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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−202614
公開日 平成11年(1999)7月30日
出願番号 特願平10−7045
出願日 平成10年(1998)1月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 勝広 (外1名)
発明者 大関 行弘 / 境澤 勝弘 / 小川 研也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体に対向して配置され、且つその表面粗さRzが、その表面に担持する現像剤の重量平均粒径Dの1/2以上である現像剤担持体と、該現像剤担持体に現像剤を供給するための現像剤供給手段と、上記現像剤担持体表面の現像剤量を規制するための現像剤量規制手段とを有し、上記像担持体と上記現像剤担持体とが対向している現像領域で、像担持体の静電潜像を現像剤担持体上の現像剤にて現像する現像装置を備えた画像形成装置であり、現像剤担持体の表面が、導電体を分散させた耐熱性樹脂を含む100℃以上の耐熱特性を有する現像剤離型層で形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 現像剤離型層の主成分が、現像剤の帯電極性と逆極性の耐熱性樹脂である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】 耐熱性樹脂がシリコーン樹脂を主成分とするものであり、且つ現像剤の帯電極性が、この耐熱性樹脂に対して負極性である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】 耐熱性樹脂がフッ素樹脂を主成分とするものであり、且つ、現像剤の帯電極性が、この耐熱性樹脂に対して正極性である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】 導電体が、カーボンブラックである請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】 現像剤を構成するトナー粒子の形状係数SF−1が100〜140、SF−2が100〜120の範囲にある請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】 トナー粒子の一部又は全部が重合法により形成されている請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】 トナー粒子がコア/シェル構造を有する請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】 コア部の主たる成分が低軟化点物質であり、該低軟化点物質の融点が40〜90℃である請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】 現像剤が、非磁性一成分現像剤である請求項1〜9に記載の画像形成装置。
【請求項11】 現像剤表面の外添剤被覆率が5〜99%である請求項1〜10に記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、プリンター或いは複写機等に用いられる電子写真法を用いた画像形成装置に関し、特に、非磁性一成分現像剤を用る現像装置を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法を用いた現像装置は、用いる現像剤(以下、トナーと記す)の種類によって若干構成が異なるが、磁性1成分系現像剤(以下、磁性1成分トナーと記す)を用いる場合でも、非磁性1成分系現像剤(以下、非磁性1成分トナーと記す)を用いる場合でも、ほぼ同様な構成をとる。即ち、磁性1成分トナーの場合には、現像剤担持体(以下現像スリーブと記す)内にマグネットが必要となる以外は同様の構成を有する。そこで、図6に、非磁性1成分トナーを用いた場合の現像装置の従来例を示す。図6に示すように、従来より知られているこの種の現像装置101は、図中のX方向に回転する像担持体である感光体100と、該感光体100に対向して配置され、その対向領域に図中のY方向に回転しながら現像領域を形成する現像剤担持体である現像スリーブ102と、該現像スリーブ102に非磁性トナーTを、図中のZ方向に回転することによって供給する現像剤供給手段である供給ローラ104と、現像スリーブ102上のトナーTの塗布量及び帯電量を規制するための現像剤規制手段である現像ブレード103と、トナーTを蓄えるためのホッパー106と、現像スリーブ102の下側からのホッパー106内のトナーTの外部への飛散を防ぐための吹出し防止シート105等からなる。
【0003】一方、磁性トナーを用いる場合は、上記に加えて現像スリーブ102内にマグネットが必要になるが(不図示)、この場合は、現像スリーブ102に磁性トナーTを供給するための供給ローラ104が不必要となる場合が多い。又、この場合にはトナーTの飛散を防ぐために、吹出し防止シート105に代えて、同領域に、トナー捕集のため、又は、トナー飛散防止のために、磁性部材を配置することも可能になる。
【0004】上記のような各部材を有する現像装置101においては、不図示の電源より、現像スリーブ102に現像バイアスを印加することによって現像領域に現像電界を形成し、感光体100の表面に不図示の手段によって形成された静電潜像を、現像スリーブ102の表面に鏡映力で担持されているトナーTで現像して可視化する。この現像時に、現像スリーブ102表面に残留した残留トナーT’は、供給ローラ104を介してホッパー106内に回収される。この現像装置101は、基本的には絶縁性の非磁性1成分トナーを用いるものであり、又、供給ローラ104から現像スリーブ102へのトナーTの供給は、供給ローラ104と現像スリーブ102との摺擦領域において、トナーTが摩擦帯電することにより生ずる鏡映力によって行なわれる。磁性トナーの場合は、周知の如く、トナーの供給搬送に磁気力が加わる。又、トナーTの現像スリーブ102への供給量の調整は、現像スリーブ102と供給ローラ104の周速差で行なわれる。又、上記形式の現像装置101においては、トナーTの搬送に磁気力を必要としないので、トナーは非磁性体でよく、黒色や褐色の磁性体を使用しないため特にカラー画像の形成には有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来例では、用いるトナーの物性によっては、現像ブレード103及び現像スリーブ102の当接ニップ領域にて不具合が生じ、現像スリーブ102の表面に未帯電トナーが多量に発生するため、磁性トナーを使用した場合には、濃度低下、反転カブリの増加等の問題が生じ、非磁性トナーを使用した場合は、前記問題点に加え、トナー飛散の増加、現像スリーブ102の表面からの未帯電トナーの脱落等が発生し、良好な画像形成を困難にしていた。
