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発明の名称 現像装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−202600
公開日 平成11年(1999)7月30日
出願番号 特願平10−7046
出願日 平成10年(1998)1月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 勝広 (外1名)
発明者 野々村 真
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 トナーと磁性キヤリアとを含んだ現像剤を使用し、回転可能に配置された現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤の塗布状態を規制するための回転可能に配置されている現像剤規制部材と、磁場発生手段とを備え、前記現像剤が、現像剤担持体と現像剤規制部材とが協動して形成する磁場によってその挙動を規制されて現像領域に選択的にトナーが搬送され、且つ、現像剤担持体と現像剤規制部材の両方から搬送力を受けることで装置内における現像剤の循環が行なわれる構成を有する現像装置において、現像剤を構成する磁性キヤリアの平均粒径をR[μm]とし、トナーの体積平均粒径をr[μm]とした場合に、下記のア)及びイ)の関係を満足することを特徴とする現像装置。

【請求項2】 トナーの一部或いは全部が、重合法により形成されたものである請求項1記載の現像装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式画像形成装置及び静電記録装置等に用いられる現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真式画像形成装置に用いられる現像方式としては、トナーとキャリアが混合された二成分現像剤を使用する二成分現像法と、主にトナーからなる一成分現像剤を使用する一成分現像法がある。このうち、二成分現像法では、トナーが付着した磁性キヤリアによって磁気ブラシを形成し、これをもって静電潜像が形成された像担持体を慴擦することで現像を行う「磁気ブラシ現像法」が知られ、広く一般的に使用されている。それに対する一成分現像方式としては、例えば、一成分現像剤を現像剤担持体(現像スリーブ)上に薄層塗布し、これを画像形成領域に搬送し、該領域において、像担持体と非接触の状態で、形成された交番電界によって現像剤を飛翔、往復させることで現像を行う「ジャンピング現像法」等が知られており、使用されている。しかしながら、該現像法は、黒色或いは褐色の磁性体が内添された磁性トナーを含んだ現像剤を使用するものであるので、彩度の高いカラートナーに使用することは難しく、カラー画像の形成には不向きであった。これに対して、近年、非磁性トナーを用いた一成分現像法が各種提案され、実用化されつつある。
【0003】前述した二成分現像剤を使用する磁気ブラシ現像法では、像担持体上に現像されたトナー像を、磁気ブラシが慴擦することによって、トナー像が乱れたり、像担持体へ一部のキヤリアが転移し、画像にノイズを生じる場合があった。一方、一成分現像法では、現像剤担持体上には、実質的にトナーのみが均一に塗布されるため、トナー像の均一性に優れているといった特徴がある。しかしながら、キヤリアとの摩擦帯電により、トナーに対して十分な電荷付与が安定的に行われる二成分現像法に比べ、一成分現像法では、摩擦帯電によるトナーに対する電荷付与が不均一、不十分となり易く、これが、良好な画像形成への妨げとなる原因の一つとなっていた。
【0004】そこで、一成分現像方式において、トナーと現像スリーブとの接触機会を増加させ、且つ現像に供するのに十分な摩擦帯電量をトナーに与えるべく、現像剤の薄層塗布が行われている。例えば、前述の磁性トナーを用いた現像方法においては、磁場による現像剤量の規制を利用した、所謂、「磁気カット方式」によって現像剤担持体上へ現像剤の均一な薄層塗布を行うことが可能である(特開昭54−43037号公報参照)。これに対して、非磁性トナーを用いた現像方法では、現像剤担持体上への現像剤の均一な薄層塗布を行うにあたり、磁場を利用することは出来ず、機械的或いは電場を利用した現像剤の規制を利用するのが一般的である。例えば、ドクターブレードとして、弾性体ブレードや板ばね等を使用する機械的な現像剤量の規制方法を利用してトナー層厚を規制することが可能である(特開昭54−43038号公報参照)。しかしながら、弾性ブレード等による現像剤量の規制条件の設定は容易ではなく、例えば、弾性ブレード等の現像スリーブに対する加圧が低過ぎる場合には、所定のトナー層厚を得ることができず、逆に高過ぎる場合にはトナーの損傷が著しいものとなる。又、現像剤担持体への現像剤の均一な塗布には、弾性ブレードの当接状態等の厳密な管理が必要となる。
【0005】上述のような問題を解決するために、特開昭60−42776号公報等に記載の現像方法が提案されている。この現像方法では、非磁性トナーと磁性キャリアとを含んだ現像剤を使用するが、磁性キャリアを磁場によって規制して現像剤容器内に拘束しておくことで、実質的に非磁性トナーのみを現像スリーブ上に塗布し、現像に供させるものである。非磁性トナーに対しては、磁性キヤリアとの摩擦帯電、並びに現像スリーブ表面との摩擦帯電により、現像に供するに十分な電荷付与が行われる。このような現像方式を使用した現像装置を、図5を参照しながら以下に説明する。
【0006】図5に示した現像装置では、内部に固定された永久磁石10を有し、且つ図中の矢印方向に回転自在に配置された非磁性部材からなる現像スリーブ1、磁性体からなるブレード2、図5中の矢印方向に回転し、現像剤の攪拌を行うための攪拌棒4、現像剤の漏れを防止するスクイシート6と、現像剤を収容するための容器5から構成される。尚、磁性ブレード2は、現像スリーブ1と一定の間隙をもって配置されており、その距離Wは、100μm〜500μmの範囲内の値に設定されることが多い。
