米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 計算機;電気通信 -> ソニー株式会社

発明の名称 光学記録媒体のドライブ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−7652
公開日 平成11年(1999)1月12日
出願番号 特願平9−159604
出願日 平成9年(1997)6月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】脇 篤夫 (外1名)
発明者 瀬尾 勝弘
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 対物レンズを出力端として光学記録媒体に照射するレーザ光のレーザスポットとして0次光と回折光による複数のレーザスポットを生成することができるグレーティング部と、前記0次光についての光学記録媒体からの反射光と、前記回折光についての光学記録媒体からの反射光のそれぞれに対応して記録又は再生動作に必要な各種情報を得るための受光部とを有する光ピックアップ手段と、装填された光学記録媒体の種別に応じて、前記0次光による反射光情報と、前記回折光による反射光情報を選択し、記録又は再生動作に必要な各種情報を抽出させて記録動作又は再生動作を実行させる制御手段とを有するとともに、前記グレーティング部における前記回折光を発生させる部位の開口は、前記対物レンズの開口よりも小さく設定されていることを特徴とする光学記録媒体のドライブ装置。
【請求項2】 前記回折光とは+1次光もしくは−1次光であることを特徴とする請求項1に記載の光学記録媒体のドライブ装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数種類の光記録媒体に対応して再生又は記録動作を行なうことのできるドライブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学ディスク記録媒体としてCD(コンパクトディスク)が広く普及しており、音楽用途をはじめとしてCD方式のディスクは各種分野で使用されている。また音楽用CDは通常、再生専用メディアとされるが、CD−R(コンパクトディスク−レコーダブル)と呼ばれる追記型のディスクも開発されている。
【0003】一方、マルチメディア用途に好適な光学ディスク記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc)と呼ばれるディスクも開発されている。このDVDはビデオデータ、オーディオデータ、コンピュータデータなどの広い分野で適応することが提唱されている。そしてDVDはCDと同サイズのディスク(直径12cm)でありながら、記録トラックの小ピッチ化やデータ圧縮技術等により、記録容量も著しく増大されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの光学記録媒体に対する記録又は再生装置(ドライブ装置)では、レーザ光については、解析限界程度のわずかな収差もジッターやエラーレートを増加させるため、収差の管理は非常に重要となる。そして光学記録システムとして、より高い記録密度を実現するためには高い開口率(NA)や短い光源波長を実現することでレーザ光のビームスポットを小さくする必要がある。
【0005】ところでCDなどの光ディスクについては、ディスク表面の汚れなどの影響を避けるために情報記録面は光学ピックアップ側から見てディスクの裏面側設定されるが、このためディスクの厚み(ディスク表面から情報記録面までの距離)は収差に影響を与える。CDではディスク厚は1.2mmとされる。例えばディスクの傾き(スキュー状態)によって発生するコマ収差は、NAの3乗及びディスクの厚みに比例し、又波長に反比例して増加する。このことは高NA化を妨げる主な要因となる。
【0006】そこでディスク厚を薄くすることでコマ収差を低減することが考えられる。例えばDVDではディスクは2枚張り合わせディスクとして1.2mmであるが、情報記録面は、ほぼディスク厚み方向の中央に形成され、収差に影響を与えるディスク表面から情報記録面までの距離は約0.6mmとされる。ここで球面収差を考える。球面収差は、ディスク厚に比例し、開口率の4乗に比例する。光ピックアップの対物レンズは、このディスク厚と開口率で定まる球面収差をキャンセルするように設計されているが、設計値と異なる条件(ディスク厚)のディスクに対しては球面収差がキャンセルできない。例えばDVDとCDでは上記のようにディスク厚が異なるため、一方に対しては球面収差を解消できても、他方についてはできず、これらの両方に対応できる光ピックアップを実現することは困難とされている。
