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発明の名称 磁気記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−3513
公開日 平成11年(1999)1月6日
出願番号 特願平9−348210
出願日 平成9年(1997)12月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
発明者 松村 伸一 / 佐藤 諭 / 蟻坂 裕一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性金属薄膜を成膜してなる磁気記録媒体において、上記非磁性支持体は、上記強磁性金属薄膜が形成される表面に平均高さが5〜50nmの微細突起が102 〜104 万個/mm2 形成された芳香族ポリアミドフィルムからなることを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項2】 上記非磁性支持体は、平均粒径0.03〜0.15μmの不活性粒子が添加され、上記強磁性金属薄膜が形成される表面に103 〜105 個/mm2 の密度で突起が形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
【請求項3】 上記非磁性支持体の厚さが2.0〜6.0μmであり、上記強磁性金属膜の厚さが0.01〜0.2μmであることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
【請求項4】 上記微細突起間に形成される凹部のうち最も深い凹部の底部の高さをmとし、上記微細突起のうち最も高い突起の先端部の高さをnとし、m−n間の高さ方向の距離をsとしたときに、3/4×s+mを超える高さの微細突起の個数が102 〜5×102 万個/mm2 の範囲内であるとともに、上記3/4×s+mを超える高さの微細突起を3/4×s+mの高さで切断した際に表れる各微細突起の断面積の総和が、上記非磁性支持体をmの高さで切断した際の断面積に対して、0.1〜0.5%の割合とされていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
【請求項5】 上記3/4×s+mを超える高さの微細突起を3/4×s+mの高さで切断した際に表れる突起1個当たりの断面積が、1.5×103 nm2以下であることを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。
【請求項6】 上記非磁性支持体は、縦方向のヤング率が1000kg/mm2 以上であり、横方向のヤング率が1300kg/mm2 以上であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強磁性金属薄膜を用いた磁気記録媒体に関し、特に長時間記録用のビデオテープ、あるいは大容量のテープストリーマーとして用いて好適な磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属薄膜型磁気記録媒体用の支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムが主として用いられている。特に、ホームビデオカセットテープ、例えば、8mmテープの支持体としては、7〜10μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムが用いられ、コンピュータのデータバックアップ用のテープストリーマーには5〜7μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムが用いられている。
【0003】ところで、近年、ビデオカセット用の磁気記録媒体は、ビデオカセットの小型化に伴い、より一層のコンパクト化と長時間記録化が望まれている。また、昨今の情報量の増大化に伴い、テープストリーマーにおいても大容量化が望まれており、これらの要求に応えるために、磁気記録媒体の厚さを薄くすることが検討されている。
【0004】磁気記録媒体の厚さを薄くするためには、支持体の厚さを薄くすることが考えられるが、支持体の厚さを薄くした場合、磁気記録媒体のスティフネスの低下やスキュー特性の悪化が問題となってくる。
【0005】磁気記録媒体のスティフネスやスキュー特性を満足させながら、支持体の厚さを薄くするには、支持体が高強度で低熱収という相反する特性を合わせ持つことが要求される。
【0006】支持体としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合、これらの要求を満足させるために、再延伸等の手法により高強度化を図るとともに、エージング等により熱収を減らすといった措置が採られていた。
【0007】しかしながら、支持体の一層の薄型化が進む中で、ポリエチレンテレフタレートでは、強度の点で限界が見え始めてきている。
【0008】そこで、金属薄膜型磁気記録媒体用の支持体としてポリアミドフィルムを用いることが検討され、実用化されてきている。
