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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−194618
公開日 平成11年(1999)7月21日
出願番号 特願平10−283474
出願日 平成10年(1998)9月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 暎
発明者 溝口 佳人 / 板倉 伸明 / 本田 孝男 / 鈴木 一生
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 像担持体の表面に形成された静電潜像を、現像剤担持体にて担持し搬送される現像剤にて可視像とする画像形成装置において、前記現像剤担持体は、その表面を球形粒子による粗面化処理して表面にほぼ滑らかな凹凸面を一様に形成した後、更に、表面に無電解メッキを施したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記現像剤担持体は、円筒状の非磁性金属材料からなるスリーブであることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項3】 前記非磁性金属材料は、アルミニウム合金又は銅合金であることを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
【請求項4】 前記非磁性金属材料は、ビッカース硬度Hvが50〜200であることを特徴とする請求項1、2又は3の画像形成装置。
【請求項5】 前記無電解メッキの厚さは、5〜25μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項6】 前記無電解メッキの厚さは、3〜20μmであることを特徴とする請求項5の画像形成装置。
【請求項7】 前記無電解メッキの厚さは、現像剤の体積平均粒径の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項8】 前記無電解メッキの硬度は、ビッカース硬度Hvにて200以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項9】 前記無電解メッキの硬度は、ビッカース硬度Hvにて450以上、1000以下であることを特徴とする請求項8の画像形成装置。
【請求項10】 前記粗面化処理により形成された前記現像剤担持体表面上の凹面は、前記無電解メッキを施すことにより、球形粒子の衝突により生じた丸みを球形粒子の形状通りに保持していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項11】 前記粗面化処理により形成された前記現像剤担持体表面上の凹面内は、前記無電解メッキを施すことにより、ほぼ鏡面化されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項12】 前記スリーブ内には磁界発生手段を有し、前記現像剤が磁性現像剤であることを特徴とする請求項2〜11のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項13】 前記現像剤担持体表面の無電解メッキ後の粗さRzが2〜15μmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項14】 前記現像剤担持体表面の無電解メッキ後の粗さRaが0.3〜1.5μmであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項15】 前記球形粒子の番定が#100番〜#800番であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項16】 前記現像剤が1成分現像剤であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項17】 前記現像剤の体積平均粒径が8μm以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項18】 前記像担持体は、アモルファスシリコンドラムであり、該ドラムの内部に加熱手段を有する請求項1〜17のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項19】 前記無電解メッキが無電解Ni−Pメッキ、無電解Ni−Bメッキ、無電解Pd−Pメッキ、又は無電解Crメッキであることを特徴とする請求項1〜18のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項20】 前記無電解Ni−Pメッキは、メッキ層中に2〜15wt%のPを含有することを特徴とする請求項19の画像形成装置。
【請求項21】 前記現像剤の帯電極性が正帯電性である請求項1〜20のいずれかの項に記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体等とされる像担持体上に静電潜像を形成し、現像して画像を得る画像形成装置に関し、特に現像剤を担持し搬送する現像剤担持体を改良した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば電子写真方式の画像形成装置では、電子写真感光体からなる像担持体上に静電潜像を形成し、その潜像を現像器により現像することを行なっている。現像器は、現像剤を担持して搬送する現像剤担持体としての現像スリーブを有している。
【0003】この現像スリーブの表面は、現像剤の搬送性のために凹凸に粗面化しており、古くは、例えば特開昭54−79043号に示されるように、主に2成分現像用の現像スリーブにおけるローレット溝や、特開昭55−26526号に示されるように、主に1成分現像用の現像スリーブにおけるブラスト処理が知られている。
【0004】ブラスト処理した現像スリーブの場合、長期使用により表面の凹凸が摩耗減少しやすいので、それを防止するために、現像スリーブの材料には例えばSUS(ビッカース硬度Hv ≒180)等の高硬度材が多用され、また古くはアルミナ粒子をブラスト砥粒としたアランダムブラスト法が用いられている(特開昭57−66455号)。
【0005】しかし、特開昭57−116372号、特開昭58−11974号、特開平1−131586号等に示されるように、アランダムによるブラストでは、SUSの現像スリーブ表面に鋭い凹凸の粗面が形成される。図14に、アランダムブラスト処理した現像スリーブ表面の粗さ断面曲線の模式図を示す。長期使用時においては、この表面の鋭い凹部に特に細かいトナー等が埋め込まれ(以下、このトナー等が埋め込まれる状態を「スリーブ汚染」という。)、その部分でトナーの帯電が阻害され、画像不良を引き起こすことが知られている。
【0006】そこで、例えばガラスビーズなどの球形粒子を用いてブラスト処理する方法が考えられている。図15に、ガラスビーズブラスト処理による同様な粗さ断面曲線の模式図を示す。図15に示されるように、ガラスビーズブラスト処理によれば、SUSの現像スリーブ表面に滑らかな断面形状を有する粗面を得ることができ、スリーブ汚染を軽減することができる。
【0007】一方、現像スリーブ材質としてアルミニウムを用いることが主流となりつつある。SUSは高価であるが、アルミニウムならばスリーブをコストダウンできることと、感光ドラムとしてa−Siドラム(アモルファスシリコンドラム)を用いた場合には、次の理由からアルミニウムスリーブが不可欠であるからである。
【0008】a−Siドラムとされる感光ドラムを高湿下で使用した場合、感光ドラム表面に付着している放電生成物(NOx等)が吸湿し、帯電、露光後の静電潜像を形成している感光ドラム上の表面電荷が放電生成物を通じて周囲に逃げてしまい、潜像が乱れるので、結果的に画像乱れが生じる。これを防止するために、OPCドラムのようにその表面を削れ易くして、NOxもろとも表面層を削っていけば画像流れには効果があるが、当然a−Siドラムの寿命は短くなる。そこで、感光ドラム内に面状発熱体等を入れて、画像形成装置の待機中に加熱し放電生成物の吸湿を防ぐことが行われているが、感光ドラムの熱がこれに対向している現像スリーブに伝わる。現像スリーブが熱伝導性の悪いSUSであると、現像スリーブが少なからず熱変形し、これがスタンバイ後の1枚目のコピーで、例えば均一な濃度のはずのハーフトーン画像をコピーしたのに、スリーブピッチ状の濃度むらとして画像不良が生じる。これが、アルミニウム製の現像スリーブでは熱変形がわずかであり、変形が目立つような濃度むらとして現れることがほとんどない。このようなことから、a−Siドラム(ヒータ内蔵)にはアルミニウムスリーブを組合せることが必須である。
