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像ぶれ補正機能を有する光学装置 - キヤノン株式会社
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発明の名称 像ぶれ補正機能を有する光学装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−174513
公開日 平成11年(1999)7月2日
出願番号 特願平9−363331
出願日 平成9年(1997)12月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
発明者 大沢 敏文
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 光学系の光軸の角度変化を角速度として検出する角速度検出手段と、該角速度検出手段の出力信号を信号処理する信号処理手段と、前記光軸を変化させるための光軸変化手段とを有した像ぶれ補正機能を有する光学装置において、前記信号処理手段からの信号と前記光軸変化手段を所定の周波数にて微少振幅駆動するために入力される信号を重畳して、その信号により前記光軸変化手段を駆動する光軸変化駆動手段と、前記角速度検出手段が有する共振周波数と前記微少振幅駆動の駆動周波数とが干渉しない周波数帯域となるような、前記光軸変化手段を所定の周波数にて微少振幅駆動するための信号を生成し、前記光軸変化駆動手段に出力する信号生成手段とを有することを特徴とする像ぶれ補正機能を有する光学装置。
【請求項2】 前記信号生成手段はこの装置を制御するために備わった連続パルス信号出力機能を有するマイクロコンピュータであり、生成した前記微少振幅駆動を行わせるための繰り返し信号を、前記連続パルス信号を出力する端子より出力することを特徴とする請求項1に記載の像ぶれ補正機能を有する光学装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手ぶれ振動等による像ぶれを補正する機能を有するカメラ等の光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、手ぶれ振動等によって発生する像ぶれを補正する機能を有するカメラ等の光学装置は知られている。より具体的には、手ぶれ振動等によって発生する像ぶれをその装置に備えられた振動検出手段によって加速度或いは角速度といった情報として検出し、こうしたぶれ情報を基にして前記像ぶれを撮像面上或いは観察面上にて打ち消すように装置の光学系の全体或いは一部を移動、或いは、変化させる仕組みを備えた光学装置が実現されている。特開平9−043657号はこうした装置についての提案例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の提案装置においては、手ぶれ等による装置の振動による光軸ぶれを補正するための光軸変化手段を駆動する際にその摩擦力を低減するために、該光軸変化手段を微少振幅駆動する事の技術が記載されている。
【0004】しかしながら、上記光軸変化手段を微少振幅駆動すると、その周波数にてメカニカルな振動がその装置内にて発生する。従って、特に振動検出手段として、振動ジャイロ等の共振周波数を有するセンサを用いている場合、その共振周波数に近い振動を外部より与えてしまうと、振動が正確に検出できないという問題が生じる恐れがあった。
【0005】(発明の目的)本発明の第1の目的は、常に正確な振動検出を行い、確実に像ぶれ補正機能を発揮させることのできる像ぶれ補正機能を有する光学装置を提供しようとするものである。
【0006】本発明の第2の目的は、光軸変化手段を微少振幅駆動させる際のマイクロコンピュータの負荷を低減することのできる像ぶれ補正機能を有する光学装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、光学系の光軸の角度変化を角速度として検出する角速度検出手段と、該角速度検出手段の出力信号を信号処理する信号処理手段と、前記光軸を変化させるための光軸変化手段とを有した像ぶれ補正機能を有する光学装置において、前記信号処理手段からの信号と前記光軸変化手段を所定の周波数にて微少振幅駆動するために入力される信号を重畳して、その信号により前記光軸変化手段を駆動する光軸変化駆動手段と、前記角速度検出手段が有する共振周波数と前記微少振幅駆動の駆動周波数とが干渉しない周波数帯域となるような、前記光軸変化手段を所定の周波数にて微少振幅駆動するための信号を生成し、前記光軸変化駆動手段に出力する信号生成手段とを有する像ぶれ補正機能を有する光学装置とするものである。
