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発明の名称 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−184115
公開日 平成11年(1999)7月9日
出願番号 特願平9−365976
出願日 平成9年(1997)12月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 有
発明者 高井 秀幸 / 田中 正人 / 中田 浩一 / 國枝 光弘
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層中が下記一般式(1)で示されるビスアゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
一般式(1)
【化1】

式中、A及びBはフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基を表わし、A及びBの少なくとも一方は下記一般式(2)で示されるカプラ−残基である。
一般式(2)
【化2】

式中、Xはベンゼン環と縮合して置換基を有してもよい芳香族炭化水素環または置換基を有してもよい芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表わし、Yは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはトリハロアルキル基を表わし、nは0〜2の整数であり、R1 及びR2 は同一または異なって水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を表わす。
【請求項2】 前記一般式(1)中、AとBが共に前記一般式(2)で示すカプラ−残基である。請求項1記載の電子写真感光体。
【請求項3】 請求項1記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
【請求項4】 請求項1記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体並びに該電子写真感光体を備えたプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体で用いる光導電性材料として、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性物質が広く用いられていた。
【0003】一方、有機光導電性物質からなる電子写真感光体としては、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ルに代表される光導電性ポリマ−や2,5−ビス−(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ルのような低分子の光導電性物質を用いたもの、更にはこのような有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせたもの等が知られている。
【0004】有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成膜性が良く、塗工によって生産できるため、極めて生産性が高く安価な感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料の選択により、感色性を自在にコントロ−ルできる等の利点を有し、これまで幅広い検討がなされてきた。特に最近では、有機光導電性ポリマ−や低分子の光導電性物質を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型感光体の開発により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善がなされてきた。
【0005】アゾ顔料は優れた光導電性を示し、しかもアゾ成分とカプラ−成分の組み合わせ方で様々な特性を有する化合物が容易に得られることから、これまで数多くの化合物が提案されている。
【0006】本発明に関連した、ベンズアンスロンをアゾ成分として用いたビスアゾ顔料は、これまでに特開昭59−31962号公報、特開昭62−127845号公報などで公知である。しかしながら、従来のベンズアンスロン系ビスアゾ顔料は優れた感度特性を有し、繰り返し使用時の電位安定性が良いという利点はあるものの、近年の複写機やプリンタ−の高速化に対応した高感度感光体のニ−ズに対しては十分な感度であるとは言えなかった。更にカプラ−としてベンズカルバゾ−ルタイプのカプラ−を用いた場合には、感度波長域が800nm付近にまで延び、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−用の電荷発生材料に好適な材料となるが、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−のような反転現像系に用いた場合、従来のベンズアンスロン系アゾ顔料は黒ポチと呼ばれる画像欠陥が出易いという欠点も有していた。この欠点を解決する方法として特開平2−226257号公報に特定のトリスアゾ顔料を混合する方法が提案されているが、生産面を考慮すると単一材料でこのような欠点のない材料が望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規なビスアゾ顔料系の電荷発生材料を提供し、これによって改善された感度特性と繰り返し特性を有し、かつ、画像欠陥のない写真感光体を提供すること、また該電子写真感光体を用いたプロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層中が下記一般式(1)で示されるビスアゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体から構成される。
一般式(1)
【化3】

式中、A及びBはフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基を表わし、A及びBの少なくとも一方は下記一般式(2)で示されるカプラ−残基である。
一般式(2)
【化4】

式中、Xはベンゼン環と縮合して置換基を有してもよい芳香族炭化水素環または置換基を有してもよい芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表わし、Yは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはトリハロアルキル基を表わし、nは0〜2の整数であり、R1 及びR2 は同一または異なって水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を表わす。
【0009】また、本発明は前記本発明の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】前記一般式(2)で示されるカプラ−残基は、詳しくは、一般式(2)中、Xはベンゼン環と縮合してナフタレン環、アントラセン環、カルバゾ−ル環、ベンズカルバゾ−ル環、ジベンズカルバゾ−ル環、ジベンゾフラン環等の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表わす。上記の芳香族炭化水素環または芳香族複素環は、置換基を有してもよく、置換基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、トリフロロメチル等のトリハロアルキル基等が挙げられる。Xがベンズカルバゾ−ル環あるいはジベンズカルバゾ−ル環を形成する残基の場合、顔料の吸収波長域が800nm付近にまで延び、半導体レ−ザ−を光源に用いたプリンタ−や複写機用の電荷発生材料となる。
【0011】Yは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、トリフロロメチル等のトリハロアルキル基等を表わす。nは0〜2の整数である。
【0012】R1 及びR2 は同一または異なって水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有しても芳香族炭化水素環、置換基を有してもよい芳香族複素環を表わす。置換基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、トリフロロメチル等のトリハロアルキル基等が挙げられる。特にR1 、R2 のいずれか一方が水素原子で、他方が置換、非置換のフェニル基である場合が好ましい。
【0013】本発明に用いられるビスアゾ顔料は一般式(1)のA、Bが共に一般式(2)で示されるカプラ−残基である方がより好ましいが、A、Bのいずれか一方のみが一般式(2)で示されるカプラ−残基であってもよく、この場合、他方のカプラ−残基としては従来公知の下記一般式(3)〜(8)で示されるカプラ−残基を用いることができる。
【0014】一般式(3)
【化5】

