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像保持体の再生装置 - 株式会社リコー
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発明の名称 像保持体の再生装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−3010
公開日 平成11年(1999)1月6日
出願番号 特願平9−279700
出願日 平成9年(1997)9月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
発明者 村上 格二 / 辻原 外博 / 飯島 健 / 山田 正明 / 中里 保史
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】非液体吸収性の基体上に液体吸収性の膨潤層が設けられた像保持体から、該像保持体に形成された画像を構成する像形成物質を除去し、該像保持体を画像形成可能な像保持体として再生する像保持体の再生装置であって、上記画像が形成された像保持体の画像形成面に、上記膨潤層で吸収しきれない量の液体を付与する液付与部と、上記液体が付与された像保持体を挾持して搬送し得るように配設され、該像保持体の画像形成面に接する表面が像形成物質に接着し得る材料を用いて形成された剥離部材で少なくとも一方を構成した1組の挾持部材と、上記挾持部材で挾持された像保持体の膨潤層若しくは該像保持体上の液膜を加熱するとともに、該像保持体上の像形成物質を加熱する加熱部材と、上記挾持部材による挾持搬送経路上の、上記液膜を構成する液体の少なくとも一部が上記膨潤層上の像形成物質と該膨潤層との界面に到達する位置で、上記剥離部材からなる上記挾持部材と上記像保持体上の像形成物質とが接着する程度に該挾持部材同士を加圧する加圧部材と、上記剥離部材からなる上記挾持部材と上記像保持体とを分離する分離部とを設けた像保持体の再生装置において、上記液付与部を、上記像保持体に対する上記液体の付与量が可変になるように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項2】請求項1の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液体の付与量が減少するように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項3】請求項1の像保持体の再生装置において、上記液付与部が、表面が移動可能な液付与部材の該表面に上記液体を担持させ、上記像保持体の表面と該液付与部材の表面との間に該液体を搬送して液溜まりを形成し、該像保持体を、該像保持体の画像形成面が該液溜まりに接するように該液溜まりによる液付与位置を通過させて該画像形成面に該液体を付与するものであり、上記液溜まりへの該液体の供給量を可変に構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項4】請求項3の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液溜まりへの液体の供給量を減少させるように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項5】請求項3の像保持体の再生装置において、上記液付与部材の表面速度を可変に構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項6】請求項5の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液付与部材の表面速度を低下させるように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項7】請求項3の像保持体の再生装置において、上記液付与部材の表面に担持する液体の液量を規制する規制部材を設け、該規制部材と該液付与部材の表面との間隙又は接触圧を可変に構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項8】請求項7の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記間隙を低減、又は、上記接触圧を増大させるように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項9】請求項3の像保持体の再生装置において、上記液付与部材の表面に接触して該表面に担持された液体を吸収する吸収部材を設け、該吸収部材と該液付与部材との接触面積を可変に構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項10】請求項9の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、該吸収部材と該液付与部材との接触面積を増大させるように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項11】請求項1の像保持体の再生装置において、上記液付与部が、表面が移動可能な液付与部材の該表面に上記液体を担持させ、上記像保持体の表面と該液付与部材の表面との間に該液体を搬送して液溜まりを形成し、該像保持体を、該像保持体の画像形成面が該液溜まりに接するように該液溜まりによる液付与位置を通過させて該画像形成面に該液体を付与するものであり、上記像保持体の先端が上記液付与部材との最接近部に進入するまでの該液付与部材の表面速度をそれ以降の表面速度よりも大きく設定したことを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項12】請求項1の像保持体の再生装置において、上記液付与部を、上記像保持体に対して上記液体を吐出することにより該液体を該像保持体に付与するように構成し、該液体の吐出量が可変であることを特徴とする像保持体の再生装置。
【請求項13】請求項12の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液体の吐出量が減少するように構成したことを特徴とする像保持体の再生装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非液体吸収性の基体上に液体吸収性の膨潤層が設けられた像保持体から、複写機、ファクシミリ、プリンター、印刷機等の画像形成装置で形成された画像を構成する像形成物質を除去し、該像保持体を画像形成可能な像保持体として再生する像保持体の再生装置に関するものである。また、本発明に係る再生装置は、画像を自動的に消去可能な電子黒板等の表示装置や再生装置を内蔵した画像形成装置にも応用することができるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法、熱転写法、ホットメルト・インクを用いるインクジェット法や印刷法等のような画像形成方法を用いたプリンターや複写機、印刷機が普及し、紙が大量に使用されている。ところが、画像が形成される像保持体として一般に用いられる紙は木材より得られるパルプを原料とするため、紙を大量に消費することは、森林の伐採、地球環境の悪化につながることになり、近年、社会問題となってきつつある。更に、これらの画像形成方法により画像が形成された像保持体が大量に廃棄されて、ごみの処分が困難となるという問題も生じている。
【0003】また、オーバーヘッド・プロジェクター(OHP)用の像保持体である透明シートは、通常、ポリエステル・フィルム、アセテート・フィルム等のプラスチック・フィルムがべース材料として用いられる。フィルムの原材料は石油等の化石材料から合成されたり、紙と同様に木材から製造されるものであり、オーバーヘッド・プロジェクター(OHP)用の像保持体である透明シートを大量に使用することは、石油資源の保護、地球環境の保全の観点から好ましくない。また、OHPシートの場合には、シュレッダーで処理するとシュレッダーの刃の摩耗が著しい、紙等の像保持体とOHPシートとが混合するために処理された像保持体の再利用が不可能になるという問題が生じる。このため、従来は、OHPシートをそのまま廃棄する場合が多く、OHPシートに形成された画像情報の機密保持の点でも問題があった。
【0004】これらの問題に対処するため、不要になった用紙やフィルムを回収し、一旦、パルプの状態まで離解したり、再溶融したりして再利用する方法が従来より行なわれている。しかしながら、この方法では、再生のためのエネルギー効率が悪く、再生された製品は、新しい原料を用いるよりも割高になったり、質の悪いものになってしまうという欠点があった。
【0005】また、上記問題を解決するための方法として、特開平4−300395号公報には、複写機で用いられるトナーを溶解する溶剤を、コピー用紙に噴霧または塗布した後、クリーニング・ブレードなどにより紙の上のトナーを除去する方法が開示されている。このような像形成物質を溶解又は膨潤させて像保持体から像形成物質を除去する方法は、他にも多数の提案が既になされているが、通常用いられている像形成物質を溶解または膨潤させるには、トルエン、キシレン、テトラヒドロフランなどの有機溶媒が必要である。これらの有機溶媒を一般オフィスなど、特殊な換気装置溶剤回収装置を持たない作業場で使用することは好ましくない。
【0006】また、特開平1−297294号公報には、プラスチック、金属、液浸透性の悪い紙、あるいはセラミックス等の非吸収性材料で形成された像保持体を使用し、熱溶融性剥離体を加熱しながら像保持体上に重ね、画像を像保持体から剥ぎ取る方法が開示されている。特開平2−55195号公報には、表面シリコーンシール剤をPETフィルムに張り付けて表面を離型処理した像保持体が開示されている。特開平4−64472号公報には、前記離型剤で処理された像保持体上の画像を剥離する装置が開示されている。これらの従来例に示されている方法および装置は、像保持体上の像形成物質を除去するのに画像を剥離するための液体を使用しない点で好ましい。しかし、この方法に用いられる像保持体は、一般に像保持体として用いられている紙と、光沢性、表面性、厚みなどの点で大きな差があり一般の使用には違和感がある。また、高価な離型フィルムをラミネートしているなど、コストも高くなるという欠点があった。更に、離型性フィルムを表面に有しているために、画像の定着性にも問題があり、衣服や手指の摩擦により画像が脱落してしまったり、衣服や手指を汚してしまうという問題があった。
