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発明の名称 像振れ補正機能付き装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−183954
公開日 平成11年(1999)7月9日
出願番号 特願平9−365953
出願日 平成9年(1997)12月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
発明者 小西 一樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 像振れを補正する為に補正光学系の位置を制御する補正光学系駆動手段と、該補正光学系駆動手段やその他の駆動手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段の負荷の状況に応じて、前記補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止することを特徴とする像振れ補正機能付き装置。
【請求項2】 前記制御手段は、前記補正光学系駆動手段の制御以外の制御を行う際の処理負荷が重いときに、前記補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止することを特徴とする請求項1記載の像振れ補正機能付き装置。
【請求項3】 シャッタ駆動手段を有し、前記制御手段は、前記シャッタ駆動手段を制御してシャッタ閉動作を行わせている際に、前記補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止することを特徴とする請求項1又は2記載の像振れ補正機能付き装置。
【請求項4】 ストロボ手段を有し、前記制御手段は、前記シャッタ駆動時に、前記ストロボ手段にストロボ発光させる為の制御を行っている際に、前記補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止することを特徴とする請求項3記載の像振れ補正機能付き装置。
【請求項5】 補正光学系を異なる二方向に駆動し、像振れを補正する補正光学系駆動手段と、該補正光学系駆動手段やその他の駆動手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段の負荷の状況に応じて、前記補正光学系駆動手段の一方向の駆動制御を一時停止することを特徴とする像振れ補正機能付き装置。
【請求項6】 補正光学系を異なる二方向に駆動し、像振れを補正する補正光学系駆動手段と、該補正光学系駆動手段やその他の駆動手段を制御する制御手段と、この装置の姿勢を検知する姿勢検知手段とを有し、前記制御手段の負荷の状況と前記姿勢検知手段の出力に応じて、前記補正光学系駆動手段の一方向の駆動制御を一時停止することを特徴とする像振れ補正機能付き装置。
【請求項7】 前記制御手段は、前記補正光学系駆動手段の制御以外の制御を行う際の処理負荷が重い場合は、前記姿勢検知手段の出力から該装置の姿勢が横位置であると判別した際は、前記補正光学系駆動手段の横方向の駆動制御を一時停止し、該装置の姿勢が縦位置であると判別した際は、前記補正光学系駆動手段の縦方向の駆動制御を一時停止することを特徴とする請求項6記載の像振れ補正機能付き装置。
【請求項8】 補正光学系を異なる二方向に駆動し、像振れを補正する補正光学系駆動手段と、該補正光学系駆動手段やその他の駆動手段を制御する制御手段と、前記補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止する為の方向を指定する方向指定手段とを有し、前記制御手段は、前記補正光学系駆動手段の制御以外の制御を行う際の処理負荷が重い場合は、前記方向指定手段によって指定された方向の、前記補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止することを特徴とする像振れ補正機能付き装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカメラ等の機器に生ずる1Hzないし10Hz程度の周波数の振れ(手振れ等)を検出し、この振れを補正する像振れ補正機能付き装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の像振れ補正機能を備えたカメラにおいては、露光時の振れ補正制御中に行われるシャッタ制御、及びストロボ発光による電気的ノイズにより補正レンズ位置検出回路の出力にノイズが乗り、振れ補正精度に影響を与えてしまうといった欠点があった。
【0003】この点に鑑み、シャッタ制御時及びストロボ発光時は、補正レンズ位置情報を用いず、オープン制御で像振れ振れ補正制御を行うようにし、上記欠点を改善するようにした提案が特開平9−80512号にて行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来例では、前述した様にシャッタ制御時及びストロボ発光時は、補正レンズ位置情報を用いず、オープン制御で像振れ補正制御を行っているため、カメラの各種制御を行うMPUの負荷が重くなるシャッタ制御時、ストロボ発光制御時に、演算遅れにより像振れ補正の制御が不十分になり、場合によっては逆に像を劣化させてしまうといった問題点があった。
【0005】(発明の目的)本発明の目的は、不十分な像振れ補正制御を行う事により却って像を劣化させてしまうといった事を防止することのできる像振れ補正機能付き装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1〜4記載の本発明は、像振れを補正する為に補正光学系の位置を制御する補正光学系駆動手段と、該補正光学系駆動手段やその他の駆動手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段の負荷の状況に応じて、前記補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止する像振れ補正機能付き装置とするものである。
【0007】具体的には、補正光学系駆動手段の制御以外の制御を行う際の処理負荷が重いとき、例えば、シャッタ駆動手段を制御してシャッタ閉動作を行わせている際や、シャッタ駆動時にストロボ手段にストロボ発光させる為の制御を行っている際に、補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止するようにしている。
【0008】同じく上記目的を達成するために、請求項5記載の本発明は、補正光学系を異なる二方向に駆動し、像振れを補正する補正光学系駆動手段と、該補正光学系駆動手段やその他の駆動手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段の負荷の状況に応じて、前記補正光学系駆動手段の一方向の駆動制御を一時停止する像振れ補正機能付き装置とするものである。