【0007】上記したような構成の現像装置における現像スリーブ1上への現像剤の塗布について、図5及び、図6に示した現像剤規制領域Gの拡大図を参照しながら簡単に説明する。現像スリーブ1内に配置された永久磁石10と、磁性ブレード2とが協動して形成する磁場により現像剤中の磁性キャリアが拘束を受けることで、図5に示したように、現像スリーブ1と磁性ブレード2との近接部から、現像剤搬送方向に対して上流側一帯に現像剤規制領域Gが形成される。該現像剤規制領域Gの拡大図を図6に示したが、この規制領域Gにおける現像剤中の磁性キャリアは、前述の磁場を受けることで、永久磁石10の磁極Nから、磁性ブレード2へと至る経路に磁気ブラシを形成した状態で拘束され、一連の磁気回路を形成する。従って、磁性キャリアは、現像領域に漏出することはなく、現像剤容器5内に留まることになる。
【0008】一方、現像剤中の非磁性トナーは、磁性を有さないので領域Gでの磁場による拘束を受けることはない。又、規制領域Gに供給された非磁性トナーには、磁性キヤリアとの摩擦帯電、並びに現像スリーブ表面との摩擦帯電により付与された電荷によって、現像スリーブ1からの鏡映力が作用する。従って、非磁性トナーは、現像スリーブ1の回転に伴い、現像スリーブ1の回転方向への搬送力を受けることとなり、規制領域G内の磁気ブラシの間を通過して、現像スリーブ上へ塗布される。上述の原理によって、図5に示した現像装置では、非磁性トナーと磁性キャリアとを含んだ現像剤を用いているにもかかわらず、実質的に、非磁性トナーのみを現像スリーブ上に塗布することができる。
【0009】しかしながら、上記現像装置においては、連続した画像形成を行う際に、出力画像の濃度低下、トナーの飛散が生じることがあった。又、この傾向は、画像形成の高速化をはかる際に顕著に見られる。この原因として、現像スリーブ上に塗布される非磁性トナーの帯電量の低下がある。即ち、上記現像装置における構成では、磁性キャリアの磁場による拘束を行うことで磁性キャリアの現像スリーブ上への漏出を防いでいるため、現像剤中の磁性キャリアは、現像剤規制領域Gにおいて実質的に不動層を形成する。従って、現像剤規制領域G内での現像剤の循環は非常に穏やかなものとなっている。そこで、連続した画像形成によってトナーの消費が著しかったり、画像形成の高速化を図る場合には、供給されたトナーの大部分が、順次、消費されていくために、現像剤規制領域Gにおいて規制された現像剤中のキヤリアの割合が増加する。すると、キヤリア間の相互作用が強まるので、より強固な不動層が形成されてしまう。このため、現像剤規制領域Gにおける現像剤の循環性の低下が生じ、トナーとキヤリアとの摩擦帯電が不十分、不均一となってしまう。このため、現像スリーブ上に塗布されるトナーに帯電不十分なものが多く含まれることになり、トナー塗布の不安定化を招き、出力画像の濃度低下や、「かぶり」、トナー飛散を招いてしまう。
【0010】そこで、現像剤の循環を円滑にして、均一且つ十分な摩擦帯電を行わせることを狙いとして、磁束密度の小さい磁極を有する永久磁石を使用したり、磁性ブレードと、現像スリーブとの間隙である距離Wを広げることによって、現像剤規制領域Gにおける磁性キャリアの拘束力を弱めたりすることが考えられるが、この場合には、現像領域へ磁性キャリアの漏出を生じてしまう。
【0011】これに対し、本発明者は、上記問題点を解決した現像装置を考案し、既に提案している。即ち、トナーと磁性キヤリアを含んだ現像剤を使用し、回転可能に配置された現像剤担持体と、該現像剤担持体上への現像剤の塗布状態を規制するための回転可能に配置された現像剤規制部材と、磁場発生手段とを備え、前記現像剤が、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材とが協動して形成する磁場によってその挙動を規制されて現像領域にトナーのみが搬送され、且つ、前記現像剤担持体と、前記現像剤規制部材の両方からの搬送力を受けることで装置内における現像剤の循環が形成されるように構成された現像装置である。
【0012】以下に、上記した構成を有する現像装置の一例を、従来例として、図7に即して説明する。この従来例においては、内部に固定された磁場発生手段たる永久磁石10を有し、図7中の矢印方向に回転自在に配置された、非磁性部材を用いた現像剤担持体たる現像スリーブ1、内部に固定された磁場発生手段たる永久磁石11を有し、上記現像スリーブ1と一定の距離Wの間隙をおき、現像スリーブ1の回転方向と同方向に回転自在に配置された、非磁性部材を用いた現像剤規制部材たる規制スリーブ2、該規制スリーブ2に当接して配設されたスクレーパ3、現像剤の攪拌並びに現像スリーブ1へ現像剤を供給するための攪拌部材4、及び現像剤容器5により構成される。尚、上記の装置においては、現像剤は、非磁性トナーと磁性キャリアを含んだものを使用する。
【0013】この従来例の装置において、現像スリーブ1の内部に配置された永久磁石10、及び、規制スリーブ2の内部に配置された永久磁石11は、現像スリーブ1と規制スリーブ2との対向部近傍に、夫々磁極N1、S1を有することで、現像スリーブ1と規制スリーブ2との近接部一帯に磁力線の集中した磁場を協働して形成し、その磁場によって、現像剤が規制されることで、現像剤規制領域Gが現像スリーブ1と規制スリーブ2との近接部一帯に形成される。
【0014】以下、上記現像装置における現像スリーブ1上への非磁性トナーの塗布、並びに現像剤の循環について簡単に説明する。先ず、現像剤容器5内で搬送部材4によって攪拌されると共に、現像剤容器5から現像スリーブ1へと供給されてくる現像剤は、現像スリーブ1内部の永久磁石10の磁力を受け、現像スリーブ1上に担持、搬送された後に、前述した領域Gにおいて、その挙動が規制を受ける。図8に、現像剤規制領域Gの拡大図を示し、現像剤の挙動について説明する。