【0009】ポリアミドフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムに比べ強度が高い。したがって、このポリアミドフィルムを支持体として用いた磁気記録媒体は、厚さを薄くすることが可能であり、ビデオカセットテープの長時間記録化、テープストリーマーの大容量化に対応した磁気記録媒体として注目されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般に磁気記録媒体は、高密度記録化を図るためには、表面をある程度平滑化してスペーシングロスを極力減少させる必要がある。しかしながら、磁気記録媒体は、表面をあまり平坦にしすぎるとヘッドタッチや走行性等において支障をきたしてしまうので、表面の微細形状を制御することにより適切な表面性を確保する必要がある。
【0011】さらに、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の相対速度は増大しており、磁性層の摩耗が少ない高耐久性の磁気記録媒体が求められており、この観点からも、磁気記録媒体はその表面の微細形状の制御が不可欠となっている。
【0012】ところで、金属薄膜型磁気記録媒体は、磁性層が強磁性金属薄膜からなり、その厚さが薄いことから、磁性層が支持体の表面性の影響を受けやすく、非磁性支持体の表面状態、すなわち、非磁性体上の凹凸がそのまま磁性層表面の凹凸として発現する。
【0013】したがって、金属薄膜型磁気記録媒体においては、その非磁性支持体の表面形状を制御することにより、磁性層表面の微細形状を適切な状態にする必要がある。
【0014】本発明は、このような技術的背景に基づいて創案されたものであり、ポリアミドフィルムからなる非磁性支持体の表面形状を制御して、磁性層表面の微細形状を最適な状態とし、良好な電磁変換特性と走行性とを兼ね備えた金属薄膜型の磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体上に強磁性金属薄膜を成膜してなる磁気記録媒体において、非磁性支持体として芳香族ポリアミドフィルムを用いるとともに、その強磁性金属薄膜が形成される表面に、平均高さが5〜50nmの微細突起が102 〜104 万個/mm2 形成されるようにしている。
【0016】この磁気記録媒体は、このように芳香族ポリアミドフィルムからなる非磁性支持体の表面形状を制御することにより、強磁性金属膜の表面の微細形状が最適な状態とされ、良好な電磁変換特性と走行性とを兼ね備えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】本発明に係る磁気記録媒体は、芳香族ポリアミドフィルムからなる非磁性支持体上に強磁性の金属薄膜が成膜されてなる。
【0019】この磁気記録媒体の非磁性支持体に用いられる芳香族ポリアミドフィルムとして、特に好ましいのは下記の化学式(I)または(II)またはこれらの共重合体を有したポリアミド樹脂を用いて成膜したものである。
【0020】
【化1】

【0021】なお、この芳香族ポリアミドには約20%以下の量であれば上記の成分以外のポリマーが共重合またはブレンドされていてもよい。
【0022】これらの重合体からフィルムを製造する場合には、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、n―メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、γ―ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ジオキサン等、またはこれらの混合溶媒、あるいはこれらに重合原液の中和生成物として塩化リチウム、塩化カルシウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム等の無機塩を添加した溶媒が使用される。
【0023】このような成膜用溶媒を使用して、p―フェニレンジアミン、m―フェニレンジアミン、o―フェニレンジアミン、2―ニトロ―p―フェニレンジアミン、2―クロル―p―フェニレンジアミン、4,4’―ジアミノビフェニル、3,3’―クロルベンジジン等の芳香族ジアミン類及びテレフタル酸クロライド、2―クロルテレフタル酸クロライド、テレフタル酸ヒドラジド、p―アミノ安息香酸ヒドラジド、p―アミノ安息香酸クロライド等の芳香族ジカルボン酸類の重合あるいは結合によって得た芳香族ポリアミド樹脂を溶液成形等の手法により芳香族ポリアミドフィルムを得る。
【0024】以上のようにして得られた芳香族ポリアミドフィルムを長さ方向及び幅方向に延伸し、厚さが2.0〜6.0μmの非磁性支持体とする。非磁性支持体は、厚みをこの程度にすることにより、必要な強度が得られるとともに、磁気記録媒体の厚みを薄くして、長時間記録化に対応させることができる。
【0025】また、この非磁性支持体の強磁性金属薄膜が成膜される主面には、高さ5〜50nmの微細突起が102 〜104 万個/mm2 、好ましくは5×102 〜5×103 万個/mm2 、より好ましくは8×102 〜2×103 万個/mm2 の範囲で形成されるようにする。
【0026】高さ5〜50nmの微細突起が102 万個/mm2 より少ないと、磁気記録媒体の表面が平坦になりすぎて、ヘッドタッチや走行性等において支障をきたしてしまう。また、高さ5〜50nmの微細突起が104 万個/mm2 より多いと、スペーシングロスが増加し、電磁変換特性の低下を招いてしまう。
【0027】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体の強磁性金属薄膜が成膜される主面に、高さ5〜50nmの微細突起が102 〜104 万個/mm2 の範囲内で形成されているので、良好な電磁変換特性と走行性とを兼ね備えることが可能となる。
