Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
電力変換装置の制御装置 - 株式会社東芝
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 発電 -> 株式会社東芝

発明の名称 電力変換装置の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−55955
公開日 平成11年(1999)2月26日
出願番号 特願平9−209337
出願日 平成9年(1997)8月4日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
発明者 味口 泰彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 自己消弧形スイッチング素子をブリッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する手段と、を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
【請求項2】 自己消弧形スイッチング素子をブリッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する手段と、を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
【請求項3】 自己消弧形スイッチング素子をブリッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
【請求項4】 自己消弧形スイッチング素子をブリッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
【請求項5】 直流電圧源を少なくともn(nは3以上の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する手段と、を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
【請求項6】 直流電圧源を少なくともn(nは3以上の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する手段と、を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
【請求項7】 直流電圧源を少なくともn(nは3以上の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
【請求項8】 直流電圧源を少なくともn(nは3以上の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多重変換器からなる電力変換装置の制御装置に係り、特に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択して、空間ベクトル比較によるパルス幅変調(以下、PWMと称する)制御を高速に実行できるようにした電力変換装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図44は、多重(図では4個のものを示している)電圧形変換器5,6,7,8からなる電力変換装置の主回路構成例を示すブロック図であり、図45は各変換器5〜8の構成を示す回路図である。
【0003】図44,45において、電力変換装置の主回路は、自己消弧形スイッチング素子9〜32をブリッジ接続してなり、各スイッチング素子9〜32にそれぞれダイオードD9〜D32が逆並列に接続されている。各変換器5〜8の入力側には、共通の直流電源4が接続されている。各変換器5〜8の出力側にはそれぞれ三相変圧器133〜136が接続され、各三相変圧器133〜136の二次側は共通接続され、抵抗137、インダクタンス138を順次介して交流電動機等の交流負荷139が接続されている。
【0004】以下の説明では、自己消弧形スイッチング素子9〜32として、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)を用いる場合を例として説明する。
【0005】また、各GTOと各GTOと逆並列のダイオードDを組み合わせて、アームと呼ぶことにする。例えば、GTO9とD9で構成されるアームをアーム9、GTO10とD10で構成されるアームをアーム10のように呼ぶことにする。各変換器の交流電流の向きによっては、GTOにオン(ON)ゲートを与えていてもダイオード側に電流が流れることもある。どちらに電流が流れている場合も、アームが通電している、と称することにする。
【0006】さらに、多重電圧形変換器からなる電力変換装置には、図44に示すように、直流を電源とし、交流側に負荷を持つインバータの構成と別に、交流側を電源とし、直流側に負荷を接続するコンバータの構成もある。両者は呼び方が異なるだけであり、動作や抱える技術的課題は共通しているものが多いので、以下の説明では、両者を区別せずに多重電圧形変換器として扱うことにする。
【0007】一方、このような多重電圧形変換器5〜8からなる電力変換装置の制御装置としては、従来から、自己消弧形スイッチング素子の点弧状態を電圧指令に応じて制御するものが提案されてきている。
【0008】図47は、この種の電力変換装置の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0009】なお、図47に示す電力変換装置の制御装置を説明するに先立って、図44の4多重電圧形変換器が交流側に発生できる電圧ベクトルについて説明する。
【0010】図46は、4多重電圧形変換器が発生できる出力ベクトルを示す図である。
【0011】図46において、座標軸はU,V,Wで示している。例えば、変換器5のアーム9、アーム10、アーム11が通電しているとき、またはアーム12、アーム13、アーム14が通電しているとき、出力電圧は零であり、このときの電圧ベクトルをV0とする。
【0012】一方、アーム9、13、14が通電しているときの、電圧ベクトルをV1とする。
【0013】また、アーム9、10、14が通電しているときの電圧ベクトルをV2とする。
【0014】さらに、アーム10、12、14が通電しているときの電圧ベクトルをV3とする。
【0015】一方、アーム10、11、12が通電しているときの電圧ベクトルをV4とする。
【0016】また、アーム11、12、13が通電しているときの電圧ベクトルをV5とする。
【0017】さらに、アーム9、11、13が通電しているときの電圧ベクトルをV6とする。
【0018】以上のように、1台の変換器は、V0,V1,V2,V3,V4,V5,V6の7通りの電圧ベクトルを発生することができる。
【0019】図46は、図45に示す4多重電圧形変換器が発生できる全ての電圧ベクトルを示したものであり、4台の単位変換器5〜8の組み合わせによって、61通りの電圧ベクトルを発生することができる。
【0020】例えば、ベクトルV111は3台の変換器が電圧ベクトルV1を、1台の変換器がベクトルV0を発生している状態である。
【0021】また、ベクトルV6611は2台の変換器がベクトルV6を、2台の変換器がベクトルV1を発生している状態である。以下、同様である。
【0022】さて、従来では、電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルが与えられた時、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択して、電力変換装置が発生するようにしている。そして、これを実現するために、従来では、図47に示すような制御装置が提案されている。
【0023】図47において、45は交流電圧指令値を発生する交流電圧指令値発生器であり、変換器の出力電圧の電圧指令ベクトルを、U,V,W座標上の成分RVU1,RVV1,RVW1として与える。
【0024】また、46は加算器と掛算器とから構成される3相→2相変換器であり、RVA1=RVU1−(RVV1+RVW1)/2RVB1=(RVV1−RVW1)*1.732/2の演算によって、U,V,W座標上の成分RVU1,RVV1,RVW1を、A,B座標上の成分RVA1,RVB1に変換する。ただし、A軸はU軸と平行な軸、B軸はA軸に対して90度進んだ軸とする。
【0025】さらに、168は出力可能ベクトル発生器であり、多重変換器が発生できる全ての出力ベクトル値をA軸B軸座標値(VnA,VnB)の形で与える。
【0026】一方、170はベクトル偏差検出回路であり、電圧指令ベクトルと各出力ベクトルとの偏差を、【数1】