【0007】上記像保持体の再利用時の定着性の問題や安全性の問題を解決するために、特開平6−222604号公報及び特開平7−311523号公報には、液体を吸収しない基体上に液体で膨潤する層を設けた像保持体を用いる方法が開示されている。この像保持体を用いることにより、再生した像保持体上に形成された画像の定着性を保ちながら、画像を構成する像形成物質を除去する際には上記膨潤層を膨潤させる液体を像保持体に付与することにより、画像と像保持体との接着力を弱めて容易に画像を除去することができる。また、上記像保持体の膨潤層を膨潤させる液体として、水を主体とする液体を用いることができるので、上記像保持体を用いた方法は、安全性の点でも優れている。更に、上記液体を吸収しない基体上に液体で膨潤する層を設けた像保持体は、その基体が液体を吸収しないため基体自体の劣化が生じ難く、多数回の繰り返し使用が可能になり、比較的少量の液体を付与するのみで像形成物質の除去が可能となるという利点も有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平6−222604号公報及び特開平7−311523号公報に開示されている像保持体から、画像を構成する像形成物質を除去する方法として、像保持体の膨潤層を膨潤させる液体に該像保持体を浸潰して揺動させたり、超音波を印加したり、スポンジ、フェルトなどの柔らかい部材で擦ったりする方法が考えられる。これら方法では、像形成物質の除去は容易であるが、像保持体を浸漬した液体が汚れてしまうため、該液体から像形成物質を除去する除去手段が必要となる。この除去手段としてフィルターを用いることにより上記液体から像形成物質を除去することはできるが、比較的少量の像形成物質でフィルターが目詰まりしてしまうことから、液体中で像形成物質を除去する装置の実用化は困難であった。また、像形成物質には染料のような液体に溶解する成分を含有する場合が多々あるが、該液体に有色成分が溶解してしまった場合、該液体をフィルターのみで清浄にすることが困難であるという問題もあった。更に、液体中で像形成物質を除去する装置では、像形成物質を除去するための操作に時間を要し、高速な処理が困難であった。
【0009】上記特開平7−311523号公報で本出願人が提案しているように、液体を吸収しない基体上に液体で膨潤する層を設けた像保持体から像形成物質を除去するのに、該像形成物質をその軟化点以上まで加熱して、剥離部材に転写する方法を採用すれば、上記液体中で像形成物質を除去する方法での問題点を解決できると考えられる。しかしながら、市販の種々の画像形成装置で画像が形成されている像保持体は、画像を構成する像形成物質そのものの物性やその付着状態が広範囲にわたっているため、上記特開平7−311523号公報で提案されている方法では、それらすべての像保持体に対して画像を構成する像形成物質を高速に除去することは困難であった。更に、大きなベタ部のある画像が形成された像保持体から、該画像を構成する像形成物質を除去することも難しいという問題もあった。
【0010】また、特開平8−44260号公報において、本出願人は、液体が付与された像保持体の少なくとも膨潤層を水分を透過しないシール部材で覆うことにより、像保持体の膨潤層からの水分蒸発が実質的に生じない状態を保ちながら、少なくとも像保持体の膨潤層を加熱処理して像保持体から像形成物質を除去する再生方法及び再生装置を提案した。この再生方法及び装置では、像保持体の剛性の低下等を防止するために、像保持体への液体の付与量を一定量以下に抑えることを好適な液付与条件としていた。
【0011】本発明者らは、上記非液体吸収性の基体上に膨潤層を設けた像保持体の場合には上記液体の付与による不具合が発生しにくいことにより液体の付与条件の制約が少ないという点、及び上記像保持体の膨潤層が比較的薄く該膨潤層の液体の吸収量が少ない点に着目し、像形成物質の除去処理について鋭意研究を行った。その結果、上記特開平8−44260号公報で提案した装置における液体の付与手段等を改良することにより、上記膨潤層を有する像保持体に市販の種々の画像形成装置で画像が形成されている場合でも、該像保持体から該画像を構成する像形成物質を効率的且つ確実に除去できることを見い出した。
【0012】上記装置改良は次のように構成した点である。すなわち、非液体吸収性の基体上に液体吸収性の膨潤層が設けられた像保持体から、該像保持体に形成された画像を構成する像形成物質を除去し、該像保持体を画像形成可能な像保持体として再生する像保持体の再生装置において、上記画像が形成された像保持体の画像形成面に、上記膨潤層で吸収しきれない量の液体を付与する液付与部と、上記液体が付与された像保持体を挾持して搬送し得るように配設され、該像保持体の画像形成面に接する表面が像形成物質に接着し得る材料を用いて形成された剥離部材で少なくとも一方を構成した1組の挾持部材と、上記挾持部材で挾持された像保持体の膨潤層若しくは該像保持体上の液膜を加熱するとともに、該像保持体上の像形成物質を加熱する加熱部材と、上記挾持部材による挾持搬送経路上の、上記液膜を構成する液体の少なくとも一部が上記膨潤層上の像形成物質と該膨潤層との界面に到達する位置で、上記剥離部材からなる上記挾持部材と上記像保持体上の像形成物質とが接着する程度に該挾持部材同士を加圧する加圧部材と、上記剥離部材からなる上記挾持部材と上記像保持体とを分離する分離部とを設けた点である。この再生装置では、像保持体の画像形成面に液膜が形成され、像保持体の膨潤層若しくは液膜が加熱されため、該膨潤層と像形成物質との界面に液体が容易に到達して該界面の近傍の膨潤層を膨潤させる。この膨潤により、像保持体と像形成物質との接着力が容易に低下し、市販の種々の画像形成装置で画像が形成された像保持体から該画像を構成する像形成物質を効率的且つ確実に除去できる。
【0013】ところが、上記改良を行った再生装置において像保持体に対する液体の付与量が過剰となったり不足したりすると、次のような不具合が生じるおそれがあることがわかった。上記再生装置の像形成物質除去プロセスでは表面に液体が付与された像保持体が1組の挾持部材で挾持されるため、像保持体上の過剰な液体が絞られて該挾持部材で挾持され始める箇所に液溜まりや液だれが生じるおそれがあった。このような液溜まりや液だれが生じると、再生装置内部を汚してしまったり、再生装置で再生する像保持体を汚してしまったりするおそれがある。例えば、複数の像保持体を連続して再生処理する場合、前方の像保持体の挾持により液溜まりが生じた箇所を後方の像保持体が通過するため、該後方の像保持体の先端近傍が不均一に濡れてしまう。この液溜まりで生じた像保持体の濡れは、像保持体上の液体が乾燥したときに該液体中の固形分が像保持体に不均一に付着することになる。
【0014】OHP用の像保持体のように通常は片面にしか画像を形成しない透明な像保持体の再生をする場合、上記液体の付与は像保持体の片面(画像形成面)にのみ行えばよい。このように像保持体の片面にのみ液体を付与する場合には、特に、上記液溜まりが生じた箇所を像保持体が通過することにより像保持体の非画像形成面にも液体が付着してしまいやすい。この非画像形成面に付着した液体が乾燥すると、液濡れ部の先端における液体中の固形分が凝集して付着してしまうため、透明な像保持体ではその透明性が部分的に失われてしまうという問題が発生する。また、液体の像形成物質に対する濡れ性を高めて膨潤層の膨潤を促進させるために、像保持体に付与する液体に界面活性剤を含有させる場合においては、界面活性剤が像保持体に不均一に付着してしまうと、多量の界面活性剤が残存して付着している部分は像形成物質との接着力が低下し、定着不良が発生する。
【0015】なお、上記像保持体を上記挾持部材で挾持する箇所において上記液溜まりや液だれが生じないようにするために、像保持体に付与する液体の量を少なくすることが考えられる。しかしながら、液付与部において像保持体の画像形成面の全体にほぼ均一に液体を付与し、その像保持体全体に対する液体の付与量を液溜まりや液だれが生じない程度に設定して実験を行ったところ、像保持体の先端近傍で液体の付着量が少な過ぎて膨潤層が十分に膨潤せず、像形成物質の除去が困難になりやすいことがわかった。
【0016】本発明は以上の背景のもとでなされたものであり、その目的は、非液体吸収性の基体上に液体吸収性の膨潤層を設けた像保持体に形成した画像の種類にかかわらず、該像保持体から画像を構成する像形成物質を効率的且つ確実に除去できる像保持体の再生装置であって、液付与部において像保持体に液体を過不足なく付与することができる像保持体の再生装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、非液体吸収性の基体上に液体吸収性の膨潤層が設けられた像保持体から、該像保持体に形成された画像を構成する像形成物質を除去し、該像保持体を画像形成可能な像保持体として再生する像保持体の再生装置であって、上記画像が形成された像保持体の画像形成面に、上記膨潤層で吸収しきれない量の液体を付与する液付与部と、上記液体が付与された像保持体を挾持して搬送し得るように配設され、該像保持体の画像形成面に接する表面が像形成物質に接着し得る材料を用いて形成された剥離部材で少なくとも一方を構成した1組の挾持部材と、上記挾持部材で挾持された像保持体の膨潤層若しくは該像保持体上の液膜を加熱するとともに、該像保持体上の像形成物質を加熱する加熱部材と、上記挾持部材による挾持搬送経路上の、上記液膜を構成する液体の少なくとも一部が上記膨潤層上の像形成物質と該膨潤層との界面に到達する位置で、上記剥離部材からなる上記挾持部材と上記像保持体上の像形成物質とが接着する程度に該挾持部材同士を加圧する加圧部材と、上記剥離部材からなる上記挾持部材と上記像保持体とを分離する分離部とを設けた像保持体の再生装置において、上記液付与部を、上記像保持体に対する上記液体の付与量が可変になるように構成したことを特徴とするものである。
【0018】請求項2の発明は、請求項1の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液体の付与量が減少するように構成したことを特徴とするものである。
【0019】請求項3の発明は、請求項1の像保持体の再生装置において、上記液付与部が、表面が移動可能な液付与部材の該表面に上記液体を担持させ、上記像保持体の表面と該液付与部材の表面との間に該液体を搬送して液溜まりを形成し、該像保持体を、該像保持体の画像形成面が該液溜まりに接するように該液溜まりによる液付与位置を通過させて該画像形成面に該液体を付与するものであり、上記液溜まりへの該液体の供給量を可変に構成したことを特徴とするものである。