【0015】領域Gに形成されている磁場によって動きを拘束された現像剤中の磁性キャリアは、規制スリーブ2内の永久磁石11の磁極S1の磁力によって束縛をうける。即ち、規制スリーブ2は、図中で示される矢印方向に回転しているため、その回転に伴って、磁性キャリアは現像剤容器5内へ戻される方向の搬送力(逆搬送力)を受けることになる。従って、磁性キャリアは、規制領域Gで拘束を受けつつも、規制スリーブ2からの搬送力によって、順次、現像剤容器方向へ戻されるために、現像領域に漏出することなく現像剤容器5内を、図8中に矢印で示したように循環する。このようにして現像剤容器5内へ戻された磁性キャリアは、不図示のトナー供給部から新たに供給されてくる非磁性トナーと共に、回転している搬送部材4によって、攪拌、混合されて、再び現像スリーブ1へと供給されて、上記したような挙動をとる。
【0016】一方、領域Gにおける現像剤中の非磁性トナーは、領域Gで磁場による拘束を受けることはない。非磁性トナーには、磁性キャリア、並びに、現像スリーブ表面との摩擦帯電により付与された電荷によって、現像スリーブ1からの鏡映力が作用する。従って、非磁性トナーは、現像スリーブ1の回転に伴い、現像スリーブ回転方向への搬送力を受けることとなる。加えて、前述の、規制領域G内で形成される磁性キヤリアの現像剤容器5内方向へ戻されるような循環に伴なった摺擦により、非磁性トナーは、現像剤容器内方向へ戻されるような搬送力(逆搬送力)も受ける。従って、現像スリーブ1上に残り、最終的に現像スリーブ1上に塗布されてくる非磁性トナーは、この逆搬送力に打ち勝つだけの搬送力を有したもの、即ち、十分な帯電量を有し、鏡映力によって強く現像スリーブに束縛されていたものだけとなる。このようにして、十分な電荷を有する非磁性トナーのみが、現像スリーブ1上に塗布されることになる。又、現像剤容器5内では、上述の現像スリーブ1、規制スリーブ2の、夫々からの搬送力によって、図8中の矢印で示されるような現像剤の循環が形成される。図7に示した装置では、これらの一連の循環によって、磁性キャリアを現像領域へ漏出させることなく、現像に供されるに十分な電荷が付与された非磁性トナーのみを安定して現像スリーブ1上に塗布させることができる。
【0017】上記した装置においては、規制領域Gにおいて拘束された磁性キャリアに、現像剤容器5内方向の搬送力を付加し、現像剤を積極的に循環させる構成をとることで、規制領域Gにおける磁性キャリアの不動層を形成することなく、しかも、その拘束を十分維持することができる。従って、磁性キャリアの、現像領域への漏出が防止されている。又、現像剤の円滑な循環が行われることで、トナーと、キヤリアとの攪拌、混合が十分に行われ、現像に供される非磁性トナーに対する電荷付与の安定化が図られている。従って、良好な画像形成を、連続且つ高速に行うことが可能である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した装置例では、現像剤を構成している非磁性トナーと磁性キヤリアの組み合わせによっては、良好な画像形成が行われず、出力画像の濃度ムラが生じたり、所謂「ゴースト」の発生をみる場合があった。ちなみに、「ゴースト」とは、先の画像形成時に現像に供されず、現像剤担持体上に残されたトナーが、十分剥ぎ取られなかったために、新たに塗布されたトナーとの帯電量の違いが生じることにより、次回の画像形成時に、現像性の差が生じ、履歴として現れる現象のことである。
【0019】このような問題の発生原因の一つに、トナーとキヤリアとの相対的な大きさの違いに起因するものが挙げられる。以下、このことについて説明する。図7及び図8に示した装置の構成は、一連の現像剤の積極的な循環により、現像剤担持体上に塗布された後に、現像に供されず残ったトナーは剥ぎ取られ、新たな現像剤が現像剤担持体へと供給される構成となっている。これを詳述すれば、先ず、現像剤容器から新たに供給された現像剤は、磁場の作用によって現像剤担持体に担持され、搬送されるが、この時の磁場による現像剤担持体への拘束と、一連の循環とによって、現像剤担持体表面は現像剤による摺擦を受け、現像に供されず残ったトナーは、この現像剤による摺擦によって剥ぎ取られる。そして、現像剤担持体には、新たに供給された現像剤からのトナーが、入れ代わって塗布されるようになっている。
【0020】この時の現像剤の一連の循環による現像剤担持体に対する摺擦は、本発明者の検討によれば、キヤリアに因るものが主であり、その摺擦力の強弱は、キヤリアの粒径に大きな依存性をもつことが判っている。一般的に、キヤリアの粒径が大きい時には、摺擦力が強く、粒径が小さくなるに連れて摺擦力が弱まる傾向がある。従って、現像剤を構成する場合に、粒径が大きなキヤリアを用いれば、トナーの剥ぎ取り性を高め、現像剤の入れ代わりを促すことができるので、「ゴースト」の抑止には効果的である。
【0021】しかし、本発明者の検討によれば、問題は単純ではないことがわかった。即ち、上記構成の装置では、トナーに対する電荷付与をキヤリアとの摩擦帯電に依存しているところが大きいが、均一且つ十分な電荷付与が行われるようにするためには、小粒径のキヤリアを用い、トナーに対するキヤリアの表面積比を大きくし、トナーとキヤリアとの接触確率を高めることが必要となってくる。従って、いたずらに粒径が大きなキヤリアを用いることは望ましくない。
【0022】更に、キヤリアの粒径が大きい時には、キヤリアの個数密度が小さくなるために、粗な摺擦となってしまい、現像スリーブ1上に新たにトナーが塗布される場合に摺擦跡が残り、均一なトナー塗布の妨げになることがある。これによって、出力画像の濃度ムラが生じる場合がある。逆に、キヤリアの粒径が小さい時には、キヤリアの個数密度が大となるために、密で均一な摺擦が可能になるが、摺擦力が弱いために、現像に供されず残ったトナーを剥ぎ取る力が弱く、「ゴースト」の発生を抑止できない場合があった。