一般式(4)
【化6】

一般式(5)
【化7】

一般式(6)
【化8】

一般式(7)
【化9】

一般式(8)
【化10】

【0015】一般式(3)、(4)、(5)及び(6)中のXはベンゼン環と縮合して置換基を有してもよいナフタレン環、置換基を有してもよいアントラセン環、置換基を有してもよいカルバゾ−ル環、置換基を有してもよいベンズカルバゾ−ル環、置換基を有してもよいジベンゾカルバゾ−ル環、ジベンゾフラン環等の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するのに必要な残基を示す。
【0016】一般式(8)中のYは、置換基を有してもよい2価の芳香族炭化水素基または窒素原子を環内に含む2価の複素環基を示し、具体的にはo−フェニレン、o−ナフチレン、ペリナフチレン、1,2−アンスリレン、3,4−ピラゾ−ルジイル、2,3−ピリジンジイル、4,5−ピリジンジイル、6,7−インダゾ−ルジイル、6,7−キノリンジイル等の2価の基が挙げられる。
【0017】一般式(3)及び(4)中のR3 及びR4 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基または置換基を有してもよい複素環基を示し、また、R3 とR4 は窒素原子を介して環状アミノ基を形成してもよい。
【0018】一般式(5)及び(6)中のR5 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよい複素環基を示す。
【0019】一般式(7)中のR6 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよい複素環基を示す。
【0020】上記表現のアルキル基としてはメチル、エチル、プロピル等の基、アリ−ル基としてはフェニル、ナフチル、アンスリル等の基、アラルキル基としては、ベンジル、フェネチル等の基、複素環基としてはピリジル、チオニル、チアゾイル、カルバゾイル、ベンゾイミダジリル、ベンゾチアゾリル等の基が挙げられ、窒素原子を環内に含む環状アミノ基としては、ピロ−ル、ピロリン、ピリジン、インド−ル、インドリン、カルバゾ−ル、イミダゾ−ル、ピラゾ−ル、ピラゾリン、オキサジン、フェノキサジン等の基が挙げられる。
【0021】また、有してもよい置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、フェニル、ナフチル等のアリ−ル基、ピリジル、キノリル、チエニル、フリル等の芳香環基、アセチル、ベンジル等のアシル基、ジメチルアミノ等のアルキルアミノ基、トリフルオロメチル等のハロアルキル基、シアノ基、、ニトロ基等が挙げられる。
【0022】一般式(3)及び(5)中のZは酸素原子または硫黄原子を示し、mは1または2の整数である。
【0023】一般式(1)で示されるビスアゾ顔料の代表例を表1〜10に列挙する。記載は顔料の基本型において変化する部分のみを記載することによって、全体構造を記載したこととする。本発明に用いる一般式(1)示されるビスアゾ顔料はこれらの代表例に限定されるものではない。
【0024】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【0025】本発明に用いるビスアゾ顔料は、ジアミノベンズアンスロンを常法によりテトラゾ化し、これをホウフッ化塩として一旦単離した後、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤中で、酢酸ソ−ダ、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の塩基の存在下、一般式(2)で示されるカプラ−残基に対応するカプラ−とカップリングすることによって容易に合成できる。
【0026】一般式(1)中のAとBが相異なる構造であるビスアゾ顔料を合成する場合は、テトラゾニウム塩1モルに対し、初めに一方のカプラ−1モルをカップリングさせ、続いて他方のカプラ−1モルをカップリングさせることで合成することができる。
【0027】合成例(顔料例P−25の合成)
300ミリリットルビ−カ−に水80ミリリットル、濃塩酸20ml(0.23モル)とジアミノベンズアンスロン【化11】