【0008】上記第2の目的を達成するために、請求項2記載の本発明は、信号生成手段はこの装置を制御するために備わった連続パルス信号出力機能を有するマイクロコンピュータであり、生成した微少振幅駆動を行わせるための繰り返し信号を、前記連続パルス信号を出力する端子より出力する像ぶれ補正機能を有する光学装置とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0010】図1及び図2は本発明の実施の一形態に係る像ぶれを補正する機能を有する光学装置としてのカメラの電気回路構成例を示す回路図であり、図1の■〜■は、図2の■〜■とそれぞれ接続されるものであり、これら■〜■を端子名(時として信号名)として用いる。
【0011】図1は、電気回路構成のうち、主として像ぶれを補正するための機能を実現するための構成部分であり、101は手ぶれ等によるカメラの縦方向の振動を角速度として検出するための例えば振動ジャイロ等の第1の振動検出センサ、102はコンデンサ、103は可変抵抗器(詳しくは後述する)、104は演算増幅器であり、前記振動検出センサ101の出力信号は、前記コンデンサ102と可変抵抗器103から成る可変周波数特性のハイパスフィルタによって直流成分がカットされていわゆるボルテージフォロワ接続された演算増幅器104によってバッファ出力される。105は固定抵抗器、106は可変抵抗器、107はコンデンサ、108は演算増幅器であり、これら固定抵抗器105から演算増幅器108までの各素子にて構成される回路部は、特開平1−130144号にも記載されている様に可変周波数特性の積分器となる。この積分器に入力される信号はハイパスフィルタにて帯域調整された手ぶれの角速度であり、これが積分されることで手ぶれ等による振動の角変位となる。109及び110は固定抵抗器、111は可変抵抗器、112は演算増幅器であり、固定抵抗器109から演算増幅器112までの各素子にて構成される回路部は倍率可変の加算器となり、前記積分器の出力(角変位)と後述するマイクロコンピュータ201が出力する信号■とを加算してある倍率にて出力する。
【0012】尚、前記可変抵抗器103の一端、前記演算増幅器108及び演算増幅器112の+入力に与えられるVref は所定の基準電圧であり、例えば回路の電源電圧の1/2の値等が選ばれる。回路に+/−両極性の電源が供給されているならば、この基準電圧Vref は0Vで構わない。
【0013】113は駆動回路であり、前記加算器の出力信号の大きさに比例した電圧又は電流をコイル114に通電する。120は撮影レンズの全部または一部とその支持部材やマグネット等が一体となった光軸変化手段であり、前記コイル114の通電量に略比例して、図1のP(ピッチ)方向、即ち縦方向に移動することにより、検出した縦方向の振動による撮影画像の光軸ぶれを打ち消す作用をする。
【0014】121は手ぶれ等によるカメラの横方向の振動を角速度として検出するための振動ジャイロ等の第2の振動検出センサ、122はコンデンサ、123は可変抵抗器、124は演算増幅器であり、前記振動検出手段121の出力信号は、前記コンデンサ122と可変抵抗器123から成る可変周波数特性のハイパスフィルターによって直流成分がカットされていわゆるボルテージフォロワ接続された演算増幅器124によってバッファ出力される。125は固定抵抗器、126は可変抵抗器、127はコンデンサ、128は演算増幅器であり、前記固定抵抗器125から演算増幅器128までの各素子にて構成される回路部は可変周波数特性の積分器となる。この積分器に入力される信号はハイパスフィルタにて帯域調整された手ぶれ等による振動の角速度であり、これが積分されることで振動の角変位となる。129及び130は固定抵抗器、131は可変抵抗器、132は演算増幅器であり、固定抵抗器129から演算増幅器132までの各素子にて構成される回路部は倍率可変の加算器となり、前記積分器の出力(角変位)と後述するマイクロコンピュータ201が出力する信号■とを加算してある倍率にて出力する。
【0015】尚、前記可変抵抗器123の一端、前記演算増幅器128及び演算増幅器132の+入力に与えられる規準電圧Vref については先述した通りである。
【0016】133は駆動回路であり、前記加算器の出力信号の大きさに比例した電圧又は電流を134にて示されるコイルに通電する。尚、該駆動回路113又は133に共通に入力される信号■は、これら駆動回路の出力許可信号である。
【0017】光軸変化手段120は、コイル134の通電量に略比例して図1のY(ヨー)方向、即ち横方向に移動することにより、検出した横方向の振動による撮影画像の光軸ぶれを打ち消す作用をする。
【0018】以上説明した図1中の加算器と駆動回路によって構成される回路部が、光軸変化駆動手段となっている。