【0007】またディスク厚に限らず、互換性を考えるうえでは次のような問題もある。即ち、レンズによる解像度は開口率と光源波長によって決まるが、この解像度が極端に異なるシステムの場合、一方のシステムの光ディスクについて、他方のシステムのドライブ装置では良好な信号が得られない。例えばCDシステムでは光源波長が800nm前後で、NAは0.45とされている。ディスク上に形成されるピットについては、幅が約0.5μm、長さが0.9μm以上ほどになるが、このようなピットに対して光源波長が800nm前後、NA=0.45の光学系でレーザ光を照射すると、ピットによって光強度が好適に変調されるので、信号は良好に再生できる。ところが、仮に光源波長が400nm前後で、NAは0.8というシステムが提案されたとすると、この光学系によりCDのピットに対してレーザ光を照射しても、そのビームスポットに対してCDのピットのサイズはあまりに大きすぎ、データ再生は困難となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題点に鑑みて、ディスクの厚みや記録密度の極端に異なるシステムでの各記録媒体に対応できる光ピックアップを提供し、各システムにおける光記録媒体に対応して再生又は記録動作を行なうことのできるドライブ装置を実現することを目的とする。
【0009】このため、光ピックアップ手段には、対物レンズを出力端として光学記録媒体に照射するレーザ光のレーザスポットとして0次光と回折光(例えば+1次光もしくは−1次光)による複数のレーザスポットを生成することができるグレーティング部と、0次光による反射光と、回折光による反射光のそれぞれに対応して記録又は再生動作に必要な各種情報を得るための受光部とを設け、記録又は再生動作を行う際に、光学記録媒体に対してレーザ光の照射を行い0次光及び回折光についての反射光情報を得ることができるようにする。そして制御手段は、装填された光学記録媒体の種別に応じて、0次光による反射光情報と、回折光による反射光情報を選択し、記録又は再生動作に必要な各種情報を抽出させて記録動作又は再生動作を実行させる。さらにグレーティング部における回折光を発生させる部位の開口は、対物レンズの開口よりも小さく設定する。
【0010】つまり、或るシステムにおける記録媒体については0次光による記録再生走査を行い、再生情報や各種サーボ情報などが0次光の反射光情報として得られるようにする。また他の或るシステムにおける記録媒体については1次光による記録再生走査を行い、再生情報や各種サーボ情報などが回折光の反射光情報として得られるようにする。各システムでの光記録媒体に0次光と回折光がそれぞれ対応できるようにするには、回折光についてのグレーティングにおける開口を設定することで可能となる。つまり0次光を用いるある記録媒体については、クレーティングは、特に意味のないものとし、主に対物レンズにより光ピックアップとしての開口を設定し、また回折光を用いる他の記録媒体については、グレーティングによる開口と対物レンズによる開口により光ピックアップとしての開口が設定されるようにする。このようにして、各記録媒体に対して、ディスク厚などに応じた各種収差の状態が良好となるような0次光及び回折光についての各開口を個別に設定できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態として光ディスクを記録媒体とするディスクドライブ装置(記録再生装置)を説明していく。このディスクドライブ装置は、CD−DA(COMPACT DISC DIGITAL AUDIO)とDVD(DIGITAL VERSATILE DISC/DIGITAL VIDEO DISC)と呼ばれるディスクに互換的に対応できるものとした例とする。
【0012】本例としてCDとDVDに対応するディスクドライブ装置を説明する前に、まずCD、DVD及びCD−R(COMPACT DISC RECORDABLE )の構造を図8で説明する。なお、CD、DVD及びCD−Rともに、直径は12cmのディスクとされている。
【0013】図8(a)(b)(c)はそれぞれCD,CD−R,DVDのディスク断面として層構造を示している。各図に記したようにCD,CD−R,DVDともにディスク全体の厚みは1.2mm とされている。
【0014】図8(a)に示すCD100には、光透過率が高くかつ耐機械的特性或いは耐化学特性を有する透明ポリカーボネイト樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、或いはアクリル樹脂等の透明な合成樹脂材料によってディスク基板(透明層)101が成形される。ディスク基板101には、一方の主面に成形金型に組み込まれたスタンパによってピットが転写され、信号面102が形成される。この信号面102におけるピットは、所定の情報信号に対応してそれぞれ円周方向の長さを異にする符号化された小孔としてディスク基板101に形成され、記録トラックを構成することになる。
【0015】この信号面102が形成されたディスク基板101の面には光反射率の高いアルミニウム等が蒸着されて反射層103が形成されるとともに、さらに全体に保護層104が被覆されて、CD100が形成される。このCD100に対してはディスクドライブ装置からのレーザ光がディスク表面105側から入射され、信号面102に記録された情報が、その反射光から検出されることになる。
