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発明の名称 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−184109
公開日 平成11年(1999)7月9日
出願番号 特願平9−364383
出願日 平成9年(1997)12月19日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 有
発明者 田中 孝和 / 菊地 憲裕 / 中田 浩一 / 金丸 哲郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層が下記一般式(1)で示される化合物を含有し、かつ、該電荷輸送層が下記一般式(2)で示されるトリアリ−ルアミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
一般式(1)
【化1】

式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を示し、nは1〜4の整数である。
一般式(2)
【化2】

式中、Arは置換基を有してもよいアリ−ル基または置換基を有してもよいヘテロ環基を示し、R2 及びR3 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示し、R2 とR3 は結合して環を形成してもよく、R4 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示す。
【請求項2】 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層が下記一般式(3)で示される化合物を含有し、かつ、該電荷輸送層が下記一般式(2)で示されるトリアリ−ルアミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
一般式(3)
【化3】

式中、R5 は置換基を有してもよい、フェニル基、Xはハロゲン原子を示す。
一般式(2)
【化4】

式中、Arは置換基を有してもよいアリ−ル基または置換基を有してもよいヘテロ環基を示し、R2 及びR3 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示し、R2 とR3 は結合して環を形成してもよく、R4 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示す。
【請求項3】 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層が下記一般式(4)で示される化合物を含有し、かつ、該電荷輸送層が下記一般式(2)で示されるトリアリ−ルアミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
一般式(4)
【化5】

式中、R6 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。
一般式(2)
【化6】

式中、Arは置換基を有してもよいアリ−ル基または置換基を有してもよいヘテロ環基を示し、R2 及びR3 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示し、R2 とR3 は結合して環を形成してもよく、R4 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示す。
【請求項4】 請求項1記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
【請求項5】 請求項2記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
【請求項6】 請求項3記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
【請求項7】 請求項1記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
【請求項8】 請求項2記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
【請求項9】 請求項3記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体並びに該電子写真感光体を備えたプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く用いられてきた。これらは、熱安定性、耐湿性、耐久性等において必ずしも満足し得るものではなく、特にセレン及び硫化カドミウムは毒性のために製造上並びに取扱い上制約があった。
【0003】一方、有機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する有機感光体は、無機感光体の上記欠点を補う等多くの利点を有し、近年注目を集めている。このような有機感光体としてはポリ−N−ビニルカルバゾ−ルに代表される光導電性ポリマ−及びこれと2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等のルイス酸とから形成される電荷移動錯体を主成分とする感光層を有する電子写真感光体は既に実用化されている。しかし、この感光体は、感度及び耐久性において必ずしも満足できるものではない。
【0004】一方、電荷発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ別個の物質に分担させた、所謂機能分離型電子写真感光体は、従来の有機感光体の欠点とされていた感度や耐久性に改善をもたらした。この機能分離型感光体は、電荷発生物質、電荷輸送物質の各々の材料選択範囲が広く、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作成できるという利点を有している。
【0005】近年、電子写真感光体が複写機のみならず、電子写真技術を応用したノンインパクト型のプリンタ−への使用が急速に増加してきている。これらは主としてレ−ザ−光を光源とするレ−ザ−ビ−ムプリンタ−であり、その光源としてはコスト、装置の大きさ等の点から半導体レ−ザ−が用いられる。
【0006】現在、主として用いられている半導体レ−ザ−はその発振波長が790±20nmと長波長のため、これらの長波長の光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進められてきた。長波長側での感度は電荷発生材料の種類によって変わるものであり、多くの電荷発生材料が検討されている。
【0007】代表的な電荷発生材料としてはフタロシアニン顔料、アゾ顔料、シアニン染料、アズレン染料、スクアリリウム染料等がある。
【0008】一方、長波長光に対して感度を有する電荷発生材料として、近年、アルミクロルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、オキシバナジルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニン等の金属フタロシアニンあるいは無金属フタロシアニンについての研究が多くなされている。
【0009】このうち多くのフタロシアニン化合物では多形の存在が知られており、例えば無金属フタロシアニンではα型、β型、γ型、δ型、ε型、χ型等が一般に知られている。
【0010】また、結晶形の違いが電子写真特性(感度、耐久時の電位安定性等)及び塗料化した場合の塗料特性にも大きな影響を与えることも一般に知られている。
【0011】特に長波長の光に対して高感度を有するオキシチタニウムフタロシアニンに関しても上述のごとく無金属フタロシアニンや銅フタロシアニン等、他のフタロシアニンと同様に多形が存在する。例えば、特開昭59−49544号公報(USP4,444,851)、特開昭59−166959号公報、特開昭61−239248号公報(USP4,728,592)、特開昭62−67094号公報(USP4,664,997)、特開昭63−366号公報、特開昭63−116158号公報)、特開昭63−198067号公報及び特開昭64−17066号公報に各々結晶形の異なるオキシチタニウムフタロシアニンが報告されている。
【0012】しかし、これらのオキシチタニウムフタロシアニンは、感度が十分でなかったり、繰り返し使用時の電位安定性が悪かったり、帯電能が悪かったり、使用環境の変化による画像劣化が見られる等、実際の使用上問題となる点が幾つか有り、未だ十分満足の得られるものが得られていない。
【0013】ところで、一般に感光体においては、ある特定の電荷発生物質に対して有効な電荷輸送物質が他の電荷発生物質に対して有効であるとは限らず、また逆に、ある特定の電荷輸送物質に有効な電荷発生物質が他の電荷輸送物質に対して有効であるとは限らない。即ち、電荷の受け渡しをするこれらの電荷発生物質と電荷輸送物質には必ず好ましくない組み合わせがある。
【0014】不適当な組み合わせでは感度低下や残留電位の上昇を生じたり、繰り返し使用時の電位安定性の悪化や帯電能の低下等の多くの問題を生じる。
【0015】従って、電荷発生物質と電荷輸送物質との組み合わせは極めて重要であるが、一般的な法則は存在せず、特定の電荷発生物質に適合した電荷輸送物質を見出すのは非常に困難である。そこで本発明者等は鋭意研究の結果本発明に至った。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は長波長域においても十分な高感度を有する電子写真感光体を提供すること、また、繰り返し使用時の電位が安定に維持され、安定した画像特性を示す電子写真感光体を提供することである。また該電子写真感光体を用いたプロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層が下記一般式(1)で示される化合物を含有し、かつ、該電荷輸送層が下記一般式(2)で示されるトリアリ−ルアミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体から構成される。
一般式(1)
【化7】

