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発明の名称 エバネッセント光露光装置及び該エバネッセント光露光装置に用いるマスク及びエバネッセント光露光方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−184094
公開日 平成11年(1999)7月9日
出願番号 特願平9−355336
出願日 平成9年(1997)12月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】若林 忠 (外4名)
発明者 黒田 亮 / 島田 康弘 / 池田 勉
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 マスクにおけるパターンを、エバネッセント光により被露光物に露光させるエバネッセント光露光装置において、前記マスクの表面側と裏面側とに圧力差を発生させる手段と、前記被露光物を前記マスクの表面に対向した配置で保持する手段と、前記マスクの表面と前記被露光物との界面で全反射となる角度で、前記マスクの裏面から光を照射する光源とを有することを特徴とするエバネッセント光露光装置。
【請求項2】 前記圧力差を発生させる手段が、前記マスクを取り付ける開口部を有し、かつ前記マスクが取り付けられることで密閉可能な容器と、前記容器内に満たされた流体と、前記流体の圧力を変化させる手段とからなる請求項1に記載のエバネッセント光露光装置。
【請求項3】 前記圧力差を発生させる手段は、前記マスクの裏面側の圧力を表面側より高くすることで、前記被露光物に密着させる請求項1または2に記載のエバネッセント光露光装置。
【請求項4】 前記圧力差を発生させる手段は、前記マスクの表面側の圧力を裏面側より高くすることで前記被露光物から剥離させる請求項1または2に記載のエバネッセント光露光装置。
【請求項5】 前記流体が、屈曲率調整液である請求項2に記載のエバネッセント光露光装置。
【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエバネッセント光露光装置に用いられるマスクであって、表面に開口パターンを有し、かつ前記マスクの表面と前記被露光物の表面との界面において、前記マスクを構成する材料の屈折率が前記被露光物を構成する材料の屈折率より大きいことを特徴とするマスク。
【請求項7】 マスクと被露光物とを対向させ、前記マスクと前記被露光物との対向面とは反対面側より圧力を与えた状態で、エバネッセント光を発生させて、前記マスクのパターンを前記被露光物上へ露光転写することを特徴とするエバネッセント光露光方法。
【請求項8】 前記圧力は、前記マスクの前記反対面側に配置された与圧空間の内部媒体の圧力調整により与えられる請求項7記載のエバネッセント光露光方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエバネッセント光露光装置及び露光方法に関する。本発明は特に100nm以下の大きさの微細加工に用いられるエバネッセント光露光装置に良好に適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、光の波長により微細加工限界(現在、近紫外線レーザを用いて0.1μm程度)が制限される光リソグラフィ装置に対して、光の波長以下の微細加工を可能とする手段として近接場光学顕微鏡(以下SNOMと略す)の構成を用いた微細加工装置が提案されている。例えば、100nm以下の大きさの微小開口部から滲み出るエバネッセント光を用いてレジストに対し、光波長による加工限界を超える局所的な露光を行う装置が挙げられるが、SNOM構成のリソグラフィ装置ではいずれも1本(または数本)の加工プローブで微細加工を行う構成であるため、生産性がさして向上しないという問題点を有していた。
【0003】これを解決する一つの方法として、光マスクに対してプリズムを設け、これに全反射の角度で光を入射させ、全反射面から滲み出るエバネッセント光を用いて光マスクのパターンをレジストに対して一括して転写するという提案がなされている(特開平8-179493号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平8-179493号公報に記載のプリズムを用いたエバネッセント光による一括露光装置では、プリズム・マスク面とレジスト面との間隔が100nm以下に設定することが必須である。これはプリズム・マスク面から滲み出たエバネッセント光の強度が、プリズム・マスク面から遠ざかるにつれ指数関数的に減衰するためによる。しかしながら、プリズム・マスク面や基板の面精度や平面度、あるいはプリズム・マスク面と基板間の平行度等の限界により、プリズム・マスク面全面にわたってレジスト面との間隔を100nm以下に設定することは困難である。この結果、露光パターンにむらが生じたり、プリズム・マスク面によりレジストが部分的に押しつぶされたりする問題点があった。