【0006】更に詳しく述べると、本発明者らの検討によれば、トナーの空隙率が低くなると、この傾向が著しくなることが明らかになってきている。ここで、トナーの空隙率の測定方法について説明する。先ず、ホソカワミクロン(株)製のパウダーテスターに付属している容器を用いて、該パウダーテスターの取扱説明書の手順に従って、現像剤のゆるみ見かけ密度を測定する。次に、島津製作所のアキュピック1330を使用し、トナーを、10cm3の測定用セルに、ごく軽くタッピングしながら容器の8分目程度まで充填し、40℃に設定した真空乾燥機で24時間乾燥した後、重量を測定してから本体に挿入し、ヘリウムガスの充填圧力を134.45kPaで10回パージした後、充填圧力134.45kPa、平衡圧0.0345kPaで5回測定して平均値を求め、真密度を求めた。そして、下記の式によって空隙率を算出した。

【0007】本発明者らの検討によれば、以上のようにして算出したトナーの空隙率が約60%以下となると、前記した問題が顕著になる傾向があることがわかった。そして、この空隙率は、トナー粒子の粒径が小さい程、又、トナー粒子の形状が球形に近い程、更に、トナーの流動性が高い程、低くなる傾向にある。特に、形状係数SF−1が100〜140、SF−2が100〜120の範囲にあるような球形トナーに対して、高流動性を得るべく外添処理を行った場合には、空隙率は60%を下回り、前記した問題の発生が著しくなることがわかった。
【0008】ここで、上記の球形トナーの球形度合について説明する。トナー粒子の形状の球形度合は、下記のようにして算出される形状係数SF−1とSF−2を用いて示すことが可能である。即ち、トナーの形状係数SF−1及びSF−2は、日立製作所FE−SEM(S−800)を用いトナー像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行って、下記式より算出される値で定義している。

【0009】上記トナーの形状係数のうち、SF−1は球形度合を示し、SF−1が100の場合は真球状であり、140よりも大きいと球形から徐々に不定形になる。又、形状係数SF−2はトナー粒子表面の凹凸度合を示し、SF−2が100の場合は表面が円滑であることを示し、120よりも大きいとトナーの表面の凹凸が顕著になる。本来、トナー粒子の球形化度合を示すSF−1が100〜140、球形トナーの表面状態を示すSF−2が100〜120の範囲内にあれば、トナーの球形化に伴って、良好な転写性を得ることが可能になるはずである。そして、トナーの流動性が高ければ、ガサツキ、飛散り等が低減し、転写性の向上と合せて、良好な画像性を得ることが可能になるはずであるが、前記した空隙率が低いトナーを使用した従来例においては、前記した濃度低下、反転カブリの増加等の問題が発生する。本発明者らの検討によれば、これは、以下に示す理由によって生じるものと考えられる。
【0010】トナーの空隙率が低くなると濃度低下、反転カブリの増加等の問題が発生する原因は、現像ブレード103と現像スリーブ102との当接ニップ領域内におけるトナーの挙動が大きく関係していると考えられる。以下、これについて、図6に加え、図7、図8及び図9を用いて説明する。先ず、濃度低下、反転カブリ等の現象が顕著に生じる前記した球形トナーの場合を例にとって説明する。空隙率の低い球形トナーを用いた場合は、現像スリーブ102と供給ローラ104の当接領域近辺において、トナーTが回動する結果、現像スリーブ102表面との摩擦帯電により、トナーは帯電量を得る。供給ローラ104によって供給され、上記のようにして帯電量を得たトナーTの一部は、その結果生じる鏡映力によって現像スリーブ102表面に担持され、図7に示すように、現像ブレード103と現像スリーブ102表面との当接ニップ領域Nに搬送されてくる。この際、トナーTの空隙率が低いため、図7に示すように、現像スリーブ102表面に比較的密な状態で担持され、搬送されてくる。現像スリーブ102表面のトナーコート層の第1層が密になると、現像スリーブ102表面との摩擦帯電により生じた鏡映力に加えて、トナーコート層第1層からの摩擦力により、供給ローラ104によって供給されて第1層目に供給されなかったトナーTも、第2層目として、比較的密に搬送される。同様な理由によって、第3層、第4層…と、第1層の上に多層積載され、多層構成のトナーコート層が形成される。
【0011】理想的には、このトナーコート層中のトナーTは全て同様な帯電量を得ていることが最適であるが、実際には、帯電量分布を持っており、このトナーコート層中には、反転トナーや未帯電トナーもある割合で存在する。そこで、図7に示したニップN中において、トナーコート層の最適化とトナーTの帯電量分布の最適化が図られるわけであるが、この過程について以下に詳しく説明する。図7中、第2層目にコートされたトナーをT2として示した。図7では、ニップNにて、多層トナーコートとして3層にトナーを規制する場合を示している。図7に示した例では、ニップN内では、第1層目のトナーコート層が密であるため、現像スリーブ102の回転方向Yと同方向にトナーT2に対して力F1が働く。一方、第3層目のトナーには、現像ブレード103からの摩擦力F2が働く。このF1及びF2の働きにより、トナーT2と第3層目のトナー間には、力F3が働くことによって回動が生じ、第2層目、第3層目のトナー共に、現像ブレード103と接触する機会が生じる。ニップN中では、現像ブレード103には、当接圧が働いているので、第1層目は現像スリーブ102表面と、第2層目、第3層目は現像ブレード103と摩擦帯電し、トナーコート層中の帯電量分布の最適化が行われ、トナーコート層中の反転トナー及び未帯電トナーが大幅に減少し、良好な画像形成が可能となる。この様な状況下では、前記した濃度低下、反転カブリ等の問題は生じない。
