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発明の名称 給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−5200(P2000−5200A)
公開日 平成12年1月11日(2000.1.11)
出願番号 特願平10−171437
出願日 平成10年6月18日(1998.6.18)
代理人 【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052 AA06 AA10 AA20 GG15 LL04 
発明者 古田 美一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を本体部に内蔵し、かつ消毒液を貯留した消毒液タンクを備えた医療機器において、上記給水管路は、切替制御弁を備えるとともに、少なくとも1以上の医療器具に接続された給水枝管路部と、消毒液タンクと給水枝管路部を接続した消毒液注入管路と、途中に開閉弁を設け消毒液タンクに接続された消毒液すすぎ管路とを備えており、上記切替制御弁は、上記給水源を、上記給水枝管路部と、上記消毒液すすぎ管路とに切替接続する構造とした給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項2】 給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を本体部に内蔵し、かつ消毒液を貯留した消毒液タンクを備えた医療機器において、上記給水管路は、切替制御弁を備えるとともに、少なくとも1以上の医療器具に接続された給水枝管路部と、消毒液タンクと給水枝管路部を接続した消毒液注入管路と、途中に開閉弁を設け消毒液注入管路に接続された消毒液すすぎバイパス管路とを備えており、上記切替制御弁は、上記給水源を、上記給水枝管路部と、上記消毒液すすぎバイパス管路とに切替接続する構造とした給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項3】 給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を内蔵させ、かつ消毒液を貯留した消毒液タンクを備えた医療機器において、上記給水管路は、切替制御弁を備えるとともに、少なくとも1以上の医療器具を接続した給水枝管路部と、消毒液タンクと給水枝管路部を接続した消毒液注入管路と、途中に開閉弁を設け排水路に通じるバイパス排水管路とを備えており、上記切替制御弁は、上記給水源を、上記給水枝管路部と、上記バイパス排水管路とに切替接続する構造とした給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、上記切替制御弁の入力ポートはフィルタを介して給水源に通じており、上記切替制御弁の出力ポートの一方は、上記給水枝管路部に通じており、その給水枝管路部には上記消毒液注入管路に通じる分岐が設けられている給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項5】 消毒洗浄指令スイッチと、この洗浄指令スイッチが操作されることによって作動され、給水管路に設けられた給水元バルブ、各種医療器具に割り当てて配設した開閉弁、請求項1〜4に記載された切替制御弁、消毒液タンクのポンプなどのそれぞれの制御要素を、予め準備された消毒洗浄のためのシーケンスプログラムに従って、タイマ監視下のもとで順次制御するシーケンサと、このシーケンサが稼動されて、消毒洗浄が行われている間は、消毒洗浄実行中を報知し、終了時には、その終了の報知を自動的に行う報知手段とを備えたことを特徴とする給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項6】 請求項5において、上記シーケンサが消毒洗浄制御を実行中は、治療椅子、治療器具の操作スイッチが操作されても無効にする、セーフティ回路を更に備えたことを特徴とする給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項7】 請求項5において、上記シーケンサが消毒洗浄制御を実行する際には、治療椅子を初期位置に復帰させ、その状態でロックするセーフティロック回路を更に備えたことを特徴とする給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項8】請求項5において、上記シーケンサは、消毒洗浄指令スイッチが操作されたときには、治療椅子の位置を判別し、治療椅子が初期位置以外にあるときには、警報を出力する椅子位置自動監視回路を、更に設けたことを特徴とする給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項9】請求項5において、上記シーケンサは、消毒洗浄のための一連のシーケンス制御が終了したときには、確認スイッチが操作されるまでは、所定時間の間、報知ブザーを鳴動させる構成としたことを特徴とする給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項10】 給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を内蔵させた本体部に、消毒液ユニットを着脱可能に取り付けできるようにした医療機器であって、上記本体部は、上記給水管路のうち、少なくとも1以上の医療器具に接続した給水枝管路部と給水源との途中に連結継手を設け、上記消毒液ユニットは、消毒液を貯留した消毒液タンクと、消毒液タンクに通じポンプ手段と消毒液注出口とを設けた消毒液注入管路と、消毒液タンクに通じ開閉弁と入水口とを設けた入水管路とを備えており、消毒時には、上記本体部の連結継手の連結を解除し、その連結継手の給水源側に上記消毒液ユニットの入水口を接続し、その連結継手の給水枝管路部側に上記消毒液ユニットの消毒液注出口を接続するようにしている給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項11】 給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を内蔵させた本体部に、消毒液ユニットを着脱可能に取り付けできるようにした医療機器であって、上記本体部は、上記給水管路のうち、少なくとも1以上の医療器具に接続した給水枝管路部と給水源との途中に連結継手を設け、上記消毒液ユニットは、消毒液を貯留した消毒液タンクと、消毒液タンクに通じポンプ手段と消毒液注出口とを設けた消毒液注入管路と、その消毒液注入管路に通じ開閉弁と入水口とを設けた入水管路とを備えており、消毒時には、上記本体部の連結継手の連結を解除し、その連結継手の給水源側に上記消毒液ユニットの入水口を接続し、その連結継手の給水枝管路部側に上記消毒液ユニットの消毒液注出口を接続するようにしている給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項12】 給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を内蔵させた本体部に、消毒液ユニットを着脱可能に取り付けできるようにした医療機器であって、上記本体部は、上記給水管路のうち、少なくとも1以上の医療器具に接続した給水枝管路部と給水源との途中に連結継手と、排水導入口を有した排水管路とを設け、上記消毒液ユニットは、消毒液を貯留した消毒液タンクと、消毒液タンクに通じポンプ手段と消毒液注出口とを設けた消毒液注入管路と、両端に連結継手を有し開閉弁を設けた排水バイパス管路とを備えており、消毒時には、上記本体部の連結継手の連結を解除し、その本体部の連結継手の給水源側と上記排水導入口とを上記消毒液ユニットの排水バイパス管路で連結し、その本体部の連結継手の給水枝管路部側に上記消毒液ユニットの消毒液注出口を接続するようにしている給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項13】 請求項10〜12のいずれかにおいて、上記本体部の連結継手、上記消毒液ユニットの入水口及び消毒液注出口、上記消毒液ユニットの連結継手のそれぞれには、逆流防止弁が設けられていることを特徴とする給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項14】 請求項10〜13のいずれかにおいて、上記本体部の連結継手、上記消毒液ユニットの入水口及び消毒液注出口、上記消毒液ユニットの連結継手のそれぞれは、ワンタッチ継手であることを特徴とする給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項15】 請求項10〜14のいずれかにおいて、上記消毒液ユニットが、運搬可能なものであることを特徴とする給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
【請求項16】 請求項1〜15のいずれかにおいて、上記消毒液として、次亜塩素酸ナトリウムを用いることを特徴とする給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用医療機器によって代表される、清浄水を噴射、放出などさせる医療器具を備えた医療機器であって、特に、医療器具の給水管路を自動で消毒洗浄する機能を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】歯科用医療機器によって代表される、清浄水を噴射、放出などさせて治療をおこなう医療器具としては、たとえば水と空気を混合させたものを噴出させて口腔内を掃除する歯科用ハンドピースなどが知られているが、このような医療器具では、その給水管路は、その治療にもちいる水の長期滞留による菌の繁殖はもちろん、治療中の患者から感染菌が混入するバックサクションなどの問題がある。このため、給水管路は定期的に消毒をする必要がある。
【0003】そこで、従来より、給水管路を洗浄する種々の方法が提案されているが、特公平2−14115号は、医療機器に消毒液タンクを備え、消毒時には、給水管路に合流している消毒液注入管路の開閉弁を開いて、消毒液タンクから消毒液を注入し、その後は、その開閉弁を閉じて一定時間管路に消毒液を滞留させた後に、通常の給水をして、すすぎ洗浄する殺菌方法を提案している。
【0004】しかしながら、このものでは、給水管路の消毒はできるが、消毒液注入管路は、常に給水管路に開口しているため、この部分から、消毒液が給水管路に混入するおそれがあり、また、注入用の開閉弁が誤動作した場合には、消毒液が給水管路に混入してしまう。ところで、消毒液を給水管路内に注入するための消毒液注入管路は、高濃度の消毒液が滞留するので、消毒液により、管路の腐食を生じ、管路部材の機能低下、水漏れなどを生じる。そのため、定期的に消毒液注入管路の点検、交換などをする必要がり、保守が面倒でコストアップの要因となっていた。