【0009】しかしながら、アルミニウムスリーブはHv ≒100というように硬度が低いため、ブラスト処理による表面の凹凸が使用により簡単に摩耗し、早期に凹凸が減耗してしまう。
【0010】このため、特開平1−276174号に示されるように、アルミニウムスリーブの表面に高硬度な樹脂をコートした現像スリーブがある。例えばアルミニウムスリーブ表面に硬度な樹脂としてフェノール樹脂をコートし、そのフェノール樹脂にグラファイトを分散しておくことにより、現像スリーブとして必要な導電性を維持したカーボンコートスリーブ等である。
【0011】カーボンコートスリーブでは、フェノール樹脂をディッピングまたはスプレーにより10〜20μm程度に塗布するので、樹脂表面は基本的には下地のアルミニウム表面の凹凸形状を継承するが、その微細な表面性は、図16に示すように、フェノール樹脂100中にグラファイト粒子102が埋め込まれたようになっており、粗さの断面形状は、図14のアランダムブラスト処理による表面状態に比較的近く、鋭利な凹凸が存在する表面を有している。この鋭利な凹部にトナーが埋め込まれ、スリーブ汚染が発生しやすい。
【0012】このカーボンコートスリーブは、従来、ネガ帯電性OPCのレーザビームプリンタ(LBP)、デジタル複写機等の現像器に用いられている。LBPの場合は消耗品としてのカートリッジに現像スリーブも含まれているため長期使用を想定していない。現像はネガトナーを使用した反転現像方式である。ネガトナーに用いられる樹脂、例えばスチレンアクリル、ポリエステル等は、基本的にネガ帯電性の強いものであり、このためネガトナーの帯電性が高く、スリーブ汚染が発生してもトナーに十分な帯電量を得ることができるので、さほど問題にならないことが多かった。又、カーボンコートスリーブも少しづつ削れていくため、汚染物質も一緒に削れていたとも考えられる。ただし、そのためカーボンコートスリーブが高硬度とはいえ、SUSには寿命の点で及ばなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、高画質化のために、トナーの粒径を更に小さくする傾向があり、これまで以上にスリーブ汚染が発生しやすくなることがわかった。
【0014】これを図17を用いて説明する。図17は、図15の粗さ断面曲線の凹凸を拡大した図である。図15は、前記したように、SUSの現像スリーブ表面を球状粒子のガラスビーズでブラスト処理したときの粗さ断面曲線である。図17において、大径トナーの場合、粗さ断面曲線の大きな凹凸の中のクラック、つまり小さな凹部、例えば凹部a、b、c等に入り込まないが、トナーを小径化すれば、小さな凹部a、b、c等に入り込むトナーが増加し、スリーブ汚染を生じるものと考えられる。
【0015】例えば平均粒径が7μmの粒度分布をとる小径トナー中には、粒径4μm以下のより小さいトナーが15〜20%含まれており、これが小さな凹部a、b、c等に入り込む。勿論、トナー中の微粉をカットすれば、より小さいトナーを減らすことができるが、トナー製造コスト上、より小さいトナーを0%にすることはできない。
【0016】又、上述のように、トナーを小粒径化しなくても、帯電性の低いトナー(特にポジトナー)を用いた場合には、わずかなスリーブ汚染によってもトナーの帯電阻害が発生しやすく、濃度薄の問題を生じる。
【0017】このようなことから、現像器の長寿命化のためには、スリーブ汚染を防止する対策が必要となってきている。
【0018】本発明の目的は、現像剤として小粒径のトナーや帯電性の低いトナー、特にポジトナーを用いた場合でも、現像剤担持体表面のトナーによる汚染を防止して、良好な現像により濃度が十分な画像を得ることができるとともに、現像器が長寿命な画像形成装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にかかる画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体の表面に形成された静電潜像を、現像剤担持体にて担持し搬送される現像剤にて可視像とする画像形成装置において、前記現像剤担持体は、その表面を球形粒子による粗面化処理して表面にほぼ滑らかな凹凸面を一様に形成した後、更に、表面に無電解メッキを施したことを特徴とする画像形成装置である。
【0020】本発明の一実施態様によると、前記現像剤担持体は、円筒状の非磁性金属材料からなるスリーブとされ、前記非磁性金属材料は、例えば、アルミニウム合金又は銅合金である。又、前記非磁性金属材料は、ビッカース硬度Hvが50〜200とすることができる。
【0021】本発明の他の実施態様によると、前記無電解メッキの厚さは、5〜25μm、好ましくは、3〜20μmとされ、又、他の実施態様によると、前記無電解メッキの厚さは、現像剤の体積平均粒径の2倍以上とし得る。又、前記無電解メッキの硬度は、ビッカース硬度Hvにて200以上、更には、450以上、1000以下とされる。
【0022】又、本発明によれば、前記粗面化処理により形成された前記現像剤担持体表面上の凹面は、前記無電解メッキを施すことにより、球形粒子の衝突により生じた丸みを球形粒子の形状通りに保持されるか、或いは、前記粗面化処理により形成された前記現像剤担持体表面上の凹面内は、前記無電解メッキを施すことにより、ほぼ鏡面化される。
【0023】本発明の好ましい実施態様によると、前記スリーブ内には磁界発生手段を有し、前記現像剤が磁性現像剤とされる。
【0024】本発明の他の実施態様によると、前記現像剤担持体表面の無電解メッキ後の粗さRzが2〜15μmであり、又、粗さRaが0.3〜1.5μmである。
【0025】好ましくは、本発明にて使用する前記球形粒子の番定が#100番〜#800番とされる。
【0026】好ましくは、本発明で使用する前記現像剤は、1成分現像剤であり、又、体積平均粒径を8μm以下とし得る。又、前記現像剤の帯電極性は正帯電性とすることができる。
【0027】本発明では、前記像担持体としてアモルファスシリコンドラムを使用することができ、該ドラムの内部に加熱手段を有することができる。
【0028】本発明の他の実施態様によると、前記無電解メッキが無電解Ni−Pメッキ、無電解Ni−Bメッキ、無電解Pd−Pメッキ、又は無電解Crメッキとされ、特に、前記無電解Ni−Pメッキは、メッキ層中に2〜15wt%のPを含有することが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0030】実施例1図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。図において、符号1は像担持体で、本実施例では電子写真感光ドラムとされている。この感光ドラム1の周囲に、感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する潜像形成部2、潜像を現像する現像器3、現像により得られたトナー像を転写材に転写するとともに、その転写材を感光ドラム1から分離する転写分離部4、及び感光ドラム1上に残留した転写残りのトナーをクリーニングするクリーニング部5を備えている。
【0031】画像形成をするには、感光ドラム1が矢印A方向に回転され、まず、潜像形成部2によりその感光ドラム1の表面を帯電し、像露光を行なって静電潜像を形成する。感光ドラム1上に形成された潜像は、感光ドラム1の回転にともない現像器3の位置に移動され、現像器3により現像剤を用いて現像される。現像剤としては、本実施例では、磁性粒子を樹脂中に分散した磁性トナーが使用される。
【0032】本実施例によれば、現像器3は内に正帯電性の磁性トナーを収容している。現像器3は、この磁性トナーを担持して矢印B方向に回転することにより、トナーを感光ドラム1と対向した現像部に搬送する現像剤担持体としての非磁性の現像スリーブ6と、現像スリーブ6内に非回転に配置された磁界発生手段としてのマグネットローラ7と、現像器3内の新旧のトナーを撹拌して混合するとともに、トナーを現像スリーブ6に搬送する撹拌手段8と、現像スリーブ6上に担持されたトナーの層厚を規制する磁性ブレード9と、現像スリーブ6に現像バイアスを印加するバイアス電源10とを備えて構成される。現像スリーブ6は、感光ドラム1に対し所定の最小間隙を隔てて対向配置されている。マグネットローラ7は、磁極N1、S1、N2、S2の4極を有している。
【0033】磁性ブレード9は、現像スリーブ6内マグネットローラ7の磁極N1と所定の間隙を開けて対向配置され、磁性ブレード9に磁極N1(規制極)との間で形成される磁界により、現像スリーブ6上に担持したトナーの層厚を規制する。層厚を規制された後、現像部に搬送されたトナーは、現像部に配置されたマグネットローラ7の磁極S1(現像極)により現像スリーブ6の表面で穂立ちする。そして穂立ちしたトナーは、感光ドラム1上の潜像と現像スリーブ6との間の電位差により潜像部に飛翔して付着し、潜像がトナー像として現像される。
