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発明の名称 被記録材の再生装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−15341
公開日 平成11年(1999)1月22日
出願番号 特願平9−181710
出願日 平成9年(1997)6月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
発明者 近藤 浩
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】被記録材表面に付着している像形成物質に対して、該被記録材表面と像形成物質との付着力より大きい付着力を発揮し得る剥離部材を、該被記録材表面上の像形成物質と接触させ、かつ像形成物質を加熱して該剥離部材に接着した後に該被記録材と該剥離部材とを分離させて該被記録材表面から該像形成物質を剥離する剥離手段と、該剥離部材上に付着した像形成物質を、回動するクリーニング部材を押圧することにより除去するクリーニング装置とを備えた被記録材の再生装置において、上記クリーニング部材を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする被記録材の再生装置。
【請求項2】請求項1の被記録材の再生装置において、上記クリーニング部材として歯部が周囲に螺旋状に形成された刃物部材を用いたことを特徴とする被記録材の再生装置。
【請求項3】請求項1又は2の被記録材の再生装置において、上記冷却手段として、上記クリーニング部材を冷却する冷却風を送る送風手段を用い、かつ、該送風手段からの冷却風で舞い上がった像形成物質を収集する収集手段を設けたことを特徴とする被記録材の再生装置。
【請求項4】請求項3の被記録材の再生装置において、上記収集手段として、上記クリーニング部材からの空気を吸引する吸引手段を用いたことを特徴とする被記録材の再生装置。
【請求項5】像形成物質が付着している被記録材に画像除去促進液を付与して、該像形成物質を該被記録材から除去する請求項1又は2の被記録材の再生装置において、上記冷却手段として、画像除去促進液を用いて冷却を行うものを用いたことを特徴とする被記録材の再生装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置で画像を形成した被記録材から該画像を構成する像形成物質を除去して該被記録材を再利用可能な状態に再生する被記録材の再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のOA化により、プリンター用紙や複写用紙が大量に使用されるようになってきた。それにともなってオフィスからは大量の廃棄用紙が生ずるようになり、この多くが無駄に捨てられているのが現状である。この処分に多大の費用がかかると同時に、これら廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪化まで最近では取り沙汰されるようになってきた。
【0003】これに対応する目的で、被記録材上に皮膜状に形成された熱可塑性、又は、熱溶融性が像形成物質による画像部に、剥離部材を接触させ、前記像形成物質を非記録材から剥離部材側に転写させることにより被記録材を再生する方法、又は前記方法を用いた被記録材再生装置が提案されている。この被記録材再生方法、及び装置について、個々で用いられている剥離部材を繰り返し使用する方法、及び手段として種々のものが知られている。
【0004】例えば、特開平7−199754号公報においては、被記録材上の像形成物質を加熱することにより剥離部材状に転写させ、この付着した像形成物質をブラシローラーを押圧して除去する方法が開示されている。
【0005】また、特願平8−37443号においては、被記録材上の像形成物質を加熱することにより剥離部材状に転写させ、この付着した像形成物質を回動するスパイラル形状の刃を有するローラ部材を押圧することにより掻き落とす方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、熱溶融性の像形成物質を除去しようとする場合であって、剥離部材がこれを除去する際に熱せられていた場合、該像形成物質は粘着性を有しているため、該像形成物質が上記ブラシローラやスパイラル形状の刃を有するローラ部材などのクリーニング部材にこびりつき、これにより本来の像形成物質除去機能が損なわれる場合が生じていた。