【0027】なる式を用いて計算する。
【0028】また、171は比較選択回路であり、ベクトル偏差検出回路170にて計算されたベクトル偏差を比較して、最小のものに対応する出力ベクトルVnを選択する。
【0029】さらに、53はベクトル→3相変換器であり、比較選択回路171にて選択された出力ベクトルVnに対応したGTOのスイッチングパターンを発生する。
【0030】さらにまた、54はゲート信号発生回路であり、図45の変換器5〜8から構成される多重変換器55のGTOの点弧パルスを発生する。
【0031】しかしながら、上述したような制御装置では、例えば4多重変換器において、出力ベクトルとして、空間ベクトル図の角度0〜60度の範囲のV0,V1,V2,V11,V12,V22,V111,V112,V122,V222,V1111,V1112,V1122,V1222,V2222だけを対象とし、残りの60〜360度の範囲については、−60度の整数倍の回転で0〜60度の場合に帰着させたとしても、15個の出力ベクトルと電圧指令ベクトルとの偏差を演算する必要がある。
【0032】この場合、ベクトル偏差の演算には、乗算および平方根の計算が含まれており、ハードウェアで15個の乗算、平方根、比較回路を実現しようとすると、回路規模が非常に大きくなってしまう。
【0033】また、マイコンまたはDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)にて、この機能を実現しようとする場合にも、演算時間が長くなってしまう。
【0034】さらに、空間ベクトル比較PWMにおいては、瞬時瞬時に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択することで、低歪率、低スイッチングロス、高速応答を達成するのが特徴であり、出力ベクトルの選択に時間がかかると、その分だけ性能が低下する恐れがある。
【0035】さらにまた、多重数が増えると、出力ベクトルは多重数の2乗に比例して増えるため、ますます演算に時間がかかるという問題がある。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の電力変換装置の制御装置においては、出力ベクトルの選択に長い時間を要してしまい、性能が低いという問題があった。
【0037】本発明の目的は、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択して、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することが可能な高性能の電力変換装置の制御装置を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明は、自己消弧形スイッチング素子をブリッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する手段とを備えて構成した電力変換装置の制御装置である。
【0039】従って、請求項1に係る発明の電力変換装置の制御装置においては、多重電圧形変換器に対する電圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、電圧指令ベクトルを所定角度回転させ、回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度方向のベクトルと、+30度方向のベクトルの二つを単位ベクトルとした斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnxを選択し、出力ベクトルVnxを所定角度回転させた出力ベクトルVnを算出することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0040】また、上記の目的を達成するため、請求項2に係る発明では、自己消弧形スイッチング素子をブリッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する手段とを備えて構成した電力変換装置の制御装置である。
【0041】従って、請求項2に係る発明の電力変換装置の制御装置においては、斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力可能ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnxを選択し、出力ベクトルVnxを所定角度回転させた出力ベクトルVnを算出することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0042】一方、上記の目的を達成するため、請求項3に係る発明では、自己消弧形スイッチング素子をブリッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段とを備えて構成した電力変換装置の制御装置である。
【0043】従って、請求項3に係る発明の電力変換装置の制御装置においては、多重電圧形変換器に対する電圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを選択することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0044】また、請求項4に係る発明では、自己消弧形スイッチング素子をブリッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角系領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段とを備えて構成した電力変換装置の制御装置である。
【0045】従って、請求項4に係る発明の電力変換装置の制御装置においては、斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを選択することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0046】以上により、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することが可能となる。
【0047】上記の目的を達成するため、請求項5に対応する発明は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する手段と、を備えて構成した電力変換装置の制御装置である。
【0048】従って、請求項5に係る発明の電力変換装置の制御装置においては、マルチレベル変換器に対する電圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、電圧指令ベクトルを所定角度回転させ、回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度方向のベクトルと、+30度方向のベクトルの二つを単位ベクトルとした斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnxを選択し、出力ベクトルVnxを所定角度回転させた出力ベクトルVnを算出することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0049】上記の目的を達成するため、請求項6に対応する発明は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する手段と、を備えて構成した電力変換装置の制御装置である。
【0050】従って、請求項6に係る発明の電力変換装置の制御装置においては、斜交座標変換したベクトル図のマルチレベル変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力可能ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnxを選択し、出力ベクトルVnxを所定角度回転させた出力ベクトルVnを算出することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0051】上記の目的を達成するため、請求項7に対応する発明は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、を備えて構成した電力変換装置の制御装置。である。
【0052】従って、請求項7に係る発明の電力変換装置の制御装置においては、マルチレベル変換器に対する電圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを選択することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0053】上記の目的を達成するため、請求項8に対応する発明は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、を備えて構成した電力変換装置の制御装置である。
【0054】従って、請求項8に係る発明の電力変換装置の制御装置においては、斜交座標変換したベクトル図のマルチレベル変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを選択することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0055】以上により、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することが可能となる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0057】(第1の実施の形態:請求項1に対応)本発明を適用する多重電圧形変換器の主回路構成は、前述した図44、図45と同一であるので、ここではその説明を省略する。
【0058】また、変換器5〜変換器8に印加される直流電圧は、それぞれ等しいか、または等しく制御されているものとする。
【0059】図1は、本実施の形態による電力変換装置の制御装置の構成例を示すブロック図であり、前述した図47と同一部分には同一符号を付して示している。
【0060】図1において、交流電圧指令値発生器45は、変換器5〜8に対する交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)を発生する。
【0061】ここでは、規格化して考えるため、交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)は、各ブリッジの直流入力電圧の大きさを1.0とした時の変換器全体のU相,V相,W相出力電圧指令値とする。また、多重数をMLTとした時、変換器全体として各相が出力できる電圧の最大値は、MLTまたは−MLTである。
【0062】実際の装置では、有効/無効電力制御、モータ制御等の制御演算の結果、変換器5〜8への電圧指令が発生されるため、制御演算結果として過渡的に大きい値を取ることがあり得るが、適切なリミット処理によって、交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)に対応するベクトルは、前述した図46の空間ベクトル図の出力可能領域、すなわち一番外側の正六角形の内側に入っているものとする。
【0063】勿論、RVU1+RVV1+RVW1=0である。
【0064】また、3相→2相変換器46は、交流電圧指令値発生器45が発生した交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)を、【数2】