【0012】しかしながら、トナーTの帯電性が低下すると問題が生じる。即ち、トナーTの帯電性が低下し、現像スリーブ102と供給ローラ104との当接近辺におけるトナーTと現像スリーブ102表面との摩擦帯電性が低下すると、十分な帯電量を持ったトナーTが減少し、図8に示すように、第1層のトナーコートが疎になる。その結果、図7における力F1は大幅に減少し、図8に示したF1’のようになる。その結果、トナーTの帯電量が不十分なことと相まって、第2層のトナーコートも疎になる。同様に第3層、第4層、…も疎になる。しかしながら、部分的には密なコート領域も存在するので、図8に示したように、ニップN中のトナーコート層数は図7に示した場合と同様に3層となる。現像ブレード103の通常の当接圧下では、コート層が疎になってきても、ニップN中のコート層数は変わらない。つまり、ニップN中のトナーコート層数は不変であるので、コート層中のトナーTが疎になることは、ニップN中のトナー密度の低下を意味する。このようなトナー密度の低下は、トナー同士の摩擦力の減少をもたらし、その結果、トナーT2と第3層目トナーTとの間の回動は生じにくくなる。結果として、トナーT2の帯電量付与の機会が失われ、トナーコート層中の帯電量分布の最適化が図れなくなる。このようにしてトナーコート層中に、反転トナーや未帯電トナーが増加すると、前記した濃度低下、反転カブリ等の問題が生じてしまうことになる。
【0013】トナーTの帯電性が低下する場合としては、いく通りかの原因が考えられるが、代表的な3つの場合を以下に示す。1つ目は、トナー自身の帯電性が始めから比較的低い場合である。トナー自身の滑り性が良い球形トナーは摩擦力が低下するため、この傾向が強い。更に、例えば、現像装置の耐久性を向上させることを目的として、耐久によるトナー自身のチャージアップを防止するために、意識的に帯電量を低下させるために外添剤処理を行う場合もある。これは、トナーがチャージアップすると、ゴーストが悪化し、又、画像上にガサツキ、飛散りが生じ、更には現像性が低下することが生じるからである。
【0014】2つ目は、従来例に示したような非磁性1成分現像装置の場合に、耐久によるトナー劣化が生じ、トナーの帯電性が低下してしまう場合がある。3つ目としては、トナーに添加させた外添剤や、微粉トナーがチャージアップして、現像スリーブ102表面に固着し、新たなトナーと現像スリーブ102表面との摩擦帯電性を阻害する結果、トナーの帯電性が低下してしまう場合である。
【0015】以上説明したように、空隙率の低いトナーを用いた場合に、従来の現像装置においては、反転トナーや、特に未帯電トナーが増加する結果、前記した濃度低下、反転カブリ等の種々の問題を引き起こしていた。一方、従来から用いられている粉砕トナー(重量平均粒径で約7μm以上のトナー)等の空隙率の高いトナーは、図9に示すように、ニップN中のトナー密度が低くても、トナー自身の摩擦力が高いので、現像スリーブ102表面の摩擦力F1”が上昇し、更に、第2層、第3層のトナーに対してもトナー間に摩擦力が働くので、図9に示したトナーT2’と第3層目トナー間に力F3’が生じてトナーの回動が生じるので、先に説明した空隙率の低い球形トナー等の場合と比べて、現像ブレード103のトナーへの帯電量付与性が高くなる結果、前記問題点に対するマージンが広くなり、前記した濃度低下、反転カブリ等の不具合が生じにくくなる。しかし、粉砕トナーの場合には、流動性が劣ったり、高精細画像を得るために要求される粒度分布がシャープな小粒径トナーが得られにくいという別の問題がある。
【0016】以上、説明したように、従来の現像装置においては、転写性の向上や高画質を得るために、流動性の高い球形トナーを使用することや、更なる高精細画像を目指して、重量平均粒径が5μm以下となるような微粒子トナーを用いることが困難であった。上記説明では、非磁性1成分トナーに対して述べたが、上記の現象は、基本的には磁性1成分トナーにおいても生じることであり、程度の差はあるが、磁性1成分トナーにおいても同様な問題が生じている。これに対し、既に、本願出願人らによって、上記問題を解決することができる発明が提案されている。即ち、本願出願人は、現像スリーブや現像ローラ等の現像剤担持体を改良し、現像剤担持体の表面粗さ(Rz)を、使用するトナーの重量平均粒径をDとしたときに、Rz≧1/2Dとなるように加工、処理すること等によって、上記問題の解決を図っている。つまり、現像剤担持体の表面積を増加させることによって、トナーに対する帯電量付与性能を向上させ、上記問題点の解決を図ったのである。
【0017】しかしながら、本発明者らがその後に検討した結果、上記したような現像剤担持体の改良は、上記問題を解決する一方で、新たな問題を生じさせることがわかった。即ち、上記提案では、現像剤担持体の表面積を増加させることによって、トナーに対する帯電量付与性を向上させているため、現像剤担持体表面とトナーとの摩擦帯電機会が増加し、その分、摩擦熱の発生量が増加することが生じる。この様な状況下で、現像剤担持体表面に現像に供されなかった残留トナーが生じると、例えば、従来のようにアルミニウム等の離型性の低い材料から成る現像剤担持体を用いている場合には、供給ローラ104等によって、現像剤担持体表面から残留トナーを十分に除去することができず、これらの残留トナーが現像剤担持体表面に固着することが生じる。
【0018】すると、上述したように、現像剤担持体表面とトナーとの間の摩擦熱の発生量が多いので、現像剤担持体表面に固着したトナーが融着するという新たな問題が生じてしまう。現像剤担持体表面に固着したトナーを、供給ローラ104等によって現像剤担持体表面から100%除去することは極めて困難であり、トナーが現像剤担持体表面に一度溶融し、固着してしまうと、現状では現像剤担持体表面のトナーに対する離型性が上記したように低いため、固着したトナーが容易には除去されず、逆に大きく成長してしまうことが生じる。この結果、上記したトナーに対する帯電量付与性能を向上させた現像剤担持体を使用しているにもかかわらず、現像剤担持体表面におけるトナーへの帯電量付与性能が再び低下し、再度、従来の濃度低下、反転カブリ等の問題が発生してしまい、その効果を十分に発揮させることができなかった。以上説明したように、従来技術では先に述べた問題を解決することが非常に困難であった。
