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発明の名称 磁性塗料の製造装置および方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−3521
公開日 平成11年(1999)1月6日
出願番号 特願平9−154673
出願日 平成9年(1997)6月12日
代理人
発明者 大石 晴史
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】磁性粉に接着剤および添加剤を混合して攪拌する一次混合手段と、この一次混合手段による混合物を混練した後、有機溶剤で溶解して攪拌する二次混合手段と、この二次混合手段による混練物を攪拌して分散させる分散手段と、種類の異なる前記接着剤を貯蔵する複数の接着剤タンクと、この接着剤タンクから前記一次混合手段または前記二次混合手段へ接着剤を供給する接着剤供給配管系を備えた磁性塗料の製造装置において、前記接着剤供給配管系は、品種の異なる複数の接着剤を一次混合手段または二次混合手段の混合容器に投入する接着剤供給管を1本の配管で構成し、この接着剤供給管による前記混合容器内への異品種接着剤の混入を防止するための接着剤供給制御手段を備えたことを特徴とする磁性塗料の製造装置。
【請求項2】前記接着剤供給配管系は、前記複数の接着剤タンクの各々に接続された複数の接着剤取出し管と、該複数の取出し管が集合した1本の共通管と、この共通管から分岐して前記一次混合手段または二次混合手段に接着剤を供給するそれぞれ1本の配管からなる第1および第2の接着剤供給管とからなることを特徴とする請求項1に記載の磁性塗料の製造装置。
【請求項3】前記共通管上に、接着剤供給用ポンプと、流量計と、圧力計とをそれぞれ1個づつ設け、前記接着剤供給制御手段は、前記各接着剤供給管を通して供給する接着剤の順序を、前回その接着剤供給管を通して供給した接着剤の種類に基づいて定めるように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の磁性塗料の製造装置。
【請求項4】磁性粉に接着剤および添加剤を混合して攪拌する一次混合プロセスと、この一次混合プロセスによる混合物を混練した後、有機溶剤で溶解して攪拌する二次混合プロセスと、この二次混合プロセスによる混合物を攪拌して分散させる分散プロセスとからなる磁性塗料の製造方法において、異なる種類の接着剤を共通の接着剤供給管を通して投入するように構成し、前記一次混合プロセスでは、前記共通の接着剤供給管を用いて供給した前回の最終投入接着剤の種類に基づいて今回使用する接着剤の投入順序を制御することを特徴とする磁性塗料の製造方法。
【請求項5】前記共通の接着剤供給管を用いて供給した最終投入接着剤の種類を制御装置のメモリに保存し、今回のプロセスで供給する接着剤が前回の最終投入接着剤を含む場合には、この接着剤を最初に投入することを特徴とする請求項4に記載の磁性塗料の製造方法。
【請求項6】前記共通の接着剤供給管を用いて供給した最終投入接着剤の種類を制御装置のメモリに保存し、今回のプロセスで供給する接着剤が前回の最終投入接着剤を含まない場合には、一次混合プロセスの前に前記接着剤供給管内に残る接着剤を今回供給する接着剤を用いて排出することを特徴とする請求項4に記載の磁性塗料の製造方法。
【請求項7】二次混合プロセスにおいて、最終接着剤を投入後、前記接着剤供給管内に残る接着剤を有機溶剤を用いて前記二次混合プロセスの混合タンク内に押出しすることを特徴とする請求項3に記載の磁性塗料の製造方法。
【請求項8】前記接着剤供給管内に残る有機溶剤を前記二次混合プロセスの混合タンク内に導入することを特徴とする請求項6に記載の磁性塗料の製造方法。