【0065】を用いて、直交座標系の電圧指令ベクトル(RVA1,RVB1)に変換する。
【0066】さらに、範囲番号検出器47は、空間ベクトル図を、−30度〜+30度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、各分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合に、電圧指令ベクトルが存在する範囲の範囲番号VTHを検出する。
【0067】一方、回転座標変換器48は、範囲番号検出器47で検出した範囲番号VTHを使って、3相→2相変換器46で2相に変換した電圧指令ベクトル(RVA1,RVB1)を、【数3】

【0068】を用いて、−60deg*VTHだけ回転し、電圧指令ベクトルを直交座標系の角度−30度〜+30度の範囲に移す。
【0069】また、斜交座標変換器49は、回転座標変換器48で変換した電圧指令ベクトルを含む、空間ベクトル図の−30度〜+30度の部分を、直交座標系の−30度方向のベクトルと、+30度方向のベクトルの二つを単位ベクトルとした斜交座標系でのベクトル図に斜交座標変換する。
【0070】ここで、図2乃至図6を用いて、上記斜交座標変換器49の動作について詳しく説明する。
【0071】図2は、図46に示す空間ベクトル図を、各出力ベクトルが選択されるような電圧指令ベクトルが存在し得る小領域に分割した図である。
【0072】図示のように、各小領域は、出力ベクトルを囲む正六角形になる。
【0073】図3は、図2の角度−30度〜+30度の範囲を切り出したものである。
【0074】図4は、図3に、角度−30度の方向の補助線および角度+30度の方向の補助線を書き加えたものである。
【0075】図示のように、各出力ベクトルを囲む小正六角形は、平行四辺形と三角形に分割されている。
【0076】例えば、回転座標変換器48にて回転された電圧指令ベクトルが、図4におけるベクトルVAの場合、VAは図示の平行四辺形の領域に存在しているので、この電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルはV112であることがわかる。
【0077】また、回転座標変換器48にて回転された電圧指令ベクトルがVBの場合、VBは図示の三角形の領域に存在しているので、この電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルはV61であることがわかる。
【0078】なお、図4における−30度方向のベクトル【数4】

【0079】と、+30度方向のベクトル【数5】

【0080】の大きさは、異なっていてもよい。
【0081】以下に述べるように、斜交座標変換した後のベクトル図を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割できればよいのであるが、ここでは代表的な変換の例として、上記のように単位ベクトルを取る。
【0082】直交座標上の点(a,b)を上記の単位ベクトルupとuqの線形結合で表すと、【数6】

