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発明の名称 フルカラー画像形成用トナーキット及びフルカラー画像形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−149187
公開日 平成11年(1999)6月2日
出願番号 特願平9−315701
出願日 平成9年(1997)11月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 勝広 (外1名)
発明者 粕谷 貴重 / 遊佐 寛 / 高野 雅雄 / 唐木 由紀
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくともイエロー系着色剤と結着樹脂とを含有するイエロー着色剤含有樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するイエロートナーと、少なくともマゼンタ系着色剤と結着樹脂とを含有するマゼンタ着色剤含有樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するマゼンタトナーと、少なくともシアン系着色剤と結着樹脂とを含有するシアン着色剤含有樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するシアントナーと、少なくともカーボンブラック及び/又は磁性体と結着樹脂とを含有するブラック着色剤含有有機樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するブラックトナーとを組み合わせたフルカラー画像形成用トナーキットにおいて、上記ブラックトナーのTHF(テトラヒドロフラン)可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpBk)がイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpY、MpM及びMpC)より大きく、且つ該ブラックトナーのTHF不溶分が5重量%以下であり、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF不溶分が5重量%を越えることを特徴とするフルカラー画像形成用トナーキット。
【請求項2】 前記ブラックトナーのTHF可溶分のGPCの分子量分布において、分子量5万未満の成分の含有量(M1)が40〜70重量%であり、分子量が5万〜50万の成分の含有量(M2)が30〜60重量%であり、分子量50万を越える成分の含有量(M3)が2〜20重量%であり、且つM1≧M2>M3を満足する請求項1に記載のフルカラー画像形成用トナーキット。
【請求項3】 前記ブラックトナーの100℃における粘弾性tanδの値(C)と、150℃における粘弾性tanδの値(D)との比(D/C)がD/C≧1であり、150℃から190℃の範囲における粘弾性tanδの値(E)が2.0≧E≧1.0である請求項1〜2のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成用トナーキット。
【請求項4】 前記ブラックトナーが少なくともワックスを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成用トナーキット。
【請求項5】 前記イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーが少なくともワックスを含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成用トナーキット。
【請求項6】 前記イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーがいずれもワックスを含有しており、上記ブラックトナーのワックスの融点(mpBk)がイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのワックスの融点(mpY、mpM及びmpC)より高い請求項1〜3のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成用トナーキット。
【請求項7】 前記ブラックトナーに含まれるワックスが非極性ワックスであり、及び/又はイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーに含まれるワックスが極性ワックスである請求項6に記載のフルカラー画像形成用トナーキット。
【請求項8】 前記ブラックトナーに含まれるワックスのDSC吸熱メインピークが60〜120℃の範囲にあり、該ワックスの重量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0〜2.0である請求項4〜7のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成用トナーキット。
【請求項9】 前記ブラックトナーが、磁性体を結着樹脂100重量部に対して30〜150重量部の割合で含有している請求項1〜8のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成用トナーキット。
【請求項10】 少なくともイエロー系着色剤と結着樹脂とを含有するイエロー着色剤含有樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するイエロートナーと、少なくともマゼンタ系着色剤と結着樹脂とを含有するマゼンタ着色剤含有樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するマゼンタトナーと、少なくともシアン系着色剤と結着樹脂とを含有するシアン着色剤含有樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するシアントナーと、少なくともカーボンブラック及び/又は磁性体と結着樹脂とを含有するブラック着色剤含有有機樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するブラックトナーとを組み合わせて記録材にフルカラートナー像を形成し、該記録材上のフルカラートナー像を記録材に定着してフルカラー画像を形成するフルカラー画像形成方法において、上記ブラックトナーのTHF可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpBk)がイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpY、MpM及びMpC)より大きく、且つ該ブラックトナーのTHF不溶分が5重量%以下であり、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF不溶分が5重量%を越えることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
【請求項11】 前記ブラックトナーのTHF可溶分のGPCの分子量分布において、分子量5万未満の成分の含有量(M1)が40〜70重量%であり、分子量5万〜50万の成分の含有量(M2)が30〜60重量%であり、分子量50万を越える成分の含有量(M3)が2〜20重量%であり、且つM1≧M2>M3を満足する請求項10に記載のフルカラー画像形成方法。
【請求項12】 前記ブラックトナーの100℃における粘弾性tanδの値(C)と、150℃における粘弾性tanδの値(D)との比(D/C)がD/C≧1であり、150℃から190℃の範囲における粘弾性tanδの値(E)が2.0≧E≧1.0である請求項10〜11のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成方法。
【請求項13】 前記ブラックトナーが少なくともワックスを含有する請求項10〜12のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成方法。
【請求項14】 前記イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーが少なくともワックスを含有する請求項10〜13のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成方法。
【請求項15】 前記イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーがいずれもワックスを含有しており、上記ブラックトナーのワックスの融点(mpBk)がイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのワックスの融点(mpY、mpM及びmpC)より高い請求項10〜11のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成方法。
【請求項16】 前記ブラックトナーに含まれるワックスが非極性ワックスであり、及び/又はイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーに含まれるワックスが極性ワックスである請求項15に記載のフルカラー画像形成方法。
【請求項17】 前記ブラックトナーに含まれるワックスのDSC吸熱メインピークが60〜120℃の範囲にあり、該ワックスの重量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0〜2.0である請求項13〜16のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成方法。
