐でバッグの臓器受入口を閉じることができる。
【0044】請求項13に記載の臓器収納バッグにおいて、上記閉じ代片には、掴み孔を穿設している。
【0045】腹腔内で、腹腔鏡で観察しながら、鉗子などで、掴み孔を利用して、バッグを掴むことができ、把持がし易く、はずれにくい。また、袋体の部分からは離れているので、袋体を損傷することがない。
【0046】請求項14に記載の臓器収納バッグにおいて、閉じ紐を結び目のないエンドレスに形成している。
【0047】閉じ紐はエンドレスなので、結び目がなく、バッグを閉じる支障とならない。請求項15に記載の臓器収納バッグにおいて、上記処置具挿入部は、上記袋体の臓器受入口に対向する側に設けられている。
【0048】通常の状態では、臓器受入口から、臓器を取り入れるのに、その対抗する側に鉗子などの処置具の挿入部が設けられているので、操作性がよい。
【0049】請求項16に記載の臓器収納バッグにおいて、上記袋体の周壁には、、臓器受入口から処置具挿入部方向に走る複数本の膨張式リブ枠を上記膨張式枠縁に連通させて、配設した構造としている。
【0050】臓器受入口が、多角形状の膨張式枠縁で拡開すると同時に、バッグ全体もその拡開に沿って、丁度、長さの短い(傾斜の急な)メガホン状に成形されるので、臓器受入口が拡開すると同時に立ち上がり、臓器を取り入れるのに都合がよい。
【0051】請求項17に記載の臓器収納バッグにおいて、上記袋体は、厚さ50〜80ミクロンの丈夫で柔軟なウレタンシートあるいはポリエチレンシートで形成されている。
【0052】このような臓器収納バッグは、折り畳んで、腹腔鏡手術の施術孔に用いられるトラカール(外套管)内を通過させて腹腔内などに挿入することができ、腹腔鏡手術に適している。
【0053】請求項18に記載の臓器収納バッグにおいて、上記袋体は、透明あるいは半透明のウレタンシートあるいはポリエチレンシートで形成されている。
【0054】中身を見ることができ、またバッグ自身が腹腔鏡の視界を遮ることが少ないので、操作性がよい。
【0055】請求項19に記載の臓器収納バッグは、上記袋体の袋部を2重構造としている。ここで、袋部とは、袋体の膨張式枠縁を設けた臓器受入口、処置具挿入部を除いた、主に臓器などを収容し処置を施すための部分をいう。この臓器収納バッグは、そのような袋部を2重構造としているので、破れにくく安全性が高い。
【0056】また、収納バッグ内の摘出臓器を鉗子などで処理している時に、万一、バッグが破損しても、2重構造となっているので悪性腫瘍などが外部に漏れ出ることを防ぐことができる。
【0057】請求項20に記載の臓器収納バッグは、上記流体として、清浄空気、炭酸ガス、滅菌蒸溜水のいずれかを注入するようにしている。
【0058】より低い圧力で、しかも少ない量で、形が定まり維持されるので、使用流体の選択枝が増え、適用範囲が広くなる。
【0059】請求項21に記載の臓器収納バッグは、上記処置具挿入部には、挿入される処置具に合わせた挿入孔を設けた受け口部材と、その挿入孔を必要に応じて気密にシールするシール栓とを付設している。
【0060】挿入孔によって、処置具との隙間を少なくすることができ、その孔は、不使用時には、シール栓でシールできるので、外部からの影響を少なくできる。請求項22〜24では、請求項1〜21に記載の臓器収納バッグを腹腔や胸腔内に挿入するための臓器収納バッグ挿入具を提案しており、これらの臓器収納バッグを損傷させないで、良好に、腹腔内などに挿入することができる。
【0061】以下、詳述すれば、請求項22に記載の臓器収納バッグ挿入具は、請求項1〜20に記載の臓器収納バッグを折り畳んで、腹腔内に、その臓器収納バッグを挿入するためのガイドをするガイド筒と、その臓器収納バッグを挿入するための押し軸で構成される。
【0062】請求項23に記載の臓器収納バッグ挿入具は、請求項1〜20に記載の臓器収納バッグを折り畳んで、腹腔内に、その臓器収納バッグを挿入するためのガイドをするガイド筒と、その臓器収納バッグを挿入するための押し軸で構成される臓器収納バッグ挿入具であって、上記ガイド筒には、上記臓器収納バッグの上記処置具挿入部の末端をシールするシール機構が設けられ、上記押し軸には、上記臓器収納バッグ挿入後、鉗子、内視鏡などの処置具を上記臓器収納バッグ内に気密に挿入することができる挿入孔が設けられている。
【0063】シール性が優れているので、腹腔内などへの外気などの影響を少なくするとともに、バッグ収納物の漏れ出し、及びバッグを膨らませる気体などの漏れもを防ぐことができる。
【0064】請求項24に記載の臓器収納バッグ挿入具は、請求項21に記載の臓器収納バッグを折り畳んで、腹腔内に、その臓器収納バッグを挿入するためのガイドをするガイド筒と、その臓器収納バッグを挿入するための押し軸で構成される臓器収納バッグ挿入具であって、上記押し軸には、上記受け口部材の形状に合わせたときには、その受け口部材を通過させる形状の合わせ孔が設けられている。
【0065】受け口部材は、押し軸の合わせ孔に特に嵌まり込ませない限りは、押し軸の端面で保持され、その挿入孔に処置具を通して作業ができ、作業後は、シール栓でシールして、腹腔内に入れることができ、臓器収納バッグを挿入するのに適し、また、シール性が優れ、腹腔内などへの外気などの影響を少なくするとともに、バッグ収納物の漏れ出しを防ぐことができる。
【0066】
【発明の実施の形態】これより、添付図を用いて、本発明の臓器収納バッグ及び臓器収納バッグ挿入具について説明する。
【0067】まず、本発明の臓器収納バッグの構造について説明する。
【0068】図1は、本発明の臓器収納バッグの一例を使用するために拡開した状態の概略斜視図、図2は、本発明の臓器収納バッグの一例の外観平面図、図3(a)は本発明の臓器収納バッグの臓器受入口付近の要部詳細図、(b)はそのAA断面図である。
【0069】1は臓器収納バッグ、2は膨張式枠縁、3は臓器受入口、4は処置具挿入部、5はマチ部、6は閉じ紐、7は閉じ代片、8は掴み孔、9はチューブ、10はチェックバルブである。
【0070】11、12は臓器収納バッグ挿入具を構成するガイド筒と押し軸で、人体Eに切開された施術孔Fに通常設けられるトラカール(外套管。不図示。)の代わりに施術孔Fに嵌め込まれ、バッグ1を腹腔G内へ挿入するために用いられる。Aは鉗子、Bは摘出臓器である。
【0071】本発明の臓器収納バッグ1によれば、腹腔G内に挿入して、折り畳んだ臓器収納バッグ1をガイド筒11内部から露出させ、注射器(不図示)などをチェックバルブ10に差しこみ、流体、例えば、清浄空気などを注入すれば、その流体は、チューブ9を通って、膨張式枠縁2に注入され、この枠縁2は、その外周にマチ部5が設けられているので、その作用により、低い圧力で、しかも少ない流体量で、まず、コーナー部2aが形成され、それに沿って、さらに注入される流体によって、容易にかつ確実に、枠縁2が多角形状、この場合、四角形状に形成される。
【0072】上述したように、本発明では、臓器受入口3の拡開形状を特に意識的に多角形状としたことを特徴とし、このようにすることによって、従来の円形形状に比べ、より低い圧力で、しかも少ない流体量で、容易かつ確実に拡開することができ、また、外力による変形に強く、腹腔鏡手術に適している。また、臓器受入口3の形状が、真っ直ぐな辺を有する多角形状となるので、従来の全周円形状に比べ、下部となる辺の安定性がよく、摘出臓器Bを取り込むときの支障にもなりにくい。
【0073】また、使用流体も、清浄空気、炭酸ガス、滅菌蒸溜水など、腹腔内などに漏れ出しても、人体への影響の少ないものを、適宜、選択することができ、適用範囲がひろい。また、バッグの損傷によって漏れ出した場合も、その量は少なく、人体への影響を最小限に抑えることができる。
【0074】更に、従来例と比較して、臓器収納バッグ1が腹壁に沿って拡開するので、腹腔内の狭い空間でも、大きな開口部を得ることができ、摘出臓器Bを取り込み安くなっている。