【0005】また、使用後の消毒液を含んだ排水は、消毒液がまだ高い濃度で含まれているので、そのまま、排水管路に流したのでは、排水管路を損傷することもあった。さらに、濃度の高い消毒液を用いて消毒洗浄中に、関係のない機器が作動して消毒対象の医療器具などが所定の位置から脱落したりすると、消毒液が漏れ出して環境を汚染したり、不用意に回りの医療器具を損傷したりすることがあり、また、消毒洗浄が完全に終了していないのに、終了したと判断して、通常使用状態に入り、消毒液が混入したまま給水をしてしまうおそれもあった。
【0006】また、消毒液タンクや消毒のための機器類を含む消毒液ユニットは、その設置のために一定の設置場所あるいは空間を必要とし、そのため、医療機器全体が、この消毒液ユニットを設置するために、余分の場所あるいは空間を要し、同時にコストアップの要因ともなっていた。一方、医療機器の消毒洗浄は、それほど頻繁に行う必要はなく、また、一回の消毒洗浄時間は、短いものであるので、医療機器全体の動作時間に対する消毒洗浄のための占有時間は少なく、必ずしも、消毒液ユニットを医療機器ごとに専用に設ける必要も少なかったので、その面での改善が望まれていた。
【0007】これらの観点から、この種の医療機器では、給水管路の消毒が簡易な方法で完全にでき、また、消毒後は、給水管路を清浄水で十分にすすぎ洗浄できる消毒洗浄方法が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、第1に、医療器具への給水管路の消毒が簡易かつ完全にでき、残留消毒液で給水管路系を損傷することのない、また、誤動作の場合でも消毒液の混入のない、給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器を提供することを目的としている。
【0009】第2に、使用後の消毒液を排出しても、排水管路などを損傷することがない給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器を提供することを目的としている。第3に、消毒洗浄中に床面や医療器具を汚すことのない、また、消毒洗浄の終了前の通常の給水などを防止できる、安全性の高い給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器を提供することを目的としている。
【0010】第4に、消毒液タンクなどの設置場所などを節約でき、消毒洗浄のためのコストを安くすることができる給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1から4においては、消毒液タンクなどが、医療機器本体部に組みこまれた、給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器を提案している。請求項1に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を本体部に内蔵し、かつ消毒液を貯留した消毒液タンクを備え、上記給水管路は、切替制御弁を備えるとともに、少なくとも1以上の医療器具に接続された給水枝管路部と、消毒液タンクと給水枝管路部を接続した消毒液注入管路と、途中に開閉弁を設け消毒液タンクに接続された消毒液すすぎ管路とを備えており、上記切替制御弁は、上記給水源を、上記給水枝管路部と、上記消毒液すすぎ管路とに切替接続する構造としている。
【0012】ここで、医療機器とは、水を用いて治療をする医療器具を有する医療機器の全てを含むもので、歯科用医療機器を始めとして、耳鼻咽喉科、産婦人科、泌尿器科、眼科などで用いられる医療機器が含まれるものである。医療器具とは、治療のために少なくとも水を用いるものを全て含むもので、その水の用い方は問わない。例えば、清浄水や薬液などを治療のために噴射、放出するものなども含み、歯科用機器においては、このような医療器具としては、種々のハンドピース、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピースや、スケーラ、スリーウエイシリンジなどが含まれる。また、それぞれの医療器具に通じる給水枝管路部には、開閉弁が設けられていることを原則とするが、使用する器具の種類によっては、開閉弁を設けないものもある。
【0013】給水枝管路部とは、切替制御弁から、それぞれの医療器具に至るまでの給水管路をいい、切替制御弁の出力である単一の給水路と、それから枝分かれして、それぞれの医療器具に至るまでの複数の給水路の双方を含む概念である。また、この給水枝管路部に接続される消毒液注入管路は、この枝分かれの前の部分、あるいは、後の部分のいずれに接続されるものであってもよい。また、給水管路、給水枝管路部などの管路には、いわゆるフレキシブルチューブなども含まれるものである。
【0014】この医療機器では、通常使用時において、切替制御弁は、給水枝管路部側にセットされており、給水源からの水は、給水枝管路部から、それぞれの開閉弁(以下、「給水開閉弁」という。)を有した医療器具に供給され、治療や処置が行われる。消毒時には、まず、切替制御弁を消毒液すすぎ管路側に切替え、消毒液すすぎ管路の開閉弁(以下、「すすぎ開閉弁」という。)を閉じる。そして、消毒液注入管路に設けられたポンプを作動し、消毒液タンクに貯留された消毒液を消毒液注入管路を通じて、給水枝管路部に注入し、給水開閉弁を開き、それぞれの医療器具から消毒液が吐出するのを確認してポンプを停止し、給水枝管路部と各医療器具に消毒液が充填された状態で所定時間放置する。
【0015】ついで、ポンプを再度作動し、消毒液タンクの消毒液がなくなり、それぞれの医療器具から、消毒液が吐出し終わってから、切替制御弁を消毒液すすぎ管路側に切替保持したままで、すすぎ開閉弁を開き、更に給水開閉弁を開いて、給水源からの水を消毒液すすぎ管路に供給する。この状態で、給水は、消毒液タンクに貯留されるが、ポンプは作動させたままなので、その水は、消毒液注入管路を通って給水枝管路部へと供給されるので、消毒液タンク、消毒液注入管路もすすぎ洗浄され、さらに、給水枝管路部、それぞれの給水開閉弁と医療器具もすすぎ洗浄され、消毒液は、このすすぎ洗浄の水とともに排水される。
【0016】こうして、すすぎ洗浄終了後は、消毒液注入管路のポンプを停止し、すすぎ開閉弁を閉じてから、切替制御弁を給水枝管路側に切替え、給水開閉弁を必要に応じて開閉して、通常の治療や、処置が行われる。このように本発明の医療機器によれば、医療器具と給水枝管路部の部分の消毒洗浄を完全に行うことができるとともに、その給水枝管路部などを消毒するために消毒液を注入する消毒液注入管路や消毒液タンクなどを含めて、消毒液の注入されたすべての管路がすすぎ洗浄できる。したがって、消毒後は、医療機器には、消毒液は一切残っておらず、通常の使用時に、誤動作などで、消毒液が給水に混入することがない。また、消毒液は、消毒に必要な時に、必要な時間だけ、管路系に注入、滞留するだけなので、管路系への消毒液の悪影響を最小限に抑えることができる。
【0017】この消毒洗浄機能を備えた医療機器は、一回の消毒でタンクの消毒液を使い切ってしまう場合に、好適に用いられる。請求項2に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を本体部に内蔵し、かつ消毒液を貯留した消毒液タンクを備え、上記給水管路は、切替制御弁を備えるとともに、少なくとも1以上の医療器具に接続された給水枝管路部と、消毒液タンクと給水枝管路部を接続した消毒液注入管路と、途中に開閉弁を設け消毒液注入管路に接続された消毒液すすぎバイパス管路とを備えており、上記切替制御弁は、上記給水源を、上記給水枝管路部と、上記消毒液すすぎバイパス管路とに切替接続する構造としている。
【0018】この医療機器では、請求項1と異なり、消毒洗浄時に切替制御弁が切り替えられる消毒液すすぎバイパス管路は、消毒液タンクには接続されず、消毒液タンクから給水枝管路部に向かう消毒液注入管路の給水枝管路部との合流点より、所定の距離だけ消毒液タンク側に離れた位置に接続されている。したがって、給水枝管路部に開口している消毒液注入管路の給水枝管路部に近い部分がすすぎ洗浄され、その後、通常使用時には、この消毒液注入管路の給水枝管路部への接続部分には、消毒液は残っておらず、この部分から、消毒液が給水枝管路部に混入することがない。
【0019】また、この医療機器では、消毒液タンクには、すすぎ給水は供給されないので、消毒液が希釈されることがなく、消毒液タンクに消毒液を複数回分貯留しておいて使用するのに向いている。したがって、いちいち、消毒洗浄の度に、一回分の消毒液を消毒液タンクに入れる手間を省くことができる。一方、この医療機器では、消毒液タンクに消毒液が貯留されたままで、消毒液注入管路が給水枝管路部に開口しているので、ポンプが誤動作などした場合は、消毒液が、給水管路に注入される可能性は否定できないが、このような誤動作は、制御回路の構成により、極力避けることができる。
【0020】請求項3に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を内蔵させ、かつ消毒液を貯留した消毒液タンクを備え、上記給水管路は、切替制御弁を備えるとともに、少なくとも1以上の医療器具を接続した給水枝管路部と、消毒液タンクと給水枝管路部を接続した消毒液注入管路と、途中に開閉弁を設け排水路に通じるバイパス排水管路とを備えており、上記切替制御弁は、上記給水源を、上記給水枝管路部と、上記バイパス排水管路とに切替接続する構造としている。
【0021】この医療機器では、消毒洗浄時に切替制御弁が切り替えられるバイパス排水管路は、排水路に通じており、給水は排水路に排水される。同時に、消毒液注入管路は、給水枝管路部に、所定の時間消毒液を注入する。この場合、消毒洗浄時に、医療器具から濃度の高い消毒液が排出されても、同時に排水路には、給水源からの給水が排水されるので、その消毒液は、適宜希釈され、濃度の高い消毒液に対する素材の考慮がなされていないことが多い排水路を、損傷するようなことがない。
【0022】請求項4に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、請求項1〜3のいずれかにおいて、上記切替制御弁の入力ポートはフィルタを介して給水源に通じており、上記切替制御弁の出力ポートの一方は、上記給水枝管路部に通じており、その給水枝管路部には上記消毒液注入管路に通じる分岐が設けられている。
【0023】この医療機器では、給水源からの給水はフィルタを介して医療器具に供給され、一方、消毒液注入管路は、そのフィルタと切替制御弁を通過後の給水枝管路部に設けられた分岐に通じている。したがって、通常使用時には、医療器具にはフィルタで浄化された清浄水が供給され、また、消毒時には、消毒液は、フィルタに影響を与えない部分の給水枝管路部に注入されるので、消毒液がフィルタを損傷することがない。
【0024】さらに、消毒液は、消毒液注入管路に設けられたポンプなどにより加圧供給されるので、重力を利用して自然落下で消毒液を供給するものなどに比べ、短時間で確実に消毒液が、消毒対象の給水枝管路部と医療器具に注入、充填される。また、消毒液の所定時間の滞留後は、給水源からの給水により、給水枝管路部と医療器具はすすぎ洗浄されるので、通常使用時に、患者に、消毒液の混入した水が供給されることがない。請求項5から請求項9においては、請求項1から4に記載の医療機器において、更に、消毒洗浄時の安全性、事故回避性を高めるため、消毒洗浄について種々の制御をおこなうシーケンサを備えた給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器を提案している。