【請求項9】前記制御装置は、二次混合プロセスで用いる有機溶剤の投入量について、前記接着剤供給管内に残る接着剤を押出すための有機溶剤量を差引いて設定することを特徴とする請求項7に記載の磁性塗料の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープや磁気ディスク等の磁気記録媒体を構成する磁性塗料の製造方法および製造装置に関する。より詳しくは、磁性塗料に混合される接着剤の供給方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ等の磁気記録媒体は、プラスチックのベースフィルムの表面に磁性層が形成された構造である。この磁性層は、磁性粒子に有機溶媒溶液を加えて分散させたものに硬化剤と潤滑剤とを配合し混合して得られた磁性塗料を、プラスチックのベースフィルム表面に塗布し、乾燥して形成される。
【0003】このような磁性塗料製造プロセスは、磁性粉に接着剤および添加剤を規定量加えて混合し、規定時間攪拌する一次混合プロセス(工程)と、この一次混合プロセスによる混合物を混練した後、有機溶剤で溶解して規定時間攪拌する二次混合プロセス(工程)と、この二次混合プロセスによる混練物を攪拌して分散処理を施す分散プロセス(工程)とにより構成される。分散プロセスの後、塗布、乾燥、カレンダープロセスおよびスリットプロセスを経て磁気テープが形成される。なお、接着剤の分割投入方式では、二次混合プロセスにおいても接着剤が投入される。
【0004】このような製造プロセスにおいて投入される接着剤は、磁気テープ特性等に応じて1種類あるいは複数の異なる種類の接着剤が用いられる。このような品種の異なる複数の接着剤はそれぞれ別の接着剤タンク内に貯蔵される。前述の混合攪拌を施す一次混合プロセス或いは混練物に有機溶媒を加えて希釈する二次混合プロセスにおいて、必要とする1種類あるいは複数の種類の異なる接着剤が各接着剤タンクから取り出され配管を通して混合タンク内に投入される。
【0005】このように、接着剤タンクから必要な接着剤を選択して配管を通して各混合プロセスの混合タンクに投入する場合、不要な異なる種類の接着剤が混入すると磁気特性等の品質に影響するため、異品種接着剤の混入は極力避けなければならない。このため従来は各接着剤ごとに接着剤供給配管を設けてそれぞれの接着剤ごとに供給量等の供給制御を行ないながら混合タンクに投入していた。
【0006】図7は、このような従来の磁気記録媒体用の磁性塗料製造装置における接着剤供給用の配管系統図である。図示したように、異なる種類の接着剤を貯蔵する4個の接着剤タンク101が設置され、それぞれの接着剤タンク101ごとに接着剤供給配管102が設けられる。4本の各接着剤供給配管102は、それぞれ途中で第1供給管103および第2供給管104に分岐して、それぞれ一次混合プロセスの混合タンク105および二次混合プロセスの混合タンク106に連結される。従来は、各接着剤タンク101に対応して接着剤の種類の数だけ各配管102ごとに接着剤供給ポンプ107、流量計108、圧力計109および自動バルブ等の接着剤供給のための制御機器や移送機器が設けられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の接着剤供給配管系においては、複数の接着剤ごとに別々の配管を設け各配管ごとにポンプ等の付属機器を設けているため、配管や機器の設置スペースを広く要し、レイアウト上の制約も大きくなり、特に既設装置に対し接着剤の種類を増やす場合には、スペース的に増設ができない場合が多かった。特に近年接着剤の種類が多くなり異品種混入の防止対策が重要になり、スペース対策と合わせて対応が求められている。
【0008】本発明は上記従来技術を考慮したものであって、コンパクトな構成でスペースを節約し異品種接着剤の混入を防止して高品質を維持可能な磁性塗料の製造方法および装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明では、磁性粉に接着剤および添加剤を混合して攪拌する一次混合手段と、この一次混合手段による混合物を混練した後、有機溶剤で溶解して攪拌する二次混合手段と、この二次混合手段による混練物を攪拌して分散させる分散手段と、種類の異なる前記接着剤を貯蔵する複数の接着剤タンクと、この接着剤タンクから前記一次混合手段または前記二次混合手段へ接着剤を供給する接着剤供給配管系を備えた磁性塗料の製造装置において、前記接着剤供給配管系は、品種の異なる複数の接着剤を一次混合手段または二次混合手段の混合容器に投入する接着剤供給管を1本の配管で構成し、この接着剤供給管による前記混合容器内への異品種接着剤の混入を防止するための接着剤供給制御手段を備えたことを特徴とする磁性塗料の製造装置を提供する。