【0019】図2は電気回路構成のうち、図1にて説明した像ぶれ防止機能を除くその他の構成部分である。
【0020】201はカメラの全体制御を行うためのワンチップマイクロコンピュータであり、その内部には、主として制御プログラムや固定のデータ等を格納するROM,制御や演算を行う際にデータ等を一時記憶するRAM,論理演算を実行するALU,外部より入力されたアナログデータをデジタルデータに変換するA/Dコンバータ,ソフトウェアにて設定されたデータに従ってある周波数でハイレベル区間とロウレベル区間とのいわゆるデューティ比率が可変設定可能な連続パルス信号をハードウェアにて出力する連続パルス信号出力機能を有している。この連続パルス信号出力機能については、若干の機能の違いやマイクロコンピュータの品種の違い等によって、PWM機能,PWMタイマ,PPGタイマ等と呼ばれることもある。カメラ等の光学機器の制御に用いられるマイクロコンピュータにおいては、上記のような連続パルス信号出力機能が備わっているのが普通であり、特にこのような機能の有無によりマイクロコンピュータのコストが大きく変わることはない。このマイクロコンピュータ201の動作シーケンスの詳細については後述する。
【0021】202は、例えばフォトダイオードとその出力を増幅するアンプによって構成されて、被写体の明るさに関する情報をアナログ値で出力する測光センサであり、その出力はマイクロコンピュータ201のA/Dコンバータ用の第1入力に接続される。203は、例えばCCDラインセンサやPSD等によって構成されて、被写体の焦点位置に関する情報をアナログ値にて出力する焦点検出センサであり、その出力はマイクロコンピュータ201のA/Dコンバータ用の第2入力に接続される。204はカメラの電源となるバッテリー(不図示)の電圧をA/Dコンバータの変換レンジに合致するように所定の値に分圧あるいはレベルシフトをして出力するバッテリー電圧検出回路であり、その出力はマイクロコンピュータ201のA/Dコンバータ用の第3入力に接続される。
【0022】205はシャッタ及びその駆動回路であり、マイクロコンピュータ201からの出力信号によりシャッタを開閉して露光を行う。206は第1のモータ駆動回路回路であり、前記焦点検出センサ203の出力から求められた被写体の焦点位置に関する情報に従って、マイクロコンピュータ201からの出力される駆動信号に基づいて207にて示される撮影レンズの焦点調節用モータを駆動する。208は第2のモータ駆動回路回路であり、マイクロコンピュータ201からの出力される駆動信号に基づいて撮影レンズの焦点距離調節用モータ209を駆動する。210は第3のモータ駆動回路回路であり、マイクロコンピュータ201からの出力される駆動信号に基づいてフィルムの巻き上げ及び巻き戻し用モータ211を駆動する。
【0023】212はレリーズスイッチの第1ストロークにてオンする第 1ストロークスイッチ、213はレリーズスイッチの第2ストロークにてオンする第2ストロークスイッチ、214は撮影レンズの焦点距離変更用スイッチである。215は例えば液晶装置や発光ダイオード等による表示器であり、撮影枚数や日付等の各種撮影情報或いは警告表示等を行う。216は自然光では被写体の明るさが不足するような場合に被写体を照明するストロボ装置である。217は焦点検出を行う場合に被写体の明るさが不足している等の理由により前記焦点検出センサ203の出力が不十分の場合に被写体を照明する焦点検出用光源である。尚、焦点検出には各種手法があることが知られているが、その手法によってはこうした焦点検出用光源は焦点検出を行う場合に必ず被写体を照明することもある。
【0024】218は例えばEEPROMや強誘電メモリ等の不揮発性メモリ(図2では、EEPROMを想定している)であり、図1にて示したフィルタや光軸変化駆動手段の製造誤差に関する情報、または、その補正値に関する情報を製造時に測定して記憶する。端子■から■はそれぞれ先述した連続パルス信号出力機能の第1出力端子から第8出力端子であり、図1の■から■にそれぞれ接続される。図1の■は可変抵抗器103の断続動作信号入力端子、■は可変抵抗器106の断続動作信号入力端子、■は可変抵抗器111の断続動作信号入力端子、■は固定抵抗器110の片側端子、■は可変抵抗器123の断続動作信号入力端子、■は可変抵抗器126の断続動作信号入力端子、■は可変抵抗器131の断続動作信号入力端子、■は固定抵抗器130の片側端子に接続されている。マイクロコンピュータ201の出力端子■は先述した駆動回路113及び133の出力許可端子に接続される。
【0025】次に、図3を用いて可変抵抗器の構成例について説明する。