【0019】従って、本発明の目的は、現像剤担持体表面の粗さを所定の値以上に粗すことによって表面積を増加させ、現像剤担持体表面のトナーへの帯電量付与性能を向上させる一方、現像剤担持体表面において、トナー融着や固化、或いはこれらの成長を有効に防止することを可能とし、現像剤担持体表面におけるトナーへの帯電量付与性を向上させ、且つ長期間に渡ってこれを維持することができるようにすることによって、流動性の高い球形トナーや、重量平均粒径が5μm以下となるような粒度分布がシャープな微粒子トナーに対して、長期間に渡って安定した現像工程が行える現像システムを提供し、トナー飛散、現像スリーブからのトナー脱落、画像濃度低下、反転カブリ等の生じない高品位な画像を長期間に渡って形成することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体に対向して配置され、且つその表面粗さRzが、その表面に担持する現像剤の重量平均粒径Dの1/2以上である現像剤担持体と、該現像剤担持体に現像剤を供給するための現像剤供給手段と、上記現像剤担持体表面の現像剤量を規制するための現像剤量規制手段とを有し、上記像担持体と上記現像剤担持体とが対向している現像領域で、像担持体の静電潜像を現像剤担持体上の現像剤にて現像する現像装置を備えた画像形成装置であり、現像剤担持体の表面が、導電体を分散させた耐熱性樹脂を含む100℃以上の耐熱特性を有する現像剤離型層で形成されていることを特徴とする画像形成装置である。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係る画像形成装置の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。以下、図面に則して詳しく説明する。尚、次に説明する実施例においては、例えば、図5に示されるような電子写真画像形成装置に具現化されるものとして説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。図5に示した電子写真画像形成装置においては、像担持体である感光体ドラム0を回転自在に設け、該感光体ドラム0を一次帯電器15で一様に帯電し、次に、例えば、レーザのような発光素子16によって情報信号を露光して感光体ドラム0上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置1で可視像化する。次に、得られた可視像を、転写帯電器17により転写紙18に転写し、更に、定着装置19で定着して永久画像を得る。又、転写されずに残った感光体ドラム上の転写残トナーは、クリーニング装置20により除去される。
【0022】実施例1及び比較例1図1において、感光体ドラム0は、矢印X方向に回転速度VXで回転し、不図示の手段にて、その表面にイメージ露光により静電潜像が形成される。該静電潜像を現像する際に使用する非磁性1成分現像装置1は、矢印Y方向に、回転速度VYで回転する現像スリーブ2と、現像ブレード3、矢印Z方向に回転する供給ローラ4、吹出し防止シート7、非磁性1成分トナーTを収容するホッパー8を備えている。ここで感光体ドラム0の回転速度と、該感光体ドラム0と対向する位置にある感光体ドラム0と共に現像領域を形成する現像スリーブ2の回転速度との関係は、VY>VXである。又、現像スリーブ2には、負極性DC電圧6と、AC電圧5との重量電圧を発生可能な現像バイアス電源9が接続されている。一方、感光体ドラム0は、接地されている。尚、本実施例では、上記の現像スリーブ2に、本発明の特徴であるその表面に導電体を分散させた現像剤離型層を有するものを使用する。その詳細については、後述する。
【0023】以下、本発明の画像形成装置に好適な現像剤について説明しつつ、本実施例で用いた非磁性1成分トナーTについて説明する。本実施例では、転写性向上を主たる目的として、負極性の非磁性一成分系の球形トナーTを用いた。球形トナーTは、重量平均粒径6μmであり、前述したトナー粒子の形状係数SF−1が100〜140、SF−2が100〜120の範囲にあるものを使用した。本実施例で使用した球形トナーTは、より球形に近いトナーTを得ることができる重合法により形成した。本発明においては、特に、分散媒体中にプレトナー(モノマー組成物)粒子として存在させ、必要な部分を重合反応により生成することによって得られた、表面部分を重合法により形成したトナーは、その表面性について、かなり平滑化されたものが得られるため、好適である。
【0024】本実施例では、球形トナーTの製造の容易化と、同時に、使用する画像形成装置の省エネルギー化を達成するために、球形トナーTの低溶融点化を目的として、球形トナーTにコア/シェル構造をもたせ、且つ、その表面となるシェル部分を重合法により形成した。コア/シェルの構造の作用は、トナーの優れた定着性を損なうことなく耐ブロッキング性を付与できることはいうまでもなく、コアを有しないような、バルクとしての重合トナーに比較して、シェル部分のみを重合するほうが、重合工程の後の後処理工程において、残存モノマーの除去が容易に行なわれるので好適である。又、コア/シェル構造を有するトナーのコア部の主たる成分としては、低軟化点物質を使用することが好ましく、特に、本発明の画像形成装置に好適なトナーとしては、ASTM D3418−8に準拠して測定された主体極大ピーク値が、40〜90℃を示す化合物を使用することが好ましい。即ち、極大ピークが40℃未満であると、低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として高温オフセット性が弱くなるので好ましくない。一方、極大ピークが90℃を超えると、定着温度が高くなってしまうので好ましくない。更に、直接重合法によりトナーを得る場合においては、水系で造粒・重合を行なうため、極大ピーク値の温度が高いと、主に造粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害するため好ましくない。
