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発明の名称 ポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン及びポリ塩化ジベンゾフランの分解方法及びその分解装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2000−245862(P2000−245862A)
公開日 平成12年9月12日(2000.9.12)
出願番号 特願平11−57301
出願日 平成11年3月4日(1999.3.4)
代理人 【識別番号】100065385
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 穣平
【テーマコード(参考)】
2E191
4D004
【Fターム(参考)】
2E191 BA12 BD11 BD17 
4D004 AA41 AB06 AB07 AC05 CB02 CC12
発明者 岡本 穏治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(以下PCDDと略す)又はポリ塩化ジベンゾフラン(以下PCDFと略す)中の塩素原子を除去する工程と、PCDD又はPCDFに含まれている酸素原子に水素イオンを結合させる工程と、その酸素原子と結合している炭素原子に水素基を付加する工程を含むことを特徴とするPCDD又はPCDFの分解方法。
【請求項2】 PCDD又はPCDFに水素遊離基を照射して塩素原子を除去することを特徴とする請求項1に記載のPCDD又はPCDFの分解方法。
【請求項3】 水素イオンを照射して、PCDD又はPCDFに含まれている酸素原子に水素イオンを結合させることを特徴とする請求項1に記載のPCDD又はPCDFの分解方法。
【請求項4】 PCDD又はPCDFに水素遊離基を照射して、酸素原子と結合している炭素原子に水素基を付加することを特徴とする請求項1に記載のPCDD又はPCDFの分解方法。
【請求項5】 PCDD又はPCDFに水素遊離基を照射する工程と水素イオンを照射する工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載のPCDD又はPCDFの分解方法。
【請求項6】 PCDD又はPCDFに水素遊離基を照射後、水素イオンを照射し、その後更に水素遊離基を照射することを特徴とする請求項1に記載のPCDD又はPCDFの分解方法。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれかにおいて、PCDD又はPCDFが天然物又は排ガス中に混入している状態にあることを特徴とするPCDD又はPCDFの分解方法。
【請求項8】 PCDD又はPCDF中の塩素原子を除去する手段と、PCDD又はPCDFに含まれている酸素原子に水素イオンを結合させる手段と、その酸素原子と結合している炭素原子に水素基を付加する手段を含むことを特徴とするPCDD又はPCDFの分解装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイオキシンの分解方法及びその分解装置に関し、詳しくはPCDD及びPCDFの分解方法及びその分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PCDD又はPCDFを除去するには、乾式法、湿式法等が存在していた。乾式法では約1000℃以上の高温処理が必要であり、湿式法では中和剤を用いてそれを排水処理したり、あるいは紫外線による光分解やオゾンを照射して酸化処理していた。また、生物学的に除去、分解する技術も知られていた。
【0003】しかし、焼却処理では超高温かつ炉の温度調節に時間空間4次元多点プログラム管理方式等の高度な技術を必要とし、処理コストがかさんでいた。また、湿式法では排水に残存するダイオキシン類を完全に除去することは困難であった。更に、生物学的処理では除去、分解には限界があった。このように従来技術では、PCDD又はPCDFを簡便に高精度分解する方法はなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡便な方法で確実にダイオキシンを安価に高精度で分解できるPCDD又はPCDFの分解方法及びその分解装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明により、PCDD又はPCDF中の塩素原子を除去する工程と、PCDD又はPCDFに含まれている酸素原子に水素イオンを結合させる工程と、その酸素原子と結合している炭素原子に水素基を付加する工程を含むことを特徴とするPCDD又はPCDFの分解方法及びその分解装置が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0007】2,3,7,8−4塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(以下2,3,7,8−TCDDと略す)に水素遊離基を照射すると、その主反応は、2,3,7,8−TCDDのベンゼン環に結合している塩素原子を引き抜きベンゼン環に遊離基ができた中間体と塩化水素を生成する(図1)。この素反応は、約0.5eVの発熱反応で活性化エネルギーは小さい(約0.4eV)。
【0008】更に、水素遊離基が過剰にある条件では、生成した上記中間体が水素遊離基と反応して塩素原子数が1つ少なくなった2,3,7−3塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(以下2,3,7−TrCDDと略す)となる。この素反応は、障壁が無く大きな発熱反応である(約5.2 eV)。これを繰り返して、最終的には初期の物質であった2,3,7,8−TCDDに結合していた4個の塩素原子は全て除去される(図2)。