【0007】また、特開平8−30153号公報においては、冷却装置によって剥離部材の温度を像形成物質としてのトナーの軟化点以下とすることで良好なクリーニング特性を得る方法が開示されている。
【0008】しかし、回動するクリーニング部材を押圧して剥離部材に固着したトナーを除去する構成においては、該クリーニング部材自身が剥離部材との摩擦熱によって熱をもつ場合があり、この場合剥離部材を冷却しても一旦除去されたトナーが、今度はクリーニング部材に付着してしまう。そして、これが繰り返されると、良好なクリーニング特性を得ることが困難になってしまうという問題点があった。
【0009】本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、クリーニング部材への像形成物質の付着に起因するクリーニング性能の低下を防止することができる被記録材の再生装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、被記録材表面に付着している像形成物質に対して、該被記録材表面と像形成物質との付着力より大きい付着力を発揮し得る剥離部材を、該被記録材表面上の像形成物質と接触させ、かつ像形成物質を加熱して該剥離部材に接着した後に該被記録材と該剥離部材とを分離させて該被記録材表面から該像形成物質を剥離する剥離手段と、該剥離部材上に付着した像形成物質を、回動するクリーニング部材を押圧することにより除去するクリーニング装置とを備えた被記録材の再生装置において、上記クリーニング部材を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】この被記録材の再生装置においては、上記冷却手段により、上記クリーニング部材を冷却するので、該クリーニング部材が、上記剥離部材に押圧されて、回動したときに、該剥離部材との摩擦による温度上昇が起きるのを防止することができる。これにより、一旦剥離部材から除去された像形成物質が溶融して、クリーニング部材に付着するのを防止することができる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の被記録材の再生装置において、上記クリーニング部材として歯部が周囲に螺旋状に形成された刃物部材を用いたことを特徴とするものである。
【0013】この被記録材の再生装置においては、上記クリーニング部材として歯部が周囲に螺旋状に形成された刃物部材を用いているので、螺旋状の歯部で、除去しようとする像形成物質に対し切削方向の応力と剪断方向の応力とを同時に加えることができる。この結果、切削方向の応力のみが加わる直線刃を有するクリーニング部材を使用した場合に比して、像形成物質が剥離部材表面に強硬に固着している場合にも、該像形成物質を良好に除去することができる。
【0014】請求項3の発明は、請求項1又は2の被記録材の再生装置において、上記冷却手段として、上記クリーニング部材を冷却する冷却風を送る送風手段を用い、かつ、該送風手段からの冷却風で舞い上がった像形成物質を収集する収集手段を設けたことを特徴とするものである。
【0015】この被記録材の再生装置においては、上記冷却手段として、上記クリーニング部材を冷却する冷却風を送る送風手段を用いる。そして、該冷却風によってクリーニング部材を冷却する。この冷却風によって、該クリーニング部材により剥離部材から除去した像形成物質が舞い上がるが、該像形成物質は、上記収集手段によって収集される。
【0016】請求項4の発明は、請求項3の被記録材の再生装置において、上記収集手段として、上記クリーニング部材からの空気を吸引する吸引手段を用いたことを特徴とするものである。
【0017】この被記録材の再生装置においては、上記吸引手段によって上記クリーニング部材からの空気を吸引することにより、送風手段からの冷却風によって舞い上がった像形成物質を収集する。
【0018】請求項5の発明は、像形成物質が付着している被記録材に画像除去促進液を付与して、該像形成物質を該被記録材から除去する請求項1又は2の被記録材の再生装置において、上記冷却手段として、画像除去促進液を用いて冷却を行うものを用いたことを特徴とするものである。
【0019】この被記録材の再生装置においては、上記冷却手段により、画像除去促進液を用いて冷却を行う。このため、該冷却手段として画像除去促進液以外の液を用いて冷却を行う手段を用いる場合とは異なり、液の収容器や循環機構などを冷却液と画像除去促進液とで個別に設ける必要がない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る被記録材の再生装置の実施形態について説明を行う。