【0083】となるので、逆に[p q]T は、【数7】

【0084】となる。
【0085】図5は、上記(6)式を用いて、図4を座標変換したものである。
【0086】出力ベクトルは、白抜きの丸で示している。図4における平行四辺形は正方形に、図4における正三角形は直角三角形に、それぞれ変換されている。
【0087】ここで、実数p,qの小数点以下を切り捨てた整数値を、それぞれvp,vqとする。
【0088】図6は、図5を正方形の升目に区切り、各升目の中の(p,q)に対応する(vp,vq)を書き込んだものである。
【0089】図5、図6を見比べると、例えば電圧指令ベクトルが(vp,vq)=(1,0)の升目に存在する時は、出力ベクトルとして(1,1)を選択すればよい。
【0090】また、(vp,vq)=(2,0)の升目に存在する時は、出力ベクトルとして(3,0)を選択する。
【0091】さらに、(vp,vq)=(0,0)のマス目に存在する時は、右下がりの直線の上にあるか、下にあるかに応じて、(1,1)または(0,0)を選択する。
【0092】これらの例から明らかなように、左下から右上へと並ぶ正方形の列を、3つのグループに分けて考える。
【0093】グループ1列{(1,0),(2,1),(3,2),…}
列{(0,2),(1,3),(2,4),…} 等を含むグループこのグループの各升目のvpとvqの間には、vp=vq+1 (mod3)
の関係がある。
【0094】ここで、「x=y (mod3)」は、3の整数倍の差を除いてxとyが等しいことを示す。
【0095】このグループの升目に電圧指令ベクトルが落ちた時は、升目の左上の座標を出力ベクトルとして選択すればよい。
【0096】すなわち、選択すべきベクトルを(vpx,vqx)とすると、 (vpx,vqx)=(vp,vq+1) (7)
グループ2列{(2,0),(3,1),(4,2),…}
列{(0,1),(1,2),(2,3),…} 等を含むグループこのグループの各升目のvpとvqの間には、vp=vq+2 (mod3)
の関係がある。
【0097】このグループの升目に電圧指令ベクトルが落ちた時は、升目の右下の座標を出力すればよい。
【0098】すなわち、 (vpx,vqx)=(vp+1,vq) (8)
グループ3列{(0,0),(1,1),(2,2),…}
列{(3,0),(4,1),(5,2),…} 等を含むグループこのグループの各升マス目のvpとvqの間には、vp=vq (mod3)
の関係がある。
【0099】このグループの升目に電圧指令値が落ちた時は、直線p+q=vp+vq+1より左下にあるか、右上にあるかで場合を分ける。
【0100】左下の場合は升目の左下、右上の場合は升目の右上の座標を、それぞれ出力ベクトルとして選択すればよい。
【0101】すなわち、 p+q<vp+vq+1の場合 (vpx,vqx)=(vp,vq) (9) p+q≧vp+vq+1の場合 (vpx,vqx)=(vp+1,vq+1) (10)
一方、図1において、領域判定および斜交ベクトル選択器50は、上記のロジックを用いて斜交座標変換器49で変換した電圧指令ベクトルが、升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、斜交系での出力ベクトル座標(vpx,vqx)を算出する。
【0102】また、ベクトル選択器51は、領域判定および斜交ベクトル選択器50で算出された(vpx,vqx)に応じて、出力ベクトルVnxを選択する。
【0103】この場合、出力ベクトルV0,V1,V61,V11,V12,V611,V111,V112,V6611,V6111,V1111,V1112,V1122の内の一つが選択される。
【0104】さらに、ベクトル回転器52は、ベクトル選択器51で得られた出力ベクトルVnxを60deg*VTHだけ回転することで、3相→2相変換器46で算出された電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルVnを算出する。
【0105】例えば、3相→2相変換器46が算出した元の電圧指令ベクトルが、図2においてVTH=1の範囲にあり、ベクトル選択器51にてベクトルV1112が選択された場合には、ベクトル回転器52によって60degだけ回転することで、ベクトルV2223が得られる。
【0106】一方、ベクトル→点弧信号変換器68は、ベクトル回転器52で算出された出力ベクトルVnに対応する点弧信号を算出する。例えば、ベクトルV2223に対しては、4つのブリッジの内3つのブリッジに対してU,V,Z相、1つのブリッジに対してX,V,Z相を点弧する信号を発生する。
【0107】また、ゲート信号発生回路54は、ベクトル→点弧信号変換器68で発生した点弧信号に基づいて、図44、図45の変換器5〜8で構成される多重電圧形変換器55の自己消弧形スイッチング素子の点弧パルスを発生する。
【0108】上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置では、電圧指令ベクトルが斜交座標系のどの領域に存在するかを簡単な計算で求めて、その計算値から出力ベクトルを算出するようにしているので、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0109】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することができ、引いては電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0110】(第1の実施の形態の変形例)図7は、前記第1の実施の形態による電力変換装置の制御装置の変形例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付して示している。
【0111】図7において、交流電圧指令値発生器45は、交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)を発生する。
【0112】また、範囲番号検出器56は、交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)から、図2の空間ベクトル図の60度毎に区分した範囲の範囲番号VTHを検出する。
【0113】この場合、範囲番号VTHを検出するには、例えば下記のような論理を用いる。
【0114】
【数8】

【0115】一方、回転座標変換器57は、下記のような式を用いて、交流電圧指令値発生器45が発生した交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)を、範囲番号検出器56で検出された範囲番号VTHに応じて、−60deg*VTHだけ回転させた電圧指令ベクトル(RVUX,RVVX,RVWX)を算出する。
【0116】
【数9】

【0117】また、斜交座標変換器58は、【数10】

【0118】を用いて、回転座標変換器57で変換された電圧指令ベクトル(RVUX,RVVX,RVWX)を、空間ベクトル図の−30度方向のベクトルと+30度方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトル(p,q)に変換する。
【0119】以下、前記図1の第1の実施の形態で説明した場合と同様に、領域判定および斜交ベクトル選択器50が、斜交座標系電圧指令ベクトル(p,q)が存在する領域を判定し、斜交系での出力ベクトル座標(vpx,vqx)を算出する。
【0120】さらに、斜交座標変換器59は、【数11】

【0121】を用いて、領域判定および斜交ベクトル選択器50で算出された斜交系での出力ベクトル座標(vpx,vqx)から、−60deg*VTHだけ回転させた座標系におけるU相素子/V相素子/W相素子点弧ブリッジ仮個数(vvux,vvvx,vvwx)を算出する。
【0122】例えば、4多重でVTH=0,vvux=3の場合、3個のブリッジで素子Uを点弧し、4−3=1個のブリッジで素子Xを点弧する。vvvx=0の場合、4個のブリッジで素子Yを点弧する。vvwxも同様である。
【0123】一方、回転座標変換器60は、下記のような式を用いて、上記の素子点弧ブリッジ仮個数(vvux,vvvx,vvwx)を、範囲番号検出器56で検出された範囲番号VTHに応じて、+60deg*VTHだけ回転させ、実際の素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を算出する。
【0124】
【数12】