【0023】加えて、電子写真式画像形成装置に対する昨今の高画質化の要請は著しく、更なる高解像度な静電潜像の安定した再現(現像)も求められている。そのため、例えば、400dpi以上の高い画素密度を有する静電潜像に対しては、少なくとも体積平均粒径が6μm以下であるような微粒径化されたトナーの使用が望まれる。しかしながら、このような粒径のトナーを用いる場合には、微粒径化に伴う重量比電荷の増加により、トナーと現像剤担持体との付着力(鏡映力)が増大するため、剥ぎ取り難くなり、尚更、「ゴースト」が生じ易い傾向となる。即ち、上記構成からなる現像剤では、非磁性トナーと磁性キヤリアとの相対的な大きさによって、良好な画像形成が行われない場合があった。
【0024】又、これまでは、主に非磁性トナーを用いた場合について述べてきたが、先に述べた図7に示した装置のように、現像剤が積極的に循環される構成を有する場合には、磁性トナーを用いる場合についても、同様な効果がある。なぜならば、磁性トナーと磁性キヤリアでは、使用される磁性体や、大きさの違いを考慮しても、夫々の飽和磁化の大きさが、おおよそ100倍以上異なっている。即ち、磁場発生手段等により形成される磁場から受ける力は、磁性キヤリアの方が圧倒的に大きく、それゆえ、循環を生ぜしめる磁場からの作用の点から言えば、磁性キヤリアにとっては、トナーの磁性、非磁性の違いは、殆どないといってもよいからである。従って、上記した図7に示した構成の装置においては、磁性トナーと磁性キャリアを用いた現像剤の場合についても同様な循環が形成され、これによって同様な効果を生じる。
【0025】更に加えるならば、昨今の省スペ−ス化の要請に応えるべく、装置の小型化を達成する目的で現像剤担持体の小径化をはかる場合には、尚更、「ゴースト」に対する許容度は厳しいものとなる。というのも、先ず、現像剤担持体が小径化されると、その回転に伴って同一面が短い周期で現れることになる。そこで、現像に供されなかったトナーに対する剥ぎ取り性が不十分である場合には、同様に剥ぎ取り不十分なトナー像の履歴も短い周期で現れるため、同一画像内で、何度も「ゴースト」が生じてしまい、目立ち易くなる。加えて、小径な現像剤担持体では、現像剤による摺擦を受ける領域(ニップ)が狭いために、均一且つ十分なトナーの剥ぎ取りを行うことは容易ではない。
【0026】従って、本発明の目的は、トナーと磁性キヤリアとを含んだ現像剤を使用し、回転可能に配置された現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤の塗布状態を規制するための回転可能に配置されている現像剤規制部材と、磁場発生手段とを備え、前記現像剤が、現像剤担持体と現像剤規制部材とが協動して形成する磁場によってその挙動を規制されて現像領域に選択的にトナーが搬送され、且つ、現像剤担持体と現像剤規制部材の両方から搬送力を受けることで装置内における現像剤の循環が行なわれる構成を有する従来の現像装置において、現像に供されず、現像剤担持体上に残ったトナーの剥ぎ取り性を高め、現像剤の入れ代わりを促すことにより、「ゴースト」の発生を抑止すると共に、良好な画像形成を安定して行なうことができる現像装置を提供することにある。
【0027】加えて、本発明の目的は、上記した構成の現像装置の小型化を可能とすると共に、得られる画像の高画質化を達成することができる現像装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、トナーと磁性キヤリアとを含んだ現像剤を使用し、回転可能に配置された現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤の塗布状態を規制するための回転可能に配置されている現像剤規制部材と、磁場発生手段とを備え、前記現像剤が、現像剤担持体と現像剤規制部材とが協動して形成する磁場によって規制されて現像領域に選択的にトナーが搬送され、且つ、現像剤担持体と現像剤規制部材の両方から搬送力を受けることで装置内における現像剤の循環が行なわれる構成を有する現像装置において、現像剤を構成する磁性キヤリアの平均粒径をR[μm]とし、トナーの体積平均粒径をr[μm]とした場合に、下記のア)及びイ)の関係を満足することを特徴とする現像装置である。

【0029】上記構成によれば、現像に供されず、現像剤担持体上に残ったトナーの十分な剥ぎ取り性を維持すると共に、均一且つ良好なトナー塗布を両立させることができ、これによって、「ゴースト」の発生が抑制され、しかも良好な画像形成を安定して行なうことが可能ちなる。更に、上記で使用するトナーの一部或いは全部を重合法によって形成することで、上記の現像装置に使用することが好適な微粒子化されたトナーを容易に得ることができ、これによって、高画質画像の形成が可能となる。
【0030】
【実施例】本発明を良好に具現化する現像装置の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
(第一の実施例)本実施例における現像装置は、非磁性トナーと磁性キヤリアを含んだ現像剤を使用するものであって、その構成は、図1の概略断面図に示した如くである。図1に示したように、本実施例の現像装置は、図中の矢印方向に回転可能な現像剤担持体たる現像スリーブ1、該現像スリーブ1と一定の距離Wの間隙をおき、現像スリーブ1の回転方向と同方向に回転可能に配置されている現像剤規制部材たる規制スリーブ2、該規制スリーブ2に当接して配設されたスクレーパ3、現像剤の攪拌並びに現像スリーブ1へ現像剤を供給するための攪拌部材4、現像剤を収容するための現像剤容器5によって構成されている。以下、これらの各構成について詳述する。
【0031】先ず、現像スリーブ1は、内部に固定配置された永久磁石10を有し、φ20の外径をもつ非磁性体からなるシリンダからなる。又、規制スリーブ2は、内部に固定配置された永久磁石11を有し、φ20の外径をもつ非磁性体からなるシリンダからなる。現像スリーブ1と、規制スリーブ2とは、一定の距離Wの間隙をおいて対向して配置されている。尚、間隙の距離Wは、100μm〜2mmが好ましい。Wが100μm未満では、間隙に現像剤ないしは現像剤流に混入した異物が詰まることがあり、2mmを超えると、現像剤を規制するに十分集中した磁場を形成することが難しくなり望ましくない。該装置においては、Wを500μmとした。