【0010】この構成によれば、接着剤供給制御手段により異品種の混入を防止した上で複数の接着剤に対し共通の接着剤供給管を用いて混合容器に接着剤を投入するため、異品種接着剤を混入させることなく配管系統がシンプルな構造になりスペース上の制約を受けることなく信頼性の高い磁性塗料の製造装置を実現することができる。
【0011】本発明ではさらに、磁性粉に接着剤および添加剤を混合して攪拌する一次混合プロセスと、この一次混合プロセスによる混合物を混練した後有機溶剤で溶解して攪拌する二次混合プロセスと、この二次混合プロセスによる混練物を攪拌して分散させる分散プロセスとからなる磁性塗料の製造方法において、異なる種類の接着剤を共通の接着剤供給管を通して投入するように構成し、前記一次混合プロセスでは、前記接着剤供給管を用いて供給した前回の最終投入接着剤の種類に基づいて今回使用する接着剤の投入順序を制御することを特徴とする磁性塗料の製造方法を提供する。
【0012】この方法によれば、前回のプロセスでの最終投入接着剤の品種に応じて今回のプロセスでの接着剤の投入順序が定まるため、接着剤供給管内等に残留する前回投入の接着剤の無駄が省かれるとともに異品種の混入防止が図られる。
【0013】
【発明の実施の形態】好ましい実施の形態においては、前述の本発明に係る磁性塗料の製造装置において、前記接着剤供給配管系は、前記複数の接着剤タンクの各々に接続された複数の接着剤取出し管と、該複数の取出し管が集合した1本の共通管と、この共通管から分岐して前記一次混合手段または二次混合手段に接着剤を供給するそれぞれ1本の配管からなる第1および第2の接着剤供給管とからなることを特徴としている。
【0014】この構成によれば、シンプルな構成で複数の各接着剤タンクから接着剤を取出して一次混合プロセス或いは二次混合プロセスでの接着剤として1本の配管で混合タンクに投入することができる。
【0015】さらに好ましい実施の形態においては、前記本発明に係る磁性塗料の製造装置において、前記共通管上に、接着剤供給用ポンプと、流量計と、圧力計とをそれぞれ1個づつ設け、前記接着剤供給制御手段は、前記各接着剤供給管を通して供給する接着剤の順序を、前回その配管を通して供給した接着剤の種類に基づいて定めるように構成されたことを特徴としている。
【0016】この構成によれば、複数の接着剤に対し共通のポンプ等の付帯機器が設けられるため配管系構造が簡素化するとともに、配管内に残る前回のプロセスで用いた接着剤の種類に応じて今回のプロセスでの接着剤の供給順序を制御するため、配管内に残留する不要な接着剤の混入を確実に防止することが可能になる。
【0017】別の好ましい実施の形態においては、前記本発明に係る磁性塗料の製造方法において、前記接着剤供給管を用いて供給した最終投入接着剤の種類を制御装置のメモリに保存し、今回のプロセスで供給する接着剤が前回の最終投入接着剤を含む場合には、この接着剤を最初に供給することを特徴としている。
【0018】この方法によれば、前回のプロセスでの最終投入接着剤を今回のプロセスで最初に投入するため、接着剤供給管内に残る接着剤を有効に利用するとともに異品種接着剤の混入が確実に防止される。
【0019】さらに別の好ましい実施の形態においては、前述の本発明に係る磁性塗料の製造方法において、前記接着剤供給管を用いて供給した最終投入接着剤の種類を制御装置のメモリに保存し、今回のプロセスで供給する接着剤が前回の最終投入接着剤を含まない場合には、一次混合プロセスの前に前記接着剤供給管内に残る接着剤を今回供給する接着剤を用いて排出することを特徴としている。
