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発明の名称 ポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシンの分解・吸着方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−254247(P2000−254247A)
公開日 平成12年9月19日(2000.9.19)
出願番号 特願平11−59191
出願日 平成11年3月5日(1999.3.5)
代理人 【識別番号】100088328
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 暢之 (外2名)
【テーマコード(参考)】
2E191
4D002
4D004
【Fターム(参考)】
2E191 BA12 BB01 BC01 BD11 
4D002 AA21 AB03 BA04 DA46
4D004 AA41 AB07 AC07 CA12 CA34 CA47 CB02
発明者 岡本 穏治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(以下PCDDと略す)中のC−O結合を切断する工程を含むことを特徴とするPCDDの分解・吸着方法。
【請求項2】 シリコン原子を含む化合物を用いてPCDD中のC−O結合を切断することを特徴とする請求項1記載のPCDDの分解・吸着方法。
【請求項3】 Si=Si二重結合を有する物質を用いてPCDD中のC−O結合を切断することを特徴とする請求項1記載のPCDDの分解・吸着方法。
【請求項4】 Si(001)表面を用いることによりPCDD中のC−O結合を切断することを特徴とする請求項1記載のPCDDの分解・吸着方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はPCDDの分解・吸着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PCDDを除去する方法としては、乾式法、湿式法等が知られていた。乾式法では約1000℃以上の高温処理が必要であり、湿式法では中和剤を用いてそれを排水処理したり、あるいは紫外線による光分解やオゾンを照射して酸化処理する方法が採用されていた。また、生物学的に除去、分解する技術も知られていた。
【0003】例えば、特開平7−265834号公報では、排ガス中の重金属およびダイオキシン類を活性炭に吸着させた飛灰の未燃炭素量を1〜5%にしマイクロ波により加熱処理する方法、特開平10−216716号公報では、有機塩素化合物含有ガス等にエキシマランプ1から発生する172nmまたは222nmの紫外線を照射する方法、特開平10−286469号公報では選択されたチタニアシリカ等の第一成分とバナジウム等の第二成分からなる酸化物触媒を表面に担持させ積層してなる触媒構造体を排ガス流路に配置する方法、特開平10−300054号公報では、クロムとアルミナを主成分とする金属繊維マットを電気エネルギーで800℃以上に赤熱して排ガスを接触させる方法等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼却処理方法の採用において超高温でかつ炉の温度調節を高度に遂行するためには、時間空間4次元多点プログラム管理方式などの高度な技術を必要とし、処理コストがかさんでいた。また、湿式法では排水に残存するダイオキシン類を完全に除去することは困難であった。更に、生物学的処理方法では除去、分解には限界があり、このような従来技術ではPCDDを簡便かつ高精度に分解することはできなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明により、PCDD中のC−O結合を切断する工程を含むことを特徴とするPCDDの分解・吸着方法が提供される。
【0006】また、Si原子を含む化合物を用いてPCDD中のC−O結合を切断する工程を含む技術が提供される。
【0007】また、Si=Si二重結合を有する化合物を用いてPCDD中のC−O結合を切断する工程を含む技術が提供される。
【0008】また、Si(001)表面を用いてPCDD中のC−O結合を切断し表面に吸着する工程を含む技術が提供される。
【0009】上記した本発明によれば、簡便な方法で確実にPCDDを分解および吸着する方法を提供でき、前記した従来の解決課題を解決できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、PCDD中のC−O結合を切断するのに好適な材料としてはSi(001)(2×1)表面が挙げられる。この表面は、シリコンウエハをAMP洗浄液(NH4OH/H22/H2O混合液)やDHF洗浄液(HF/H2O混合液)等を用いたRCA法により洗浄してSi表面上の金属不純物や自然酸化膜を除去した後、乾燥させてからシリコン基板を加熱することで得られる。
【0011】PCDDは水に不溶であるが塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼンなどの有機溶媒には可溶であり、PCDDを含んだ土壌から、例えばベンゼン溶液でPCDDを抽出することにより抽出できる。このような方法に限らず、PCDDを高濃度に含有するガス組成物の集得が可能である。
【0012】上記の作業と並行して、PCDDの分解・吸着におけるプロセスフローの1例である、例えば図1のDで示した清浄表面形成櫓において、RCA洗浄した後、シリコン基板を1200℃に加熱して(2×1)構造のシリコン(001)清浄表面をつくる。