【0020】請求項4の発明は、請求項3の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液溜まりへの液体の供給量を減少させるように構成したことを特徴とするものである。
【0021】請求項5の発明は、請求項3の像保持体の再生装置において、上記液付与部材の表面速度を可変に構成したことを特徴とするものである。
【0022】請求項6の発明は、請求項5の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液付与部材の表面速度を低下させるように構成したことを特徴とするものである。
【0023】請求項7の発明は、請求項3の像保持体の再生装置において、上記液付与部材の表面に担持する液体の液量を規制する規制部材を設け、該規制部材と該液付与部材の表面との間隙又は接触圧を可変に構成したことを特徴とするものである。
【0024】請求項8の発明は、請求項7の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記間隙を低減、又は、上記接触圧を増大させるように構成したことを特徴とするものである。
【0025】請求項9の発明は、請求項3の像保持体の再生装置において、上記液付与部材の表面に接触して該表面に担持された液体を吸収する吸収部材を設け、該吸収部材と該液付与部材との接触面積を可変に構成したことを特徴とするものである。
【0026】請求項10の発明は、請求項9の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、該吸収部材と該液付与部材との接触面積を増大させるように構成したことを特徴とするものである。
【0027】請求項11の発明は、請求項1の像保持体の再生装置において、上記液付与部が、表面が移動可能な液付与部材の該表面に上記液体を担持させ、上記像保持体の表面と該液付与部材の表面との間に該液体を搬送して液溜まりを形成し、該像保持体を、該像保持体の画像形成面が該液溜まりに接するように該液溜まりによる液付与位置を通過させて該画像形成面に該液体を付与するものであり、上記像保持体の先端が上記液付与部材との最接近部に進入するまでの該液付与部材の表面速度をそれ以降の表面速度よりも大きく設定したことを特徴とするものである。
【0028】請求項12の発明は、請求項1の像保持体の再生装置において、上記液付与部を、上記像保持体に対して上記液体を吐出することにより該液体を該像保持体に付与するように構成し、該液体の吐出量が可変であることを特徴とするものである。
【0029】請求項13の発明は、請求項12の像保持体の再生装置において、上記像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液体の吐出量が減少するように構成したことを特徴とするものである。
(以下、余白)
【0030】請求項1の像保持体の再生装置においては、液付与部で、非液体吸収性の基体上に液体吸収性の膨潤層を設けた像保持体の画像形成面に、該膨潤層で吸収しきれない量の液体を付与する。この液体が付与された像保持体を1組の挾持部材で挾持して搬送することにより、像保持体の画像形成面上の液体をならして均一な液膜を形成し、該液膜を構成する液体が該膨潤層に対して均一に浸透できるようにする。そして、上記挾持部材で挾持された像保持体の膨潤層若しくは該像保持体上の液膜を加熱部材で加熱することにより、該液膜を構成する液体を該膨潤層上の像形成物質との界面部に到達させ、該界面部の膨潤層が膨潤して該像形成物質の接着力を低下させる。そして、上記像保持体上の像形成物質を加熱部材で加熱して軟化状態にするとともに、上記挾持部材による挾持搬送経路上の、上記液膜を構成する液体の少なくとも一部が上記膨潤層上の像形成物質と該膨潤層との界面に到達する位置で、該像保持体を挾持した該挾持部材同士を加圧部材で加圧することにより、該剥離部材と軟化状態の像形成物質とを接着させる。この像形成物質が接着している剥離部材と像保持体とを分離部で分離することにより、該像保持体上の像形成物質が該像保持体の表面から除去される。
【0031】そして、本再生装置では、液付与部における像保持体に対する液体の付与量を変化させることにより、液体が像保持体に過剰に付着したり、逆に像保持体に付着する液体が不足したりしないようにする。
【0032】請求項2の像保持体の再生装置においては、像保持体の後端が液付与部の液付与位置に近づくにつれて液体の付与量を減少させることにより、像保持体の先端部への液付与量を多めに設定していた場合に像保持体に付与されるトータルの液体の量が増加するのを抑制することができる。
【0033】請求項3の像保持体の再生装置においては、表面が移動可能な液付与部材の該表面に液体を担持させ、該像保持体の表面と該液付与部材の表面との間に該液体を搬送して液溜まりを形成し、該像保持体を、該像保持体の画像形成面が該液溜まりに接するように該液溜まりを通過させて該像保持体の画像形成面に該液体を付与する。そして、上記液溜まりへの液体の供給量を変化させることにより、該液溜まりの液量に応じて該液溜まりによる像保持体への液体の付与量を変化させることができる。
【0034】請求項4の像保持体の再生装置においては、像保持体の後端が液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液溜まりへの液体の供給量を減少させることにより、像保持体の先端部への液付与量を多めに設定していた場合に像保持体に付与されるトータルの液体の量が増加するのを抑制することができる。
【0035】請求項5の像保持体の再生装置においては、上記液付与部材の表面速度を変えることで上記液溜まりへの液体の供給量を変化させることができる。具体的には、該表面速度を増大させれば該供給量が増加し、逆に該表面速度を低下させれば該供給量が減少する。
【0036】請求項6の像保持体の再生装置においては、像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液付与部材の表面速度を低下させるので、像保持体の後端が上記液付与位置に近づくにつれて、上記液溜まりへの液体の供給量が減少する。これにより、像保持体の表面状態や湿度などに関わらず像保持体の先端部への液付与量を多めに設定していた場合に像保持体に付与されるトータルの液体の量が増加するのを抑制することができる。
【0037】請求項7の像保持体の再生装置においては、上記液付与部材の表面に担持する液体の液量を規制する規制部材と上記液付与部材の表面との間隙又は接触圧を変えることで該液溜まりへの該液体の供給量を変化させることができる。具体的には、該間隙を増大又は該接触圧を低減すれば該供給量が増加し、逆に該間隙を低減又は該接触圧を増大させれば該供給量が減少する。
【0038】請求項8の像保持体の再生装置においては、像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記間隙を漸次低減、又は、上記接触圧を増大させるので、像保持体の後端が上記液付与位置に近づくにつれて、上記液溜まりへの液体の供給量が減少する。これにより、像保持体の表面状態や湿度などに関わらず像保持体の先端部への液付与量を多めに設定していた場合に像保持体に付与されるトータルの液体の量が増加するのを抑制することができる。
【0039】請求項9の像保持体の再生装置においては、上記液付与部材の表面に接触して該表面の液体を吸収する吸収部材と該液付与部材との接触面積を変えることで、上記液溜まりへの液体の供給量を変化させることができる。具体的には、該接触面積を低減させれば該供給量が増加し、逆に該接触面積を増大させれば該供給量が減少する。
【0040】請求項10の像保持体の再生装置においては、像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記吸収部材と液付与部材との接触面積を増大させるので、像保持体の後端が上記液付与位置に近づくにつれて、上記液溜まりへの液体の供給量が減少する。これにより、像保持体の表面状態や湿度などに関わらず像保持体の先端部への液付与量を多めに設定していた場合に像保持体に付与されるトータルの液体の量が増加するのを抑制することができる。
【0041】請求項11の像保持体の再生装置においては、表面が移動可能な液付与部材の該表面に液体を担持させ、該像保持体の表面と該液付与部材の表面との間に該液体を搬送して液溜まりを形成し、該像保持体を、該像保持体の画像形成面が該液溜まりに接するように該液溜まりを通過させて該像保持体の画像形成面に液体を付与する。ここで、像保持体の先端部に液付与がされる際には上記液溜まりが未だ十分に発達しておらず、上記液付与部材からの直接塗布により液が付与される。そして、この像保持体の再生装置においては、上記液付与部材との最接近部に進入するまでは上記液付与部材の表面速度をそれ以降の表面速度よりも大きく設定するので、液溜まりを介しての液付与ができずに液付与部材からの直接塗布により液が付与される像保持体の先端部にも、十分な量の画像除去促進液を付与することができるとともに、液溜まりを短時間で形成することができる。
【0042】請求項12の像保持体の再生装置においては、像保持体に対する液体の吐出量を変化させることにより、像保持体への液体の付与量を変化させることができる。
【0043】請求項13の像保持体の再生装置においては、像保持体の後端が上記液付与部の液付与位置に近づくにつれて、上記液体の吐出量を減少させることにより、像保持体の先端部への液付与量を多めに設定していた場合に像保持体に付与されるトータルの液体の量が増加するのを抑制することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態に係る像保持体の再生装置においては、非液体吸収性の基体上に液体吸収性の膨潤層を設けた画像が形成された像保持体の画像形成面に、該像保持体の膨潤層で吸収しきれない量の液体を付与する。そして、上記画像形成面上の液体をならして液膜を形成し、該膨潤層若しくは該液膜を加熱し、上記液膜を構成する液体の少なくとも一部が上記膨潤層上の像形成物質と該膨潤層との界面に到達した後、加熱及び加圧により該像形成物質と剥離部材とを接着させ、上記像形成物質が接着している上記剥離部材と上記像保持体とを分離する。
【0045】本再生装置で像保持体に付与する液体は、像保持体上の像形成物質を効率的且つ確実に除去するために、該膨潤層を膨潤させることにより該像形成物質の除去を促進させるものである(以下、この液体を「画像除去促進液」という)。この画像除去促進液については、後で例示する。