【0020】この方法によれば、接着剤供給管内に残留する今回のプロセスでは不要な前回の最終投入接着剤が、今回の接着剤を用いて排出されるため異品種接着剤の混入が確実に防止される。
【0021】さらに好ましい実施の形態においては、前記本発明に係る磁性塗料の製造方法での二次混合プロセスにおいて、最終接着剤を投入後、前記接着剤供給管内に残る接着剤を有機溶剤を用いて前記二次混合プロセスの混合タンク内に押出しすることを特徴としている。
【0022】この方法によれば、一次混合プロセスで用いた接着剤が同じくこの接着剤を用いる二次混合プロセスでの混合タンク内に有機溶剤を用いて導入されるため、接着剤供給管内に接着剤を残留させることなく接着剤を無駄なく使用でき、長い配管経路においても配管全長にわたる残留接着剤を有効に利用でき、配管系を長く形成することができるため、設置スペースや周囲機器の配設状況に応じた配管レイアウトの自由度が高められる。特に長い配管にした場合、配管内に残留する接着剤の量が多くなるが、この残留接着剤を無駄なく使用できる。
【0023】さらに好ましい実施の形態においては、前記接着剤供給管内に残る有機溶剤を前記二次混合プロセスの混合タンク内に導入することを特徴としている。
【0024】この方法によれば、接着剤供給管内に残留する接着剤を押出すための有機溶剤がこの有機溶剤を用いる二次混合タンク内に導入されるため、有機溶剤が無駄なく有効に利用される。
【0025】さらに好ましい実施の形態においては、前記本発明に係る磁性塗料の製造方法において、前記制御装置は、二次混合プロセスで用いる有機溶剤の投入量について、前記接着剤供給管内に残る接着剤を押出すための有機溶剤量を差引いて設定することを特徴としている。
【0026】この方法によれば、二次混合プロセスで用いる有機溶剤量を演算する制御装置により、二次混合プロセス開始前に使用し混合タンク内に導入された接着剤押出し用の有機溶剤の量を差引いて今回の二次混合プロセスで投入する有機溶剤の量が設定されるため、全体として必要とする有機溶剤が既にタンク内に導入されたプロセス前の有機溶剤を含めて確実に演算され、有機溶剤が無駄なく有効に使用される。
【0027】
【実施例】図1は本発明の実施例に係る磁気塗料製造装置の全体構成図である。接着剤貯蔵部1に複数の(この例では4つの)接着剤タンク2が設置され、それぞれ下端部に接着剤の取出し管3が接続される。各取出し管3は1本の共通管4に集合する。共通管4は、それぞれ1本の配管からなる第1供給管5および第2供給管6の2本の配管系統に分岐する。第1供給管5は、一次混合装置7の一次混合タンク8に接続される。この一次混合タンク8には粉体ホッパー9が接続され、規定量の磁性粉および粉体添加剤が投入され規定時間攪拌される。その後第1供給管5を介して規定量の接着剤が投入され規定時間攪拌される。
【0028】一次混合タンク8の下部には受けホッパー10が設けられ、一次混合タンク8で混合され湿潤化した混合物を収容する。この受けホッパー10内に溜まった混合物は、一定量をスクリューコンベヤ11により混練しながら同じくスクリューコンベヤ型式の混練装置12に移送する。この混練装置12によりペースト状に混練された混練物は二次混合装置13の二次混合タンク14内に連続的に投入される。この二次混合タンク14は、予め有機溶剤が投入されている状態であり、この有機溶剤により混練物が溶解され希釈化される。
【0029】一方、前記共通管4から分岐した第2供給管6は、二次混合タンク14に接続され、二次混合プロセスにおいて接着剤を二次混合タンク14内に投入する。即ち、この実施例では、最終的な磁性塗料形成に必要な接着剤を一次混合プロセスおよび二次混合プロセスの2回の混合プロセスに分割して供給する。
【0030】二次混合タンク14は、移送管15を介して分散装置16の第1攪拌装置17に接続され、二次混合プロセスにより攪拌混合された混練物が第1攪拌装置17に送られる。この第1攪拌装置17は移送管18を介して第2攪拌装置19に接続される。この移送管18上にはポンプPおよび複数の(この例では2つの)分散機20が設けられ、二次混合された混練物を移送するとともに分散処理を施す。第2攪拌装置19は移送管21を介して第3攪拌装置22に接続される。この移送管21上にはポンプPおよび複数の(この例では2つの)分散機23が設けられ、混練物を移送するとともにさらに分散処理を施され、攪拌装置22により分散が終了した磁性塗料が形成される。