【0075】こうして、臓器受入口3は、四角形状に拡開されているので、押し軸11に設けられた挿入孔(不図示)より、鉗子Aを挿入して、臓器受入口3を図示のようにセットし、鉗子Aにより臓器Bを掴み、バッグ1内に引き込むことによって、容易に、摘出臓器Bをバッグ1内に取り込むことができる。
【0076】臓器収納バッグ1は、透明あるいは半透明なもので、厚さ50〜80ミクロンの丈夫で柔軟なウレタンシートあるいはポリエチレンシートで形成されており、折り畳んだときには、ガイド筒11内に収容することができ、押し軸12で折り畳んだバッグ1を腹腔内に挿入して使用される。
【0077】このバッグの材料として使用されるシートの材質、厚みは、腹腔内への悪影響の無いこと、収納した摘出臓器の滲出成分が漏れ出さないこと、内部で鉗子操作、細切操作などをしても容易には破損しない程度の丈夫さ、化学的な安定性、また、トラカール内を通過させることができる程度に折り畳めること、などを満たすものであれば、適宜選択することができる。
【0078】また、バッグ1のシート材を、透明あるいは半透明にすると、腹腔鏡下手術での唯一の「目」である腹腔鏡の視野を妨げることが少なく、また、収納された摘出臓器をバッグ1外から見ることができ、逆に、バッグ1内から腹腔鏡を用いて周囲臓器も見ることができ、バッグ1内の臓器を鉗子Aなどで処置中にバッグ1外の臓器などを傷つけないように確認しながら操作できるので安全性が高く、腹腔鏡下手術に適している。
【0079】膨張式枠縁2は、臓器受入口3付近に設けられ、バッグ1と同じ材料か、または、後述するように、特に伸縮性を考慮した材料で形成され、生産技術的理由により、通常は、バッグ1本体の外周にバンド状のシート材を重ね合わせ、周囲を接着して形成される。本発明では、この外周に重ね合わせて接着するシート材にマチ部5を設けている点を特徴とするが、その構造、機能については、後に詳述する。
【0080】閉じ代片7は、臓器収納バッグ1に摘出臓器Bを取り入れた後、膨張式枠縁2を収縮させた後に、臓器受入口3を閉じるために設けられており、その縁端には、閉じ紐6を通した複数の通孔7aが周設されている。この閉じ紐6を鉗子Aで掴み、引っ張り上げると、臓器受入口3を閉じることができる。
【0081】また、この閉じ紐6は、結び目のないエンドレスとなっており、引っ張り上げられたときに、結び目が通孔7aなどに引っ掛かったりせず、スムーズに閉じることができる。
【0082】掴み孔8は、閉じ代片7の接着部分に適宜設けられており、鉗子Aで、臓器収納バッグ1を掴むときの引っ掛かりとなるものである。掴み孔8は、孔として形成されているので、その孔が鉗子Aの把持部分の爪に掛かり、把持が容易になると同時に、はずれにくくなる。また、接着部分に設けられているので、この部分は、他のシート材そのものの部分より、強度が高く、損傷を受けにくい。さらに、臓器収納部分の袋部1aから離れた部分であるので、仮に損傷をうけた場合でも、収納物の漏れ出しの原因とはならず、安全性が高い。
【0083】チェックバルブ10は、注射器などの流体注入具を差し込んだときには、流体の通過を可能とし、流体注入具を取り外したときには、流体の通過を阻止する簡易な構造のバルブである。
【0084】流体注入具を差し込んだときだけ、流体の注入あるいは抜き出しができ、流体注入具を取り外したときには、チューブ9と膨張式枠縁2内に充填された流体が抜け出ないので、便利が良い。次に、本発明の特徴とするマチ部及び多角形状について説明する。図4(a)〜(d)は、膨張式枠縁に流体が注入され、マチ部がコーナー部を形成する過程の概略説明図である。この図4は、図3に示すマチ部5のBB断面を示すもので、そのマチ部5の断面が、流体の注入にともなって、まずコーナー部2aを形成し、その後、所定形状を形成していく状態を示すものである。
【0085】図4(a)は、流体が注入されていない状態のマチ部5断面を示している。この図では、見やすくするために、膨張式枠縁2の内部に一定の空間があるように記載しているが、実際は、流体が全く注入されていない状態では、偏平な状態である。
【0086】この図でわかるように、膨張したときに膨張式枠縁2の内側となる内側部2bに比べ、外側となる外側部2cは、マチ部5の折り重なりの分だけ長くなっている。また、このマチ部の折り重なりの形状は、図3に示すように、三角形状、つまり、膨張式枠縁2の幅の中心部で最も、折り重なりの量が多く、両端に向かうにつれて小さくなるようにしている。これは、膨張式枠縁2の材料であるシート材の柔軟性のため、膨張後の断面形状が円形になるので、その円形になるのに無理がないように立体裁断したためである。
【0087】2dは、膨張式枠縁2の内部であり、流体が注入される部分である。5a(図3も参照)はマチ部5を形成するために、シート材を立体裁断し、その端部を接合した場合に生じる接合片である。通常、ポリウレタンシートなどの場合は、熱溶着などするので、この接合片5aは、他のシート材そのものの部分より、厚さが増え、幾分か固くなり、また、構造的にも一定の剛性を有している。
【0088】図4(b)は、流体を注入し始めた直後を示している。マチ部5は、内側に折り畳まれており、接合片5aもその内面部、つまり、内部2d側にあるので、その分だけ、空間もあり、また、伸び代もあることになり、最初に、このマチ部5が突出するようになる。
【0089】図4(c)は、さらに幾分か流体が注入された状態を示している。この状態では、全体の形状が形成される前に、すでに先に、コーナー部2aが形成されており、これに沿うような形で、全体の形状がほぼ出来つつある。
【0090】図4(d)は、ほぼ形状が形成された状態を示している。この状態では、コーナー部2aが先導するような形で、その内側部にもコーナー部が形成され、全体としても、多角形状が形成されている。
【0091】こうして、マチ部5を設けることによって、シート材を用いながら、簡単に、多角形状となる膨張式枠縁2を形成することができる。また、図4(d)に示すように、接合片5aが内面側になるようにしているので、接合片5aが外側にでず、外側となる腹腔内に、接合片5aが損傷を与えることがない。さらに、この接合片5aは一定の剛性を有しているので、コーナー部2aの内側のいわば、補強リブの役割も果たしており、コーナー部2aの形状安定性にも貢献し、外力に対して変形しにくくしている。つまり、生産技術的に不可避的に生じる接合代である接合片を、逆に、構造体の一部として、実に巧妙に利用していることになる。
【0092】これまでの説明では、多角形状を形成するのにマチ部を用いる一方法を示したが、柔軟性のあるシート材を用いて、これを張り合わせ、その内部に流体を注入して多角形状を形成する方法としては、これだけに限られない。
【0093】図5(a)〜(c)は、多角形状を形成する他の方法を示す概念図である。
【0094】図5(a)、(b)は、その一例を示しており、(a)は、シート材を切断し、張り合わせた状態、(b)はそれを膨らませた状態を模式的に示すものである。ここでは、例として、四角形状を示している。また、理解の補助のため、それぞれの概念図の側には、断面図を付している。
【0095】シート材を用意し、大小2つの同心の正方形で囲まれた窓枠形状に切断し、その周辺部を張り合わせる。ここでは、張り合わせの接合代が、張り合わせた内部になる場合を示しており、このような張り合わせは、現実には困難であるが、これは、概念説明のためであり、上記に説明した、接合片を外に出さない利点との関係で、そのように表示したものである。
【0096】このように張り合わした膨張式枠縁2Aの内部に流体を注入すると、図5(b)のように膨らみ、四角形状が形成される。
【0097】図5(c)は、このような多角形状の形成方法に基づく臓器収納バッグ1Aの一例を示している。