【0028】また、この磁気記録媒体は、非磁性支持体の強磁性金属薄膜が成膜される主面に、高さ5〜50nmの微細突起が、5×102 〜5×103 万個/mm2 の範囲内で形成され、微細突起側から求めた負荷曲線の上部25%において、微細突起の個数が102 〜5×102 万個/mm2 の範囲とされ、各微細突起の断面積の総和の割合が0.1〜0.5%の範囲とされていることが望ましい。
【0029】ここで負荷曲線とは、微細突起間に形成される凹部のうち最も深い凹部の底部を通る水平面を基準面とし、微細突起をこの基準面から所定の高さで基準面に対して平行に切断した際に表れる各微細突起の断面積の総和の基準面の面積に対する比率を求めたものであり、縦軸を基準面からの高さとし、横軸を各微細突起の断面積の総和の基準面に対する比率として表している。
【0030】すなわち、磁気記録媒体は、図1及び図2に示すように、非磁性支持体の微細突起間に形成される凹部のうち最も深い凹部の底部の高さをm、上記微細突起のうち最も高い突起の先端部の高さをn、m−n間の高さ方向の距離をsとしたときに、3/4×s+mを超える高さの微細突起の個数が102 〜5×102 万個/mm2 の範囲内であるとともに、3/4×s+mを超える高さの微細突起を3/4×s+mの高さで切断した際に表れる各微細突起の断面積a,b,c,dの総和が、基準面の面積eに対して、0.1〜0.5%の割合とされていることが望ましい。なお、図1は、非磁性支持体をエリアAでサンプリングして、このエリアAにおける微細突起の状態を表したものであり、図2は、エリアAにおける負荷曲線を表したものである。
【0031】このように、非磁性支持体の高さ5〜50nmの微細突起が、1×102 〜1×104 万個/mm2 の範囲内で形成され、微細突起側から求めた負荷曲線の上部25%において、微細突起の個数が102 〜5×102 万個/mm2 の範囲となるように制御されることにより、磁気記録媒体は、更に良好な電磁変換特性と走行性を発揮することができる。
【0032】また、微細突起側から求めた負荷曲線の上部25%において、各微細突起の断面積の総和の割合が0.1〜0.5%の範囲となるように制御されることにより、磁気記録媒体は、記録再生時における摩擦特性が良好となる。
【0033】なお、微細突起側から求めた負荷曲線の上部25%において、微細突起1個当たりの断面積が、それぞれ1.5×103 nm2 以下であることが望ましい。このように、微細突起側から求めた負荷曲線の上部25%において、微細突起1個当たりの断面積が1.5×103 nm2 以下となるように微細突起を制御することにより、磁気記録媒体は、記録再生時における摩擦特性を更に良好なものとすることができる。
【0034】ところで、微細突起を形成する方法としては、例えば上述した芳香族ポリアミドフィルム中へ不活性微粒子を添加する方法や、非磁性支持体上に、微細粒子を含有した高分子被膜を設けることによって形成する方法、またはこれらを組み合わせた方法等が挙げられる。
【0035】微細突起の核となる不活性微粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ、カオリン、タルク、グラファイト、長石、二酸化モリブデン、カーボンブラック、硝酸バリウム等の無機質系微細粒子、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重合体の架橋体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き有機質系微細粒子等が挙げられるが、真球状粒子を得やすい、コロイダルシリカ、架橋高分子による粒子を用いることが好ましい。
【0036】これらの不活性微粒子を上述した芳香族ポリアミドフィルム中に添加する場合は、重合前の溶媒中へ添加し、または、重合に使用する溶媒全部に分散されようにしてもよく、さらには、ポリマー溶液の調整工程中で添加するようにしてもよい。
【0037】なお、微細突起を形成する方法としては、このように微細粒子を添加する方法によらなくても、非磁性支持体や高分子被膜の表面形状が、微細粒子を添加したものと同様の形状となる方法であればよく、上述の方法に限定されるものではない。
【0038】さらに、非磁性支持体中に添加する微粒子としては、非磁性支持体の原料となる芳香族ポリアミド樹脂と同種のものであって、上述した溶液成形の際に溶媒に溶けない有機物が用いられる。
【0039】そして、この粒子を非磁性支持体の原料となる芳香族ポリアミド樹脂に添加して、300℃以上の高温に加熱したときに分解しない有機物が、突起として表れる。このとき、添加する有機物の量を調整することにより、形成される突起の密度が102 〜104 万個/mm2 となるようにする。
【0040】また、これらの不活性微粒子を高分子被膜中に含有させて突起を形成する場合は、例えば、不活性微粒子を含む水溶性高分子を主体とした組成物を、上述した芳香族ポリアミドフィルムの強磁性金属磁性膜が成膜される主面にコーティングする。これにより、非磁性支持体の強磁性金属磁性膜が成膜される主面に微細突起が形成されることになる。