8.3g(0.032モル)を入れ−5℃迄冷却し、亜硝酸ソ−ダ4.6g(0.067モル)を水10ミリリットルに溶かした液を液温を−5℃以下に保ちながら10分間で液中に注加した。5分間撹拌した後カ−ボンろ過し、この溶液の中へホウフッ化ナトリウム10.5g(0.096モル)を水90ミリリットルに溶かした液を撹拌下滴下し、析出したホウフッ化塩をろ取し、冷水で洗浄した後、アセトニトリルで洗浄し室温で減圧乾燥した。収量12.4g、収率85%【0028】次に、3リットルビ−カ−にN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1.5リットルを入れ、下記構造式の化合物【化12】

21.2g(0.042モル)を溶解し液温を−5℃に冷却した後、先に得たホウフッ化塩9.2g(0.020モル)を溶解し、次いでトリエチルアミン5.1g(0.050モル)を5分間で滴下した。2時間撹拌した後析出した顔料をろ取し、DMFで4回、水で3回洗浄した後、凍結乾燥した。収量23.2g、収率91%【0029】

【0030】本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に前記一般式(1)で示されるビスアゾ顔料を含有する感光層を有する。感光層の形態は、公知のいかなる形態も可能であるが、一般式(1)で示されるビスアゾ顔料を含有する層を電荷発生層とし、これに電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した機能分離型の感光層が特に好ましい。
【0031】電荷発生層は、一般式(1)で示されるビスアゾ顔料を適当な溶剤中でバインダ−樹脂と共に分散した塗布液を、導電性支持体上に公知の方法で塗布することによって形成することができ、その膜厚は例えば5μm以下、好ましくは0.1〜1μmの薄膜層とすることが望ましい。
【0032】バインダ−樹脂としては、広範な絶縁性樹脂あるいは有機光導電性ポリマ−から選択されるが、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルベンザ−ル、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステル、フェノキシ樹脂、セルロ−ス樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン等の樹脂構成単位に置換基を有してもよい樹脂が好ましく、置換基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、アセチル、ベンジル等のアシル基、ジメチルアミノ等のアルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、ニトロ基、トリフルオロメチル等のハロアルキル基、シアノ基等が挙げられる。また、バインダ−樹脂の使用量は電荷発生層中の含有率で80重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
【0033】溶剤としては、前記のバインダ−樹脂を溶解し、後述の電荷輸送層や下引き層を溶解しない種類から選択するのが好ましい。具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエ−テル系化合物、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系化合物、DMF等のアミド系化合物、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系化合物、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン等の芳香族化合物、メタノ−ル、エタノ−ル、2−プロパノ−ル等のアルコ−ル系化合物、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハリゲン化炭化水素系化合物等が挙げられる。
【0034】電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積層され、電界の存在下電荷発生層から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて適当なバインダ−樹脂と共に溶剤中に溶解した塗布液を塗布することによって形成される。その膜厚は5〜40μm、好ましくは15〜30μmである。
【0035】電荷輸送物質は電子輸送性物質と正孔輸送性物質とがある。電子輸送性物質としては、例えば2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシアノキノジメタン等の電子吸引性物質やこれら電子吸引性物質を高分子化したもの等が挙げられる。
【0036】正孔輸送性物質としては、ピレン、アントラセン等の多環芳香族化合物、カルバゾ−ル、インド−ル、イミダゾ−ル、オキサゾ−ル、チアゾ−ル、オキサジアゾ−ル、ピラゾ−ル、ピラゾリン、チアジアゾ−ル、トリアゾ−ル等の複素環化合物、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾ−ル等のヒドラゾン系化合物、α−フェニル−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベン、5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a、d]シクロヘプテン等のスチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリ−ルメタン系化合物、トリ(p−トリル)アミン、2−[ジ−(p−トリル)]アミノビフェニル、1−[ジ−(p−トリル)]−アミノピレン等のトリアリ−ルアミン系化合物あるいは、これらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有するポリマ−(例えばポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン等)が挙げられる。