【0032】現像スリーブ1内の永久磁石10は、規制スリーブ2との対向位置近傍に磁極N1と、磁極Sの2極を有している。又、規制スリーブ2内の永久磁石11は、現像スリーブ1との対向位置近傍に、前述の磁極N1とは異極性の磁極S1と、磁極Nの2極を有している。この磁極S1と、現像スリーブ1内の磁極N1とが協働することで、現像スリーブ1並びに規制スリーブ2との近接部一帯に磁力線の集中した磁場が形成され、この磁場によって現像剤が規制されることで、現像剤規制領域Gが形成される(図1参照)。該規制領域Gを形成するに当たって、磁極N1及びS1は少なくとも300G以上の磁束密度を有するものを用いる。磁束密度が300Gを下回る場合には、現像剤を規制するに十分な大きさの磁場を形成することができないからである。具体的には、磁極N1に800G、磁極S1に900Gの磁束密度を有するものを使用した。尚、該磁束密度は、現像スリーブないしは規制スリーブの表面において法線方向に100μm離れた地点における磁束密度の法線方向成分を、現像スリーブないしは規制スリーブの長手方向の任意の地点について測定し、平均した値を用いた。
【0033】次に、上記のような構成の本実施例の現像装置における現像スリーブ1上への非磁性トナーの塗布並びに現像剤の一連の循環について簡単に説明する。搬送部材4によって攪拌されると共に、現像剤容器5から現像スリーブ1上へに供給された現像剤は、現像スリーブ1内部の永久磁石10の磁力を受けて、現像スリーブ1上に担持、搬送された後に、前述した領域Gにおいて、その挙動に規制を受けることになる。即ち、領域Gにおける磁場によって拘束された現像剤中の磁性キャリアは、規制スリーブ2内の永久磁石11の磁極S1の磁力によって束縛を受ける。規制スリーブ2は、図1で示される矢印方向に回転しているため、その回転に伴い、磁性キャリアは、現像剤容器5内へ戻される方向の搬送力を受けることになる(図1参照)。従って、磁性キャリアは、規制領域Gで拘束を受けつつも、規制スリーブ2からの搬送力によって、順次、現像剤容器5の方向へ戻されるために、現像領域に漏出することがない。現像剤容器5内へ戻された磁性キャリアは、不図示のトナー供給部から新たに供給された非磁性トナーと共に、回転する攪拌部材4によって、攪拌、混合されて、再び現像スリーブ1へと供給される。
【0034】一方、領域Gにおける現像剤中の非磁性トナーは、領域Gでの磁場による拘束を受けることはない。又、非磁性トナーには、磁性キャリアとの摩擦帯電、並びに現像スリーブ表面との摩擦帯電により付与された電荷によって、現像スリーブ1からの鏡映力が作用する。従って、非磁性トナーは、現像スリーブ1の回転に伴い、現像スリーブ1の回転方向への搬送力を受けることとなり、規制領域G内の磁気ブラシの間を通過して、現像スリーブ1上へ塗布される。加えて、規制領域G内の磁性キヤリアの循環に伴なった摺擦により、非磁性トナーは、現像剤容器内方向へ戻されるような搬送力(逆搬送力)も受ける。従って、この逆搬送力に打ち勝つだけの搬送力を有することが可能な、十分な電荷を有する非磁性トナーのみが現像スリーブ上に塗布される。
【0035】以上のようにして、磁性キャリアが現像領域に漏出することなく、現像に供されるに十分な電荷が付与された非磁性トナーのみを安定して現像スリーブ1上に塗布し、現像領域へと搬送することができる。又、上述のような現像スリーブ1、規制スリーブ2の双方から受ける搬送力によって、図1中に太い矢印で示したような現像剤の循環が形成される。
【0036】上記した構成を有する本実施例の現像装置においては、非磁性トナーと磁性キヤリアとを含んだ現像剤を使用する。以下、使用する現像剤について説明する。非磁性トナーには、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、及び特開昭59−61842号公報等に記載されている懸濁重合方式によるトナー製造方法を用いて作製した、体積平均径3〜12μmの範囲のものを数種類使用した。
【0037】この懸濁重合方式によれば、とりわけ、体積平均径が4〜8μmであるような微粒子トナーを、シャープな粒度分布で比較的容易に得られるため、トナーの粒度分布のばらつきに起因する帯電量分布のばらつきが抑制されるので、現像性の安定化を図ることができる。更に、高解像度化への対応も容易となる。むろん、上記した懸濁重合方式以外にも、結着樹脂、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤等を、加圧ニーダーやエクストルーダー、又はメディア分散機を用いて均一に分散せしめた後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化せしめた後、更に分級工程を経て、粒度分布を所望の分布に揃えることによってトナー製品を得る、所謂、「粉砕方式」や、単量体には可溶で、得られる重合体には不溶である水系有機溶剤を用いて直接トナーを生成する分散重合方法、又は、水溶性極性重合開始剤の存在下で直接重合させ、トナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法等を用いて製造したトナーを使用をすることもできる。
【0038】ここでいう、トナーの体積平均径とは、以下の測定法により測定されたものである。測定装置として、コ−ルタ−カウンタ−TA−II型(コ−ルタ−社製)を使用し、個数平均分布、体積平均分布を出力するインタ−フェイス(日科機製)並びに、パ−ソナルコンピュ−タを接続しデ−タ処理を行う。測定法としては、以下の手順による。電解液としては、一級塩化ナトリウムを用いたNaCl水溶液(1wt%)をもって調製する。そして、このような電解水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を、0、1〜5ml加え、更にこの中に測定試料を0、5〜50mg加えて分散処理を行う。次に、この試料を懸濁した電解液を、超音波分散器にて約1〜3分間、分散処理した後、前記コ−ルタ−カウンタ−TA−II型により、粒度分布を測定して体積分布を求める。その際のアパ−チャ−として100μmのものを用い、粒子分布範囲は、2〜40μmとする。そして、以上の手順により、求められた体積分布により、サンプルの体積平均径を算出する。