【0026】可変抵抗器は、端子T1とT2との間に、固定抵抗R1と固定抵抗R2とアナログスイッチSWとの直列接続されたものが並列接続されて成る。さらにアナログスイッチSWの導通制御を行う端子が端子T3である。
【0027】アナログスイッチSWは端子T3に与えられる信号がハイレベルの場合に導通し、端子T3に与えられる信号がロウレベルの場合に非導通となる。もしも、端子T3に与えられる信号がロウレベルの場合には、アナログスイッチSWは非導通であるから、端子T1とT2との間の抵抗値は固定抵抗R1の抵抗値そのものになり、端子T3に与えられる信号がハイレベルの場合には、アナログスイッチSWは導通であるから、端子T1とT2との間の抵抗値は固定抵抗R1と固定抵抗R2とを並列接続した場合の合成抵抗値である「(R1×R2)/(R1+R2)」になる。但し、固定抵抗R1と固定抵抗R2のそれぞれの抵抗値R1及びR2の値に対して、アナログスイッチSWの導通抵抗値が十分小さいとして無視している。
【0028】端子T3に与えられる信号が図4にて示される様なハイレベルとロウレベルとがある時間比率で繰り返し変化する連続パルス信号であったと場合を考えると、連続パルス信号がハイレベルの期間中は、端子T1とT2との間の抵抗値は固定抵抗R1と固定抵抗R2とを並列接続した場合の合成抵抗値である「(R1×R2)/(R1+R2)」となり、連続パルス信号がロウレベルの期間中は、端子T1とT2との間の抵抗値は固定抵抗R1の抵抗値そのものとなることの繰り返しとなる。もしも、連続パルス信号の周期tが端子T1とT2との間を通過する信号の周波数に比べて十分に短ければ、この抵抗値の連続した繰り返しは合成抵抗値「(R1×R2)/(R1+R2)」と抵抗値R1の時間的平均値とみなして構わない。
【0029】よって、端子T3に与えられる連続パルス信号のハイレベル期間tonと周期tとの比「ton/t」を横軸にとって、縦軸に端子T1とT2との間の平均抵抗値をとると、図5に示すような関係となる。これは端子T1とT2との間の抵抗値が端子T3に与えられる連続パルス信号のいわゆるデューティ比が連続的に変化することによって、連続的に変化する可変抵抗器となっていることを示している。但し、実際のマイクロコンピュータにおいては連続パルス信号のデューティ比はデジタルデータで設定されるので、無段階の連続とはならない。例えば連続パルス信号のデューティ比を設定するデータが8ビット長であれば、256段階のデューティ比が設定できるし、16ビット長であれば65536段階のデューティ比が設定できる。
【0030】図1において説明したコンデンサ102と可変抵抗器103から成る可変周波数特性のハイパスフィルタ、及び、コンデンサ122と可変抵抗器123から成る可変周波数特性のハイパスフィルタの通過下限周波数となるいわゆる遮断周波数fcは、コンデンサの容量値をC、可変抵抗器の抵抗値をRとして、以下の式で表わされる。
【0031】fc=1/2×π×R×Cよって、可変抵抗器の抵抗値Rが変化することで遮断周波数fcを可変とすることができる。すなわち、図1にて説明したハイパスフィルタは周波数特性が変更可能である。
【0032】ここで、仮に遮断周波数fcとして「0.1 Hz」を得ようとすると、「C= 1.5μF」を選択して、「R=1MΩ」となるような固定抵抗器及び連続パルス信号のデューティを設定することで得られる。
【0033】しかし、先述したように実際のコンデンサや抵抗器には製造誤差があるので、その誤差の影響を排除して正確に遮断周波数fcが「0.1 Hz」となるような連続パルス信号のデューティをマイクロコンピュータ201が出力するために、例えば個々の装置においてその製造時に遮断周波数fcが「0.1 Hz」となるような連続パルス信号のデューティを測定して、その値を先述した不揮発性メモリであるEEPROM218に記憶する。マイクロコンピュータ201が実際に装置の制御を行う際にEEPROM218よりこの値を入力して連続パルス信号のデューティを決定すれば、正確に遮断周波数fcが「0.1 Hz」となったハイパスフィルタを構成することができる。尚、EEPROM218に記憶する値は絶対値でなくとも良く、標準値に対するずれ量でも構わない。
【0034】また、図1にて説明した固定抵抗器105、可変抵抗器106、コンデンサ107、演算増幅器108から成る積分器、及び、固定抵抗器125、可変抵抗器126、コンデンサ127、演算増幅器128から成る積分器についても、積分可能な下限周波数となる遮断周波数fsは、コンデンサの容量値をC、可変抵抗器の抵抗値をRとして以下の式で表わされる。