【0046】本再生装置の処理対象物である像保持体上に画像を形成する方法としては、従来より多くの方法が提案されている。例えば、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、熱拡散性染料を用いた熱拡散転写法、インクジェット法、熱により発色する材料を用いた感熱記録方法、銀塩写真法、オフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷方法などがその例として挙げられる。
【0047】また、本再生装置は、上記従来から用いられている画像形成方法の中で、通常の電子写真法、熱転写方法、ホットメルト・インクを用いるインクジエット法または印刷法などように熱可塑性又は熱溶融性の像形成物質が用いられ、且つ、像形成物質が像保持体の表面近傍に皮膜状に形成される画像形成方法で画像が形成された像保持体から像形成物質を除去する方法に関するものである。ここで、上記皮膜状とは、必ずしも画像全体が一つの膜を形成している必要はなく、単に像形成物質が像保持体の内部に深く浸透していないことや、染料を含有する水性インクで印字した場合のように像形成物質がほとんど分子レベルで像保持体に吸着されている状態ではないことを意味する。従って、例えば乾式トナーを用いる電子写真法により形成された画像であって、1つの文字画像の中でその画像がとぎれているような場合や一つのトナー粒子が独立して存在する状態でも、そのトナー粒子が像保持体の内部深くまで浸透していない場合には、その除去原理から被膜状の画像とみなすことができ、本実施形態の再生方法で除去可能な画像の範疇に含まれる。
【0048】また、本再生装置で再生処理される像保持体は、特開平6−222604号公報、特開平7−311523号公報に開示されている液体を吸収しない非液体吸収性の基体上に液体を吸収して膨潤する液体吸収性の膨潤層を設けた像保持体である。
【0049】上記非液体吸収性の基体の材料例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、などのポリエステル、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ニトロセルロースなどのセルロースを原料とするプラスチックス、ビスフェノールA、ビスフェノールなどを原料とするポリカーボネート、ポリイミド、6,6−ナイロン、6−ナイロン、アラミドなどのポリアミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイト、ポリプロピレンなどのプラスチックよりなるフィルムを挙げることができる。OHPシートなどのように透明性が要求される像保持体の場合には、これらの材料は比較的純粋なものを用いることができるが、紙の代替えの像保持体として不透明であることが要求される場合には、上記材料に酸化チタン、酸化亜鉛、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの白色顔料を添加したり、発泡させたものを用いることもできる。また、紙にアクリルポリマーの乳化物などの樹脂を含浸させて乾燥したものも使用することができる。
【0050】上記液体吸収性の膨潤層としては、像保持体に付与する画像除去促進液で溶解しないように架橋された重合体を用いることができる。特に、上記画像除去促進液としては安全性から水を主体とする液体を用いることが好ましいので、親水性の重合体を膨潤層に用いることが好ましい。具体的には、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基を有する重合体、ポリエチレングリコール鎖を有する重合体を挙げることができる。より具体的には、アクリル酸およびその塩、メタクリル酸およびその塩、ビニルアルコール、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリアミド、ビニルピロリドンなどの重合体または共重合体、ポリエチレングリコールを挙げることができる。
【0051】上記架橋剤としては、N,N‐メチルビスアクリルアミドなどの複数の不飽和結合を有する架橋剤、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、ホルマリンなどが用いられる。架橋する方法としては、架橋剤を用いる他に、電子線照射、紫外線、X線など電磁波の照射、加熱なども挙げることができる。
【0052】OHPシートのように膨潤層に透明性が要求される像保持体の場合には、膨潤層は、ほぼ均一なものとすることが好ましいが、紙の代替えの像保持体として不透明であることが要求される場合には、上記重合体やでんぷんなどの粒子をバインダーに分散させた層とすることもできる。
【0053】上記膨潤層は、前述の基体の片面のみに設けてもよいが、両面に設けるほうが、カールを防止できること、画像形成時に表裏の判別無しに使用できること、繰り返し使用できる回数が多くなることから好ましい。
【0054】また、上記膨潤層は片面の厚みが5μm以下になるように設けることが好ましい。5μmを超える場合、上記画像除去促進液の使用量が多くなり、像形成物質を除去した後に該液を蒸発させて像保持体を乾燥するための乾燥手段が大掛かりになる。また、膨潤層にひび割れが生じやすくなるため、特に、OHPシートのように透明性が要求される場合に大きな問題となる。
【0055】また、上記膨潤層の膨潤率は1.5〜20倍となるように、架橋度や像保持体に付与する画像除去促進液の種類を選定することが好ましい。上記膨潤率が20倍を超える場合、膨潤層が厚過ぎる場合と同様に、像保持体に付与する画像除去促進液の使用量が多くなる問題を生じる。また、上記膨潤率が高い場合には、膨潤層の強度が低下し、使用できる繰り返し数が低下する。
【0056】また、前述のように像保持体から像形成物質を除去した後に該像保持体を再利用が可能な状態にするには該像保持体を乾燥する必要がある。像保持体に付与する画像除去促進液の量が多いと乾燥に必要なエネルギー量が大きくなるため、画像除去促進液の付与量は、A4判当たり2ml以下にすることが好ましい。従って、膨潤層の厚みと膨潤率の積から計算される飽和吸収量がA4判当たり2mlを超えない範囲で、膨潤層の厚みと膨潤率とを設定することが、特に好ましい。
【0057】本再生装置における画像除去促進液の付与量は、上記像保持体の膨潤層で吸収しきれない量に設定する。この「膨潤層で吸収しきれない量」とは、像保持体への画像除去促進液の付与工程の時間内において像保持体の膨潤層が吸収しきれず該像保持体の表面上に該液が存在し得る程度の量をいい、該膨潤層の飽和吸収量以上の画像除去促進液が付与されたことにより該膨潤層で吸収しきれない場合や、画像定着の際に像保持体の表面に形成された油膜の影響で該膨潤層が吸収しきれない場合も含まれる。
【0058】本再生装置で用いる画像除去促進液は、安全性の見地から、水又は水を主体とする液体が好ましい。この画像除去促進液としては、水の他に、界面活性剤、水溶性有機化合物を含有させたものを用いることができる。界面活性剤を用いることにより、像保持体、像保持体上の画像、及び画像除去促進液を供給するためのローラなどの部材を画像除去促進液で均一に濡らすことが可能となる。水溶性有機化合物は、湿潤剤又は及び界面活性剤の溶解剤として作用する。
【0059】上記画像除去促進液に使用できる界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、両性界面活性剤、等を挙げることができる。
【0060】上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、グリセリン脂肪酸エステル類、デカグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー類、パーフルオロアルキル燐酸工ステル類、ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン類、等を挙げることができる。
【0061】また、上記アニオン型界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化べプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、モノあるいはジアルキルスルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、モノアルキル燐酸塩、ジアルキル燐酸塩、トリアルキル燐酸塩、モノポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ビスポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、トリスポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル燐酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルケニルアリールスルホン酸塩、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、3−(ω−フルオロアルカノイル−N−エチルアミノ)−1−プロパンスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチル燐酸エステル塩、カルボン酸変性ポリジメチルシロキサン、スルホン酸変性ポリジメチルシロキサン、等を挙げることができる。
【0062】また、上記カチオン型界面活性剤としては、高級アルキルアミン塩、高級アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルベンゼンアミン塩、アルキルベンゼン第4級アンモニウム塩、アルキル複素環第4級アンモニウム塩、等を挙げることができ、上記両性界面活性剤としては、べタイン、アミノカルボン酸、等を挙げることができる。
【0063】また、上記画像除去促進液の像保持体や像形成物質などへの濡れ性を向上させるためには、必ずしも界面活性剤を用いる必要はなく、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類やアセトン、カルビトール、ソルビトール等の水溶性有機化合物を添加することにより同様の効果を得ることができる。しかしながら、これらの有機化合物だけを水に添加して濡れ性を向上するには、少なくとも液全体の5重量パーセント以上の添加が必要となる。界面活性剤を用いることにより、少量の使用で濡れ性を向上できるため、余剰の液が付着した場合にも、液の付着跡が残りにくくなり、OHPシートのように透明性が要求される像保持体からの像形成物質の除去において、再生後の像保持体の透明性を保ことが容易になる。メタノール、エタノールのような比較的、低沸点の溶媒を用いると、上記液跡の発生の問題は無いが、溶剤の蒸気が発生するという点であまり好ましくない。