【0025】上記の極大ピーク値の温度測定には、例えば、パーキンエレマー社製DSC−7を用いる。この際、装置検出部の温度補正は、インジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正については、インジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行なった。具体的には、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス、及びこれらの誘導体、又はこれらのグラフト/ブロック化合物等を利用できる。又、これらの低軟化点物質は、トナー中へ5〜30重量%添加することが好ましい。仮に5重量%未満の添加では、先に述べた残存モノマーの除去に負担がかかり、又、30重量%を超える場合は、重合法による製造においても造粒時にトナー粒子同士の合一が起き易く、粒度分布の広いものが生成し易い。
【0026】更に、本発明においては、トナー表面を外添剤により被覆することによって、感光体帯電部材による影響をある部分外添剤に逃がしてやるような構成をとることが望ましい。その意味で、本発明で使用するトナーは、トナー表面への外添剤被覆率が5〜99%、更に好ましくは10〜99%のものを用いることが好ましい。トナー表面の外添剤被覆率は、日立製作所製のFR−SEM(S−800)を用い、トナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報を、インターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行なって算出した。
【0027】本発明において使用し得る外添剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径の1/10以下の粒径のものを使用することが好ましい。ここで、添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。又、本発明において使用し得る外添剤としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、カーボンブラック、シリカ等が挙げられる。本発明においては、これら外添剤を、トナー粒子100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは、0.05〜5重量部が用いるとよい。これらの外添剤は、単独で用いても、又、複数併用してもよい。夫々、疎水化処理を行なったものを使用することがより好ましい。以上のようにして作製した非磁性1成分トナーTの空隙率を測定すると、外添条件によってやや変動するが、およそ56〜60%程度であり、従来技術において、種々の問題が発生すとされる空隙率60%以下の範囲に分布したものになっていることを確認した。
【0028】本実施例で使用した負極性の非磁性一成分系の球形トナーTは、先に述べたように重量平均粒径6μmであり、又、そのトナー粒子の形状係数SF−1が110、SF−2が110であった。このような本実施例で使用した球形トナーTは、製造の際に、先に述べたコア部に、ASTM D3418−8に準拠して測定した主体極大ピーク値が、65℃を示す低軟化点物質であるパラフィンワックスを用い、その上に形成するシェル部を、スチレンブチルアクリレーとを含む単量体組成物を重合させることによって得られたコア/シェル構造を有するものである。又、このようにして得られた球形トナーに、疎水化処理したシリカを、外添したものを現像剤として用いた。得られた現像剤の空隙率を測定したところ、約60%であった。
【0029】次に、本実施例の画像形成装置の特徴である現像スリーブ2について説明する。本実施例で使用する現像スリーブ2は、円筒状又は棒状のアルミニウム等の金属部材表面に、導電体が分散された耐熱性樹脂をコーティングしたものを使用した。この際、現像スリーブ2の表面に設けるコート層に導電体を分散させる理由は、耐熱性樹脂層が絶縁性であると、スリーブ表面がチャージアップしてしまい、トナー供給疎外が生じてしまうからである。更に、この場合に使用する耐熱性樹脂は、トナーTに対して高離型性を示す材料であることが望ましい。ここで、現像スリーブ2の表面に設けるコート層の耐熱性は、連続使用可能温度(℃)で評価し、離型性は、水に対する接触角θ(度)、及びぬれの尺度Wi(dyne/cm)で評価した。
【0030】以下、接触角θ及びぬれの尺度Wiの求め方を説明する。γSを耐熱性樹脂の表面張力、γSLを耐熱性樹脂と水との間の界面張力、γLを水の表面張力とすると、図2に示す様な関係となり、次式■が得られる。

ところで、ぬれの尺度Wiは、下記の■式のようであるから、よって、■、■式より、ぬれの尺度Wiとして、■式が得られる。

【0031】本実施例では、トナーTとして負極性トナーを用いているので、耐熱性樹脂として、負極性トナーTに対して摩擦帯電系列的に正極性であるシリコーン樹脂を用いた。ここで、使用する樹脂の相違による本発明の効果の相違を比較するために、シリコーン樹脂と同じ正極性であるが、シリコーン樹脂よりも耐熱性に劣るポリアミドを用い、これを比較例1とし、両樹脂を使用して同様の方法で現像スリーブのコート層を形成した。これらの現像スリーブについて、連続使用可能温度(℃)を測定して、各現像スリーブの表面に設けるコート層の耐熱性を評価し、又、先に述べたような方法で、水に対する接触角θ(度)、及びぬれの尺度Wi(dyne/cm)を測定することによって、上記コート層の離型性を評価した。この結果を、下記の表1に示した。
【0032】表1 実施例1及び比較例1の現像スリーブ表面層の耐熱性と離型性の相違
【0033】表1から、被覆樹脂にポリアミドを使用した比較例1で用いる現像スリーブにおいては、連続使用可能温度が80℃であるのに対して、被覆樹脂にシリコーンを用いた本実施例で使用する現像スリーブは、連続使用可能温度が250℃と格段に高いことがわかる。又、本実施例で使用した現像スリーブの方が、比較例1で使用したものよりも優れた離型性を有していることがわかる。