【0025】請求項5に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、消毒洗浄指令スイッチと、この洗浄指令スイッチが操作されることによって作動され、給水管路に設けられた給水元バルブ、各種医療器具に割り当てて配設した開閉弁、請求項1〜4に記載された切替制御弁、消毒液タンクのポンプなどのそれぞれの制御要素を、予め準備された消毒洗浄のためのシーケンスプログラムに従って、タイマ監視下のもとで順次制御するシーケンサと、このシーケンサが稼動されて、消毒洗浄が行われている間は、消毒洗浄実行中を報知し、終了時には、その終了の報知を自動的に行う報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】消毒洗浄指令スイッチが入ると、シーケンサは、タイマ監視下のもとで、開閉弁、給水元弁などの給水制御機器、消毒液を注入するためのポンプ、切替制御弁などを、予め準備された消毒洗浄のシーケンスプログラムに従って、制御する。その概要については、すでに請求項1についての説明の中で述べた通りである。このように一連のプログラムに従って、制御を行うので、手順の抜け落ちや、順序の前後がなく、消毒洗浄の手順の安全性が高まる。
【0027】また、シーケンサが消毒洗浄を実行している間は、報知ランプが点滅など、また必要に応じてブザーを間欠鳴動するなどして、実行中を示し、終了すると、報知ランプが点灯、また、ブザーが異なる態様で鳴動などして終了を知らせる。こうして、実行中に不必要な動作をすることを避けることができ、また、終了を確認してから、通常使用を始めることができる。
【0028】請求項6に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、請求項5において、上記シーケンサが消毒洗浄制御を実行中は、治療椅子、治療器具の操作スイッチが操作されても無効にする、セーフティ回路を更に備えたことを特徴とする。例えば、歯科用医療機器の場合は、消毒洗浄中に、治療椅子などが動くと、その動きで、消毒洗浄用に所定位置にセットされた医療器具などが脱落して、消毒液などが漏れ出し床面などを汚したりすることがある。このようなセーフティ回路を備えると、そのようなことを防ぐことができる。
【0029】請求項7に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、請求項5において、上記シーケンサが消毒洗浄制御を実行する際には、治療椅子を初期位置に復帰させ、その状態でロックするセーフティロック回路を更に備えたことを特徴とする。治療椅子は、消毒洗浄時には、初期位置に復帰され、その位置から動かなくなるので、安全性が高い。
【0030】請求項8に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、請求項5において、上記シーケンサは、消毒洗浄指令スイッチが操作されたときには、治療椅子の位置を判別し、治療椅子が初期位置以外にあるときには、警報を出力する椅子位置自動監視回路を、更に設けたことを特徴とする。治療椅子が、消毒洗浄に適した初期位置以外にあるときは、警報が出力されるので、安全性が高い。
【0031】請求項9に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、請求項5において、上記シーケンサは、消毒洗浄のための一連のシーケンス制御が終了したときには、確認スイッチが操作されるまでは、所定時間の間、報知ブザーを鳴動させる構成としたことを特徴とする。消毒洗浄の終了を確認するまでは、報知ブザーが鳴動し、終了確認を忘れることがないので、不用意に、通常の給水を開始することがなく、安全性が高い。請求項10から請求項16においては、請求項1から4に記載の医療機器に比べ、切替制御弁の替わりに連結継手を用い、消毒液タンクとポンプなどからなる消毒液ユニットを医療機器本体に着脱可能にした点で相違する、給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器を提案している。
【0032】給水管路の消毒洗浄は、短時間でよく、消毒液ユニットは消毒洗浄時のみに使用されるので、1台の医療機器に必ずしも常時消毒液ユニットを接続しておく必要のないものである。したがって、一つの消毒液ユニットを、複数の医療機器本体に対して付け替えて使用するようにしても、多少の付け替えの手間は増えるが、消毒洗浄の支障になるようなことはない。
【0033】一方、このようにすることによって、医療機器本体には、消毒液タンクなどの設置場所を設ける必要がなく、医療機器本体を小型化でき、コストダウンにもなる。また、消毒洗浄時だけに使用する消毒液ユニットは、不使用時には、別の所に収納しておくことができ、邪魔にならない。また、通常使用時には、消毒液ユニットは、医療機器本体からは完全に切り離されているので、誤動作などで、消毒液が給水管路に混入することを完全に避けることができる。
【0034】さらに、比較的に高価な切替制御弁が不要になり、替わりに安価な連結継手を用いることができるので、その点でもコストダウンとなる。特に、請求項10に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を内蔵させた本体部に、消毒液ユニットを着脱可能に取り付けできるようにした医療機器であって、上記本体部は、上記給水管路のうち、少なくとも1以上の医療器具に接続した給水枝管路部と給水源との途中に連結継手を設け、上記消毒液ユニットは、消毒液を貯留した消毒液タンクと、消毒液タンクに通じ、ポンプ手段と消毒液注出口とを設けた消毒液注入管路と、消毒液タンクに通じ開閉弁と入水口とを設けた入水管路を備えており、消毒時には、上記本体部の連結継手の連結を解除し、その連結継手の給水源側に上記消毒液ユニットの入水口を接続し、その連結継手の給水枝管路部側に上記消毒液ユニットの消毒液注入口を接続するようにしている。
【0035】請求項1の医療機器に比べ、医療機器本体側では、切替制御弁のかわりに連結継手を用いて、給水源と給水枝管路部とを接続しており、通常使用時には、このままの状態で、それぞれの医療器具に給水している。一方、この医療機器では、医療機器本体に着脱可能な消毒液ユニットを有しており、その消毒液ユニットからは、請求項1の消毒液すすぎ管路に相当する入水管路の入水口と、消毒液注入管路の消毒液注出口とが導出している。
【0036】消毒洗浄時には、本体側の連結継手の連結を解除すると、自動的に、給水源から給水枝管路部への接続は解除される。その後、この解除された連結継手の給水源側の継手と消毒液ユニットの入水口を連結し、この連結継手の給水枝管路部側の継手と消毒液ユニットの消毒液注出口を連結する。このようにすると、請求項1の医療機器の消毒洗浄時と同じ消毒洗浄の管路系が実現される。したがって、この場合の消毒洗浄の手順は、請求項1と同様である。
【0037】消毒洗浄が終了すると、連結継手の給水源側の継手と消毒液ユニットの入水口との連結を解除し、連結継手の給水枝管路部側の継手と消毒液ユニットの消毒液注出口との連結を解除して、消毒液ユニットと医療機器本体との接続を解除する。一方、本体側では、解除された連結継手の給水源側と給水枝管路部側とを元通り連結すると、給水源と給水枝管路部が接続され、通常の給水を行うことができる。
【0038】このようにして、上述の基本的効果に加え、請求項1に記載の医療機器と同様の効果が発揮される。請求項11に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を内蔵させた本体部に、消毒液ユニットを着脱可能に取り付けできるようにした医療機器であって、上記本体部は、上記給水管路のうち、少なくとも1以上の医療器具に接続した給水枝管路部と給水源との途中に連結継手を設け、上記消毒液ユニットは、消毒液を貯留した消毒液タンクと、消毒液タンクに通じ、ポンプ手段と消毒液注出口とを設けた消毒液注入管路と、その消毒液注入管路に通じ開閉弁と入水口とを設けた入水管路を備えており、消毒時には、上記本体部の連結継手の連結を解除し、その連結継手の給水源側に上記消毒液ユニットの入水口を接続し、その連結継手の給水枝管路部側に上記消毒液ユニットの消毒液注入口を接続するようにしている。
【0039】請求項2の医療機器と同様の構成を、連結継手と着脱可能な消毒液ユニットを用いるもので実現しており、上述の基本的効果に加え、請求項2の医療機器の効果が発揮される。請求項12に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、給水源から供給された水を、各々に開閉弁を設けた医療器具に導出するための給水管路を内蔵させた本体部に、消毒液ユニットを着脱可能に取り付けできるようにした医療機器であって、上記本体部は、上記給水管路のうち、少なくとも1以上の医療器具に接続した給水枝管路部と給水源との途中に連結継手と、排水導入口を有した排水管路を設け、上記消毒液ユニットは、消毒液を貯留した消毒液タンクと、消毒液タンクに通じ、ポンプ手段と消毒液注出口とを設けた消毒液注入管路と、両端に連結継手を有し開閉弁を設けた排水バイパス管路とを備えており、消毒時には、上記本体部の連結継手の連結を解除し、その本体部の連結継手の給水源側と上記排水導入口を上記消毒液ユニットの排水バイパス管路で接続し、その本体部の連結継手の給水枝管路部側に上記消毒液ユニットの消毒液注入口を接続するようにしている。
【0040】請求項3の医療機器と同様の構成を、連結継手と着脱可能な消毒液ユニットを用いるもので実現しており、上述の基本的効果に加え、請求項3の医療機器の効果が発揮される。また、この場合、請求項3に比べ、消毒液注入管路が給水枝管路部に接続される部分、つまり、連結継手の給水枝管路側は、すすぎ洗浄されないが、いったん、洗浄剤ユニットとの連結が解除されたのちは、もはや、消毒液が給水枝管路部に混入することがない。この場合、消毒洗浄後、連結継手を元通りに連結した後に、通常給水する前に、すすぎ洗浄することが望ましい。そうすれば、万一、連結継手などに付着していた残留消毒液もすすぎ洗浄され、消毒液が給水に混入することを完全に防ぐことができる。
【0041】請求項13に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、請求項10〜12のいずれかにおいて、上記本体部の連結継手、上記消毒液ユニットの入水口及び消毒液注出口、上記消毒液ユニットの連結継手のそれぞれには、逆流防止弁が設けられていることを特徴とする。それぞれの継手などには、逆流防止弁が設けられているので、連結継手などを解除した場合にも、継手などからの給水や消毒液の滴下をふせぐことができ、着脱使用に向いている。