【0041】このとき、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、トラガントゴム、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル等が適用される。
【0042】また、非磁性支持体中に平均粒径0.03〜0.15μmの不活性粒子を添加し、非磁性支持体の強磁性金属薄膜が成膜される面に、突起が103 〜105 個/mm2 の密度で形成されるようにすることが望ましい。
【0043】また、非磁性支持体は、そのハンドリング性を良好なものにするために、例えば、芳香族ポリアミドフィルムを2層或いは3層以上に重ねた積層構造とし、強磁性金属薄膜を形成しない面の表面粗さRaを0.005〜0.025μm、好ましくは0.010〜0.020μmとすることが望ましい。
【0044】この非磁性支持体の強磁性金属薄膜を形成しない面の表面粗さの調整は、フィルム中に添加する不活性微粒子の粒径、添加量を調節することにより行う。
【0045】以上ように形成される非磁性支持体の主面上に、図3に示すような連続巻き取り式の真空蒸着装置等を用いて強磁性金属薄膜を形成する。
【0046】この真空蒸着装置1は、いわゆる斜方蒸着用として構成され、内部が例えば約10―3Pa程度の真空状態とされた真空室2内に、例えば―20℃程度に冷却され、図中の反時計回り方向(矢印A方向)に回転する冷却キャン3と対向するように強磁性金属薄膜用の蒸着源4が配置されている。
【0047】蒸着源4は坩堝等の容器にCo等を主体とする強磁性金属材料が収容されたものであり、この蒸着源4(強磁性金属材料)に対し、電子ビーム発生源5から電子ビーム6を加速照射して強磁性金属材料を加熱、蒸発させ、これを図中の反時計回り方向に回転する供給ロール8から図中の矢印B方向に繰り出され、冷却キャン3の周面に沿って走行する非磁性支持体7上に付着(蒸着)させることによって強磁性金属薄膜を形成する。そして、強磁性金属薄膜が形成された非磁性支持体7は、巻取りロール9に巻き取られる。
【0048】このとき、蒸着源4と冷却キャン3との間には防着板10を設け、この防着板10にシャッタ11を位置調整可能に設けて、非磁性支持体7に対して所定の角度で入射する蒸着粒子のみを通過させる。こうして斜め蒸着法によって金属磁性薄膜が形成されるようになされている。
【0049】なお、供給ロール8と冷却キャン3との間、及び冷却キャン3と巻取りロール9との間にはそれぞれガイドローラー12、13が配置され、供給ロール8から冷却キャン3、及びこの冷却キャン3から巻取りロール9に従って走行する非磁性支持体7に所定のテンションをかけ、非磁性支持体7が円滑に走行するようになされている。
【0050】さらに、このような金属磁性薄膜の蒸着に際し、図示しない酸素ガス導入口を介して非磁性支持体7の表面に、例えば流量2L/分で酸素ガスが供給され、これによって金属磁性薄膜の磁気特性、耐久性及び耐候性の向上が図られている。また、蒸着源を加熱するためには、上述のような電子ビームによる加熱手段の他、例えば、抵抗加熱手段、高周波加熱手段、レーザ加熱手段等の公知の手段を使用できる。
【0051】以上は、斜め蒸着法によりCoを主体とする強磁性金属薄膜を形成する例について説明したが、強磁性金属薄膜を形成する方法としては、この例の他に垂直蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリング法等の公知の薄膜形成法が適用でき、また、強磁性金属薄膜の材料としては、Coの他にNi、Fe等を主体とする強磁性金属材料やこれらの合金を醜態とする強磁性金属材料が使用できる。ただし、非磁性支持体との付着強度改善、あるいは強磁性金属薄膜自体の耐食性、耐摩耗性改善等の目的から、蒸着時の雰囲気を酸素ガスが支配的となる雰囲気としたとき得られる酸素を含む強磁性金属薄膜を使用することが望ましい。また、強磁性金属薄膜の厚さは、0.01〜0.2μm程度、好ましくは、0.1〜0.2μm程度である。
【0052】また、この磁気記録媒体は、強磁性金属薄膜の摩耗を防止するため、強磁性金属薄膜上に、図4に示すようなマグネトロンスパッタ装置20等を用いて、カーボン保護膜を形成することが望ましい。
【0053】このマグネトロンスパッタ装置20は、外側がチャンバ21にて覆われている。そして、チャンバ21内は、真空ポンプ22にて約10―4Paまで減圧された後、真空ポンプ22側へ廃棄するバルブ23の角度を全開状態から10度まで絞ることにより排気速度を落とし、ガス導入管24からArガスを導入して、真空度が約0.8Paとされる。
【0054】マグネトロンスパッタ装置20は、このチャンバ21内に、例えば―40℃程度に冷却され、図中の反時計回り方向(矢印A方向)に回転する冷却キャン25と、この冷却キャン25と対向配置されるターゲット26とがそれぞれ設けられている。
【0055】ターゲット26は、カーボン保護膜の材料となるものであり、カソード電極を構成するバッキングプレート27に支持されている。そして、バッキングプレート27の裏側には、磁場を形成するマグネット28が配設されている。
【0056】このマグネトロンスパッタ装置20によりカーボン保護膜を形成する際は、ガス導入管24からArガスを導入するとともに、冷却キャン25をアノード、バッキングプレート27をカソードとして3000Vの電圧を印加し、1.4Aの電流が流れる状態を保つようにする。