【請求項18】 前記ブラックトナーが、磁性体を結着樹脂100重量部に対して30〜150重量部の割合で含有している請求項10〜17のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式によるフルカラー画像形成に用いられるトナーキット及びフルカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真によるフルカラー画像は、基本的にはイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及び必要に応じてブラックトナーとを組み合わせて形成されたものであり、例えば、特公昭49−46951号公報、同50−776号公報、同53−47174号公報、同53−47175号公報及び同53−47176号公報等に記載されている。
【0003】フルカラーコピー画像は、前記3色或いはブラックを含めた4色のトナーが転写紙上に重ね合されて形成されており、このようにしてフルカラー画像を形成するには、感光体ドラム上で各トナーにより多重現象する場合は、現像順とトナー特性が、そして各トナーを中間転写体或いは転写紙上へ面順次転写する場合は、各トナーの転写順とトナー特性とがフルカラー画像品質を決定する重要な因子である。
【0004】例えば、各トナーを転写紙上へ面順次で転写する場合は、1色目のトナーを転写紙上に転写すると、見掛上転写紙の抵抗が1色目のトナー層厚分だけ高抵抗となるので、それを考慮して2色目のトナーを設計することがが必要である。このことは3色目或いは4色目のトナーについても同様である。
【0005】又、3色或いはブラックを含めた4色のトナーを転写紙上に重ね合わせて形成したフルカラーコピー画像の定着においても、各トナーの転写順とトナー特性の関係がトナーの定着性、ひいては形成されるフルカラー画像の画質品位を決定する重要な因子である。そして近年では電子写真法を用いた複写機、プリンター、ファックス等においてはカラー化の需要が高まってきている。
【0006】更に、非磁性トナーと磁性トナーとを用いてフルカラー画像を形成する場合には、形成される画像の光沢度に差が生じ、フルカラー画像の品位が損なわれる問題が生じる。トナーの粘弾性に関しては、特開昭63−259575号公報、同63−296065号公報及び特開平3−231757号公報等に記載されているが、これら記載の方法をオイルレス定着器を用いて実施した場合は、いずれもトナーの定着性及び形成されたフルカラー画像の光沢度が不充分なものであった。
【0007】このような磁性トナーと非磁性トナーとを同時に用いる場合のフルカラー画像の定着、或いはフルカラー画像の光沢度の問題は、小型・軽量且つ低コストで高解像・高精細画像が得られるカラー電子写真装置を得るために是非とも改善されねばならない問題であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決したフルカラー画像形成用トナーキット並びにフルカラー画像形成方法を提供することにある。即ち、本発明の目的は、非磁性トナーと磁性トナーとを同時に使用してフルカラー画像を形成した場合にも、画像の光沢度の差が少ない高品位な画像を提供するフルカラー画像形成用トナーキット並びにフルカラー画像形成方法を提供することにある。
【0009】更に本発明の目的は、フルカラー画像の定着性、耐オフセット性に優れ、フルカラー画像に要求される高画質を高度に達成できるフルカラー画像形成用トナーキット並びにフルカラー画像形成方法を提供することにある。
【0010】更に本発明の目的は、離型性並びに滑り性に優れ、これらの機能が長期間及び多数枚プリント後においても、感光体削れが少なく、長寿命である静電潜像担持体に用いるフルカラー画像形成用トナーキット並びにフルカラー画像形成方法を提供することにある。
【0011】更に本発明の目的は、オイルレス定着器を用いた場合においても、オフセット現象や画像の定着装置への巻き付き現象を生じることなく定着性が良好であり、且つフルカラー画像の光沢度のコントロールが容易に行えるフルカラー画像形成用トナーキット並びにフルカラー画像形成方法を提供することにある。
【0012】更に本発明の目的は、静電潜像坦持体に圧接する部材の汚染による帯電異常や画像欠陥が発生しないか、又はこれらの現象が抑制されたフルカラー画像形成用トナーキット並びにフルカラー画像形成方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、少なくともイエロー系着色剤と結着樹脂とを含有するイエロー着色剤含有樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するイエロートナーと、少なくともマゼンタ系着色剤と結着樹脂とを含有するマゼンタ着色剤含有樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するマゼンタトナーと、少なくともシアン系着色剤と結着樹脂とを含有するシアン着色剤含有樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するシアントナーと、少なくともカーボンブラック及び/又は磁性体と結着樹脂とを含有するブラック着色剤含有有機樹脂微粒子と添加剤との混合物を含有するブラックトナーとを組み合わせたフルカラー画像形成用トナーキットにおいて、上記ブラックトナーのTHF(テトラヒドロフラン)可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpBk)がイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpY、MpM及びMpC)より大きく、且つ該ブラックトナーのTHF不溶分が5重量%以下であり、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF不溶分が5重量%を越えることを特徴とするフルカラー画像形成用トナーキット、及び該トナーキットを用いるフルカラー画像形成方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。フルカラー画像を形成する場合、ブラックを含めた4色のトナーを転写紙上に重ね合わせるが、トナー転写順としてはブラックの後に3色(イエロー、マゼンタ及びシアン)又は3色(イエロー、マゼンタ及びシアン)の後にブラックとなる場合が一般的である。又、フルカラー画像は、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナーのいずれかの単色、2次色、3次色と重ねた色画像とブラックトナーの単色の画像が混在している。
【0015】このようなブラックトナー単色と他のカラートナーとが混在する画像等、どのような画像においても、各色(単色、2次・3次色)の定着性を満足すること、画像品位に関わる光沢度を調整することが、近年高解像・高精細画像が得られるカラー電子写真装置を得るために是非とも改善されねばならない問題である。
【0016】本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、上述の如くブラックトナーと他の色トナー(イエロー、マゼンタ及びシアン)との間において、トナーのTHF可溶分の分子量分布、更にはTHF不溶分の量を差別化及び規定することが前記問題の解決に有効であることを知見した。
【0017】即ち、本発明者らは、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーを有するフルカラー画像形成用トナーキットにおいて、該ブラックトナーのTHF可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpBk)がイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpY、MpM及びMpC)より大きく、且つ該ブラックトナーのTHF不溶分が5重量%以下であり、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF不溶分が5重量%を越えることが有効であることを見出した。
【0018】ブラックトナーのTHF可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpBk)が、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF可溶分のGPC分子量分布のピーク分子量(MpY、MpM及びMpC)より小さい場合、フルカラー画像におけるブラックトナーの光沢度の調整が不十分であり、逆にブラックトナー以外の色トナーの混色性が不十分となる。
【0019】又、ブラックトナーのTHF不溶分が5重量%を超える場合も、フルカラー画像における黒画像の光沢性が減少し、画質品位が不十分となる。又、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのTHF不溶分が5重量%以下となると、高温オフセット性が劣化し、フルカラー画像の光沢性の調整が難しくなる。
【0020】又、ブラックトナーとして磁性トナーを、そして他のカラートナーとして非磁性トナーとを同時に用いる場合の定着或いは画像の光沢度における問題においても、本発明はより有効に作用する。本発明のブラックトナーとしては、トナー飛散、耐久性、環境安定性をより高度に達成するために磁性トナーを用いることが好ましく、他の色のトナーは、鮮やかな色を再現するために非磁性トナーを用いることが好ましい。
【0021】更に本発明のブラックトナーは、定着ローラーへの巻き付き、耐オフセット性の良化、オイルレス定着達成の目的で、少なくともワックスを含有することが好ましい。更に本発明では、定着ローラーへの巻き付き、耐オフセット性の良化、オイルレス定着達成の目的でイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーが少なくともワックスを含有することが好ましい。