【0021】被記録材上に、いわゆるハード・コピーとして画像を形成する方法としては、従来より多くの方法が提案されている。例えば、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、熱拡散性染料を用いた熱拡散転写法、インクジェット法、熱により発色する材料を用いた感熱記録方法、銀塩写真法、オフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷方法などがその例として挙げられる。本実施形態に係る被記録材の再生装置は、上記従来から用いられている画像形成方法の中で、通常の電子写真法、熱転写方法、ホットメルト・インクを用いるインクジエット法または印刷法などのように熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質が用いられ、且つ、画像形成物質が被記録材の表面近傍に皮膜状に形成される方法で画像が形成された被記録材から画像形成物質を除去し再生する被記録材の再生装置に関するものである。
【0022】ここで、上記皮膜状とは、必ずしも画像全体が一つの膜を形成している必要はなく、単に画像形成物質が被記録材の内部に深く浸透していないことや、染料を含有する水性インクで印字した場合のように画像形成物質がほとんど分子レベルで被記録材に吸着されている状態ではないことを意味する。従って、例えば乾式トナーを用いる電子写真法により形成された画像であって、1つの文字画像の中でその画像がとぎれているような場合でも、そのトナー粒子が被記録材の内部深くまで浸透していない場合には、その除去原理から皮膜状の画像とみなすことができ、本実施形態の方法で除去可能な画像の範疇に含まれる。
【0023】本再生装置で再生することができる被記録材としては、除去しようとする像形成物質を有する表面の近傍がセルロース繊維を主成分とする一般の記録用紙、又は、樹脂材料を用いたOHPフィルムを挙げることができる。
【0024】また、本再生装置で上記被記録材から剥離除去することができる像形成物質の構成材料としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、及びこれらの重合体等が挙げられる。
【0025】図2は、本実施形態に係る再生装置の概略構成図である。図2において、電子写真などにより画像が形成され、かつ、不要となった被記録材1は、手差し用載置部材としてのガイド板2に沿って手動により給紙コロ3へ導入される。給紙コロ3は、図示しない被記録材センサーにより、被記録材が装置内に導入されたことが検知されたときに図示しない駆動装置により駆動されて回転し、ガイド板2との摩擦により、被記録材を液付与手段としての給液部へと搬送するように動作する。
【0026】給液部は、内部に画像除去促進液11を保持するための液容器13、液付与ローラ12、スクイズローラ15、押さえローラ14等から構成されている。液付与ローラ12は、例えば、その表面に多数の孔を有する、いわゆるグラビアローラで構成することができる。このグラビアローラで構成した場合には、その孔の大きさや深さを変えることにより表面に保持する液量を変えることができる。液付与ローラ12の一部は、図1に示すように画像除去促進液11に浸債するように配置され、図示しない駆動系により給紙コロ3の線速と等しくなるように被記録材1の搬送と同方向に回転される。液付与ローラ12に付着する過剰な画像除去促進液11は、液付与ローラ12に連れ回りするスクイズローラ15により、液付与ローラ12から取り除かれる。液付与ローラ12は被記録材1と接触することにより、画像除去促進液11を被記録材1に付与する。また、押さえローラ14は、例えば、拍車のようにその外周部に突起を有する円盤で被記録材の端部のみを液付与ローラ12に向けて押さえるように構成される。表面が平滑なローラを用いた場合には、被記録材の裏面(画像が形成されていない面)に画像除去促進液11が付着してしまいやすく、好ましくない。
【0027】上記画像除去促進液11は、像形成物質により画像を形成した被記録材1上への塗布により、該像形成物質を容易に除去させるためのものである。この液の主成分は被記録材1の材質によって決定されるが、被記録材1が紙の場合は、該被記録材1に浸透しやすい界面活性剤の水溶液を用いるのが好適である。上記液容器13内の液量は図示しない液量制御手段によって所定の量となるように制御されており、該液量が不足すると画像除去促進液補給手段51によって適宜補給される。