【0005】そこで本発明は光の波長以下の一括露光を容易に行えるエバネッセント光露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明のエバネッセント光露光装置は、表面に開口パターンを有し、かつマスク面法線方向に弾性変形可能なマスクにおけるパターンを、エバネッセント光により被露光物に露光させるエバネッセント光露光装置において、前記マスクの表面側と裏面側とに圧力差を発生させる手段と、前記被露光物を前記マスクの表面に対向した配置で保持する手段と、前記マスクの表面と前記被露光物との界面で全反射となる角度で、前記マスクの裏面から光を照射する光源とを有する。
【0007】上記の通り構成された本発明のエバネッセント光露光装置は、マスクの表面側と裏面側で圧力差を発生させることのできる構成でマスクを保持する。
【0008】被露光物はマスクの表面に対向した位置で保持され、また圧力差を発生させる手段によりマスクの表面側と裏面側とに圧力差を発生させ、これによりマスクを弾性変形させることでマスクを被露光物に密着させた後、マスクの表面と被露光物との界面で全反射となる角度で、マスクの裏面から光を照射する光源により被露光物を露光する。
【0009】また、流体で満たされた容器の開口部にマスクを取り付けることで流体を密閉し、流体の圧力を変化させる手段によりマスクの表面と裏面間で圧力差を生じさせることで、マスクを弾性変形させる。
【0010】裏面の圧力が表面より高くなる圧力を印加した場合、マスクは弾性変形し、マスクの表面に対向して配置される露光物に密着され、エバネッセント光による一括露光が可能な状態となる。また露光終了後、露光状態とは逆の圧力差、すなわちマスクの裏面に表面より低い圧力が印加されることで、マスクは露光物から剥離される。ここで流体は屈曲率の調整が可能な屈曲率調整液が用いられる。
【0011】また本発明のマスクは前記エバネッセント光露光装置に用いられるマスクであって、表面に開口パターンを有し、かつ前記マスクの表面と前記被露光物の表面との界面において、前記マスクを構成する材料の屈折率が前記被露光物を構成する材料の屈折率より大きいマスクであり、前記マスクへ入射される照射光の入射角が全反射する条件を満たすことで、エバネッセント光が該マスク表面から滲み出すこととなる。
【0012】なお、本発明のエバネッセント光露光方法は、マスクと被露光物を対向させ、マスクと被露光物との対向面とは反対面側より圧力を与えた状態で、エバネッセント光を発生させて、マスクのパターンを被露光物上へ露光転写することを特徴とする露光方法である。また前記圧力はマスクの反対面側に配置された与圧空間の内部媒体の圧力調整により与えられてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施形態であるエバネッセント光露光装置の構成を示す図である。図1において、与圧容器103にはシリンダ106が接続されており、これらの内部は屈折率調整液105で満たされている。シリンダ106をピストン駆動モータ108で駆動することにより、与圧容器103内部の屈折率調整液105の圧力を調整することができるようになっている。また、与圧容器103にはレーザ111より射出された後、コリメータレンズ113で平行光となったレーザ112の導入用のガラス窓114が設けられている。基板102が搭載されたステージ110は、3次元方向に駆動可能であり、これにより基板102とエバネッセント光マスク101との位置合わせを行う。基板102の表面にはレジスト109が塗布されている。なお、以下の説明では、レジスト109と基板102を一体化された構成物として取り扱う場合、以下レジスト・基板116と称することとする。
【0015】エバネッセント光マスク101は、エバネッセント光マスク母材104とエバネッセント光マスク金属パターン115から構成されている。図1においてはエバネッセント光マスク101は与圧容器103の開口部に、屈折率調整液105を密閉するように取り付けられる。この状態で表面101aは被加工用の基板102に対面し、裏面101bは屈折率調整液105に接することとなる。
【0016】以下に前記エバネッセント光露光装置による露光の手順を説明する。
【0017】被露光物となるレジスト109を上面にして、基板102をステージ110上にセットする。ステージ110を駆動し、エバネッセント光マスク101に対し、マスク面内2次元方向における基板102の相対位置合わせを行う。次に、マスク面法線方向にステージ110を駆動し、エバネッセント光マスク101の表面101aと基板102上のレジスト109面との間隔が全面にわたって100nm以下になるように両者を密着させる。