【0022】更に本発明においては前記フルカラー画像形成用トナーキットにおいて、該ブラックトナーのワックスの融点(mpBk)が、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーのワックスの融点(mpY、mpM及びmpC)より高いことが好ましい。
【0023】ブラックトナーと他の色トナー(イエロー、マゼンタ及びシアン)との間において、トナーのTHF可溶分の分子量分布、更にはTHF不溶分の量を差別化し、且つ上記の如くワックスの融点をブラックトナーと他の色トナー(イエロー、マゼンタ及びシアン)との間で差別化することで、オイルレス定着器を用いた場合においても、オフセット現象や画像の定着装置への巻き付き現象を生じることなく定着性が良好であり、且つフルカラー画像の光沢度のコントロールが容易に行える。
【0024】ブラックトナーに含まれるワックスの融点(mpBk)が、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーに含まれるワックスの融点(mpY、mpM及びmpC)より低い場合、オイルレス定着における定着装置への巻き付き性、定着性が劣化する。
【0025】ブラックトナーに含まれるワックスの融点としては、60℃〜120℃が好ましく(より好ましくは80℃〜120℃である)、他の色トナー(イエロー、マゼンタ及びシアン)に含有するワックスの融点としては、50℃〜120℃が好ましい(より好ましくは60℃〜100℃である)。
【0026】又、本発明のブラックトナーに含有されるワックスは無極性ワックスであり、且つ他の色トナー(イエロー、マゼンタ及びシアン)に含有されるワックスが極性ワックスであることが好ましい。
【0027】本発明のフルカラー画像形成用トナーキットにおいて、ブラックトナーと他の色トナー(イエロー、マゼンタ及びシアン)との間において、トナーのTHF可溶分の分子量分布、更にはTHF不溶分の量を差別化し、且つワックス構成を上記の如くすることにおいて、オフセット現象や画像の定着装置への巻き付き現象を生じることなく定着性が良好であり、且つフルカラー画像の光沢度のコントロールが更に容易に行える。
【0028】又、本発明にかかわるブラックトナーのTHF可溶分としてはGPC分子量分布において、分子量5万から50万の範囲の成分が全体の20重量%以上であることが好ましい。より好ましくは分子量5万から50万の範囲の成分が全体の30重量%以上である。
【0029】トナーのTHF可溶分の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用い、THF(テトラヒドロフラン)溶剤で20時間抽出を行ったサンプルを用い、カラム構成として昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し、標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。
【0030】又、本発明のブラックトナーは、100℃における粘弾性tanδの値(C)と、150℃における粘弾性tanδの値(D)との比(D/C)がD/C≧1であり、150℃から190℃の範囲における粘弾性tanδの値(E)が3.0≧E≧0.5であることが好ましい。D/C値とE値が前記範囲を満足する場合、適度の画像光沢性を幅広い定着温度範囲で得ることができると同時に、再転写防止性と耐久安定性も満足させることができる。
【0031】上記D/C値が1未満の場合、或いはE値が3.0を超える場合や、0.5未満では、光沢度と定着温度領域の関係が悪化し、更に再転写防止性と耐久安定性の両立が困難である。E値が2.0≧E≧1.0では更に上記特性が良好となる。粘弾性tanδ値は粘弾性測定装置RDA−II型(レオメトリックス社製)を用い、測定治具として直径25mmのパラレルプレートを使用し、測定周波数6.28ラジアン/秒、測定温度100℃から200℃まで毎分1℃で昇温して測定した。
【0032】更に高画質化のため、より微小な潜像ドットを忠実に現像するために、各トナー粒子は重量平均径が4μm〜8μmであることが好ましい。重量平均径が4μm未満のトナー粒子においては、転写効率の低下から感光体や中間転写体上に転写残のトナーが多く、更にカブリ・転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり易く、本発明で使用するトナーには好ましくない。又、トナー粒子の重量平均径が8μmを越える場合には、文字やライン画像に飛び散りが生じ易い。
【0033】各トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)等、種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布及び体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTONR−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
【0034】測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積及び個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。
【0035】それから、本発明に係わる所の体積分布から求めた体積基準の各トナーの重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準の各トナーの長さ平均粒径(D1)を求めた。又、各トナーのガラス転移点(Tg)は定着性及び保存性の観点から50℃〜75℃(更に好ましくは52℃〜70℃)が好ましい。
【0036】又、本発明のブラックトナーは、その示差熱分析における吸熱ピークが120℃以下(更に好ましくは110℃以下)に1個以上あることが好ましい。示差熱分析におけるブラックトナーの吸熱ピークが120℃以下に無い場合は、本発明の効果が十分に得られない。
【0037】示差熱分析におけるブラックトナーの吸熱ピークが120℃以下に少なくても1個あれば効果があり、更にブラックトナーの吸熱ピークが120℃を超えるところにあっても構わない。又、示差熱分析におけるブラックトナーの吸熱ピークが60℃以下(好ましくは70℃以下)に存在しないものが好ましい。示差熱分析におけるブラックトナーの吸熱ピークが60℃以下に存在する場合は、形成される画像濃度が低くなる傾向があり、又、保存性も不安定になる傾向にある。
【0038】示差熱分析におけるブラックトナーの吸熱ピークを120℃以下に有するようにする手段としては、示差熱分析における吸熱ピークを120℃以下に有する化合物をブラックトナー中に内添させる方法が好ましい。示差熱分析におけるブラックトナーの吸熱ピークを120℃以下に1個以上有する物質としては、下記の如き各種のワックス類を挙げることができる。
【0039】本発明に用いる無極性又は極性ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックスびその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体等(誘導体には酸化物や、ビニル系単量体とのブロック共重合物、グラフト変性物を含む)、高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス等、示差熱分析における吸熱ピークを本発明の範囲に有するものであればいずれも用いることが可能である。
【0040】これらの中でも、示差熱分析における吸熱ピークを120℃以下に有する化合物が、ポリオレフィン若しくはフィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス若しくは石油系ワックスである場合が本発明においては特に好ましい。上記の吸熱ピークがある化合物を用いた場合、”再転写”防止効果が更に高くなる。これらの化合物は比較的それ自身の極性が低く、トナー母体の帯電を安定させるものと考えられる。
【0041】又、これらの中でも、ブラックトナーに用いる無極性ワックスとしては、ポリオレフィン若しくはフィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス若しくは石油系ワックスで、そのGPC測定での重量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であることが好ましい。ブラックトナー以外の色トナーに用いる極性ワックスとしては、高級アルコール系ワックス、長鎖脂肪酸ワックス、長鎖脂肪酸アルキル等のエステルワックス類が好ましい。
【0042】重量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜2.0である分子量分布がかなりシャープな上記ワックスを、各トナー中に含有させることにより、各トナーの製造における溶融混練工程においてバインダー樹脂中の磁性体/荷電制御剤等の分散の状態が、本発明にとってより好ましい状態になるためと考えられる。
【0043】本発明に係わる各トナーのガラス転移点(Tg)、或いは各トナーの吸熱ピークの測定には、例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7のような、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定されるDSC曲線を用いる。
【0044】本発明に使用される各トナーの結着樹脂の種類としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。又、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0045】スチレン系共重合体のスチレン単量体に対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸若しくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独若しくは組み合わせて用いられる。