【0064】従って、本実施形態における画像除去促進液には界面活性剤を添加することが好ましいが、特にOHPシートの再生に用いるためには、界面活性剤の添加は最小限に抑えることが好ましい。界面活性剤の添加量としては、画像除去促進液全体の0.05〜2.0重量%が好ましく、0.05重量%に満たない場合では、十分な像保持体や像形成物質などへの濡れ性が得られないため、画像の除去が困難となる。また、2.0重量%を超える場合には、再生後の像保持体に液跡が生じ易くなる。
【0065】上記画像除去促進液に添加する水溶性有機化合物の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、2−メチル−2,4‐ペンタンジオール、等が挙げられる。これらの水溶性有機化合物の画像除去促進液への添加量も2.0重量%を超えない範囲で用いることが、界面活性剤と同様な理由で好ましい。
【0066】また、本再生装置では、上記画像除去促進液を付与した像保持体の膨潤層若しくは該像保持体の画像形成面上に形成された液膜を加熱することにより、該液膜を構成する画像除去促進液を該膨潤層上の像形成物質との界面部に到達させ、該界面部の膨潤層の膨潤によって像形成物質の接着力を低下させている。そして、上記液膜を構成する液体の少なくとも一部が上記膨潤層上の像形成物質と該膨潤層との界面に到達した後、加熱及び加圧により軟化状態の像形成物質と剥離部材とを接着させ、該像形成物質が接着している剥離部材と像保持体とを分離することにより、像保持体上の像形成物質を像保持体の表面から除去している。
【0067】上記剥離部材は、像保持体から像形成物質を転写・剥離するための部材であり、像形成物質との接着性が高いものが選定されるが、更に剥離部材の特性として、画像除去促進液の成分の蒸発を防止するために、画像除去促進液の成分の蒸気を透過させない特性を有することが好ましい。
【0068】上記剥離部材の具体的な材料例としては、イソプレンゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、天然のゴム、ビスフェノール・エヒクロルヒドリン縮合物などのエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂などのフェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ビニル共重合体ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのビニル系重合体、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリイミド、6,6−ナイロン、6−ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステルなどのポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、などの熱可塑性あるいは熱硬化性の合成樹脂、ニッケル、ステンレススチール、アルミニウムなどの金属及びその酸化物、セラミックス材料、等が挙げられる。
(以下、余白)
【0069】これらの材料は単独でも用いられるが、積層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィスカー、カーボン、シリカ、酸化チタンなどの他の添加物を加えるなどにより複合して用いることもできる。最適な剥離部材の材料は、剥離しようとする像形成物質の種類、像形成物質除去プロセスにより選定されるべきであるが、剥離部材を繰り返し使用することが再生コストを下げるなど種々の点で有利であり、その場合には、比較的高い耐熱性や表面の安定性が要求される。像形成物質の除去特性及び耐久性から好ましい剥離部材28の材料例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ステンレススチール、ニッケル、アルマイトが挙げられる。
【0070】図1は、本実施形態に係る再生装置の一構成例を示す概略構成図である。図1において、電子写真式の画像形成装置などにより画像が形成され、かつ、不要となった像保持体1は、手差し用載置部材としてのガイド板2に沿って手動により給紙コロ3へ導入される。給紙コロ3は、図示しない像保持体センサーで像保持体が装置内に導入されたことが検知されたときに図示しない駆動装置により駆動されて回転し、ガイド板2との摩擦により、像保持体を液付与部へと搬送するように動作する。
【0071】上記液付与部は、内部に画像除去促進液11を保持するための液容器13、ローラ状の液付与部材としての液付与ローラ12、スクイズローラ15、ローラ状の押さえ部材としての押さえローラ14等から構成されている。液付与ローラ12は、例えば、その表面に多数の孔を有する、いわゆるグラビアローラで構成することができる。このグラビアローラで構成した場合には、その孔の大きさや深さを変えることにより表面に保持する液量を変えることができる。液付与ローラ12の一部は、図1に示すように画像除去促進液11に浸漬するように配置され、図示しない駆動系により給紙コロ3の線速と等しくなるように像保持体1の搬送と同方向に回転される。液付与ローラ12に付着する過剰な画像除去促進液11は、液付与ローラ12に連れ回りするスクイズローラ15により、液付与ローラ12から取り除かれる。液付与ローラ12は像保持体1と接触することにより、画像除去促進液11を像保持体1に付与し、該像保持体1の画像像形成面に均一な液膜を形成する。また、押さえローラ14は、例えば、拍車のようにその外周部に突起を有する円盤で像保持体の端部のみを液付与ローラ12に向けて押さえるように構成される。表面が平滑なローラを用いた場合には、像保持体の裏面(画像が形成されていない面)に画像除去促進液11が付着してしまいやすく、好ましくない。
【0072】上記容器13の鉛直方向下方の、筺体61、62で囲まれた装置本体の底部には、ゲル化剤を含む液吸収パッド51が取り付けられている。この液吸収パッド51は、本再生装置を傾けて搬送するときなどに容器13からこぼれる画像除去促進液11を受け止め、装置内が汚れるのを防止するためのものである。
【0073】上記画像除去促進液11を付与した像保持体1は、画像形成面から像形成物質を転写・剥離する剥離部へ搬送される。この剥離部は、加熱部材としてのハロゲン・ランプなどのヒータ22を内蔵した金属製の加熱ドラム21、加圧部材としての加圧ローラ27、入口ローラ23、分離部を構成する分離ローラ24、テンションローラ25、クリーニング用のバックアップローラ26、ローラ23、24、25、26を内接するように設けられたエンドレスベルト状の剥離部材28等から構成されている。上記加熱ドラム21と上記剥離部材28とにより、画像除去促進液11が付与された像保持体1を挾持して搬送する1組の挾持部材が構成されている。上記加圧ローラ27は、表面にシリコーンゴム等の弾性部材の被覆を設けた金属製のローラであり、上記入口ローラ23が配置されている挾持開始位置から上記分離ローラ24が配置されている挾持終了位置に至る挾持搬送経路上で、加熱ドラム21に剥離部材28を加圧するように設けられている。なお、本再生装置では、上記エンドレスベルト側が剥離部材になっているが、加熱ドラムを剥離部材としてもよい。また、像保持体の両面からの像形成物質の転写・剥離を同時に行うためにエンドレスベルト及び加熱ドラムの両方を剥離部材としてもよい。
【0074】また、上記加熱ドラム21に内蔵した加熱部材としてのヒータ22は、剥離部材28との間に挾持された像保持体1の膨潤層若しくは像保持体1上の液膜を加熱するとともに、像保持体1上の像形成物質を加熱するために用いられている。像保持体1の膨潤層を良好に加熱するという観点からは、本再生装置のように像保持体に接触する加熱ドラムに加熱部材を内蔵したほうが好ましい。なお、加熱ドラムに内蔵した加熱部材とは別に、像保持体上の像形成物質を加熱する加熱部材として、加圧ローラにヒータ等を内蔵したり、剥離部材を加熱する加熱ランプを設けたりしてもよい。
【0075】上記加熱ドラム21は、図示しない駆動手段により矢印方向に回転駆動される。加圧ローラ27と加熱ドラム21との間には、図示されていないバネ、油圧などの付勢手段により圧力が加えられ、ローラ・ドラム間にはニップが形成される。また、テンションローラ25は、図示されていないバネ、油圧などの付勢手段により、剥離部材28に所定のテンションが印加されるように構成されている。
【0076】上記液付与部で画像形成面に画像除去促進液11が付与されて液膜が形成された像保持体1は、入口ローラ23近傍において、加熱ドラム21と剥離部材28との間に挿入され、像保持体1の画像保持面と剥離部材28とが重ね合わされて挾持される。表面に余剰の画像除去促進液11からなる液膜を有する像保持体1は、入口ローラ23から分離ローラ24に至るまでのパス(挾持搬送経路)において、加熱ドラム21により加熱される。この加熱により、像保持体1上の皮膜状に形成された像形成物質が軟化状態になるまで加熱されるとともに、像保持体1の膨潤層若しくは液膜が加熱され、該液膜を構成する画像除去促進液11が膨潤層と像形成物質との界面部に速やかに浸透する。この界面部に浸透した画像除去促進液11により該界面部における膨潤層が膨潤し、像形成物質と像保持体1の膨潤層との接着力が低下する。
【0077】上記像形成物質と像保持体1との接着力が低下する過程を、図2に基づいてさらに説明する。図2(a)において、像保持体1は、基体101の両面に膨潤層102、103が設けられて、その片面に皮膜状の画像104を保持している。液付与部で画像除去促進液11を付与された像保持体1は、およそ図2(b)のような状態にある。この図2(b)においては、像保持体1の画像形成面の膨潤層102の像形成物質のない部分102aは、画像除去促進液11を吸収して膨潤しているが、画像104の像形成物質の下層に位置する膨潤層102bは、画像除去促進液11をほとんど吸収していないか、あるいは像形成物質と像保持体1との接着力が十分に低下する量の画像除去促進液11を吸収していない。これは、電子写真用トナーや熱転写インクのように、疎水性樹脂あるいはワックスより形成される像形成物質は、水溶性の画像除去促進液11を透過しにくいため、画像除去促進液11は、像形成物質に阻止されて、その下層の膨潤層102aに到達することが困難なためである。