【0034】次に、現像スリーブ表面層の耐熱性について、以下の方法によって評価を行なった。
耐熱特性の測定方法先ず、100mm×100mm×5mmの正方形の支持体表面に、耐熱特性を評価するための試料をコートする。本実施例では、図11に示すように、導電性を付与するためのカーボンを12.5重量部配合したシリコーン樹脂、及び、同様にして導電性を付与したポリアミド樹脂を用い、これらの樹脂を上記の正方形のアルミニウム基板上に夫々厚さ10μmコーティングし、板状の耐熱特性を評価するための評価試料を作製した。次に、得られた評価試料の表面上に、図12に示したような、横5つ、縦6つの合計30個の直径8mm、深さ2mmの穴を有するアルミニウム等で作成されたトナー支持体を重ね、上記したトナー支持体の夫々の穴に本発明で使用するトナーを入れる。そして、トナー支持体の全ての穴がトナーで埋め尽くされたら、トナー支持体を評価試料表面から除去する。この結果、図13に示したように、評価試料の表面に、高さ2mm、直径8mmのトナー円柱が30個形成された測定用試料を得る。本発明においては、先ず、このような方法によって、シリコーン樹脂コート品について30枚、ポリアミド樹脂コート品について30枚の測定用試料を夫々作成した。
【0035】次に、上記で得られた表面に30個のトナー円柱を有する測定用試料を、所定温度に設定したオーブンに所定時間放置して、試料表面にトナー円柱を加熱定着させた。この際、加熱する所定温度を80℃及び100℃、所定時間を36時間及び96時間とし、これらの条件を組み合わせた4条件で、トナー円柱を試料表面に夫々定着させた。この際、1条件について、各々5個ずつの測定用試料を加熱した。
【0036】次に、上記で得られた測定用試料を使用した現像スリーブ表面層の耐熱特性の評価方法について説明する。本発明における現像スリーブ表面層の耐熱特性は、試料表面に形成したトナー円柱に対する離型性で評価した。この際の離型性は、試料表面に定着したトナー円柱の試料表面からの剥離率で評価した。剥離率の測定は、具体的には、以下のように行った。先ず、以上のようにして作成した測定用試料の表面にポリイミドテープを張り付けた後、ポリイミドテープを試料表面に対して直角に剥離する。次に、このようにしてポリイミドテープを剥離した後、試料表面に残留したトナー円柱の個数を計測し、その残留数を出す。そして、この残留数を、試料の表面に形成したトナー円柱全数で割った後、100を掛けて剥離率を算出し、これを各試料間で比較して離型性の評価とした。この際、剥離率は、各所定温度と所定時間毎に算出した。そして、各々5個の試料があるので、5個の平均値を、その試料の所定温度及び時間における剥離率とした。得られた結果を表2に示した。
【0037】表2 離型性の評価結果
【0038】表2から明らかなように、離型性の面から評価した耐熱特性は、ポリアミド樹脂よりもシリコーン樹脂の方が優れており、100℃での連続使用においても離型性が低下する傾向は見られなかった。本発明において、100℃以上での耐熱特性が良好であるとは、上記した測定方法に基づき、トナー円柱が試料表面に形成された測定用試料を、100℃で36時間、及び100℃で96時間加熱した場合におけるトナー円柱の剥離率が、いずれの場合においても80%以上の場合を意味する。
【0039】以下、本実施例で使用した上記の現像スリーブの形成方法について説明する。本実施例では、シリコーン樹脂中に、導電体としてカーボンを12.5重量部、硬化剤としてシランカップリング剤を5wt%添加し、24時間、約20℃の室温下で分散撹拌し、導電性耐熱性樹脂剤Aを作成した。このように、カーボンを12.5重量部分散させることで、得られる現像スリーブの表面抵抗は1kΩ以下となっており、十分な導電性を有していた。
【0040】この際、基体としては、アルミニウム製のスリーブを用い、その表面を、Rz≒30μm、Sm≒80μm及びθa≒25°となるように加工処理した。以下、Rz、Sm及びθaについて説明する。上記のRz、Sm、θaは、JIS B0601に示されている定義を用い、測定には、小坂研究所製の表面粗さ試験器「SE−3OH」を使用した。現像スリーブの表面粗さRzは、十点平均粗さ(μm)である。これについて図3を用いて説明すると、現像スリーブ表面にある5個の凹凸を、図3に示したようにして測定して、下記の式によって表面粗さを求めた。

【0041】又、Smは、図3に示すように、現像スリーブ表面の凸凹の平均間隔(μm)であり、下記の式で求められる。ここで、Lは、現像スリーブ表面の凸凹を測定するための基準長さであり、Xは、その間にある凸部の数である。

又、θaは、平均傾斜角(°)であり、上記の基準長さLと、現像スリーブ表面の凸凹の高さhnとから、下記式によって求める。

【0042】上記のような表面粗さを有するアルミニウム製スリーブに、上記で得た導電性耐熱性樹脂剤Aをディッピングコートして、表面にコート層を形成した。この時のディッピング時のコートスピードは、10m/minに設定して行なった。上記のようにして得られた導電性耐熱性樹脂Aが表面にコートされたスリーブを、180℃に設定した恒温槽に入れ、約2時間に亘って乾燥処理した。このようにして作成した現像スリーブの表面には、耐熱性を有するコート層が形成されていた。得られた現像スリーブの表面性について、現像スリーブの基体の場合に述べたと同様にして、Rz、Sm、θaを夫々求めたところ、Rz≒17μm、Sm≒90μm、θa≒0°であった。
【0043】上記と同時に、ポリアミドに、実施例1の場合と同様に、カーボン12.5重量部を分散させて比較用のコート剤を作成した。そして、上記した実施例1の場合と同様の現像スリーブ基体に、この比較用コート剤を用い、実施例1と同様の条件でディッピングコートした。更に、この場合には、比較用コート剤が表面にコートされた現像スリーブの乾燥条件を、80℃に設定された恒温槽で20分間として、比較例1で使用する現像スリーブを得た。得られた比較例1で使用する現像スリーブの表面特性について、実施例1の場合と同様に測定したところ、Rz≒17μm、Sm≒80μm、θa≒10°であり、実施例1で使用する現像スリーブの表面特性とほぼ同様の値になっていた。