【0098】図では、臓器収納バッグ1Aを、その臓器受入口3Aを開口させた状態で示している。この臓器収納バッグ1Aには、上記で説明した膨張式枠縁2Aの多角形状形成方法に基づいて形成された膨張式枠縁2Bが、臓器受入口3A付近に、丁度、ツバのように張り出して設けられており、このツバの外側への張り出しに対応して、内側にも、ツバ状の張り出しが設けられている。
【0099】この膨張式枠縁2Bに流体を注入すれば、これまで説明した膨張式枠縁2、2Aと同様に、より低い圧力で、多角形状を形成し、臓器受入口3Aを多角形状に拡開することができる。
【0100】本発明の効果を発揮する多角形状は、これまで例として挙げてきた四角形状だけには限られない。図6(a)〜(l)は、そのような様々な膨張式枠縁の多角形状を示す模式図である。
【0101】図6(a)〜(d)は、多角形状をそれぞれ、三角、四角、五角、六角形状とした例である。それぞれ、同様の効果を発揮する。理論的には、角数をもっと多くすることができるが、実用上は、六角形状程度が限度であり、四角形状が、最も使い易い。
【0102】図6(e)、(f)は、多角形状のコーナー部が円弧形状となっているもので、ここでは、四角形状、五角形状の例を示している。この場合も、同様の効果を発揮する。
【0103】図6(g)、(h)は、多角形状の各辺が円弧形状となっているもので、ここでは、三角形状、四角形状の例を示している。この場合も、同様の効果を発揮する。
【0104】図6(i)、(j)は、マチ部を蛇腹状とすることによって、多角形状のコーナー部を形成するようにしているもので、ここでは、四角形状、五角形状の例を示している。蛇腹状とするとは、いわば、小さなマチを重ねてもうけることであり、マチ部の効果についてはすでに説明した通りであり、それを蛇腹状とした場合でも、同様の効果を得ることができる。
【0105】図6(k)、(l)は、複数の膨張式円柱状体を連通させることによって、膨張式枠縁としているもので、ここでは、四角形状、五角形状の例を示している。例えば、四角形状とする場合には、円柱状体2eを4つ、それぞれ小径でできるだけ短い流体通路である連通路2fで連通させている。このようにすると、四角形状を形成した場合の内側と外側の円柱状部の伸長度が等しく、より低い圧力で膨張し、所定形状に達し、余分な膨張のために必要な流体量がより少ない。
【0106】多角形状にすることの効果についての理論的な考察は、まだ、十分には行われていない。発明者の試行錯誤の実験から、推察されることは以下のことである。
【0107】円形の場合、断面が膨張して大きくなると、その円形の内外径も大きくなり、外周及び内周も長くなり、その分だけ、シート材を円周方向に伸ばすための余分な弾性力が必要で、それに対抗して膨張させるための余分な圧力が必要となる。これに対して、多角形状の場合、原理的には、断面形状が膨張しても、その多角形の各辺をなす円柱の長さ方向を伸ばすような余分な力は発生しないと考えられる。したがって、多角形状の場合、円形形状に比べて、より低い圧力で、断面形状を膨張させることができると推察される。
【0108】この事より、多角形状をそれぞれ円柱状体となるものを連通させて形成するようにした、図6(k)、(l)の膨張式枠縁が有利であることが予想できる。しかし、図6(k)、(l)の膨張式枠縁は、生産技術的には製作の困難度が高く、それに見合う有意の効果の差が期待できる場合には、採用の価値がある。
【0109】また、膨張式枠縁の表面ができるだけ均等に膨張するようにすると、より低い圧力で、また、より少ない流体量で、所定の形状を得ることができる。
【0110】さらに、一定形状に達した後は、それ以上に膨張しないようにすると、余分な圧力の上昇、余分な流体量が必要なくなり、本発明の課題をより良く解決することができる。したがって、臓器収納バッグの本体部と同じ材料でなく、膨張式枠縁のみを、別に伸縮性の少ないシート材で形成するようにすると、伸縮性が少ないため、所定の形状に達した後は、あまり余分の圧力をかけないでも、その所定の形状を強固に維持し、理想的な拡開形状が維持される。また、膨張して余分の流体を蓄えることが少なく、万が一、破裂したときにも、腹腔内へ漏れ出す流体量を最小限に抑えることができ、圧力の影響も少なくすることができる。
【0111】図7(a)はセグメントに分割した膨張式枠縁の正面図、(b)は、そのAA断面図である。
【0112】この膨張式枠縁2Dは、図6(k),(l)の膨張式枠縁を更に発展させたもので、4つに分割したセグメント2Da〜2Deを連結して、このそれぞれのセグメント2Da〜2Deを原則として独立のものとし、それぞれのセグメントに2Da〜2Deに個別に分岐させたチューブ9Aを接続して、流体を供給するものである。このように複数の部分に分割したセグメントによって構成するようにすると、より低い圧力でそれぞれのセグメント2Da〜2Deを均一に膨張させることができる。
【0113】この複数のセグメントの個数は、ここで示した4つに限られるものではなく、また、形成される形状も円形に限られるものではなく、図6の種々の形状と同様に種々構成することができる。また、このようなセグメントは、独立させずに、適宜隣接されるセグメント間を連通させてもよい。流体を供給するチューブも、結果的に全てのセグメントに流体が供給されればよく、分岐させる方法も、ここに説明した方法に限られない。
【0114】次に、立体裁断で生じる他のマチ部の例について説明する。
【0115】図8は、本発明の臓器収納バッグの膨張式枠縁の別のマチ部の例の概念説明図で、(a)はマチ部を設けた円形形状の膨張式枠縁の外観斜視図、(b)はその断面図、(c)は膨張時の断面図である。
【0116】この膨張式枠縁2Cは、別のマチ部5Bの機能を説明するために、概念的に、膨張式枠縁の部分を取り出したものである。また、マチ部5Bなどを解りやすくするために、膨張式枠縁2C内に一定の空間を有した状態で表示しているが、実際には、膨張式枠縁2C内に流体が注入されていない時には、偏平な状態となる。
【0117】膨張式枠縁2Cは、これまでの膨張式枠縁と同様に、柔軟性のあるウレタンシートなどのシート材で製せられるが、シート材を立体裁断して、膨張したときに円形ドーナツ状になるように形成され、その上部と下部の間には、ちょうど、提灯を折りたたんだときにできる折り畳みのようなマチ部5Bが、内周と外周に設けられ、そのマチ部5Bを形成したときにできるシート材の接合片5bが、膨張式枠縁2Cの内面側になるようにしている点が相違する。
【0118】このような膨張式枠縁2Cの内部に、流体を注入すると、膨張式枠縁2Cは膨張して、図8(c)に示すように、全体として、ドーナツ状になり、その断面は、円形形状となる。この場合、立体裁断せず、マチ部5Bを設けずに、図5(a)の四角形状を円形形状とした場合に比べ、より低い圧力で、簡単に膨張させることができる。その理由としては、膨張時の立体形状に合わせて、シート材の余分な伸縮が発生しないように立体裁断しているので、その伸縮による弾性力が、余分な膨張圧力を要求しないためであると察せられる。
【0119】また、接合片5bが、膨張時の内面側となるようにしているので、その接合片5bで、腹腔内などを損傷することがない。
【0120】図9(a)、(b)は本発明の臓器収納バッグの他例を示す外観模式図である。
【0121】図9(a)の臓器収納バッグ21は、処置具挿入部4を袋部1aの臓器受入口3に対向する側に設けるとともに、さらに臓器収納バッグ21の袋部1aの側壁部にも、2箇所の処置具挿入部4を設けている。
【0122】臓器受入口3に対向する側に設けられた処置具挿入部4によれば、図1でも説明したように、その挿入部4から鉗子を入れて、臓器受入口3から摘出臓器Bをバッグ21内に取り入れるのに都合がよい。また、それ以外の処置具挿入部4によれば、鉗子以外にバッグ21内に取り込んだ摘出臓器Bを細切など処置する場合に、腹腔鏡や、電気メス、臓器細切器などをトラカールを介して挿入し、観察・操作するのに都合がよい。