【0028】上記画像除去促進液11を付与した被記録材1の画像形成面と剥離部材28とを重ね合わせた状態で、被記録材1の加熱及び被記録材1と剥離部材28との加圧を行う加熱加圧手段としての剥離部は、ハロゲン・ランプなどのヒータ22を内蔵した金属製の加熱ドラム21、表面にシリコーンゴム等の弾性部材の被覆を設けた金属製の加圧ローラ27、入口ローラ23、被記録材の分離手段としての分離ローラ24、テンションローラ25、クリーニング用のバックアップローラ26、ローラ23、24、25、26を内接するように設けられたエンドレスベルト状の剥離部材28等から構成されている。
【0029】上記加熱ドラム21は、図示しない駆動手段により矢印方向に回転駆動される。加圧ローラ27と加熱ドラム21との間には、図示されていないバネ、油圧などの付勢手段により圧力が加えられ、ローラ・ドラム間にはニップが形成される。また、テンションローラ25は、図示されていないバネ、油圧などの付勢手段により、エンドレスベルト状の剥離部材28にテンション印加されるように構成されている。
【0030】上記剥離部材は、像形成物質を被記録材1から像形成物質を転写・剥離するための部材であり、像形成物質との接着性が高いものが選定される。さらに、剥離部材の特性として、画像除去促進液の成分の蒸発を防止するために、画像除去促進液の成分の蒸気を透過させない特性も有していることが好ましい。
【0031】上記剥離部材の主材料の具体的な例としては、例えばビスフェノール、エピクロルヒドリン縮合物などのエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラニンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂などのフェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のビニル共重合体、ポリビニルビチラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのビニル系共重合体、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリイミド、6,6−ナイロン、6−ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステルなどのポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミドなどの熱可塑性あるいは熱硬化性の合成樹脂、ニッケル、ステンレススチール、アルミニウムなどの金属及びその酸化物、セラミック材料を挙げることができる。
【0032】また、上記材料は単独でも用いられるが、耐久性向上又は剥離特性等の特性を向上するために積層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィスカー、カーボン、シリカ、酸化チタンなどの他の添加剤を加えるなどにより複合して用いることもできる。
【0033】上記給液部により画像形成面に画像除去促進液11が付与された被記録材1は、入口ローラ23近傍において、加熱ドラム21と剥離部材28との間に挿入され、被記録材1の画像保持面と剥離部材28とが重ね合わされる。表面に余剰の画像除去促進液11を有する被記録材1は、入口ローラ23から分離ローラ24に至るまでのパスにおいて、加熱ドラム21により加熱される。この加熱において、皮膜状に形成された像形成物質の下側に位置する膨潤層にまで画像除去促進液11が吸収され、像形成物質と被記録材1との接着力が低下する。
【0034】また、剥離部において、被記録材1上に形成された画像の像形成物質は、加熱ドラム21により加熱され、加圧ローラ27に達する前までに、軟化点以上の温度に達するように加熱ドラム21のヒータ22のオン・オフが制御される。加熱する温度は、使用する像形成物質の粘弾性の温度特性により、適当なレベルが選択される。一般の電子写真用乾式トナーを用いる場合には、60〜130°Cが好ましく、特に70〜110°Cに被記録材1が加熱されるように設定することが好ましい。この好適な温度領域よりも低い温度では、像形成物質の流動性が不足するので像形成物質が充分に剥離部材に接着せず、像形成物質の転写・剥離が生じにくくなる。上記好適な温度領域よりも高い温度では、像形成物質の流動性が高くなり過ぎて、被記録材1と剥離部材28との分離の際に、像形成物質内部で凝集破壊が生じるため、被記録材1から像形成物質を完全に除去することが困難になる。上記温度範囲における加熱により像形成物質に適当な流動性が生じた時点で、加圧ローラ27により像形成物質と剥離部材28とを加圧することにより、像形成物質と剥離部材28との間に接着力を生じさせることができる。