【0009】同じく上記目的を達成するために、請求項6及び7記載の本発明は、補正光学系を異なる二方向に駆動し、像振れを補正する補正光学系駆動手段と、該補正光学系駆動手段やその他の駆動手段を制御する制御手段と、この装置の姿勢を検知する姿勢検知手段とを有し、前記制御手段の負荷の状況と前記姿勢検知手段の出力に応じて、前記補正光学系駆動手段の一方向の駆動制御を一時停止する像振れ補正機能付き装置とするものである。
【0010】具体的には、補正光学系駆動手段の制御以外の制御を行う際の処理負荷が重い場合は、姿勢検知手段の出力から該装置の姿勢が横位置であると判別した際には、補正光学系駆動手段の横方向の駆動制御を一時停止し、該装置の姿勢が縦位置であると判別した際には、補正光学系駆動手段の縦方向の駆動制御を一時停止するようにしている。
【0011】同じく上記目的を達成するために、請求項8記載の本発明は、補正光学系を異なる二方向に駆動し、像振れを補正する補正光学系駆動手段と、該補正光学系駆動手段やその他の駆動手段を制御する制御手段と、前記補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止する為の方向を指定する方向指定手段とを有し、前記制御手段は、前記補正光学系駆動手段の制御以外の制御を行う際の処理負荷が重い場合は、前記方向指定手段によって指定された方向の、前記補正光学系駆動手段の駆動制御を一時停止する像振れ補正機能付き装置とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は本発明の実施の第1の形態に係る像振れ補正機能付きカメラの回路構成を示すブロック図である。
【0014】同図において、1はMPU(マイクロプロセッシングユニット)、2はメモリ、3はストロボ装置、4はシャッタ、5は前記シャッタ4を駆動するための駆動回路、6はピッチ方向の振れを検出する振動ジャイロ、7はヨー方向の振れを検出する振動ジャイロ、8,9は前記振動ジャイロ6,7の出力を増幅する増幅回路、10はピッチ方向の手振れ等に起因する像振れを補正するための補正レンズ12を駆動する補正レンズ駆動装置、11はヨー方向の手振れ等に起因する像振れを補正するための補正レンズ12を駆動する補正レンズ駆動装置、13はカメラの姿勢を検出するための姿勢センサである。
【0015】図1において、振動ジャイロ6,7の出力は、増幅回路8,9を介してMPU1のA/D変換入力端子に接続されている。
【0016】この実施の形態においては、振動ジャイロ6,7によって検出されたカメラの手振れの角速度を用いて制御を行っている。すなわち、手振れの角速度に相当する速度で手振れの方向とは逆方向に補正レンズ12を駆動する事で、手振れを補正している。
【0017】その手振れ等に起因する像振れ補正時の動作を、図2及び図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0018】カメラのメインスイッチがオンするなどして、該カメラのメインシーケンスが開始されると、まず、ステップ#101において、MPU1は初期処理の一連の動作の中で不図示のEEPROMから各種のパラメータを読み取り、メモリ2の所定のアドレスに格納する。そして、ステップ#102へ進み、ここで不図示のレリーズ釦の第1ストロークが為されてスイッチSW1がオンされるなどして防振システムの一連の動作を撮影者が開始させる状態にした(IS動作開始、但し振れ補正は未だ行っていない)ことを判別するとステップ#103へ進み、処理で用いる変数の初期化を行う。
【0019】次のステップ#104においては、補正レンズ12のセンタリングを行う。具体的には、まず補正レンズ12を補正レンズ駆動装置10,11により片側の端点へ寄せる。すなわち、MPU1は補正レンズ駆動装置10,11内のモータにより補正レンズ12を所定の方向に動かす。そして、補正レンズ12の位置を不図示の位置検出センサにより検出し、所定の位置に補正レンズが達したならば前記モータの駆動を停止する。実際にはピッチ方向,ヨー方向で駆動量が異なるので、所定位置に達した方向のモータからその駆動を停止する。この所定値が補正レンズ12の移動範囲の片側の端点である。その後所定方向(片寄せしたときとは逆方向)に所定時間、所定速度で該補正レンズ12を駆動し、補正レンズの移動範囲の略中央にセンタリングを行う。
【0020】次のステップ#105においては、以下の処理を行う。
【0021】MPU1はピッチ方向の振れを検出する振動ジャイロ6の出力をA/D変換入力端子から読み取る。増幅器8を介して読み取った手振れ信号は、手振れの角速度が零のときにA/D変換の入力範囲の中心値になり、手振れの角速度が正のときに中心値より大きい出力に、手振れの角速度が負のとき中心値より小さい出力になるようになっている。よって、MPU1はA/D変換入力端子から読み取った出力値(Vin)からA/D変換の入力範囲の中心値(Vo)を引いた値(Vp)を求め、この値(Vp)を用いて補正レンズ12の制御を行う。
【0022】そして、MPU1は上記Vpから補正レンズ12の駆動速度を求める。この実施の形態では、モータの回転速度が該モータに流す電流に比例するモータを用いて、補正レンズ12を駆動している。
【0023】次に、MPU1は上記Vpの値からモータの所望の回転速度を与える電流値を求める。今はモータに流す電流はアナログ量として与えるのではなく、PWM(パルス幅変調)したディジタル量として与えるようにしている。これはMPU1を用いて電流を制御する際はコスト的に有利であるなどの理由による。よって、上記Vpの値からPWMのデューティーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1は上記Vpの値から該当するPWMのデューティーの値が格納されているメモリのアドレスと求め、その値を読み込むことでPWMのデューティーを設定する。尚、このテーブルはEEPROMに設定しておくことが望ましい。
【0024】上記の様にしてPWMの周期,デューティーが求まったならば、MPU1は所定のレジスタにこの値を設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レンズ駆動装置10に与えられる。駆動信号を与えられた補正レンズ駆動装置10は、次の駆動信号が与えられるまで該補正レンズ12をピッチ方向(垂直方向)に駆動する。すなわち、次の駆動信号が与えられるまでは、今与えられた駆動信号に従って定速で補正レンズ12を駆動する。
【0025】次にステップ#106へ進み、ここでは以下の処理を行う。
【0026】MPU1はヨー方向の振れを検出する振動ジャイロ7の出力を増幅器9を介してA/D変換入力端子から読み取る。ここでMPU1はA/D変換入力端子から読み取った出力値(Vin)からA/D変換の入力範囲の中心値(Vo)を引いた値(Vy)を求め、この値(Vy)を用いて補正レンズ12の制御を行う。