【0125】以下、前記図1の第1の実施の形態で説明した場合と同様に、ゲート信号発生回路54は、素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)に基づいて、図44、図45の変換器5〜8で構成される多重電圧形変換器55の自己消弧形スイッチング素子の点弧パルスを発生する。
【0126】上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置では、前記図1の第1の実施の形態の場合に比べて、座標計算がより一層簡単になっているため、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルをより一層高速に選択することが可能となる。
【0127】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御をより一層高速に実行することができ、引いてはより一層電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0128】(第2の実施の形態:請求項2に対応)図8は、本実施の形態による電力変換装置の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0129】図8において、領域判定および斜交ベクトル選択器61は、前記斜交座標変換器49で算出された斜交系での電圧指令ベクトル(p,q)に応じて、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルに対応する斜交系での出力ベクトル座標(vpx,vqx)を算出するが、前記図1の第1の実施の形態で説明した領域判定および斜交ベクトル選択器50と、若干動作が異なる。
【0130】以下、図9を用いて領域判定および斜交ベクトル選択器61の動作について説明する。
【0131】図9は、図5の各升目を、左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で三角形に分割し、(vp,vq,vr)を記入した図である。
【0132】ここで、vrは、p+q−vp−vqの小数点以下を切り捨てた値であり、升目の左下側の三角形ではvr=0、升目の右上側の三角形ではvr=1である。
【0133】図9において、電圧指令ベクトル(p,q)がどの三角形領域にあるかによって、選択すべき出力ベクトルは自動的に決まる。
【0134】例えば、(p,q)=(5.5,1.2)の場合には、(vp,vq,vr)=(5,1,0)であり、選択すべき出力ベクトルは、(vpx,vqx)=(5,2)である。
【0135】図9の三角形は、vp+vq+vrが一定値のグループに分割できる。
【0136】例えば、(0,1,0),(0,0,1),(1,0,0)の並びはvp+vq+vr=1、(0,2,0)(0,1,1),(1,1,0),(1,0,1),(2,0,0)の並びはvp+vq+vr=2、(0,3,0),(0,2,1),…,(3,0,0)の並びはvp+vq+vr=3である。
【0137】このvp+vq+vrが、同じ値のグループの中の連続して並ぶ三角形の高々3個は、選択される出力ベクトル(vpx,vqx)が同じである。
【0138】例えば、vp+vq+vr=3のグループ内では、(3,0,0),および(2,0,1)の領域では、vp−vq>=2であり、(vpx,vqx)=(3,0)が選択され、(2,1,0),(1,1,1),および(1,2,0)の領域では、−1<=vp−vq<=1であり、(vpx,vqx)=(2,2)が選択される。
【0139】また、(0,2,1),(0,3,0)の領域では、vp−vq<=−2であり、(vpx,vqx)=(0,3)が選択される。
【0140】さらに、他のvp+vq+vr=const.の並びについても、同様にして(vpx,vqx)を算出できる。
【0141】領域判定および斜交ベクトル選択器61は、以上のようにして斜交系での電圧指令ベクトル(p,q)から、出力ベクトル(vpx,vqx)を算出する。
【0142】なお、領域判定および斜交ベクトル選択器61以外の本実施形態の動作は、前記図1の第1の実施の形態で説明した場合と同様である。
【0143】上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0144】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することができ、引いては電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0145】また、図7の場合と同様に、座標変換をより一層簡単に実行する実施の形態も有り得ることは同様である。
【0146】(第3の実施の形態)図10は、本実施の形態による電力変換装置の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0147】前記図9では、斜交座標系に変換したベクトル図を三角形に分割して、電圧指令ベクトルがどの三角形に属するかで出力ベクトルを選択できるが、図11および図12では、(vp,vq,vr)に対応する出力ベクトル(vpx,vqx)を、ベクトル選択テーブルの形にまとめたものである。
【0148】図10において、領域判定および斜交ベクトル選択器62は、前記斜交座標変換器49で算出された斜交系での電圧指令ベクトル(p,q)から(vp,vq,vr)を算出し、図11および図12のベクトル選択テーブルを用いて、斜交座標系での出力ベクトル(vpx,vqx)を算出する。
【0149】なお、領域判定および斜交ベクトル選択器62以外の本実施形態の動作は、前記図1の第1の実施の形態で説明した場合と同様である。
【0150】上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0151】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することができ、引いては電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0152】(第3の実施の形態の変形例)図13は、前記第3の実施の形態による電力変換装置の制御装置の変形例を示すブロック図であり、図1および図7と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0153】図14〜図17のベクトル選択テーブルは、前述した(14)式,(15)式に従って、(vpx,vqx)に対応する(vvux,vvvx,vvwx)を計算し、図11および図12のベクトル選択テーブルに書き加えたものである。
【0154】図13において、領域判定および3相ベクトル選択器63は、前記斜交座標変換器58で変換された電圧指令ベクトル(p,q)から(vp,vq,vr)を算出し、図14〜図17のベクトル選択テーブルを用いて、直接(vvux,vvvx,vvwx)を求める。
【0155】なお、領域判定および斜交ベクトル選択器63以外の本実施形態の動作は、前記図7の実施の形態で説明した場合と同様である。
【0156】上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0157】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することができ、引いては電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0158】(第4の実施の形態:請求項3に対応)図18は、本実施の形態による電力変換装置の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1および図7と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0159】図18において、斜交座標変換器64は、範囲番号検出器56で算出された範囲番号VTHに対して、交流電圧指令値発生器45が発生する交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)を含む、空間ベクトル図の範囲番号VTHの60度範囲を、角度(VTH−0.5)*60degの方向のベクトルと、角度(VTH+0.5)*60degの方向のベクトルを単位ベクトルとする斜交座標系に変換する。
【0160】以下、図19および図20の例を用いて、斜交座標変換器64の動作について説明する。
【0161】いま、電圧指令ベクトルが、範囲番号VTH=1の範囲にある場合を考える。図19は、前記図2の空間ベクトル図の範囲番号VTH=1の部分を切り出し、補助線を書き加えたものである。
【0162】図19の30度方向のベクトル【数13】

【0163】と、90度方向のベクトル【数14】

【0164】を単位ベクトルとする斜交座標系を考える。
【0165】
【数15】

【0166】となるので、逆に[p q]T は、【数16】

【0167】となる。
【0168】前述した(1)式、(20)式より、交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)を斜交座標系の点(p,q)に変換する式は、【数17】