【0035】fs=1/2×π×R×Cよって、可変抵抗器の抵抗値Rが変化することで遮断周波数fsを可変とすることができる。すなわち、図1にて説明した積分器は周波数特性を変更可能である。また、ハイパスフィルタの場合と同様に、個々の装置においてその製造時に遮断周波数fsが例えば「0.1 Hz」となるような連続パルス信号のデューティを測定して、その値を先述したEEPROM218に記憶する。マイクロコンピュータ201が実際に装置の制御を行う際にEEPROM218よりこの値を入力して連続パルス信号のデューティを決定すれば、正確に遮断周波数fsが「0.1 Hz」となった積分器を構成することができる。
【0036】尚、以上説明したハイパスフィルタ及び積分器の周波数特性を変更するためにマイクロコンピュータ201より出力する連続パルス信号の周波数は、アナログスイッチSWが応答可能な周波数範囲内で、そのハイパスフィルタ及び積分器を通過する信号、すなわち手ぶれ等による装置の振動に関する信号に対して充分に高くしておく必要がある。手ぶれ等による装置の振動に関する信号は高くても数「10Hz」位の周波数なので、ハイパスフィルタ及び積分器の周波数特性を変更するためにマイクロコンピュータ201より出力する連続パルス信号の周波数は約10kHz位のオーダーに設定するとよい。
【0037】図1の固定抵抗器109から演算増幅器112までの各素子にて構成される加算器は、固定抵抗器109に入力される積分器の出力と固定抵抗器110に入力されるマイクロコンピュータ201が出力する連続パルス信号出力とを加算する。ここで、固定抵抗器109の抵抗値をR109 、固定抵抗器110の抵抗値をR110 、可変抵抗器111の抵抗値をR111 とし、積分器の出力値をVi、マイクロコンピュータ201が出力する連続パルス信号出力の出力値をVm、加算器の出力値をVoとすると、Vo=Vref −(R111 /R109 )×(Vi− Vref )−(R111 /R110 )×( Vm −Vref )
である。分かりやすくするために、「Vref =0V」で考えるとVo=−(R111 /R109 )× Vi−(R111 /R110 )× Vmであり、抵抗値R111 とR109 との比によって積分器の出力Viの加算倍率が決定され、抵抗値R111 とR110 との比によって連続パルス信号出力の出力値Vmの加算倍率が決定されている。可変抵抗器111は図3から図5にて説明したような可変抵抗器であるから、固定抵抗器109から演算増幅器112までの各素子にて構成される加算器は、可変倍率の加算器であることがわかる。
【0038】固定抵抗器129から演算増幅器132までの各素子にて構成される加算器についても全く同様な構成なので、抵抗値R131 とR129 との比によって積分器の出力Viの加算倍率が決定され、抵抗値R131 とR130 との比によって連続パルス信号出力の出力値Vmの加算倍率が決定される可変倍率の加算器である。
【0039】図6は加算器による信号加算の具体例を示す図である。
【0040】この図に示した信号波形例のうち、信号S1は積分器の出力Viの波形例である。手ぶれ等によって生じる装置の振動周波数は一般的にかなり低い周波数であり、概略「0.1〜10Hz」位のオーダーであることが知られている。その振幅等においては規則性はない。信号S2はマイクロコンピュータが出力する連続パルス信号出力の出力値Vmの波形例であり、所定の周波数にてデューティ50%の波形である。信号S3は、信号S1と信号S2とが加算器によって加算された結果を示すもので、信号S1に対する加算倍率に比べて信号S2に対する加算倍率を低く設定するために信号S1の波形上に信号S2の波形成分が小さい振幅で重畳された波形になっている。但し、反転タイプの加算器なので、信号S1及び信号S2の単純な加算結果に対して信号S3は反転する。
【0041】手ぶれ等による装置の振動の角変位を表わす積分出力信号(波形例S1)に、マイクロコンピュータ201からの連続パルス信号(波形例S2)を重畳する理由を説明する。
【0042】図1にて説明した光軸変化手段120は装置の中でメカニカルに支持されているものであるから、コイル114或いはコイル134に通電されて移動する場合には支持部材との摩擦が発生する。手ぶれ等による装置の振動の周波数帯域は先述したように概略「0.1 〜10Hz」位と低いために、これによる撮影画像の光軸ぶれを打ち消す作用をするための光軸変化手段120の動作周波数帯域も同じく概略「0.1〜10Hz」位となる。このために光軸変化手段120の移動に伴う摩擦は静止摩擦に近いものとなって比較的摩擦力が大きく、この摩擦力の影響で光軸変化手段120がスムーズに移動できずに撮影画像の光軸ぶれを打ち消す作用が十分に達成できない結果になる。