【0034】このとき現像を促進するために、バイアス電源10により現像スリーブ6に感光ドラム1との間で、直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスを印加する。現像スリーブ6上のトナーは現像バイアスにより飛翔して、感光ドラム1に対する付着、離脱を繰り返し、感光ドラム1表面の潜像部が現像部を離れるまでに、潜像部に潜像の電位に対応したトナーが付着して残存し、かくして潜像が良好に現像される。
【0035】このようにして感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写分離部4において感光ドラム1に供給された図示しない転写材に転写される。転写材は転写分離部4により感光ドラム1からトナー像が転写されつつ、感光ドラム1から分離された後、図示しない搬送手段により定着部に搬送されて、そこで定着によりトナー像の転写材への固定が行なわれる。転写が終了した感光ドラム1は、クリーニング部5により表面に残留した転写残りのトナーを除去され、つぎの画像の潜像形成に備える。
【0036】本実施例における装置の諸元の一例を示せばつぎの通りである。
【0037】マグネットローラの磁極の磁力(現像スリーブ表面上):N1=850ガウス、S1=950ガウス、N2=750ガウス、S2=550ガウス感光ドラムと現像スリーブ間の最短距離:230μm現像スリーブと磁性ブレードの距離 :240μm現像バイアス:直流電圧+交流電圧。直流電圧=+250V、交流電圧=ピーク間電圧1.3k、周波数2.7kHz、デュテイー35%感光ドラム :a−Si。暗部電位=+400V、明部電位+50V画像形成速度:A4サイズ40枚/分感光ドラムの回転速度 :260mm/sec現像スリーブの回転速度:感光ドラム回転速度の1.5倍【0038】本発明の大きな特徴は、現像器3の現像スリーブ6の構成にある。図2に示すように、現像スリーブ6は、(1)比較的低硬度な非磁性金属材料のスリーブ基体51の表面に球形粒子によるブラスト処理を行ない、(2)その表面上に基体51よりも高硬度な無電解メッキ層52を形成した、構成となっている。
【0039】ただし、(1’)スリーブの金属材料の硬度によらず、球形粒子によるブラスト処理を施し、(2’)その上に無電解メッキを形成した、構成でも、スリーブ汚染に対する効果は従来以上のものがある。
【0040】すなわち、上記(1’)+(2’)の系の構成よりも上記(1)+(2)の系の構成の方がスリーブ汚染に対して効果があり、又、結果としての画像濃度の維持性に関しても優れている。従って、以下の説明は、上記(1)+(2)の系の構成に即して説明することとする。(1)、(1’)及び(2)、(2’)の効果の点での差異については、以下実施例の記載中にて説明する。
【0041】本実施例では、スリーブ基体51はアルミニウム合金(A6063)製で、肉厚tが0.65μm、外径が32mmである。メッキ層52は、無電解Ni−Pメッキで形成した。
【0042】本発明者らは、上記の現像スリーブ構成、つまり(1)比較的低硬度な非磁性金属材料のスリーブ基体51を用い、その表面に球形粒子によるブラスト処理を行なうこと、(2)その表面上に基体51よりも高い比較的高硬度な無電解メッキ層52を形成することが、特にスリーブ汚染の軽減に有効であることを見出した。以下説明する。
【0043】本実施例において、ビッカース硬度Hv =50〜150程度の比較的低硬度な非磁性金属のスリーブに対し、球形粒子によるブラスト処理を行なった。非磁性金属材料としては、アルミニウム合金、黄銅等の銅合金等が挙げられるが、コストの点でアルミニウム合金が有利なので、これを使用した。スリーブはブラスト処理を行なう前にセンタレス研摩を施した。比較例として、比較的高硬度な非磁性金属材料であるSUS316(Hv =約180)のスリーブに対し、同様にして球形粒子によるブラスト処理を行なった。
【0044】本実施例と比較例とでスリーブの硬度が異なるので、ブラスト条件を変えて、ほぼ同等の表面の粗さRz(10点平均粗さ)、Ra(中心線平均粗さ)等が得られるようにした。現像スリーブ表面の粗さRz等をほぼ同等としたのは、本実施例と比較例とで同等のトナーの搬送性を確保する観点からである。
【0045】具体的には、アルミニウムスリーブに関しては、ブラスト材である砥粒には、定形の砥粒(表面が滑らかな球形または球形偏平粒子がよい)、好ましくは番定#100番から#800番(JISに規定)の粒度のガラスビーズを用いることができる。本実施例では#300番のガラスビーズを用いた。7mm径のブラストノズルを4本用意し、これをスリーブの周囲に90°間隔でスリーブから距離150mmで位置させた。そしてスリーブを36rpmで回転し、ノズルをスリーブの軸に平行に移動しながら、ノズルからガラスビーズを空気圧(ブラスト圧)2.5kg/cm2 で9秒間吹き付けた。ノズルは、スリーブの軸に対して「ハ」の字で動かしてブラストした。
【0046】SUSスリーブの場合は、ブラスト圧を4.0kg/cm2 とした以外は、上記と同じ条件であった。
【0047】このようにしてスリーブ表面をブラスト処理し、粗面を得た。ブラスト処理が終了した現像スリーブは、表面を洗浄した後、乾燥した。
【0048】アルミニウム合金スリーブ及びSUSスリーブのブラスト処理した表面(ブラスト表面)の粗さ等を表1に示す。またアルミニウム合金スリーブのブラスト面を光学顕微鏡で観察した図を図3に、SUSスリーブのブラスト表面の同様なな図を図5に示す。
【0049】
【表1】

【0050】図3及び図5から明らかなように、アルミニウム合金スリーブ及びSUSスリーブのブラスト面は、表1のように粗さRz等がほぼ同一であるにもかかわらず様子が異なる。すなわち、比較的低硬度なアルミニウムスリーブをブラスト処理した場合は、表面の凹凸が均一に仕上がっている。また各凹部内にあるクラックのような微小な凹部、穴は少ない。これに対し高硬度なSUSスリーブの場合は、ブラスト処理により表面に均一性が高い凹凸が得られず、各凹部内にあるクラックのような微小な凹部、穴が多い。
【0051】このような表面性状の違いは、Ra、Rzなど表面粗さの平均値を算出した数値には現れづらく、平均山間隔Sm等にも反映されにくい。この図3、図5の違いを粗さ断面曲線の模式図で示すと、図4、図6に示すようであると考えられる。図4は、球形粒子が衝突したようなクレーター状の凹部が比較的整然と形成されているのを示しているが、図6は、クレーター状の凹部があるものの、その凹部の内側にクラックのような微小な凹部、穴が多く存在している。
【0052】このようなクレータ状の凹部、その凹部内の微小な凹部が形成されるのは次のように考えられる。ブラスト処理でガラスビーズがスリーブ表面に衝突した場合、あるビーズが衝突した位置とずれて、次のビーズ、その次のビーズと別なビーズが衝突すると、初めのビーズによる変形部(凹部)と別なビーズの変形部の重なったところが歪んで、その部分にクラックの微小凹凸、従って微小凹部が形成される。その後更に別なビーズが激しく衝突すると、微小凹部の解消、新たな微小凹部の形成をともないながら、クーレーター状の凹部が形成され、微小凹部を内側に有するクーレーター状の凹部が出現する。クレーター状凹部が先ず形成されて、そこに次のビーズ、その次のビーズと別なビーズが衝突することによっても、微小凹部を内側に有するクーレーター状の凹部が出現する。
【0053】又、アルミニウムスリーブの場合、材料が軟らかいので、ビーズの衝突による微小凹部が別のビーズの衝突により解消される傾向が強いが、SUSスリーブは材料が硬いので、微小凹部が別のビーズの衝突により解消されずに残存しやすく、このためSUSスリーブでは凹凸の均一性の高いブラスト面が得られず、クレーター状凹部内の微小凹部が多くなるものと思われる。ブラスト圧を低くすれば、SUSスリーブでも均一性が高いブラスト面を形成できるが、その場合はRa、Rzが低下してしまい、トナーの搬送性の点から好ましくない。
【0054】このような微小凹部の多くは直径5μm以下であり、深さは明確には分からないが数μm程度と考えられる。
【0055】トナーの粒径の小径化に伴い、これまでは比較的問題にならなかったこのような微小凹部に前述の小径トナーが埋め込まれ、SUSスリーブの場合、その微小凹部が多いのでスリーブ汚染となり、アルミニウムスリーブの方が汚染に強いと考えられる。
【0056】この球形粒子のブラスト処理を施したSUSスリーブは、従来例のアランダムブラスト処理を施したSUSスリーブ(図14)よりは、はるかにスリーブ汚染を発生しづらいが、近年のトナーの小粒径化を考えると、未だスリーブ汚染防止が不十分であり、特にポジトナー使用時に不十分である。