【0169】となる。
【0170】実際に、図19を斜交変換すると、図20に示すようになる。図20は、ベクトル番号V2,V12,V22,…を除けば、前記図5と全く同様のものである。
【0171】なお、ここでは、VTH=1の例を用いて説明したが、他のVTHの場合も含めた斜交座標変換器64の動作は、下記のような論理で表わされる。
【0172】
【数18】

【0173】いずれのVTHの場合にも、空間ベクトル図の範囲番号VTHの部分を斜交座標変換した図は、ベクトル番号を除いて前記図5と全く同様になる。
【0174】以下、前記図1の第1の実施の形態における領域判定および斜交ベクトル選択器50で説明した場合と全く同様の動作により、斜交座標系での電圧指令ベクトル(p,q)が存在する升目領域または三角形領域を判定することができ、斜交座標系での出力ベクトル座標(vpx,vqx)を算出することができる。
【0175】図18の領域判定および斜交ベクトル選択器50は、上記の動作を実行して、(vpx,vqx)を算出する。
【0176】また、ベクトル選択器65は、(vpx,vqx)と範囲番号VTHに応じて、ベクトル番号Vnを選択する。
【0177】例えば、範囲番号がVTH=1の場合には、ベクトル選択器65は、ベクトルV2,V12,V22,V23,V122,V222,V223,V1122,V1222,V2222,V2223,V2233の中から、(vpx,vqx)に対応するベクトル番号を選択する。
【0178】ベクトル→3相変換器53は、前記図1の第1の実施の形態におけるベクトル→3相変換器53と同様のものであり、ベクトル番号Vnから3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を算出する。
【0179】このベクトル→3相変換器53から出力される3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を、ゲート信号発生回路54に与えて、多重電圧形変換器55の自己消弧形スイッチング素子への点弧信号を発生する。
【0180】上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0181】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することができ、引いては電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0182】(第4の実施の形態の変形例)図21は、前記第4の実施の形態による電力変換装置の制御装置の変形例を示すブロック図であり、図18と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0183】図21において、斜交座標変換器66は、斜交座標系における出力ベクトル座標(vpx,vqx)を、範囲番号VTHに応じて3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)に変換する。実際には、下記のような論理演算を実行する。
【0184】
【数19】