【0123】図9(b)の臓器収納バッグ22は、袋部1aの周壁には、臓器受入口3から処置具挿入部4方向に走る複数本の膨張式リブ枠23を上記膨張式枠縁2に連通させて、配設した構造としている。
【0124】臓器受入口3が、多角形状の膨張式枠縁2で拡開すると同時に、バッグ全体もその拡開に沿って、膨張式リブ枠23の膨張に伴い、丁度、長さの短い(傾斜が急な)メガホン状に成形されるので、鉗子などで、受入口3をわざわざ立ち上げないでも、臓器受入口3が拡開すると同時に立ち上がり、臓器を取り入れるのに都合がよい。これより、本発明の臓器収納バッグを腹腔や胸腔内に挿入するための臓器収納バッグ挿入具について説明する。
【0125】図10は、本発明の臓器収納バッグ挿入具を構成する部品の一例を示す図であって、(a)はガイド筒を示す縦断面図、(b)は押し軸を示す縦断面図、(c)は袋止めキャップの一部破断図、(d)は鉗子ガイドを示す縦断面図である。
【0126】図10において、11はガイド筒、12は押し軸、13は袋止めキャップ、14は鉗子ガイドであって、全て、化学的な安定性、対人体の安全性、錆びが発生しない特性から、ステンレス鋼で製されるが、その他の剛性材料、例えば、ナイロンまたは硬質ポリ塩化ビニルで製してもよい。臓器収納バッグ挿入具は、主として、ガイド筒11、押し軸12、袋止めキャップ13で構成され、鉗子ガイド14は、補助的に使用されるものである。
【0127】ガイド筒11は、円筒体で、片方端の外側には段付きのツバが形成されており、そのツバの端面には、臓器収納バッグ1のチューブ9(図1)を通すための逃がし溝11aが形成されている。円筒体の外径は、施術孔F(図1)に嵌まり込むような径となっている。このガイド筒11の内径内部には、臓器収納バッグ1を折り畳んで収容し、それから伸び出ているチューブ9は、逃がし溝11aを通して、導き出されるようになっている。
【0128】押し軸12は、円筒体で、ガイド筒11の内径に嵌まり込ませることができるようになっており、円筒体の外周の両側にはツバが形成されている。その片側のツバの外径は、ちょうど、ガイド筒11の内径に隙間なく嵌まり込む径になっており、このツバの側を先頭にしてガイド筒11に挿入することによって、ガイド筒11内に折り畳んで収容された臓器収納バッグ1を、押し出すことができる。また、このツバの外周には、臓器収納バッグ1から伸び出しているチューブ9を逃がす、逃がし溝12cが設けられている。
【0129】反対側のツバ12dの外径は、ガイド筒11の内径より十分大きく、押し軸12をガイド筒11に嵌まり込ませたときには、ツバ12dによって、それ以上の嵌まり込みが阻止される。そのツバ12dの内径には、そのツバ12dの端面から内径に向かうテーパー部メス12aが形成され、その外周には、ガイドピン12bが2箇所形成されている。
【0130】袋止めキャップ13は、押し軸12のガイドピン12b側のツバ12dに被せて用いられる。袋止めキャップ13は、大きく分けて、キャップ外体13aとキャップ内体13cから構成され、キャップ外体13aとキャップ内体13cは、相互に、軸方向には固定され、その軸回りには回転可能に係合されている。したがって、キャップ内体13cを回動させずに、キャップ外体13aだけを回動させてることができる。
【0131】キャップ外体13aは、片側に内径方向のツバを有する円筒形状をしており、そのツバのない円筒部分は、押し軸12のガイドピン12bを有したツバ12dに被せられ、その円筒部分には、その端面から切り込まれ、軸方向に沿う直溝とそれに続くテーパー溝で構成されるガイド溝13bが2箇所形成され、このガイド溝13bにガイドピン12bが嵌まり込むようになっている。
【0132】キャップ内体13cは、キャップ外体13aのツバ側の内径部分に係合し、その反ツバ側外径には、押し軸12のテーパー部メス12aに対応したテーパー部オス13dが形成され、袋止めキャップ13を押し軸12に被せたときには、テーパー部メス12aとテーパー部オス13dが嵌合するようになっている。また、このテーパー部オス13dには、適所に溝が設けられ、その溝にOリング13eが嵌め込まれている。
【0133】キャップ内体13cの内径は、鉗子ガイド14の軸部や、鉗子などを隙間なく貫通させることのできる挿入孔13fとなっており、その適所には、鉗子などを貫通させたときに、シール機能を発揮するシールリング13gが設置されている。
【0134】鉗子ガイド14は、長方形状の板を長手方向にコの字に折り曲げた形状のツバ14bの底辺部14b1の中心から、パイプ軸14aを立てたような形状をしており、押し軸12の中に挿入して、臓器収納バッグ1をガイド筒11内に折り畳んで収納する際の案内の役割をするとともに、そのパイプ内部に鉗子の本体軸部を挿入することができるようにしたものである。
【0135】鉗子ガイド14のツバ14bは、パイプ軸14aを立設させた底辺部14b1と、この底辺部14b1の両端からパイプ軸14a方向に平行に伸びる側辺部14b2から成る。この側辺部14b2の終端を終端14b3、パイプ軸14aの底辺部14b1側の端部を端部14a1、他端を端部14a2とする。
【0136】図11は、その臓器収納バッグ挿入具のシール機構の説明図であって、(a)は臓器収納バッグの処置具挿入部を押し軸に通した状態、(b)は袋止めキャップでその挿入部の末端を固定する前の状態、(c)はその断面、(d)は固定後の状態、(e)はその断面を示す図である。
【0137】まず、臓器収納バッグ1の処置具挿入部4の末端を押し軸12の内部を通過させて、その末端を押し軸12のツバの外周を覆うように折り返し、その部分に袋止めキャップ13を被せる(図11(a))。
【0138】次に、押し軸12のガイドピン12bに、袋止めキャップ13のガイド溝13bを嵌め込む(図11(b)、(c))。
【0139】次に、キャップ外体13aを右回りに回動させると、そのガイド溝13bとガイドピン12bとの係合と、ガイド溝13bのテーパ形状の作用により袋止めキャップ13全体は、図の矢印13Aの方向、つまり、押し軸12に近づくように動く(図11(d))。
【0140】このとき、キャップ外体13aに回転可能に係合されたキャップ内体13cは回動せず、矢印13Aの方向にのみ移動する。この移動に伴い、押し軸12のテーパー部メス12aに、それに嵌まり合う形状のキャップ内体13cのテーパー部オス13dが接近し、そのテーパー部オス13dに設けられたOリング13eにより、その間に挟まれた処置具挿入部4の末端が押し軸12に固定され、また処置具挿入部4と袋止めキャップ13との間のシールも保たれる(図11(e))。
【0141】この状態で、袋止めキャップ13の挿入孔13fに、鉗子ガイド14のパイプ軸あるいは鉗子の本体軸部を挿入すると、挿入孔13fに設けられたシールリング13gの作用により、袋止めキャップ13と鉗子ガイド14あるいは鉗子の本体軸部との間のシールが保たれ、また、鉗子ガイド14に鉗子の本体軸部を挿入する場合には、この鉗子ガイド14と鉗子の本体軸部とのシールも保たれる。
【0142】このようにして、全体として、処置具挿入部4の固定と臓器収納バッグ1の内部の気密性が保たれる。また、シール性が優れているので、バッグ1を膨らませる炭酸ガス等の流体の外部への漏れがなく、腹腔内などへの外気などの影響も少なくすることができる。次に、本発明の臓器収納バッグのさらに他の例と、その臓器収納バッグ用の臓器収納バッグ挿入具とについて説明する。
【0143】図12は、そのような本発明の臓器収納バッグのさらに他例を示すもので、(a)は要部断面を示した外観模式図、(b)はシール栓の正面図である。この図については、これまで説明した臓器収納バッグと同一の部分については、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0144】この臓器収納バッグ1Bでは、これまで説明したものに比べ、処置具挿入部4Aが短寸であって、受け口部材15が設けられ、その挿入孔15aに嵌め込まれるシール栓16が用意されている点が相違する。これらの受け口部材15、シール栓16は、シリコンゴムなどの安全性の高い軟質ゴムで製され、シール性が高い。