【0057】尚、このように、クレーター状の凹みの均一性に差がでるのは、次のような理由からであると考えられる。
【0058】ブラスト中は、最初にブラストビーズの当たった所とは別の所に次々と別のビーズが当たるが、クレーター状の形状を形づくるのは最後に当たった1つのビーズによるところが大きい。そのため、柔らかい材質のアルミニウムなどでは最後の1つのビーズが当たっただけでも、きれいな凹みができるのに対して、硬いSUSでは1つではきれいに凹みを作ることができないためその均一性が劣るのではないかと考えられる。
【0059】又、SUSの方が凹内の微少なクラックが多いのは、材料の硬度のためと考えられる。つまり、同じ粗さを得るためにはアルミニウムよりもSUSの方が強いブラスト圧を必要とするため材料表面に対するストレスが強く、微少な欠損等のクラックが発生し易いと考えられる。勿論、上述したように、SUSでもブラスト圧を下げればある程度きれいな面を作ることができるが、それでは粗さが低下してしまい、トナー搬送性の点からスリーブに適さない。
【0060】しかしながら、SUSスリーブでも、或る程度粗さを確保するためにブラスト圧を強めで処理したもの、従って、表面に微少なクラックなどが多く発生しているものであっても、次に述べる無電解メッキ処理の条件を適切に選べばスリーブ汚染に対して効果を発揮させることができる。これについては後述する。
【0061】以上が、(1)の比較的低硬度な非磁性金属材料のスリーブ基体を用い、これに球形粒子によるブラスト処理を施すことが、スリーブ汚染の軽減に有利に作用する理由と考えられる。
【0062】次に、(2)の比較的高硬度な無電解メッキを施す理由について述べる。
【0063】スリーブは、前述したアルミニウムに球形ブラスト処理を施したものとして説明する。ここでは、メッキは、無電解Ni−Pメッキとした。
【0064】無電解Ni−Pメッキ概略の工程を説明すると、ブラスト処理したスリーブ表面の洗浄、脱脂に続いて、ジンケート処理による亜鉛合金被膜生成の前処理を行なった後、2〜15wt%のPを含むNi−P無電解メッキ(通称「カニゼン」による化学Niメッキ)を施す。メッキ厚さは約5μm程度とした。後工程として熱処理は行なわなかった。メッキ被膜の硬度は、熱処理を行なわないのでHv=450程度であるが、現像スリーブのメッキ被膜としては十分な耐久性、つまり耐摩耗性が得られた。硬度と耐摩耗性に関しては、実験例の箇所で再度述べるが、耐摩耗性がSUS316よりも良好であった。必要に応じて熱処理してもよく、例えば加熱エージングにより硬度をHv =1000程度まで高くすることができる。スリーブの肉厚によっては、スリーブの偏心(そり)が大きくなってしまうので、エージングする場合は注意が必要である。又、エージングにより磁性も復帰する傾向がある。
【0065】硬度と耐摩耗性に関しては、実験例の中で再び述べるが、Hv=450程度のNi−Pメッキを用いたのでSUS316(Hv=180程度)より良好であった。
【0066】図8は、上記のガラスビーズブラスト処理したアルミニウムスリーブ(図3、図4)に対して、無電解Ni−Pメッキを施したときのスリーブ表面の粗さ断面曲線を示す模式図である。ブラスト処理したアルミニウムスリーブは、材料が比較的低硬度なので、上記したように、表面のクレーター状凹部内に微小な凹凸がもともと少ない。これに約5μm厚さのNi−Pメッキを施したので、図8に示すように、そのメッキ層がクレーター状凹部内を鏡面状に覆って、微小凹部を埋め込むものと考えられる。従って、スリーブ汚染を防止する効果は更に良いと考えられる。
【0067】上記のブラスト処理後に無電解Ni−Pメッキしたアルミニウムスリーブの表面を光学顕微鏡で観察すると、図7のようである。メッキ層の下のアルミニウム表面を透かして見るので分かりづらいが、アルミニウム表面のクレーター状凹部内の微小凹部はメッキ層によって埋められているものと考えられる。
【0068】特に、トナー粒径(体積平均)7μmのものを以下の実施例で用いているが、細かめの4μm以下程度のものが微少なクラックには埋め込まれやすいので図8で示したようなクラックを埋めることがスリーブ汚染対策には有効だと考えられる。
【0069】無電解Ni−Pメッキを施すと、上記のようにクレーター状凹部内の微小凹部はなくなるが、メッキ層はクレーター状凹部にかたどって形成されるので、メッキした表面の粗さRz、Ra、平均山間隔Sm等は、表2に示すように、アルミニウムにブラストしたままと大差がない。従って、トナー搬送性等が低下することがない。
【0070】
【表2】

【0071】以上のように、本発明による表面処理を行なった現像スリーブがスリーブ汚染等に好適な表面性状を有することは、これまで挙げた表面の粗さ断面曲線がその理由を示しており、従来の指標である表面粗さRa等では十分把握できない。いずれにせよ、本発明による表面処理がスリーブ汚染等に効果があるのは、以下に示す実験例からも明らかである。
【0072】本発明において、電気メッキでなく無電解メッキ用いるのは、無電解メッキが化学メッキであるので、現像スリーブ6の粗面化した凹凸のある表面に、析出したメッキ金属を凹凸に左右されずに一様な厚さに付着でき、均一な厚さのメッキ被膜が得られるからであり、粗面化により得た表面粗さをほとんど変えることなく維持できるからである。電気メッキでは、現像スリーブの粗面化した表面の凹部にメッキ金属が析出しづらく、凸部に優先的に付着して凸部のみが厚くメッキされるので、均一な厚さのメッキ被膜を得られず、表面粗さが変化してしまう。
【0073】無電解メッキにも種々のメッキ金属のものがあり、例えば上述の無電解Ni−Pメッキ、無電解Ni−Bメッキ、無電解Pd−Pメッキ、無電解Crメッキなどが挙げられる。
【0074】上述したように、スリーブ表面の物性としては、スリーブ内部にマグネットロールを有し、磁性トナーを使用した磁性1成分現像であれば非磁性であることが望ましいので、無電解Ni−Pメッキ、無電解Ni−Bメッキ、無電解Pd−Pメッキ等が好ましい。ただし、メッキ厚さを5〜25μm程度、好ましくは3〜20μmとするので、強磁性体のCrメッキであっても、実際には現像スリーブ表面においてCrメッキが現像スリーブ内部のマグネットの磁場を乱すまでのことはなく、現像スリーブ表面に使用できる。ただし、アニールした場合は磁性が復帰する。
【0075】又、上記Ni−Pメッキに関しても、ニッケル(Ni)も単体で強磁性体であるが、無電解Ni−P、Ni−Bメッキ層中では、ニッケルはリン(P)或いはホウ素(B)と結びつくことによって非晶質となり、非磁性化する。そのような非磁性化のために必要とされるNi−Pメッキ被膜中のリン含有量は5〜15wt%、好ましくは、8〜10wt%、Ni−Bメッキ被膜中のホウ素含有量は2〜8wt%、好ましくは、5〜7wt%である。
【0076】メッキは、現像スリーブ6の表面全体に一様に施してもよいが、メッシュ状のマスキング処理を行なってからメッキをすることにより、任意の穴開形状のメッシュ状とすることができる。
【0077】以上述べたように、本発明では、(1)比較的低硬度な非磁性金属材料のスリーブ基体を用い、これに球形粒子のブラスト処理をし、(2)ブラスト処理後、比較的高硬度な無電解メッキを施して、スリーブ基体表面の硬さを増す構成とし得るので、現像スリーブの耐摩耗性を向上させるとともに、スリーブ汚染に対し防止効果の強い耐久性のある現像スリーブを提供することができ、ひいては長期使用時にも現像による濃度低下のない画像形成装置を実現することができる。
【0078】以下、本発明で使用するトナーについて説明する。本実施例では磁性トナーである。
【0079】磁性トナーの粒径は、体積平均粒径で4〜10μm、好ましくは4〜8μmである。トナーの体積平均粒径が4μm以下では、トナーの制御が難しく、グラフィック画像などの画像面積比率が高い用途に用いた場合、転写材上のトナーの載りが少なく、画像濃度が低くなる問題を生じやすい。トナーの体積平均粒径が10μm以上では、細線の解像度が良好でなく、また画像形成当初は良くても使用を続けるにつれて、画質低下を発生しやすい。本実施例では、体積平均粒径7μmのものを用いた。
【0080】トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できるが、本発明では、コールターカウンターTA−II(コールター社製)を用いて行なった。コールターカウンターには、トナーの個数分布、体積分布を出力するパーソナルコンピュータCX−i(キヤノン製)を接続した。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製した。