【0037】これらの有機電荷輸送物質の他に、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウム等の無機化合物も用いることができる。
【0038】前記電荷輸送物質は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。電荷輸送物質が成膜性を有していないときには適当なバインダ−樹脂を用いることができ、アクリル樹脂、ポリアリレ−ト、ポリエステル、ポリカ−ボネ−ト、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマ−、ポリサルホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等の絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマ−等が挙げられる。
【0039】本発明の別の具体例として、一般式(1)で示されるビスアゾ顔料と上記のような電荷輸送物質を同一の層に含有する感光層を有する電子写真感光体を挙げることができる。この電子写真感光体は、ビスアゾ顔料と電荷輸送物質を適当なバインダ−樹脂溶液中に分散及び溶解した溶液を導電性支持体上に塗布し、乾燥して作成することができる。
【0040】いずれの電子写真感光体においても、必要に応じて一般式(1)で示されるビスアゾ顔料を2種以上組み合わせたり、公知の電荷発生物質と組み合わせて使用してもよい。
【0041】本発明に用いられる導電性支持体の材質としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金や白金等が挙げられる。また、これら金属または合金を真空蒸着法により被膜形成したプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト、アクリル樹脂等)や導電性粒子(例えばカ−ボンブラック、銀粒子等)を適当なバインダ−樹脂と共に上記のようなプラスチック、金属または合金上に被覆した支持体あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体等が挙げられる。形状としてはドラム状、シ−ト状及びベルト状等が挙げられるが、適用される電子写真装置に最も適した形状であることが好ましい。
【0042】導電性支持体と感光層の中間にバリヤ−機能と接着機能を有する下引き層を設けることができる。下引き層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜3μmである。下引き層はカゼイン、ポリビニルアルコ−ル、ニトロセルロ−ス、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、酸化アルミニウム等によって形成できる。
【0043】また、本発明においては、感光層を外部からの機械的及び化学的悪影響から保護すること等を目的として、保護層としての樹脂層や、導電性粒子や電荷輸送物質を含有する樹脂層を感光層上に設けることもできる。
【0044】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−、CRTプリンタ−、LEDプリンタ−、液晶プリンタ−、レ−ザ−製版、ファクシミリ等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0045】次に、本発明のプロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置について説明する。図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0046】形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナ−現像され、現像されたトナ−現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリ−ニング手段9によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ロ−ラ−等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0047】本発明においては、上述の感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やレ−ザ−ビ−ムプリンタ−等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカ−トリッジ化し、装置本体のレ−ル12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジ11とすることができる。また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンタ−である場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、センサ−で原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレ−ザ−ビ−ムの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッタ−アレイの駆動等により照射される光である。
【0048】
【実施例】実施例1アルミニウム支持体上にメトキシメチル化ナイロン(重量平均分子量32,000)5部とアルコ−ル可溶性共重合ナイロン(重量平均分子量29,000)10部をメタノ−ル95部に溶解した液をマイヤ−バ−で塗布し、乾燥後の膜厚が1μmの下引き層を形成した。
【0049】次に、前記顔料例P−1の顔料5部をシクロヘキサノン95部にブチラ−ル樹脂(ブチラ−ル化度63モル%、重量平均分子量35,000)2部を溶かした液に加え、サンドミルで20時間分散した。この分散液を下引き層の上に乾燥後の膜厚が0.2μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布、電荷発生層を形成した。
【0050】次いで、下記構造式の化合物【化13】