【0145】この挿入孔15aは、丁度、鉗子Aなどの処置具の外径に合わせた径となっており、処置具を入れる時や、処置具を入れて操作している時に、余分な外気の侵入を防ぐことができる。また、必要な処置が済んだ後には、処置具を引き抜いた後、シール栓16を嵌まり込ませることによって、臓器収納バッグ1B内の収納物の漏出、外気からの汚染物の侵入を阻止することができる。
【0146】図13は、その臓器収納バッグ1Bの挿入に用いられる本発明の臓器収納バッグ挿入具の他例を示すもので、(a)はガイド筒、(b)は押し軸、(c)は挿入具を挿入可能とした状態を示す図である。なお、図13(b)では、理解を容易にするため、中央の縦断面図に加え、その左側に左側面図、右側に右側面図も合わせて示し、図13(c)では、左側の使用状態を示す断面図に加え、その右側に右側面図も合わせて示している。
【0147】ガイド筒17は、図10のガイド筒11と同様の構造をしており、同様にチューブ9の逃げ溝17aを有し、折り畳んだ臓器収納バッグ1Bを収容する。
【0148】押し軸18は、図10の押し軸12と同様の構造をしており、逃がし溝18bが設けられ、相違するのは、ツバの内径がテーパー部となっておらず、長方形形状の合わせ穴18aが設けられている点である。
【0149】この合わせ穴18aは、臓器収納バッグ1Bの処置具挿入部4Aに設けられた受け口部材15の外径形状、ここでは長方形形状に合わせた形状となっており、その形状を合わせることによって、受け口部材15を通過させることができる。したがって、臓器収納バッグ1Bの処置具挿入部4Aを押し軸18の内径を通すときには、受け口部材15と合わせ穴18aの形状を合わせて、この合わせ穴18aから、受け口部材15を取り出し、その後は、図13(c)に示すように、これらの形状が合わないようにしておくと、受け口部材15は、合わせ穴18aに嵌まり込んでしまうことがなく、挿入孔15aに処置具を入れての操作に集中できる。
【0150】操作が終了した場合には、挿入孔15aに前記のシール栓16を嵌めておくと、外気の侵入を防ぎ、また、バッグ1Bの収納物の漏れ出しを防ぐことができ、受け口部材15の外形形状と合わせ穴18aの形状を合わせると、受け口部材15を押し軸18内に入れることができ、腹腔内へ、臓器収納バッグ1Bを入れることができる。これより、本発明の臓器収納バッグと臓器収納バッグ挿入具の使用方法の一例を説明する。
【0151】図14より図25までは、本発明の臓器収納バッグを用いた摘出臓器取り出しの手順を示す説明図で、図14(a)は臓器収納バッグの処置具挿入部を押し軸に通した状態、(b)は袋止めキャップでその挿入部の末端を固定した状態、図15(c)は鉗子ガイドを挿入する状態を示す図である。
【0152】図16(d)は臓器収納バッグを折り畳んだ状態、(e)は折り畳んだ臓器収納バッグの先端を折りまげる状態、図17(f)は折り畳んだ臓器収納バッグをガイド筒に収納する状態、(g)は臓器収納バッグの使用前のセット状態を示す図、図18(h)は、臓器収納バッグをセットしたガイド筒を腹腔鏡手術下の人体腹部に挿入する状態を示す図、図19(i)は押し軸により臓器収納バッグを腹腔内に挿入する状態を示す図、図20(j)は臓器を取り込んだ後、閉じ紐を引いて、臓器受入口を閉じさせている状態を示す図、図21(k)は施術孔から、トラカールを引き抜くと同時に臓器受入口を体外へ取り出す状態を示す図、図22(l)はトラカールカフをセットした後、炭酸ガスにより臓器収納バッグを膨らます状態を示す図、図23(m)は処置後、袋止めキャップをはずす状態を示す図、図24(n)は処置具挿入部を結び、臓器収納バッグ内の体液などが漏れ出すのを防いでいる状態を示す図、図25(o)は臓器を収納した状態で、臓器収納バッグを取り出す状態を示す図である。
【0153】まず、臓器収納バッグ1の処置具挿入部4を押し軸12に通す(図14(a))。次に、挿入部4の末端を押し軸12のツバを覆うように折り返し、袋止めキャップ13で固定する(図14(b))。こうして、図11で説明したように、袋止めキャップ13を嵌め込み、回動させるだけで、挿入部4の押し軸12への固定と臓器収納バッグ1の内部のシールを同時に簡単にすることができる。その後、鉗子ガイド14を、鉗子ガイド14のツバ14bの底辺部14b1と袋止めキャップ13が接するまで、押し軸12に挿入する(図15(c))。
【0154】なお、ツバ14bの側辺部14b2の長さは、押し軸12のツバ12dとこれに嵌め込んだキャップ13の長手方向の幅より長い。これは後述のように、鉗子ガイド14を押していき、前記ツバ14bの側辺部14b2の終端14b3がガイド筒11のツバに接して止まって、臓器収納バッグ1の開口の拡開を行った後に、さらに押し軸12のみを臓器に向けて押し出し、臓器を収納していく距離を確保するためである。
【0155】次に、鉗子ガイド14を押し軸12に挿入した状体で、臓器収納バッグ1を小さく折り畳み(図16(d))、折り畳んだ臓器収納バッグ1の先端を折りまげ(図16(e))、その折りまげ部と押し軸12の先端の逃がし溝12cが入る位置まで、鉗子ガイド14、押し軸12、臓器収納バッグ1を一体的にガイド筒11に収容する(図17(f))。こうして、臓器収納バッグ1は、図17(g)に示すような状態で、ガイド筒11の内部にセットされる。
【0156】次に、臓器収納バッグ1をセットしたガイド筒11を、人体Eの施術孔FにトラカールCの代わりに嵌め込む(図18(h))。図において、Dは腹腔鏡である。その後、鉗子ガイド14を臓器に向けて押し込むと、同時に押し軸12が押され、これにより臓器収納バッグ1が腹腔G内の臓器に向けて押し出される(図19(i))。
【0157】鉗子ガイド14を押していくと、折り畳んだ臓器収納バッグ1がそれ自体の弾性により折り畳まれない状態に復元する。鉗子ガイド14は、前記ツバ14bの側辺部14b2の終端14b3がガイド筒11のツバに接して止まるが、この時、鉗子ガイド14のパイプ軸14aの長さは腹腔の安全を確保するため、ガイド筒11から腹腔内に突出しないよう設定されている。
【0158】このあと、臓器収納バッグ1の膨張式枠縁2に流体を注入して、臓器受入口3を拡開させ、さらに押し軸12のみを摘出臓器B側へ押し込んだ後、摘出臓器Bを取り込むが、これについては、すでに、図1を用いて説明した。
【0159】摘出臓器Bをバッグ1に完全に収納し、取り込んだ後は、流体を膨張式枠縁2から抜き出して、膨張式枠縁2を収縮させ、閉じ紐6を引いて、臓器受入口3を閉じる(図20(j))。
【0160】次に、トラカールCを施術孔Fから引き抜くと同時に、臓器受入口3を体外へ取り出す(図21(k))。
【0161】ついで、トラカールカフCAを、臓器収納バッグ1と外套管Cの間にセットし、まず、トラカールカフCAの2つの滅菌蒸留水注入口より、それぞれ滅菌蒸留水を注入し、トラカールカフCAを膨張させ、外套管C、臓器収納バッグ1、施術孔F間の気密が保持されるようにし、外套管Cのガス注入口より、炭酸ガス(CO2)を注入して、腹腔G内の臓器収納バッグ1の内部を膨張させる(図22(l))。こうすることによって、バッグ1に一定の空間ができ、腹腔鏡の視野も確保することができると共に、処置がしやすくなる。
【0162】こうして、必要な処置を済ませると、袋止めキャップ13をはずし、臓器収納バッグ1の処置具挿入部4が、腹腔G内に入れることができるようにする(図23(m))。
【0163】その後、処置具挿入部4を結ぶことよって閉じ、臓器収納バッグ1内の体液などが漏れ出すのを防ぐ(図24(n))。