【0081】電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンセンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料の磁性トナーを2〜20mg加える。この測定試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、上記のコルーターカウンターにより100μmのアパチャーを用いて、個数を基準として2〜40μmのトナー粒子の粒度分布を測定し、それから体積粒度分布を求めた。ここでは、体積平均粒径7μmのものについて、4μm以下の微粉の量は個数で20%以下、15μm以上の粗粉の量は体積で5%以下としている。
【0082】磁性トナーの真密度は、1.45〜1.70g/cm3 であることが好ましく、さらに好ましくは1.50〜1.65g/cm3 である。この範囲の磁性トナーは、高画質及び耐久性、安定性という点で最も効果を発揮しうる。磁性トナーの真密度が1.45より小さいと、磁性トナー粒子そのものの重さが軽すぎて、反転かぶり及びトナー粒子の載りすぎによる細線のつぶれ、飛び散り、解像力の悪化を招きやすくなる。磁性トナーの真密度が1.70より大きいと、画像濃度が薄く、細線のとぎれなど先鋭さの欠けた画像となる。また相対的にトナーの磁気力が大きくなるため、トナーの穂も長くなったり、分岐状になったりし、現像で画像が乱れやすく荒れた画質となりやすい。
【0083】磁性トナーの真密度の測定にはいくつかの方法があるが、本発明では、微粉体の真密度を正確かつ簡便に測定できる次の方法を採用した。
【0084】内径10mm、長さ約5cmのステンレス製のシリンダーと、その中に密着装入できる外径約10mm、高さ5mmの円盤(A)と、外径約10mm、長さ約8cmのピストン(B)を用意する。シリンダーの底に円盤(A)を入れ、次いで測定試料の磁性トナー約1gを入れてから、ピストン(B)を静かに押し込む。ピストン(B)に油圧プレスにより400kg/cm2 の力を加えてトナーを圧縮し、この圧縮状態を5分間維持してからトナーを取り出す。
【0085】この圧縮試料の重さW(g)を秤量し、マイクロメーターで圧縮試料の直径D(cm)、高さL(cm)を計って、真密度(g/cm3 )=W/{π×(D/2)2 ×L}
の式から磁性トナーの真密度を計算する。
【0086】磁性トナーによりさらに良好な現像性を得るためには、磁性トナーは、残留磁化σr が1〜5emu/g、好ましくは2〜4.5emu/gであり、飽和磁化σs が20〜40emu/gであり、高磁力Hc が40〜100エルステッド(Oe)の磁気特性を有することが好ましい。
【0087】本発明において、トナーのバインダー(結着樹脂)としては、オイル塗布を行なう加熱加圧ローラ定着器の使用を考慮すると、以下の樹脂が使用可能である。
【0088】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレンアクリル共重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。本実施例では、トナーの結着樹脂としては、スチレンアクリル共重合体を用いた。
【0089】オイルをほとんど塗布しない方式の加熱加圧ローラ定着器では、転写材上のトナー像の一部がローラに転移するいわゆるオフセット現象、及び転写材に対するトナーの密着性が重要な問題である。より少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常保存中或いは現像器中で、ブロッキング若しくはケーキングしやすい性質があるので、同時にこれらの問題も考慮しなければならない。
【0090】これらの問題にはトナーの結着樹脂の物性が最も大きく関与している。トナー中の磁性体の含有量を減らすと、定着時に転写材に対する密着性は良くなるが、オフセットが起こりやすくなり、またブロッキングやケーキングも生じやすくなる。
【0091】そのため、オイル塗布がほとんどない方式の加熱加圧ローラ定着器を用いるときには、トナーの結着樹脂の選択が重要であり、好ましい結着樹脂として、架橋されたスチレン系共重合体若しくは架橋されたポリエスエルが使用される。
【0092】このスチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メククリル酸、メククリル酸メチル、メククリル酸エチル、メククリル酸ブチル、メククリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリニトリル、アクリルアミドなどのような二重結合を有するモノカルボン酸若しくはその置換体;例えばマレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えばビニルメチルエーエル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等のビニル単量体を単独若しくは2つ以上で用いることができる。
【0093】架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンなどのような芳香族ジニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのようなジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;が単独若しくは混合して用いられる。
【0094】また加圧定着方式の定着器を用いる場合には、圧力定着用トナーの結着樹脂が使用可能であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンなどが挙げられる。
【0095】磁性トナーは荷電制御剤を添加して用いることが好ましく、トナー粒子中に荷電制御剤を含有させるか(内添)、トナー粒子と荷電制御剤を混合すること(外添)ができる。荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能となり、粒度分布と荷電量とのバランスをさらに安定にすることが可能である。
【0096】正荷電制御剤としては、ニグロシン、トリフェニルメタン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロスズボレートなどのジオルガノスズボレート;を単独若しくは2種類以上を組合せて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン、イミダゾールのごとき荷電制御剤が、特に好ましく用いることができる。
【0097】また、一般式【0098】
【化1】

(ただし、R1 はH若しくはCH3 である;R2 、R3 は置換または未置換のアルキル基で、好ましくはC1 〜C4 である)で表されるモノマーの単重合体、またはこのモノマーと前述したようなスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの重合性モノマーとの共重合体を正電荷制御剤として用いることができる。これらの荷電制御剤は、結着樹脂の一部または全部としての作用を合わせ持つ。
【0099】本発明で使用することができる負荷電制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、例示すれば、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム等がある。特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩、Cr錯体、Fe錯体が好ましく、中でもサリチル酸系金属錯体または金属塩が好ましい。
【0100】本実施例では、ニグロシンを用いてポジトナーを作製した。
【0101】上記の荷電制御剤(結着樹脂としての作用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好ましく、その個数平均粒径は4μm以下、特には3μm以下がよい。
【0102】トナーに内添する荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、更には0.2〜10重量部が好ましい。
【0103】トナーに外添する荷電制御剤の添加量は、微粉末シリカの場合を挙げれば、トナー100重量部に対し0.01〜8重量部、更には0.1〜5重量部が好ましい。このシリカは、トナー粒子と現像スリーブ表面との間に介在することにより、現像スリーブの摩耗を著しく軽減する作用も合わせ持つ。