【0046】ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物及び3個以上のビニル基を有する化合物が単独若しくは混合物として使用できる。
【0047】本発明の各トナーには、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量のコントロールが可能となり、特に本発明では粒度分布と荷電量とのバランスを更に安定したものとすることが可能である。トナーを負荷電性に制御するものとして、例えば、下記物質がある。
【0048】例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。又、正荷電性に制御するものとして下記物質が例示される。
【0049】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジシクロヘキシル錫オキサイド等のジオルガノ錫オキサイド;ジブチル錫ボレート、ジオクチル錫ボレート、ジシクロヘキシル錫ボレート等のジオルガノ錫ボレート類;これらを単独或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0050】上述した荷電制御剤は微粒子状として用いることが好ましく、この場合これらの荷電制御剤の個数平均粒径は4μm以下、更には3μm以下が特に好ましい。これらの荷電制御剤を現像剤に内添する場合は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、特に0.2〜10重量部の割合で使用することが好ましい。
【0051】しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方式を用いた場合においては、キャリアとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においても、ブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することで、トナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。又、本発明のブラックトナーに更に添加できる着色材料としては、従来公知のカーボンブラック顔料、銅フタロシアニン顔料等が使用できる。
【0052】本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック、磁性体、イエロー/マゼンタ/シアントナーにおいては、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤が利用される。マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が好適に用いられる。
【0053】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレット2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0054】本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15;3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。これらの着色剤は、単独又は混合し、更には固溶体の状態で用いることができる。本発明で使用する着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対し1〜20重量部の割合で添加して用いられる。
【0055】本発明のブラックトナーに用いられる磁性体は、樹脂100重量部に対し30〜200重量部の割合で添加して用いられる。磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素等の元素を含む金属酸化物等がある。中でも、四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものが好ましい。又、トナー帯電性コントロールの観点か硅素元素又はアルミニウム元素等、他の金属元素を含有していてもよい。これら磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜30m2/g、特に3〜28m2/g、更にモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。
【0056】磁性体の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、燐片状等があるが、8面体、6面体、球形、不定型等の異方性の少ないものが画像濃度を高めるうえで好ましい。磁性体の平均粒径としては0.05〜1.0μmが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.6μm、更には0.1〜0.4μmが好ましい。磁性体量は結着樹脂100重量部に対し30〜150重量部、好ましくは40〜150重量部、更には50〜120重量部が好ましい。30重量部未満ではトナー搬送に磁気力を用いる現像器においては、搬送性が不十分で現像剤担持体上の現像剤層にむらが生じ、画像むらとなる傾向であり、更に現像剤トリボの上昇に起因する画像濃度の低下が生じ易い傾向であった。一方、150重量部を超えると定着性に問題が生ずる傾向であった。
【0057】本発明に使用されるトナーは、上記で説明したような着色剤含有有機樹脂微粒子と、以下に説明する添加剤との混合物よりなる。本発明の各トナーに含有される添加剤としての無機微粉体としては公知のものが用いられるが、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上のため、シリカ、アルミナ、チタニア、或いはその複合酸化物の中から選ばれることが好ましい。更にはシリカがより好ましい。例えば、かかるシリカは、硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及びアルコキシドや水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、又、Na2O、SO32−等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。又、乾式シリカにおいては、製造工程において、例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等、他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0058】本発明に用いられる無機微粉末は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好な結果を与え、トナー100重量部に対してシリカ微粉末0.1〜8重量部、好ましくは0.5〜5重量部、更に好ましくは1.0を越えて3.0重量部まで使用するのが特に良い。又、本発明に用いられる無機微粉末は、必要に応じ、疎水化、帯電性制御等の目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤で併用して処理されていることも可能であり好ましい。
【0059】又、転写性及び/又はクリーニング性向上のために前記無機微粉体に加えて、一次粒径が30nmを超える(好ましくは比表面積が50m2/g未満)、より好ましくは一次粒径が50nm以上(好ましくは比表面積が30m2/g未満)の無機又は有機の球状に近い微粒子を更に添加することも好ましい形態の1例である。例えば、球状シリカ粒子、球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子、球状樹脂粒子等が好ましく用いられる。
【0060】本発明の各トナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えば、テフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末等の研磨剤、例えば、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末等の流動性付与剤、ケーキング防止剤、例えば、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化錫粉末等の導電性付与剤、又、逆極性の有機微粒子、及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0061】本発明の各トナーを作成するには、公知の方法が用いられるが、例えば、結着樹脂、ワックス、金属塩乃至は金属錯体、着色剤としての顔料又は染料、磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて熔融混練して結着樹脂類を互いに相溶せしめた中に、金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化、粉砕後、分級及び表面処理を行なって各トナー粒子を得、無機微粉体を添加混合することによって本発明の各トナーを得ることができる。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0062】又、本発明の各トナーは、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い、溶融混合物を空気中に霧化し、球状トナーを得る方法や、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い、直接トナーを生成する分散重合方法又は水溶性の極性重合開始剤の存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法等を用いて各トナーを製造することが可能である。