【0039】又、本実施例では、磁性キヤリアとしては、磁性体粒子、或いは磁性体を分散させた樹脂粒子等で形成したものを用いることができるが、その平均粒径R[μm]が、以下のア)及びイ)の条件式を満足するようなものを使用した。即ち、磁性キヤリアと混合して現像剤とする場合に使用するトナーの体積平均粒径r[μm]に対して、磁性キヤリアの平均粒径R[μm]が、以下の条件式を満足するものを使用した。

更に、摺擦の均一性を達成させるためには、望ましくは、トナーの体積平均粒径r[μm]に対して、磁性キヤリアの平均粒径R[μm]が、以下の条件式を満足するものを使用した。

【0040】上記でいう磁性キヤリアの平均粒径Rとは、水平方向最大弦長で示されるものである。その測定方法としては、顕微鏡法により、キヤリア300個以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をとり、平均径とした。即ち、電子顕微鏡を用いて、撮影倍率500〜1000倍で撮影した後、サンプルとしたキヤリアの長軸を測り、平均した値をもって磁性キヤリアの平均粒径Rとした。
【0041】尚、該磁性キャリアは、少なくとも、50[emu/cm3]以上の磁化σ1000を有するものを用いる。該磁化σ1000が、50[emu/cm3]未満のものでは、規制磁場から受ける磁気力によって、磁性キャリアを循環させるに十分な磁気力を生じることができないからである。具体的には、75〜350[emu/cm3]のものを用いた。
【0042】上記の磁化σ1000の測定は、内径6.5mm、高さ10mmの円柱状容器に磁性キャリアを2kg程度の荷重をかけて充填し、容器内でキャリアが動かないようにして、直流磁化B−H特性自動記録装置BHH−50(理研電子(株)製)を使用して磁気特性を測定し、これと充填されたキャリアの重量及びキャリアの真密度とから、磁化σ1000の値を算出することより得られる。
【0043】この磁化σ1000は磁性キャリアの単位体積あたりの磁化であり、[emu/cm3]の単位を有する。磁性キャリアは、トナーと混合した状態で使用に供するので流動性を有しており、磁気的作用による搬送力との関係では、磁性キャリアの磁化を単位体積あたりが有する値で評価することは十分根拠があると考えられる。
【0044】本発明者等の検討によっても、異なる比重を有する磁性キャリアを用いた場合、少なくとも粒径が20〜80μm程度の範囲内にある大きさの異なる磁性キャリアを用いた場合のいずれにおいても、単位面積あたりの磁化によって一元的な評価が可能であったことが確認されている。
【0045】上記した現像剤と、先に説明した構成を有する本実施例の現像装置を使用し、様々な画像の出力を連続して行なったところ、出力画像の濃度むら、ゴーストの発生等の問題を生じることなく、良好な画質の画像形成を安定して行なうことができた。
【0046】上記効果と、本発明で規定した現像剤を構成する磁性キャリアとして、磁性キャリアと共に使用する非磁性トナーの体積平均粒径r[μm]に対して、平均粒径R[μm]が特定の関係を満足するものを使用することとの関連を説明するために、図2に、体積平均粒径が、夫々、3、6、8、12[μm]である4種類の非磁性トナーに対して、平均粒径Rが夫々、35、45、70[μm]である3種類の磁性キヤリアとを組み合わせた現像剤を用いて画像形成を行った場合の結果を示した。図2中の「○」は、ゴーストがなく良好な画像が形成されたことを示し、「△」は、「ゴースト」はないものの、若干画像の均一性に劣る場合があったことを示し、「×」は、「ゴースト」が生じたり、画像の均一性が顕著に劣ることを示す。以下、この結果について詳述する。
【0047】図2中に示した領域Aは、R/r<3なる領域を示し、上記した組み合わせのうち、この領域に属する、体積平均径12μmの非磁性トナーと、平均粒径35μmの磁性キヤリアの組み合わせの現像剤では、顕著なゴーストの発生が観察された。これは、前述したように、トナー粒径に対してキヤリアが小粒径過ぎるために、現像に供しなかったトナーの剥ぎ取り性が不十分になっているためと考えられる。又、領域Bは、R/r>10、且つ、R>40なる領域を示す。上記した組み合わせのうち、この領域に属する、体積平均径3μmの非磁性トナーと、平均粒径45μmのキヤリアの組み合わせと、体積平均径6μmの非磁性トナーと、平均径70μmのキヤリアの組み合わせの現像剤では、均一性に欠けた画像が形成された。これは、トナー粒径に対してキヤリアが大粒径過ぎるために、摺擦跡が残り、現像スリーブ上へのトナー塗布が不均一となったためと考えられる。
【0048】更に、領域Cは、7<R/r≦10、且つ、R>40なる領域を示す。上記した組み合わせのうち、この領域に属する、体積平均径6μmの非磁性トナーと、平均径45μmのキヤリアの組み合わせと、体積平均径8μmの非磁性トナーと、平均径70μmのキヤリアの組み合わせの現像剤では、ハ−フト−ン部において若干均一性に欠けるものの、実用に足るに十分な良好な画像形成がなされた。
【0049】又、上述した領域A、B、C以外の領域に属するトナーとキヤリアの組み合わせからなる現像剤においては、「ゴースト」のない、均一で良好な画像形成がなされた。これは、これは、この領域に属する現像剤を使用した場合には、現像に供されず現像スリーブ上に残ったトナーが、現像剤の循環による摺擦により均一に且つ十分に剥ぎ取られると共に、新たに供給された現像剤からのトナーが、入れ代わって現像スリーブ上に塗布されたためと考えられる。