【0013】この表面は図2の反応系に示すような構造をしており、表面第一層はSi=Si二重結合をしている。従って表面のSi=Si結合とダイオキシンのC−O結合の間で組み替えを行ない、Si−Si π結合をSi−C σ結合に変換した方がエネルギー的に有利である。また、このときC−O σ結合がSi−O σ結合に変換するが、結合エネルギーは後者が大きいので、この点からも組み替えは有利である。
【0014】C−O分解反応のために、例えばシリコン基板Aを図1Bの基板制御棒で吸着反応櫓(図1E)に移動した後、例えば、前記抽出溶液をガス化してシリコン基板表面に吹き付ける。この反応によりPCDDは図2の生成物に示すような構造で吸着していると考えられる。反応後、ベンゼンで基板と反応櫓の側壁を洗浄すれば未分解のPCDDが集められる。
【0015】これらの操作を繰り返すと、シリコン表面に吸着されたPCDDの割合が高まり、原理的に所望の高精度で溶液からPCDDを除去することが可能である。
【0016】
【実施例】以下、実施例により更に説明する。
【0017】ダイオキシンを抽出するため、ダイオキシンを含む土壌1グラムをベンゼン溶液(100g)中に加えて24時間放置し、さらに1時間攪拌後、ろ過して溶液を得る。
【0018】この溶液を2等分し、その一つをガスクロマトグラフィーで分析したところ、2,3,7,8−4塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(以下2,3,7,8−TCDDと略す)換算で、76ピコグラムのダイオキシンが含まれていた。
【0019】一方、残った溶液を濃縮工程で5ccにする。ダイオキシンの融点は200℃以上であり、ベンゼンの沸点80℃に比べると高いために、ダイオキシンは濃縮工程で失われない。
【0020】この濃縮工程と並行して、清浄表面形成櫓に4インチシリコンウエハーを導入し、1200℃に加熱して清浄表面をつくる。
【0021】その後、基板制御棒を使って吸着反応櫓にシリコン基板を移動させた後、ヒーターによりシリコン基板を300℃に加熱する。更に、濃縮溶液をガス化してシリコン基板表面に吹き付ける。
【0022】一時間後、シリコン基板に物理吸着しているダイオキシンと吸着反応櫓の側壁についたダイオキシンをベンゼン溶液で洗浄する。
【0023】この洗浄液を回収して、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、2,3,7,8−TCDD換算で、27ピコグラムであった。また、シリコン基板に吸着した化学種をFT−IRで分析したところ、Si−Oの振動モードに対応するとみられる903cm-1の振動数が得られた。
【0024】この場合、基板に吸着したダイオキシンは0.6pg/cm2となる。一方、理論的には、図2の生成物から判断して表面(2×1)構造あたり1個のダイオキシンが吸着するとして、表面が全てダイオキシンで覆われる最大吸着量は1.7×105pg/cmとなる。このような実験事実から、実際的にはシリコンウエハを用いるよりも表面積の大きいシリコン微粒子の利用による高効率化が十分に動機づけられた。
【0025】なほ、ダイオキシンが吸着したシリコン基板は2次汚染を避けるため再利用せずに保管することが好ましい。
【0026】以上のプロセスを繰り返すことにより、更にダイオキシンの量を低減することが可能であることを認めた。
【0027】モデル計算シリコン(001)清浄表面は(2×1)非対称ダイマー構造が最安定であることが分かっている。このダイマー構造では、図2中の反応系に示されるようにシリコン原子が表面から上がったものと下がったものがペアになっているが、これにより電荷が分極し、上がっている原子が負に下がっている原子が正になる。ダイオキシンは電気陰性度の大きい酸素原子を含んでいるので、正に帯電したシリコン原子の方に近づき、表面の分極をさらに強める。これは図2中の前駆体においてダイマーが反応系よりも非対称的になっていることから分かる。この前駆体形成は0.07eVの発熱反応である(図3参照)。さらに反応が進行すると、この反応経路で最もエネルギーが高い状態(遷移状態)に至る。前駆体からみた反応障壁は1eV程度であるので、200〜300℃程度の温度が反応の進行に必要になる。その後C−O結合が切断されて生成物になるが、この反応熱は3.0eVという大きな発熱で生成物はきわめて安定であることを示している。
【0028】また、生成物から見た反応障壁は約4eVもあるので、表面からの脱離反応はシリコン基板が融けるような超高温にしない限り、ほとんど起こらないことが分かる。このことはダイオキシンがシリコン表面で分解・吸着できることを示している。一方、シラン分子(SiH4)を用いてダイオキシンのC−O結合を切断する反応を計算したところ活性エネルギーは約3eVで反応熱は1eVの発熱であった。このことは速度論的にも熱力学的にもダイオキシンのC−O結合の切断はシランよりもシリコン表面がはるかに好ましいことを示し、Si=Siのような2重結合性の存在がC−Oの分解に重要であることを表している。
【0029】
【発明の効果】本発明により、簡便な方法で確実にダイオキシンを分解した形で吸着する方法を提供でき、従来コスト的に、精度的に困難であったダイオキシンの分解・吸着の課題を解決できることを確認した。




 

 


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