【0027】そして、MPU1は上記Vyから補正レンズ12の駆動速度、すなわちモータの所望の回転速度を与える電流値を求める。今は前述した様にモータに流す電流はアナログ量として与えるのではなく、PWM(パルス幅変調)したディジタル量として与えるようにしている。よって、ピッチ方向と同様に、上記Vyの値からPWMのデューティーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1は上記Vyの値から該当するPWMのデューティーの値が格納されているメモリのアドレスと求め、その値を読み取ることでPWMのデューティーを設定する。尚、このテーブルはEEPROMに設定しておくことが望ましい。
【0028】次に、PWMの周期,デューティーが求まったならば、MPU1は所定のレジスタにこの値を設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レンズ駆動装置11に与えられる。駆動信号を与えられた補正レンズ駆動装置11は、次の駆動信号が与えられるまで補正レンズ12をピッチ方向(垂直方向)に駆動する。すなわち、次の駆動信号が与えられるまでは、今与えられた駆動信号に従って定速で補正レンズ12を駆動する。
【0029】このようにして補正レンズ12の駆動が開始されたならばステップ#107へ進み、一定時間、補正レンズ12の駆動安定化のためのIS処理を行う。すなわち、上述の様にピッチ,ヨー両方の振動ジャイロの出力を交互にA/D変換端子から読み取り、その値からモータの所望の回転速度を与える電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで、補正レンズ12を駆動する。
【0030】そして、もしこのIS処理中にレリーズ釦の第2ストロークによりスイッチSW2がオンするなどして撮影の要求(シャッタ駆動などの要求)が為されていることをステップ#108にて判別したならば、一定のウェイト時間が経過した後にステップ#109以降のシャッタ開開始などの処理を行う。また、ウェイト時間が経過後に撮影の要求(シャッタ駆動などの要求)が為されたことを判別した場合には、もちろん即座にシャッタ開開始などの処理へ移行する。
【0031】シャッタ開開始などの処理において、MPU1は、まずステップ#109において、ピントを合わせるための焦点調整レンズを駆動し、ピントを合わせる。そして、既に行われている測光の結果に基づいたシャッタの駆動等を開始する。つまり、タイマを起動し、このタイマの割り込みによりシャッタ閉動作の開始,ストロボの発光に関する処理を行う。
【0032】具体的には、MPU1は、まず測光の結果、ストロボ装置3によるストロボ発光を必要とする場合は二つのタイマを、そうでない時は一つのタイマを起動する。実際はシャッタ開動作を開始し(ステップ#110)、タイマを起動(ステップ#111)した時点で、処理はIS処理(ステップ#112)に移ることになる。
【0033】MPU1はシャッタ開動作中は、上述のようにピッチ,ヨー両方の振動ジャイロ6,7の出力を交互にA/D変換端子から読み取り、その値からモータの所望の回転速度を与える電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12をする。このIS処理動作は、タイマによる割り込みが発生するまで続けられる。
【0034】二つのタイマを起動した場合、まず、ストロボ発光するためのタイマの割り込みが生じる。このタイマによる割り込みが生じたら、MPU1は図3(a)のルーチンへ移行し、まずステップ#151において、補正レンズ12の駆動を一時停止する。これは、後述するようにストロボ発光の前処理にMPU1はかなりの負荷を割かれ、その為にIS(像振れ補正)の処理に遅れを生じ、結果的に補正レンズ12を駆動することによって逆に像を劣化させてしまう可能性があり、これを防止する為である。
【0035】次にステップ#152へ進み、ストロボ発光を実行する為の前処理を行う。つまり、MPU1はシャッタが所定量開いているかどうかのチェックを行う。この所定量はストロボ装置のガイドナンバーと、既に行われている測距の結果により決定される。シャッタの開き量は不図示の位置検出センサにより検出される。すなわち、MPU1は不図示の位置検出センサによりシャッタの開き位置を検出し、所定位置までシャッタが開いていたら、この前処理を終わり、ステップ#153へ進み、ストロボ発光を行う。勿論、ストロボ発光する必要が無い場合は、この処理は行われないし、そのためのタイマも起動されない。
【0036】この割り込みから復帰したならば、再びIS処理(ステップ#212)を行う。すなわち、上述のようにピッチ,ヨー両方の振動検出センサの出力を交互にA/D変換端子から読み取り、その値からモータの所望の回転速度を与える電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。
【0037】また、シャッタ閉開始のためのタイマ割り込みが生じた場合も、同様の処理を行う。つまり、この場合は図3(b)のルーチンへ移行し、MPU1は、まずステップ#161において、補正レンズ12の駆動を一時停止する。これは、後述するようにシャッタ閉開始の前処理にMPU1はかなりの負荷を割かれ、その為にISの処理に遅れを生じ、結果的に補正レンズ12を駆動することによって逆に像を劣化させてしまう可能性があり、これを防止する為である。
【0038】次にステップ#162へ進み、MPU1はシャッタ閉駆動の為の前処理を行う。つまり、シャッタが所定量開いているかどうかのチェックを行う。この所定量は、既に行われている測光の結果により決定される。シャッタの開き量は不図示の位置検出センサにより検出される。すなわち、MPU1は不図示の位置検出センサによりシャッタの開き位置を検出し、所定位置までシャッタが開いていたらシャッタ開動作を停止してステップ#163へ進み、シャッタ閉動作を開始する。
【0039】この割り込みから復帰したならば、再びIS処理(ステップ#212)を行う。すなわち、上述のようにピッチ,ヨー両方の振動ジャイロ6,7の出力を交互にA/D変換端子から読み取り、その値からモータの所望の回転速度を与える電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。
【0040】以上の様にして、IS処理(補正レンズ駆動による像の改善)をシャッタが完全に閉じるまで続ける。シャッタが完全に閉じたことは、シャッタが閉じた際にオンとなるスイッチを設けておくことなどに知ることができ、MPU1はステップ#213において、シャッタが完全に閉じたことを判別したならば補正レンズ12の駆動を停止し、ステップ#202へ戻る。
【0041】以上の実施の第1の形態によれば、シャッタ駆動時におけるシャッタを閉じるための処理や、ストロボ発光開始のための処理を行う、MPU1にとって補正レンズ12の駆動制御(IS制御)以外の処理の負荷が重いときには、補正レンズ12の駆動制御(IS制御)の一時停止を行うようにしている為、不十分な像振れ補正制御を行う事により却って像を劣化させてしまうといった事を防止することが可能となる。更に、シャッタ制御やストロボ発光が適正に為されないといった事も無くすことができる。