【0042】請求項14に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、請求項10〜13のいずれかにおいて、上記本体部の連結継手、上記消毒液ユニットの入水口及び消毒液注出口、上記消毒液ユニットの連結継手のそれぞれは、ワンタッチ継手であることを特徴とする。それぞれの継手などは、ワンタッチ継手であるので、着脱が容易で、消毒液ユニットの着脱が容易になる。
【0043】請求項15に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、請求項10〜14のいずれかにおいて、上記消毒液ユニットが、運搬可能なものであることを特徴とする。着脱可能な消毒液ユニットが、運搬可能なので、複数の医療機器本体に対して消毒液ユニットを持ち運ぶのに便利がよく、また、消毒液ユニットを、それぞれの医療機器のそばに置くことができ、接続のための管路導出をより短くすることができる。
【0044】消毒液ユニットは、消毒液タンク、2種類の管路、簡易な構造の継手で構成される入水口や消毒液注出口、ポンプなどからなり、十分、運搬可能なものとすることができる。請求項16に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器は、請求項1〜15のいずれかにおいて、上記消毒液として、次亜塩素酸ナトリウムを用いることを特徴とする。
【0045】本発明の医療機器においては、消毒液を消毒後、給水管路系に残留させることがないので、消毒液の残留による管路系の腐食などを考慮する必要がなく、消毒効果のみを選択条件として、適切な消毒液を選ぶことができる。つまり、消毒液として最もよく用いられる次亜塩素酸ナトリウムも用いることができ、便利であり、給水管路の消毒洗浄を簡単にすることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について図とともに説明する。まず、給水管路の消毒洗浄のための消毒液タンクなどの機具が、医療機器本体に組みこまれているタイプのものについて説明する。図1は、そのような本発明の医療機器の一例を構成する管路系の概略構成を示す系統図である。ここでは、医療機器の例として、歯科用医療機器の場合を示している。なお、以下の説明では、いずれも歯科用医療機器を例として説明する。
【0047】この医療機器1の管路系は、この図で示すように、給水源Wから、それぞれの医療器具HPに給水する給水管路2と、消毒液タンク3などと、吸引源Vから吸引力を得て、排水などを吸引してバキュームタンクVTに排出する吸引管路vと、それぞれの排水などを回収して排水先Dに排出する排水管路dから構成され、給水管路2の消毒洗浄機能を備えていることを特徴とする。
【0048】給水管路2は、給水源Wから供給された水を、各々に開閉弁SWを設けた医療器具HPに導出するための給水枝管路部4を有し、この給水枝管路部4と、途中に開閉弁51を設け、消毒液タンク3に接続された消毒液すすぎ管路5とに、給水源Wを切替え接続する切替制御弁6を設けるとともに、消毒液タンク3と給水枝管路部4とを消毒液注入管路31によって接続した基本構造としている。
【0049】給水源Wには給水管路2aを介して手動給水弁V0、手動給水弁V0に給水管路2bを介して逆流防止弁V1、逆流防止弁V1に給水管路2cを介して減圧弁V2、減圧弁V2に給水管路2dを介して給水元弁SV1、給水元弁SV1に給水管路2eを介して給水フィルタF1、給水フィルタF1に給水管路2fを介して切替制御弁6が接続されている。
【0050】ここで、手動給水弁V0は、長時間、医療機器1を使用しない場合に、誤動作で給水されることがないように、給水を手動で開閉するものである。逆流防止弁V1は、給水の逆流を防止するものである。減圧弁V2は、給水管路2dの水圧をフィードバックしており、水圧を一定値に保つものである。給水元弁SV1は、電磁弁で構成されており、制御回路により、自動的に操作されるようになっている。給水フィルタF1は、医療器具HPに供給される水を濾過するためのもので、水道水などに含まれる不純物などを取り除く。
【0051】切替制御弁6は、自動作動し得る2方向切替弁で、その出力ポートの一方には、給水枝管路4が接続され、他方には、消毒液すすぎ管路5が接続されている。切替制御弁6に接続された給水枝管路部4aはT字状の分岐46を有しており、その一方の分岐には、消毒液タンク3に通じている消毒液注入管路31が接続されている。給水枝管路部4bは、分岐46の他の一方から延び、給水ウォーマWAに接続されている。この給水ウォーマWAは、歯科治療に用いる場合、給水を適温に加熱するためのものである。
【0052】給水ウォーマWAからは、給水枝管路部4bがさらに延びており、ここで歯科用医療機器に必要な医療器具HP(1〜5)の分だけの給水枝管路部4c(1〜5)に枝分かれし、給水枝管路部4c(1〜4)においては、それぞれ、途中に給水開閉弁SW(1〜4)を有して、それぞれの医療器具HP(1〜4)に接続されている。給水枝管路部4c(5)においては、開閉弁なしに、医療器具HP(5)に接続されている。
【0053】ここで、例としてあげた歯科用医療機器においては、医療器具HP(1)はコップ給水であり、患者の必要に応じて、口中洗浄のためのうがい水をコップに給水するためのものである。医療器具HP(2)はエアータービンハンドピースであり、高速で歯面を研削するものであるが、研削中に、研削処置部を適宜冷却し、また、研削屑などが飛散しないように給水の必要のあるものである。医療器具HP(3)はマイクロモータハンドピースであり、低速で歯面を研削するものであるが、同様に給水の必要のあるものである。医療器具HP(4)はスケーラであり、歯垢などを除去するためのものあるが、この場合も、処置部の冷却などのために給水が必要とされるものである。医療器具HP(5)はスリーウエイシリンジであり、別途供給される加圧空気とともに給水を噴射して、処置部を適宜、冷却あるいは清掃するものである。
【0054】また、ここでは、給水枝管路部4a、4b、4c(1〜5)を総称して、給水枝管路部4と呼んでおり、給水管路2a〜2fと給水枝管路部4を総称して、給水管路2と呼んでいる。この管路系を示す図は、消毒洗浄時のものであり、これらの医療器具HP(1〜5)はそれぞれ、通常の待機状態あるいは使用状態ではなく、消毒洗浄のために洗浄タンクWBにセットされ、この洗浄タンクWBは、歯科用医療機器のスピットンSPの上に載せられ、コップ給水である医療器具HP(1)からの排水も受けるようになっている。ここにスピットンSPとは、歯科治療時に、主に、患者が口腔内をうがい洗浄したのちの排水を吐出させるための吐出皿のことをいい、通常、スピットンSPの上部には、コップ受けと、そのコップに給水するコップ給水が設けられている。
【0055】消毒液すすぎ管路5は、切替制御弁6の出力ポートに消毒液すすぎ管路5aを介して接続されたすすぎ開閉弁51、すすぎ開閉弁51から医療機器1に備えられた消毒液タンク3に通じる消毒液すすぎ管路5bから構成されており、すすぎ開閉弁51によって、給水源Wから消毒液タンク3への給水を開閉する。消毒液注入管路31は、給水枝配管部の分岐46に接続された消毒液注入管路31aと、その消毒液注入管路31aの他端に接続された逆流防止弁33と、逆流防止弁33に消毒液注入管路31bを介して接続されたポンプ32と、そのポンプ32と消毒液タンク3を接続し、タンク3内の消毒液Qをポンプ32で吸い上げるようにした消毒液注入管路31cから構成されている。
【0056】なお、上記で説明した、消毒液タンク3、消毒液注入管路31b、31c、ポンプ32、逆流防止弁33、すすぎ開閉弁51、消毒液すすぎ管路5aなどからなる部分で、図に点線で囲った部分を消毒液ユニットPUと呼び、この消毒液ユニットPUは、医療機器1の本体内に内蔵されていることを原則とするが、別体とすることもできる。
【0057】吸引管路vは、吸引源Vと吸引元弁SV2を接続する吸引管路v1、吸引元弁SV2に吸引管路v2を介して接続されたバキュームタンクVT、そのバキュムタンクVTに接続され、他端にバキュームシリンジVSが接続された吸引管路v3、バキュームタンクVTのドレン部VTaと排水管路dを接続して、吸引回収された排水などを排水管路dに排出する吸引ドレン管路v4から構成されている。
【0058】ここで、バキュームタンクVTは、トラップ手段(不図示)を有し、吸引管路v3によって吸引されてきた排水などを、分離回収するもので、吸引源からは、吸引管路v2によって吸引力を供給されている。この分離回収された排水は、ドレン部VTaに貯留される。また、バキュームシリンジVSは、通常は、口腔内に供給された医療器具HP(2〜5)などによる水や切削屑などを吸引回収するためのものであるが、消毒吸引時には、洗浄タンクWB内の貯留排水を吸引するために用いられる。
【0059】排水管路dは、スピットンSPの排水口と排水先Dを接続しており、通常は、スピットンSPに排出された、患者のうがい後の排水などを排水する。また、その途中には、バキュームタンクVTからの吸引ドレン管路v4が接続されており、バキュームタンクVTのドレン排水も排水する。消毒洗浄時には、図示するように、スピットンSPの上に載せられた洗浄タンクWBに貯留される消毒液Qとすすぎ洗浄の排水は、主として、バキュームシリンジVSで吸引排出され、その排水だけが、バキュームタンクVTで分離回収されて、吸引ドレン管路v4を介して、排水管路dから、排水先Dに排水される。しかし、バキュームシリンジVSの吸引能力が不足した場合などには、洗浄タンクWBには、オーバーフロー穴(不図示)が設けられており、そのオーバーフロー穴から、タンクWBに貯留した排水があふれ出て、スピットンSPの排水口から、排水管路dを介して、排水先Dに排水される。
【0060】この医療機器1における基本動作について説明する。この医療機器1では、通常使用時において、切替制御弁6は、給水枝管路部4側にセットされており、給水源Wからの水は、給水枝管路部4から、給水開閉弁SWを有した医療器具HPに供給され、治療や処置が行われる。消毒時には、まず、切替制御弁6を消毒液すすぎ管路5側に切替え、すすぎ開閉弁51を閉じる。この状態では、給水枝管路部4への給水源Wからの給水は停止される。そして、消毒液注入管路31に設けられたポンプ32を作動し、消毒液タンク3に貯留された消毒液Qを消毒液注入管路31を通じて、分岐46から給水枝管路部4bに注入し、給水開閉弁SWを開き、それぞれの医療器具HPから消毒液Qが吐出するのを確認してポンプ32を停止し、給水枝管路部4と各医療器具HPに消毒液Qが充填された状態で所定時間放置する。
【0061】この場合、全ての枝分かれした給水枝管路部4c(1〜5)に同時に消毒液Qを注入してもよいし、給水枝管路部4c(1〜5)のそれぞれの管路径に大小があるため、また、ポンプ32の能力のために、全ての給水枝管路部4c(1〜5)に同時に消毒液Qを注入できない場合は、ポンプ32の能力に合わせて、それぞれの給水開閉弁SW(1〜5)を順次開閉することによって、消毒液Qをそれぞれの給水枝管路部4c(1〜5)ごと、あるいは、給水枝管路部4c(1〜5)の適当なグループごとに注入するようにしてもよい。