【0018】ここで、エバネッセント光マスク101の表面101aと基板102上レジスト109面がともに完全に平坦であれば、全面にわたって両者を密着させることが可能である。しかしながら、実際には、マスク面やレジスト・基板116の表面には凹凸やうねりが存在するので、両者を近づけ、接触させただけでは、密着している部分と非密着部分が混在する状態になってしまう。
【0019】そこで、図1においてピストン107を下方に押し下げることでシリンダ106内の屈折率調整液105を与圧容器103へと押し出し、与圧容器103の内圧を増大させる、すなわちエバネッセント光マスク101の裏面101bに外気圧より高い圧力を印加することで、エバネッセント光マスク101が弾性変形により下方に撓み、エバネッセント光マスク101の表面101aがレジスト・基板116ヘと押し付けられ、全面にわたって密着させることができることとなる。
【0020】このような方法で圧力の印加を行うと、パスカルの原理により、エバネッセント光マスク101の表面101aと基板102上のレジスト109面との間に作用する斥力が均一になる。このため、エバネッセント光マスク101や基板102上のレジスト109面に対し、局所的に大きな力が加わったりすることがなく、エバネッセント光マスク101や基板102、レジスト109が局所的に破壊されたりすることがなくなるという効果を有する。
【0021】このとき、与圧容器103内の圧力を調整することにより、エバネッセント光マスク101とレジスト・基板116との間に働かせる押し付け力、すなわち、両者の密着力を制御することができる。例えば、マスク面やレジスト・基板116の表面の凹凸やうねりがやや大きいときには、与圧容器103内の圧力を高めに設定することにより、密着力を増大させ、凹凸やうねりによるマスク面とレジスト・基板116の表面との間の間隔ばらつきをなくすようにすることができる。
【0022】以上、説明した手順により、エバネッセント光マスク101とレジスト・基板116とを全面にわたって均一な圧力で密着させた後、コリメーターレンズ113で平行光にされたレーザ光112が、ガラス窓114を透過し、与圧容器103内に導入され、エバネッセント光マスク101の裏面101bを全反射となるような角度から照射される。
【0023】次にエバネッセント光マスク101とレジスト109の密着境界面におけるレーザ光の全反射の詳細を図2に示す。図2において、屈折率調整液105側から入射するレーザ光112はエバネッセント光マスク母材104との界面に入射角θ’で入射し屈折した後、マスク母材104中に入り、エバネッセント光金属パターン115との界面に入射角θinで入射する。
【0024】エバネッセント光マスク101とレジスト109の密着境界面でレーザ光が全反射するためには、エバネッセント光マスク母材104の屈折率np、レジスト109の屈折率nrと境界面ヘのレーザ光112の入射角度θinとの間に、次の式(1)の関係p×sinθin/nr > 1 式(1)
が成り立つようにする必要がある。
【0025】ここで、開口パターン(例えば、第1の開口パターン218、第2の開口パターン219)の部分では、エバネッセント光マスク母材104とレジスト109の間にはエバネッセント光マスク金属パターン115の膜厚分の空間が存在するが、後に詳細に説明するように、このエバネッセント光マスク金属パターン115の膜厚は10〜100nmと十分に薄く、エバネッセント光が惨み出す領域にあるので、この界面における全反射条件を示す式(1)において、空間に存在する物質(例えば空気)の屈折率の代わりにレジスト109の屈折率nrを用いる。
【0026】さて、式(1)を満たすθinが存在するためには、エバネッセント光マスク母材104の屈折率npとレジスト109の屈折率nrとの間に、次の式(2)の関係p > nr 式(2)
が成り立つことが必要である。
【0027】さらに、屈折率調整液105とエバネッセント光マスク母材104の界面でレーザ光112が全反射しないようにするために屈折率調整液105の屈折率niとエバネッセント光マスク母材104の屈折率npとの間に、次の式(3)の関係i < np 式(3)
が成り立つ、あるいは、屈折率ni、npと入射角θ’との間に、次の式(4)の関係i×sinθ’/np < 1 式(4)
が成り立つようにする必要がある。
【0028】実際には、装置構成をできるだけコンパクトにすること、及び露光用の光を垂直入射に近づけることが望ましい。このためには、レーザ光112の入射角θin、θ’が小さい、つまりマスクに対して垂直に近くなることが必要である。これを満たすためには、屈折率調整液105の屈折率niとエバネッセント光マスク母材104の屈折率npとが近い値で、かつ、レジストの屈折率nrがni、npよりできるだけ小さい値となるように、すなわち、ni 〜 np >> nrとなるように、エバネッセント光マスク母材104、レジスト109、屈折率調整液105の材料を選ぶことが重要である。
