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発明の名称 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−174701
公開日 平成11年(1999)7月2日
出願番号 特願平9−362523
出願日 平成9年(1997)12月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 有
発明者 高井 秀幸
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が下記一般式(1)で示されるビスアゾ顔料と下記一般式(2)で示される構造単位を有するアセタ−ル樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
一般式(1)
【化1】

式中、Cpはフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基を表わす。
一般式(2)
【化2】

式中、Ar1 は置換基を有してもよいアリ−レン基、Ar2 及びAr3 は置換基を有してもよいフェニル基を表わし、mは0、1または2の整数を表わす。
【請求項2】 感光層が前記一般式(1)で示されるビスアゾ顔料と前記一般式(2)で示される構造単位を有するアセタ−ル樹脂を含有する電荷発生層と電荷輸送層の少なくとも二層からなる請求項1記載の電子写真感光体。
【請求項3】 請求項1記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
【請求項4】 請求項1記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体並びに該電子写真感光体を備えたプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機光導電物質を用いた電子写真感光体の多くは、アゾ顔料やフタロシアニン顔料等の比較的低分子量の電荷発生物質を適当な結着樹脂に分散して用いる場合が多い。その中で、感光層が電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに機能分離された、いわゆる積層型電子写真感光体が感度、電位特性及び耐久性等の点で優れるため、現在、有機電子写真感光体の主流となっていいる。
【0003】電荷発生物質としては、様々な材料が提案されているが、中でも、特開昭62−127845号公報等に開示されるベンズアンスロン系のビスアゾ顔料は良好な感度特性と繰り返し使用時の優れた電位安定性を有する材料であるが、近年の電子写真感光体への更なる高耐久化、高速化の要求に対しては感度の上で必ずしも満足できる材料ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れた電位安定性を有し、かつ、改善された感度特性を有する電子写真感光体を提供することである。また該電子写真感光体を用いたプロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が下記一般式(1)で示されるビスアゾ顔料と下記一般式(2)で示される構造単位を有するアセタ−ル樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体から構成される。
一般式(1)
【化3】

式中、Cpはフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基を表わす。
一般式(2)
【化4】

式中、Ar1 は置換基を有してもよいアリ−レン基、Ar2 及びAr3 は置換基を有してもよいフェニル基を表わし、mは0、1または2の整数を表わす。
【0006】また、本発明は前記本発明の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジから構成される。
【0007】また、本発明は前記本発明の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は前記一般式(1)で示されるベンズアンスロン系のビスアゾ顔料の良好な電子写真特性を損なうことなく、より高感度な特性を引き出すべく鋭意検討の結果、前記一般式(2)で示される構成単位を有するアセタ−ル樹脂を結着樹脂として用いることにより、感度が大幅に向上することを見出したことに基づく発明である。
【0009】一般式(1)中のCpの表わすフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基の好ましい例としては、下記一般式(3)で示されるカプラ−残基が挙げられる。
一般式(3)
【化5】

式中、R1 は置換基を有してもよいアリ−ル基、R2 は水素原子、メチル、エチル等のアルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を表わし、Zは酸素原子または硫黄原子を表わし、nは0または1の整数を表わし、Xはベンゼン環と縮合して多環芳香環を形成するのに必要な残基を表わす。
【0010】上記のアリ−ル基が有してもよい置換基としては、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、トリフロロメチル等のハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0011】また、Xが下記一般式(4)または(5)で示される残基である場合、これ等の材料を含有する感光層を有する電子写真感光体は特に長波長側の感度に優れるため、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−等への使用に好適である。
【0012】一般式(4)
【化6】

式中、R3 はフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のアルコキシ基等が挙げられるが、特に電子吸引性基が好ましい。
一般式(5)
【化7】