5部とポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量55,000)5部をモノクロルベンゼン40部に溶解した液を電荷発生層の上にマイヤ−バ−で塗布、乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写真感光体を作成した。
【0051】作成した電子写真感光体を静電複写紙試験装置(商品名SP−428、川口電機(株)製)を用いて−5KVのコロナ放電で負に帯電し、1秒間暗所放置した後、ハロゲンランプを用いて照度10ルックスの光で露光し、帯電特性を評価した。帯電特性としては帯電直後の表面電位V0 と1秒間の暗所放置後の表面電位が1/2に減衰するのに必要な露光量E1/2 を測定した。結果を表16に示す。
【0052】実施例2〜13実施例1における顔料例P−1の顔料に代えて表11に示す顔料例のビスアゾ顔料を用いた他は、実施例1と同様にして実施例2〜13に対応する電子写真感光体を作成した。結果を表16に示す。
【0053】
【表16】

【0054】比較例1〜3実施例1で用いたビスアゾ顔料を下記構造式の比較顔料1〜3に代えた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、同様に帯電特性を評価した。結果を表17に示す。
比較顔料1【化14】

比較顔料2【化15】

比較顔料3【化16】

【0055】
【表17】

【0056】これらの評価結果から、本発明の電子写真感光体はいずれも十分な帯電能と改善された感度特性を有していることが分かる。
【0057】実施例14〜26実施例1〜13で作成した電子写真感光体を−6.5KVのコロナ帯電器、露光光学系、現像器、転写帯電器、除電露光光学系およびクリ−ナ−を備えた電子写真複写機のシリンダ−に貼り付けた。初期の暗部電位VD と明部電位VL をそれぞれ−700V、−200V付近に設定した後、3,000回繰り返し使用し、初期と繰り返し使用後の暗部電位の変動量ΔVD と明部電位の変動量ΔVL を測定して、耐久特性を評価した。結果を表18に示す。なお、電位の変動量における負符号は電位の絶対値が減少したことを表わし、正符号は電位の絶対値が増加したことを表わす。
【0058】
【表18】

本発明の電子写真感光体は繰り返し使用時の電位安定性も良好である。
【0059】実施例2710%の酸化アンチンモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50部、レゾ−ル型フェノ−ル樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノ−ル5部及びシリコ−ンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3,000)0.002部を1φmmのガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製し、この塗料をアルミニウムシリンダ−(30φmm×260mm)上に浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0060】次に、6−66−610−12四元系ポリアミド樹脂5部をメタノ−ル70部とブタノ−ル25部の混合溶媒に溶解した溶液を導電層上に浸漬塗布、乾燥して、膜厚0.5μmの下引き層を形成した。
【0061】次に、顔料例P−14の顔料4部とポリビニルブチラ−ル2部をテトラヒドロフラン100部に添加し、1φmmのガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で10時間分散し、これに100部のシクロヘキサノンを加えて希釈し、この塗布液を下引き層上に塗布、80℃で10分間乾燥して、膜厚0.25μmの電荷発生層を形成した。
【0062】次いで、下記構造式の化合物【化17】

10部とビスフェノ−ルZ型ポリカ−ボネ−ト10部をモノクロルベンゼン60部に溶解した液を調製し、電荷発生層の上に浸漬塗布し、110℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0063】比較例4実施例27において、顔料を下記構造式のビスアゾ顔料に代えた他は、実施例27と同様にして電子写真感光体を作成した。
【化18】

【0064】実施例27及び比較例4で作成した電子写真感光体をレ−ザ−ビ−ムプリンタ−(商品名LBP−SX、キヤノン(株)製)に装着し、暗部電位が−700Vになるように帯電設定し、これに波長802nmのレ−ザ−光を照射して−700Vの電位を−200Vまで下げるのに必要な光量を測定し感度とした。

【0065】次に、両電子写真感光体を用いて初期画像を比較したところ、比較例4の電子写真感光体を用いた画像には全面に黒ポチが発生したが、実施例27の電子写真感光体を用いた画像には黒ポチは発生せず、良好な画像が得られた。
【0066】以上の結果から、本発明のベンズアンスロン系のビスアゾ顔料を用いた電子写真感光体は、従来のベンズアンスロン系のビスアゾ顔料に比べ、長波長域の感度が良く、黒ポチという画像欠陥も発生しないことが分かる。
【0067】実施例28実施例12で作成した電子写真感光体の電荷発生層と電荷輸送層を逆の順番で積層した電子写真感光体を作成し、実施例1と同様にして評価した。ただし帯電は正帯電とした。結果を示す。
0 :+700V、E1/2 :0.72ルックス・秒【0068】実施例29実施例5と同様にして電荷発生層までを作成した。次いで、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン5部とポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量30,000)5部をテトラヒドロフラン50部に溶解した液を上記電荷発生層の上にマイヤ−バ−で塗布し、乾燥して、膜厚18μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。実施例1と同様の方法で帯電特性を評価した。ただし帯電は正帯電とした。結果を示す。
0 :+695V、E1/2 :1.03ルックス・秒【0069】実施例20顔料例P−6の顔料0.5部をシクロヘキサノン9.5部と共にペイントシェイカ−で5時間分散した。ここへ実施例12で用いたと同じ電荷輸送物質5部とポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量70,000)5部をテトラヒドロフラン40部に溶かした液を加え、更に1時間振とうした。こうして調製した塗布液をアルミニウム基板上にマイヤ−バ−で塗布し、乾燥して、膜厚20μmの感光層を形成し、電子写真感光体を作成した。実施例1と同様にして評価した。ただし帯電は正帯電とした。結果を示す。
0 :+700V、E1/2 :0.98ルックス・秒【0070】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、高い感度を有し、繰り返し使用しても安定して優れた電位特性を有し、画像欠陥もないという顕著な効果を奏する。また、プロセスカ−トリッジ及び電子写真装置に装着して同様に優れた効果を奏する。




 

 


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