【0063】本発明の各トナーの製造に直接重合方法を利用する場合には、重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。
【0064】上記重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20重量%の量で添加される。開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に単独又は混合して使用される。重合度を制御するために公知の架橋剤、連鎖移動剤及び重合禁止剤等を更に添加して用いることも可能である。
【0065】本発明の各トナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、用いる分散剤として、例えば、無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられる。
【0066】有機系化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が水相に分散させて使用される。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜10.0重量部の割合で使用することが好ましい。
【0067】これら分散剤は、市販のものをそのまま用いてもよいが、細かい均一な粒度を有す分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方法に好ましい分散剤を得ることができる。又、これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用してもよい。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0068】本発明の各トナーの製造に直接重合方法を用いる場合においては、以下の如き製造方法によって具体的に各トナーを製造することが可能である。例えば、単量体中に低軟化物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤及びその他の添加剤を加え、ホモジナイザーや超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機又はホモミキサー、ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度及び時間を調整して造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えばよい。
【0069】重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。又、重合反応後半に昇温してもよく、更に、本発明の画像形成方法における耐久特性向上の目的で、未反応の重合性単量体や副生成物等を除去するために反応後半、又は反応終了後に一部水系媒体を留去してもよい。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄及び濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対して水300〜3,000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0070】又、本発明は、像担持体表面が高分子結着剤を主体として構成される場合に有効である。例えば、セレン、アモルファスシリコン等の無機像担持体の上に樹脂を主体とした保護膜を設ける場合、又は機能分離型有機像担持体の電荷輸送層として、電荷輸送材と樹脂からなる表面層をもつ場合、更にその上に上記のような保護層を設ける場合等がある。このような表面層に離型性を付与する手段としては、■膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを用いる、■撥水性及び親油性を付与するような添加剤を加える、■高い離型性を有する材料を粉体状にして分散する等が挙げられる。
【0071】上記■の例としては、樹脂の構造中にフッ素含有基、シリコン含有基等を導入することにより達成する。■の例としては、界面活性剤等を添加剤とすればよい。■の例としては、フッ素原子を含む化合物、即ちポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化カーボン等の粉体が挙げられる。この中でも特にポリ4フッ化エチレンが好適である。本発明においては、■のフッ素樹脂等の離型性粉体の最表面層への分散が特に好適である。
【0072】これらの手段によって像担持体表面の水に対する接触角を85度以上(好ましくは90度以上)とすることができる。85度未満では耐久によるトナー及びトナー担持体の劣化が生じ易い。これらの粉体を表面に含有させるためには、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を像担持体最表面に設けるか、或は元々樹脂を主体として構成されている有機像担持体であれば、新たに表面層を設けなくても、最上層に該粉体を分散させればよい。
【0073】該粉体の表面層への添加量は、表面層総重量に対して、1〜60重量%、更には、2〜50重量%が好ましい。1重量%より少ないとトナー及びトナー担持体の耐久性改善の効果が不十分であり、60重量%を超えると膜の強度が低下したり、像担持体への入射光量が著しく低下したりするために好ましくない。
【0074】本発明は、帯電手段が帯電部材を像担持体に当接させる直接帯電法の場合に特に効果的である。帯電手段が像担持体に接することのないコロナ放電等に比べて、像担持体表面に対する負荷が大きいので像担持体の寿命という点で改善効果が顕著であり、好ましい適用形態の1例である。
【0075】本発明に用いられる像担持体の好ましい態様の1例を以下に説明する。導電性基体としては、アルミニウム、ステンレス等の金属、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化錫合金等による被覆層を有するプラスチック、導電性粒子を含浸させた紙、プラスチック、導電性ポリマーを有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフイルムが用いられる。
【0076】これら導電性基体上には、感光層の接着性向上、塗工性改良、基体の保護、基体上の欠陥の被覆、基体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護等を目的として下引き層を設けてもよい。下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミニウム等の材料によって形成される。その膜厚は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μm程度である。
【0077】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素、セレン、非晶質シリコン等の無機物質等の電荷発生物質を適当な結着剤に分散し、塗工或は蒸着等により形成される。結着剤としては、広範囲な結着性樹脂から選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。電荷発生層中に含有される結着剤の量は80重量%以下、好ましくは0〜40重量%の範囲で選ぶ。又、電荷発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0078】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電荷輸送物質としては、主鎖又は側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン等の含窒素環式化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、セレン、セレン−テルル、非晶質シリコン、硫化カドニウム等が挙げられる。
【0079】又、これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。又、表面層としては、保護層を設けてもよい。保護層の樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、或はこれらの樹脂の硬化剤等が単独或は2種以上組み合わされて用いられる。
【0080】又、保護層の樹脂中に導電性微粒子を分散してもよい。導電性微粒子の例としては、金属、金属酸化物等が挙げられ、好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化錫被覆酸化チタン、錫被覆酸化インジウム、アンチモン被覆酸化錫、酸化ジルコニウム等の超微粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0081】一般的に保護層に粒子を分散させる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために入射光の波長よりも粒子の粒径の方が小さいことが必要であり、本発明における保護層に分散される導電性や絶縁性粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好ましい。又、保護層中での含有量は、保護層総質量に対して2〜90重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。保護層の膜厚は0.1〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコーティング、ビームコーティング或は浸透コーティングすることによって行うことができる。