【0078】像保持体1の基体101が、紙の場合のように画像除去促進液11を吸収あるいは透過する材料でできている場合には、基体101を通して画像除去促進液11が像形成物質の下層部へある程度回り込む。ところが、膨潤層102aの厚みが薄く、特に5μm以下である場合、画像除去促進液11が像形成物質を透過せずに、膨潤層102aを介して像形成物質の下層部に回り込む現象は生じにくい。液付与部により画像形成面に画像除去促進液11が付与された像保持体1が、加熱ドラム21と剥離部材28との間に挟持されて加熱されることにより、画像除去促進液11中の水は、膨潤層102aあるいは像形成物質をきわめて透過し易くなる。これは、像保持体1の表面に付着する水が蒸気となり、分子状態に近い形態になるためと推定される。ここで、像保持体1の表面は水蒸気を透過し難い剥離部材28で覆われているので、水は像保持体1の膨潤層102aへと吸収される。水が吸収された膨潤層102aも加熱されるが、像保持体1の基体101も水蒸気を透過しにくい材料で構成されているため、膨潤層102aからの水分の蒸発は抑制される。以上のように、表面に余剰の画像除去促進液11を付与されて液膜が形成された像保持体1に、画像除去促進液11の蒸気を透過しない材料よりなる剥離部材28を重ね合わせて加熱した結果、図2(c)のように、画像を構成する像形成物質の下側の膨潤層102aにも画像除去促進液11が吸収され、該膨潤層102aは膨潤する。
【0079】上記画像104の下側の膨潤層102aの膨潤作用により、画像104の像形成物質と像保持体1との接着力が著しく低下し、像保持体1から像形成物質を除去することが容易になる。また、上記所定量の画像除去促進液11の付与および上記像保持体の膨潤層若しくは液膜の加熱によって上記画像104を構成する像形成物質の下側に位置する膨潤層102aに画像除去促進液11を効率的に浸透させ、該膨潤層102aを膨潤させることができるので、像形成物質の除去処理を高速で行うことが可能になる。また、像保持体1に付与された画像除去促進液11の一部は、画像の像形成物質を通して該像形成物質の下側の膨潤層に吸収されるので、大きな面積の黒ベタ画像がある場合でも、像形成物質の除去を容易に行うことができる。特に、上記ベタ画像が、穴がなく完全に近い膜を形成している場合でも像形成物質の除去が可能である。このように市販の種々の画像形成装置で記録された画像、種々のパターンで記録された画像も除去できる。
【0080】上記加圧ローラ27で加圧された剥離部材28及び像保持体1は、分離ローラ24が配置されている分離部で分離される。この分離部で像保持体1が分離されるのは、剥離部材28が分離ローラ24に沿って搬送されるのに対して、像保持体1がその剛性により直線方向に進もうとする傾向にあるからである。像保持体1と像形成物質との接着力が十分に低下していない場合、剥離部材28と像保持体1との分離が困難となるが、本再生装置では、像保持体の膨潤層が吸収しきれない余剰の画像除去促進液11を付与し、該液11をならして液膜を形成した状態で像保持体1を加熱することにより、前述のように像保持体1と剥離部材28との接着力が十分に低下するため、分離がきわめて容易になり、像保持体1の搬送不良(ジャム)を生じる可能性が極めて小さくなる。
【0081】また、本再生装置の剥離部において、像保持体1から剥離・転写された剥離部材28上の像形成物質は、冷却ファン34で冷却された後、クリーニング部材31により除去される。このように剥離部材28上の像形成物質を除去することにより、剥離部材28を繰り返し使用できるようになる。上記冷却ファン34は、加熱ドラム21で加熱されて剥離部材28上の粘性率が小さくなり流動性を増している像形成物質を冷却し、該像形成物質の凝集力が該像形成物質と剥離部材28との付着力よりも大きくなる程度まで該像形成物質の温度を低下させ、上記クリーニング部材31で除去しやすくするものである。なお、像保持体1の分離位置からクリーニング部材31によるクリーニング位置に至るまでの距離を、該像形成物質の凝集力が該像形成物質と剥離部材28との付着力よりも大きくなる程度まで該像形成物質が自然冷却されるように設定してもよい。しかしながら、この自然冷却を行う構成に比較して、図1の再生装置にように冷却ファン34を設けて強制的に冷却するように構成した場合は、像保持体1の分離位置からクリーニング部材31によるクリーニング位置に至るまでの距離が比較的短くても、剥離部材28上の像形成物質を所望の温度まで低下させることができるというメリットがある。
【0082】上記クリーニング部材31としては、スパイラル状に刃を形成したローラ、ループ状に金属や有機ポリマーの紬線を巻き付けたたわし状の表面を有するローラ、金属や有機ポリマーのワイヤを植毛したローラが好ましく用いられるが、必ずしも回動可能なローラを用いる必要はなく、金属やセラミックス、有機ポリマーの固定のブレードにより剥離部材28をクリーニングすることも可能である。剥離部材28のクリーニングより剥離部材28より除去された像形成物質33は容器32に蓄積され、適宜処分される。
【0083】上記剥離部において加熱および加圧された像保持体1は、分離爪45a、45bで加熱ドラム21の表面及び剥離部材28の表面から更に確実に分離された後、排出ローラ42、43により残存物除去手段としてのガイド板44上を搬送され、トレー46へ排出され、ストックされる。ガイド板44は、少なくともその表面部が液体吸収性を有し且つ像保持体1の表面を傷つけないような柔らかな材料で構成されている。この表面部の材料としては、フェルト、布、スポンジなどを用いることができる。像保持体1上の余剰の画像除去促進液はガイド板44に吸収される。余剰の画像除去促進液が著しく多いときには、ガイド板44にヒータを設けてガイド板44の表面部を乾燥することもできる。また、像保持体1がガイド板44上を通過する際には、像保持体1はガイド板44上を摺動するが、この際、像保持体1の表面に残存する汚れを除去するように、ガイド板44と排出ローラ42、43との圧接力が図示しない加圧手段で調整される。像保持体1上に残存する汚れの具体例としては、サインペン、鉛筆、ボールペンなどの筆記具で記録された画像や、指紋等を挙げることができる。像保持体1の画像形成面とは反対側の裏面の汚れも除去する場合には、排出ローラ42、43の表面部をガイド板44の表面部と同様に液体吸収性を有し且つ像保持体1の表面を傷つけないような柔らかな材料(たとえば、フェルト、布、スポンジ)で構成すること、ローラ42とローラ43との間でローラの周線速が異なるように駆動し、ローラ42、43の表面で像保持体1の裏面側も擦ること、が好ましい。なお、上記ガイド板44の表面部のフェルト、布、スポンジなどの部材は、汚れた時に容易に交換できるように、脱着が容易になるように構成しておくことが好ましい。
【0084】ところで、本実施形態のように液付与ローラ12を用いて画像除去促進液11を像保持体1に塗布する場合、液付与ローラ12表面から像保持体1に対して直接液が塗布されるのでは十分な量の液を付与することが難しい。そこで、以下のようにして十分な量の液の付与を行なっている。
【0085】図3は、液付与ローラ12による液付与について説明するための説明図である。液付与ローラ12により、画像除去促進液11は、液付与ローラ12と押さえローラ14とに挟持された像保持体1と液付与ローラ12との対向部に搬送され、該対向部の入口部のくさび状の領域に液溜まり11aを形成する。そして、この液溜まり11aを像保持体1が通過することにより、液溜まり11aから像保持体1への液付与が行われる。液溜まり11aが大きいほど像保持体へ付与される液量は多くなる。
【0086】上記液付与部の液溜まり11aから像保持体1に付着する液量は像保持体1の表面に付着している像形成物質の量や湿度などによって多少ばらつく。そして、良好に像形成物質の除去を行うためには、このばらつきによらず像保持体1に十分な量の液を供給することができるように上記液溜まり11aの液量を確保する必要がある。このために像保持体の表面状態を検出できるような検出手段を設け、この検出手段によって像保持体1の表面状態を逐一検出しながら該検出結果に基づいて上記液溜まり11aに供給する液量を制御することも考えられるが、装置構成が複雑になるとともにコストアップにもつながってしまう。そこで、液付与ローラ12から液溜まり11aに供給する液量は、像保持体1に付着する液量よりも多めに設定することが望ましい。ところが、このような設定を採用した場合、液付与ローラ12から液溜まり11aに供給する液量は一定で像保持体1に付着する液量よりも常に多いため、液溜まり11aの液量は徐々に増加していくこととなる。そして、上記液量が増加することにより、液の消費量が多くなってコストアップが生じたり、画像除去促進液11が多量に付着した像保持体1の乾燥に多大のエネルギーが必要となってコストアップが生じたり、該液が再生装置内の搬送部に付着して汚れの原因となったり、搬送品質の低下をもたらしたり、像保持体1の裏面に液が回り込んで汚れや、乾燥ムラを生じたりしてしまうという問題点が生じるおそれがある。
【0087】さらに、本再生装置のように、液付与部において像保持体1の表面に該像保持体の膨潤層が吸収しきれない量の画像除去促進液11を付与した後、加熱ドラム21と剥離部材28とによって挾持される構成にした場合、余剰の画像除去促進液11が加熱ドラム21と剥離部材28とによる挟持搬送部からスクイズ効果で流れ出し、該挟持搬送部の入口近傍で液溜まりや液だれが生じるおそれがある。
【0088】上記液溜まりや液だれが発生したときの様子を、図9及び図10を用いて説明する。液付与部で膨潤層が吸収しきれない量の画像除去促進液11が付与された像保持体1は、入口ローラ23近傍でエンドベルト状の剥離部材28と加熱ドラム21との間に挟持され始める。剥離部材28は、加熱ドラム21の熱が像保持体1や剥離部材28に効率よく伝達されるようにするためや加熱工程において画像除去促進液11の揮発成分の蒸発を抑えるために、画像除去促進液11及びその蒸気を通過させない材質で形成されるので、像保持体1に付与された画像除去促進液11が絞られる結果となる。このスクイズ効果で絞られた画像除去促進液11は図9に示すように液溜まり11bを形成する。
【0089】上記液溜まり11bは、そのまま放置した場合には、液だれとなって装置内部に落下したり加熱ドラム21の熱で蒸発したりして消滅する。しかしながら、像保持体を連続して処理する場合には、入口ローラ23近傍の液溜まり11bが消失する前に、後続の像保持体が液溜まり11bの中を通過することになる。図10は、図9の入口ローラ23近傍の拡大図であり、像保持体1の先端が液溜まり11bを通過している様子を示している。この液溜まり11bを像保持体1が通過すると、像保持体1の像形成物質が付着している画像形成面ばかりではなく、その裏面にも画像除去促進液11が付着してしまう。