【0164】最後に、チューブ9をカットし、処置具挿入部4を腹腔G内に入れ、摘出臓器Bを収納した状態で、臓器収納バッグ1を施術孔Fから取り出す(図25(o))。
【0165】こうして、本発明の臓器収納バッグと臓器収納バッグ挿入具によれば、簡単に、かつ安全に、臓器収納バッグを腹腔内などに挿入でき、簡単、確実に、低い圧力で、かつ、少ない流体量で、臓器受入口を拡開でき、また変形しにくく、摘出臓器の取り込みなどが迅速にでき、腹腔鏡下手術に適している。これより、本発明の臓器収納バッグと臓器収納バッグ挿入具の更に他例について、図面を用いて説明する。
【0166】図26は、そのような本発明の臓器収納バッグの外観平面図である。以下の説明においても、これまでに説明したものと同じ部分については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0167】この臓器収納バッグ1Cは、図2の臓器収納バッグ1に比べて、袋部1aに折り畳み用の折線1bが形成されている点が異なり、また、処置具挿入部4と袋部1aの長手中心線のなす角αが相違している。
【0168】折線1bは、図中に二点鎖線で示しているが、袋部1aの素材となっているシート材に、目安として折れ目が解る程度に形成されたもので、この例では、袋部1aの長手軸方向と平行な折線1baとこれに直交する方向の折線1bbとがある。
【0169】折線1baは、袋部1aの長手軸方向に直交する方向の外周を6等分する様に形成され、この図では、その片面側だけが見えている。この折線1baは、後述するように、ガイド筒に挿入するために、臓器収納バッグ1Cを折り畳む時の目安となる程度のもので、ここでは、6等分の例を示したが、折り畳み方によって適宜設定されるものである。
【0170】折線1bbは、袋部1aの臓器受入口3側に、その折線1bbから後ろの側を折り畳む目安となるもので、袋部1aの長手軸方向に直交する方向の外周全周に渡って形成されている。
【0171】処置具挿入部4と袋部1aの長手中心線のなす角αは、図2の臓器収納バッグ1では、特に示していないが、150度〜160度程度であったが、この臓器収納バッグ1Cでは、90度〜100度程度に設定している。このような角度にしたのは、図21(k)、図22(l)から解るように、臓器収納バッグ1を腹腔内にセットした時、一方の施術孔に挿入された収納バッグ1Cの処置具挿入部4と、他方の施術孔から引き出される臓器受入口3との間の収納バッグ1Cの位置関係が、施術孔の位置関係と同様になるようにして、収納バッグ1Cにたるみをなくし、しわが生じないようにしたものである。
【0172】このようにすると、臓器収納バッグ1C内で、種々の処置を行う場合、このたるみが腹腔鏡Dの視野の障害となることが少なく、また、種々の処置具に引っ掛かることがすくなく、バッグ1Cの破損の可能性が少なくなる。また、臓器収納バッグ1Cの処置空間が確保され、処置が行いやすくなる。
【0173】処置具挿入部4の端部に形成された黒太線4aは、後述するように、この部分を押し軸に挿入し、折り返して袋止めキャップでシールする際の折り返し位置の目印となるもので、適当な着色手段で、目印となる着色がなされているものである。
【0174】図27(a)は、本発明の臓器収納バッグの更に他例のA1断面図、(b)は外観平面図である。
【0175】この臓器収納バッグ1Dは、図26の臓器収納バッグ1Cに比べて、袋体の部分が、(a)の断面図、(b)の平面図でも示しているように、2重構造の袋部1Daと成っている点が相違する。
【0176】このように2重構造とするのは、臓器収納バッグ1Dの臓器を収容する袋部1Daが、腹腔鏡下手術において、万一、内側あるいは外側の一方の袋体が破れても、収容された臓器などの悪影響が腹腔内に及ばないようにしたものである。こうして、腹腔鏡下手術の安全性が更に高まる。
【0177】次に、図26の臓器収納バッグ1C,図27の臓器収納バッグ1Dを、腹腔内に挿入するのに使用するガイド筒11A、グリップ栓11B、パイプガイド12Bを備えた押し軸12A、折り畳み用キャップ12C、袋止めキャップ13A、鉗子ガイド14Aについて説明する。これらは、先に、図10で説明したガイド筒11、押し軸12、袋止めキャップ13、鉗子ガイド14に対応するもので、異なる点のみ詳しく説明する。
【0178】図28(a)は、そのようなグリップ栓の正面図、(b)はガイド筒の一部断面の正面図、(c)はグリップ栓をガイド筒に組み込んだ状態の一部断面の正面図である。図28(a)には、グリップ栓を前方から見た図も合わせて示している。
【0179】グリップ栓11Bは、図10のガイド筒では用いられていないもので、ガイド筒11Aに挿入して用い、先端に丸尖り部11Baを備えて、後端は掴み易いようにグリップ部11Bbを備え、ガイド筒11Aに挿入した状態で、掴んで操作しやすく、また、丸尖り部11Baによって、施術孔に挿入しやすくしている。
【0180】ガイド筒11Aは、図10のガイド筒11に比べ、外径に設けられた螺旋部11Aaによって、施術孔で無理なく挿入することができるようになっており、また、内径にはシールのためのOリング11Abが設けられており、グリップ栓11Bを挿入したときに、気密を保持できるようになっている。
【0181】ガイド筒11Aの入口側ツバには、回り止め凹部11Acが設けられ、ここにグリップ栓11Bのグリップ部11Bbの先端に設けられた回り止め突起11Bcが嵌まり込んで、ガイド筒11Aに挿入したグリップ栓11Bで、施術孔に挿入したガイド筒11Aを共回動させ、その螺旋部11Aaの働きによって、腹部に負担をかけることなく、ガイド筒11Aを施術孔に挿入することができるようになっている。
【0182】図29(a)はパイプガイドを備えた押し軸、折り畳み用キャップをセットした状態の縦断面図、(b)はパイプガイドを備えた押し軸の縦断面図、(c)は折り畳み用キャップの縦断面図である。図29(b)には、パイプガイドを前面から見た図も合わせて示している。
【0183】図29(b)の押し軸12Aは、図10の押し軸12の先端部と同様のパイプガイド12Bを先端に備え、小突起12Aaaを備えた翼板12Aaを両側に張り出させた受け口円筒12Abを他端に備えている。この受け口円筒12Abの入口部は、押し軸12のテーパー部メス12aと同様のテーパー部メス12Adが形成され、受け口円筒12Abの外周には、ガイド突起12Acが2箇所、円周上の対向する位置に設けられている。
【0184】パイプガイド12Bは、筒状体であって、その筒長さの半分程度が押し軸12の先端に取り付けられるように内径に肉厚となっており、この肉厚部の外径に雄ネジ部12Baが形成されている。その雄ネジ部12Baをふくんで、筒状態の筒長さ全体にわたって、臓器収納バッグ1C,1Dのチューブ9を逃がすための逃がし溝12Bbが設けられている。
【0185】図29(c)の折り畳み用キャップ12Cは、薄肉円筒状のもので、その内径の一部には、上記パイプガイド12Bの雄ネジ部12Baにネジ係合する雌ネジ部12Caが形成されている。この折り畳み用キャップ12Cは、パイプガイド12Bの先端にセットされる折り畳んだ臓器収納バッグ1C,1Dを、根元部でその折り畳みが維持されるようにカバーするものであるが、パイプガイド12Bの雄ネジ部12Baにネジ係合させて、その係合が外れるまで奥の方へねじ込んでおいて、また、ネジ戻して使用してもよいし、折り畳んだ臓器収納バッグ1C,1Dの先端からはめ込んで、パイプガイド12Bの雄ネジ部12Baにネジ係合させて使用するようにしてもよい。
【0186】図30(a)は袋止めキャップの一部断面の正面図、 (b)は鉗子ガイドの縦断面図である。これらの図30(a)、(b)には、それぞれ前方から見た図を合わせて示している。