【0082】本発明のフルカラー画像形成方法において一成分現像方法を用いる場合には、高画質を得るためにトナー担持体上にトナー担持体−潜像担持体の最近接距離(S−D間)よりも小さい層厚で、トナーを塗布し、交番電界を印加して現像を行う現像工程で現像されることが好ましい。又、本発明のフルカラー画像形成方法に使用されるトナー担持体の表面粗さは、JIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。Raが0.2μm未満ではトナー担持体上の帯電量が高くなり、現像性が不充分となる。Raが3.5μmを超えると、トナー担持体上のトナーコート層にむらが生じ、画像上で濃度むらとなる。更に好ましくは、0.5〜3.0μmの範囲にあることが好ましい。
【0083】更に本発明の各トナーは高い帯電能力を有するために、現像に際しては各トナーの総帯電量をコントロールすることが望ましく、フルカラー画像形成における各トナー担持体の表面は導電性微粒子及び/又は滑剤を分散した樹脂層で被覆されていることが好ましい。
【0084】トナー担持体表面を被覆する樹脂層に含有される導電性微粒子としては、カーボンブラック、グラファイト、導電性酸化亜鉛等の導電性金属酸化物及び金属複酸化物等が単独若しくは2種以上の混合物として好ましく用いられる。又、該導電性微粒子が分散される樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等公知の樹脂が用いられる。特に熱硬化性若しくは光硬化性の樹脂が好ましい。
【0085】又、本発明のフルカラー画像形成方法においては、各トナーは、トナー担持体上のトナーを規制する部材がトナーを介してトナー担持体に当接されている弾性部材によって規制されることが、磁性トナーを均一帯電させる観点から特に好ましい。又、本発明の方法においてはオゾンが発生しないように帯電部材及び転写部材が感光体に当接されていることが環境保全上好ましい。
【0086】次に、図1を参照しながら本発明の画像形成方法の1例をより具体的に説明する。図1に示す装置システムにおいて、現像器4−1、4−2、4−3、4−4に、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又は非磁性一成分現像方式又は磁性ジャンピング現像方式等によって、感光体1に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体1に形成される。
【0087】感光体1はアモルファスセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、有機光導電体、アモルファスシリコンのような光導電絶縁物質層を持つ感光ドラム若しくは感光ベルトである。感光体1は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。感光体1としては、アモルファスシリコン感光層又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0088】有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でもよく、又は電荷輸送層と電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であってもよい。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい1例である。
【0089】有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特にクリーニング性がよく、クリーニング不良、感光体へのトナー融着、フィルミングが起こりにくい。
【0090】本発明において、帯電工程ではコロナ帯電器を用いる感光体1とは非接触の方式と、ローラー等を用いる接触型の方式があり、いずれの方式も用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために、図1に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。帯電ローラー2は、中心の芯金2bと外周を形成した導電性弾性層2aとを基本構成とするものである。帯電ローラー2は感光体1の表面に押圧力をもって圧接され、感光体1の回転にともない従動回転する。
【0091】帯電ローラーを用いたときの好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いたときには、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kVである。この他の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、高電圧が不要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0092】接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けてもよい。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリル樹脂等が適用可能である。
【0093】感光体上のトナー像は電圧(例えば±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体5に転写される。中間転写体5はパイプ状の導電性芯金5bとその外周面を形成した中抵抗の弾性層5aからなる。芯金5bはプラスチックの表面に導電層(例えば導電性メッキ)を設けたものでよい。
【0094】中抵抗の弾性層5aはシリコーンゴム、テフロンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化錫、炭化硅素の如き導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を105〜1011Ωcmの中抵抗に調整したソリッド或は発泡肉質の層である。中間転写体5は感光体1に対して平行に軸受けさせて感光体1の下面部に接触させて配設してあり、感光体1と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
【0095】感光体1の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体1と中間転写体5が接する転写ニップ部を通過する過程で、中間転写体5に対する印加転写バイアスで転写ニップ部に形成された電界によって中間転写体5の外面に対して順次中間転写されていく。
【0096】中間転写体5に対して平行に軸受けさせて中間転写体5の下面部に接触させて転写手段が配設され、転写手段は例えば転写ローラー7であり、中間転写体5と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写ローラー7は中間転写体5と直接接触するように配置されていてもよく、又、ベルト等が中間転写体5と転写ローラー7との間に接触するように配置されてもよい。転写ローラー7は、中心の芯金7bとその外周を形成した導電性弾性層7aとを基本構成とするものである。
【0097】本発明に用いられる中間転写体及び転写部材としては、一般的な材料を用いることが可能である。本発明においては中間転写体の体積固有抵抗値よりも転写部材の体積固有抵抗値をより小さく設定することで、転写部材への印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に、転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が、転写部材の弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが好ましい。
【0098】中間転写体及び転写部材の硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層から構成されることが好ましく、一方、転写部材の弾性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く、41〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材料の巻き付きを防止するうえで好ましい。中間転写体と転写部材の硬度が逆になると、中間転写体側に凹部が形成され中間転写体への転写材の巻き付きが発生し易い。
【0099】転写部材として、例えば、転写ローラーが用いられ、転写ローラー7は中間転写体5と等速度或は周速度に差を付けて回転させる。転写材6は中間転写体5と転写ローラー7との間に搬送されると同時に、転写ローラー7にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加することによって、中間転写体5上のトナー像が転写材6の表面側に転写される。
【0100】転写ローラーの材質としては、帯電ローラーと同様のものも用いることができ、好ましい転写プロセス条件としては、ローラーの当接圧が2.94〜490N/m(3〜500g/cm)(より好ましくは19.6N/m〜294N/m)で、直流電圧=±0.2〜±10kVである。当接圧力としての線圧が2.94N/m未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こり易くなるため好ましくない。
【0101】例えば、転写ローラー7の導電性弾性層7bはポリウレタンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジェン3元重合体)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化錫、炭化硅素の如き導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を106〜1010Ωcmの中抵抗に調整したソリッド或は発泡肉質の層である。