【0062】具体的には、この例に示した歯科用の医療機器の場合、医療機器HP(1)はコップ給水であり、通常、他の医療機器HP(2〜4)に比べ、必要流量が大きく管路径が大きい。したがって、給水枝管路部4c(1)にだけ、先に消毒液Qを注入し、その後、他の給水枝管路部4c(2〜5)に消毒液Qを注入するようにするとよい。そのようにすると、大きな能力のポンプを設置しなくともよくなり、ポンプを小型化することができる。
【0063】ついで、ポンプ32を再度作動し、消毒液タンク3の消毒液Qがなくなり、それぞれの医療器具HPから、消毒液Qが吐出し終わってから、切替制御弁6を消毒液すすぎ管路5側に切替保持したままで、すすぎ開閉弁51を開き、更に給水開閉弁SWを開いて、給水源Wからの水を消毒液すすぎ管路5に供給する。この状態で、給水は、消毒液タンク3に貯留されるが、ポンプ32は作動させたままなので、その水は、消毒液注入管路31を通って給水枝管路部4へと供給されるので、消毒液タンク3、消毒液注入管路31もすすぎ洗浄され、さらに、給水枝管路部4、それぞれの給水開閉弁SWと医療器具HPもすすぎ洗浄され、消毒液Qは、このすすぎ洗浄の水とともに洗浄タンクWBに貯留され、バキュームシリンジVS、吸引管路v3、バキュムタンクVTを介して、あるいはスピットンSPから直接、排水管路dに排水される。
【0064】このすすぎ洗浄の場合も、ポンプ32の能力などの関係から、上述した消毒液注入の場合と同様に、洗浄対象の給水枝管路部4c(1〜5)へ同時にすすぎ洗浄の給水しないようにすることができ、ポンプの小型化を図ると同時に、給水量が不足して、すすぎ洗浄が十分に行われないといった不都合を避けることができる。
【0065】こうして、すすぎ洗浄終了後は、消毒液注入管路31のポンプ32を停止し、すすぎ開閉弁51を閉じてから、切替制御弁6を給水枝管路4側に切替え、給水開閉弁SWを必要に応じて開閉して、通常の治療や、処置が行われる。このように本発明の医療機器によれば、医療器具と給水枝管路部の部分の消毒洗浄を完全に行うことができるとともに、消毒後は、その給水枝管路部などを消毒するために消毒液を注入する消毒液注入管路や消毒液タンクなどを含めて、消毒液の注入されたすべての管路がすすぎ洗浄できる。したがって、消毒洗浄後は、医療機器には、消毒液は一切残っておらず、通常の使用時に、誤動作などで、消毒液が給水に混入することがない。また、消毒液は、消毒に必要な時に、必要な時間だけ、管路系に注入、滞留するだけなので、管路系への消毒液の悪影響を最小限に抑えることができる。
【0066】この消毒洗浄機能を備えた医療機器は、一回の消毒でタンクの消毒液を使い切ってしまう場合に、好適に用いられる。なお、この医療機器においては、消毒洗浄中は、セットされた医療器具が洗浄タンクからはずれないように、関連する機器の作動を停止させる安全機構、あるいは、消毒洗浄中であることや、消毒洗浄終了を示す表示ランプや警報ブザーなどの表示・警報手段などの安全機構を設けることが望ましい。このようにすると、消毒洗浄中の不都合を回避し、また、消毒洗浄が終了したことを確認できるので、安全かつスムーズに通常使用を開始することができる。
【0067】ついで、消毒液ユニットが、医療機器本体に組みこまれているタイプの他例のものについて説明する。図2は、そのような本発明の医療機器の一例を構成する管路系の概略構成を示す系統図である。この医療機器1Aは、図1の医療機器1に比べ、消毒液すすぎバイパス管路5Aの部分だけが相違するので、他の共通する部分については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0068】この医療機器1Aは、図1の医療機器1と異なり、消毒洗浄時に切替制御弁6が切り替えられる消毒液すすぎバイパス管路5Aのすすぎ開閉弁51の出力である消毒液すすぎバイパス管路5cは、消毒液タンク3には接続されず、消毒液タンク3から給水枝管路部4bに向かう消毒液注入管路31aの給水枝管路部4aとの合流点、つまり、分岐46より、所定の距離だけ消毒液タンク3側に離れた位置に接続されている。
【0069】したがって、給水枝管路部4aに開口している消毒液注入管路31aの給水枝管路部4に近い部分がすすぎ洗浄され、その後、通常使用時には、この消毒液注入管路31aの給水枝管路部4への接続部分には、消毒液Qは残っておらず、この部分から、消毒液Qが給水枝管路部4に混入することがない。また、医療機器1Aでは、消毒液タンク3には、すすぎ給水は供給されないので、消毒液Qが希釈されることがなく、消毒液タンク3に消毒液Qを複数回分貯留しておいて使用するのに向いている。したがって、いちいち、消毒洗浄の度に、一回分の消毒液Qを消毒液タンク3に入れる手間を省くことができる。
【0070】一方、医療機器1Aでは、消毒液タンク3に消毒液Qが貯留されたままで、消毒液注入管路31aが給水枝管路部4に開口しているので、ポンプ32が誤動作などした場合は、消毒液Qが、給水枝管路部4に注入される可能性は否定できないが、このような誤動作は、制御回路の構成により、極力避けることができる。なお、詳細は後述するが、この医療機器1Aにおいても、給水管路2eから分岐した排水路7c、排水路7cと後出の排水をスピットンSPに排出する排水路7dの間に設けられた排水開閉弁SV4、排水開閉弁SV4から導出されスピットンSPに排水している排水路7dからなる排水路が設けられており、消毒洗浄時に、スピットンSPも洗浄することができるようになっている。
【0071】ついで、消毒液ユニットが、医療機器本体に組みこまれているタイプのさらに他例のものについて説明する。図3は、そのような本発明の医療機器の一例を構成する管路系の概略構成を示す系統図である。この医療機器1Bは、図2の医療機器1Aに比べ、バイパス排水管路5Bの部分だけが相違するので、他の共通する部分については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0072】この医療機器1Bでは、消毒洗浄時に切替制御弁6が切り替えられるバイパス排水管路5Bの開閉弁51aの出力であるバイパス排水管路5dは、排水路7を構成する排水路7bに通じている。この排水路7は、給水管路2eから分岐し、排水開閉弁SV3に接続されている排水路7a、排水開閉弁SV3からスピットンSPに通じている排水路7bから構成され、通常は、適宜、汚染されたスピットンSPを洗浄して、その洗浄水を排水管路dを介して排水先Dに排水する。
【0073】消毒洗浄時には、消毒液注入管路31によって、給水枝管路部4に消毒液Qが注入され、同時に、給水源Wからの給水は、切替制御弁6、開閉弁51aを開いたバイパス排水管路5Bを介して、排水路7bに供給され、スピットンSP、排水管路vを介して排水先Dに排水される。したがって、消毒洗浄時に、医療器具HPから濃度の高い消毒液Qが排出されても、同時に排水管路vには、給水源Wからの給水が排水されるので、その消毒液Qは、適宜希釈され、濃度の高い消毒液に対する素材の考慮がなされていないことが多い排水管路を、損傷するようなことがない。
【0074】図4は、以上説明した医療機器に用いられる消毒液ユニットの他例の管路系統図を示すものである。この消毒液ユニットPUAは図1で説明した消毒液ユニットPUに比べ、消毒液Qを注入するのに、ポンプを用いず、消毒液タンクを気密に密閉可能とし、加圧空気を用いるものである。
【0075】消毒液タンク3Aには、気密に密閉可能な蓋34が設置され、エアー源Eから、直列に接続された加圧空気管路e1、加圧開閉弁SV5、加圧空気管路e2を介して、加圧空気が供給されている。一方、消毒液タンク3Aからは、ポンプを有しない消毒液注入管路31dが導出され、逆流防止弁33に接続されている。その他の点については、消毒液ユニットPUと同様である。
【0076】この消毒液ユニットPUAにおいては、加圧開閉弁SV5をA位置にして、消毒液タンク3Aに加圧空気を供給し、その圧力で、タンク3A内の消毒液Qを消毒液注入管路31を介して、給水枝管路部4に注入する。注入を止める場合には、加圧開閉弁SV5をB位置にして、加圧空気の供給を止め、加圧空気管路e2を大気に開放して、タンク3A内の加圧空気を逃がして、余分に消毒液Qが注入されるのを防止している。
【0077】この消毒液ユニットPUAによれば、ポンプが不要になり、また、歯科用治療機器の場合、通常、加圧空気のエアー源Eは、他の用途のために設置されているものを利用することができ、全体として、コストダウンを図ることができる。また、このような、加圧空気を用いる消毒液ユニットは、図2、3の場合、さらに、後述する消毒液ユニットを別体とする場合でも、適用することのできるものである。これより、消毒液ユニットが、医療機器本体に組みこまれているタイプの給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器において、更に、消毒洗浄のシーケンス制御をするシーケンサを備えたものについて説明する。
【0078】図5は、本発明のシーケンサを有した医療機器の一例の要部構成を示すブロック図で、消毒洗浄シーケンスを実行するための基本的なハード構成を示している。この医療機器は、消毒洗浄指令スイッチSWと、報知確認スイッチSW1とを備えており、シーケンサBでは、タイマTの監視下で、これらのスイッチSW、SW1からの信号を受け付けて、給水元弁などを含む給水制御機器、消毒液のポンプ、切替制御弁を制御し、上述したような消毒洗浄シーケンスを実行する。ランプLとブザーBZは、消毒洗浄中、あるいは、消毒洗浄終了を報知するための報知手段である。
【0079】このシーケンサBは、消毒洗浄指令スイッチSWが操作された場合には、タイマTを駆動させ、そのタイマTの監視下で、予め準備された消毒洗浄のシーケンスプログラムに従って、前述したような、給水制御機器、消毒液のポンプ、切替制御弁などの制御を行い、消毒洗浄中は、ランプLを点滅させ、ブザーBZを間欠鳴動する。終了すればランプLを消灯し、ブザーBZの鳴動も停止させる。あるいは、ランプLの点滅パターンやブザーBZの鳴動パターンを変えて作動させるようにしてもよい。
【0080】消毒洗浄が終了した後には、ブザーBZを鳴動させ、報知確認スイッチSW1が操作されるまで鳴動し続けるようにすれば、消毒洗浄の確認が確実に行える。このようにすると、手順漏れがなく、一連の手順が迅速に行われる。また、消毒洗浄終了が明確に報知され、確認されるので、誤って、通常の給水使用を開始するようなことを避けることができる。
【0081】図6は、本発明のシーケンサを有した医療機器の他例の要部構成を示すブロック図である。この医療機器のシーケンサにおいて、図5に比べて、同じ部分については、同じ符号を付して、重複説明を省略する。このシーケンサBにおいては、更に、論理積回路G1を介して昇降操作スイッチSW2を接続した治療椅子昇降制御手段CH、論理積回路G2を介してバックレスト操作スイッチSW3を接続したバックレスト傾動制御手段BRのそれぞれの論理積回路G1、G2の一方の入力に、シーケンサBが接続されている点が相違する。