【0031】図2は、上記実施例に係る磁性塗料製造装置における一次混合装置および二次混合装置へ接着剤を供給する配管系の詳細図である。
【0032】接着剤貯蔵部1の4個の各接着剤タンク2(T1,T2,T3,T4)は、それぞれ3相モータMによる攪拌装置が装着され、内部に種類の異なる接着剤A,B,C,Dを収容している。各接着剤タンク2の取出し管3上にはエア駆動式の取出しバルブ25−1〜25−4が設けられる。これらの取出し管3が集合する共通管4上には、接着剤移送用のポンプPと圧力計26と流量計27がそれぞれ1個づつ設けられる。この共通管4に連続する第1供給管5はエア駆動式バルブ28、29を介して一次混合タンク8に接続される。両バルブ28、29間からエア駆動式バルブ30を介して後述の接着剤追出しで用いる廃液管38が分岐する。
【0033】第2供給管6はエア駆動式バルブ31を介して共通管4から分岐し、エア駆動式バルブ32、流量計33およびエア駆動式バルブ34を介して二次混合タンク14に接続される。この第2供給管6の共通管4からの分岐部の近傍には、配管内に残留する接着剤を押出すためのMEK溶剤(メチルエチルケトン有機溶剤)を供給するための押出し用配管37が流量計35およびエア駆動式バルブ36を介して接続される。
【0034】なお、押出しとは、配管内の接着剤をMEK溶剤で所定のタンク内に投入することをいう。また、以下の説明において、追出しとは、配管内の接着剤を別の接着剤を用いて廃液することをいい、仕込溶剤(又は仕込有機溶剤)とは、二次混合プロセスにおいて予め規定量投入された溶剤をいう。本願における仕込溶剤としては、メチルエチルケトン、トルエンあるいはシクロヘキサン等が用いられる。
【0035】図3および図4は、図2の接着剤供給配管系による一次混合プロセスのフローチャートである。このフローは、接着剤移送制御を、接着剤設定投入量、今回投入接着剤の前回最終投入での有無の判断および前回最終投入接着剤品種のメモリーや工程管理等を行う上位コンピューター50による制御フローと、接着剤投入動作制御を行うコントローラー51による制御フローと、コントローラーの信号により流量計、ポンプ、バルブ機器等を直接操作する第1制御盤51(図4)、第2制御盤54および動力盤53とからなる。
【0036】(i) まず、一次混合プロセスでの接着剤の第1の投入方法として、前回プロセスでの最終投入接着剤が接着剤Bで、今回投入接着剤が接着剤AとBの場合を以下に説明する。
【0037】(i−1) 図3の移送制御フローチャートにおいて、上位コンピューター50により一次混合工程を開始する(ステップS1)。
【0038】(i−2) 工程開始後、接着剤投入量の設定(ステップS2)および今回投入プロセスでの接着剤の前回プロセスでの最終投入の有無(ステップS3)をコントローラ51へ通信する(フローF1、F2)。コントローラーでは、接着剤投入量>0の品種に対して、投入する品種を指定する(ステップS4、フローF3)。
【0039】(i−3) ここで磁性粉を規定量投入し(ステップS6)さらに粉体添加剤を規定量投入し(ステップS7)、規定時間攪拌する。
【0040】(i−4) 次に接着剤投入となり、前回最終投入が接着剤Bで、この接着剤Bは今回のプロセスでも投入があるので、接着剤Bより投入開始する(ステップS8、S9)。ここで図2の接着剤タンクT2の取出しバルブ25−2およびバルブ28、29が開き、3秒後に移送ポンプP1が運転され、流量計27が流量信号を発信する。これらのバルブ25−2およびバルブ28、29および移送ポンプP1の動作要求は、図3の■で指令がでて図4の動力盤53および第2制御盤54を介して各バルブおよびポンプが駆動される。