【0016】図8(b)のCD−R110は追加記録可能なメディアとされ、CD100と物理的特性(直径、重さ、厚さ)や容量を同一とするが、CD100に比べ少量生産を経済的に行うことができ、耐久年数も長いことから、データ保存用として適している。
【0017】このCD−R110も、ディスク表面116側からみて透明のディスク基板(ポリカーボネイト)111が配される。そしてこのようなディスク基板111の上に、有機色素層114、金の反射層113、保護層115が順に積層されてCD−R110が形成されている。また、このCD−R110には、レーザ光の照射ガイドとなる溝(グルーブ)が刻まれており、有機色素層112がこのグルーブを覆っている。そして、照射されたレーザ光の熱により有機色素層112とポリカーボネイトによるディスク基板111とが反応して情報信号に応じたピットが形成されることで、実際のデータが記録された信号面112が形成される。
【0018】図8(c)のDVDも同様にディスク表面128側からディスク基板121が配され、ディスク基板121の他面側に信号面が形成される。DVDの場合、信号面が1つである1層ディスクと呼ばれるものと、信号面が2層となっている2層ディスクと呼ばれるものの2種類が提案されており、図8(c)は2層ディスクの例を示している。即ち第1信号面122及び第1信号面122に対応する第1反射層123により第1層のデータ記録面が形成される。また第2信号面124及び第2信号面124に対応する第2反射層125により第2層のデータ記録面が形成される。第2反射層125の上は接着面126とされ、これを介してダミー板127が接着される。
【0019】第1反射層123は半透明膜とされ、レーザ光の一定割合を反射させるように形成されている。これによってレーザ光が第1信号面122に焦点を当てれば第1反射層123による反射光から第1信号面122に記録された信号を読み取ることができ、またレーザ光を第2信号面124に焦点をあてさせる際は、そのレーザ光は第1反射層123を通過して第2信号面124に焦光され、第2反射層125による反射光から第2信号面124に記録された信号を読み取ることができる。1層ディスクの場合は信号面及び反射層が第2信号面124と第2反射層125と同様に形成される。
【0020】この図8(a)(b)(c)からわかるように、CD100及びCD−R110は信号面102,112がディスク表面105,116側からみて、ほぼディスクの厚み分に近い位置に形成されている(ディスク表面105,116側から概略1.2mm の位置にレーザスポットの焦点を当てるべき信号面102,112が位置する)。
【0021】一方、DVDでは信号面122(124)はディスク表面128側からみて、ほぼディスクの厚みの中央に近い位置に形成されている(ディスク表面128側から概略0.6mm の位置にレーザスポットの焦点を当てるべき信号面122(124)が位置する。また上述したように信号面122(124)に形成されるピットによる記録密度もCD100,CD−R110に比べて高密度化されている。
【0022】このような違いから、通常、DVD再生装置を考えた場合、再生のためのレーザ光としては波長が650nm以下のものが用いられ、また対物レンズは、開口(NA)が0.6 に高められるとともに、ディスク表面128側から概略0.6mm の位置にレーザスポットの焦点を結ぶために最適化されたピックアップが使用される。つまり通常のCD用のピックアップとは異なるピックアップが一般に用いられる。なお、CD100については、通常は波長が800nmのレーザ光(例えば780nm)が用いられるが、収差等の問題が解消されれば、波長が650nm以下のレーザ光により、CD100の信号面102の情報を読み取ることは不可能ではない。
【0023】またCD−R110を考えると、CD−R110は波長依存性を有する有機色素層114を備えており、650nm以下のレーザ光を使用した場合には正確なデータ再生を行なうことができない。すなわちCD−R110は、照射された650nm以下のレーザ光に対して有機色素層114での光吸収率が大きくなって反射率が低下するとともに、信号面112のピットによるレーザ光の変調度が低下する。またデータを記録する際には波長780nmのレーザ光に適した吸収率、反射率でピットが形成されるので、このデータを他の波長のレーザ光で読み出そうとしても十分な変調度が得られないという特性を有している。
【0024】各ディスクは以上のような構成及び特性を有するが、本例としては少なくともCD100とDVD120の互換性を備えたディスクドライブ装置を以下説明していく。なお、その後、CD−R110についても対応可能とする技術につても言及する。
【0025】図1は本例のディスクドライブ装置の要部のブロック図である。ディスク90は、ターンテーブル7に積載され、再生動作時においてスピンドルモータ1によって一定線速度(CLV)もしくは一定角速度(CAV)で回転駆動される。そしてピックアップ1によってディスク90にピット形態で記録されているデータの読み出しが行なわれることになる。ピックアップ1内の光学系の構成については後述するが、レーザ光源となるレーザダイオード4は、例えば出力するレーザーの中心波長が650nmのものとされ、また対物レンズ2はNA=0.6とされる。つまりこれらの点ではDVD対応の設定とされる。対物レンズ2は二軸機構3によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