【0057】この電圧の印加により、Arガスがプラズマ化し、電離されたイオンがターゲット26に衝突することにより、ターゲット26の原子がはじき出される。このとき、バッキングプレート27の裏側にはマグネット28が配設されており、ターゲット26の近傍に磁場が形成されるので、電離されたイオンはターゲット26の近傍に集中されることになる。
【0058】ターゲット26からはじき出された原子は、図中の反時計回り方向に回転する供給ロール29から図中の矢印B方向に繰り出され、冷却キャン25の周面に沿って走行する強磁性金属薄膜が形成された非磁性支持体30上に付着し、カーボン保護膜が形成される。そして、カーボン保護膜が形成された非磁性支持体30は、巻取りロール31に巻き取られる。
【0059】このカーボン保護膜は、スペーシングロスを小さくし、かつ、強磁性金属薄膜の摩耗防止の効果を得ることができるように、その厚さを3〜15nm程度、特に5〜10nm程度とすることが好ましい。
【0060】以上は、マグネトロンスパッタによりカーボン保護膜を形成する例について説明したが、カーボン保護膜を形成する方法としては、この例の他に、イオンビームスパッタやイオンビームプレーティング法、化学気相成長(CVD)法等の公知の薄膜形成方法を用いることができる。
【0061】また、この磁気記録媒体は、カーボン保護膜の表面に滑剤を存在せしめることが望ましい。これにより、磁気記録媒体は、微細突起の形状に基づく走行性改善効果をさらに高めることが可能である。
【0062】また、この磁気記録媒体は、その表面、裏面、またはそれらの近傍あるいはカーボン保護膜、強磁性金属薄膜内の空隙、カーボン保護膜と強磁性金属薄膜との界面、強磁性金属薄膜と非磁性支持体との界面、非磁性支持体内等に、必要に応じて公知の手段で防錆剤、帯電防止剤、防かび剤等の各種添加剤を存在せしめることができる。
【0063】また、この磁気記録媒体は、良好な走行性を確保するために、その裏面にバックコート層を形成することが望ましい。このバックコート層は、公知の如く、カーボン、炭酸カルシウム等の非磁性顔料をポリウレタン、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体等の結合剤に分散させたものを用いることができる。
【0064】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0065】まず、磁気記録媒体(実施例1〜14及び比較例1〜7)を実際に作製し、そのテープ特性、当たり特性及び保存特性の評価を行った。なお、ここで作製した磁気記録媒体の種々の物性値及び特性は以下に示す方法により測定したものである。
【0066】・ヤング率25℃、55%RHの下に、テンシロン型の引張り試験機を使用して測定した。
【0067】・表面突起高さDigital Instruments社製の原子間力顕微鏡(AFM):NanoScopeII(商品名)を用いて、非磁性支持体の強磁性金属薄膜をスキャンサイズ5μm×5μm、サンプリング数400ポイント、スキャンレート4.34Hzの条件下で測定を行い、突起10個の高さをそれぞれ測定し、10個の平均値を算出してそれを突起高さとした。
【0068】・表面突起個数微細突起の個数は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したものであり、日本電子社製の超高分解能コールドFE―SEM「S―900」(商品名)を用いて、加速電圧20kV、倍率3万倍以上にてカウントし、1mm2 当たりの個数に換算した。
【0069】ポリアミド樹脂中に不活性粒子を添加することにより形成する突起の個数は、高さ5〜50nmの微細突起個数と同様に走査電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率5千倍以上にてカウントし、1mm2 当たりの個数に換算した。
【0070】・テープ特性磁気記録媒体の特性評価は、ソニー株式会社製のAITドライブSDX―S300C(商品名)を改造したものを用いて行った。記録は相対速度10.04m/秒、最短記録波長0.35μmで行った。
【0071】走行耐久性として170m長を100パス走行させ、1パス走行後のブロックエラーレート、100パス走行後のブロックエラーレート、そして100パス走行後の回転ヘッドシリンダー部でのテープの泣きの状態を測定した。
【0072】・ヘッドとの当たり特性テープ再生時の出力信号(当たり波形)を1トラック分で見た場合の出力信号の最小値/最大値(%)を測定した。
【0073】・保存特性保存特性は常温(25℃)常湿下で170m長記録した磁気記録媒体を、45℃、80%RHの環境下で3日間保存し、再び常温常湿下で再生して、エラーレートの増加を測定した。
【0074】(実施例1)脱水したn―メチルピロリドンに、0.9mol比に相当する2―クロル―p―フェニレンジアミンと0.1mol比に相当する4,4’―ジアミノジフェニルスルホンとを撹拌溶解させて冷却し、この中へ0.7mol比に相当するテレフタル酸クロライドを添加して、約2時間撹拌した。その後、十分精製した水酸化カルシウムを添加、撹拌して、芳香族ポリアミド溶液を得た。
【0075】この芳香族ポリアミド溶液を表面研磨した金属ドラム上へ30℃で均一に流延し、120℃の雰囲気で約10分間乾燥し、芳香族ポリアミドフィルムとした。このフィルムをドラムから剥離し、30℃の水槽中に連続的に約30分間浸漬しながら、長さ方向に1.1倍に延伸した。さらにこのフィルムをテンターに導入して320℃で長さ方向に1.3倍に延伸して、厚さ約4μmの非磁性支持体を得た。