【0041】(i−5) 接着剤Bの投入量が、設定値≦投入量(ステップS10)となったら接着剤Bの投入を終了し、図2の取出しバルブ25−2およびバルブ28、29を閉じ、移送ポンプP1が停止され、それと共に流量計27の発信停止となる。各バルブおよび移送ポンプの停止要求は、図3の■で指令がでる。
【0042】(i−6) 次に接着剤Aの投入が開始される。ここで図2の取出しバルブ25−1およびバルブ28、29が開き、3秒後に移送ポンプP1が運転され、流量計27が流量信号を発信する。各バルブおよび移送ポンプの動作要求は、図3の■で指令がでる。
【0043】(i−7) 接着剤Aの投入量が、設定値≦投入量(ステップS10)となったら接着剤Aの投入を終了し、図2の取出しバルブ25−1およびバルブ28、29が閉じ、移送ポンプP1が停止され、それと共に流量計27の発信停止となる。各バルブおよび移送ポンプの停止要求は、図3の■で指令がでる。
【0044】(i−8) 図3のステップS11で、投入予定接着剤が全て終了であれば、接着剤の投入を終了し(ステップS12)、今回最終投入接着剤(この例では接着剤A)のデータが図3のフローF4により上位コンピューター50へ送られメモリーされる(ステップS13)。
【0045】(i−9) 次に攪拌工程(ステップS14)がスタートし、規定時間攪拌後、一次混合工程終了となる(ステップS15)。
【0046】(ii) 次に、一次混合プロセスの第2の投入方法として、前回プロセスでの最終投入接着剤が接着剤Aで、今回投入接着剤が接着剤CとDの場合を以下に説明する。
【0047】(ii−1) 図3の移送制御フローチャートにおいて、上位コンピューター50により一次混合工程を開始する(ステップS1)。
【0048】(ii−2) 前述の(i−2)と同様である。即ち、工程開始後、接着剤投入量の設定(ステップS2)および今回投入プロセスでの接着剤の前回プロセスでの最終投入の有無(ステップS3)をコントローラ51へ通信する(フローF1、F2)。コントローラーでは、接着剤投入量>0の品種に対して、投入する品種を指定する(ステップS4、フローF3)。
【0049】(ii−3) 次に接着剤投入となり、前回の最終投入接着剤がAで、今回はこの接着剤Aの投入がないため(ステップS16)、後述の追出しが有りになる(ステップS17)。また、接着剤の投入は接着剤タンクT1からT2、T3、T4の順番になり(ステップS18)、今回は接着剤C、Dであるため、投入順序はタンクT3(接着剤C)→タンクT4(接着剤D)の順番となる。この場合、接着剤投入の前に、まずタンクT3の接着剤Cによる配管5内の追出しが開始される(ステップS19)。
【0050】(ii−4) 接着剤Cによる追出しプロセスは、まず図2のタンクT3の取出しバルブ25−3およびバルブ28、30を開き、3秒後にポンプP1が運転され、流量計27が流量信号を発信する。各バルブおよび移送ポンプの動作要求は、図3の■で指令がでる。
【0051】(ii−5) 図2の第1接着剤供給管5内に残っている、前回最終投入の接着剤Aを、今回投入の接着剤Cにより、設定追出量≦追出量まで行い、カウントアップにより終了となる(ステップS20)。ここで、図2の取出しバルブ25−3およびバルブ28、30が閉じ、移送ポンプP1停止され、それと共に流量計27の発信停止となる。各バルブおよび移送ポンプ停止の要求は、図3の■で指令が出る。
【0052】(ii−6) 前述の(i−3)と同様である。即ち、磁性粉を規定量投入し(ステップS6)さらに粉体添加剤を規定量投入し(ステップS7)、規定時間攪拌する。
【0053】(ii−7) 次に接着剤投入となり、接着剤Cよりスタートする。図2の取出しバルブ25−3およびバルブ28、29が開き、3秒後に移送ポンプP1が運転され、流量計27が流量信号を発信する。各バルブ及び移送ポンプの動作要求は、図3の■で指令がでる。
【0054】(ii−8) 接着剤Cの投入量が、設定値≦投入量(ステップS10)となったら接着剤Cの投入を終了し、図2の取出しバルブ25−3およびバルブ28、29を閉じ、移送ポンプP1を停止し、それと共に流量計27の発信停止となる。各バルブ及び移送ポンプの停止要求は、図3の■で指令がでる。