【0013】前記一般式(2)で示される構造単位を示す式中、Ar1 で表わされるアリ−レン基としては、例えばフェニレン、ビフェニレン、タ−フェニレン等のポリフェニレン、ナフチレン、アントラニレン、ビフェニレン等の縮合芳香環が挙げられる。アリ−レン基が有してもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル、エチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基が挙げられる。
【0014】Ar2 及びAr3 で表わされるフェニル基が有してもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アリ−ルオキシ、フェニル、トルイル等の芳香族基、ベンジル、フェネチル等のアラルキル基が挙げられる。
【0015】Ar1 、Ar2 及びAr3 における置換基として、特にアルキル基、アルコキシ基等の電子供与性基が好ましい。
【0016】本発明において用いるアセタ−ル樹脂は、前記一般式(2)で示される構造単位を含有するが、全てが一般式(2)で示される構成単位で構成される必要はなく、従来公知の他のアセタ−ル構造単位が同一分子内に共存していてもよい。
【0017】即ち、本発明において用いるアセタ−ル樹脂は、ポリビニルアルコ−ルと下記アルデヒド化合物【化8】

(Ar1、Ar2、Ar3及びmは一般式(2)と同義)を縮合して合成するが、この際、原料となる上記アルデヒド化合物以外に公知のアセタ−ル樹脂の原料となるアルデヒド化合物、例えばR3−CHO(R3 はメチル、エチル、プロピル等のアルキル基を表わす)や【化9】

(R4 は水素原子、メチル、エチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、トリフロロメチル基等を表わす)等を共存させて反応させ合成される樹脂であってもよい。ただし、本発明の効果を発現させる上で、一般式(1)で示される構造単位は、採択した全アセタ−ル構造単位中、20%以上、好ましくは50%以上であることが望ましい。
【0018】前記一般式(1)で示されるベンズアンスロン系のビスアゾ顔料は、例えば、3,9−ジアミノベンズアンスロンを常法によりテトラゾ化し、ホウフッ化塩等の形で一旦単離した後、DMF等の溶媒中でトリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の塩基の存在下でカプラ−をカップリングさせることにより、容易に合成される。
【0019】前記一般式(2)で示される構造単位を有するアセタ−ル樹脂は、完全けん化あるいは部分けん化のポリビニルアルコ−ルと前記アルデヒド化合物を有機溶媒中で塩酸、硫酸あるいはp−トルエンスルホン酸等の酸触媒下反応させることによって合成される。
【0020】表1〜3に一般式(1)で示されるベンズアンスロン系ビスアゾ顔料の代表例を示す。なお、基本型(一般式(1))において、変化するカプラ−残基部分を示すことによって全体構造を記載したものとする。
【表1】

【表2】

【表3】

【0021】表4及び5に一般式(2)で示される構造単位を有するアセタ−ル樹脂の代表例を示す。なお、表においては、基本型(一般式(2))において、変化するm、Ar1 、Ar2 、Ar3 及びアセタ−ル化度を示すことによって全体を示したこととする。また、アセタ−ル化度の決定は元素分析により決定した。
【表4】

【表5】

【0022】合成例1(顔料例7の合成)
300mlビ−カ−に水150ml、濃塩酸60ml(0.67モル)と下記構造式のアミノ化合物【化10】

8.3g(0.32モル)を入れ、0℃まで冷却し、亜硝酸ソ−ダ4.6g(0.067モル)を水10mlに溶解した液を液温を2℃以下に保ちながら、10分間で液中へ注加した。15分間撹拌した後、カ−ボンろ過し、この溶液中へホウフッ化ソ−ダ10.5g(0.09モル)を水90mlに溶かした液を撹拌下に滴下し、析出したホウフッ化塩をろ取し、冷水で洗浄した後、アセトニトリルで洗浄し、室温で減圧乾燥した。収量12.9g、収率88%。
【0023】次に、1mlビ−カ−にDMF500mlを入れ、下記構造式のカプラ−【化11】

3.0g(7.23ミリモル)を溶解し、液温を5℃に冷却した後、先に得たホウフッ化塩1.6g(3.44ミリモル)を溶解し、次いでN−メチルモルホリン0.9g(8.68ミリモル)を5分間で滴下した。2時間撹拌した後、析出した顔料をろ取し、DMFで4回、水で3回洗浄した後、凍結乾燥した。収量3.5g、収率92%。
【0024】