【0050】尚、図2に示したように、体積平均径3μmの極微粒子の非磁性トナーと、平均径35μmのキヤリアの組み合わせにおいて良好な画像形成がなされたのは、トナーの微粒径化に伴う、重量比電荷の増加による効果が顕著に現れていると考えるのが妥当である。即ち、重量比電荷の増加により、トナーと現像スリーブとの付着力(鏡映力)が大きくなる。このため、これを摺擦し、剥ぎ取るためには、大きな摺擦力を有し、トナーに対して相対的に大きめの粒径を有するキヤリアが必要になっているものと考えられる。尚、本発明者等の検討によれば、上述のように良好な画像形成がなされるトナーならびにキャリアの組合せは、少なくとも、使用されるトナーの体積平均径が、1〜12μmの範囲にあり、磁性キャリアの粒径が、20〜80μmの範囲にあるものについては、同様な効果を生じることが確認された。以上で説明した通り、従来の現像装置の構成において、使用する現像剤を構成する非磁性トナーの粒径と、磁性キャリアの粒径とを、特定の関係を有するように設計して用いれば、良好な画像形成を安定して行なうことができる現像装置を提供することができることがわかった。
【0051】(第二の実施例)本実施例における現像装置は、使用する現像剤と、現像剤担持体たる現像スリーブ内の永久磁石の構成が異なる点以外は、前述の第一の実施例における現像装置と同一なものである。従って、装置の構成については、その相違点のみ述べる。
【0052】先ず、本実施例における現像装置では、磁性トナーと磁性キヤリアとを含んだ現像剤を使用する。又、これに合わせて、本実施例の現像装置は、現像剤担持体たる現像スリーブ1の内部に固定配置された永久磁石10は、規制スリーブ2との対向位置近傍の磁極N1と、静電潜像が形成された像担持体との対向部近傍に配置され、磁性トナーによる磁気ブラシを形成させるための磁極(現像極)と、その他の4つの磁極の、合計6極を有する装置である。かかる構成の本実施例の現像装置においては、現像スリーブ1内の永久磁石10の主に磁極N1と、規制スリーブ2内の永久磁石11の主に磁極S1とが、協働して形成する磁場によって、現像スリーブ1と規制スリーブ2との対向部近傍に現像剤規制領域Gが形成されると共に、現像剤の循環が形成されている。
【0053】本実施例で使用する現像剤について詳述すれば、使用した磁性トナーは、公知の、所謂、「粉砕方式」よるトナー製造方法を用いて作製した体積平均径4〜12μmの範囲のものを数種類使用した。尚、先に述べた第一の実施例において使用した懸濁重合方式等の方式によって得られたトナーを使用してもよい。又、磁性キヤリアとしては、磁性体粒子、或いは磁性体を分散させた樹脂粒子等を用いることができるが、その平均粒径R[μm]が以下の条件式を満足するものを使用した。即ち、上記した磁性トナーと磁性キャリアとを混合して得られる現像剤に使用したトナーの体積平均粒径r[μm]に対して、磁性キャリアの平均粒径Rが下記の関係を満たすものを使用した。

このような現像剤を使用し、前述したような構成の本実施例の現像装置を使用して、様々な画像の出力を連続して行なったところ、出力画像の濃度むら、ゴースト等の問題の発生はみられず、良好な画質の画像を安定して形成することができた。
【0054】上記効果と、本発明で規定した現像剤を構成する磁性キャリアとして、磁性キャリアと共に使用する磁性トナーの体積平均粒径r[μm]に対して、平均粒径R[μm]が特定の関係を満足するものを使用することとの関連を説明するために、図2に、体積平均粒径が、夫々、4、7、9、12[μm]である4種類の非磁性トナーに対して、平均粒径Rが夫々、35、45、70[μm]である3種類の磁性キヤリアとを組み合わせた現像剤を用いて画像形成を行った場合の結果を示した。図3中の「○」は、ゴーストがなく良好な画像が形成されたことを示し、「△」は、「ゴースト」はないものの、若干画像の均一性に劣る場合があったことを示し、「×」は、「ゴースト」が生じたり、画像の均一性が顕著に劣ることを示す。以下、この結果について詳述する。
【0055】図3中に示した領域Aは、R/r<3なる領域を示し、上記した組み合わせのうち、この領域に属する、体積平均径12μmの磁性トナーと、平均径35μmの磁性キヤリアの組み合わせでは、顕著なゴーストの発生を見た。これは、前述のように、トナー粒径に対してキヤリアが小粒径過ぎるために、掻き取り性が不十分になっているためと考えられる。又、領域Bは、R/r>10、且つ、R>40なる領域を示す。上記した組み合わせのうち、この領域に属する、体積平均径4μmの磁性トナーと、平均径45μmのキヤリアの組み合わせでは、均一性に欠けたムラのある画像が形成された。これは、トナー粒径に対してキヤリアが大粒径すぎるために、摺擦跡が残り、現像スリーブ上へのトナー塗布が不均一となったためと考えられる。
【0056】更に、領域Cは、7<R/r≦10、且つ、R>40なる領域を示す。上記した組み合わせのうち、この領域に属する、体積平均径7μmの磁性トナーと、平均径70μmのキヤリアの組み合わせと、体積平均径9μmの磁性トナーと、平均径70μmのキヤリアの組み合わせでは、ハ−フト−ン部を含むようなグラフイック画像の出力において若干均一性に欠ける場合があるものの、テキスト画像の出力においては十分良好な画像形成がなされた。
【0057】上述の領域A、B、C以外の領域に属するトナーとキヤリアの組み合わせにおいては、「ゴースト」のない均一で良好な画像形成がなされた。これは、この領域に属する現像剤を使用した場合には、現像に供されず現像スリーブ上に残ったトナーが、現像剤の循環による摺擦により均一且つ十分に剥ぎ取られると共に、新たに供給された現像剤からのトナーが、入れ代わって塗布されたためと考えられる。
【0058】尚、図3に示したように、体積平均径4μmの磁性トナーと、平均径35μmのキヤリアの組み合わせにおいて良好な画像形成がなされたのは、先の第一の実施例で述べられているのと同様に、トナーの微粒径化に伴う、重量比電荷の増加による効果が顕著に現れたためと考えられる。以上で説明の通り、磁性トナーを使用した場合においても、第一の実施例の非磁性トナーを使用した場合と同様に、良好な画像形成を安定して行なうことができる現像装置を提供することができることが確認された。