【0187】図30(a)の袋止めキャップ13Aは、図10の袋止めキャップ13に比べて、テーパー部オス13Abaを備えたキャップ内体13Abの内径にシール機構がなく、代わりに、シールリング13Aeを備えたシールキャップ13Adを、このキャップ内体13Abの入口側に外嵌している点が相違する。シールキャップ13Adに設けられた押さえ板13Afは、シールリング13Aeを押さえている。シールリング13Aeの内径は、鉗子ガイド14Aのパイプ軸14Acの外径に対して気密を維持するようになっている。13Acは、図10の袋止めキャップ13のOリング13eと同様のOリングである。
【0188】ガイド溝13Aaaを有したキャップ外体13Aaは、図10の袋止めキャップ13のキャップ外体13aと同様である。このキャップ外体13Aaのガイド溝13Aaaには、押し軸12Aのガイド突起12Acが嵌まり込むようになっている。
【0189】図30(b)の鉗子ガイド14Aは、図10の鉗子ガイド14と同様のツバ14Aa、底辺部14Ab、パイプ軸14Acから構成され、同じ役割を果たすものである。
【0190】図31(a)から図34(f)は、臓器収納バッグを臓器収納バッグ挿入具に収納する手順を説明するもので、上述した図14(a)〜図16(e)に対応するものであり、異なる点のみ、詳しく説明する。この手順では、臓器収納バッグ1Cを用いて説明しているが、臓器収納バッグ1Dの場合も、ほぼ、同様の手順となる。
【0191】まず、図31(a)に示すように、パイプガイド12Bの逃げ溝12Bbにチューブ9が嵌まるようにしながら、パイプガイド12Bを臓器収納バッグ1Cの処置具挿入部4の首部外周に嵌め込み、ついで、処置具挿入部4に押し軸12Aを挿入して、処置具挿入部4の端部を折り返して、袋止めキャップ13Aを被せ、そのシール機構によって、押し軸12A、袋止めキャップ13Aと処置具挿入部4の間のシールが保たれるようにする。
【0192】このとき、図示したように、パイプガイド12Bによって、チューブ9が押し軸12Aの先端部の位置になるように支持される。この状態で、鉗子ガイド14Aを、袋止めキャップ13Aに挿入する。
【0193】ついで、図32(b)に示すように、臓器収納バッグ1Cの臓器受入口3の前縁に直交する方向になるように、処置具挿入部4、そこにセットした押し軸12A、袋止めキャップ13A、鉗子ガイド14Aの方向を維持しながら、折線1bbの後ろ側の部分全体が、袋部1aの内側に入り込むように折り込んでいく。
【0194】こうして、図32(c)に示すように、折線1bbの後ろ側の部分全体が、完全に折線1bbより前の袋部1a部分に折り込まれてしまうようにする。なお、この図32(c)は、図32(b)を上から見た所で、その方向から見て、平面状態になるように折り畳まれている状態を示している。
【0195】こうして、この臓器収納バッグ1Cは、折り畳むための目安となる折線1bが形成されているので、折り畳みし易く、また、この折線1bを経験的に最も適切な折り畳み方になるように形成しておけば、理想的な状態に臓器収納バッグ1Cを折り畳むことができる。
【0196】ついで、図33(d)に示すように、折線1baを目安として、図32(c)で折り畳まれた袋部1aを更に、三つ重ねに折り畳む。図33では、この三つ重ねに折り畳んだ状態を示すD視図も示している。
【0197】この状態で、折り畳み用キャップ12Cを用いて、臓器収納バッグ1Cの袋部1aを更に折り畳んで、後述するガイド筒11Aに入れ込むことができるようにする。
【0198】図34(e)は、このように押し軸12A、袋止めキャップ13A、鉗子ガイド14Aをセットし、折り畳んだ状態の臓器収納バッグ1Cの正面図、(f)は平面図を示している。
【0199】図35(g)から図38(k)は、このようにしてセットされた臓器収納バッグ1Cを、腹腔内に挿入して、摘出臓器を収納する手順を説明するもので、上述した図17(f)〜図20(j)及び図1に対応するものであり、異なる点のみ、詳しく説明する。
【0200】まず、図35(g)に示すように、グリップ栓11Bを嵌め込んで、外気の侵入などを封止するようにした状態のガイド筒11Aを、このグリップ栓11Bのグリップ部で把持して、トラカール(外套管)Cの代わりに、施術孔Fに挿入する。
【0201】このガイド筒11Aは、図18のガイド筒11のように施術孔Fに接触する部分が直筒状ではなく、通常のトラカール(外套管)Cのように、螺旋部11Aaになっているので、施術孔Fに挿入して行くときに回転させながら挿入することによって、腹壁Eに余分な圧力をかけることがない。また、グリップ栓11Bで外気の侵入を避けることができる。更に、このグリップ栓11Bは、ガイド筒11Aと一体になって、回り止め11Ac,11Bcの作用により共回動し、所定の施術孔Fに挿入するのに、操作性が良い。
【0202】所定の位置にガイド筒11Aを挿入し、臓器収納バッグ1Cの準備ができた時に初めて、図36(h)に示すように、グリップ栓11Bを抜き去り、素早く、セットされた臓器収納バッグ1Cをガイド筒11Aに入れ込む。
【0203】ついで、図36(i)に示すように、鉗子ガイド14Aを押し込んで、折り畳みキャップ12Cの中に折り畳まれている臓器収納バッグ1Cの袋部1a部分を押し出して、腹腔G内に挿入し、図37(j)に示すように、チェックバルブ10から、膨張式枠縁2に流体、この例では清浄水を注入すると、この膨張式枠縁2は、少ない流体量、少ない流体圧力で、腹壁Eに沿った形で四角形状に拡開し、摘出臓器Bを、鉗子ガイド14Aに設けた貫通孔を通して鉗子Aを操作することによって、簡単に、臓器収納バッグ1Cの袋部1a部分に引き込むことができる。
【0204】こうして、図38(k)に示すように、摘出臓器Bを臓器収納バッグ1Cに収納後、袋止めキャップ13Aと押し軸12Aとを押して、折り畳みキャップ12Cの中に折り畳まれていた臓器収納バッグ1Cの残部を押し出した後は、別のトラカールCから鉗子Aを入れて、臓器収納バッグ1Cの閉じ代片7に備えられた閉じ紐6を引き上げて、臓器受入口3を閉じる。
【0205】これ以降の手順は、図21(k)〜図25(o)を用いて、すでに説明した手順と同様にして、臓器収納バッグ1Cに摘出臓器Bを収納した状態のままで、臓器収納バッグ1Cを、腹腔G内から、腹腔G外へ取り出すことができる。
【0206】こうして、この本発明の臓器収納バッグと臓器収納バッグ挿入具によれば、簡単に、かつ安全に、臓器収納バッグを腹腔内などに挿入でき、簡単、確実に、低い圧力で、かつ、少ない流体量で、臓器受入口を拡開でき、また変形しにくく、摘出臓器の取り込みなどが迅速にでき、腹腔鏡下手術に適しているという効果に加え、臓器収納バッグの折り畳み、収納、取り扱いがより簡単になり、また、人体への負担が少なく、外気の影響も受けにくく、より安全に、かつ短時間で、摘出臓器を体外へ取り出すことができる。
【0207】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、請求項1〜19に記載の臓器収納バッグによれば、従来全く省みられなかった膨張式枠縁の形成方法と臓器受入口の拡開形状に注目し、シート材を立体裁断して膨張式枠縁を形成し、これを円形又は多角形状に拡開させることで、より低い圧力で、しかも少ない流体量で臓器受入口を拡開できるようにした。
【0208】また、本発明の臓器収納バッグは、腹腔鏡手術に用いられるもので、腹腔あるいは胸腔などに、挿入され、切除した臓器を取り入れ、さらに必要な処置などをその中で、取り入れた臓器を腹腔鏡で見ながらすることができ、また、切除臓器を中にいれたままで、バッグ全体を、施術孔から取り出すこともできるものである。
【0209】さらに、このような気密性のある臓器収納バッグを用いると、臓器収納バッグの臓器受入口などの開口部を適宜シールすると、その袋体内部に気体などを注入して、内部を膨らませた状態で、収容した臓器の処置などをすることができるので、腹腔鏡の視野も確保することができ、腹腔鏡下手術に適している。