【0009】この際、一部、副反応として、水素遊離基がベンゼン環と結合している水素原子を引き抜きベンゼン環にラジカルを生じる(図1)。しかし、これは約0.4eVの吸熱反応であるために上記反応と比べて熱力学的に不利で、活性化エネルギーも約0.6eVと上記反応に比べて大きく速度論的にも不利である。更に、水素遊離基が過剰に存在する条件下では、この中間生成したラジカルが再び水素遊離基と結合し、元の分子(2,3,7,8−TCDD)に戻るので、この反応経路からの実質的な寄与はない。そのため、反応サイクルが進むほど主反応の割合は高まり、原理的に所望の高精度で塩素を除去することが可能である。
【0010】その後、塩素原子を全て除去した生成物(無塩化ジベンゾ−p−ジオキシン、以下DDと略す)に水素イオンを照射すると、水素イオンはDD中で最も電気陰性度の高い酸素原子と発熱反応で配位結合をつくる。更に、この水素イオン処理をした上述生成物に水素遊離基を新たに照射すると、水素イオンと配位結合している酸素原子と炭素原子間の結合が切れて、水素遊離基は切れた炭素原子と結合する。その結果、いわゆるダイオキシン構造は分解する。この場合、酸素原子が水素イオンと配位結合していないと、水素遊離基を更に照射し続けても酸素原子と炭素原子の結合が切れず、ダイオキシンの基本骨格は分解しない。
【0011】
【実施例】ダイオキシンに水素遊離基を照射するため、ダイオキシンを約24ピコグラム含む土壌1グラムを石英管の反応器に入れ、反応器の管内に水素ガス導入し、ガス圧を約100Paとした。更に、反応器の外側から500W水銀灯(紫外線強度20mW/平方cm)で253.7nmの光を約1時間照射した。その間、副反応を抑制するために反応器は水冷した。
【0012】その後、その土壌に水素イオンを照射するため、デュオプラズマトロンで発生した水素イオンを反応管内に導き、約30分間照射した。イオンプラズマ密度は、10の13乗/立方cm程度であった。温度は室温である。
【0013】その後更に、水素基を照射するために、反応器の管内に水素ガス導入し、ガス圧を約100Paとし、更に反応器の外側から500W水銀灯(紫外線強度20mW/平方cm)で253.7nmの光を約20分間照射した。その結果、ダイオキシンの量は約15ピコグラムであった。上記プロセスを繰り返すことにより、更にダイオキシンの量を低減することが可能である。
【0014】また、水素遊離基や水素イオン発生には、水素放電管やプラズマ利用のドライエッチング装置(反応性イオンエッチング装置(入力は例えば13.56MHz)、マグネトロン型反応性イオンエッチング装置、マイクロ波(例えば2.45GHz)プラズマエッチング装置他)等の上記以外の装置を用いてもよい。また、水素遊離基反応と、水素イオン反応が共存するような装置を用いることもできる。
【0015】上記の結果は、非経験的分子軌道法(B3LYP/6−31G(d’,p’))を用いた、図1の水素ラジカルによる引き抜き反応とラジカル消滅反応、図2の2,3,7,8−TCDDからDDへの水素ラジカルによる塩素原子引き抜き反応経路を示す図のモデル計算によっても裏付けられた。なお、図中で3つ並んだ数字は塩素引き抜きの反応熱(左)、活性化エネルギー(中)、ラジカル消滅の反応熱(右)であり、数字の単位はeV、反応熱のマイナスは吸熱であることを表す。
【0016】以下に詳細に説明する。
【0017】(水素遊離基による塩素原子の引き抜き反応)主反応経路は、2,3,7,8−TCDD + 2H・ → ラジカル中間体A + HCl + H・→2,3,7−TrCDD + HClである(図1)。最初の素反応であるラジカル中間体Aの生成は、活性化エネルギーが0.390eVで、0.556eVの発熱反応である。次のラジカル中間体Aと水素遊離基とのラジカル消滅に反応障壁はなく、5.243eVの発熱反応である。水素遊離基が過剰に存在する条件では、2,3,7−TrCDDから更に塩素が引き抜かれて、最終的には無塩素置換体のDDができる。これらの反応の活性化エネルギーは0.390〜0.396eVの範囲にあり、また全て発熱反応である(図2)。
【0018】一方、水素遊離基が2,3,7,8−TCDDの水素原子を引き抜き抜く副反応(図1)
2,3,7,8−TCDD + 2H・ → ラジカル中間体B + H2 + H・→2,3,7,8−TCDD + H2は第一段階のラジカル中間体Bの生成が活性化エネルギー0.594eVで、0.445eVの吸熱反応であるために、上記の塩素原子引き抜き反応と比べて熱力学的にも速度論的にも不利であり、こちらは副反応であることが分かる。更に、水素遊離基が過剰に存在する条件では、ラジカル中間体Bは2,3,7,8−TCDDに戻るだけなので、この反応経路からの実質的な寄与はない。
【0019】{水素イオン処理の効果}無塩素ジベンゾ−p−ジオキシン(DD)での水素イオン処理の効果を調べた(図3)。
【0020】水素イオンが無い場合と水素イオンが酸素原子に配位結合をしている場合のそれぞれで水素遊離基が酸素原子と結合している炭素原子を攻撃した時、水素遊離基と炭素原子間の距離R(C−H)を横軸に結合距離R(C−O)あるいは全エネルギーの変化を縦軸にとって表したものが図4である。図4Aから、水素イオン処理をしない場合ではR(C−H)が0.11nmの時にR(C−O)が0.147nmまで伸びるが図3の右上にあるように、この場合ダイオキシンの基本骨格は保存される。しかし、水素イオン処理を行なった場合には、図4AにあるようにR(C−H)=0.165nmで急激にR(C−O)が0.294nmまで伸びる。この時は図3の右下にあるように、ダイオキシン骨格のC−O結合は切断されている。図4BからC−O結合が切断されることで全エネルギーは大きく安定化する。
【0021】なお、図4は水素ラジカルをダイオキシン環に近づけた時の変化を示す図であり、図4Aは C−O結合距離を示し、図4Bは全エネルギーの変化を示している。図中の距離の単位はAngstromで、エネルギーはR(C−H)=5.0での値との差で表し、その単位はeVである。
【0022】このように水素イオンを水素遊離基照射と組み合わせることで、ダイオキシン骨格が分解される。
【0023】
【発明の効果】本発明により、簡便な方法で確実にダイオキシンを分解する方法を提供でき、従来、コスト的、精度的に困難だったダイオキシン分解の課題を解決できるPCDD又はPCDFの分解方法及びその分解装置が提供できる。




 

 


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