【0042】(実施の第2の形態)本発明の実施の第2の形態に係る像振れ補正機能付きカメラにおいては、振動ジャイロによって検出されたカメラの手振れの角速度を積分して位置信号を求め、その値を用いて制御を行うものである。すなわち、手振れ量に相当する量だけ手振れの方向とは逆方向に補正レンズを駆動する事で、手振れを補正している。振動ジャイロの出力の積分は、A/D変換前にMPU外部に設けられた積分回路で行ってもよいが、この実施の形態においては、A/D変換後にMPUによって行う、いわゆるディジタルフィルタによって行うこととする。
【0043】尚、本発明の実施の第2の形態に係る像振れ補正機能付きカメラの回路構成は、図1と同様であるものとする。
【0044】以下、図4及び図5のフローチャートを用いて、手振れ等に起因する像振れ補正時の動作について説明する。
【0045】カメラのメインスイッチがオンするなどして、該カメラのメインシーケンスが開始されると、まず、ステップ#201において、MPU1は初期処理の一連の動作の中で不図示のEEPROMから各種のパラメータを読み取り、メモリ2の所定のアドレスに格納する。そして、ステップ#202へ進み、ここで不図示のレリーズ釦の第1ストロークが為されてスイッチSW1がオンされるなどして防振システムの一連の動作を撮影者が開始させる状態にした(IS動作開始、但し振れ補正は未だ行っていない)ことを判別するとステップ#203へ進み、処理で用いる変数の初期化を行う。本実施の形態においては、ムービングマグネット(MM)を用いた駆動装置を採用しているので、ムービングマグネット(MM)に取り付けられたバネにより、コイルに電流を流さない状態では略中央に補正レンズ12はあるため、上記実施の第1の形態の様なセンタリングは不要である。
【0046】次のステップ#204においては、MPU1はサンプリングのタイミングを得るためのタイマを起動する。このタイマは、一定間隔毎に割り込みを発生するものである。その間隔は手振れ補正能力によって決定されるが、通常は500μsec〜1msec程度になる。
【0047】MPU1はこのタイマからの割り込みが発生する度に、ピッチ方向及びヨー方向の振れを検出する振動ジャイロ6,7の出力をA/D変換入力端子から交互に読み取るが、まずステップ#205において、以下の処理を行う。
【0048】ピッチ方向の振れを検出する振動ジャイロ6の出力をA/D変換入力端子から増幅器8を介して読み取る。この手振れ信号は、手振れの角速度が零のときにA/D変換の入力範囲の中心値になり、手振れの角速度が正のときに中心値より大きい出力に、手振れの角速度が負のとき中心値より小さい出力になるようになっている。よって、MPU1はA/D変換入力端子から読み取った出力値(Vin)からA/D変換の入力範囲の中心値(Vo)を引いた値(Vp)を求め、この値(Vp)を積分した値を用いて補正レンズ12の制御を行う。
【0049】次に、MPU1は上記Vpを用いてディジタルフィルタリングを行う。これは、積分とその前段で行うハイパスフィルタリングを同時に行う。ハイパスフィルタリングは上記Vpに重畳する僅かなオフセット成分が積分されることによって、積分された値がオーバーフローすることを防止するために行われる。ディジタルフィルタの設計は、対象とする手振れの周波数帯域やカメラの性能から要求される手振れ補正に精度などにより変化するが、今回はハイパスフィルタ,積分器ともにポールが1Hzのものと、両者のポールが 0.2Hzのものを設計し、制御中にポールが1Hzのものからポールが 0.2Hzのものに切り換える。これによっては制御中の位相誤差を無くすとともに、早期にフィルタ出力を安定化させることが可能になる。このポールとなる周波数の切り換えを「時定数切換え」と称している。
【0050】実際には、MPU1は次式に従って出力を順次求めていく。
【0051】Ypn =a1×(Xpn-2 −Xpn)+a2×Ypn-1 +a3×Ypn-2上式におけるパラメータa1,a2,a3が時定数切換え時に変更される。この切り換えは、積分開始後1秒位に行われる。Xpn はn番目のサンプリング点nにおけるピッチ方向のフィルタの入力値、すなわち上記のVpである。また、Xpn ,Ypn はn番目のサンプリング点nにおけるピッチ方向のフィルタの出力値、Xpn-1 ,Ypn-1 はn−1番目のサンプリング点n−1におけるピッチ方向のフィルタの入力値,出力値、Xpn-2 ,Ypn-2 はn−2番目のサンプリング点におけるピッチ方向のフィルタの入力値,出力値である。
【0052】最初のサンプリング(n=0)において、Xpn-2 ,Ypn-1 ,Ypn-2 は零とする。同様に、二番目のサンプリング(n=1)において、Xpn-2 ,Ypn-2 は零とする。
【0053】次いで、MPU1はYpn から補正レンズ12の駆動位置を求める。この実施の形態では、ムービングマグネット(MM)を用いたコイルに流す電流に比例した位置に補正レンズ12が移動する駆動装置を用いている。
【0054】MPU1はYpn の値からコイルに与える電流値を求める。今はコイルに流す電流はアナログ量として与えるのではなく、PWM(パルス幅変調)したディジタル量として与えるようにしている。これは、MPU1を用いて電流を制御する際はコスト的に有利であるなどの理由による。よって、Ypn の値からPWMのデューティーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1はYpn の値から該当するPWMのデューティーの値が格納されているメモリのアドレスと求め、その値を読み取ることでPWMのデューティーを設定する。尚、このテーブルはEEPROMに設定しておくことが望ましい。
【0055】このようにしてPWMの周期,デューティーが求まったならば、MPU1は所定のレジスタにこの値を設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レンズ駆動装置10に与えられる。駆動信号を与えられた補正レンズ駆動装置10は、与えられた信号に比例する電流値をコイルに流し、補正レンズ12をピッチ方向(垂直方向)の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号が与えられるまでは、今与えられた駆動信号に従って補正レンズ12を所定位置に保持する。
【0056】次のタイマからの割り込みが生じたら、MPU1はヨー方向の振れを検出するため、ステップ#206へ進み、以下の処理を行う。
【0057】振動ジャイロ7の出力を増幅器9を介してA/D変換入力端子から読み取る。ここでMPU1はA/D変換入力端子から読み取った出力値(Vin)からA/D変換の入力範囲の中心値(Vo)を引いた値(Vy)を求め、この値(Vy)を用いて補正レンズの制御を行う。
【0058】次に、MPU1は上記Vyを用いてディジタルフィルタリングを行う。これは、積分とその前段で行うハイパスフィルタリングを同時に行う。今回はハイパスフィルタ、積分器ともにポールが1Hzのものと、両者のポールが 0.2Hzのものを設計し、制御中にポールが1Hzのものからポールが 0.2Hzのものに切り換える。このポールとなる周波数の切り換えを、前述した様に「時定数切換え」と称している。