【0082】シーケンサBは、消毒洗浄のシーケンスプログラム実行中、つまり、消毒洗浄中は、シーケンサBから、治療椅子昇降制御手段CHとバックレスト傾動制御手段BRの論理積回路G1、G2に禁止信号が出力され、昇降操作スイッチSW2やバックレスト操作スイッチSW3を操作しても、治療椅子は昇降せず、バックレストは傾動しないようになっている。つまり、論理積回路G1、G2は、セーフティ回路を構成している。
【0083】このようにすると、消毒洗浄中は、消毒洗浄対象の医療器具を所定の位置から脱落させる可能性のある治療椅子や、バックレストなどの治療器具の操作が禁止され、消毒洗浄中の消毒液などの漏出事故を防ぐことができる。図7は、本発明のシーケンサを有した医療機器の更に他例の要部構成を示すブロック図である。図5、6に比べて、同じ部分については、同じ符号を付して、重複説明を省略する。
【0084】このシーケンサB1においては、更に、後述する椅子位置環視回路を構成する判別手段Hを有しており、この判別手段Hには、治療椅子センサS1、バックレストセンサS2からの信号が入力され、それらの信号をもとに、治療椅子昇降制御手段CH及びバックレスト傾動制御手段BRに初期位置ロック信号を出力するようにしている点が相違する。また、シーケンサB1には、フレキシブルチューブ引出検知手段S3からの信号も入力されている。
【0085】セーフティロック回路は、治療椅子位置センサS1と、バックレスト位置センサS2と、これらのセンサからの信号を入力し、それぞれの位置を判別する判別手段Hによって構成され、判別手段Hは、管路洗浄指令スイッチSWの入力を受けると、シーケンサB1が稼動する前に、治療椅子の位置を検知判別して、初期位置にないときには、治療椅子昇降制御手段CH、バックレスト傾動制御手段BRに初期位置復帰指令信号を送出して初期位置に復帰させた後、初期位置ロック信号を送出して、その状態でロックする。
【0086】このロックの間は、操作スイッチSW2、SW3(図6)を操作しても治療椅子などは動かないが、シーケンサB1が一連の消毒洗浄シーケンスプログラムを終了すれば、ロックを解除する。このようにすると、治療椅子は、消毒洗浄時には、初期位置に復帰され、その位置から動かなくなるので、安全性が高い。
【0087】椅子位置監視回路は、治療椅子位置センサS1と、バックレスト位置センサS2と、フレキシブルチューブ引出検知手段S3と、これら信号を入力し、それぞれの位置、状態を判別する判別手段Hによって構成され、判別手段Hは、管路洗浄指令スイッチSWの入力を受けると、シーケンサB1が稼動する前に、治療椅子の位置やフレキシブルチューブの状態を検知判別して、これらが初期位置や待機位置にないときには、ランプLを点滅し、ブザーBZを鳴動させて、注意を喚起し、復帰位置に戻すことを要求する。
【0088】このようにすると、治療椅子が、消毒洗浄に適した初期位置以外にあるときは、警報が出力されるので、安全性が高い。これより、切替制御弁の替わりに連結継手を用い、消毒液タンクとポンプなどからなる消毒液ユニットを、医療機器本体に着脱可能にしたタイプのものについて説明する。
【0089】図8は、そのような医療機器の一例を構成する管路系の概略構成を示す系統図であり、(a)はその本体部、(b)は着脱可能な消毒液ユニット、(c)は着脱可能な消毒液ユニットの他例を示している。この医療機器1Cの管路系は、そのほとんどの構成は、図1で示した医療機器1と同様であり、消毒ユニット9、9Aが本体部1cに着脱可能になっており、そのために、本体部1cには、消毒ユニット9、9Aを着脱するための連結継手8が設けられている点が相違するので、共通する部分には、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。また、共通するものについては、説明上必要な場合を除き、主要なものにだけ符号を付している。
【0090】この医療機器1Cでは、図1においてフィルタF1とウォーマWAの間に設けられた給水管路2と給水枝管路部4とを切替接続する切替制御弁がなく、替わりに、フィルタF1から導出された給水管路2gとウォーマWAに接続されている給水枝管路部4dを断接可能に連結する連結継手8が設けられている。この連結継手8は、雌雄1組の連結継手8a、8bの組と、8c、8dの組の2組から構成されている。
【0091】連結継手8aは、給水管路2gに接続され、連結継手8bと連結継手8cとは連結管8eで接続され、連結継手8dは給水枝管路部4dに接続されており、それぞれの連結継手は、逆流防止弁81を備えている。また、雌雄1組の連結継手8a、8bの組と、8c、8dの組は、それぞれワンタッチ継手で構成され、ワンタッチで着脱することができる。
【0092】給水管路2gに接続された連結継手8aと、給水枝管路部4dに接続された連結継手8dは、それぞれ、その連結接続側が、本体部1cの表面に出るように本体部1cの適所に設置され、通常は、連結管8eで接続された連結継手8bと連結継手8cとがそれぞれ、連結継手8a、8dと連結して、給水管路2gと給水枝管路部4dとが接続され給水を行う。
【0093】一方、この医療機器1Cでは、本体部1cに着脱可能な消毒液ユニット9を有しており、その消毒液ユニット9からは、図1の消毒液すすぎ管路に相当する入水管路92の入水口94と、消毒液注入管路95の消毒液注出口97とが導出している。この入水管路92は、消毒液タンク91に通じており、途中に開閉弁93を備えている。また、消毒液注入管路95も、消毒液タンク91に通じており、途中にポンプ96を備えている。この消毒液ユニット9の入水口94と消毒液注出口97も、連結継手8と同様に、それぞれ逆流防止弁81を有しており、ワンタッチ継手で構成されている。
【0094】消毒洗浄時には、本体側の連結継手8の連結を解除すると、自動的に、給水源Wから給水枝管路部4への接続は解除される。その後、この解除された連結継手8の給水源側の継手8aと消毒液ユニット9の入水口94を連結し、この連結継手8の給水枝管路部側の継手8dと消毒液ユニット9の消毒液注出口97を連結する。
【0095】このようにすると、図1の医療機器1の消毒洗浄時と同じ消毒洗浄の管路系が実現される。したがって、この場合の消毒洗浄の手順は、図1について説明したものと同様である。また、消毒液ユニットには、図8(c)に示す、別のタイプの消毒液ユニット9Aもある。
【0096】この消毒液ユニット9Aは、図8(b)の消毒液ユニット9に比べ、入水口94から伸びる入水管路92Aは、消毒液タンクには通じておらず、開閉弁93を介して、消毒液注入管路95Aに合流している。また、消毒液注入管路95Aは、ポンプ96と消毒液注出口97を接続しているが、入水管路92Aの合流点より下流に逆流防止弁98を有している。
【0097】この消毒液ユニット9Aを、消毒液ユニット9と同様に、医療機器1Cの本体部1cに連結すると、図2の医療機器1Bと同様の消毒洗浄の管路系を実現するものである。消毒洗浄が終了すると、連結継手8の給水源側の継手8aと消毒液ユニット9の入水口94との連結を解除し、連結継手8の給水枝管路部側の継手8dと消毒液ユニット9の消毒液注出口97との連結を解除して、消毒液ユニット9と本体部1cとの接続を解除する。一方、本体側では、解除された連結継手8の給水源側と給水枝管路部側とを、図1(a)に示すように、元通り連結すると、給水源Wと給水枝管路部4が接続され、通常の給水を行うことができる。
【0098】給水管路2の消毒洗浄は、短時間でよく、消毒液ユニット9は消毒洗浄時のみに使用されるので、1台の医療機器に必ずしも常時消毒液ユニット9を接続しておく必要のないものである。したがって、このように、一つの消毒液ユニット9を、複数の医療機器本体に対して付け替えて使用するようにしても、多少の付け替えの手間は増えるが、消毒洗浄の支障になるようなことはない。
【0099】一方、このようにすることによって、本体部1cには、消毒液タンク91などの設置場所を設ける必要がなく、医療機器本体を小型化でき、コストダウンにもなる。また、消毒洗浄時だけに使用する消毒液ユニット9、9Aは、不使用時には、別の所に収納しておくことができ、邪魔にならない。また、通常使用時には、消毒液ユニット9、9Aは、本体部1cからは完全に切り離されているので、誤動作などで、消毒液Qが給水管路2に混入することを完全に避けることができる。
【0100】さらに、比較的に高価な切替制御弁が不要になり、替わりに安価な連結継手8を用いることができるので、その点でもコストダウンとなる。ついで、消毒液ユニットを、医療機器本体に着脱可能にしたタイプの別の例について説明する。この医療機器は、その連結継手の連結方法を改善したものである。
【0101】図9は、そのような本発明の医療機器の例を構成する管路系の概略構成を示す系統図であり、(a)はその本体部、(b)は着脱可能な消毒液ユニット、(c)は着脱可能な消毒液ユニットの他例を示している。この医療機器1Dにおいては、図8の医療機器1Cに比べ、本体部1d側の連結継手8Aが一組の雌雄の連結継手8a、8dの組で構成されている点のみが相違するので、共通する部分は、同じ符号を付して、重複説明を省略する。
【0102】この医療機器1Dの連結継手は、1組の連結継手8a、8dで構成され、給水源Wからの給水管路2gは、連結継手8aに接続され、その連結継手8a側は、連結継手8aと共に本体部1dから導出されるようになっており、給水枝管路部4dは連結継手8dに接続されており、連結継手8dは、その連結側が、ちょうど本体部1dの表面に出るように本体部1dの適所に設置されている。
【0103】一方、この場合の消毒液ユニット9、9Aは、図8の場合とまったく同じもので、その入水口94、消毒液注出口97なども同じものである。通常使用時は、連結継手8aは連結継手8dと連結され、給水源Wからの水は、給水枝管路4に供給される。消毒洗浄時には、連結継手8a、8dの連結を解除し、図8と同様に連結継手8aに入水口94を、連結継手8dに消毒液注出口97を連結する。消毒洗浄の手順などは、図8の場合と全く同じである。
【0104】消毒洗浄終了後は、消毒液ユニット9、9Aとの連結を解除し、元通り、連結継手8a、8dを連結する。このように、この医療機器1Dでは、図8の医療機器1Cと全く同じような効果を発揮する一方、医療機器1Cでは、必要であった連結継手8b、連結継手8c、連結管8eが不要になっており、コストダウンを図ることができる。また、連結継手の個数が減った分だけ、継手の着脱の手間と回数が減る。
【0105】ついで、消毒液ユニットを、医療機器本体に着脱可能にしたタイプのさらに別の例について説明する。この医療機器は、消毒洗浄時の給水を排水管路に排出することを特徴とする図3の医療機器において、消毒液ユニットを着脱可能としたものである。図10は、そのような本発明の医療機器の一例を構成する管路系の概略構成を示す系統図であり、(a)はその本体部、(b)は着脱可能な消毒液ユニットを示している。
【0106】この医療機器1Eは、その本体部1eの給水管路2と給水枝管路部4の間に設けられた連結継手8は、図8と全く同じものである。一方、本体部1eには、図3の医療機器と同様の排水路7を備えており、相違するのは、排水路7bから排水路7cが分岐しており、その先端に排水導入口71が設けられ、その排水導入口71は、本体部1eの表面に、その連結側が出るように、本体部1eの適所に設置されている点である。