【0076】この非磁性支持体の表面に、粒径15nm程度のSiO2 を含有する水性塗液を塗布して乾燥させることにより、高分子被膜を形成した。
【0077】次に、先に図3に示したような連続巻き取り式の蒸着装置をその内部が10―3Pa程度の真空状態となるように排気し、高分子被膜が形成された非磁性支持体を、この蒸着装置にセッティングした。そして、連続真空斜め蒸着法により、微量の酸素存在下において、この非磁性支持体の表面にCoを主体とする強磁性金属薄膜を形成した。蒸着の入射角は、非磁性支持体の法線方向が90〜45度までであり、非磁性支持体の走行速度が50m/分で、強磁性金属薄膜の厚さが約0.18μmとなるように、電子ビームの強さを調節して作製した。
【0078】次に、先に図4に示したようなマグネトロンスパッタリング装置をその内部が10―4Pa程度になるまでまで減圧した後、Arガスを導入し、0.8Pa程度にした。そして、このマグネトロンスパッタリング装置に強磁性金属薄膜が形成された非磁性支持体をセッティングし、―40℃に冷却した冷却キャン上を5m/分の速度で走行させて、強磁性金属薄膜上に厚さが約5nmのカーボン保護膜を形成した。
【0079】次に、非磁性支持体の強磁性金属薄膜が形成された面と反対側の面に、カーボンを主体とし、結合剤として塩化ビニル系を用いた厚さが約0.5μmのバックコート層を形成し、8mm幅に裁断した。そして、8mm幅に裁断した磁気記録媒体をカセット本体に収納した。
【0080】この磁気記録媒体の物性値を表1に示すとともにその特性を表2に示す。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】(実施例2〜4,14、比較例1〜2)実施例2〜4,14、比較例1〜2は、基本構成を実施例1と同じくし、高分子被膜に含有させるSiO2 の粒径及び添加量を調整して、微細突起の高さと密度を実施例1と異ならせたものである。
【0084】それぞれの物性値を表1に、その特性を表2に併せて示す。
【0085】(実施例5)実施例5は、基本構成を実施例1と同じくし、高分子被膜を下記に示すような構成として、ウエットで1.0μm/mm2 となるように塗布し、乾燥させたものである。
【0086】〈記〉テレフタル酸(80mol%)―5Na―スルホイソフタル酸(20mol%)―エチレングリコール共重合ポリエステル(分子量6500)5重量部、及びノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社製)2重量部、純粋100重量部。
【0087】得られたカセットテープの物性値を表1に、その特性を表2に併せて示す。
【0088】(比較例3)脱水したn―メチルピロリドンに0.9mol比に相当する2―クロル―p―フェニレンジアミンと0.1mol比に相当する4,4’―ジアミノジフェニルスルホンとを撹拌溶解させて冷却し、この中へ0.7mol比に相当するテレフタル酸クロライドを添加して、約2時間撹拌した。その後、十分精製した水酸化カルシウムを添加、撹拌した。さらに、アンモニア水を加えて中和させ、別にn―メチルピロリドン中で分散しておいた0.06μmのSiO2 をポリマー当たり0.01wt%添加し、芳香族ポリアミド溶液を得た。
【0089】この芳香族ポリアミド溶液を表面研磨した金属ドラム上へ30℃で均一に流延し、120℃の雰囲気で約10分間乾燥し、芳香族ポリアミドフィルムとした。このフィルムをドラムから剥離し、30℃の水槽中に連続的に約30分間浸漬しながら、長さ方向に1.1倍に延伸した。さらにこのフィルムをテンターに導入して320℃で長さ方向に1.3倍に延伸して、厚さ約4μmの非磁性支持体を得た。
【0090】そして、この非磁性支持体に、実施例1と同様に、強磁性金属薄膜、カーボン保護膜、バック層をそれぞれ形成し、8mm幅に裁断してカセット本体に収納し、カセットテープを得た。
【0091】得られたカセットテープの物性値を表1に、その特性を表2に併せて示す。
【0092】(実施例6〜10)実施例6〜10は、基本構成を比較例3と同じくし、実施例1と同様に、非磁性支持体の表面に、粒径15nm程度のSiO2 を含有する水性塗液を塗布して乾燥させることにより、高分子被膜を形成したものである。
【0093】それぞれの物性値を表1に、その特性を表2に併せて示す。
【0094】(実施例11〜12)実施例11〜12は、基本構成を実施例6と同じくし、芳香族ポリアミド溶液中に添加するSiO2 の粒径を0.03μm、0.15μmとしたものである。
【0095】それぞれの物性値を表1に、その特性を表2に併せて示す。
【0096】(比較例4)比較例4は、基本構成を実施例6と同じくし、芳香族ポリアミド溶液中に添加するSiO2 の粒径を0.2μmとしたものである。
【0097】得られたカセットテープの物性値を表1に、その特性を表2に併せて示す。
【0098】(実施例13)実施例13は、基本構成を実施例6と同じくし、芳香族ポリアミドフィルムを長さ方向に1.3倍、幅方向に1.6倍に延伸させたものである。
【0099】得られたカセットテープの物性値を表1に、その特性を表2に併せて示す。
【0100】(比較例5〜7)比較例5〜7は、基本構成を実施例6と同じくし、芳香族ポリアミドフィルムの長さ方向及び幅方向の延伸倍率をそれぞれ変更したものである。
【0101】それぞれの物性値を表1に、その特性を表2に併せて示す。