【0059】実際には、MPU1は次式に従って出力を順次求めていく。
【0060】Yyn =a1×(Xyn-2 −Xyn )+a2×Yyn-1 +a3×Yyn-2上式におけるパラメータa1,a2,a3が時定数切換え時に変更される。この切り換えは、積分開始後1秒位に行われる。Xyn はn番目のサンプリング点nにおけるヨー方向のフィルタの入力値、すなわち上記のVyである。また、Yyn はn番目のサンプリング点nにおけるヨー方向のフィルタの出力値、Xyn-1 ,Yyn-1 はn−1番目のサンプリング点n−1におけるヨー方向のフィルタの入力値,出力値、Xyn-2 ,Yyn-2 はn−2番目のサンプリング点におけるヨー方向のフィルタの入力値,出力値である。
【0061】最初のサンプリング(n=0)において、Xyn-2 ,Yyn-1 ,Yyn-2 は零とする。同様に、二番目のサンプリング(n=1)において、Xyn-2 ,Yyn-2 は零とする。
【0062】次いで、MPU1はYyn から補正レンズ12の駆動位置を求める。この実施の形態では、ムービングマグネット(MM)を用いたコイルに流す電流に比例した位置に補正レンズ12が移動する駆動装置を用いている。
【0063】MPU1はYyn の値からコイルに与える電流値を求める。今はコイルに流す電流はアナログ量として与えるのではなく、PWM(パルス幅変調)したディジタル量として与えるようにしている。よって、Yyn の値からPWMのデューティーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1はYyn の値から該当するPWMのデューティーの値が格納されているメモリのアドレスと求め、その値を読み取ることでPWMのデューティーを設定する。尚、このテーブルはEEPROMに設定しておくことが望ましい。
【0064】このようにしてPWMの周期,デューティーが求まったならば、MPU1は所定のレジスタにこの値を設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レンズ駆動装置11に与えられる。駆動信号を与えられた補正レンズ駆動装置11は、与えられた信号に比例する電流値をコイルに流し、補正レンズ12をヨー方向(水平方向)の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号が与えられるまでは、今与えられた駆動信号に従って補正レンズ12を所定位置に保持する。
【0065】このようにして補正レンズ12の駆動が開始されたならばステップ#207へ進み、一定時間、補正レンズ12の駆動安定化のためのIS処理を行う。すなわち、上述の様にタイマからの割り込みが生じる度にピッチ,ヨー両方の振動ジャイロ6,7の出力を交互にA/D変換端子から読み取り、ディジタルフィルタリング演算を行い、その結果から所望の補正レンズ12の駆動位置を与えるコイルに流す電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。
【0066】そして、もしこのIS処理中にレリーズ釦の第2ストロークによりスイッチSW2がオンするなどして撮影の要求(シャッタ駆動などの要求)が為されていることをステップ#208にて判別したならば、一定のウェイト時間が経過した後にステップ#209以降のシャッタ開開始などの処理を行う。また、ウェイト時間が経過後に撮影の要求(シャッタ駆動などの要求)が為されたことを判別した場合には、もちろん即座にシャッタ開開始などの処理へ移行する。
【0067】シャッタ開開始などの処理において、MPU1は、まずステップ#209において、ピントを合わせるための焦点調整レンズを駆動し、ピントを合わせる。そして、既に行われている測光の結果に基づいたシャッタの駆動等を開始する。つまり、タイマを起動し、このタイマの割り込みによりシャッタ閉動作の開始、ストロボの発光に関する処理を行う。
【0068】具体的には、MPU1はまず測光の結果、ストロボの発光が必要な時は二つのタイマを、そうでない時は一つのタイマを起動する。実際は、シャッタ開動作を開始し、タイマを起動した時点で処理はIS処理に移ることになる。MPU1はシャッタ開動作中は、上述の様にタイマ割り込みが生じる度にピッチ,ヨー両方の振動ジャイロ6,7の出力を交互にA/D変換端子から読み取り、その値からコイルに与える電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。このIS処理動作はタイマによる割り込みが発生するまで続けられる。
【0069】二つのタイマを起動した場合、まず、ストロボを発光するためのタイマの割り込みが生じる。このタイマによる割り込みが生じたら、図5(a)のルーチンへ移行し、まずステップ#251,#252において、MPU1は補正レンズ12の駆動を片軸方向のみ一時停止する。ピッチ,ヨーどちらの方向の補正レンズ駆動を一時停止するかは、姿勢センサ13の出力による。すなわち、姿勢センサ13の出力を読み取り、カメラの姿勢を判別し、その結果、カメラがいわゆる横位置ならヨー方向の、逆に縦位置ならばピッチ方向の、補正レンズ12の駆動を一時停止する。これは一般には横位置の場合はピッチ方向の手振れが大きく、縦位置の場合はヨー方向の手振れが大きく、その方向の手振れによる像の劣化を補正した方が結果としてよい写真を撮影することが出来るからである。
【0070】そして、片軸方向の補正レンズ12の駆動を一時停止するのは、二軸の補正レンズを駆動した場合、後述するようにストロボ発光の前処理にMPU1はかなりの負荷を割かれ、そのためISの処理に遅れを生じ、結果的に補正レンズ12を駆動することによって逆に像を劣化させてしまう可能性があるからである。
【0071】その後、ステップ#253へ進み、ストロボオンの前処理を行う。つまり、MPU1はシャッタが所定量開いているかどうかのチェックを行う。この所定量はストロボ装置3のガイドナンバーと、既に行われている測距の結果により決定される。シャッタの開き量は不図示の位置検出センサにより検出される。すなわち、MPU1は不図示の位置検出センサによりシャッタの開き位置を検出し、所定位置までシャッタが開いていたらステップ#254へ進み、ストロボ発光を行う。勿論ストロボ発光をする必要が無い場合は、この処理は行われないし、そのためのタイマも起動されない。
【0072】この割り込みから復帰したならば、再びIS処理(ステップ#212)を行い、ピッチ,ヨー両方向の補正レンズ12の駆動を行う。すなわち、上述のようにタイマからの割り込みが生じる度にピッチ,ヨー両方の振動ジャイロの出力を交互にA/D変換端子から読み取り、ディジタルフィルタリング演算を行い、その結果から所望の補正レンズの駆動位置を与えるコイルに流す電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。