式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を示し、nは1〜4の整数である。
一般式(2)
【化8】

式中、Arは置換基を有してもよいアリ−ル基または置換基を有してもよいヘテロ環基を示し、R2 及びR3 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示し、R2 とR3 は結合して環を形成してもよく、R4 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示す。
【0018】また、本発明は導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層が下記一般式(3)で示される化合物を含有し、かつ、該電荷輸送層が下記一般式(2)で示されるトリアリ−ルアミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体から構成される。
一般式(3)
【化9】

式中、R5 は置換基を有してもよい、フェニル基、Xはハロゲン原子を示す。
一般式(2)
【化10】

式中、Arは置換基を有してもよいアリ−ル基または置換基を有してもよいヘテロ環基を示し、R2 及びR3 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示し、R2 とR3 は結合して環を形成してもよく、R4 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示す。
【0019】また、本発明は導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層が下記一般式(4)で示される化合物を含有し、かつ、該電荷輸送層が下記一般式(2)で示されるトリアリ−ルアミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体から構成される。
一般式(4)
【化11】

式中、R6 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。
一般式(2)
【化12】

式中、Arは置換基を有してもよいアリ−ル基または置換基を有してもよいヘテロ環基を示し、R2 及びR3 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示し、R2 とR3 は結合して環を形成してもよく、R4 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリ−ル基を示す。
【0020】また、本発明は前記本発明の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジから構成される。
【0021】また、本発明は前記本発明の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
【0023】一般式(1)中のR1 の示すハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子及び臭素原子、アルキル基としてはメチル、エチル及びプロピル等の基、アルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ及びプロポキシ等の基が挙げられる。
【0024】一般式(2)中のArの示すアリ−ル基としては、フェニル、ジフェニル、ナフチル及びフルオレニル等の基、ヘテロ環基としてはピリジル、チエニル、フリル及びキノリル等の基が挙げられる。R2 及びR3 の示すアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル及びブチル等の基、アラルキル基としては、ベンジル及びフェネチル等の基が挙げられ、R2 とR3 とが結合することによって形成される環としては、シクロペンタン及びシクロヘキサン等が挙げられる。R4 の示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル及びブチル等の基、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシ等の基、アリ−ル基としては、フェニル、ジフェニル及びナフチル等の基が挙げられる。
【0025】Ar,R2 、R3 及びR4 の示す基が有してもよい置換基としては、上記のようなハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基が挙げられる。
【0026】一般式(3)中のR5 及び一般式(4)中のR6 の示すフェニル基が有してもよい置換基としては、メチル、エチル及びプロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0027】下記表1〜に、本発明において用いられる電荷発生物質及び電荷輸送物質の代表例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】電荷発生物質である一般式(1)、一般式(3)及び一般式(4)で示される化合物の例示は、基本型において変化する部分であるR1 、R5 、R6 及びXとnの具体例を示すことにより、化合物の全体の構造を示したこととする。
【表1】

【0029】
【表2】

【表3】

【表4】

【0030】
【表5】

【表6】

【0031】
【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【0032】本発明の電子写真感光体について更に説明する。
【0033】電荷発生層は、十分な吸光度を得るために、できる限り多くの一般式(1)、(3)または(4)で示される顔料を含有し、かつ、発生した電荷キャリヤ−の飛程を短くするために薄膜層、例えば5μm以下、好ましくは0.01〜1μmの膜厚の薄膜層とすることが望ましい。
【0034】電荷発生層は、一般式(1)、(3)または(4)で示す顔料を適当なバインダ−に分散させ、これを導電性支持体上に塗工することによって形成できる。
【0035】塗工によって形成する際に用いるバインダ−としては、広範な絶縁性樹脂から選択でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマ−から選択できる。好ましくは、ポリビニルブチラ−ル、ポリアリレ−ト(ビスフェノ−ルAとフタル酸の縮重合体)、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロ−ス系樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。電荷発生層中に含有される樹脂は80重量%以下、好ましくは40重量%以下が適している。
【0036】これらの樹脂を溶解する溶剤は、樹脂の種類によって異なり、また電荷輸送層や下引き層を溶解しない種類から選択することが好ましい。具体的には、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル等のアルコ−ル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル等のエ−テル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等が挙げられる。