【0090】図9の装置例においては、液付与部で像保持体1の画像形成面にのみ画像除去促進液11を付与するが、上記液溜まり11bの生じた箇所を像保持体1が通過することにより、像保持体の非画像面にも液溜まり11bの画像除去促進液11が付着してしまう。そして、像保持体1の乾燥によって像保持体1の非画像面に付着した該液11中の揮発成分が蒸発したときに、該液11中の固形分が像保持体1に汚れとなって不均一に付着することになる。この画像除去促進液11中の固形分は局所的に凝固、固化されるため、透明な像保持体ではその透明性が部分的に失われてしまう。また、画像除去促進液11として界面活性剤を含有する液を使用した場合には、局所的に多量の界面活性剤が像保持体に付着するため、像保持体の一部で定着不良が発生する場合もある。
【0091】上記入口ローラ23近傍において上記液溜まりや液だれが発生しないようにするために、像保持体に付与する画像除去促進液11の量を制御し、挟持搬送部で像保持体1の表面に形成される液膜の量に対応する量を液付与部で付与することが考えられる。しかしながら、この場合には、像保持体の搬送方向の先端部における液付与量が不足しやすく、像保持体の先端部に画像が形成されている場合に該画像を構成する像形成物質の除去が困難となる。また、上記エンドベルト状の剥離部材28に発生する張力は、上記画像除去促進液11のスクイズ効果に影響を与える。この剥離部材28の張力は、剥離部材28の蛇行や像保持体1上の像形成物質と剥離部材28との間の接着等を要因として常に変動し、一定に保つことは困難である。この剥離部材28の張力の変動があっても上記液溜まりや液たれが生じないように、液付与部で像保持体全体にほぼ均等に画像除去促進液11を付与し、この像保持体全体に対する液付与量を上記液溜まりや液たれが生じない程度に設定することが考えられる。しかしながら、この場合には、像保持体の先端近傍において画像除去促進液11の付与量が少なすぎて像保持体の膨潤層の膨潤が十分に生じないため、像保持体の先端部の画像を構成する像形成物質の除去が困難となる。
【0092】そこで、本実施形態に係る図1の再生装置では、上記液付与部における液溜まり11aへの画像除去促進液11の供給量を可変に構成している。具体的には上記液付与ローラ12の回転速度を可変に構成している。そして、像保持体1の後端が液溜まり11aに近づくにつれて、液付与ローラ12の回転速度を低下し、上記液溜まり11aの液量の増加を抑制している。
(以下、余白)
【0093】また、像保持体1の先端部が液付与ローラ12と押さえローラ14との挟持部の入口部に進入するときには、上記液溜まり11aは未だ十分に発達していないので、液付与ローラ12からの直接塗布により液が付与される。しかしながら、上述のように液付与ローラ12表面から像保持体1に対して直接液が塗布されるのでは十分な量の液を付与することが難しい。そこで、本実施形態においては、上記像保持体1の先端が液付与ローラ12と押さえローラ14との挟持部に進入するまでは、液付与ローラ12の回転速度を通常の速度よりも高く設定している。これにより、液溜まり11aを介しての液付与ができず、液付与ローラ12からの直接塗布により液が付与される像保持体1の先端部にも十分な量の画像除去促進液11を付与することができるとともに、液溜まり11aを短時間で形成することができる。
【0094】このような液付与ローラ12の回転速度制御は、例えば、像保持体1の位置を検出する検出手段としての例えば給紙部又は像保持体の搬送経路上に設けられた図示しない像保持体センサと、該センサによる検出結果に基づいて、液付与ローラ12の回転速度を変化させる制御手段とを設けることにより行うことができる。例えば、装置全体の動作を制御するメイン制御部に、上記制御手段としての機能を持たせればよい。
【0095】図1の再生装置においては、像保持体1がガイド板2に沿って手動により給紙コロ3へ導入されると、像保持体1が図示しない像保持体センサーのフィラーなどを蹴ることにより、像保持体1が装置内に導入されたことが検知され、図示しない駆動装置により給紙コロ3が駆動されて回転する。そして、ガイド板2との摩擦により、像保持体1を液付与部へと搬送するように動作する。液付与ローラ12は当初像保持体1の搬送速度v1よりも高い線速v2で回転している。そして、像保持体1先端が液付与ローラ12と押さえローラ14との挟持部(液付与位置)に進入すると、液付与ローラ12の線速は像保持体1の搬送速度v1と同等の速度となる。このとき液付与ローラ12は、像保持体1の搬送部材としても機能する。その後、所定のタイミング、例えば、該像保持体1先端が次段の剥離部の挟持部材として機能する加熱ドラム21と入口ローラ23との挟持搬送部に進入したタイミングから、液付与ローラ12の線速を徐々に低下させる。このとき既に像保持体1の先端が次段の挾持部でグリップされた状態となるので、像保持体1の搬送速度が変化することはない。連続して像保持体の再生を行う場合には、像保持体1と像保持体1との間、いわゆる紙間では液付与ローラ12は線速v2で回転させるようにすればよい。
【0096】以上、本実施形態によれば、上記像保持体1の後端が液付与部の液溜まり11aに近づくにつれて、液付与ローラ12の回転速度を低下させ、像保持体1への画像除去促進液11の付与量を減少させることができる。この画像除去促進液11の付与量を適正な量に制御することより、像保持体1の先端部に画像除去促進液11を十分に付与し、該先端部における像形成物質の除去を良好に行うことができる。しかも、剥離部の挟持搬送部の入口近傍における液溜まり及び液だれの発生を防止することができるので、再生装置内の搬送部への該液の付着による汚れや搬送品質の低下を防止できる。また、該液の像保持体1の裏面への回り込みによる汚れや乾燥ムラも防止できる。
【0097】また、本実施形態によれば、上記液溜まり及び液だれの発生を防止することにより、画像除去促進液11の消費量を抑えることが可能であり、かつ、像保持体1の乾燥に必要なエネルギーが低減可能となり、コストダウンが実現できる。
【0098】また、本実施形態によれば、上記液付与ローラ12の回転速度を可変にすることにより、何等メカ的な追加をすることなく像保持体1への画像除去促進液11の付与量を可変にできるので、構成が簡易である。
【0099】なお、上記実施形態において、上記液付与部の液溜まり11aへの画像除去促進液11の供給量を可変に構成するには、上記液付与ローラ12の回転速度を可変にする構成に代え、液付与ローラ12の表面に担持する画像除去促進液11の液量を規制する規制部材を設け、この規制部材と液付与ローラ12の表面との間隙又は接触圧を可変にした構成を採用してもよい。図4はこのように構成した液付与部の一例を示す図である。この液付与部の構成においては、中心軸112aを中心として揺動可能なアーム112の先端に上記規制部材としての規制ローラ111が設けられている。そして、ソレノイド113によりアーム112が揺動することにより、規制ローラ111が液付与ローラ12に対して図中矢印方向に離接可能にされている。規制ローラ111の表面と液付与ローラ12の表面との間隙は、ソレノイド113を制御手段としての図示しないメイン制御部で制御することによって任意に設定可能となっている。そして、上記間隙に応じた液量の画像除去促進液11が上記液溜まり11aに供給されることとなる。
【0100】図4の液付与部の構成例の場合には、像保持体1の後端が上記液付与部の液溜まり11aに近づくにつれて、液付与ローラ12と規制ローラ111との間隙を小さくする。これにより、上記液溜まり11aに液付与ローラ12から供給する液量を減少させて液溜まり11aの液量の増加を抑制することができる。なお、像保持体1の後端が液溜まり11aに近づくにつれて、液付与ローラ12と規制ローラ111との接触圧を増加させることにより、液溜まり11aに液付与ローラ12から供給する液量を減少させるようにしてもよい。
【0101】さらに、図4の液付与部の構成例では、規制ローラ111が液容器13内の画像除去促進液11の液面を覆うように設けられており、該液11が含有する水分が蒸発するのを防止する役目も果たす。また、規制ローラ111によって液付与ローラ12表面の液量が規制される際に、液付与ローラ12によって画像除去促進液11内の不純物、例えば、塵、埃、像形成物質としての例えばトナーなどの汲み上げも抑制することができる。
【0102】また、上記液付与ローラ12表面に接触して表面の画像除去促進液11を吸収する吸収部材を設け、この吸収部材と液付与ローラ12との接触面積を可変にした構成を採用することにより、上記液溜まり11aへの液の供給量を可変にしてもよい。図5はこのような構成を採用した液付与部の一例を示す図である。この液付与部の構成例においては、吸収部材114がソレノイド115によって矢印方向に移動可能に設けられている。そして、ソレノイド115によって吸収部材114を液付与ローラ12に押しつけて吸収部材114と液付与ローラ12との接触幅Wを変化させ、吸収部材114と液付与ローラ12との接触面積を変化させる。吸収部材114としては、例えばフェルトなどの不織布を用いることができる。例えばこのような布を用いた場合、水分は布の間を毛細管現象により吸収する。そして、接触面積が大きいほど水分の吸収量も多くなる。このように吸収部材114の接触面積を変化させることにより画像除去促進液11の吸収量を変化させ、液付与ローラ12によって液溜まり11aに供給する液の量を変化させることができる。
【0103】図5の液付与部の構成例の場合には、上記像保持体1の後端が液溜まり11aに近づくにつれて、液付与ローラ12と吸収部材114との接触面積を大きくする。これにより、上記液溜まり11aに液付与ローラ12から供給する液量を減少させて上記液溜まり11aの液量の増加を抑制することができる。
【0104】さらに、図5の液付与部の構成例においては、所定のタイミング、例えば、像保持体1の後端が液付与ローラ12と押さえローラ14との挟持部を通過したタイミングで、ソレノイド115により吸収部材114を液付与ローラ12から離間させて、吸収部材114を液容器13の内壁面に押しつけて吸収部材114に吸収された画像除去促進液11を絞り出す。この絞り出された画像除去促進液11は、上記内壁面を伝って流れ落ち、液容器13に再び収容される。このように、液付与ローラ12で汲み上げた画像除去促進液11を回収することにより、画像除去促進液11が液容器内であたかも循環している状態となって、液内の成分が均一に撹拌される状態となるので、像保持体1への塗布ムラを防止することができる。