【0043】そこで、こうした摩擦力を低減するために、光軸変化手段120を撮影画像の光軸ぶれを打ち消すための移動とは別に、撮影画像に影響の無い範囲内での微少振幅駆動していると、摩擦力が動摩擦に近いものとなって比較的摩擦力としては小さくなることが知られている。マイクロコンピュータ201からの連続パルス信号(波形例S2)はこうした光軸変化手段120の微少振幅駆動を行うための信号である。微少振幅駆動の駆動周波数はマイクロコンピュータ201が出力する連続パルス信号の周波数にて決定されるが、摩擦力を効果的に低減しかつ装置の他の部分に影響を与えない周波数が望ましい。
【0044】図7にも示した様に、撮影画像の像ぶれを防止する作用を行う周波数帯域は先述したように概略「0.1 〜10Hz」位である。微少振幅駆動の駆動周波数はこの像ぶれを防止する作用と干渉せぬように像ぶれを防止する作用を行う周波数帯域よりも1桁程度以上は離れているように設定する。しかし、一方で像ぶれ或いは装置のぶれを検出するために使われる振動ジャイロ等の振動検出センサはそのセンサ部分を共振周波数にて振動させている場合が多く、その共振周波数に近いような振動を振動検出手段の外部より与えてしまっては該振動検出センサが正確に装置のぶれを検出できなくなる。よって、微少振幅駆動の駆動周波数は振動検出手段の共振周波数とも離れていて干渉無きように設定する必要がある。
【0045】一例として図7に示した様に振動検出センサの共振周波数が「7〜8KHz」であったとして、微少振幅駆動の駆動周波数が「200〜300Hz」位となるようにマイクロコンピュータ201が連続パルス信号の周波数を決定すれば、像ぶれを防止する作用を行う周波数帯域とも、振動検出センサの共振周波数帯域とも干渉せずに済み、不具合は発生しない。尚、加算器の加算倍率等も固定抵抗器の製造誤差等に影響されてバラツキを発生する。そこで、個々の装置においてその製造時に所定の加算倍率となるような連続パルス信号のデューティを測定して、その値を先述したEEPROM218に記憶する。
【0046】マイクロコンピュータ201は実際に装置の制御を行う際にEEPROM218よりこの値を入力して連続パルス信号のデューティを決定すれば、誤差の影響がなく所定の加算倍率を持った加算器を構成することができる。
【0047】加算器の加算倍率がこの回路構成のなかでどういう意味を持つかについて説明する。
【0048】積分器が出力する手ぶれ振動の角変位信号が示す撮影画像の光軸ぶれ対してその変位を打ち消すように光軸変化手段120が移動して、光軸を元に戻すよう変位すれば手ぶれ振動による撮影画像のぶれを防止できる。しかし、一般的に光軸変化手段120の移動量に対する光軸の変位量は撮影レンズがズームレンズの場合にその焦点距離によって変化するので、撮影レンズの焦点距離情報に基づいて手ぶれ振動の角変位信号に対する光軸変化手段120の駆動比率を調整する必要がある。この駆動比率を調整するための手段として、本実施の形態では、加算器の加算倍率を調整する。加算器の加算倍率を変化させると、積分器が出力する手ぶれ振動の角変位信号が同じ量でも加算器の出力値は変化するために、駆動回路113又は133に出力される駆動用信号のレベルが変化する。よって、コイル114又は134への通電量も変化して光軸変化手段120の移動量も変化する。尚、撮影レンズの構成タイプによっては焦点調節のためのレンズの繰り出し量によっても手ぶれ振動の角変位信号に対する光軸変化手段120の駆動比率を調整する必要がある場合もあり、このようなレンズの場合はレンズの焦点距離情報とレンズの繰り出し量(撮影距離情報)の両方に基づいて加算器の加算倍率を設定する。
【0049】マイクロコンピュータ201の動作シーケンスの全体の流れについて図8のタイミングチャートに従って説明する。
【0050】不図示のメインスイッチがオンされると、電気回路に電源投入がされて、図のt1の期間になる。像ぶれを検出するセンサ(振動検出センサ)は電源投入後、出力が安定するまでにやや時間を要するためにその不安定な出力を受けるハイパスフィルタや積分器は遮断周波数fc又はfsが低いとその出力が飽和したりし易い。よって、ハイパスフィルタの遮断周波数fcが最大となる様に、マイクロコンピュータ201は連続パルス出力端子のうち■と■との出力信号を最大デューティで出力するとともに、積分器の遮断周波数fsが最大となるようにマイクロコンピュータ201は連続パルス出力端子のうち■と■との出力信号を最大デューティで出力する。このタイミングでは未だ振動を検出してそれによる像ぶれ防止の動作をする訳ではないので、遮断周波数fc又はfsは像ぶれ防止の動作をする場合の遮断周波数よりも高いもので構わない。
【0051】連続パルス出力機能は一旦出力データを設定すると後はハードウェアにて同じ波形を繰り返し出力するので、マイクロコンピュータ201としてはデューティ等を変更する必要が発生しない限りはこれに関わらずに済み、他の処理を行うことが出来る。つまり、光軸変化手段を微少振幅駆動させる為のマイクロコンピュータ201の負荷を軽減することができる。