【0185】この斜交座標変換器66から出力される3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を、ゲート信号発生回路54に与えて、多重電圧形変換器55の自己消弧形スイッチング素子への点弧信号を発生する。
【0186】上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0187】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することができ、引いては電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0188】(第5の実施の形態:請求項4に対応)図22は、本実施の形態による電力変換装置の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図18と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0189】本実施の形態では、図22に示すように、空間ベクトル図の範囲番号VTHの部分を、前記図18の第4の実施の形態で説明した場合と同様に、角度60deg*(VTH−0.5)のベクトルと角度60deg*(VTH+0.5)のベクトルを単位ベクトルとして、斜交座標変換した図の全ての升目を三角形に分割した図を用いる。これは、ベクトル番号を除けば、前記図9の場合と全く同様になる。
【0190】すなわち、図8の前記第2の実施の形態における領域判定および斜交ベクトル選択器61の場合と全く同様の動作により、斜交座標系での電圧指令ベクトル座標(p,q)から(vp,vq,vr)を算出して、どの三角形領域に電圧指令ベクトルが存在するかを判定し、出力ベクトルの斜交系座標(vpx,vqx)を算出する。
【0191】以下、ベクトル選択器65にて、(vpx,vqx)と範囲番号VTHに対応するベクトルVnを選択し、ベクトル→3相座標変換器53にて、3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を算出するのは、前記図18の第4の実施の形態で説明した場合と同様である。
【0192】上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0193】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することができ、引いては電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0194】(第6の実施の形態)図23は、本実施の形態による電力変換装置の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図18と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0195】図23において、領域判定および斜交ベクトル選択器62は、前記図10の第3の実施の形態における領域判定および斜交ベクトル判定器62の場合と同様に、斜交座標系に変換し三角形領域に分割したベクトル図において、斜交座標系での電圧指令ベクトル座標(p,q)から(vp,vq,vr)を算出し、前記図11および図12のベクトル選択テーブルを用いて、出力ベクトルの斜交系座標(vpx,vqx)を算出する。
【0196】また、斜交座標変換器66は、図21の実施の形態における斜交座標変換器66と同様に、(vpx,vqx)と範囲番号VTHとから、3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を算出する。
【0197】この斜交座標変換器66から出力される3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を、ゲート信号発生回路54に与えて、多重電圧形変換器55の自己消弧形スイッチング素子への点弧信号を発生する。
【0198】前述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0199】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することができ、引いては電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0200】(第6の実施の形態の変形例)図24は、前記第6の実施の形態による電力変換装置の制御装置の変形例を示すブロック図であり、図18と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0201】図24において、領域判定および3相ベクトル選択器67は、斜交座標系における電圧指令ベクトル(p,q)と範囲番号VTHとから、出力ベクトルの3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を算出する。
【0202】以下、図11、図12および図25を用いて、領域判定および3相ベクトル選択器67の動作について説明する。
【0203】図11、図12は、(vp,vq,vr)に対応する(vpx,vqx)を記入したベクトル選択テーブルであったが、さらに前述した(23)式を用いて、範囲番号VTHに応じて(vpx,vqx)を座標変換して得られる(vvu,vvv,vvw)を記入したベクトル選択テーブルも作成することができる。
【0204】図25は、そのベクトル選択テーブルの始めの部分を示す図である。
【0205】本ベクトル選択テーブルを用いることにより、(vp,vq,vr)および範囲番号VTHから、直ちに電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルの3相素子点弧ブリッジ個数を求めることができ、より一層高速に出力ベクトルを選択することができる。
【0206】上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置では、(vp,vq,vr)および範囲番号VTHから、直ちに電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルの3相座標を求められるため、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルをより一層高速に選択することが可能となる。
【0207】これにより、空間ベクトル比較によるPWM制御をより一層高速に実行することができ、引いてはより一層電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができる。
【0208】(第7の実施の形態:請求項5に対応)前記各実施の形態では、4多重電圧形変換器の場合のベクトル選択アルゴリズムについて本発明を適用する場合について説明したが、以下に述べるマルチレベル変換器での選択アルゴリズムについても、本発明を同様に適用することが可能であることは言うまでもない。マルチレベル変換器は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続するものである。
【0209】これは例えば図26に示すマルチレベル変換器の一例である5レベルインバータを指している。以下5レベルインバータの主回路について説明する。図中P,Nは直流入力端子、u,v,wは交流出力端子、C1〜C4はコンデンサ、U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4,X1〜X4,Y1〜Y4,Z1〜Z4はスイッチング素子例えばIGBT、D40〜D47,D50〜D57,D60〜D67,D70〜D75,D80〜D85,D90〜D95はダイオードである。
【0210】図27は、u,v,またはw相アームの素子のスイッチ状態(厳密には点弧信号状態)とアーム出力の関係を示している。いま、直流端子側の2番目と3番目のコンデンサC2,C3の間の点の電位を0とし、各コンデンサC1〜C4の電圧をEとすると、SxにEを乗じたものが相出力電圧になる。この場合、インバータ全体の出力電圧は、(Su,Sv,Sw)で表わすことができる。
【0211】図28は、図26の5レベルインバータの空間ベクトルを示すもので、この場合も4多重の正六角形になるという点は、前述の実施形態と同様であるが、ベクトル実現方法の“バラエティ”という点では異なる。例えば、図2のベクトルV1122を実現するためには、多重インバータの4つのブリッジのうち、2つのブリッジにV1、残り2つのブリッジにV2のベクトルを割り当てればよいので、組み合わせとして6通りある。
【0212】一方、図28の5レベルインバータにおいて、図2のV1122に対応するベクトルを実現するには、(Su,Sv,Sw)=(2,0,−2)の1通りしかない。
【0213】図29にマルチレベル変換器の制御装置の構成例を示す。これは、多重電圧形変換器に対する図1の実施形態をマルチレベル変換器に適用したものである。図29において、図1と同じ部分には同一符号を付してその説明は省略する。交流電圧指令値発生器45によって、交流電圧指令(RVU1,RVV1,RVW1)が発生された後、順次演算が進み、ベクトル回転器52がべクトルVnを出力するところまでは図1と同じである。
【0214】図29においては、べクトル→点弧信号変換器68が選択ベクトルVnに応じて、マルチレベル変換器70が取るべき点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を出力する。例えば、ベクトルV611に対しては、(2,−2,−1)を出力する。また、べクトルV611が選択された場合、(2,−1,0)を出力する。変換器としては、べクトルV611に対応する点弧状態は(2,−1,0)と(1,−2,−1)の二つが有り得るが、べクトル→点弧信号変換器68は代表的な点弧状態を一つのみ出力する。
【0215】他のべクトルの場合も同様である。中性点電位変動抑制やスイッチング回数の低減等を考慮して複数の点弧状態の中から実際の点弧状態を選択するのは、後述するゲート信号発生回路69が実行する。ゲート信号発生回路69は点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)に応じてゲート信号を発生し、図26に示すマルチレベル変換器70の自己消弧型スイッチング素子の点弧パルスを発生する。
【0216】以上述べた第7の実施形態によれば、マルチレベル変換器に対する電圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、電圧指令ベクトルを所定角度回転させ、回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度方向のベクトルと、+30度方向のベクトルの二つを単位ベクトルとした斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnxを選択し、出力ベクトルVnxを所定角度回転させた出力ベクトルVnを算出することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0217】(第7の実施の形態の変形例)図30は前記第7の実施の形態によるマルチレベル変換器の制御装置の変形例を示すブロック図であり、図29と同一部分には同一符号を付して示している。これは、多重電圧形変換器に対する実施形態の図7に対応するものである。
【0218】本実施形態においても、交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)に対し、(11)式を用いて範囲番号VTHが検出され、(12)式を用いて交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)が(RVUX,RVVX,RVWX)に回転座標変換され、(13)式を用いて電圧指令べクトル(RVUX,RVVX,RVWX)が(p,q)に斜交座標変換され、領域判定及び斜交べクトル選択器50によって斜交系での出力ベクトル座標(vpx,vqx)が算出されるのは、図7で示した実施形態と同様である。
【0219】図30において、斜交座標変換器71は、【数20】

【0220】を用いて、斜交系での出力べクトル座標(vpx,vqx)から、−60deg*VTHだけ回転させた座標系における仮点弧状態信号(SSux,SSvx,SSwx)を算出する。
【0221】一方、回転座標変換器72は、下記のような式を用いて、上記の仮点弧状態信号(SSux,SSvx,SSwx)を、範囲番号検出器56で検出された範囲番号VTHに応じて、+60deg*VTHだけ回転させ、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を算出する。
【0222】
【数21】