【0026】ディスク90からの反射光情報はフォトディテクタ5によって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてRFアンプ9に供給される。フォトディテクタ5の受光素子の構造例及び動作は図5で後述するが、その図5に示すように本例ではDVD対応の受光素子60とCD対応の受光素子61が設けられる。
【0027】RFアンプ9は、図5に示すように受光素子60、61のそれぞれに対応して電流電圧変換回路70,71、マトリクス演算/増幅回路72,73を備え、マトリクス演算/増幅回路72,73では、それぞれ受光素子60,61からの信号に基づいて必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、いわゆる和信号であるプルイン信号PIなどを生成する。マトリクス演算/増幅回路72,73の出力はセレクタ74で選択されて出力される。
【0028】RFアンプ9から出力される各種信号は、図1に示すように2値化回路11、サーボプロセッサ14、及び判別回路19に供給される。即ち再生RF信号は2値化回路11へ、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイン信号PIはサーボプロセッサ14へ、さらにプルイン信号PIは判別回路19に供給される。
【0029】RFアンプ9で得られた再生RF信号は2値化回路11で2値化されることでいわゆるEFM信号(8−14変調信号;CDの場合)もしくはEFM+信号(8−16変調信号;DVDの場合)とされ、デコーダ12に供給される。デコーダ26ではEFM復調,CIRCデコード等を行ない、また必要に応じてCD−ROMデコード、MPEGデコードなどを行なってディスク90から読み取られた情報の再生を行なう。再生されたデータは例えばインターフェース部13を介してホストコンピュータなどの外部機器に出力される。
【0030】サーボプロセッサ14は、RFアンプ9からのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEや、デコーダ12もしくはシステムコントローラ10からのスピンドルエラー信号SPE等から、フォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、二軸ドライバ16に供給する。二軸ドライバ16はピックアップ1における二軸機構3のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ1、RFアンプ9、サーボプロセッサ14、二軸ドライバ16、二軸機構3によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
【0031】またサーボプロセッサ14はスピンドルモータドライバ17に対して、スピンドルエラー信号SPEに応じて生成したスピンドルドライブ信号を供給する。スピンドルモータドライバ17はスピンドルドライブ信号に応じて例えば3相駆動信号をスピンドルモータ6に印加し、スピンドルモータ6のCLV回転を実行させる。またサーボプロセッサ14はシステムコントローラ10からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータドライバ17によるスピンドルモータ6の起動または停止などの動作も実行させる。
【0032】サーボプロセッサ14は、例えばトラッキングエラー信号TEの低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ10からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ15に供給する。スレッドドライバ15はスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構8を駆動する。スレッド機構8には図示しないが、ピックアップ1を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライバ15がスレッドドライブ信号に応じてスレッドモータ8を駆動することで、ピックアップ1の所要のスライド移動が行なわれる。
【0033】ピックアップ1におけるレーザダイオード4はレーザドライバ18によってレーザ発光駆動される。サーボプロセッサ14はシステムコントローラ10からの指示に基づいて再生時などにピックアップ1のレーザ発光を実行すべきレーザドライブ信号を発生させレーザダイオード4の発光動作を実行させる。また記録動作時には記録データに応じて変調された信号に応じて発光動作が行われる。例えば記録可能タイプのディスク90に対して記録を行う際には、ホストコンピュータ等からインターフェース部13に供給された記録データはエンコーダ20によってエラー訂正コードの付加、EFM+変調などの処理が行われた後、レーザドライバ18に供給される。そしてレーザドライバ18が記録データに応じてレーザ発光動作をレーザダイオード4に実行させることで、ディスク90に対するデータ記録が実行される。