【0052】さらにこのt1の期間内に必要に応じて撮影レンズを初期位置に移動させるように第2のモータ駆動回路回路208に信号出力を行って、撮影レンズの焦点距離調節用モータを駆動する。これらのシーケンスが終了するとt2の期間に移る。マイクロコンピュータ201はストロボ装置216が発光可能となるように充電を行わせる。充電が終了するとt3の期間に移る。
【0053】振動検出センサの出力が安定するのに必要な時間が経過すると、ハイパスフィルタや積分器の遮断周波数を振動検出に必要な本来の遮断周波数となるようにマイクロコンピュータ201は連続パルス出力端子より出力する信号のデューティを変更する。ハイパスフィルタの遮断周波数fcが所定値となるように連続パルス出力端子のうち■と■との出力信号を最大デューティより所定のデューティに変更するが、この場合に先述したように回路素子の製造誤差による遮断周波数fcの誤差が出ないように予めEEPROM218に記憶された値を参照して連続パルス信号のデューティを決める。
【0054】同様に、積分器の遮断周波数fsも所定値となるように連続パルス出力端子のうち■と■との出力信号を最大デューティより所定のデューティに変更するが、この場合に先述したように回路素子の製造誤差による遮断周波数fsの誤差が出ないように予めEEPROM218に記憶された値を参照して連続パルス信号のデューティを決める。
【0055】遮断周波数変更のシーケンスが終了するとt4の期間に移る。この期間中に、もしも、撮影レンズの焦点距離変更用スイッチ214が操作されると、マイクロコンピュータ201はそのスイッチ操作に応じて撮影レンズの焦点距離を変更するように第2のモータ駆動回路回路208に信号出力して撮影レンズの焦点距離調節用モータ209を駆動する。これで、撮影者は好みの焦点距離を選択することが出来る。
【0056】第1ストロークスイッチ212がオンされることを検出するとt5の期間に移る。この期間において、マイクロコンピュータ201は撮影の準備として焦点検出をまず行う。必要に応じて焦点検出用光源217を発光して被写体を照明し、焦点検出センサ203の出力情報をA/D変換しながら読み込む。さらに読み込まれた情報を演算処理して被写体の焦点位置に関する情報を求めて、合焦とするためのレンズの駆動情報にする。さらに、求められた駆動情報に従って第1のモータ駆動回路回路206に信号出力を行って撮影レンズの焦点調節用モータ207を駆動して、撮影レンズを合焦状態にする。この際に撮影レンズの繰り出し位置を不図示のエンコーダ等の情報より得ることが出来て、被写体の撮影距離に関する情報を得ることもできる。続いて測光センサ202の出力信号をA/D変換しながら読み込むことで被写体の明るさに関する情報を得て、この情報を基に適正な露光とするためのシャッタ速度や絞り値の情報を演算する。
【0057】焦点検出と測光のシーケンスが終了するとt6の期間に移る。この期間において、マイクロコンピュータ201はハイパスフィルタや積分器の遮断周波数の変更と加算器の加算倍率の設定とを行う。
【0058】まず、t5の期間にて求められたシャッタ速度の情報に基づいてハイパスフィルタの遮断周波数fcと積分器の遮断周波数fsとをそれぞれ変更する。これは、例えばシャッタ速度が比較的高速な場合に低い周波数の手ぶれ振動を防止するような低い遮断周波数を選択してもあまり意味がないばかりか、回路の応答性が悪くなることによる振動防止の誤差が大きくなるからである。よって、シャッタ速度が高速であればハイパスフィルタの遮断周波数fcと積分器の遮断周波数fsとをそれぞれ高周波数側に設定し、シャッタ速度が低速であればハイパスフィルタの遮断周波数fcと積分器の遮断周波数fsとをそれぞれ低周波数側に設定するように連続パルス出力端子のうち■と■及び■と■との出力信号のデューティを変更する。設定に際しては先述したような手法でEEPROM218に製造時に格納されたデータを参照して製造誤差による遮断周波数の誤差を発生させないようにする。
【0059】次に、t4の期間にて設定された撮影レンズの焦点距離情報、及び、t5の期間にて得られた被写体の撮影距離に関する情報をもとに加算器の加算倍率を決定する。この段階では加算器の加算倍率を決定するだけで、未だ連続パルス信号の出力端子■と■或いは■と■への出力は行わないし、駆動回路113及び133の出力も許可していない。
【0060】第2ストロークスイッチ213のオンを検出すると、t7の期間に移る。マイクロコンピュータ201は連続パルス信号の出力端子■と■或いは■と■への出力を開始して加算器をt6の期間にて決定された加算倍率にて動作させるとともに、摩擦力軽減のための微少駆動振動用の連続パルス信号も出力する。さらに、信号■により駆動回路113及び133の駆動を許可することで、コイル114及び134への通電も開始させる。これによって手ぶれ振動防止のための光軸変化手段120の移動が開始されることにより撮影のための準備が完了する。t8の期間に移る。