【0104】トナーにフッ素含有重合体の微粉末、例えばポリテトラフロオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の微粉末、或いはテトラフロオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体の微粉末を添加することは好ましい。特にポリビニリデンフルオライド微粉末は、トナーの流動性及び研摩性を改善する点で好ましい。トナーに対するフッ素含有重合体微粉末の添加量は、0.01〜2.0wt%、特に0.02〜1.0wt%が好ましい。
【0105】特にシリカ微粉末とフッ素含有重合体微粉末とを組合せて添加した場合には、理由は明確でないが、磁性トナーに付着したシリカの存在状態を安定化して、付着したシリカがトナーから遊離してトナーを摩耗したり、現像スリーブを汚染することを減少でき、またトナーの帯電安定性をさらに増大することができる。
【0106】感光ドラムの研摩剤としてチタン酸ストロンチウムがトナーに添加されることもある。この研摩剤は、感光ドラム表面へのトナーの付着を防止する働きがあり、トナーに対する添加量は好ましくは0.01〜1.0wt%とされる。
【0107】磁性トナーは着色剤の役割を兼ねても良いが、磁性材料を含有している。磁性トナー中に含有させる磁性材料としては、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金、及びその混合物等が挙げられる。これらはいずれも強磁性体である。
【0108】これらの磁性体の平均粒径は0.1〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度がよい。磁性トナーの磁性体含有量は、現像のかぶりや濃度の観点から適正化するが、一般に、トナーの樹脂100重量部に対し60〜110重量部、好ましくは樹脂100重量部に対し65〜100重量部である。
【0109】このようなトナーは、真比重で1.4〜1.7g/cm3 程度であるが、これは主に上記の磁性体の含有量により決まる。比重が軽いものは現像され易いため、かぶりの問題が発生し易く、比重の重いものは濃度薄になり易いが、それぞれ現像系で最適化を行う。
【0110】トナーに対する外添剤は、主には、流動性付与のためのシリカで0.1〜5重量部程度外添する。このシリカは、トナー粒子とスリーブの間に介在し、スリーブの摩耗を軽減する働きも持つ。又、トナー同士の凝集を防ぎスリーブに接しているトナーと接していないトナーの入れ替わりを促進する役割もある。
【0111】更に、トナーにはポリフッ化ビニリデンなどのフッ素含有重合体を外添する場合もある。これらは理由は明確でないが、トナーに付着したシリカのトナーからの遊離を減少させる働き等があり、結果として、帯電安定性を増す効果がある。
【0112】更には、チタン酸ストロンチウム等を外添する場合もある。これは、ドラムに対する研磨剤の役割を果たし、結果としてドラムにフィルミング的に付着するトナーを研磨除去する効果がある。
【0113】以下、本実施例における画像形成実験例について説明する。
【0114】実験例1本実施例に従って、アルミニウムスリーブの表面を球形粒子である#300番のガラスビーズのブラスト処理で粗面化し、その後、無電解Ni−Pメッキを施して、表面の凹部内の微細な凹凸を覆った。これにより、表面の凹部内を略鏡面化したメッキ厚さ5μm、表面粗さRa=約0.5μmを有する現像スリーブを得た。これを図1の現像スリーブ6として現像器3に組込んで現像に供し、連続画像形成を行なった。
【0115】本発明は、デジタル複写装置にも適用することができる。図9は、デジタル複写装置の一実施例を示す全体概略構成図である。
【0116】本実施例にて、感光ドラム1は、円筒状の導電基体上にアモルファスシリコンの光導電層を設けてなり、矢印A方向に回転自在に軸支されている。この感光ドラム1の周囲に、その回転方向にそって、感光ドラム1の表面を均一に帯電するスコトロン帯電器15、感光ドラム1上方のガラス台23上に置かれた原稿22を読み取って、色分解画像の濃度に比例した画像信号に基づいて感光ドラム1に像露光33を施す、露光ランプ21及びCCD26等を含む露光装置、像露光により得られた静電潜像を正に帯電したトナーを用いて現像する現像器3、潜像の現像により感光ドラム1上に形成されたトナー像を、感光ドラム1に供給された転写材P上に転写するコロナ帯電器16、トナー像が転写された転写材Pを感光ドラム1から分離する静電分離帯電器17、トナー像を転写した後の感光ドラム1の表面をクリーニングして、転写残りのトナーを除去するクリーニング装置5、及び感光ドラム1の表面の残留電荷を除去する前露光装置(ランプ)18などが配置されている。
【0117】感光ドラム1から分離された転写材Pは定着器19に搬送され、ここで加熱及び加圧されることにより転写したトナーが像転写材Pに定着されて、所望のプリント画像に形成された後、画像形成装置の機外に排出される。
【0118】露光装置の露光ランプ21は、ガラス台23に沿って移動しながらその上の原稿22を読み取り、得られた画像情報は、露光ランプ21とともに移動する反射ミラー24a、24b及び24c、さらに短焦点レンズ25を経て、CCD26に挿入される。CCD26は、画像情報を電気信号に変換するもので、この電気信号はA/Dコンバータ27によりデジタル化されたのち信号処理部28送られ、そこで画像濃度に比例した256階調のデジタル画像信号に変換される。
【0119】信号処理部28では、CCD26上に結像した原稿からの反射光はA/D変換されて600dpi、8bit(256階調)の画像の輝度信号に変換され、イメージプロセッサー部に送られる。イメージプロセッサー部では、周知の輝度−濃度変換(Log変換)を行い、画像信号を濃度信号に変換した後、必要ならばエッジ強調やスムージングや高周波成分の除去などのフィルター処理を通し、その後濃度補正処理、所謂、γ変換をかけてから、例えば誤差拡散法等の2値化処理や、ドット集中型のディザマトリックスによるスクリーン化処理を通して2値化(1bit)される。勿論、8bitのままで周知のPWM(パルス巾変調)法等でレーザーを駆動し潜像を形成しても良いが、画像データのハンドリングのし易さの点から、2値画像化が最近の主流である。当然データは1/8に圧縮されるので、例えばA3原稿程度のページメモリーを有するマシンや、更には、画像データを大量に保管するイメージサーバーなどを有する複写機においては大幅なメモリーの削減になりコストダウンにつながる。
【0120】その後、この画像信号は駆動信号発生部としてのレーザドライバー29に送られ、信号に応じて(8bit画像であればPWM変調方式で、1bitであればレーザーのON/OFFを行い)レーザー30を駆動する。レーザ光(680nm)は、ポリゴンミラー31、反射ミラー32を経て、像露光33として感光ドラム1に照射される。ドラム上でのスポット径は、600dpiの1画素=42.3μmよりも若干大きい55μm程度のスポットサイズでドラム上に結像し、これにより感光ドラム1上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0121】本実施例のデジタル複写機の複写速度は、A4サイズで毎分60〜100枚である。
【0122】本実施例では、感光ドラム1を表面電位+400Vに帯電し、像露光を行なって、潜像を表面電位+50Vに形成した。現像スリーブには、+250VのDC電圧と、ピーク間電圧Vpp=1.3kV、周波数f=2.7kHz、ポジティブ・デユーティー(Positive Duty)35%の矩形波(非対称バイアス)のAC電圧を重畳した、現像バイアスを印加した。
【0123】感光ドラムとスリーブの間隙は230μmとし、上記トナーのうち体積平均径が7μmのポジトナーを用いて反転現像を行った。
【0124】その結果、現像スリーブ上のトナーに、0.8mg/cm2 の十分なトナー搬送量及び11μC/gの十分な帯電量が得られ、A4サイズで10万枚のプリント(印字率6%原稿換算)を行なっても、濃度低下の低下は0.1程度(初期は1.4程度)で、画像の劣化等がほとんど見られなかった。
【0125】比較例として、ステンレス(SUS316)の現像スリーブを、表面に#300のガラスビーズでサンドブラスト処理して現像に供し、同様に、正帯電性の磁性トナー(平均粒径7μm)を用いて反転現像し、連続画像形成を行なったところ、以下の現象が生じた。尚、SUSスリーブのブラスト圧は、粗さをアルミニウムスリーブと揃えるために、アルミニウムスリーブの場合より高めに設定した。
(1)プリント枚数2000〜5000枚のところで、画像濃度が1.3から1.0へ低下した。
(2)画像濃度が低下する時点の現像スリーブ上のトナーを取り除き、溶剤で現像スリーブを洗浄してから現像に再度使用すると、画像濃度が回復した。