【0055】(ii−9) 次に接着剤Dの投入が開始される。ここで図2の取出しバルブ25−4およびバルブ28、29が開き、3秒後に移送ポンプP1が運転され、流量計27が流量信号を発信する。各バルブおよび移送ポンプの動作要求は、図3の■で指令がでる。
【0056】(ii−10) 接着剤Dの投入量が、設定値≦投入量(ステップS10)となったら接着剤Dの投入を終了し、図2の取出しバルブ25−4およびバルブ28、29が閉じ、移送ポンプP1が停止され、それと共に流量計27の発信停止となる。各バルブおよび移送ポンプの停止要求は、図3の■で指令がでる。
【0057】(ii−11) 図3のステップS11で、投入予定接着剤が全て終了であれば、接着剤の投入を終了し(ステップS12)、今回最終投入接着剤(この例では接着剤D)のデータが図3のフローF4により上位コンピューター50へ送られメモリーされる(ステップS13)。
【0058】(ii−12) 次に攪拌工程(ステップS14)がスタートし、規定時間攪拌後、一次混合工程終了となる(ステップS15)。
【0059】(iii)次に二次混合プロセスにおける接着剤投入について、図5および図6の二次混合プロセスのフローチャートを用いて以下に説明する。この実施例は、接着剤B、Cを投入する例である。
【0060】このプロセスにおいて、予め仕込有機溶剤が投入されるが、その投入量はステップS31、S32で演算される。この投入量は、この二次混合プロセスで投入するMEK溶剤量を差し引いた量である。
【0061】(iii−1) 図5の移送制御フローチャートにおいて、上位コンピューター50により二次混合工程を開始する(ステップS30)。
【0062】(iii−2) 工程開始後、接着剤投入量設定をコントローラー51へ通信する(ステップS33、フローF10)。コントローラーでは、接着剤投入量>0の品種に対して、投入する品種を指定する(ステップS34)。又、図5のコントローラーでMЕK押出量を設定する(ステップS35)。
【0063】(iii−3) 接着剤投入となり、図5のコントローラー51において、ステップS36に示すようにタンクT1〜T4の投入順となり、今回のプロセスでは接着剤B、Cが投入されるため、接着剤BのタンクT2より投入開始する。図2の取出しバルブ25−2、バルブ31、32、34が開かれ、3秒後に移送ポンプP1が運転され、流量計27が流量信号を発信する。各バルブ及び移送ポンプの動作要求は、図5の■で指令がでる。ここでは毎回配管内のMЕKを一番目に投入する接着剤で押出し、混合タンク内へ投入することになる。
【0064】(iii−4) 接着剤Bの投入量が、設定値≦投入量となったら(ステップS37)、接着剤投入を終了し、図2の取出しバルブ25−2、バルブ31、32、34を閉じ、移送ポンプP1を停止し、それと共に流量計27の発信が停止される。各バルブ及び移送ポンプの停止要求は、図5の(10)で指令がでる。
(iii−5) 次に接着剤Cの投入が開始される。図2の取出しバルブ25−3、バルブ31、32、34が開かれ、3秒後に移送ポンプP1が運転され、流量計27が流量信号を発信する。各バルブ及び移送ポンプの動作要求は、図5の■で指令がでる。
【0065】(iii−6) 接着剤Cの投入量が、設定値≦投入量となったら(ステップS37)、接着剤投入を終了し、図2の取出しバルブ25−3、バルブ31、32、34を閉じ、移送ポンプP1を停止し、それと共に流量計27の発信が停止される。各バルブ及び移送ポンプの停止要求は、図5の(10)で指令がでる。
(iii−7) 図5のステップS38で投入予定の接着剤が全て終了であれば、接着剤の投入を終了し、MEK押出しを開始する(ステップS39)。図2のバルブ36、32、34を開き、流量系35が流量信号を発信する。これらの動作要求は図5の(11)で指令がでる。配管内に残っている接着剤をMEKで押出すことにより、最終投入接着剤が設定量投入されたことになる。