【0102】(評価)表1及び表2の結果から、磁気記録媒体は、実施例1〜14のように、強磁性金属薄膜が形成される面に5〜50nmの微細突起が102 〜104 万個/mm2 形成されることにより、テープ特性、当たり特性及び保存特性をともに良好なものとすることができる。これに対し、比較例2のように微細突起の高さが50nmを超える場合、比較例3のように微細突起が形成されない場合には、テープ特性の劣化が目立つことが判った。
【0103】また、表1及び表2の結果から、磁気記録媒体は、実施例6〜13のように、非磁性支持体に平均粒径が0.03〜0.15μmの不活性粒子が添加され、強磁性金属磁性膜の表面に103 〜105 個/mm2 の密度で形成されることにより、さらにテープ特性の劣化を少くすることができる。これに対し、比較例1〜2のように添加粒子による突起が形成されない場合、比較例4のように添加する粒子の粒径が0.15μm以上でその密度が、103 個/mm2 以下の場合には、テープ特性の劣化、保存特性の劣化が目立つことが判った。
【0104】さらに、表1及び表2の結果から、磁気記録媒体は、実施例1〜14のように、非磁性支持体の長手方向のヤング率を1000kg/mm2 とし、幅方向のヤング率を1300kg/mm2 以上とすることにより、ヘッドとの当たり特性を良好なものとすることができる。これに対し、比較例6のように非磁性支持体の長手方向のヤング率が1000kg/mm2 未満であると保存特性の劣化が目立ち、比較例5、7のように非磁性支持体の幅方向のヤング率が1300kg/mm2 未満であるとヘッドとの当たり特性の劣化が目立つことが判った。
【0105】次に、磁気記録媒体(実施例15〜21及び比較例8〜13)を実際に作製し、そのテープ特性及び摩擦特性の評価を行った。
【0106】なお、ここでは、微細突起側から求めた負荷曲線の上部25%における微細突起の個数と、負荷曲線の上部25%における微細突起の断面積の総和の割合及び負荷曲線の上部25%における微細突起1個当たりの断面積についても測定した。
【0107】これらの磁気記録媒体の物性値及び特性は以下に示す方法により測定したものである。
【0108】・表面突起高さ実施例1〜14及び比較例1〜7の場合と同様に、Digital Instruments社製の原子間力顕微鏡(AFM):NanoScopeII(商品名)を用いて、非磁性支持体の強磁性金属薄膜をスキャンサイズ5μm×5μm、サンプリング数400ポイント、スキャンレート4.34Hzの条件下で測定を行い、突起10個の高さをそれぞれ測定し、10個の平均値を算出してそれを突起高さとした。
【0109】・表面突起個数実施例1〜14及び比較例1〜7の場合と同様に、微細突起の個数は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したものであり、日本電子社製の超高分解能コールドFE―SEM「S―900」(商品名)を用いて、加速電圧20kV、倍率3万倍以上にてカウントし、1mm2 当たりの個数に換算した。
【0110】・負荷曲線の上部25%における突起の個Digital Instruments社製の原子間力顕微鏡(AFM):NanoScopeII(商品名)を用いて、非磁性支持体の強磁性金属薄膜をスキャンサイズ5μm×5μm、サンプリング数400ポイント、スキャンレート4.34Hzの条件下で測定した。
【0111】・負荷曲線の上部25%における突起の断面積の総和突起の個数と同様に、Digital Instruments社製の原子間力顕微鏡(AFM):NanoScopeII(商品名)を用いて、非磁性支持体の強磁性金属薄膜をスキャンサイズ5μm×5μm、サンプリング数400ポイント、スキャンレート4.34Hzの条件下で測定した。
【0112】・負荷曲線の上部25%における突起1個当たりの断面積突起の個数と同様に、Digital Instruments社製の原子間力顕微鏡(AFM):NanoScopeII(商品名)を用いて、非磁性支持体の強磁性金属薄膜をスキャンサイズ5μm×5μm、サンプリング数400ポイント、スキャンレート4.34Hzの条件下で測定した。
【0113】・テープ特性磁気記録媒体の特性評価は、ソニー株式会社製のAITドライブSDX―S300C(商品名)を改造したものを用いて行った。記録は相対速度10.04m/秒、最短記録波長0.35μmで行った。
【0114】データ用磁気テープでは、表面性の荒れによる電磁変換特性の低下、走行耐久性の悪化による電磁変換特性の低下等は全てエラーレートとして表れる。そこで、実施例15〜21及び比較例8〜13の磁気記録媒体についてエラーレートの評価を行った。ブロックエラーレートの数は102以下を許容とした。
【0115】・摩擦係数ガイドピン(SUS,0.1S)に対して、100回繰り返して摺動させた後の摩擦係数を調べた。雰囲気は常温常湿(25℃、40%)で、荷重10g、摺動速度5mm/secの条件下で測定した。100パス後の摩擦係数が3.0以下を許容とした。
【0116】磁気記録媒体(実施例15〜21及び比較例8〜13)は、磁気記録媒体(実施例1〜14及び比較例1〜7)と同様な方法で作製した。
【0117】この磁気記録媒体(実施例15〜21及び比較例8〜13)の物性値を表3に示すとともにその特性を表4に示す。
【0118】
【表3】

【0119】
【表4】