【0059】(第三の実施例)本実施例における現像装置は、図4に示されるもので、先の第一の実施例における現像装置の小型化をはかったものであり、現像剤担持体と、現像剤規制部材が小径化されている点が異なる以外は、同様の構成をもつものである。従って、現像剤担持体と、現像剤規制部材の相違点並びに、これに関する若干の相違のみを示し、その他は省略する。尚、現像剤は、非磁性トナーと磁性キヤリアを含むものを使用した。
【0060】本実施例の現像装置に使用されている現像ローラー1は、φ16の外径を有するローラー形状の磁性部材からなり、規制スリーブ2は、φ20の外径をもつ非磁性体からなるシリンダと、その内部に配置され、現像ローラー1と規制スリーブ2との対向位置近傍に位置する磁極Sと、磁極Nの2極を有する永久磁石11からなる。
【0061】磁性部材からなる現像ローラー1は、規制スリーブ2内の永久磁石11によって磁化されることで、永久磁石11と協働し、現像ローラー1と一定の距離Wの間隙をおいて対向する規制スリーブ2との近接部一帯に磁力線の集中した磁場を形成する。この磁場によって、図4に示したように、先の第一の実施例と同様の現像剤規制領域Gが形成されると共に、一連の現像剤の循環が形成される。尚、本実施例における上記の構成を有する現像装置では、現像ローラー1と規制スリーブ2との間隙の距離Wを180μmとし、磁極Sに、磁束密度9000Gのものを使用した。
【0062】上記の構成を有する本実施例の現像装置における現像ローラー1上への非磁性トナーの塗布機構について、以下に簡単に説明する。搬送部材4によって攪拌されると共に、現像剤容器5から現像ローラー1上へ供給された現像剤は、先ず、規制スリーブ2内の永久磁石11の磁力を受けて磁化された現像ローラー1上に担持、搬送された後、前述の領域Gにおいて規制を受けることになる。
【0063】領域Gにおける磁場によって拘束される現像剤中の磁性キャリアは、規制スリーブ2内の永久磁石11の磁極Sの磁力によって束縛をうける。その際、規制スリーブ2の回転に伴い、磁性キャリアへは逆搬送力が作用する。従って、磁性キャリアは、規制領域Gで束縛を受けつつも、この逆搬送力によって、順次、現像剤容器5の方向へ戻されるために、現像領域に漏出することなく、現像剤容器5内を図4中の太い矢印で示されるように循環する。
【0064】一方、領域Gにおける現像剤中の非磁性トナーは、領域Gでの磁場による拘束を受けることはない。非磁性トナーには、磁性キャリアとの摩擦帯電、並びに現像スリーブ1表面との摩擦帯電により付与された電荷によって、現像スリーブ1からの鏡映力が作用する。従って、非磁性トナーは、現像スリーブ1の回転に伴い、現像スリーブ回転方向への搬送力を受けることとなり、規制領域G内の磁気ブラシの間を通過して、現像スリーブ1上へ塗布されて現像領域へと搬送される。
【0065】以上のようにして、本実施例の現像装置によれば、磁性キャリアが漏出することなく、現像に供されるに十分な電荷を付与された非磁性トナーのみが現像スリーブ上に塗布されると共に、一連の現像剤の循環が形成される。
【0066】本現像装置で使用した現像剤について詳述すると、非磁性トナーとしては、従来公知の、所謂「粉砕方式」よるトナー製造方法によって製造された市販の体積平均径が7μmのものを使用した。又、磁性キヤリアとしては、平均粒径35μmの市販の磁性体粒子を使用した。尚、前述の各種製造方式によって得られた任意の重量平均径のトナーの使用が可能であるが、その際に使用する磁性キヤリアとしては、磁性体粒子、或いは磁性体を分散させた樹脂粒子等を用いることができるが、その平均粒径R[μm]が、トナーの体積平均粒径r[μm]に対して以下の条件式を満足するようなものを使用する。即ち、磁性キヤリアの平均粒径R[μm]が、これと混合して現像剤とする場合に使用するトナーの体積平均粒径r[μm]に対して、以下の条件を有するものを使用した。

【0067】先の構成を有する本実施例の現像装置を使用し、様々な画像の出力を連続して行なったところ、「ゴースト」のない、均一で良好な画像形成を安定して行なうことができた。これは、現像に供されず現像スリーブ上に残ったトナーが、現像剤の循環による摺擦により、均一且つ十分に剥ぎ取られると共に、新たに供給された現像剤からのトナーが、入れ代わって現像スリーブ上に塗布されたためと考えられる。以上で説明の通り本実施例の現像装置によれば、良好な画像形成を安定して行なうことができ、しかも本実施例の現像装置は、小型の現像装置によってこれを達成することができた。
【0068】尚、本発明の現像装置は、以上に示した実施例のみに限定されるものではなく、トナーと磁性キャリアを含む現像剤の挙動が、現像剤担持体と現像剤規制部材とが協動して形成する磁場によって規制されて現像剤担持体上に選択的にトナーが塗布され、且つ、現像剤担持体と、現像剤規制部材の両方から搬送力を受けることで、現像剤の循環が形成される構成を有するいずれの現像装置においても応用可能であり、同様の現像方式を用いた画像形成装置についても容易に適用できる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、トナーと磁性キヤリアを含んだ現像剤を使用し、回転可能に配置された現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤の塗布状態を規制するための回転可能に配置されている現像剤規制部材と、磁場発生手段とを備え、前記現像剤が、現像剤担持体と現像剤規制部材とが協動して形成する磁場によってその挙動を規制されて現像領域に選択的にトナーが搬送され、且つ、現像剤担持体と現像剤規制部材の両方から搬送力を受けることで装置内における現像剤の循環が行なわれる構成を有する現像装置において、現像剤に使用するトナーに対して、現像に供されず現像剤担持体上に残ったトナーの均一且つ十分な剥ぎ取りを可能とするために、相対的に特定の大きさを有する磁性キヤリアを有する現像剤を使用する構成をとることで、「ゴースト」の無い、良好な画像形成を安定に行うことを可能とした。




 

 


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