【0029】実際の装置においては、式(3)あるいは式(4)を満たすようにするために、屈折率調整液105を用いている。屈折率調整液105として、光学部品の張り合わせの際によく用いられるインデックスマッチングオイルを用いれば、屈折率の選択範囲も広く、用いるマスク母材やレジストに応じて本発明に適した屈折率調整を行なうことができる。
【0030】本実施の形態では、図1の構成の装置において、屈折率調整液105として、屈折率ni=1.8のインデックスマッチングオイル、エバネッセント光マスク母材104として、屈折率np=2.0のSi34、レジスト109として、屈折率1.5のポジ型レジストを用いた。このとき、エバネッセント光マスク101とレジスト109の密着境界面ヘのレーザ光112の入射角θinが、式(1)の全反射条件を満たすθin=55゜となるようエバネッセント光マスク母材104ヘのレーザー光の入射角θ’をθ’=65.5゜とした。このようにして、レーザ光112は、裏面101bからエバネッセント光マスク101を照射し全反射されるが、エバネッセント光マスク101の表面101a側のエバネッセント光マスク金属パターン115からはエバネッセント光と呼ばれる光が惨み出しており、この光を用いてレジスト109の露光を行う。
【0031】ここで、図2を用い、エバネッセント光による露光の原理を説明する。
【0032】図2において、エバネッセント光マスク母材104に入射したレーザ光112は、エバネッセント光マスク金属パターン115に形成された第1の開口パターン218、第2の開口パターン219を照射する。ここで、第1の開口パターン218の大きさ(幅)は、レーザ光112の波長よりも小さく、100nm以下のものとする。第2の開口パターン219の大きさはレーザ光212の波長よりも大きいとする。
【0033】通常、第1の開口パターン218のように、波長より小さい大きさの微小開口を光が透過することはない。また、第2の開口パターン219のように、波長より大きい大きさの開口であっても、全反射条件の界面を越えて光が透過することもない。
【0034】しかしながら、第1の開口パターン218、第2の開口パターン219の近傍にはエバネッセント光217と呼ばれる光がわずかに惨み出している。この光は、微小開口や全反射条件の界面から約100nmの距離以下の近傍にのみ存在する非伝搬光であり、開口や界面から離れるとその強度が急激に減少する性質のものである。
【0035】そこで、このエバネッセント光217が惨み出している第1の開口パターン218、第2の開口パターン219に対して、レジスト109を100nm以下の距離にまで近づける。すると、このエバネッセント光217がレジスト109中で散乱され、散乱光となって、レジスト109を露光する。
【0036】ここで、レジスト109の膜厚が十分薄ければ、レジスト109中のエバネッセント光の散乱光もあまり広がらず、光の波長より小さい開口パターン(例えば第1の開口パターン218)と大きいパターン(例えば第2の開口パターン219)とに対して同時に、それぞれの形に応じたパターンの潜像をレジストに露光・転写することができる。
【0037】以上のように露光後、ピストン107を図1において、上方に引き上げることで与圧容器103内の屈折率調整液105をシリンダ106へと吸い込み、与圧容器103の内圧を低減させる、すなわちエバネッセント光マスク101の裏面101b側の圧力が表面101a側の外気圧より低くなることで、エバネッセント光マスク101が弾性変形により上方に撓み、基板102上のレジスト109面からエバネッセント光マスク101の表面101aを剥離させる。
【0038】このような方法で減圧を行い、レジスト・基板116からのエバネッセント光マスク101の剥離を行う場合、パスカルの原理により、エバネッセント光マスク101の表面101aと基板102上のレジスト109面との間に作用する引っ張り力が均一になる。このため、エバネッセント光マスク101や基板102上のレジスト109面に対し、局所的に大きな力が加わったりすることがなく、エバネッセント光マスク101や基板102、レジスト109が剥離時に局所的に破壊されたりすることがなくなるという効果を有する。このとき、与圧容器103内の圧力を調整することにより、エバネッセント光マスク101とレジスト・基板116との間に働く引っ張り力を制御することができる。例えば、マスク面とレジスト・基板116面との間の吸着力が大きいときには、与圧容器内の圧力をより低めに設定することにより、引っ張り力を増大させ、剥離しやすくすることができる。