【0073】また、シャッタ閉開始のためのタイマ割り込みが生じた場合も、同様の処理を行うため、図5(b)のルーチンへ移行する。そして、まずステップ#261,#262において、MPU1は姿勢センサ13の出力により決定された方向(ピッチ又はヨー方向)の補正レンズ12の駆動を一時停止する。これは、後述するようにシャッタ閉開始の前処理にMPU1はかなりの負荷を割かれ、そのためにISの処理に遅れを生じ、結果的に補正レンズ12を駆動することによって逆に像を劣化させてしまう可能性があるからである。
【0074】その後、ステップ#263へ進み、シャッタ閉の前処理を行う。つまり、MPU1はシャッタが所定量開いているかどうかのチェックを行う。この所定量は既に行われている測光の結果により決定される。シャッタの開き量は不図示の位置検出センサにより検出される。すなわち、MPU1は不図示の位置検出センサによりシャッタの開き位置を検出し、所定位置までシャッタが開いていたらシャッタ開動作を停止し、次のステップ#264において、シャッタ閉動作を開始する。また、測光値情報などからストロボ装置3をオンすべき状況であったなら、上記のシャッタの開き量のチェックの前に、ストロボ装置3が既にオンしているかを調べ、もしオンしていなければこの時点でストロボ装置3をオンする。
【0075】この割り込みから復帰したならば、再びIS処理(ステップ#212)を行い、ピッチ,ヨー両方向の補正レンズ12の駆動を行う。すなわち、上述のようにタイマからの割り込みが生じる度にピッチ,ヨー両方の振動ジャイロ6,7の出力を交互にA/D変換端子から読み取り、ディジタルフィルタリング演算を行い、その結果から所望の補正レンズの駆動位置を与えるコイルに流す電流値(PWMのデュティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。
【0076】以上のようにしてIS処理(補正レンズ駆動による像の改善)をシャッタが完全に閉じるまで続ける。シャッタが完全に閉じたことは、シャッタが閉じた際にオンとなるスイッチを設けておくことなどに知ることができ、図4のステップ#213にてシャッタが完全に閉じたことを判別したら補正レンズ12の駆動を停止し、ステップ#202へ戻る。
【0077】以上の実施の第2の形態によれば、シャッタ駆動時におけるシャッタを閉じるための処理やストロボ発光開始のための処理を行う、MPU1にとって手振れ補正レンズの駆動制御(IS制御)以外の処理の負荷が重いときには、補正レンズの駆動制御(IS制御)の一方向の一時停止を行うようにしている為、不十分な像振れ補正の制御より像を劣化させてしまうといった事を防止することが可能となった。
【0078】(実施の第3の形態)図6は本発明の実施の第3の形態に係る像振れ補正機能付きカメラの回路構成を示すブロック図であり、図1と同じ部分は同一符号を付し、その説明は省略する。
【0079】図6において、14はMPU1のIS処理以外の処理の負荷が重いときに補正レンズ12の駆動を一時停止する軸方向を指定する一時停止軸指定スイッチである。
【0080】この実施の形態においては、振動ジャイロによって検出されたカメラの手振れの角速度を積分して位置信号を求め、その値を用いて制御を行っている。すなわち、手振れ量に相当する量だけ手振れの方向とは逆方向に補正レンズを駆動する事で、手振れを補正している。振動ジャイロ出力の積分は、A/D変換前にMPU外部に設けられた積分回路で行ってもよいが、この実施の形態においては、A/D変換後にMPU1によって行う、いわゆるディジタルフィルタによって行うこととする。
【0081】また、この実施の形態では、シャッタ駆動の前処理、ストロボオンの前処理など、MPU1のIS処理以外の処理の負荷が重いときに、像の劣化を防止するための補正レンズの駆動を片軸のみ停止し、不十分な処理による補正レンズ12の駆動によって生じる像の劣化を防止する為に、補正レンズ12の駆動の一時停止する軸方向を、外部に設けた一時停止軸指定スイッチ14によって指定しようとするものである。
【0082】その手振れ等に起因する像補正時の動作について、図7及び図8のフローチャートを用いて説明する。
【0083】カメラのメインスイッチがオンするなどして、該カメラのメインシーケンスが開始されると、まず、ステップ#301において、MPU1は初期処理の一連の動作の中で不図示のEEPROMから各種のパラメータを読み取り、メモリ2の所定のアドレスに格納する。そして、ステップ#302へ進み、ここで不図示のレリーズ釦の第1ストロークが為されてスイッチSW1がオンされるなどして防振システムの一連の動作を撮影者が開始させる状態にした(IS動作開始、但し振れ補正は未だ行っていない)ことを判別するとステップ#303へ進み、処理で用いる変数の初期化を行う。
【0084】次のステップ#304においては、MPU1はサンプリングのタイミングを得るためのタイマを起動する。このタイマは、一定間隔毎に割り込みを発生するものである。その間隔は手振れ補正能力によって決定されるが、通常は500μsec〜1msec程度になる。
【0085】MPU1はこのタイマからの割り込みが発生する度に、ピッチ方向及びヨー方向の振れを検出する振動ジャイロ6,7の出力をA/D変換入力端子から交互に読み取るが、まずステップ#305において、以下の処理を行う。
【0086】ピッチ方向の振れを検出する振動ジャイロ6の出力をA/D変換入力端子から増幅器8を介して読み取る。この手振れ信号は、手振れの角速度が零のときにA/D変換の入力範囲の中心値になり、手振れの角速度が正のときに中心値より大きい出力に、手振れの角速度が負のとき中心値より小さい出力になるようになっている。よって、MPU1はA/D変換入力端子から読み取った出力値(Vin)からA/D変換の入力範囲の中心値(Vo)を引いた値(Vp)を求め、この値(Vp)を積分した値を用いて補正レンズ12の制御を行う。
【0087】次に、MPU1は上記Vpを用いてディジタルフィルタリングを行う。これは、積分とその前段で行うハイパスフィルタリングを同時に行う。ハイパスフィルタリングは上記Vpに重畳する僅かなオフセット成分が積分されることによって、積分された値がオーバーフローすることを防止するために行われる。ディジタルフィルタの設計は、対象とする手振れの周波数帯域やカメラの性能から要求される手振れ補正に精度などにより変化するが、今回はハイパスフィルタ,積分器ともにポールが1Hzのものと、両者のポールが 0.2Hzのものを設計し、制御中にポールが1Hzのものからポールが 0.2Hzのものに切り換える。これによっては制御中の位相誤差を無くすとともに、早期にフィルタ出力を安定化させることが可能になる。このポールとなる周波数の切り換えを「時定数切換え」と称している。
【0088】実際には、MPU1は次式に従って出力を順次求めていく。