【0223】以下、前記図29の実施の形態で説明した場合と同様に、ゲート信号発生回路69は、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)に基づいて、図26に示すマルチレベル変換器70の自己消弧型スイッチング素子の点弧パルスを発生する。上述したように、本実施の形態の電力変換装置の制御装置では、電圧指令ベクトルが斜交座標系のどの領域に存在するかを簡単な計算で求めて、その計算値から出力べクトルを算出するようにしているので、全ての出力ベクトルとで電圧指令ベクトルとの偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令べクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力べクトルを高速に選択することが可能となる。
【0224】(第8の実施の形態:請求項6に対応)図31及び図32は、多重電圧形変換器に対して図8及び図10で示した実施形態をマルチレベル変換器に適用したものである。図31及び図32においては、ベクトル回転器52から出力されたべクトルVnから、ベクトル→点弧信号変換器68によって、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)が出力され、ゲート信号発生回路69では、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)に基づいて、マルチレベル変換器70の自己消弧型スイッチング素子の点弧パルスが発生される。
【0225】図33は、多重電圧形変換器に対して図13で示した実施形態をマルチレベル変換器に適用したものである。図34〜図37のベクトル選択テーブルは、前述した式(24)式に従って、(vpx,vqx)に対応する仮点弧状態(SSux,SSvx,SSwx)を訃算し、図11及び図12のベクトル選択テーブルに書き加えたものである。
【0226】図33において、領域判定及び3相ベクトル選択器73は、斜交座標変換器58で変換された電圧指令べクトル(p,q)から(vp,vq,vr)を算出し、図34〜図37のベクトル選択テーブルを用いて、直接(SSux,SSvx,SSwx)を求める。以下、回転座標変換器72によって、範囲番号VTHに応じて仮点弧状態信号(SSux,SSvx,SSwx)から点弧状態信号(SSu,SSv.SSw)が算出され、ゲート信号発生回路69にてゲート信号が発生されるのは、図30の実施の形態で説明した場合と同様である。
【0227】以上述べた第8の実施形態によれば、斜交座標変換したベクトル図のマルチレベル変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを選択することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。以上により、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することが可能となる。
【0228】(第9の実施の形態:請求項7に対応)図39は、多重電圧形変換器に対して図18で示した実施形態をマルチレベル変換器70に適用したものである。図39においては、べクトル選択器65で選択されたベクトルVnから、ベクトル→点弧信号変換器68によって、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)が出力され、ゲート信号発生回路69では、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)に基づいて、マルチレベル変換器70の自己消弧型スイッチング素子の点弧パルスが発生される。
【0229】以上述べた第9の実施形態によれば、マルチレベル変換器に対する電圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを選択することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0230】(第9の実施の形態の変形例)図40は、前記第9の実施の形態によるマルチレベル変換器の制御装置の変形例を示すブロック図であり、多重電圧形変換器に対して図21で示した実施形態をマルチレベル変換器に適用したものである。図40において、斜交座標変換器74は、斜交座標系における出力ベクトル座標(vpx,vqx)を、範囲番号VTHに応じて点弧状態信号(SSu,SSv.SSw)に変換する。実際には、下記のような(26)式に示す論理演算を実行する。
【0231】
【数22】

【0232】この斜交座標変換器74から出力される点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を、ゲート信号発生回路69に与えて、マルチレベル変換器70の自己消弧型スイッチング素子への点弧信号を発生する。
【0233】本実施形態においても、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができるのは、同様である。
【0234】(第10の実施の形態:請求項8に対応)図41は、多重電圧形変換器に対して図22で示した実施形態をマルチレベル変換器に適用したものである。図41において、ベクトル選択器65で選択されたベクトルVnに応じて、ベクトル→点弧信号変換器68は、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を算出する。その点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を、ゲート信号発生回路69に与えて、マルチレベル変換器70の自己消弧型スイッチング素子への点弧信号を発生する。
【0235】以上述べた第10の実施形態によれば、斜交座標変換したベクトル図のマルチレベル変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを選択することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0236】(第11の実施の形態)図42は、多重電圧形変換器に対して図23で示した実施形態をマルチレベル変換器に適用したものである。図42において、領域判定及び斜交ベクトル選択器62は、前記図10の領域判定及び斜交ベクトル選択器の場合と同様に、斜交座標系に変換し、三角形領域に分割したべクトル図において、斜交座標系での電圧指令べクトル座標(p,q)から(vp,vq,vr)を算出し、前記図11及び図12のベクトル選択テーブルを用いて出力べクトルの斜交系座標(vpx,vqx)を算出する。
【0237】また、斜交座標変換器74は、図40の実施の形態における斜交座標変換器74と同様に、(vpx,vqx)と範囲番号VTHから、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を算出する。この点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を、ゲート信号発生回路69に与えて、マルチレベル変換器70の自己消弧型スイッチング素子への点弧信号を発生する。
【0238】(第11の実施の形態の変形例)図43は、多重電圧形変換器に対して図24で示した実施例をマルチレベル変換器に適用したものである。図43において、領域判定及び3相ベクトル選択器75は、斜交座標系における電圧指令べクトル(p,q)と範囲番号VTHから、出力べクトルの点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を算出する。
【0239】図11、図12は(vp、vq、vr)に対応する(vpx、vqx)を記入したベクトル選択テーブルであったが、さらに前述した(26)式を用いて、範囲番号VTHに応じて(vpx,vqx)を座標変換して得られる(SSu,SSv,SSw)を記入したテ一ブルも作成することができる。
【0240】図38は、そのベクトル選択テーブルの始めの部分を示す図である。本ベクトル選択テーブルを用いることにより、(vp,vq,vr)およぴ範囲番号VTHから、直ちに電圧指令ベクトルに最も近い出力べクトルの点弧状態信号を求めることができる。
【0241】本実施形態においても、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算ど若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ることができるのは、同様である。以上により、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することが可能となる。
【0242】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択して、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行することが可能な高性能の電力変換装置の制御装置が提供できる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013