【0034】以上のようなサーボ及びデコード、エンコードなどの各種動作はマイクロコンピュータによって形成されたシステムコントローラ10により制御される。例えば再生開始、終了、トラックアクセス、早送り再生、早戻し再生などの動作は、システムコントローラ10がサーボプロセッサ14やピックアップ1の動作を制御することで実現される。
【0035】またCD100とDVD120の両方に対応する機器であるため、ディスク90が装填された際に、そのディスク90がCD100であるかDVD120であるかを判別しなければならない。ディスク90の種別を判別するために、この例では判別回路19が設けられ、システムコントローラ10は判別回路19からの判別信号に基づいてCD100とDVD120の種別を検出する。判別回路19による判別方式は各種考えられるが、一例として、本出願人が先に提案した判別方式(特願平8−237365号に記載)を適用することができる。
【0036】これについて詳述は避けるが、装填されたディスク90に対してレーザ光がディスク表面に合焦した状態で得られる反射光情報と、レーザ光がディスク信号面に合焦した状態で得られる反射光情報とを用いて判別を行うものである。例えばフォーカスサーチ動作のようにレーザ光の焦点位置を強制的に所定速度で変化させていくと、ディスク表面に合焦したタイミングとディスク信号面に合焦したタイミングが検出できるが、そのタイミング差の値によりCD100かDVD120かを判別するものである。即ち図8で説明したように、ディスク表面から信号面までの距離はCD100で約1.2mm、DVD120で約0.6mmとなっているため、上記タイミング差としての値はCD100の場合とDVD120の場合とで大きく異なり、それによって判別が可能となる。この判別動作のためには、例えば判別回路19としてはプルイン信号PIを増幅する増幅回路28と、増幅されたプルイン信号PIを所定のスレッショルド値TH1と比較し、その比較結果を判別信号とする比較回路を設ければよい。これにより合焦状態を示す判別信号が得られる時間間隔を、システムコントローラ10が観測することで、ディスク判別ができる。システムコントローラ10は判別結果に応じて図5に示したRFアンプ9内のセレクタ74の切換制御を行う。
【0037】ピックアップ1内の光学系の構成を図2に示す。この光学系としては、レーザーダイオード4から出力されるレーザービームは、コリメータレンズ26で平行光にされた後、グレーティング27で+1次光、−1次光が生成される。そしてビームスプリッタ28によりディスク90側に90度反射され、対物レンズ2からディスク90に照射される。ディスク90で反射された反射光は、対物レンズ2を介してビームスプリッタ28に入り、そのまま透過して集光レンズ30に達する。そして集光レンズ30で集光された後、円筒レンズ(シリンドリカルレンズ)31を介してフォトディテクタ5に入射される。
【0038】このような光学系において本例では、グレーティング27の光回折体としての面積は、光ビームの光束の断面積よりも小さい面積としている。またこのグレーティング27の光回折体としての開口は、対物レンズ2の開口よりも小さい開口とされている。
【0039】図3にグレーティング27の構成を示す。グレーティング27は、その中心部分となる所定半径の円形領域が溝部33とされ、その外周は平坦部32とされる。このグレーティング27は、例えばガラス板からなり、図示するように、溝部33はガラス板の表面に複数の凹凸からなる所定ピッチ及び深さの溝を有し、平坦部32はガラス板のままの状態である。
【0040】図4にグレーティング27の作用を示す。レーザーダイオード4から出力されコリメータレンズ26を介して入射される光束は、グレーティング27の平坦部34を透過するが、光束のー部は溝部33で回折される。そしてそれらの光束は対物レンズ2に入射されるが、対物レンズ2により、グレーティング27の平坦部34を透過した光束および溝部33で回折されない光束によりディスク90の信号面上で0次光S0が形成される。また、グレーティング27の溝部33で回折された光束により光ディスク1の信号面上で+1次光S1,−1次光S2が形成される。0次光S0、+1次光S1、−1次光S2は、それぞれディスク信号面上で少し離れた位置にスポットを形成することになる。
【0041】またこれら、0次光S0、+1次光S1、−1次光S2のディスク90からの反射光は、対物レンズ2、ビームスプリッタ28、集光レンズ30、円筒レンズ31を介してフォトディテクタ5に入射される。ここで、本例ではディスク90がDVDの場合は0次光を用いて情報の再生等を行い、一方ディスク90がCDの場合は+1次光(−1次光でもよいが)を用いて情報の再生等を行うことに特徴を有する。このため、上述したように図5に示すとおり、フォトディテクタ5としては2つの4分割の受光素子60,61を備え、0次光S0の反射光は受光素子60に照射され、一方+1次光S1の反射光は受光素子61に照射されるように、各受光素子60,61の配置設定を行っている。