【0120】(評価)表3及び表4の結果から、実施例15〜21のように、非磁性支持体上の微細突起の高さが5〜50nm、突起個数が1×102 〜1×104 万個/mm2 の範囲内にあり、且つ負荷曲線の上部25%における微細突起の個数が102 〜5×102 万個/mm2 、負荷曲線の上部25%における各微細突起の断面積の総和が、基準面の面積に対して、0.1〜0.5%の割合とされており、さらに負荷曲線の上部25%における微細突起1個当たりの断面積が1.5×103 nm2 以下とされている場合は、いずれも優れた電磁変換特性及び走行耐久性等を得ることができることが判った。
【0121】なお、実施例20は、非磁性支持体中に添加する粒子として、溶液成形の際に溶媒に溶けない非磁性支持体の原料となる芳香族ポリアミド樹脂と同種のものを使用しているが、各特性が適切な範囲内にあるので、電磁変換特性や走行耐久性等の特性に優れていることが判った。
【0122】これに対して、比較例8は、負荷曲線の上部25%における微細突起の個数が102 〜5×102 万個/mm2 以下であり、また、負荷曲線の上部25%における微細突起1個当たりの断面積が1.5×103 nm2 を超えているので、微細突起の形状がなだらかであり、電磁変換特性は優れているものの、接触面積が大きいために良好な走行耐久性を得ることができないことが判った。
【0123】また、比較例9は、負荷曲線の上部25%における各微細突起の断面積の総和が、基準面の面積に対して0.5%を超える割合であり、また、負荷曲線の上部25%における微細突起1個当たりの断面積が1.5×103 nm2 を超えているので、比較例8と同様に、微細突起の形状がなだらかであり、電磁変換特性は優れているものの、接触面積が大きいために良好な走行耐久性を得ることができないことが判った。
【0124】また、比較例10及び比較例11は、負荷曲線の上部25%における微細突起1個当たりの断面積が1.5×103 nm2 を超えているので、比較例8及び比較例9と同様に、微細突起の形状がなだらかであり、電磁変換特性は優れているものの、接触面積が大きいために良好な走行耐久性を得ることができないことが判った。
【0125】また、比較例12は、非磁性支持体上の微細突起の高さが50nmを超え、突起個数が1×104 万個/mm2 を超え、更に負荷曲線の上部25%における微細突起の個数が5×102 万個/mm2 を超え、負荷曲線の上部25%における各微細突起の断面積の総和が、非磁性支持体をmの高さで切断した際の断面積に対して0.5%を超える割合とされているので、非磁性支持体の表面が粗く電磁変換特性が大きく劣化するとともに、微細突起の形状がなだらかであり、接触面積が大きいために良好な走行耐久性も得ることができないことが判った。
【0126】また、比較例13は、非磁性支持体上の微細突起の高さが5nm未満であり、突起個数が1×102 万個/mm2 未満であり、且つ負荷曲線の上部25%における微細突起の個数が102 〜万個/mm2 未満とされているので、良好な走行耐久性を得ることができないことが判った。
【0127】
【発明の効果】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体が、その強磁性金属薄膜が形成される面に、平均高さ5〜50nmの微細突起が102 〜104 万個/mm2 形成された芳香族ポリアミドフィルムからなるので、テープ特性、当たり特性及び保存特性をともに良好なものとすることができ、良好な電磁変換特性と走行性とを兼ね備えることができる。
【0128】また、この磁気記録媒体は、非磁性支持体に、0.03〜0.15μmの不活性粒子を添加し、強磁性金属薄膜が形成される表面に103 〜105 個/mm2の突起を形成することにより、テープ特性の劣化を少なくし、ヘッド目詰まりの防止、すなわちヘッドのクリーニング効果を増大させることができる。
【0129】また、この磁気記録媒体は、非磁性支持体の厚さを2.0〜6.0μmとし、強磁性金属薄膜の厚さを0.01〜0.2μmとすることにより、全体の厚さを薄くすることができ、長時間記録化に対応できる。
【0130】また、この磁気記録媒体は、非磁性支持体に、微細突起側から求めた負荷曲線の上部25%において、微細突起の個数が102 〜5×102 万個/mm2 の範囲内とされ、微細突起の断面積の総和の割合が0.1〜0.5%の範囲内とされている場合には、記録再生時に良好な摩擦特性を発揮することができる。
【0131】また、この磁気記録媒体は、微細突起間に形成される凹部のうち最も深い凹部の底部の高さをmとし、微細突起のうち最も高い突起の先端部の高さをnとし、m−n間の高さ方向の距離をsとしたときに、3/4×s+mを超える高さの微細突起の個数が102 〜5×102 万個/mm2 の範囲内であるとともに、3/4×s+mを超える高さの微細突起を3/4×s+mの高さで切断した際に表れる各微細突起の断面積の総和が、非磁性支持体をmの高さで切断した際の断面積に対して、0.1〜0.5%の割合とされている場合には、記録再生時における摩擦特性を更に良好なものとすることができる。
【0132】さらに、この磁気記録媒体は、非磁性支持体の縦方向のヤング率を1000kg/mm2 とし、横方向のヤング率を1300kg/mm2 とすることにより、走行性及び保存特性をさらに良好なものとすることができる。




 

 


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