【0039】また、逆の装置構成として、エバネッセント光マスクの表面101aおよびレジスト・基板116を与圧容器103内側に配置した場合、印加圧力も逆にすればよい。すなわち密着時には与圧容器103内を外気圧以下に、剥離時には与圧容器103内を外気圧以上とする。いずれにしても、密着時にはエバネッセント光マスク101の表面101a側よりも裏面101b側が高い圧力となり、剥離時には逆の圧力差、すなわち裏面101b側よりも表面101a側が高い圧力となるような圧力差を設けるようにすれば良い。
【0040】このようにエバネッセント光による露光を行なった後は、通常のプロセスを用い、基板102の加工を行う。例えば、レジストを現像した後、エッチングを行うことにより、基板102に対して上述の開口パターン(例えば図4における第1の開口パターン218、第2の開口パターン219)に応じたパタ一ンを形成する。これにより、光の波長より小さいパターンと大きいパターンとを同時に、基板102に形成することができる。
【0041】ここでマスクについて詳細に説明する。本発明で用いるエバネッセント光マスクの構成を図3に示す。図3(a)はマスクの表面から見た図、図3(b)は断面図である。
【0042】図3に示すように、エバネッセント光マスクは、0.1〜100μmの膜厚の薄膜からなるマスク母材320上に10〜100nmの膜厚の金属薄膜321を設け、開口パターン322を形成したものである。またマスク母材の材料としては、Si34やSiO2等、マスク面法線方向に弾性変形による撓みを生じることが可能な弾性体からなり、かつ、露光波長が透過可能な透明なもの選択する。マスク母材の厚さが薄ければ、より弾性変形しやすく、レジスト・基板116の表面においてより細かな大きさの凹凸やうねりに対してまでならうように弾性変形することが可能であるため、より密着性が増すことになる。しかしながら、露光面積に対して薄過ぎるとマスクとしての強度が不足したり、密着・露光を行った後、レジスト・基板116に吸着してしまい離れなくなったりする。以上のことから、マスク母材320の厚さとして、0. 1〜100μmの範囲にあることが望ましい。
【0043】マスク上の開口パターン322から惨み出すエバネッセント光強度をなるべく大きくするためには、開口部のマスク面法線方向の長さを短くする必要があり、そのためには、金属薄膜321の膜厚はなるべく薄いことが望ましい。しかしながら、あまり薄いと金属薄膜320が連続膜にならず、微小開口部以外のところからも光が漏れてしまう。したがって、金属薄膜320の膜厚としては、 10〜100nmが望ましい。
【0044】また、レジスト・基板116に密着する側の金属薄膜321の表面が平坦でないと、マスクとレジスト・基板116がうまく密着せず、結果として露光むらを生じてしまう。このため、金属薄膜321の表面の凹凸の大きさは、少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下という極めて平坦なものである必要がある。
【0045】ここで、開口パターンの形状(幅・長さ)や大きさに関しては制限がなく、所望の形状を選択することができる。例えば、図3(a)に示したようなカギ型パターンでも良いし、S字パターンでも良い。
【0046】上述のように、光の波長よりも小さい開口パターン323(図2では、第1の開口パターン218)であってもエバネッセント光は惨み出しているので、本発明のエバネッセント光マスク上の開口パターンとして用いることができる。
【0047】光の波長より大きい開口パターン324(図2では、第2の開口パターン219)においても、エバネッセント光マスク表面とレジスト表面との間の全反射界面からエバネッセント光が惨み出しており、本発明のエバネッセント光マスク上の開口パターンとして用いることができる。
【0048】しかも、開口パターンの大きさに関わらず、エバネッセント光で露光を行なうので、開口の大きさによって露光むらを生じることもない。したがって、エバネッセント光マスク上の開口パターンとしては、光の波長よりも小さい開口パターンのみで構成しても良いし、あるいは、これらに加えて光の波長よりも大きい開口パターンを混在させて構成しても良い。
【0049】次に、エバネッセント光マスク作製方法の詳細について、図4を用いて説明する。
【0050】図4(a)に示すように、両面研磨された厚さ500μmのSi(111)基板425に対し、LP−CVD法を用い、表面(図4中では上面)・裏面(図4中では下面)ともに膜厚2μmのSi34膜426、427を成膜する。その後、表面のSi34膜426上に、蒸着法により膜厚10nmのCr薄膜428を成膜する。
【0051】次いで図4(b)に示すようにCr薄膜428の表面に電子線レジスト429を塗布し、電子線レジスト429に電子線ビーム430で描画パターン431を形成する。
【0052】さらに描画パターン431を形成後、図4(c)に示すようにCCL4でドライエッチングを行い、Cr薄膜428に開口パターン432を形成する。続いて、裏面のSi34膜427にエッチング用窓433を形成する。