【0042】本例の対物レンズ2の開口は0.6とされ、つまりDVDに適した設定としている。このため0次光S0をDVDとしてのディスク90の記録再生に用いることに問題はない。ところが、CDとしてのディスク90に対して0次光S0を用いると、球面収差の問題が生ずることになる。
【0043】そこで本例では、+1次光S1をCDとしてのディスク90の再生に用いることができるようにするため、グレーティング27の溝部33の大きさは、その大きさと対物レンズ2によって決まる開口率が、その光学系本来の開口率(この場合0.6)よりも小さくなるように設定されている。即ちグレーティング27としては図3のように溝部33とその回りの平坦部32が設けられる構成とされ、溝部33のサイズは、その開口率が0.3〜0.4程度となるように設定される。このようにすることによって、+1次光S1はCDとしてのディスク90に対して球面収差が抑圧された状態とすることができ、つまり+1次光S1はCDに対する再生に良好に用いることができる。
【0044】上述したようにフォトディテクタ5における受光素子60、61は図5のような4分割ディテクタとされる。即ち受光素子60は検出部(受光領域)としてA1,B1,C1,D1を有し、また受光素子61は検出部(受光領域)としてA2,B2,C2,D2を有する。受光素子60はDVD対応の受光素子とされ、その検出部A1,B1,C1,D1に0次光S0としての反射光が照射される。そして検出部A1,B1,C1,D1からは各受光光量に応じた電流出力が行われ、RFアンプ9の電流電圧変換回路70でそれぞれ電圧に変換された後、マトリクス演算/増幅回路72に供給され、各種信号が形成される。即ち再生RF信号、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイン信号PIなどが生成される。
【0045】一方受光素子61はCD対応の受光素子とされ、その検出部A2,B2,C2,D2に+1次光S1としての反射光が照射される。そして検出部A2,B2,C2,D2からは各受光光量に応じた電流出力が行われ、RFアンプ9の電流電圧変換回路71でそれぞれ電圧に変換された後、マトリクス演算/増幅回路73に供給され、各種信号が形成される。即ち再生RF信号、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイン信号PIなどが生成される。
【0046】そしてディスク90がDVD120である場合は、そのディスク90からの情報として、0次光S0の反射光についてマトリクス演算/増幅回路72で再生RF信号、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイン信号PIが生成される。この場合フォーカスエラー信号FEは検出部A1,B1,C1,D1の出力について、(A1+C1)−(B1+D1)の演算、即ち非点収差方式により生成される。また再生RF信号、プルイン信号PI=(A1+B1+C1+D1)となる。
【0047】トラッキングエラー信号TEの生成としては、例えばDPD(DEFFERENTIAL PHASE DETECTION:位相差法)が採用できる。即ち信号(A1+C1)と、信号(B1+D1)の位相差を検出して、その位相誤差に応じた値としてトラッキングエラー信号TEを得るものである。これらマトリクス演算/増幅回路72で生成された信号は入力X1としてセレクタ74に供給される。
【0048】またディスク90がCD90である場合は、そのディスク90からの情報として、+1次光S1の反射光について、マトリクス演算/増幅回路73で再生RF信号、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイン信号PIが生成される。フォーカスエラー信号FEは検出部A2,B2,C2,D2の出力について、(A2+C2)−(B2+D2)の演算、即ち非点収差方式により生成される。また再生RF信号、プルイン信号PI=(A2+B2+C2+D2)となる。トラッキングエラー信号TEの生成としては、例えば上記DPDを採用してもよいし、いわゆるプッシュプル方式として(A2+D2)−(B2+C2)の演算によりトラッキングエラー信号TEを生成してもよい。これらマトリクス演算/増幅回路73で生成された信号は入力X2としてセレクタ74に供給される。
【0049】上述したようにディスク90がDVD120であるかCD100であるかは、判別回路19からの信号に基づいて例えば最初のフォーカスサーチの際などにシステムコントローラ10が判別できる。なおこの判別前の動作(つまり判別のための動作)については0次光/+1次光のいずれを用いてもよい。そして判別結果に応じてシステムコントローラ10はセレクタ74の選択状態を決定し制御する。即ちDVD120であれば入力X1を、CD100であれば入力X2を選択させる。