【0035】上記剥離部材28と被記録材1とは、分離ローラ24近傍で分離される。このように分離されるのは、剥離部材28は分離ローラ24に沿って搬送されるのに対して、被記録材1はその剛性により直線方向に進もうとする傾向があるからである。
【0036】また、上記剥離部において、剥離部材28には、被記録材1の像形成物質が転写されるが、剥離部材28はクリーニング装置30によりクリーニングされ、繰り返し使用される。クリーニング装置30については、後に詳述する。
【0037】上記剥離部において加熱および加圧された被記録材1は、分離爪45a、45bで剥離部材28から分離され、排紙ガイド41に沿って搬送された後、排出ローラ42、43によりガイド板44上を搬送され、トレー46へ排出され、ストックされる。
【0038】以上のようにして、被記録材1から像形成物質が除去され、再利用可能な状態に再生される。
(以下、余白)
【0039】次に、上記剥離部材28をクリーニングするクリーニング装置30について詳述する。このクリーニング装置30は、上記剥離部材28の表面に圧接し、回動するクリーニング部材31と、該クリーニング部材31で掻き落とした像形成物質33を収容する回収容器32等を備えている。そして、上記回動するクリーニング部材31を剥離部材28に押圧して、該剥離部材28に付着した像形成物質を除去し、該像形成物質33を上記回収容器32に収容する。
【0040】このような回動するクリーニング部材31を剥離部材28に押圧して、該剥離部材28に固着した像形成物質としての例えばトナーを除去する構成においては、前述のように、該クリーニング部材が剥離部材との摩擦により熱を持つ場合があり、剥離部材から一旦除去された像形成物質がクリーニング部材31に付着して、クリーニング性能を低下させるおそれがある。
【0041】そこで、本実施形態においては、上記クリーニング部材31を冷却する冷却手段を設けた構成を採用している。以下、この構成例について図1を用いて説明する。図1は、上記クリーニング部材31を冷却する冷却手段の一構成例を示す説明図である。この例においては、上記クリーニング部材を冷却する方法として空冷を用いている。具体的には、上記冷却手段として、上記クリーニング部材31を冷却する冷却風を送る送風装置34を設けている。さらに、剥離部材28から除去された像形成物質が、該冷却風によって舞い上がり、装置内外に飛散するのを防止するために、該舞い上がった像形成物質を収集する収集手段を設けている。具体的には、該冷却風の上記クリーニング部材31よりも下流側に、該クリーニング部材を通過した空気を吸引する、上記収集手段としての吸引装置35を設けている。さらに具体的には、上記送風装置34から送られる空気を吸引装置35が吸引するように該送風装置34と吸引装置35とを対向して設け、この送風装置34と吸引装置35の間に上記クリーニング部材31が位置するような配置を行っている。図中矢印は、上記冷却風の向きを示すものである。上記送風装置34や吸引装置35としては、例えば回転駆動するファンを用いた装置を採用することができる。
【0042】そして、上記送風装置34によって冷却風をクリーニング部材31に送り、該クリーニング部材を冷却する。これにより、上記剥離部材28に押圧された状態でクリーニング部材31が回動したときに、該剥離部材28との摩擦による温度上昇が起きるのを防止することができる。これにより、一旦剥離部材28から除去された像形成物質が上記摩擦による熱により溶融して、クリーニング部材31に付着するのを防止することができる。よって、該クリーニング部材への像形成物質の付着に起因するクリーニング性能の低下を防止することができる。なお、該クリーニング部材への像形成物質の付着を良好に防止するためには、上記クリーニング部材31の冷却温度を除去しようとする像形成物質の軟化点以下とするのが望ましい。
【0043】さらに、この例においては、送風装置を用いて冷却風を上記クリーニング部材に送って該クリーニング部材31を冷却するので、液体を用いる場合とは異なり、液もれを防止するための構成が不要であるので構成が簡単である。ここで、上記送風装置34からの風により、上記クリーニング部材31によって剥離部材から除去した像形成物質が舞い上がる。しかしながら、該舞い上がった像形成物質は、上記吸引装置35でクリーニング部材31からの空気を吸引することによって収集される。これにより、剥離部材28から除去した像形成物質が、上記冷却風によって装置内外に飛散するのを防止することができる。