【0126】そこで、画像濃度が低下した時点のトナーの摩擦帯電量を測定したところ、画像形成開始時のトナー帯電量の1/2以下となっており、トナー帯電量の低下が画像濃度の低下原因であることが分かった。
【0127】一方、上記の無電解Ni−Pメッキを施したアルミニウムスリーブの場合には、トナーの帯電量は若干の低下でしかなかった。まとめると表3のようになる。
【0128】
【表3】

【0129】以上から、本発明によれば、スリーブ汚染に効果があることが分かる。
【0130】実験例2本実験では、実験例1と同様の現像スリーブを組込んだ現像器を、OPCドラムを使用したネガ帯電系のアナログ複写機と組合せて、本発明の現像スリーブをネガ帯電系の画像形成に適用した場合を検討した。
【0131】感光ドラム1は上記のようにOPCドラムからなり、感光ドラムと現像スリーブのギャップを250μmとした。感光ドラム上の表面電位−700Vとし、潜像を表面電位(非画像部)−150Vで形成し、前出の平均粒径7μmの正帯電性の磁性トナーを用いて正規現像した。現像スリーブには、−550VのDC電圧と、ピーク間電圧Vpp=1.5kV、周波数f=2.2kHz、デユーティー50%の矩形波(対称バイアス)のAC電圧を重畳した、現像バイアスを印加した。
【0132】その結果、現像スリーブ上のトナーに、適正な0.88mg/cm2 のトナー搬送量及び11μC/gの帯電量が得られた。A4サイズで10万枚相当のプリントを行なっても、画像の濃度低下、劣化等が見られなかった。
【0133】以上から、本発明の現像スリーブはネガ帯電系の画像形成装置に使用する現像器に適用しても、有効であることが分かる。
【0134】実施例2本実施例は、上記実施例1にて説明した図9に示すデジタル複写装置にて、現像スリーブとして無電解Crメッキしたものを用いた以外、画像形成条件などは実施例1と同様である。
【0135】現像スリーブ6は、アルミニウムスリーブの表面を球形ガラスビーズでブラスト処理して粗面化し、次いで、無電解Crメッキを施して、表面粗さRaが0.5μm、メッキ厚さ5μm、硬度Hvが約600としたものである。現像器3のその他の構成は、図1に記載した現像器3と同じである。
【0136】このときの現像スリーブ上のトナー搬送量は0.8mg/cm2 、トナー帯電量は13μC/gが得られた。ここで、トナー搬送量に関しては実施例1とほぼ同じなのに対してトナー帯電量が実施例1よりも大きいのは実施例1のNi−Pの材質に比べて本実施例2のCrの方がトナーに対する帯電性が高いためと考えられる。
【0137】一般的に、トナーの帯電性が高い方が画像濃度には有利であるが、高すぎると特に低湿環境などで使用した場合、更に帯電量が高まるため、スリーブ上の局所的な帯電過多からコート不良等を起こすことが知られている。しかし、上記で挙げた程度の違いではそのような弊害もなく、又画像濃度の著しい上昇もない。
【0138】いずれにせよ、本実施例2においても、その初期画像は問題のないレベルであり、連続複写テスト10万枚時点での濃度低下も0.1程度と少ないことが確認された。
【0139】又、更に、連続複写テストを継続し100万枚時点でのスリーブの削れ(ここでは、初期の直径からの細り分をスリーブの削れとしている)を測定したところ、平均でも1μm弱と非常に少ないことが確認された。
【0140】これは無電解Crメッキが実施例1の無電解Ni−Pメッキに比較して硬度が更に高いことによると考えられる。通常、Ni−Pメッキは、アニールを行わない限り、Hv=450程度なのに対して無電解CrメッキはHv=600と高い。参考までに実施例1のNi−Pメッキでの削れ量は、平均で1.5μm程度であり、無電解Crメッキの方が約半分程度に削れ量が少ないことが予想され、スリーブの長寿命化が可能である。
【0141】実施例3本実施例では、図10に示すように、現像器3の現像剤規制部材として、磁性ブレードの代わりに弾性ブレード9aを使用し、これを現像スリーブ6に直接当接させた。また現像スリーブ6は、実施例2で説明した無電解Crメッキのスリーブを用いた。
【0142】本実施例の画像形成装置自体の機械的構成は、図1の実施例1と基本的に同じである。
【0143】感光ドラム1はOPCドラムを用い、感光ドラムと現像スリーブとのギャップを300μmにした。感光ドラムの表面を−600Vに帯電し、像露光を行なって、潜像を表面電位−100Vで形成し、負帯電性の磁性トナーを用いて現像した。現像スリーブには直流電圧(−450V)と交流電圧(Vpp=1.5kV、f=2.2kHz、ディーティ50%)の矩形波を重畳した現像バイアスを印加し、画像形成を行なった。
【0144】弾性ブレードは、当接圧12g/cm程度の軽圧で当接させ、エッジ当たりではなく、腹当たりとしている。又、このときの当接ニップは約1mmであった。
【0145】又、トナー搬送量(0.6mg/cm2 程度)、帯電量(18μC/g程度)とも良好であり、初期画像は画質の点では実施例1より帯電量が高いために更に向上し、しかも接触の弾性ブレードであるため帯電量が高くてもブロッチが起きず、問題がないことを確認して連続複写テストを行った。本実施例のような弾性ブレードコートは、スリーブ上のトナーを弾性ブレードが当接して擦っているためスリーブ汚染はより早い時期に発生しがちであるが、本実施例は、連続複写テスト1万枚での画像の濃度低下、劣化に関しては問題なく、良好であることを確認した。
【0146】又、スリーブ削れに関しても、弾性ブレードが当接しているため削れ易いが、無電解Crメッキとしているためスリーブが硬いので削れ量は少なかった。1万枚の時点で2.5μm程度であった。そのため、必要ならば、弾性ブレードの上流側にスリーブゴースト防止のためのトナーの剥ぎ取り・塗布ローラをスリーブに当接させて設けることも可能である。勿論、スリーブの削れは更に増加すると考えられるが、メッキ厚を5μmとしていることもあって、例えばカートリッジ方式の現像器等であればその使用の耐久寿命1万枚程度まではメッキが削れてなくなることもなく、性能を維持できる。
【0147】本実施例では、現像剤規制部材として弾性ブレード9aを使用したが、単発泡の弾性体で作ったローラを用いてもよく、同様にこれを現像スリーブに当接して使用するが、このような単発泡弾性体制の規制ローラを使用した場合にも本発明は有効である。
【0148】実施例4本実施例では、実施例1にて説明したスリーブと同様の無電解Ni−Pメッキを実施例1にて説明した現像器及び画像形成装置を使用して画像形成に供した。ただ、本実施例では、実施例1で説明した現像スリーブとは、そのメッキ層厚が異なり、本実施例のスリーブは、使用するトナーの体積平均径(直径)の倍以上のメッキ厚を有していた。
【0149】メッキを施して微小なクラックを埋めることが、スリーブ汚染に有効なことは上述したが、その厚さを必要以上に厚くすることはコストの点で無駄である。必要十分なメッキ厚を形成することで性能を向上させながらコストを最低限に押さえることができる。
【0150】メッキ厚に関して図11及び図12を参照して説明する。
【0151】図11(a)は、球形粒子で柔らかい金属をブラストしたときにできる凹凸の理想的な状態である。クレーター状の波面高さ(粗さRz等に相当する)は、5μm程度であり、間隔(平均山間隔Smに相当する)は、50μm程度で連なっている。
【0152】図11(a)は、実際のブラスト後の凹凸の状態の模式図であるが、上述したように、凹部内には実際には微小なクラックが存在する。これは、前述したように5μm以下程度のものが主であり、深さは5μm程度である。従って、図11(a)に比較して図11(b)の方が当然Rmax等は数値は大きくなるがRz、Ra、Sm等は大きくは変わらない。
【0153】図12は、微小なクラック一つを取り出して模式的に図示したもので、フラットな平面上にクラックがあるとして説明する。
【0154】このクラックの大きさが5μmのものを図12(a)、10μmのものを図12(b)、15μmのものを図12(c)に示す。
【0155】図3に示すように、アルミニウムに球形粒子でブラストしたスリーブ表面の光学写真から分かるように、クラックの個数で一番多いものは5μm以下程度のものであり、10μmのものはまれに存在するが、15μm級のものは殆ど存在しない。このことは、粗さの数字からも伺える。10μm、15μm級のものは当然深さも深いがそれらが多く存在しているならば、Rz等の数値に影響を与える筈だからである。
【0156】メッキ厚とトナー粒径との関係について説明するために、先ず、トナーの平均粒径、粒度分布に関して説明する。
【0157】使用するトナーは体積平均径が7μmであり、その粒度分布を図13に示す。4μm以下の微粉が個数にして15〜20%、6〜8μmの中心粒径付近のものが個数にして70%で、個数では両者で全体の80〜90%を占めている。