【0210】特に、請求項1に記載の臓器収納バッグは、膨張式枠縁を設けた臓器受入口を形成した柔軟な袋体に、鉗子、内視鏡などの処置具挿入部を形成し、上記膨張式枠縁には、立体裁断で生じるマチ部を設け、その膨張式枠縁に流体を注入することによって、上記臓器受入口を拡開させる構造としているので、膨張時に不均一な伸縮が生じにくく、より低い圧力で、膨張式枠縁を所定の形状に膨張させ、臓器受入口を拡開させることができる。
【0211】請求項2に記載の臓器収納バッグは、その拡開形状に特徴を有するものであり、膨張式枠縁は、流体を注入することによって多角形状に膨張して、上記臓器受入口を拡開させる構造としているので、その所定の多角形状にまで膨張した後は、さらに膨張させる場合に、その表面が比較的に同じように伸長するので、低い圧力で済み、また、角が立っているので、外力に対して変形しにくい。
【0212】請求項3に記載の臓器収納バッグによれば、膨張式枠縁が複数のセグメントに分割されているので、低い圧力でも均一に膨張し易くなっている。
【0213】請求項4に記載の臓器収納バッグによれば、上記膨張式枠縁は、その外周に適宜間隔でマチ部を設けることによって、上記多角形状のコーナー部を形成するようにしているので、そのコーナー部によって、多角形状が形成され易くなるとともに、より低い圧力で済み、また、多角形状を形成する膨張式枠縁を簡単に実現でき、外力に対して変形しにくい。
【0214】請求項5に記載の臓器収納バッグによれば、上記マチ部の接合片が、そのマチ部の内面側になるようにしているので、熱圧着などで接着された接合片が、バッグの外側へ突出することがなく、腹腔や胸腔内部の人体組織を損傷することがなく、また、その接合片がコーナー部の内部補強リブとしても機能し、形状安定性がよく、より変形しにくい。
【0215】請求項6に記載の臓器収納バッグによれば、上記多角形状を、三角形状、四角形状、五角形状のいずれかとしているので、実用的に便利である。
【0216】請求項7に記載の臓器収納バッグによれば、上記膨張式枠縁は、流体を注入したときに、その表面がほぼ均等に膨張するようにしているので、低い圧力で膨張させることができる。
【0217】請求項8に記載の臓器収納バッグによれば、上記マチ部を蛇腹状とすることによって、多角形状のコーナー部を形成するようにしているので、いわば、小さなマチを重ねてもうけるのと同じであり、上記マチ部と同様の効果を得ることができる。
【0218】請求項9に記載の臓器収納バッグによれば、上記膨張式枠縁は、複数の膨張式円柱状体を連通しているので、四角形状を形成した場合の内側と外側の円柱状部の伸長度が等しく、より低い圧力で膨張し所定形状に達する。
【0219】請求項10に記載の臓器収納バッグによれば、上記膨張式枠縁は、多角形状のコーナ部を円弧形状としているので、上記マチ部と同様の効果を得ることができる。
【0220】請求項11に記載の臓器収納バッグによれば、上記膨張式枠縁は、伸縮性の少ないシート材料によって形成されているので、所定の形状に達した後は、あまり余分の圧力をかけないでも、その所定の形状を強固に維持し、理想的な拡開形状が維持される。また、膨張して余分の流体を蓄えることが少なく、万が一、破裂したときにも、腹腔内へ漏れ出す流体量を最小限に抑えることができ、圧力の影響も少なくすることができる。請求項12に記載の臓器収納バッグによれば、上記臓器受入口には、閉じ紐を通した複数の通孔を周設した閉じ代片を付設しているので、閉じ紐でバッグの臓器受入口を閉じることができる。
【0221】請求項13に記載の臓器収納バッグによれば、上記閉じ代片には、掴み孔を穿設しているので、腹腔内で、腹腔鏡で観察しながら、鉗子などで、掴み孔を利用して、バッグを簡単に掴むことができ、はずれにくく、また袋体を損傷することがない。
【0222】請求項14に記載の臓器収納バッグによれば、閉じ紐を結び目のないエンドレスに形成していて段がなく、通孔内をスムーズに移動でき、バッグを閉じる支障とならない。請求項15に記載の臓器収納バッグによれば、上記処置具挿入部は、上記袋体の臓器受入口に対向する側に設けられているので、鉗子などの処置具の操作性がよい。
【0223】請求項16に記載の臓器収納バッグによれば、上記袋体の周壁には、、臓器受入口から処置具挿入部方向に走る複数本の膨張式リブ枠を上記膨張式枠縁に連通させて、配設した構造としているので、バッグ全体も臓器受入口の拡開に沿って、丁度、長さの短い(傾斜が急な)メガホン状に成形されるので、臓器受入口が拡開すると同時に立ち上がり、臓器を取り込むのに都合がよい。
【0224】請求項17に記載の臓器収納バッグによれば、上記袋体は、厚さ50〜80ミクロンの丈夫で柔軟なウレタンシートあるいはポリエチレンシートで形成されているので、折り畳んで、腹腔鏡手術の施術孔に用いられるトラカール内を通過させて腹腔内などに挿入することができ、腹腔鏡手術に適している。
【0225】請求項18に記載の臓器収納バッグによれば、上記袋体は、透明あるいは半透明のウレタンシートあるいはポリエチレンシートで形成されているので、中身を見ることができ、またバッグ自身が腹腔鏡の視界を遮ることが少ないので、操作性がよい。
【0226】請求項19に記載の臓器収納バッグによれば、上記袋体の臓器などを収容し処置を施すための袋部を2重構造としているので、破れにくく、バッグ内の腫瘍や体液がバッグ外に漏れ出すことを防ぐことができ、安全性が高い。
【0227】請求項20に記載の臓器収納バッグによれば、上記流体として、清浄空気、炭酸ガス、滅菌蒸溜水のいずれかを注入するようにしているので、使用流体の選択枝が増え、適用範囲が広くなる。
【0228】請求項21に記載の臓器収納バッグによれば、上記処置具挿入部には、挿入される処置具に合わせた挿入孔を設けた受け口部材と、その挿入孔を必要に応じて気密にシールするシール栓とを付設しているので、挿入孔によって、処置具との隙間を少なくすることができ、その挿入孔は、不使用時には、シール栓でシールできるので、外部からの影響が少なく、バッグ内を膨らませている炭酸ガスなどの漏れがなく、またバッグ内からの体液などの漏出を防止できる。請求項22〜24に記載の臓器収納バッグ挿入具によれば、請求項1〜21に記載の臓器収納バッグを腹腔や胸腔内に損傷させないで、良好に挿入することができる。
【0229】以下、詳述すると、請求項22に記載の臓器収納バッグ挿入具よれば、請求項1〜20に記載の臓器収納バッグを折り畳んで、腹腔内に、その臓器収納バッグを挿入するためのガイドをするガイド筒と、その臓器収納バッグを挿入するための押し軸で構成されているので、臓器収納バッグを容易に挿入するのに好適である。
【0230】請求項23に記載の臓器収納バッグ挿入具によれば、ガイド筒には、上記臓器収納バッグの上記処置具挿入部の末端をシールするシール機構が設けられ、上記押し軸には、上記臓器収納バッグ挿入後、鉗子、内視鏡などの処置具を上記臓器収納バッグ内に気密に挿入することができる挿入孔が設けられているので、シール性が優れ、バッグ内からの漏出を防ぎ、腹腔内などへの外気などの影響を少なくすることができる。
【0231】請求項24に記載の臓器収納バッグ挿入具によれば、請求項21に記載の臓器収納バッグの挿入に適し、便利がよい。また、上記押し軸には、上記受け口部材の形状に合わせたときには、その受け口部材を通過させる形状の合わせ孔が設けられているので、受け口部材は、押し軸の合わせ孔に特に嵌まり込ませない限りは、押し軸の端面で保持され、その挿入孔に処置具を通して作業ができ、作業後は、シール栓でシールして、腹腔内に入れることができ、臓器収納バッグを挿入するのに適し、また、シール性が優れ、バッグ内からの漏出を防ぎ、腹腔内などへの外気などの影響を少なくすることができる。




 

 


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