【0044】図示の例において、上記クリーニング部材31としては回転駆動される刃物部材である回転刃物を用いている。例えば、図3、図4に示すような形状の回転刃物を用いることができる。図3(a)は、軸方向に平行な歯部が周囲に形成されているような回転刃物の側面図であり、図3(b)はその正面図である。また、図4(a)は、歯部が周囲に螺旋状に形成されているような回転刃物の側面図であり、図4(b)は、その正面図である。これらの例の回転刃物は、図示しない回転駆動手段により、図3(b)、図4(b)中、時計回りに回転駆動される。
【0045】そして、前述のように、該クリーニング部材31が剥離部材28の表面に圧接するように、上記バックアップローラ26が剥離部材28を支持している。該バックアップローラ26は、表面部が弾性を有している。
【0046】この構成では、回転刃物の周方向における歯部形成ピッチ及び回転数によって決まる一定の時間間隔をおいて、歯部と剥離部材28とが断続的に接触する。この断続的な接触にともない、例えば図5に示すように、表面部が弾性を有するバックアップローラ26で支持されている剥離部材28の一部Aが変形する。この変形した剥離部材28の部分に当接する歯部の圧力は、回転刃物を剥離部材28に押圧する押圧力に回転刃物の回転力が加わったものとなる。よって、上記変形を生じない場合に比して大きくなり、像保持体上に対する像形成物質除去力が増強される。
【0047】上記バックアップローラ26の表面部の最適硬度は、剥離部材との剛性の関係でその値が決定される。剥離部材を介して測定した弾性部材の硬度は、JISA型硬度計の値で40度から80度の値が好適であるが、剥離部材への画像形成物質の定着強度が弱く、除去が容易な場合はこの範囲外でも使用可能である。
【0048】また、上記クリーニング部材31としては、図4に示したような歯部が周囲に螺旋状に形成された刃物部材を用いるのが望ましい。これにより、螺旋状の歯部で、除去しようとする像形成物質に対し切削方向の応力と剪断方向の応力とを同時に加えることができる。この結果、切削方向の応力のみが加わる直線刃を有するクリーニング部材を使用した場合に比して、像形成物質が剥離部材表面に強硬に固着している場合にも、該像形成物質を良好に除去することができる。
【0049】上記クリーニング部材であるクリーニング部材31を冷却する方法としては、空冷以外に液体を用いた冷却方法、例えば水冷や油冷等の方法を用いることもできる。該クリーニング部材31を冷却するための冷却液としては、流動性を有している液であれば使用可能である。
【0050】ここで、図2の被記録材の再生装置のように、画像除去促進液を用いて再生処理を行う装置において、上記液体を用いた冷却方法を用いた場合、該冷却液と該画像除去促進液とで個別に、液の収容器や循環機構などを設けると、装置全体が大型化、複雑化してコストが増大してしまう。
【0051】そこで、このような場合には上記画像除去促進液を冷却液として用いるのが望ましい。図6は、該画像除去促進液を冷却液として用いる場合の冷却手段の一構成例を示す説明図である。図6において、クリーニング部材31としては、内部が空洞となっているような回転刃物が用いられている。該クリーニング部材31は両端で軸状に突出した突出部31a、31bを備え、該クリーニング部材31両端の突出部31a、31bがそれぞれベアリング36a、36bにより回動可能に支持されて、図示しない回転駆動手段により回転駆動されている。また、上記クリーニング部材両端の突出部31a、31bのうちの、図中右側に位置する突出部31bは、内部が空洞になっており、上記クリーニング部材31の空洞部と連通している。該突出部31bの空洞部は、輸送管37によって、画像除去促進液兼冷却液タンク38と接続されている。なお、該画像除去促進液兼冷却液タンク38は、前述の画像除去促進液補給手段51内に設けられているものである。そして、該輸送管37の途中に、上記クリーニング部材31の空洞部と上記画像除去促進液兼冷却液タンク38との間で冷却を循環するためのポンプ39が設けられている。なお、上記内部が空洞になっている突出部31bと輸送管37とは、液が漏れ出さないようにシールするシール部材としての機能を有するベアリング37aによって連結されており、突出部31b側は回動可能に、輸送管37側は固定可能にされている。
【0052】図6の冷却手段においては、クリーニング部材31を冷却するための冷却液は、画像除去促進液兼冷却液タンク38からポンプ39によってくみ出され、輸送管37を経由し、クリーニング部材31内部を通過することによって該クリーニング部材31を冷却する。これにより、クリーニング部材31への像形成物質の付着を防止し、クリーニング性能の低下を防止することができる。また、通常、液体を用いた冷却方法は、空冷に比して冷却効果が高い。よって空冷に比して効果的にクリーニング部材を冷却することができる。