【0089】Ypn =a1×(Xpn-2 −Xpn)+a2×Ypn-1 +a3×Ypn-2上式におけるパラメータa1,a2,a3が時定数切換え時に変更される。この切り換えは、積分開始後1秒位に行われる。Xpn はn番目のサンプリング点nにおけるピッチ方向のフィルタの入力値、すなわち上記のVpである。また、Xpn ,Ypn はn番目のサンプリング点nにおけるピッチ方向のフィルタの出力値、Xpn-1 ,Ypn-1 はn−1番目のサンプリング点n−1におけるピッチ方向のフィルタの入力値,出力値、Xpn-2 ,Ypn-2 はn−2番目のサンプリング点におけるピッチ方向のフィルタの入力値,出力値である。
【0090】最初のサンプリング(n=0)において、Xpn-2 ,Ypn-1 ,Ypn-2 は零とする。同様に、二番目のサンプリング(n=1)において、Xpn-2 ,Ypn-2 は零とする。
【0091】次いで、MPU1はYpn から補正レンズ12の駆動位置を求める。この実施の形態では、ムービングマグネット(MM)を用いたコイルに流す電流に比例した位置に補正レンズ12が移動する駆動装置を用いている。
【0092】MPU1はYpn の値からコイルに与える電流値を求める。今はコイルに流す電流はアナログ量として与えるのではなく、PWM(パルス幅変調)したディジタル量として与えるようにしている。これは、MPU1を用いて電流を制御する際はコスト的に有利であるなどの理由による。よって、Ypn の値からPWMのデューティーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1はYpn の値から該当するPWMのデューティーの値が格納されているメモリのアドレスと求め、その値を読み取ることでPWMのデューティーを設定する。尚、このテーブルはEEPROMに設定しておくことが望ましい。
【0093】このようにしてPWMの周期,デューティーが求まったならば、MPU1は所定のレジスタにこの値を設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レンズ駆動装置10に与えられる。駆動信号を与えられた補正レンズ駆動装置10は、与えられた信号に比例する電流値をコイルに流し、補正レンズ12をピッチ方向(垂直方向)の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号が与えられるまでは、今与えられた駆動信号に従って補正レンズ12を所定位置に保持する。
【0094】次のタイマからの割り込みが生じたら、MPU1はヨー方向の振れを検出するため、ステップ#306へ進み、以下の処理を行う。
【0095】振動ジャイロ7の出力を増幅器9を介してA/D変換入力端子から読み取る。ここでMPU1はA/D変換入力端子から読み取った出力値(Vin)からA/D変換の入力範囲の中心値(Vo)を引いた値(Vy)を求め、この値(Vy)を用いて補正レンズの制御を行う。
【0096】次に、MPU1は上記Vyを用いてディジタルフィルタリングを行う。これは、積分とその前段で行うハイパスフィルタリングを同時に行う。今回はハイパスフィルタ、積分器ともにポールが1Hzのものと、両者のポールが 0.2Hzのものを設計し、制御中にポールが1Hzのものからポールが 0.2Hzのものに切り換える。このポールとなる周波数の切り換えを、前述した様に「時定数切換え」と称している。
【0097】実際には、MPU1は次式に従って出力を順次求めていく。
【0098】Yyn =a1×(Xyn-2 −Xyn )+a2×Yyn-1 +a3×Yyn-2上式におけるパラメータa1,a2,a3が時定数切換え時に変更される。この切り換えは、積分開始後1秒位に行われる。Xyn はn番目のサンプリング点nにおけるヨー方向のフィルタの入力値、すなわち上記のVyである。また、Yyn はn番目のサンプリング点nにおけるヨー方向のフィルタの出力値、Xyn-1 ,Yyn-1 はn−1番目のサンプリング点n−1におけるヨー方向のフィルタの入力値,出力値、Xyn-2 ,Yyn-2 はn−2番目のサンプリング点におけるヨー方向のフィルタの入力値,出力値である。
【0099】最初のサンプリング(n=0)において、Xyn-2 ,Yyn-1 ,Yyn-2 は零とする。同様に、二番目のサンプリング(n=1)において、Xyn-2 ,Yyn-2 は零とする。
【0100】次いで、MPU1はYyn から補正レンズ12の駆動位置を求める。この実施の形態では、ムービングマグネット(MM)を用いたコイルに流す電流に比例した位置に補正レンズ12が移動する駆動装置を用いている。
【0101】MPU1はYyn の値からコイルに与える電流値を求める。今はコイルに流す電流はアナログ量として与えるのではなく、PWM(パルス幅変調)したものとディジタル量として与えるようにしている。よって、Yyn の値からPWMのデューティーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1はYyn の値から該当するPWMのデューティーの値が格納されているメモリのアドレスと求め、その値を読み取ることでPWMのデューティーを設定する。尚、このテーブルはEEPROMに設定しておくことが望ましい。
【0102】このようにしてPWMの周期,デューティーが求まったならば、MPU1は所定のレジスタにこの値を設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レンズ駆動装置11に与えられる。駆動信号を与えられた補正レンズ駆動装置11は、与えられた信号に比例する電流値をコイルに流し、補正レンズ12をヨー方向(水平方向)の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号が与えられるまでは、今与えられた駆動信号に従って補正レンズ12を所定位置に保持する。
【0103】このようにして補正レンズ12の駆動が開始されたならばステップ#307へ進み、一定時間、補正レンズ12の駆動安定化のためのIS処理を行う。すなわち、上述の様にタイマからの割り込みが生じる度にピッチ,ヨー両方の振動ジャイロ6,7の出力を交互にA/D変換端子から読み取り、ディジタルフィルタリング演算を行い、その結果から所望の補正レンズ12の駆動位置を与えるコイルに流す電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。
【0104】そして、もしこのIS処理中にレリーズ釦の第2ストロークによりスイッチSW2がオンするなどして撮影の要求(シャッタ駆動などの要求)が為されていることをステップ#308にて判別したならば、一定のウェイト時間が経過した後にステップ#309以降のシャッタ開開始などの処理を行う。また、ウェイト時間が経過後に撮影の要求(シャッタ駆動などの要求)が為されたことを判別した場合には、もちろん即座にシャッタ開開始などの処理へ移行する。
【0105】シャッタ開開始などの処理において、MPU1は、まずステップ#309において、ピントを合わせるための焦点調整レンズを駆動し、ピントを合わせる。そして、既に行われている測光の結果に基づいたシャッタの駆動等を開始する。つまり、タイマを起動し、このタイマの割り込みによりシャッタ閉動作の開始、ストロボの発光に関する処理を行う。