【0050】これによって、DVD120の場合は、セレクタ74の出力Yとして、RFアンプ9からは0次光S0の反射光に基づいて得られた上記各信号が出力され、再生動作やサーボ動作に用いられる。一方、CD100の場合は、セレクタ74の出力Yとして、RFアンプ9からは+1次光S1の反射光に基づいて得られた上記各信号が出力され、再生動作やサーボ動作に用いられる。
【0051】そして上述したように0次光はDVD120に応じた最適特性とされ、また+1次光はグレーティング27の溝部33の設定によりCD100に対して球面収差を抑えることのできる開口となる適切な特性とされているため、本例のディスクドライブ装置は、1つのピックアップ1を用いてCD100、DVD120の両方について、適切に記録再生動作を行うことができる。又、このようなピックアップ1の兼用は、グレーティング27の溝部33の設定のみで可能となるため、複雑な光学系を要求しないという利点もある。
【0052】なお、グレーティング27を必ずしも独立の光学素子として設ける必要はなく、例えばビームスプリッタ28の入射面に溝部33を形成するなど、グレーティング27を他の光学素子に一体的に形成することもできる。これにより光学系の構成を一層簡略化できる。又、上記例では光源波長が650nm、対物レンズ2の開口率=0.6としての例をあげたが、例えば光源波長が400〜500nm前後のシステムを考えても、グレーティングの溝部の設定により、その開口率を0.2から0.35程度とすれば+1次光(もしくは−1次光)によりCDを再生することが可能となる。又、+2次光などの回折光を利用する設定も考えられる。
【0053】図6(a)(b)にグレーティング27の他の構成例を示す。図6(a)は、中央の溝部33aは図3のそれと同様とするが、その外周側は平坦部とはせずに、溝部33aと直交する方向に形成される溝部33bとする例である。溝部33bの溝のピッチや深さは溝部33aと同一とする。また図6(b)は中央の溝部33aの外周側は溝部33aと同一る方向に異なるピッチの溝部33cを形成する例である。
【0054】上記例の場合、0次光でDVDの記録再生を行うという点のみで考えればグレーティング27は不要であるところ、グレーティング27を配することで、0次光については平坦部34を通過する成分と溝部33で回折されなかった成分となる。この場合、0次光の光強度分布や、波面位相に何らかの影響が加わることも考えられる。このような影響を避けたい場合には、実質的には0次光及び+1次光に影響を与えずに0次光の位相や強度分布の乱れをなくすことができる図6(a)(b)のような構成をとることも考えられる。
【0055】ところで、上記例ではDVDとCDの互換性を実現する例としたが、ここでCD−Rについても記録再生可能な光学系について考えてみる。上述したようにCD−Rの場合は、光源波長は780nm程度としなければ良好に記録再生ができないという物理的特性がある。従って、CD、CD−R、DVDの互換機を考えると、レーザ光源として波長が650nmのものと780nmのものの2つを搭載することが好適であるといえる。ここで、対物レンズがDVDに適合してNA=0.6とされるとすると、CD、CD−Rについては、例えば波長780nmのレーザ光を用いるにしても、グレーティングにより開口率を調整しなければならないことになる。換言すれば、上記例のようにグレーティングを用いて開口率を調整し、CD、CD−Rに適合する光学系を得ることができる。但し波長650nmのレーザ光、NA=0.6の対物レンズを用いることでDVDに対応する場合グレーティングは不要になる。このためグレーティングは650nmのレーザ光にとっては無効な状態に設定するとよい。図7に溝部33を拡大して示しているが、この溝部33の深さWに相当する波長の光は、グレーティングによる回折効果はないことから、この深さW=650nmとすればよい。すると、CD、CD−Rについて780nmのレーザ光を用いる場合はグレーティングの作用により開口率が調整され、適正に再生動作が実行できるとともに、DVDについて650nmのレーザ光を用いる場合は、グレーティングの影響がなくパワー損失がない状態とすることができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、回折光についてのグレーティングにおける開口を収差条件などに応じて設定することで、或るシステムにおける記録媒体については0次光による記録再生走査を行い、再生情報や各種サーボ情報などが0次光の反射光情報として得られるようにし、また他の或るシステムにおける記録媒体については1次光による記録再生走査を行い、再生情報や各種サーボ情報などが回折光の反射光情報として得られるようにしている。これによって対物レンズやレーザ光源を切り換えることなく、非常に簡易な構成で、ディスク厚や記録密度が大きく異なる複数種類の記録媒体に対応可能な光ピックアップを実現でき、複数種類の記録媒体に対応可能なドライブ装置を容易に実現できるようになるという効果がある。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013