【0107】一方、消毒液ユニット9Bは、消毒液Qを貯留した消毒液タンク91と、消毒液タンク91に通じ、ポンプ96と消毒液注出口97とを設けた消毒液注入管路95Bと、両端に連結継手94A、99を有し開閉弁93を設けた排水バイパス管路92Bとを備えている。ここでも、排水導入口71、連結継手94A、99は、それぞれ逆流防止弁81を備え、また、ワンタッチ継手で構成されている。
【0108】この医療機器1Eにおいては、通常は、連結継手8が連結され、給水源Wから給水枝管路部4に給水される。排水導入口71は、相手とする継手が連結されない状態であるが、逆流防止弁81を備えているので、排水などが漏れ出すことはない。消毒洗浄時には、連結継手8の連結を解除し、本体部1eの連結継手8の給水源側の継手8aと排水導入口71を消毒液ユニット9Bの排水バイパス管路92Bで接続し、つまり、連結継手8aと連結継手94Aを連結し、連結継手99と排水導入口71を連結する。一方、その本体部1eの連結継手8の給水枝管路部側の継手8dに消毒液ユニット9Bの消毒液注出口97を接続する。
【0109】このようにすると、図3の医療機器1Bの消毒洗浄時と同じ消毒洗浄の管路系が実現される。したがって、この場合の消毒洗浄の手順は、図3について説明したものと同様である。また、同様の効果が発揮される。また、連結継手8や、それに消毒洗浄時に連結する連結継手94Aを設けた入水口94、消毒液注出口97などは、逆流防止弁81を有しているので、連結解除した場合でも、内部の水や消毒液が漏れ出すことがないので、着脱時に、周囲の環境を汚染することがなく、便利である。
【0110】また、連結継手8や、それに消毒洗浄時に連結する入水口94、消毒液注出口97などは、ワンタッチ継手であるので、着脱がワンタッチででき、便利である。さらに、消毒液ユニット9、9A、9Bは、消毒液タンク91と、2種類の管路92、95、簡易な構造の継手で構成される入水口94や消毒液注出口97、ポンプ96などからなり、十分、運搬可能なものとすることができる。
【0111】したがって、複数の医療機器本体に対して消毒液ユニットを持ち運ぶのに便利がよく、また、消毒液ユニットを、それぞれの医療機器のそばに置くことができ、接続のための管路導出をより短くすることができる。さらに、本発明の医療機器においては、消毒後、給水管路系に消毒液を残留させることがないので、消毒液の残留による管路系の腐食などを考慮する必要がなく、消毒効果のみを選択条件として、適切な消毒液を選ぶことができる。つまり、消毒液として最もよく用いられる次亜塩素酸ナトリウムも用いることができ、便利であり、給水管路の消毒洗浄を簡単にすることができる。これより、本発明の医療機器で、給水管路系の消毒洗浄時に用いられる種々のタイプの洗浄タンクについて説明する。これらのタンクは、給水管路系の消毒洗浄を安全、簡易に行うために重要な役割を果たすものである。
【0112】図11(a)は本発明の医療機器で用いる洗浄タンクの一例を示す外観斜視図、(b)は、その洗浄タンクに、消毒洗浄のために医療器具をセットした状態を示す縦断面図である。なお、以下の説明においても、これまでに説明した図面と同じ部分については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この洗浄タンクWBは、医療器具HP(1〜5)を挿着するために、それぞれの医療器具HP(1〜5)の種別に応じた挿嵌孔10a、10b、10c、10d、10eを形成したカバー10に、オーバーフロー穴11aを形成したタンク本体11を組み付けた基本構造をなしている。ただし、ここでは、挿嵌口10aは、歯科用の医療器具HP(1)であるコップ給水に合わせて、コップ給水受け孔10aとして形成されている。
【0113】このタンクWBは、高濃度の消毒液などでも侵されないように、化学的に耐性の高いものを用いるのがよく、例えば、SUS316、SUS304などのステンレス鋼、ガラス、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、塩化ビニールなどの耐薬品性の高い合成樹脂が使用可能であるが、加工性、重量、製造コストなどの点から、特に、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、塩化ビニールが好適に用いられる。
【0114】洗浄タンクWBは、図11(b)に示すように、歯科用の医療機器のスピットンSPの上に置いて使用され、給水枝管路部4c(1)(図1参照)が接続されたコップ給水である医療器具HP(1)には、カバー10のコップ給水受け孔10aを合わせ、挿嵌孔10b、10c、10d、10eには、フレキシブルチューブで構成された給水枝管路部4c(2〜5)を介して導出された、それぞれの医療器具HP(2〜5)を挿着し、消毒洗浄を行う。
【0115】したがって、給水枝管路部4c(1〜5)を通じて、医療器具HP(1〜5)のそれぞれから排出される消毒液やすすぎ洗浄の排水は、洗浄タンクWBで受け止められ、他所に飛び散ったりして周囲にこぼれ出ることがない。この洗浄タンクWBに貯留された消毒液やすすぎ洗浄の排水は、タンクWBに挿入されているバキュームシリンジVSで、上述したように、バキュームタンク(不図示)に吸引するようになっている。
【0116】また、バキュームシリンジVSが故障するなどしたときには、タンク本体11のオーバーフロー穴11aより、貯留された消毒液やすすぎ洗浄の排水をスピットンSP内に排出するようにしている。したがって、万一の故障の場合でも、洗浄タンクWB内の消毒液や洗浄排水は、周囲に流れ出ることがない。つまり、この洗浄タンクを用いると本発明の特徴とする給水管路の消毒洗浄を、安全、簡易に行うことができる。
【0117】図12(a)は本発明の医療機器で用いる洗浄タンクの他例を示す外観斜視図、(b)は、その洗浄タンクに、消毒洗浄のために医療器具をセットした状態を示す縦断面図である。この洗浄タンクWB1は、図11の洗浄タンクWBに比べ、バイパス排水管12が設けられている点のみが相違するので、同じ部分については、同じ符号を付して重複説明を省略する。なお、以下の洗浄タンクについての説明では、同様の方法で説明する。
【0118】この洗浄タンクWB1のタンク本体11Aには、図11のタンク本体11のオーバーフロー孔11aと同様の位置の孔から、スピットンSPの排水孔に接続された排水管路dに通じているバイパス排水路12が設けられている。このバイパス排水路12は、オーバーフロー孔11aと同様の働きをするものであるが、この場合、オーバーフローの排水は、スピットンSPに排水されずに、バイパス排水路12を介して、直接、排水管路dに排水されるようになっている。
【0119】したがって、図11の洗浄タンクWBと同様の効果を発揮すると同時に、オーバーフローの排水によって、スピットンSPを汚染することがない。排水管路dのバイパス排水路12との接続部d1には、バイパス排水路12を排水管路dから外した場合に排水漏れがないように、逆止弁をもうけてもよい。図13(a)、(b)は本発明の医療機器で用いる洗浄タンクのさらに他例を示す外観斜視図、(c)は、その洗浄タンクを用いた医療器具の消毒洗浄の状態を示す医療機器の外観斜視図、図14(d)は、その洗浄タンクをスピットンにセットした状態の縦断面図、(e)は、その洗浄タンクを分割式にした例を示す縦断面図、(f)は、その洗浄タンクを用いた医療器具の消毒洗浄の他例の状態を示す医療機器の外観斜視図である。
【0120】図13(a)の洗浄タンクWB2は、図12の洗浄タンクWB1に比べ、洗浄タンクがカバーと本体に分離されておらず、一体形成され、タンクWB2の上部に引っ掛けフック13が設けられている点が相違する。また、この洗浄タンクWB2を用いる場合には、排水吐出管14aを突出させた洗浄用コップ14を組み合わせて使用する。
【0121】また、洗浄タンクとカバーは一体形成としてもよいが、図12のように、両者が分離したタイプのものでも、洗浄タンクとカバーをベルトなどで巻いて固定したり、図14(e)のように、洗浄タンクとカバーの接合する箇所に、容器自体の弾性を利用して嵌合する凸部と凹部を設けて固定したり、種々の固定手段により、固定するようにしてもよい。
【0122】図13(b)の洗浄タンクWB3は、図13(a)の洗浄タンクWB2に比べ、洗浄タンクの上面に設けられた挿嵌孔10a〜10eの内、コップ給水受け孔10aが、さらに内径の大きな孔であるコップ給水受け孔10fである点が相違する。この場合、図に矢印で示すように、消毒洗浄終了後は、洗浄コップ14を、そのコップ給水受け孔10fに嵌め込んだ状態で、洗浄タンクWB3を収納することができ、収納に便利で、洗浄コップ14が散逸することが少なくなる。
【0123】図13(c)において、1chは、本発明の医療機器の例である歯科用医療機器1の治療椅子である。図13に示すように、消毒洗浄時に、洗浄タンクWB2は、スピットンSPの側縁に引っ掛けフック13を係止させて使用され、洗浄タンクWB2上面の挿嵌孔10B〜10eには、治療椅子1chのバックレストの上部から導出されたフレキシブルチューブで構成された給水枝管路部4c(2〜5)に接続された医療器具HP(2〜5)が挿着されている。一方、スピットンSPの上部に設置されたコップ給水である医療器具HP(1)の部分には、排水吐出管14aをスピットンSPの排出孔側に向けた状態で洗浄用コップ14が設置されている。
【0124】したがって、給水枝管路部4c(2〜5)を通じて、医療器具HP(2〜5)のそれぞれから排出される消毒液やすすぎ洗浄の排水は、洗浄タンクWB2で受け止められ、他所に飛び散ったり、流れ出たりすることがない。また、オーバーフロー排水は、バイパス排水路12を介して、排水管路dに排水される。さらに、コップ給水である医療器具HP(1)からの排水は、洗浄用コップ14に一時貯留され、排水吐出管14aを介して、スピットンSPから、排水管路に排水される。
【0125】コップ給水受け孔10aは、図の例のように、洗浄タンクWB2をスピットンSPの側縁に係止して使用する場合は、特に設ける必要はないが、このコップ給水受け孔10aがあれば、図12(b)に示すタイプのように、スピットンSPの上に載置して使用する場合には、都合が良い。また、図14(f)に示すように、洗浄コップ14の排水吐出管14aを延長して、コップ給水受け孔10aに、コップ給水である医療器具HP(1)からの排水が直接導かれるようにしてもよい。
【0126】また、洗浄タンクWB3も、同様にして用いられる。図15(a)は本発明の医療機器で用いる洗浄タンクのさらに他例の使用状態を示す要部縦断面図、(b)は、その洗浄タンクのスピットンへの取り付け部の詳細を示す要部外観斜視図である。この洗浄タンクWB4では、図13の洗浄タンクWB2、3に比べ、タンクは、カバー10とタンク本体11Bで構成され、タンクの引っ掛けフックが一体化されたタンクの上部に設置されず、代わりに、タンク本体11Bの側壁には、係止孔15が形成され、一方、スピットンSP側には、この係止孔15に嵌め込むことができるような掛け止めピン16が形成されている点が相違する。