【0158】ここで、図12(a)に示すように、5μm程度のクラックに対して5μmのメッキ厚のメッキを施した場合、図12(a)の破線に示されるような表面となり、ほぼクラックを埋められる。このように個数的に一番多いクラックをメッキにより埋めることで、このクラックに微粉(4μm以下程度のもの)が埋め込まれるのを防止でき、スリーブ汚染に効果があると考えられる。
【0159】一方、図12(b)に示すように、10μm程度のクラックに関してメッキ厚を5μm形成したものの表面は、図中破線のようであり、クラックは、実質的には4〜5μm級のクラックと同程度の大きさで残ることになる。ここにはトナーの微粉が埋め込まれ易い。
【0160】又、当然ながら、図12(c)に示すような、実際にはここまで大きいものは殆どないと考えられるが、15μm程度のクラックに対しても5μm程度のメッキでは図中破線でその表面形状を示すように全てを埋め尽くすことができない。このときは、およそ8〜10μm程度のクラックが残ることになる。このクラックにはトナーの平均粒径程度のものが埋め込まれることとなる。
【0161】そのため、もともと大きなクラックに対しては、5μmのメッキ厚では不十分なことが分かる。
【0162】このことを踏まえて、本実施例の「メッキ厚をトナーの平均粒径の2倍以上形成する」ことに関して説明する。
【0163】図12(b)、(c)の図中の一点鎖線はメッキ層を15μm形成したときの表面形状を示す。これは、トナーの中心粒径が7μmなので15μmのメッキを施したものである。両方とも、クラックが十分にメッキ層で埋め尽くされていることが分かる。そのため、微粉も中心粒径のトナーもこれらのクラックに埋め込まれることは一切なく、スリーブ汚染に対して十分な効果があると考えられる。
【0164】このように、トナー粒径の倍以上のメッキ層を設けることで、前述したように、スリーブ汚染に対してより強いスリーブとすることができるが、この時のトナー粒径との関係について以下に説明する。
【0165】そもそも、もともとのブラスト後の表面により大きなクラックがあれば厚いメッキを施してもまだクラックは残ることとなる。しかし、トナー搬送性の点から、通常、トナー粒径に対してスリーブの粗さは同等程度か、それ以下にすることが多い。勿論、設計上の問題であってより粗くしても構わないが、品質上そこまでする必要は通常ない。一般的には、トナー粒径が6〜12μm程度のものが用いられる中で、スリーブの粗さはRzで3〜10μm程度とすることが多い。そのため、図12(c)で示したほど大きなクラックは、想定される最大のものと考えられる。それでも、個数としては少ないと考えられる。
【0166】先ず、通常の現像スリーブに対しては、トナー粒径と同程度のメッキ厚を施せば、図12(a)のような微少なクラックは埋められるが、図12(b)のような比較的大きなクラックは埋め尽くすことができず、ここには微粉が入り込むことがある。更には、個数的には少ないが、図12(c)で示したような大きなクラックにはトナーの中心粒径程度のものが入り込む可能性がある。
【0167】一方、使用するトナーの中心粒径の倍以上のメッキを施してあれば、図12(b)のような比較的大きなクラックも埋め尽くすことができ、更には、図12(c)で示したような大きなクラックさえも充分に埋め尽くすことができる。そのため、トナーの微粉が入り込まないようにできることは勿論で、更には、トナーの個数にして90%程度を占める中心粒径以下のトナーに対しても入り込む余地のある全てのクラックを埋め尽くすことができ、確実にスリーブ汚染を防げるので、このメッキ厚が必要十分な厚さであると考えられる。勿論この時でも、トナー粒径とほぼ同程度若しくはそれ以下の表面粗さを持つスリーブとして仕上がるので、トナー搬送性の点からも充分である。
【0168】このようにメッキを厚くすることはスリーブ汚染に有効であるが、これはその現像器のスリーブに必要とされる耐久寿命、トナーの材料(汚染し易い等)に基づいて設計されるべきものであって必ずしも耐久寿命の短いLBP等のスリーブには高硬度のメッキを適用しなくても良い。
【0169】又、このように、メッキ厚を適正化すれば、これまでスリーブとしてアルミニウムスリーブに球形粒子でブラストしたものを用いてきたが、SUSスリーブであっても用いることができる。つまり、スリーブ基材として比較的柔らかい金属であるアルミニウム等を用いる必要はなくなる。ただし、そもそも、SUSの方がアルミニウムより高価であるため、コストの点でも、勿論、スリーブ汚染の点でも、アルミニウムの方が好ましい。
【0170】尚、厚いメッキを施した場合の、図11(b)のスリーブ表面を、図中一点鎖線で示すが、厚いメッキを施して微少なクラックは埋まるが、大きな凹凸はほぼ維持されるので、やはり粗さのパラメータRz、Ra、Sm等は、勿論、粗さが下がる方向ではあるが、あまり大きくは変化しない。
【0171】このスリーブを用いて実施例1の実験例1と同様な条件で連続複写を行ったが、スリーブ寿命が更に向上し、50万枚耐久でも全く問題がなかった。
【0172】尚、本発明と先行技術との差異を以下に明確にしておく。
【0173】そもそも、硬度増大のための手法として、アルミニウムのような柔らかい金属の表層に硬い金属メッキを施すことは、従来から良く知られている。
【0174】例えば、古くは特開昭57−86869号や特開昭58−132768号には、アルミニウムにメッキを施した記述があるが、前者はブラストを不定形粒子で行っており、後者はサンドブラストに関しては詳細な記載がない。又、後者は、主たる効果が単にスリーブの硬質化にのみあるので、本発明のようなスリーブ汚染に対する知見は得られない。又、前者はスリーブ汚染に関する記載があるが、公報中には主にSUSスリーブに関して記述されており、アルミニウムスリーブに対するブラストとの差異が認識されておらず、不定形粒子によるブラストであることを合わせ考えると、スリーブ汚染に対する十分な効果を有するものとは考えられない。
【0175】又、特開昭60−130770号は、その表面にメッキ等により磁性層を設けるもので、その磁気特性に言及したものであり、表面性に関する知見は記載されていない。又、2成分現像に関するものなので1成分現像のスリーブに相当するものは2成分現像ではキャリアであるため本質的に本発明とは関係がない。
【0176】更に、特開昭61−219974号もブラストに関してアルミナ粒子を用いたアランダムブラストの上からメッキを施すものである。
【0177】最近では、特開平5−27581号に示されるように、球形ブラストの後にメッキを施す提案があるが、これはメッキに関して電解メッキか、無電解メッキかの記載がなく、又、その表面性に対する知見もトナー搬送性の点だけであり、スリーブ汚染に関する記載がない。
【0178】又、特開平3−41485号もアランダムブラストで、且つ、メッキに関して無電解メッキとの記載はなく、実施例中のニッケルメッキに関して若干であるが磁性を帯びているとの記載がなされているため、ここでのニッケルメッキは電解メッキであると考えられる。
【0179】更に、特開平3−233581号も又、ブラストやメッキに関する詳細な記載がない。
【0180】本発明は、以上のような点で従来の技術と差異があり、「球形ブラスト処理を施した後に無電解メッキ層を形成し、スリーブ汚染を軽減した」点に特徴を有する。又、その効果をより一層引き出すためには、「下地のスリーブ基材に硬度の低いものを使用」することが好ましく、又、長期にわたってスリーブの粗さを初期値に近い状態で保つためにも「比較的高硬度な無電解メッキ」が好ましい。
【0181】更には、上記の全ての先行技術に関して言えるが、上記先行技術はメッキの厚みとメッキ後の表面性に関する知見が不十分で、勿論、使用するトナー粒径とメッキ厚との関係にまで言及したものはない。そのため「メッキ厚を厚くすること」或いは「トナー粒径の倍以上のメッキ層を設ける」ことでスリーブ汚染を抑えることに関しても、上記先行技術にはない。
【0182】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成装置は、像担持体の表面に形成された静電潜像を、現像剤担持体にて担持し搬送される現像剤にて可視像とする画像形成装置において、現像剤担持体は、その表面を球形粒子による粗面化処理して表面にほぼ滑らかな凹凸面を一様に形成した後、更に、表面に無電解メッキを施した構成とされるので、現像剤として小粒径のトナーや帯電性の低いトナー、特にポジトナーを用いた場合でも、現像剤担持体表面のトナーによる汚染を防止して、良好な現像により濃度が十分な画像を得ることができるとともに、現像器が長寿命であるという効果を奏し得る。




 

 


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