【0025】合成例2(アセタ−ル樹脂例2の合成)
ポリビニルアルコ−ル(商品名PVA−110、クラレ(株)製)2.0g(0.023モル)をDMSO80mlに懸濁し、下記構造式の化合物【化12】

13.7g(0.045モル)とp−トルエンスルホン酸(水和物)1.7g(8.9ミリモル)を加え、47〜50℃で6時間加熱撹拌した。水酸化ナトリウム230mgをメタノ−ル3.5リットルに溶かした液に先に得た反応液を注加し、析出した樹脂をろ取した。得られた樹脂をテトラヒドロフラン70mlに溶解し、アセトン/メタノ−ルが1/1の混合溶媒3.5リットル中に滴下し、再沈精製した。同操作を2回繰り返し乾燥し、無色の固体樹脂4.4gを得た。
【0026】

【0027】本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に一般式(1)で示されるビスアゾ顔料と一般式(2)で示される構造単位を有するアセタ−ル樹脂を含有する感光層を有する。感光層の形態は、公知の形態のいずれを採択してもよいが、一般式(1)で示されるビスアゾ顔料と一般式(2)で示される構造単位を有するアセタ−ル樹脂を含有する層を電荷発生層とし、これに電荷輸送物質を含有する層である電荷輸送層を積層した機能分離型の感光層が特に好ましい。
【0028】電荷発生層は、一般式(1)で示されるビスアゾ顔料を一般式(2)で示される構造単位を有するアセタ−ル樹脂中に適当な溶剤を用いて分散して調製した塗布液を導電性支持体上に公知の方法によって塗布することによって形成される。電荷発生層中における該ビスアゾ顔料と該アセタ−ル樹脂の割合は、重量比で10/1〜1/10、好ましくは5/1〜1/2であり、電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜1μmの薄膜層が望ましい。
【0029】上記溶剤としては、前記樹脂を溶解し、電荷輸送層や下引き層を溶解しない溶剤の選択が好ましい。例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエ−テル化合物、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン化合物、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミン化合物、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル化合物、トルエン、キシテン、モノクロロベンゼン等の芳香族化合物、メタノ−ル、エタノ−ル、2−プロパノ−ル等のアルコ−ル化合物、クロロホルム、塩かメチレン、ジクロロエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
【0030】電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積層される。電荷輸送層は電荷輸送物質を適当な結着樹脂と共に溶剤中に溶解した塗布液を塗布することによって形成される。電荷輸送層中における電荷輸送物質と結着樹脂の割合は、重量比で10/1〜3/10、好ましくは2/1〜1/2であり、電荷発生層の膜厚は5〜40μm、好ましくは15〜30μmが望ましい。
【0031】電荷輸送物質は電子輸送性物質と正孔輸送性物質があり、電子輸送性物質としては、例えば2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシアノキノジメタン等の電子吸引性物質やこれら電子吸引性物質を高分子化した化合物等が挙げられる。
【0032】正孔輸送性物質としては、例えばピレン、アントラセン等の多環芳香族化合物、カルバゾ−ル系、インド−ル系、オキサゾ−ル系、チアゾ−ル系、オキサジアゾ−ル系、ピラゾ−ル系、ピラゾリン系、チアジアゾ−ル系、トリアゾ−ル系化合物等の複素環化合物、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾ−ル等のヒドラゾン系化合物、α−フェニル−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベン、5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン等のスチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリ−ルメタン系化合物、トリフェニルアミンあるいは、これらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有するポリマ−(例えばポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン等)が挙げられる。
【0033】上記有機電荷輸送物質の他にセエン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウム等の無機材料も用いることができる。
【0034】電荷輸送物質は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。電荷輸送物質が成膜性を有していないときは適当な結着樹脂を用いることができる。例えばアクリル樹脂、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマ−、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等の絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマ−等が挙げられる。