【0044】以上のようにして作成した実施例1及び比較例1で夫々使用する現像スリーブを、以下に示す条件で耐久試験した。その際、先に述べた非磁性一成分トナーTである重量平均粒径Dが6μmの黒色トナーを使用した。実施例1及び比較例1で夫々使用する現像スリーブの表面性と、使用したトナーの重量平均粒径Dとの関係を求めると、いずれも以下の関係を有していた。

更に、各現像スリーブ表面の凸凹の平均間隔Sm(μm)、及び平均傾斜角θ(°)についてみると、下記の関係を有していた。

【0045】上記した以外の画像形成プロセス条件としては、上記のような構成を夫々有する現像スリーブの外径はφ10mmであり、該現像スリーブにトナーを供給するための供給ローラ4はウレタンスポンジ製であり、その硬度は20°(AskerC)であり、その外径φ14mmであり、又、現像ブレード3としては、ウレタンブレードを使用した。上記のような構成の供給ローラ4及び現像ブレード3は、共に所定の当接圧(例として、約100g/cm2 に設定)で、先に述べた夫々の構成の現像スリーブに当接させた。又、いずれの現像スリーブも、その回転速度VYを175mm/secとし、図1中のY方向に回転させた。更に、供給ローラ4の回転速度は100mm/secであり、図1中のZ方向に回転させた。
【0046】又、感光体ドラム0はOPCドラムとし、外径φ60mmのものを用いた。この感光体ドラム0は、図1中のX方向に、120mm/secの回転速度VXで回転させた。即ち、現像スリーブの回転速度VYとの関係が、VY>VXとなるように感光体ドラム0の回転速度を設定した。更に、感光体ドラム0を−700Vに一様に帯電させた後、レーザ露光によって感光体ドラム0上に静電潜像を形成した。この際、露光部の電位が、−100Vになるようにレーザの光量を設定した。又、現像バイアス9は、−450VのDC電圧と、2kVpp、2kHzのAC電圧の重量電圧とした。
【0047】以上の様な条件下で、現像装置1のみの回転耐久を60分間行った。この間、所定時間毎に、上記条件で、感光体ドラム0上にトナーTを現像し、感光体ドラム0上の現像後の露光域の濃度、及び非露光域の濃度(所謂“カブリ”)を測定した。ここで、回転耐久時は感光体ドラム0は除去し、又、現像バイアス9はアースとした。最後に、60分回転後に、実施例1及び比較例1の夫々の現像スリーブを取り出して、表面のトナーをエアー清浄することによってで除去し、スリーブ表面のトナー融着状況を評価した。
【0048】以下に、上記の評価テストの結果を示す。評価項目は、(1)現像スリーブ表面のトナーTのコート状況(安定性)、(2)画像濃度変化及びカブリ変化、(3)スリーブ表面トナー融着状況の3つとした。
【0049】(1)現像スリーブ表面のトナーTのコート状況(安定性)
コート状況は、実施例1及び比較例1のいずれの現像スリーブにおいても共に問題なく、良好な状況であった。これは、トナーの重量平均粒径Dと現像スリーブ表面の表面粗さRzの関係がRz≧1/2Dを満たしていることによると考えられる。その理由について、図4を用いて説明する。現像スリーブ2と供給ローラ4との当接ニップ領域N近傍において生じるトナーTの回動の結果、トナーTと現像スリーブ2との摩擦帯電が十分に行われて、トナーTの現像スリーブ2の表面へのトナーコート(第1層)が密に行われれば、従来例として、図7を用いて説明した時のように、現像スリーブ3と現像スリーブ2との当接ニップ領域Nで、第2層、第3層への帯電量及びトナーコート層中の帯電量分布の最適化が十分に行われるので問題は生じない。実施例1においては、従来例として、図8を用いて説明した時と同様な状況になっても問題は生じない。つまり、帯電性の低いトナーを用いても耐久によりトナー劣化が生じ、トナーの帯電性が低下しても、更に、現像スリーブ2表面にチャージアップした外添剤や微粉トナーが固着し、現像スリーブ2とトナーTとの摩擦帯電性が低下しても、従来例で生じていた問題は、下記に挙げる理由によって生じることはない。
【0050】その理由は、図4に示すように、例え、現像スリーブ2表面の第1層トナーコートが疎になったとしても、実施例1及び比較例1で使用した現像スリーブの場合には、現像スリーブ2の表面を、第2層トナーコートに接触し影響を与える程度に粗してあるので、第2層トナーT2は従来と異なり、現像スリーブ2の表面からの帯電量付与の機会が生じる。更に、現像スリーブ2表面を実施例1のように粗すことによって、第2層トナーT2に対し、力F1が、図7で示した第1層トナーコートで生じる力F1と同様の程度に生じるので、第2層、第3層間に力F3が働き、図4で示すように、トナーT2と第3層トナー間に回動が生じる。その結果、ニップN中において、第2層、第3層トナーコート層への現像ブレード3からの帯電量付与性が向上し、トナーコート層中の帯電量分布の最適化が行われる。その結果、反転トナーや、特に未帯電トナーが従来に比べ著しく減少し、従来生じていた現像スリーブ表面へのトナーの固着に関する問題の発生を有効に防止することが可能となる。ここで、現像スリーブ2の表面性は、その表面粗さが、使用するトナーの重量平均粒径Dの1/2以上である場合、即ち、重量平均粒径が6μmのトナーを用いる場合には、Rzが約3μm以上であれば上記効果が生じる。しかし、Rzの値の増加に共い、現像スリーブ2表面のトナーコート量が増加することになるので、重量平均粒径が6μm程度のトナーを用いる場合には、Rzが10μm〜50μmの範囲になるようにすることが好ましい。
【0051】(2)画像濃度変化及びカブリ変化実施例1及び比較例1の画像形成装置を用いて形成した画像の画像濃度及びカブリの測定は、上記した条件で現像スリーブ及び感光体ドラム等の回転を開始する前、回転開始後の10分後、30分後、60分後の所定時間毎に行った。得られた結果を、図10のグラフ1及びグラフ2に示した。この際、画像濃度は、マクベス濃度計シリーズ1200を用い、カブリは東京電色(株)製デンシトメータ TC−6DSを用い、非現像時の反射率に対する現像時の非画像域の反射率の低下を%表示で示した。この結果、グラフ1及びグラフ2に示されているように、比較例1の場合は、回転耐久によって、濃度低下及びカブリ増加の傾向があったのに対し、実施例1で使用した現像スリーブ2では、画像濃度、カブリの発生が共に回転耐久を通して安定している。つまり、回転耐久により、比較例1の場合には現像性の低下が生じていたのに対し、実施例1では現像性の安定化が図られていた。この理由を示しているのが次に述べる(3)スリーブ表面へのトナー融着状況である。