【0106】具体的には、MPU1はまず測光の結果、ストロボの発光が必要な時は二つのタイマを、そうでない時は一つのタイマを起動する。実際は、シャッタ開動作を開始し、タイマを起動した時点で処理はIS処理に移ることになる。MPU1はシャッタ開動作中は、上述の様にタイマ割り込みが生じる度にピッチ,ヨー両方の振動ジャイロ6,7の出力を交互にA/D変換端子から読み取り、その値からコイルに与える電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。このIS処理動作はタイマによる割り込みが発生するまで続けられる。
【0107】二つのタイマを起動した場合、まず、ストロボを発光するためのタイマの割り込みが生じる。このタイマによる割り込みが生じたら、図8(a)のルーチンへ移行し、まずステップ#351,#352において、MPU1は補正レンズ12の駆動を片軸方向のみ一時停止する。ピッチ,ヨーどちらの方向の補正レンズ駆動を一時停止するかは、一時停止軸指定スイッチ14によって指定される。
【0108】この様に、片軸方向の補正レンズ12の駆動を一時停止するのは、二軸の補正レンズを駆動した場合、後述するようにストロボ発光の前処理にMPU1はかなりの負荷を割かれ、そのためISの処理に遅れを生じ、結果的に補正レンズ12を駆動することによって逆に像を劣化させてしまう可能性があるからである。
【0109】その後、ステップ#353へ進み、ストロボオンの前処理を行う。つまり、MPU1はシャッタが所定量開いているかどうかのチェックを行う。この所定量はストロボ装置3のガイドナンバーと、既に行われている測距の結果により決定される。シャッタの開き量は不図示の位置検出センサにより検出される。すなわち、MPU1は不図示の位置検出センサによりシャッタの開き位置を検出し、所定位置までシャッタが開いていたらステップ#354へ進み、ストロボ発光を行う。勿論ストロボ発光をする必要が無い場合は、この処理は行われないし、そのためのタイマも起動されない。
【0110】この割り込みから復帰したならば、再びIS処理(ステップ#312)を行い、ピッチ,ヨー両方向の補正レンズ12の駆動を行う。すなわち、上述のようにタイマからの割り込みが生じる度にピッチ,ヨー両方の振動ジャイロの出力を交互にA/D変換端子から読み取り、ディジタルフィルタリング演算を行い、その結果から所望の補正レンズの駆動位置を与えるコイルに流す電流値(PWMのデューティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。
【0111】また、シャッタ閉開始のためのタイマ割り込みが生じた場合も、同様の処理を行うため、図8(b)のルーチンへ移行し、まずステップ#361,#362において、MPU1は一時停止軸スイッチ14の設定を読み取り、これにより指定された方向(ピッチ又はヨー方向)の補正レンズ12の駆動を一時停止する。これは、後述するようにシャッタ閉開始の前処理にMPU1はかなりの負荷を割かれ、そのためにISの処理に遅れを生じ、結果的に補正レンズ12を駆動することによって逆に像を劣化させてしまう可能性があるからである。
【0112】その後、ステップ#363へ進み、シャッタ閉の前処理を行う。つまり、MPU1はシャッタが所定量開いているかどうかのチェックを行う。この所定量は既に行われている測光の結果により決定される。シャッタの開き量は不図示の位置検出センサにより検出される。すなわち、MPU1は不図示の位置検出センサによりシャッタの開き位置を検出し、所定位置までシャッタが開いていたらシャッタ開動作を停止し、次のステップ#364において、シャッタ閉動作を開始する。また、測光値情報などからストロボ装置3をオンすべき状況であったなら、上記のシャッタの開き量のチェックの前に、ストロボ装置3が既にオンしているかを調べ、もしオンしていなければこの時点でストロボ装置3をオンする。
【0113】この割り込みから復帰したならば、再びIS処理(ステップ#312)を行い、ピッチ,ヨー両方向の補正レンズ12の駆動を行う。すなわち、上述のようにタイマからの割り込みが生じる度にピッチ,ヨー両方の振動ジャイロ6,7の出力を交互にA/D変換端子から読み取り、ディジタルフィルタリング演算を行い、その結果から所望の補正レンズの駆動位置を与えるコイルに流す電流値(PWMのデュティー)を求め、その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ12を駆動する。
【0114】以上のようにしてIS処理(補正レンズ駆動による像の改善)をシャッタが完全に閉じるまで続ける。シャッタが完全に閉じたことは、シャッタが閉じた際にオンとなるスイッチを設けておくことなどに知ることができ、図4のステップ#313にてシャッタが完全に閉じたことを判別したら補正レンズ12の駆動を停止し、ステップ#302へ戻る。
【0115】以上の実施の第3の形態によれば、シャッタ駆動時におけるシャッタを閉じるための処理やストロボ発光開始のための処理を行う、MPU1にとっては補正レンズの駆動制御(IS制御)以外の処理の負荷が重いときに、補正レンズの駆動制御(IS制御)の一方向の一時停止を外部より指定するようにしている為、不十分な像振れ補正の制御より像を劣化させてしまうといった事を防止することが可能となる。
【0116】(発明と実施の形態の対応)上記実施の各形態において、補正レンズ駆動装置10,11が本発明の補正光学系駆動手段に、MPU1が本発明の制御手段に、姿勢検知センサ13が本発明の姿勢検知手段に、一時停止軸指定スイッチ14が本発明の方向指定手段に、それぞれ相当する。
【0117】以上が実施の形態の各構成と本発明の各構成の対応関係であるが、本発明は、これら実施の形態の構成に限定されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施の形態がもつ機能が達成できる構成であればどのようなものであってもよいことは言うまでもない。
【0118】(変形例)上記実施の各形態においては、補正レンズの駆動制御(IS制御)以外の処理の負荷が重い例として、シャッタ閉駆動時とストロボ発光開始時を例にしているが、これに限定されるのではなく、MPUが補正レンズの駆動制御と同時に処理を行う事で処理負荷が重くなるものであれば、どのようなものであっても良い。
【0119】本発明は、カメラに適用した例を述べているが、カメラ以外の像振れ補正機能を備えた光学機器やその他の装置、更にはそれら光学機器やその他の装置に適用される装置、又はこれらを構成する要素に対しても適用できるものである。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、不十分な像振れ補正制御を行う事により却って像を劣化させてしまうといった事を防止できる像振れ補正機能付き装置を提供できるものである。




 

 


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