【0035】本発明の電子写真感光体の別の具体例として、前記本発明で特定する前記ビスアゾ顔料と前記アセタ−ル樹脂及び電荷輸送物質を同一の層に含有する感光層を有する電子写真感光体が挙げられる。この電子写真感光体は、前記ビスアゾ顔料と前記アセタ−ル樹脂を分散した液を電荷輸送物質と適当な結着樹脂を溶解した液に加えて調製した塗布液を導電性支持体上に塗布し乾燥して、電子写真感光体を作成する。
【0036】いずれの電子写真感光体においても、必要に応じて一般式(1)で示されるビスアゾ顔料を2種以上組み合わせたり、公知の電荷発生物質と組み合わせて用いることができる。
【0037】本発明の電子写真感光体の用いられる導電性支持体の材質としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金や白金等が挙げられる。また、これら金属または合金を真空蒸着法によって被膜形成したプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト及びアクリル樹脂等)や導電性粒子(例えばカ−ボンブラック、銀粒子等)を適当な結着樹脂と共に上記プラスチック、金属または合金上に被覆した支持体あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体等が挙げられる。形状としてはドラム状、シ−ト状及びベルト状等が挙げられるが、適用される電子写真装置に最も適した形状であることが好ましい。
【0038】導電性支持体と感光層の中間にバリヤ−機能と接着機能を有する下引き層を設けることもできる。下引き層の形成材料としては、例えばカゼイン、ポリビニルアルコ−ル、ニトロセルロ−ス、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン及び酸化アルミニウム等が挙げられる。その膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜3μmが適当である。
【0039】また、本発明の電子写真感光体は、感光層を外部からの機械的及び化学的悪影響から保護すること等を目的として、保護層としての樹脂層や導電性粒子や電荷輸送物質を含有する樹脂層を感光層上に設けることもできる。
【0040】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−、LEDプリンタ−、CRTプリンタ−、液晶プリンタ−、レ−ザ−製版、ファクシミリ等電子写真応用分野にも広く適用することができる。
【0041】次に、前記本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置について説明する。
【0042】図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0043】形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナ−現像され、現像されたトナ−現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリ−ニング手段9によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ロ−ラ−等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0044】本発明においては、上述の感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やレ−ザ−ビ−ムプリンタ−等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカ−トリッジ化し、装置本体のレ−ル12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジ11とすることができる。また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンタ−である場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、センサ−で原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレ−ザ−ビ−ムの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッタ−アレイの駆動等により照射される光である。
【0045】
【実施例】実施例1アルミニウム支持体上にメトキシメチル化ナイロン(重量平均分子量32,000)5gとアルコ−ル可溶性共重合ナイロン(重量平均分子量29,000)10gをメタノ−ル95gに溶解した液をマイヤ−バ−で塗布し、乾燥後の膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
【0046】次に、顔料例P−7の5gをテトラヒドロフラン95gに化合物例B−2の2gを溶解した液に加え、サンドミルで20時間分散した。この分散液を下引き層上に乾燥後の膜厚が0.2μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布、乾燥し、電荷発生層を形成した。
【0047】次に、下記構造式の化合物5g【化13】

とポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量40,000)5gをモノクロロベンゼン40gに溶解した液を電荷発生層の上にマイヤ−バ−で塗布、乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写真感光体を作成した。
【0048】作成した電子写真感光体を静電複写紙試験装置(商品名SP−428、川口電機(株)製)を用いて−5KVのコロナ放電で負に帯電し、1秒間暗所放置した後、ハロゲンランプを用いて照度10ルックスで露光し、帯電特性を評価した。帯電特性としては、帯電直後の表面電位V0 と1秒間の暗所放置後の表面電位を1/2に減衰するに必要な露光量、即ち感度(E1/2 )を測定した。
0 :−700V、E1/2 :0.65 lux・sec【0049】比較例1−1実施例1において、電荷発生層の結着樹脂をポリビニルブチラ−ル(商品名S−LEC BX−1、積水化学工業(株)製)に代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、同様に評価した。V0 :−680V、E1/2 :1.10 lux・secであった。
【0050】比較例1−2実施例1において、電荷発生層の結着樹脂を下記構造単位を有するベンザ−ル樹脂(ベンザ−ル化度80モル%)
【化14】

に代えた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、同様に評価した。結果を示す。
0 :−690V、E1/2 :0.90 lux・sec【0051】実施例2〜8実施例1で用いたビスアゾ顔料に代えて表7に示す前記顔料例を用いた他は、実施例1と同様にして対応する電子写真感光体を作成し、同様に評価した。
【0052】比較例2〜8実施例2〜8において、結着樹脂を比較例1−1及び比較例1−2で用いた樹脂に代えた他は、実施例2と同様にしてそれぞれに対応する電子写真感光体を作成し、同様に評価した。
【0053】実施例2〜8及び比較例2〜8の電子写真感光体の評価結果を表6に示す。
【表6】

【0054】比較例9〜11実施例1で用いたビスアゾ顔料を下記構造式のアゾ顔料A、B及びCに代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、同様に評価した。比較のために結着樹脂を比較例1−1及び比較例1−2で用いた樹脂に代えた他は、比較例9〜11と同様に電子写真感光体を作成し、同様に評価した。
アゾ顔料A【化15】

アゾ顔料B【化16】

アゾ顔料C【化17】

【0055】比較例9〜11の電子写真感光体の評価結果を表7に示す。
【表7】

【0056】実施例9〜15実施例1で用いたアセタ−ル樹脂を表9に示す前記化合物例の樹脂に代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、同様に評価した。
【0057】実施例9〜15の電子写真感光体の評価結果を表8に示す。
【表8】

【0058】実施例16〜23実施例1、3、4、6、9、10、12及び14で作成した電子写真感光体を−6.4KVのコロナ帯電器、露光光学系、現像器、転写帯電器、除電露光光学系及びクリ−ナ−を備えた電子写真複写機のシリンダ−に貼り付けた。初期の暗部電位VD と明部電位VL をそれぞれ−700V付近と−200V付近に設定した後、5,000回繰り返し使用し、初期と繰り返し使用後での暗部電位の変動量ΔVD と明部電位の変動量ΔVL を測定することにより耐久特性を評価した。評価結果を表10に示す。なお、電位変動における負符号は電位の絶対値が減少したことを表わし、正符号は電位の絶対値が増加したことを表わす。
【0059】実施例16〜23の電子写真感光体の評価結果を表9に示す。
【表9】

本発明の電子写真感光体は繰り返し使用時の電位安定性も良好であることが分かる。
【0060】実施例24実施例1で作成した電子写真感光体の電荷発生層と電荷輸送層を逆の順で積層した電子写真感光体を作成し、実施例1と同様に評価した。ただし、帯電の極性は正とした。結果を示す。
0 :+700V、E1/2 :0.70 lux・sec【0061】実施例25実施例1と同様にして電荷発生層までを形成した。2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン5gとポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量30,000)5gをテトラヒドロフラン50gに溶解した液を上記電荷発生層上にマイヤ−バ−で塗布、乾燥して、膜厚が22μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。実施例1と同様に評価した。ただし、帯電の極性は正とした。結果を示す。
0 :+695V、E1/2 :0.98 lux・sec【0062】実施例26顔料例P−7の5gと化合物例B−40.25gをシクロヘキサノン9.5gに加え、ペイントシェイカ−で5時間分散した。この分散液に実施例1で用いたと同じ電荷輸送物質5gとポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量70,000)5gをテトラヒドロフラン40gに溶解した溶液に加え、更に1時間振とうした。得られた溶液をアルミニウム支持体上にマイヤ−バ−で塗布、乾燥して膜厚20μmの感光層を形成し、電子写真感光体を作成した。実施例1と同様に評価した。ただし、帯電の極性は正とした。評価結果を示す。V0 :+700V、E1/2 :1.03 lux・sec【0063】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、高い感度を有し、繰り返し使用しても安定して優れた電位特性を有するという顕著な効果をそうする。また、プロセスカ−トリッジ及び電子写真装置に装着して同様に優れた効果を示す。




 

 


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