【0061】マイクロコンピュータ201は、t5の期間に求められたシャッタ速度及び絞り値に基づいてシャッタ駆動回路205に信号出力を行ってシャッタを開閉して露光を行う。既にt7の期間より光軸変化手段120の移動が開始されているので、手ぶれ振動による光軸変化防止の作用はこの期間中も行われて像ぶれのない高品位の画像が撮影される。
【0062】シャッタの開閉が終了すると、t9の期間となる。
【0063】マイクロコンピュータ201は信号■により駆動回路113及び133の駆動を禁止とすることで、コイル114及び134への通電も停止させる。さらに、連続パルス信号の出力端子■と■或いは■と■への出力を停止して加算器の加算倍率を初期状態とするともに、摩擦力軽減のための微少駆動振動用の連続パルス信号も停止する。これによって手ぶれ振動防止のための光軸変化手段120の移動が停止する。続いてt10の期間となる。
【0064】マイクロコンピュータ201は第3のモータ駆動回路210に信号出力を行ってフィルムの巻き上げ及び巻き戻し用モータ211を駆動し、フィルムの巻き上げを行う。この際に、巻き上げによる振動等に伴って振動検出センサ101及び121の出力信号が不安定になる場合があり、やはりその不安定な出力を受けるハイパスフィルタや積分器は遮断周波数fc又はfsが低いとその出力が飽和したりし易い。よって、ハイパスフィルタの遮断周波数fcが最大となるようにマイクロコンピュータ201は連続パルス出力端子のうち■と■との出力信号を最大デューティで出力するように変更するとともに、積分器の遮断周波数fsが最大となるようにマイクロコンピュータ201は連続パルス出力端子のうち■と■との出力信号を最大デューティで出力するように変更する。フィルムの巻き上げ動作が終了すると、t11の期間に移る。
【0065】一通り撮影のシーケンスが終了した訳であるが、レリーズスイッチの第1ストロークスイッチ212、或いは、第2ストロークスイッチ213までが続けてオンされているならば、次の撮影駒の撮影に備えてハイパスフィルタや積分器の遮断周波数fc又はfsをt6の期間に設定したものに戻るようにマイクロコンピュータ201は連続パルス出力端子のうち■と■との出力信号を最大デューティから変更するとともに、積分器の遮断周波数fsが最大となるようにマイクロコンピュータ201は連続パルス出力端子のうち■と■との出力信号を最大デューティでから変更する。しかし、レリーズスイッチの第1ストロークスイッチ212或いは第2ストロークスイッチ213のオンが解除されて、メインスイッチもオフとなると、シーケンスは終了する。
【0066】尚、以上説明したシーケンス中では説明しなかったが、先述した特開平1−130144号において記載されている様に、積分器の出力が飽和してしまった場合に飽和状態からなるべく早く定常状態にするように積分器の遮断周波数fsを高く変更するような動作をマイクロコンピュータ201に行わせることも可能である。この場合は、積分器の出力が所定の範囲内にあるかどうかをマイクロコンピュータ201が知る必要があるので、積分器の出力をマイクロコンピュータ201のA/Dコンバータ入力端子にも接続する。マイクロコンピュータ201は積分器が機能しているt3〜t11の期間中に所定のサイクルにて積分器の出力をA/D変換して入力し、得られたデータが所定の範囲を越えている場合は積分器の出力が飽和しているとみなして、連続パルス出力端子の■と■との出力信号デューティを変更して、積分器の遮断周波数fsを必要な時間だけ最大値となるようにすれば良い。
【0067】(変形例)上記実施の形態においては、一眼レフ等のカメラに適用した例を述べているが、カメラ以外の光学機器やその他の装置、更にはそれらカメラや光学機器やその他の装置に適用される装置、又はこれらを構成する要素に対しても適用できるものである。
【0068】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、常に正確な振動検出を行い、確実に像ぶれ補正機能を発揮させることができる像ぶれ補正機能を有する光学装置を提供できるものである。
【0069】また、本発明によれば、光軸変化手段を微少振幅駆動させる際のマイクロコンピュータの負荷を低減することができる像ぶれ補正機能を有する光学装置を提供できるものである。




 

 


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