【0127】この洗浄タンクWB4は、図に示すように、スピットンSPの掛け止めピン16に、タンク本体11Bの係止孔15を挿嵌させて、スピットンSPの側壁に係止させて使用する。この場合も、図13の場合と同様に、洗浄コップ14を組み合わせて使用する。図16は本発明の医療機器で用いる洗浄タンクのさらに他例の使用状態を示す外観斜視図である。
【0128】この洗浄タンクWB5は、図13(a)の洗浄タンクWB2と基本的構造は同じであるが、タンクWB5の上部には、コップ給水受け孔10aは形成されておらず、コップ給水である医療器具HP(1)を受ける開口17aを開設したコップ給水受け導管17を設けている点が相違する。この洗浄タンクWB5は、スピットンSPの側縁に引っ掛けフック13を係止させて使用されるが、その開口17aは、コップ給水HP(1)の下部に位置し、コップ給水HP(1)からの排水をコップ給水受け導管17を介して、タンク内に導く。したがって、この場合、洗浄コップが不要となる。
【0129】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発明によれば、次のような効果が奏される。請求項1に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、医療器具と給水枝管路部の部分の消毒洗浄を完全に行うことができるとともに、その給水枝管路部などを消毒するために消毒液を注入する消毒液注入管路や消毒液タンクなどを含めて、消毒液の注入されたすべての管路がすすぎ洗浄できる。したがって、消毒洗浄後は、医療機器には、消毒液は一切残っておらず、通常の使用時に、誤動作などで、消毒液が給水に混入することがない。また、消毒液は、消毒に必要な時に、必要な時間だけ、管路系に注入、滞留するだけなので、管路系への消毒液の悪影響を最小限に抑えることができる。
【0130】請求項2に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、給水枝管路部に開口している消毒液注入管路の給水枝管路部に近い部分がすすぎ洗浄され、その後、通常使用時には、この消毒液注入管路の給水枝管路部への接続部分には、消毒液は残っておらず、この部分から、消毒液が給水枝管路部に混入することがない。
【0131】また、この医療機器では、消毒液タンクには、すすぎ給水は供給されないので、消毒液が希釈されることがなく、消毒液タンクに消毒液を複数回分貯留しておいて使用するのに向いている。したがって、いちいち、消毒洗浄の度に、一回分の消毒液を消毒液タンクに入れる手間を省くことができる。請求項3に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、消毒洗浄時に切替制御弁が切り替えられるバイパス排水管路は、排水路に通じており、給水は排水路に排水される。同時に、消毒液注入管路は、給水枝管路部に、所定の時間消毒液を注入するので、消毒洗浄時に、医療器具から濃度の高い消毒液が排出されても、同時に排水路には、給水源からの給水が排水されるので、その消毒液は、適宜希釈され、濃度の高い消毒液に対する素材の考慮がなされていないことが多い排水路を、損傷するようなことがない。
【0132】請求項4に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項1〜3に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器の効果に加え、給水源からの給水はフィルタを介して医療器具に供給され、一方、消毒液注入管路は、そのフィルタと切替制御弁を通過後の給水枝管路部に設けられた分岐に通じているので、通常使用時には、医療器具にはフィルタで浄化された清浄水が供給され、また、消毒時には、消毒液は、フィルタに影響を与えない部分の給水枝管路部に注入されるので、消毒液がフィルタを損傷することがない。
【0133】さらに、消毒液は、消毒液注入管路に設けられたポンプなどにより加圧供給されるので、重力を利用して自然落下で消毒液を供給するものなどに比べ、短時間で確実に消毒液が、消毒対象の給水枝管路部と医療器具に注入、充填される。また、消毒液の所定時間の滞留後は、給水源からの給水により、給水枝管路部と医療器具はすすぎ洗浄されるので、通常使用時に、患者に、消毒液の混入した水が供給されることがない。請求項5に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、シーケンサは、タイマ監視下のもとで、開閉弁、給水元弁などの給水制御機器、消毒液を注入するためのポンプ、切替制御弁などを、予め準備された消毒洗浄のシーケンスプログラムに従って、制御するので、手順の抜け落ちや、順序の前後がなく、消毒洗浄の手順の安全性が高まる。
【0134】また、シーケンサが消毒洗浄を実行している間は、報知ランプが点滅など、また必要に応じてブザーを間欠鳴動するなどして、実行中を示し、終了すると、報知ランプが点灯、また、ブザーが異なる態様で鳴動などして終了を知らせるので、実行中に不必要な動作をすることを避けることができ、また、終了を確認してから、通常使用を始めることができる。
【0135】請求項6に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項5に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器の効果に加え、上記シーケンサが消毒洗浄制御を実行中は、治療椅子、治療器具の操作スイッチが操作されても無効にする、セーフティ回路を更に備えているので、消毒洗浄中に、治療椅子などが動いて、消毒洗浄用に所定位置にセットされた医療器具などが脱落して、消毒液などが漏れ出るようなことを防ぐことができる。
【0136】請求項7に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項5に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器の効果に加え、治療椅子は、消毒洗浄時には、初期位置に復帰され、その位置から動かなくなるので、安全性が高い。請求項8に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項5に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器の効果に加え、治療椅子が、消毒洗浄に適した初期位置以外にあるときは、警報が出力されるので、安全性が高い。
【0137】請求項9に記載の記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項5に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器の効果に加え、消毒洗浄の終了を確認するまでは、報知ブザーが鳴動し、終了確認を忘れることがないので、不用意に、通常の給水を開始することがなく、安全性が高い。請求項10から請求項16にに記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、切替制御弁の替わりに連結継手を用い、消毒液タンクとポンプなどからなる消毒液ユニットを医療機器本体に着脱可能にしているので、一つの消毒液ユニットを、複数の医療機器本体に対して付け替えて使用するようにでき、医療機器本体には、消毒液タンクなどの設置場所を設ける必要がなく、医療機器本体を小型化でき、コストダウンにもなる。また、消毒洗浄時だけに使用する消毒液ユニットは、不使用時には、別の所に収納しておくことができ、邪魔にならない。
【0138】また、通常使用時には、消毒液ユニットは、医療機器本体からは完全に切り離されているので、誤動作などで、消毒液が給水管路に混入することを完全に避けることができる。さらに、比較的に高価な切替制御弁が不要になり、替わりに安価な連結継手を用いることができるので、その点でもコストダウンとなる。
【0139】特に、請求項10に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、着脱可能にした消毒液ユニットを本体部に連結すると、請求項1の医療機器の消毒洗浄時と同じ消毒洗浄の管路系が実現される。したがって、上述の基本的効果に加え、請求項1に記載の医療機器と同様の効果が発揮される。請求項11に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項2の医療機器と同様の構成を、連結継手と着脱可能な消毒液ユニットを用いるもので実現しており、上述の基本的効果に加え、請求項2の医療機器の効果が発揮される。
【0140】請求項12に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項3の医療機器と同様の構成を、連結継手と着脱可能な消毒液ユニットを用いるもので実現しており、上述の基本的効果に加え、請求項3の医療機器の効果が発揮される。また、この場合、請求項3に比べ、洗浄剤ユニットとの連結が解除されたのちは、もはや、消毒液が給水枝管路部に混入することがないので、安全性が高い。
【0141】請求項13に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項10〜12のいずれかに記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器の効果に加え、それぞれの継手などには、逆流防止弁が設けられているので、連結継手などを解除した場合にも、継手などからの給水や消毒液の滴下をふせぐことができ、着脱使用に向いている。
【0142】請求項14に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項10〜13のいずれかに記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器の効果に加え、それぞれの継手などは、ワンタッチ継手であるので、着脱が容易で、消毒液ユニットの着脱が容易になる。請求項15に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項10〜14のいずれかに記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器の効果に加え、上記消毒液ユニットが、運搬可能なので、複数の医療機器本体に対して消毒液ユニットを持ち運ぶのに便利がよく、また、消毒液ユニットを、それぞれの医療機器のそばに置くことができ、接続のための管路導出をより短くすることができる。
【0143】請求項16に記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器によれば、請求項1〜15のいずれかに記載の給水管路の消毒洗浄機能を備えた医療機器の効果に加え、上記消毒液として、次亜塩素酸ナトリウムを用いることができ、便利であり、給水管路の消毒洗浄を簡単にすることができる。




 

 


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