【0102】次いで転写材6は、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵させた加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラーとを基本構成とする定着器11へ搬送され、加熱ローラーと加圧ローラー間を通過することによって転写材に加熱加圧定着される。又、フイルムを介してヒーターにより定着する方法を用いてもよい。
【0103】
【実施例】以下、本発明を、各トナーの製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。尚、以下の配合における部数及び%数は全て重量部及び重量%である。
〔ブラックトナー製造例1〕
・磁性体(平均粒径0.22μm) 100部・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体 (ピーク分子量約45000、分子量<5万の比率55%、5万〜50万の比 率35%、>50万の比率10%、樹脂酸価17mgKOH/g、ガラス転移 点Tg63℃) 100部・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2部・低分子量ポリエチレン(DSC吸熱ピーク106.7℃、Mw/Mn=1.08)
4部【0104】上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性ブラックトナー粒子を得た。
【0105】次いで得られた磁性トナー粒子100部に対しヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ1.2%と0.2%の球状シリカ(BET比表面積20m2/g、一次粒径0.1μm)を添加し、混合機にて混合し磁性トナー1を得た。得られた磁性ブラックトナー1は重量平均粒径6.9μmであった。得られた磁性ブラックトナー1の物性を表1に示す。
【0106】
〔ブラックトナー製造例2〕
・磁性体(平均粒径0.22μm) 100部・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体 (ピーク分子量約41000、分子量<5万の比率60%、5万〜50万の比 率30%、>50万の比率10%、樹脂酸価10mgKOH/g、ガラス転移 点Tg65℃) 100部・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 3部・低分子量ポリエチレン(DSC吸熱ピーク106.7℃、Mw/Mn=1.08)
3部【0107】上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性ブラックトナー粒子を得た。得られた磁性ブラックトナー粒子100部に対しヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ1.4%を添加し、混合機にて混合し磁性トナー2を得た。得られた磁性ブラックトナー2の物性を表1に示す。
【0108】〔ブラックトナー製造例3〕トナー製造例1と同様にして表1に示す物性の磁性ブラックトナー3を得た。
〔ブラックトナー製造例4〕
・カーボンブラック 7部・ポリエステル樹脂(ピーク分子量約50000、分子量<5万の比率56%、 5万〜50万の比率24%、>50万の比率20%、樹脂酸価10mgKOH /g、ガラス転移点Tg65℃) 60部・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2部・低分子量炭化水素ワックス(DSC吸熱ピーク111℃、Mw/Mn=2.05)
4部上記材料を使用すること、及び製造条件を変更することの他はトナー製造例1と同様にしてブラックトナー4を得た。得られた非磁性ブラックトナー4の物性を表1に示す。
【0109】
〔ブラックトナー製造例5〕
・スチレン−アクリル酸ブチル−ジビニルベンゼン共重合体(低分子量側ピーク 約23000、分子量<5万の比率62%、5万〜50万の比率16%、> 50万の比率32%、樹脂酸価10mgKOH/g、ガラス転移点Tg65 ℃) 100部・磁性体 50部・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2部・低分子量ポリプロピレン(DSC吸熱ピーク145℃、Mw/Mn=8.8)
4部【0110】上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェトミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性ブラックトナー粒子を得た。得られた磁性ブラックトナー粒子に対し1.0%のヘキサメチルジシラザンで疎水化処理した一次粒径約16nmの乾式シリカ(BET比表面積100m2/g)を1.2%添加し、混合機にて混合し磁性トナー5を得た。得られた磁性ブラックトナー5の物性を表1に示す。
【0111】〔ブラックトナー製造例6〕トナー製造例1と同様にして表1に示す物性の磁性ブラックトナー6を得た。
〔ブラックトナー製造例7〕トナー製造例4と同様にして表1に示す物性のワックス未含有非磁性ブラックトナー7を得た。
【0112】表1:ブラックトナーの物性
【0113】
〔シアントナー製造例1〕
・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体 (ピーク分子量約25000、分子量<5万の比率57%、5万〜50万の 比率40%、>50万の比率3%、THF不溶分18%、樹脂酸価17mgKOH/g、 ガラス転移点Tg63℃) 100部・C.I.ピグメントブルー15:3 5部・サリチル酸金属化合物(負帯電性制御剤) 2部・エステルワックス(DSC吸熱ピーク78℃、Mw/Mn=1.12) 7部【0114】上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級してシアントナー粒子を得た。
【0115】次いで得られたシアントナー粒子100部に対しヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ0.8%と0.1%の球状シリカ(BET比表面積20m2/g、一次粒径0.1μm)を添加し、混合機にて混合しシアントナー1を得た。得られたシアントナー1は重量平均粒径6.9μmであった。得られたシアントナー1の物性を表2に示す。
【0116】〔イエロートナー製造例1〕着色剤としてC.I.ピグメントイエロー17に変更し、シアントナー製造例1と同様にしてイエロートナー1を得た。その物性は表2に示すシアントナー1とほぼ同等であった。
〔マゼンタトナー製造例1〕着色剤としてC.I.ピグメントレッド202に変更し、シアントナー製造例1と同様にしてマゼンタトナー1を得た。その物性は表2に示すシアントナー1とほぼ同等であった。
【0117】
〔シアントナー製造例2〕
・ポリエステル樹脂(ピーク分子量約9500、分子量<5万の比率90%、5 万〜50万の比率7%、>50万の比率3%、THF不溶分35%、樹脂酸価 20mgKOH/g、ガラス転移点Tg60℃) 100部・C.I.ピグメントブルー15:3 5部・サリチル酸金属化合物(負帯電性制御剤) 2部・高級アルコールワックス(DSC吸熱ピーク87℃、Mw/Mn=1.08)
7部【0118】上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級してシアントナー粒子を得た。
【0119】次いで得られたシアントナー粒子100部に対しヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ0.8%と0.1%の球状シリカ(BET比表面積20m2/g、一次粒径0.1μm)を添加し、混合機にて混合しシアントナー2を得た。得られたシアントナー2は重量平均粒径7.1μmであった。得られたシアントナー2の物性を表2に示す。
【0120】〔イエロートナー製造例2〕着色剤をC.I.ピグメントイエロー17に変更し、シアントナー製造例2と同様にしてイエロートナー2を得た。その物性は表2に示すシアントナー2とほぼ同等であった。
〔マゼンタトナー製造例2〕着色剤をC.I.ピグメントレッド202に変更し、シアントナー製造例2と同様にしてマゼンタトナー2を得た。その物性は表2に示すシアントナー2とほぼ同等であった。
【0121】
〔シアントナー製造例3〕
・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体(ピーク分子量約8000、分子量<5万の比率95%、5万〜50万の比率4 %、>50万の比率1%、THF不溶分4.8%、樹脂酸価17mgKOH/ g、ガラス転移点Tg63℃) 100部・C.I.ピグメントブルー15:3 5部・サリチル酸金属化合物(負帯電性制御剤) 2部・ポリエチレンワックス(DSC吸熱ピーク125℃、Mw/Mn=1.4)
4部【0122】上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級してシアントナー粒子を得た。
【0123】次いで得られたシアントナー粒子100部に対しヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ0.8%と0.1%の球状シリカ(BET比表面積20m2/g、一次粒径0.1μm)を添加し、混合機にて混合しシアントナー3を得た。得られたシアントナー3は重量平均粒径8.5μmであった。得られたシアントナー3の物性を表2に示す。
【0124】〔イエロートナー製造例3〕着色剤をC.I.ピグメントイエロー17に変更し、シアントナー製造例3と同様にしてイエロートナー3を得た。その物性は表2に示すシアントナー3とほぼ同等であった。
〔マゼンタトナー製造例3〕着色剤をC.I.ピグメントレッド202に変更し、シアントナー製造例3と同様にしてマゼンタトナー3を得た。その物性は表2に示すシアントナー3とほぼ同等であった。
【0125】
〔シアントナー製造例4〕