【0053】また、上記画像除去促進液を冷却液として用いるので、画像除去促進液以外の液を用いて冷却を行う場合とは異なり、液の収容器や循環機構などを冷却液と画像除去促進液とで個別に設ける必要がない。よって、装置が大型化、複雑化することなく、コストの増大を防止することができる。
【0054】また、液体を用いた冷却方法を用いる場合、冷却対象であるクリーニング部材31に滴下、または該クリーニング部材31を冷却液に浸せきする等といった、クリーニング部材外部からの冷却方法、若しくは、図6の構成例のようにクリーニング部材の内部をくり抜いてそこに冷却液を流動させるといった、クリーニング部材内部からの冷却方法が考えられる。通常は、切削工具におけるドリルなどの冷却において、その外側に冷却油を滴下するなどの、工具外部からの冷却を行う。この際、ドリルが回転することで冷却油が飛散するが、加工現場などでは問題にならない。しかしながら、本実施形態に係る被記録材の再生装置などのように、一般ユーザーが一般のオフィスなどで使用する装置においては、この液の飛散は汚れなどの原因になってくるものであり、好ましくない。また、上記クリーニング部材31や冷却手段は、装置内に設けられるものであり、液の飛散は装置内部への液溜まりの発生につながってしまう。従って、図6の構成例のように、クリーニング部材内部からの冷却方法を採用するのが望ましい。
【0055】以上、本実施形態によれば、上記クリーニング部材31を冷却するので、該クリーニング部材31が、上記剥離部材28に押圧されて、回動したときに、該剥離部材28との摩擦による温度上昇が起きるのを防止することができる。これにより、一旦剥離部材28から除去された像形成物質が溶融して、クリーニング部材に付着するのを防止することができる。よって、該クリーニング部材への像形成物質の付着に起因するクリーニング性能の低下を防止することができる。
【0056】また、本実施形態において、上記クリーニング部材として歯部が周囲に螺旋状に形成された刃物部材を用いた場合には、螺旋状の歯部で、除去しようとする像形成物質に対し切削方向の応力と剪断方向の応力とを同時に加えることができる。この結果、切削方向の応力のみが加わる直線刃を有するクリーニング部材を使用した場合に比して、像形成物質が剥離部材表面に強硬に固着している場合にも、該像形成物質を良好に除去することができる。よって、良好なクリーニング性能を得ることができる。
【0057】さらに、本実施形態において、クリーニング部材を上記送風装置34によって冷却するように構成した場合、液体を用いて冷却を行う場合とは異なり、液漏れを防止するための構成が不要であるため、構成が簡単である。なおかつ、該クリーニング部材を通過した空気を上記吸引装置35によって吸引するように構成すれば、剥離部材28から除去した像形成物質が、上記冷却風によって装置内外に飛散するのを防止することができる。なお、該像形成物質の飛散を防止するには、上記冷却風で舞い上がった像形成物質を収集する収集手段を設ければよく、例えば、上記冷却風で舞い上がって空気に混入した該像形成物質のみを収集するような収集手段を設けてもよい。但し、上記クリーニング部材31からの空気を吸引する吸引手段を設ける方が構成が簡単である。
【0058】また、本実施形態において、上記画像除去促進液11を用いて冷却を行うように構成すれば、画像除去促進液以外の液を用いて冷却を行う場合とは異なり、液の収容器や循環機構などを冷却液と画像除去促進液とで個別に設ける必要がない。よって、装置が大型化、複雑化することなく、コストの増大を防止することができる。
【0059】なお、上記クリーニング部材として、回転する刃物部材ではなく、回転するブラシローラなどを用いた場合にも、上記冷却手段を設けることによって同様の効果を得ることができる。
【0060】また、上記クリーニング部材として刃物部材を用いる場合には、金属、樹脂、セラミック材料など様々な材料が使用可能であるが、一般に冷却効率、刃物としての耐久性を考慮した場合、JISに規定されている工具鋼が好適である。
【0061】
【実施例】以下、本発明のより具体的な実施例について説明する。
〔実施例1〕被記録材としての市販の上質紙に市販の複写機(株式会社リコー製 FT6500(商品名))にて画像を形成し、この紙に画像除去促進液をA4判あたり約3gとなるように画像形成面から付与し、図2の再生装置を用いて再生処理を行った。装置の設定条件は、以下の通りである。その後、剥離部材上に残存した像形成物質の割合(面積比)を画像処理ソフトを用いることにより測定した。また、装置内における除去した画像形成物質の飛散状況を目視にて判定した。この測定の結果を表1に示す。