【0066】(iii−8) MЕK押出量が、設定値≦押出量となったら(ステップS40)、MEK押出しを終了し(ステップS41)、図2のバルブ36、32、34を閉じ、それと共に流量計35の発信停止となる。これらの停止要求は、図5の(12)で指令がでる。
【0067】(iii−9) そして規定時間攪拌を行い(ステップS42)、二次混合プロセスの終了となる(ステップS43)。
【0068】上記(i)(ii)(iii)に示すように、本実施例では接着剤の分割投入が行なわれ、トータルで必要とする接着剤が一次混合工程および二次混合工程の両工程に分けて投入される。例えば、合計で10重量部必要な接着剤Aが、一次混合工程で5重量部、二次混合工程で5重量部のように2つの工程に分けて投入される。
【0069】(実施例)本願製造装置を使用して、下記配合比のうち下記1〜7を粉体混合装置(一次混合タンク8)に投入し、10分間混合した。次にスクリュー型搬送装置(スクリューコンベヤ11)を運転し、混合物を2軸型混練機(混練装置12)へ移送し混練した。次に下記8〜10のメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンを各々100重量部を加え、又下記11を投入し、2時間希釈、攪拌した。次にサンドミルにより6時間混合し、磁性塗料を調整した。
【0070】
磁性塗料配合比1:Feメタル粉 100重量部2:エスレックA(積水化学) 10重量部3:ポリエステル系ポリウレタンN2304(日本ポリウレタン) 5重量部4:カーボン 3重量部5:アルミナ 5重量部6:ステアリン酸 1重量部7:ステアリン酸ブチル 1重量部8:メチルエチルケトン 100重量部9:トルエン 100重量部10:シクロヘキサン 100重量部11:ポリエステル系ポリウレタンN2304(日本ポリウレタン) 5重量部それぞれ、上記のように調整された塗料を硬化剤コロネートL(日本ポリウレタン社製)を6重量部添加した後、14μmのポリエチレンテフタレートに乾燥後の厚みが2.0μmになるように塗布し、磁場配向を行った後乾燥し巻取った。これをスーパーカレンダー処理した後70℃で所定時間硬化させて磁性層を形成した。そして1/2インチに裁断してサンプルを作成した。このように作成したサンプルの静磁気特性の評価を行った。
【0071】(比較例)接着剤投入配管系について、図5の従来構造とし、それ以外は実施例と同様にして磁性塗料を作成した。
【0072】実施例と比較例の静磁気特性の評価結果の比較を以下の表1に示す。評価は、日本電色工業社製のグロスメーター(型番:VG−ID)および東栄工業社製の超高感度型振動資料型磁力計(型番:VSM−P10−15)を用いて行なったものである。
【0073】
【表1】

【0074】表1の結果から分かるように、本発明方法で磁気テープを形成した場合と従来の方法で磁気テープを形成した場合のテープ特性は、両方ともGLΟS値125%(入射角45度)、RS値90%(測定磁場10ke)と同じで変化がなく、本発明に基づいて接着剤供給管を品種の異なる接着剤に対し共通化して配管本数を減らしても、品質を劣化させることはない事が証明出来た。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、異品種接着剤を混入させることなく複数の接着剤に対し共通の接着剤供給管を用いて混合容器に接着剤を投入することができるため、配管系統がシンプルな構造になりスペース上の制約を受けることなく信頼性の高い磁性塗料の製造装置を実現することができる。
【0076】実際の実施に伴う具体的な効果として、接着剤タンクの数に応じた本数の配管を各混合工程場所まで配設する場合に比べ、ほぼ1/(接着剤タンク数+移送先混合工程数)まで(1)配管工事費用、(2)電気工事費用、(3)配管施工スペース、(4)計装機器費用、(5)配管施工部品点数および(6)電気施工部品点数が減少する。




 

 


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