【0037】塗工方法としては、浸漬コ−ティング法、スプレ−コ−ティング法、スピンナ−コ−ティング法、ビ−ドコ−ティング法、マイヤ−バ−コ−ティング法、ブレ−ドコ−ティング法、ロ−ラ−コ−ティング法、カ−テンコ−ルコ−ティング法等の方法が採用できる。乾燥は、室温における指触乾燥後、加熱乾燥する方法が好ましい。加熱乾燥は30〜200℃の範囲で5分間〜2時間の範囲で静止または送風下で行う。
【0038】電荷輸送層は電荷発生層の上に積層されてもよく、またその下に積層されていてもよい。電荷輸送層は一般式(2)で示されるトリアリ−ルアミン化合物を適当なバインダ−と共に溶剤中に溶解した塗布液を塗布して形成される。
【0039】バインダ−としては、例えばアクリル樹脂、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマ−、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマ−、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポリサルホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等の絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマ−等が挙げられる。
【0040】電荷輸送層は電荷キャリヤ−を輸送できる限界があるので、必要以上に膜厚を厚くすることができない。一般的には5〜35μm、好ましくは8〜30μmが望ましい。
【0041】塗工によって電荷輸送層を形成する際には、前述したような適当な塗工方法を採択できる。
【0042】電荷発生層と電荷輸送層の積層構造からなる感光層は導電性支持体上に設けられる。導電性支持体としては支持体自体が導電性を有するもの、例えばアルミニウム、アルミニウム合金等の金属や合金を用いることができ、その他にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム−酸化スズ合金等を真空蒸着法によって被膜形成したプラスチック、導電性粒子(例えばカ−ボンブラック、銀粒子等)を適当なバインダ−と共にプラスチックや前記金属支持体上に被覆した導電性支持体、導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた導電性支持体や導電性ポリマ−を有するプラスチック等が挙げられる。
【0043】導電性支持体と感光層の中間にバリヤ−機能と接着機能を有する下引き層を設けることもできる。下引き層は、カゼイン、ポリビニルアルコ−ル、ニトロセルロ−ス、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウム等によって形成できる。その膜厚は0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmが適当である。
【0044】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−、LEDプリンタ−、CRTプリンタ−、液晶プリンタ−、レ−ザ−製版、ファクシミリ等電子写真応用分野にも広く適用することができる。
【0045】次に、前記本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置について説明する。
【0046】図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0047】形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナ−現像され、現像されたトナ−現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリ−ニング手段9によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ロ−ラ−等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0048】本発明においては、上述の感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やレ−ザ−ビ−ムプリンタ−等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカ−トリッジ化し、装置本体のレ−ル12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジ11とすることができる。また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンタ−である場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、センサ−で原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレ−ザ−ビ−ムの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッタ−アレイの駆動等により照射される光である。
【0049】
【実施例】実施例1アルミ板上に0.2μmの塩化ビニル−無水マレイン酸−酢酸ビニルコポリマ−を用いた下引き層を形成した。
【0050】次に、顔料例P−1の5gをシクロヘキサノン95mlにブチラ−ル樹脂(ブチラ−ル化度60モル%、平均分子量3万)2gを溶かした液に加えサンドミルで18時間分散した。この液を下引き層の上に乾燥後の膜厚が0.3μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布し、乾燥して電荷発生層を形成した。
【0051】次に、化合物例CT−2を5gとビスフェノ−ルZ型ポリカ−ボネ−ト(粘度平均分子量2.8万)5gをクロロベンゼン70mlに溶解し、この塗布液を電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が18μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布し、乾燥して電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。感光体1−1と称する。
【0052】感光体1−1をレ−ザ−ビ−ムプリンタ−(商品名LBP−SX、キヤノン(株)製)の改造機のシリンダ−に貼り付けて暗部電位が−700Vになるように帯電設定し、これに波長802nmのレ−ザ−光を照射して、−700Vの電位を−100Vまで下げるのに必要な光量EΔ600 を測定した。更に、20μJ /cm2 の光量を照射した場合の電位を残留電位Vrとして測定した。
【0053】次に、この感光体を暗部電位−700V、明部電位−200Vになるように設定し直した後、連続3,000枚の通紙耐久を行い、初期と3000枚後の暗部電位と明部電位の変動量ΔVD 及びΔVL を測定した。
【0054】実施例2−10顔料例P−1〜P−8と化合物例のトリアリ−ルアミン化合物数種を組み合わせ実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。感光体を1−2〜1−10と称する。これらの感光体について、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表11に示す。
【0055】
【表11】