【0053】その後、図4(d)に示すように、Si(111)基板425に対し、KOHを用いてSi(111)基板425の裏面から異方性エッチングを行い、薄膜状のマスク434を形成する。最後に図4(e)に示すようにマスク支持部材435に接着する。
【0054】なお、本発明のエバネッセント光露光装置に適用する被加工用の基板102として、Si、GaAs、InP等の半導体基板や、ガラス、石英、BN等絶縁性基板、それらの基板上に金属や酸化物、窒化物等を成膜したものなど広く用いることができる。ただし、本発明のエバネッセント光露光装置では、エバネッセント光マスク101とレジスト・基板116とを露光領域全域にわたって、少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下の間隔になるよう密着させることが重要である。したがって、基板102としては、なるべく平坦なものを選択する必要がある。同様に、本発明で用いるレジスト109は、表面の凹凸が小さく平坦である必要がある。また、エバネッセント光マスク101から惨み出た光は、マスクから距離が遠ざかるにつれて指数関数的に減衰するため、レジスト109に対して100nm以上の深いところまで露光しにくいこと、及び、散乱されるようにレジスト中に広がり、露光パターン幅を広げることになることを考慮すると、レジスト109の厚さは、少なくとも100nm以下で、さらにできるだけ薄い必要がある。
【0055】以上から、レジスト材料・コーティング方法として、少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下の膜厚であって、かつ、レジスト表面の凹凸の大きさが少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下という極めて平坦なものであるような材料・コーティング方法を用いる必要がある。
【0056】このような条件をみたすものとして、普通用いられるような光レジスト材料をなるべく粘性が低くなるように溶媒に溶かし、スピンコートで極めて薄くかつ均一厚さになるようコーティングしてもよい。
【0057】また、他の光レジスト材料コーテイング方法として、一分子中に疎水基、親水基官能基を有する両親媒性光レジスト材料分子を水面上に並ベた単分子膜を所定の回数、基板上にすくい取ることにより、基板上に単分子膜の累積膜を形成するラングミュアー・ブロジェット(LB)法を用いても良い。
【0058】また、溶液中や気相中で、基板に対して、一分子層だけ物理吸着あるい化学結合することにより基板上に光レジスト材料の単分子膜を形成する自己配向単分子膜形成法(SAM法)を用いても良い。
【0059】これらのコーテイング方法のうち、後者のLB法やSAM法は極めて薄いレジスト膜を均一な厚さで、しかも表面の平坦性よく形成することができるため、本発明のエバネッセント光露光装置にきわめて適した光レジスト材料のコーテイング方法である。
【0060】上記に説明したとおり、エバネッセント光露光においては、露光領域全面にわたりエバネッセント光マスク101とレジスト・基板116の間隔は100nm以下でしかもばらつきなく一定に保たれている必要がある。
【0061】このため、エバネッセント光露光に用いる基板としては、他のリソグラフイープロセスを経て、すでに凹凸を有するパターンが形成され、基板表面に100nm以上の凹凸があるものは好ましくなく、他のプロセスをあまり経ていないプロセスの初期の段階のできるだけ平坦な基板が望ましい。したがって、エバネッセント光露光プロセスと他のリソグラフイープロセスを組み合わせる場合も、エバネッセント光露光プロセスをできるだけ、初めに行うようにするのが望ましい。以上の説明では、基板全面に対応するエバネッセント光マスクを用い、基板全面に一括でエバネッセント光露光を行う装置について説明を行った。本発明の概念はこれに限定されるものでなく、基板より小さなエバネッセント光マスクを用い、基板の一部分に対するエバネッセント光露光を行うことを基板上の露光位置を変えて繰り返し行うステツプ・アンド・リピート方式の装置としても良い。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、圧力差を発生させる手段にてマスクを弾性変形させることにより、レジスト・基板に密着させ、マスクとレジスト・基板の界面に全反射条件で光を照射し、開口パターンから惨み出るエバネッセント光によりレジストを露光することにより、100nm以下の大きさのパターン、あるいは100nm以下の大きさのパターンと同時にこれより大きい大きさのパターンをマスク全面にわたりむらなく、基板に一括転写することができる。




 

 


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