【0105】図4又は図5の構成を採用した場合にも、上記液溜11aまりへの液11の供給量の制御は、像保持体1の位置を検出する検出手段としての例えば給紙部、又は像保持体1の搬送経路上に設けられた図示しない像保持体センサと、該センサによる検出結果に基づいて、規制ローラ111と液付与ローラ12の表面との間隙又は接触圧、若しくは、吸収部材114と液付与ローラ12との接触面積を変化させる制御手段を設けることにより行うことができる。
【0106】なお、上記像保持体1の位置を検出する検出手段を用いた制御の代わりに、自動給紙・送装置を装着して、所定のタイミングで自動的に上記液溜まり11aへの液11の供給量の制御を行うように制御手段を構成すれば、同様に上記液11の供給量の制御を行うことは可能である。例えば、記憶手段に記憶しているソフト上に上記制御のプログラムを記憶させておけばよい。しかし、上記像保持体1の位置を検出する検出手段を用いた制御を用いた方が、確実に上記制御を行うことができ、操作性もよい。
【0107】また、上記実施形態において、上記液付与ローラ12を用いた構成に代え、像保持体1に対して画像除去促進液11を吐出することにより該液11を像保持体1に付与するようにした構成を採用してもよい。図6はこのように構成した液付与部の一例を示す図である。この液付与部は、液吐出ヘッド71、液容器72、液供給管74等により構成されている。液容器72内の画像除去促進液11は、液供給管74により液吐出ヘッド71に供給される。液吐出ヘッド71は、その像保持体1と対面する側に図示しないノズルを有し、該ヘッド71内に設けられた図示しない電歪素子を駆動することにより該ヘッド71の液室内の画像除去促進液11に周期的に圧力が印加され、液滴73が像保持体に向けて吐出するように構成されている。
【0108】図6の液付与部の構成において、像保持体1の搬送方向について画像除去促進液11の付与量を可変とするには、上記電歪素子に印加する電圧を変化させることができるようにする。そして、例えば、像保持体1が先端から一定の長さだけ上記液吐出ヘッド71による液付与位置を通過した時点で、電歪素子に印加する電圧をゼロとして液吐出を完全に停止することにより、剥離部の剥離部材28及び加熱ドラム21で挟持され始める箇所における液溜まりや液だれの発生を防止することができる。また、液付与ローラから構成される液付与部に比較して液容器を密閉することが容易であるので、再生装置を傾けた場合においても、画像除去促進液11がこぼれたり、液面が傾くことによって液付与が不均一になったりするのを防止できる。また、再生装置内の温度が上昇したり、再生装置を長時間使用せずに放置した場合においても、液中の揮発成分の蒸発量が少ないため、再生装置を安定に動作させることができる。さらに、像保持体を液中に浸漬させる場合のように像保持体と画像除去促進液11との接触時間が長くなったりすることがなく、しかも像保持体に付着する液以外の液が像保持体に接触しないので、画像除去促進液11自体の汚れが発生しにくい。
【0109】また、上記実施形態において、上記液付与ローラ12を用いた構成に代え、液噴出部を備えた液付与ヘッドに像保持体1を接触させて画像除去促進液11を像保持体1に付与するようにした構成を採用してもよい。図7(a)はこのように構成した液付与部の液付与ヘッドの一例を示す図である。この液付与ヘッドは、液噴出口を有する液噴出部81と、上流側壁84及び下流側壁83からなる液回収部とにより構成されている。液噴出部81では、図示しない液容器から同じく図示しないポンプにより汲み上げられた画像除去促進液が、液噴出口82から噴出される。この画像除去促進液の噴出により、図7(b)に示すように像保持体と液噴出部81との間に液溜まり86が形成される。図中矢印Aの方向に搬送される像保持体1上に付着した余剰の画像除去促進液11は、下流側壁83の上部に該液11が接することにより絞られるが、絞られた後にも像保持体1の膨潤層の表面には、膨潤層で吸収しきれない量の画像除去促進液11が残留する。なお、上記下流側壁83の上部に溝等の凹凸を形成し、上記絞られた後の残留量を制御するように構成してもよい。
【0110】上記液噴出口82から噴出して流れ落ちた画像除去促進液11や上記下流側壁83の上部で絞られた像保持体1上の余剰の画像除去促進液11は、図7(b)の白抜き矢印Bで示す経路を通り、液回収口85から図示しない液容器に回収される。
【0111】図7の構成の液付与部で像保持体1への液付与量を可変にするには、例えば、ポンプモータの回転数を変えたり、液噴出部81と図示しないポンプとの間に流体抵抗を設けて、その抵抗の大きさを変えたりする。そして、例えば、像保持体1の搬送方向先端から一定の長さが液付与位置を通過した時点で、ポンプモータの作動を停止し、液噴出部81での画像除去促進液11の噴出を完全に停止させることにより、剥離部の剥離部材28及び加熱ドラム21で挟持され始める箇所における液溜まりや液だれの発生を防止することができる。
【0112】なお、上記実施形態の剥離部では像保持体1を挾持する1組の挾持部材を、エンドレスベルト状の剥離部材28と加熱ドラム21とにより構成しているが、図8に示すように両挾持部材をエンドレスベルト状の部材で構成してもよい。図8の再生装置では、剥離部における像保持体1のバックアップを、上記加熱ドラム21の代わりにエンドレスベルト状のバックアップベルト127で行っている。このバックアップベルト127とエンドレスベルト状の剥離部材28とにより上記1組の挾持部材を構成している。上記バックアップベルト127は、加熱部材としてのヒータ125a,126aをそれぞれ内蔵した加熱ローラ125、126を内接し、加熱部材としてのヒータ122aを内蔵した加熱・加圧ローラ122、加圧・分離ローラ123に表面が巻き付けられるように張り巡らされている。また、エンドレスベルト状の剥離部材28は、入口ローラ121、加熱・加圧ローラ122、加圧・分離ローラ123を内接し、加熱ローラ125、126に表面が巻き付けられるように張り巡らされている。この図8の再生装置の場合、過剰な画像除去促進液11が付与されて液膜が形成された像保持体1は、入口ローラ121の近傍で、バックアップベルト127と剥離部材28との間に挟持されて搬送され、加圧・分離ローラ123近傍まで搬送される。この搬送の間、一対のエンドレスベルト(バックアップベルト127、剥離部材28)に挟特され、画像除去促進液11の蒸気の蒸発が抑制されたまま、加熱ローラ125、加熱・加圧ローラ122、加熱ローラ126により加熱される。また、加圧部材としての加熱・加圧ローラ122は加熱ローラ125,126との間で両ベルト28,127同士を加圧し、加圧・分離ローラ123は加熱ローラとの間で両ベルト28,127同士を加圧する。
【0113】図8の再生装置のようにエンドレスベルトの間に像保持体1を挟持して加熱・加圧することの利点の一つは、加熱のパスの長さ曲率を比較的任意に選定できることである。像保持体1の基体としてポリプロピレンのように比較的耐熱温度の低い材料を用いる場合、一方向にのみ曲げたまま加熱を続けると、曲率に従った熱変形を生じる場合がある。この熱変形を防止するためには、図8の再生装置のように、像保持体1が加熱されながら搬送されるパスがジグザグ状になっていることが好ましい。
【0114】図8の再生装置において、加熱および加圧された像保持体1は、分離爪141、142で剥離部材28およびバックアップベルト127から分離された後、ガイド板143および残存物除去手段としてのガイド板44上を搬送され、排出ローラ43でトレー46へ排出される。
【0115】
【発明の効果】請求項1乃至13の発明によれば、像保持体上に形成した画像の種類により該膨潤層に液体が浸透しにくい場合であっても、該膨潤層と像形成物質との界面部に液体が速やかに浸透して該膨潤層が膨潤し、該像形成物質の接着力が低下するので、像保持体から画像を構成する像形成物質を効率的且つ確実に除去できる。しかも、上記像保持体への上記液体の付与量を変化させ、液体が像保持体に過剰に付着したり、逆に像保持体に付着する液体が不足したりするのを防止することができるという効果がある。
【0116】特に、請求項2、4、6、8、10及び13の発明によれば、像保持体の後端が液付与部の液付与位置に近づくにつれて液体の付与量を減少させるので、像保持体の先端部への液付与量を多めに設定していた場合に像保持体に付与されるトータルの液体の量が増加するのを抑制することができる。よって、像保持体の搬送方向先端部に十分な量の液体を付与できるとともに、像保持体を1組の挾持部材で挾持し始める箇所における液溜まりや液だれの発生を抑え、装置内の汚れ、搬送路への液体の付着による搬送品質の低下、及び像保持体裏面への絵喜多院回り込みによる像保持体の汚れや乾燥ムラを防止できる。しかも、液体の消費量を抑えることが可能であり、かつ、像保持体の乾燥に必要なエネルギーが低減可能となり、コストダウンが実現できるという効果がある。
【0117】また特に、請求項5の発明によれば、液付与部材の表面速度を変えることで液付与部の液溜まりへの液体の供給量を変化させるので、何等メカ的な追加をすることなく上記液付与部の液溜まりへの液体の供給量を可変にできるので、構成が簡易であるという効果がある。
【0118】また特に、請求項11の発明によれば、液付与部の液溜まりを介しての液付与ができずに液付与部材からの直接塗布により液体が付与される像保持体先端部にも、十分な量の液体を付与することができるとともに、液溜まりを短時間で形成することができるので、像保持体の先端部からも良好に像形成物質を除去することができるという効果がある。
【0119】また特に、請求項12及び13の発明によれば、液付与ローラ等の表面に液体を担持する液付与部材を用いて構成される液付与部に比較して、液体を収容する液容器を密閉することが容易であるので、再生装置を傾けた場合においても、液体がこぼれたり、液面が傾くことによって液付与が不均一になったりするのを防止できる。また、再生装置内の温度が上昇したり、再生装置を長時間使用せずに放置した場合においても、液体中の揮発成分の蒸発量が少ないため、再生装置を安定に動作させることができる。更に、像保持体を液中に浸漬させる場合のように像保持体と液体との接触時間が長くなったりすることがなく、しかも像保持体に付着する液以外の液が像保持体に接触しないので、液体自体の汚れが発生しにくいという効果がある。




 

 


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