【0056】比較例1〜6実施例1におけるトリアリ−ルアミン化合物に代えて下記化合物H−1〜H−6【化13】

を電荷輸送物質として用いた他は、実施例1と全く同様にして比較電子写真感光体を作成し、同様に評価した。結果を表12に示す。
【0057】
【表12】

【0058】実施例11アルミ板上に0.4μmの塩化ビニル−無水マレイン酸−酢酸ビニルコポリマ−を用いた下引き層を形成した。
【0059】次に、顔料例G−1の5gをシクロヘキサノン95mlにブチラ−ル樹脂(ブチラ−ル化度70モル%、平均分子量3万)2gを溶かした液に加えサンドミルで20時間分散した。この液を下引き層の上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布し、乾燥して電荷発生層を形成した。
【0060】次に、化合物例CT−1を5gとビスフェノ−ルZ型ポリカ−ボネ−ト(粘度平均分子量2.8万)5gをクロロベンゼン70mlに溶解し、この塗布液を電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が18μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布、乾燥して電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。感光体2−1と称する。感光体2−1について実施例1と同様の方法で評価した。
【0061】実施例12〜20顔料例G−1〜C−36から選ばれる顔料例数種と化合物例のトリアリ−ルアミン化合物数種を組み合わせることの他は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作成した。感光体2−2、2−2、2−3、2−4、2−5、2−6、2−7、2−8、2−9及び2−10と称する。これらの感光体について、実施例11と同様の方法で評価した。
【0062】感光体2−1〜2−10の評価結果を表13に示す。
【表13】