【0052】(3)スリーブ表面トナー融着状況60分間回転耐久した後に、現像スリーブ2及び比較例1共にスリーブ表面をエアー清浄、トナー融着状況を確認した。トナー融着状況は、光学顕微鏡にてスリーブ表面を約200倍に拡大して確認した。その結果、実施例1で使用した現像スリーブの表面にはトナー融着は確認されなかったが、比較例1で使用した現像スリーブの表面にはトナー融着が確認された。このことが、耐久における画像濃度変化及びカブリ変化の結果が、図10のグラフ1及びグラフ2に示したように、実施例1の場合と、比較例1の場合で相違があった原因であると考えられる。即ち、比較例1で使用した現像スリーブの場合は、上記したように、耐久においてスリーブ表面にトナーの融着が発生したので、次第に現像スリーブ表面におけるトナーへの帯電量付与性能が低下し、この結果、比較例1の現像性が低下してしまったものと考えられる。
【0053】実施例1で使用した現像スリーブ表面にはトナー融着が発生せず、比較例1で使用した現像スリーブ表面にはトナー融着が発生してしまった理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。即ち、本発明においては、スリーブ表面からトナーへの帯電量付与性を向上させるために、スリーブ表面の粗さ(Rz)を大きくすることによって、スリーブとトナー間の接触面積を増加させ、これによって両者間の摩擦帯電の機会を増加させ、現像スリーブのトナーに対する帯電量付与性能を向上させている。このための弊害として、摩擦熱の発生の増加がある。この摩擦熱の発生が増加すると、スリーブ表面は摩擦熱で、60〜70℃程度(室温25℃の場合)の温度にまで上昇してしまう可能性がある。これに対し、比較例1で使用した現像スリーブの場合ように、被覆樹脂として耐熱性がやや劣る樹脂を使用し、これによってコート層を形成している場合には、コート層の劣化が生じてしまうものと考えられる。同時にトナーTも劣化してしまうので、スリーブ表面にトナーが固着し、更にこの状態が続くとトナー固着が成長してトナー融着が生じてしまったものと考えられる。更に、比較例1で使用した現像スリーブ表面に設けられたコート層は、離型性も低いので、上記のようにして発生したトナー固着が供給ローラ4によってスリーブ表面から除去しにくく、更にトナー融着の成長を促進しているものと考えられる。
【0054】一方、これに対して本実施例で使用した現像スリーブは、耐熱性、離型性共に優れているので、比較例1で使用した現像スリーブ表面で生じていたコート層劣化は生じず、又、仮にトナー固着が生じたとしても離型性がよいので供給ローラ4によって容易にスリーブ表面から除去することができる。この結果、本実施例で使用した現像スリーブにおいては、トナー融着が発生しないものと考えられる。以上説明したように、本発明の構成を有する現像装置を用いることによって、従来技術にて発生していた現像スリーブ表面におけるトナー融着等の問題を解決でき、この結果、先に述べた本発明の目的を達成することが可能となる。
【0055】実施例2及び比較例2実施例1の場合は、負極性の非磁性一成分系の球形トナーTを用いたが、本発明の画像形成装置は、正極性のトナーを用いる場合についても適用できるので、本実施例では、正極性の非磁性一成分系の球形トナーを用いた。この場合に適した現像スリーブ表面のコート層を形成するための耐熱性樹脂としては、正極性トナーに対し、帯電系列的に逆の負極性であり、且つ耐熱性、離型性に優れる樹脂、例えば、フッ素樹脂等が適している。本実施例では、4フッ化エチレン樹脂(PFA)を使用し、導電体としてカーボンブラックを用いて、実施例1の場合と同様の方法で現像スリーブを作製した。
【0056】又、現像スリーブ表面の耐熱性の違いによる硬化を比較するために、融点が約50℃程度のパラフィンを使用し、実施例1と同様にカーボンを分散して混ぜたものを現像スリーブ表面にコートして、コート層を有する現像スリーブを作製して比較例2の現像スリーブとした。パラフィンを用いた場合に形成されるコート層の離型性は、実施例1で使用したシリコーンや、実施例2で使用したPFAとほぼ同等であるが、溶融温度が低い。上記した材料を使用して得られた実施例2で使用する現像スリーブと比較例2で使用する現像スリーブについて、実施例1の場合と同様に、連続使用可能温度、ぬれ尺度及び接触角を測定して表3に示した。
【0057】表3 実施例2及び比較例2の現像スリーブ表面層の耐熱性と離型性の相違
【0058】上記した現像スリーブを夫々用いた現像装置を有する画像形成装置によって、実施例1と同様の試験を行なったところ、実施例2で使用した現像スリーブの場合には、正極性トナーに対しても、実施例1と同様の効果を上げることができた。これに対し、比較例2の融点の低いパラフィンを用いてコート層を形成した現像スリーブの場合には、現像スリーブ表面に溶融が生じて、コートムラが発生してしまった。以上の結果、負極性トナー及び正極性トナーのいずれを用いる場合においても、現像スリーブ表面に設ける特定の粗さを有するコート層は、耐熱温度が高いものの方が、特に耐久において有利となることが確認された。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、現像スリーブ表面に導電化されたコート層を設けることによって、現像スリーブ表面の状態を所定の粗さにし、現像スリーブとトナーとの摩擦帯電の機会を増加させて現像スリーブの摩擦帯電性能を向上させた場合にも、現像スリーブ表面における摩擦熱によるトナー融着の発生を有効に防止することが可能となる結果、現像スリーブ表面のトナーへの帯電量付与性を向上させるとことができると共に、耐久性が著しく向上し、空隙率が低く、流動性の高い、且つ低温定着可能な球形トナーを用いた場合にも、長期間に渡って安定して、画像濃度の高いカブリのない高品位画像を形成し得る画像形成装置が提供される。




 

 


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