【0062】1.装置条件(1)装置線速(剥離部材線速):35mm/sec(2)剥離部材(剥離体):三井東圧社製,TALPA−2000(膜厚100μm)、材質:PEEK(3)加熱機構による剥離部材の加熱温度:100°C(4)クリーニング部材形状:図4の形状の刃物部材。直径24mm、4枚刃、ネジレ角25°、スクイ角5°、ランド幅1.5mm(5)クリーニング部材材質:工具鋼、SLH9(6)画像除去促進液処方:OT70−PG(三井サイテック社製)10g、水990g(7)クリーニング部材回転数:150rpm(8)クリーニング部材押圧力:12kgf/250mm(9)クリーニング部材の冷却方法:クリーニング部材内部をくり抜き、画像除去促進液を内部に循環させ、クリーニング部材表面温度を40°Cに保つ。
(10)クリーニング部材31と剥離部材を介して対向するバックアップローラの表面部の弾性部材の硬さ:20度(JISA型、剥離部材を介した硬さ60度)
【0063】〔実施例2〕クリーニング部材31を図3に示した形状の刃物部材とした点を除いて上記実施例1と同じ装置(図2の被記録材の再生装置)である。この装置を用いて、上記実施例1と同じ処理条件で上質紙の再生処理を行い、上記実施例1と同じ評価を行った。その評価及び測定の結果は、同様に表1に示す。
【0064】〔実施例3〕図1に示したように送風装置34、吸引装置35、クリーニング部材31を配置して、クリーニング部材31を空冷で冷却する点を除いて上記実施例1と同じ装置(図2の被記録材の再生装置)である。この装置を用いて、上記実施例1と同じ処理条件で上質紙の再生処理を行い、上記実施例1と同じ評価を行った。その評価及び測定の結果は、同様に表1に示す。
【0065】〔実施例4〕クリーニング部材31を図3に示した形状の刃物部材とし、クリーニング部材押圧力を24kgf/250mmとした点を除いて上記実施例1と同じ装置(図2の被記録材の再生装置)である。この装置を用いて、上記実施例1と同じ処理条件で上質紙の再生処理を行い、上記実施例1と同じ評価を行った。その評価及び測定の結果は、同様に表1に示す。
【0066】〔比較例1〕クリーニング部材の冷却を行わない点を除いて上記実施例1と同じ装置(図2の被記録材の再生装置)である。この装置を用いて、上記実施例1と同じ処理条件で上質紙の再生処理を行い、上記実施例1と同じ評価を行った。その評価及び測定の結果は、同様に表1に示す。
【0067】〔比較例2〕吸引装置35を設けない点を除いて上記実施例3と同じ装置(図2の被記録材の再生装置)である。この装置を用いて、上記実施例1と同じ処理条件で上質紙の再生処理を行い、上記実施例1と同じ評価を行った。その評価及び測定の結果は、同様に表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】以上、表1からわかるように、各実施例においては、クリーニング部材の冷却を行わない比較例1の場合に比して、良好なクリーニング性能を得ることができた。また、クリーニング部材31を空冷で冷却し、かつ、吸引装置を設けない比較例2の場合とは異なり、各実施例においては、装置内における画像形成物質の飛散も生じなかった。
【0070】
【発明の効果】請求項1乃至4の発明によれば、上記クリーニング部材への像形成物質の付着を防止することができるので、クリーニング部材への像形成物質の付着に起因するクリーニング性能の低下を防止することができるという優れた効果がある。
【0071】また、請求項2乃至4の発明によれば、像形成物質が剥離部材表面に強硬に固着している場合にも、該像形成物質を良好に除去することができるので、良好なクリーニング性能を得ることができるという優れた効果がある。
【0072】また、請求項3の発明によれば、剥離部材から除去した像形成物質が、上記送風手段からの冷却風によって装置内外に飛散するのを防止することができるという優れた効果がある。
【0073】また、請求項4の発明によれば、空気に混入した像形成物質のみを収集する収集手段を設ける場合に比して、構成が簡単であるという優れた効果がある。
【0074】特に、請求項5の発明によれば、該冷却手段として画像除去促進液以外の液を用いて冷却を行う手段を用いる場合とは異なり、液の収容器や循環機構などを冷却液と画像除去促進液とで個別に設ける必要がない。よって、装置が大型化や複雑化することなく、コストの増大を防止することができるという優れた効果がある。




 

 


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