【0063】比較例7〜12実施例11におけるトリアR−ルアミン化合物に代えて、前記H−1〜H−6の化合物を電荷輸送物質として用いた他は、実施例11と同様にしてそれぞれの電子写真感光体を作成した。比較感光体7、8、9、10、11及び12と称する。これらの感光体について、実施例11と同様の方法で評価した。
【0064】比較感光体7〜12の評価結果を表14に示す。
【表14】

【0065】実施例21アルミ板上に0.4μmの塩化ビニル−無水マレイン酸−酢酸ビニルコポリマ−を用いた下引き層を形成した。
【0066】次に、顔料例Q−1の5gをシクロヘキサノン95mlにブチラ−ル樹脂(ブチラ−ル化度70モル%、平均分子量3万)2gを溶かした液に加えサンドミルで20時間分散した。この液を下引き層の上に乾燥後の膜厚が0.5μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布し、乾燥して電荷発生層を形成した。
【0067】次に、化合物例CT−1を5gとビスフェノ−ルZ型ポリカ−ボネ−ト(粘度平均分子量2.8万)5gをクロロベンゼン70mlに溶解し、この塗布液を電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が23μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布、乾燥して電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。感光体3−1と称する。感光体3−1について実施例1と同様の方法で評価した。
【0068】感光体3−1を静電複写紙試験装置(商品名Model SP−428、川口電機(株)製)を用いてスタチック方式で−5.5KVのコロナ帯電し暗所で1秒間保持した後、照度2ルックスのハロゲンランプで露光し、帯電特性を測定した。帯電特性としては、表面電位(V0 )と1秒間暗減衰させた時の電位(VD)、更にVD を1/5に減衰するに必要な露光量(E1/5 )を測定した。
【0069】更に感光体3−1を−5.6KVのコロナ帯電器、露光光学系、現像器、転写帯電器、除電露光光学系及びクリ−ナ−を備えた電子写真複写機のシリンダ−に貼り付け、耐久特性を測定した。即ち、感光体を暗部電位−700V、明部電位−200Vになるように設定し直した後、連続3000枚後の通紙耐久を行って、初期と3000枚後の暗部電位と明部電位の変動量をΔVD 及びΔVL を測定した。
【0070】実施例22〜30顔料例Q−1〜Q−16から選ばれる顔料例数種と化合物例のトリアリ−ルアミン化合物数種を組み合わせることの他は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作成した。感光体3−2、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6、3−7、3−8、3−9及び3−10と称する。これらの感光体について、実施例21と同様の方法で評価した。
【0071】感光体3−1〜3−10の評価結果を表15に示す。
【表15】

【0072】比較例13〜18実施例21におけるトリアリ−ルアミン化合物に代えて、前記H−1〜H−6の化合物を電荷輸送物質として用いた他は、実施例21と同様にしてそれぞれの電子写真感光体を作成した。比較感光体13、14、15、16、17及び18と称する。これらの感光体について、実施例21と同様の方法で評価した。
【0073】比較感光体13〜18の評価結果を表16に示す。
【表16】

【0074】比較例19実施例1における電荷発生物質P−1に代えてχ型無金属フタロシアニンを用いた他は、実施例1と同様にして比較感光体19を作成し、同様に評価した。結果を示す。
EΔ600 :2.64μJ/cm2 、Vr:50V3000枚耐久後の電位変動量:ΔVD :−55V、ΔVL :+40V【0075】比較例20及び21実施例11における電荷発生物質G−1に代えて下記比較顔料R−1及び比較顔料R−2を用いた他は、、実施例11と同様にして比較感光体20及び比較感光体21を作成し、同様に評価した。結果を表17に示す。
比較顔料R−1【化14】

比較顔料R−2【化15】

【表17】

【0076】比較例22及び23実施例21における電荷発生物質Q−1に代えて下記比較顔料R−3及び比較顔料R−4を用いた他は、、実施例21と同様にして比較感光体22及び比較感光体23を作成し、同様に評価した。結果を表18に示す。
比較顔料R−3【化16】

比較顔料R−4【化17】

【表18】

【0077】上記の結果から、本発明の電子写真感光体は、感度及び繰り返し特性において優れていることが分かる。
【0078】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、特定の電荷発生物質と特定の電荷輸送物質とを組み合わせることにより、電子写真プロセスにおける安定した画像特性を示し、電位安定性に優れるという顕著な効果を奏する。また、プロセスカ−トリッジ及び電子写真装置に装着して同様に優れた効果を示す。




 

 


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