・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体 (ピーク分子量約25000、分子量<5万の比率57%、5万〜50万の比 率40%、>50万の比率3%、THF不溶分18%、樹脂酸価17mgKOH /g、ガラス転移点Tg63℃) 10部・C.I.ピグメントブルー15:3 5部・サリチル酸金属化合物(負帯電性制御剤) 2部【0126】上記材料をブレンダーにて混合し、90℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級してシアントナー粒子を得た。
【0127】次いで得られたシアントナー粒子100部に対しヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ0.8%と0.1%の球状シリカ(BET比表面積20m2/g、一次粒径0.1μm)を添加し、混合機にて混合しシアントナー4を得た。得られたシアントナー4は重量平均粒径7.0μmであった。得られたシアントナー4の物性を表2に示す。
【0128】〔イエロートナー製造例4〕着色剤をC.I.ピグメントイエロー17に変更し、シアントナー製造例4と同様にしてイエロートナー4を得た。その物性は表2に示すシアントナー4とほぼ同等であった。
〔マゼンタトナー製造例4〕着色剤をC.I.ピグメントレッド202に変更し、シアントナー製造例4と同様にしてマゼンタトナー4を得た。その物性は表2に示すシアントナー4とほぼ同等であった。
【0129】表2:シアントナーの物性
【0130】〔感光体製造例1〕感光体としては30φのAlシリンダーを基体とした。これに図1に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層して感光体を作成した。
(1)導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚15μm。
(2)下引き層:変性ナイロン及び共重合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
(3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つアゾ顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚0.6μm。
(4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法による分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主体とし、更にポリ4フッ化エチレン粉体(粒径0.2μm)を総固形分に対して10%添加し、均一に分散した。膜厚25μm。水に対する接触角は95度であった。
尚、接触角の測定は純水を用い、装置は協和界面科学(株)製の接触角計CAーX型を用いた。
【0131】〔感光体製造例2〕感光体製造例1でポリ4フッ化エチレン粉体を添加しない外は感光体製造例1と同様にして感光体2を作成した。水に対する接触角は74度であった。
【0132】〔感光体製造例3〕感光体は、電荷発生層までは〔感光体製造例1〕に準じて作成した。電荷輸送層は、ホール搬送性トリフェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂に10:10の質量比で溶解したものを用いた。膜厚20μm。更にその上に保護層として、同じ材料を5:10の質量比で溶解した構成物にポリ4フッ化エチレン粉体(粒径0.2μm)を総固形分に対して30%添加し、均一に分散したものを用い、電荷輸送層の上にスプレーコートした。膜厚5μm。水に対する接触角は102度であった。
【0133】次に本発明に用いた画像形成装置を詳しく説明する。図1に後記実施例1に用いられる画像形成装置の断面図を示す。感光体1は、基材1a上に有機光半導体を有する感光層1bを有し、矢印方向に回転し、対抗し接触回転する帯電ローラー2(導電性弾性層2a、芯金2b)により感光体1上に約−600Vの表面電位に帯電させる。露光は、ポリゴンミラーにより感光体上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさせることで露光部電位が−100V、暗部電位が−600Vの静電荷像が形成される。
【0134】複数の現像器4−1、4−2、4−3、4−4を用い、マゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー又はブラックトナーを感光体1上に反転現像方法を用いてトナー像を得た。該トナー像は、一色毎に中間転写体5(弾性層5a、支持体としての芯金5b)上に転写され、中間転写体5上に4色の色重ね顕色像が形成される。感光体1上の転写残トナーはクリーナー部材8により、残トナー容器9中に回収される。本発明の各トナーは、転写効率が高いため、簡単なバイアスローラー又はクリーナー部材のない系においても問題が発生しにくい。
【0135】中間転写体5は、パイプ状の芯金5b上にカーボンブラックの導電付与部材をニトリル−ブタジェンラバー(NBR)中に十分分散させた弾性層5aをコーティングした。該コート層の硬度は、JISK−6301に準拠し30度で且つ体積固有抵抗値は109Ω・cmであった。感光体1から中間転写体5への転写に必要な転写電流は約5μAであり、これは電源より+2,000Vを芯金5b上に付与することで得られた。中間転写体5から転写材6へトナー像を転写後に中間転写体表面をクリーナー部材10でクリーニングしてもよい。
【0136】転写ローラーは、20mmの芯金7b上にカーボンの導電性付与部材をエチレン−プロピレン−ジェン系三元共重合体(EPDM)の発泡体中に十分分散させたものをコーティングすることにより生成した弾性層7aの体積固有抵抗値が、106Ω・cmで、JISK−6301基準の硬度が35度の値を示すものを用いた。転写ローラーには電圧を印加して15μAの転写電流を流した。中間転写体5から転写材6にトナーを一括転写させる際の転写ローラー7上の汚染トナーは、クリーニング部材としてファ−ブラシクリナーかクリーニング部材レス系が一般的に用いられる。
【0137】又、本発明においては、現像器4−1、4−2、4−3、4−4は全て同じ二成分磁気ブラシ現像用現像器、又は非磁性一成分現像用現像器でもよいが、特にブラックトナーとして磁性トナーを用いた磁性一成分ジャンピング現像方式を用いるときは、黒現像機4−4には図2に示すような現像器構成を用いた。
【0138】図2において、感光ドラム100上の静電潜像は撹拌装置141を有する現像器140によって一成分磁性トナーで現像される。現像器140は図2に示すように感光ドラム100に近接してアルミニウム、ステンレス等の非磁性金属で作られた円筒状のトナー担持体102(以下現像スリーブと称す)が配設され、感光ドラム100と現像スリーブ102との間隙は図示されないスリーブ/ドラム間隙保持部材等により約300μmに維持されている。現像スリーブ内にはマグネットローラー104が現像スリーブ102と同心的に固定及び配設されている。但し、現像スリーブ102は回転可能である。
【0139】マグネットローラー104には、図示の如く複数の磁極が具備されており、S1は現像、N1はトナーコート量規制、S2はトナーの取り込み/搬送、N2はトナーの吹き出し防止に影響している。現像スリーブ102に付着して搬送される磁性トナー量を規制する部材として、弾性ブレード103が配設され、弾性ブレード103の現像スリーブ102に対する当接圧により現像領域に搬送されるトナー量が現像スリーブ−感光ドラム間(S−D間)よりも小さい層厚に制御される。現像領域では、感光ドラム100と現像スリーブ102との間に直流及び交流現像バイアスが印加され、現像スリーブ上のトナーは静電潜像に応じて感光ドラム100上に飛翔し可視像となる。
【0140】又、図3では、現像スリーブ上にトナーをコートする手段として、現像部分に発泡ポリウレタンフォーム等からなるスポンジローラー、各種繊維からなるブラシローラー等をトナー塗布調節部材142として設け、弾性スリーブ102に当接させた。
【0141】実施例1画像形成装置として、前記した図1に示されるものを用いた。静電潜像坦持体として(感光体製造例3)の有機感光体(OPC)ドラムを用い、暗部電位Vd=−600V、明部電位VL=−200Vとした。感光ドラムと現像スリーブとの間隙を300μmとし、トナー担持体として下記の構成の層厚約7μm、JIS中心線平均粗さ(Ra)1.3μmの樹脂層を、表面が鏡面である直径20φのアルミニウム円筒上に形成した現像スリーブを使用した。
・フェノール樹脂 100部・グラファイト(粒径約7μm) 90部・カーボンブラック 10部【0142】尚、ブラックトナーとして磁性トナーを使用する際は、図2に示すマグネットローラー104の現像磁極の磁力を95mT(950ガウス)とし、トナー規制部材として厚み1.0mm、自由長10mmのウレタンゴム製ブレードを14.7N/m(15g/cm)の線圧で当接させた。又、色トナー(非磁性トナー)の場合、図3に示す非磁性一成分現像器を使用した。
【0143】次いで、現像バイアスとして直流バイアス成分Vdc=−400V、重畳する交流バイアス成分Vp-p=1600V、f=2000Hzを用いた。又、現像スリーブの周速は感光体周速(80mm/sec)に対して順方向に110%のスピード(88mm/sec)とした。又、図1の転写ローラー7(導電性カーボンを分散したエチレン−プロピレンゴム製、導電性弾性層の体積抵抗値108Ωcm、表面ゴム硬度24度、直径20mm、当接圧49N/m(50g/cm))を感光体周速(80mm/sec)に対して等速とした。
【0144】上記の現像・転写系で得られたフルカラー画像を下記の構成の熱ローラー定着器を用いて評価を行った。上ローラーとして外径40mmのアルミ芯金上に厚さ3mmのシリコンゴム層と離型層として50μmのPFA層を設けたものを用い、又、下ローラーとして外径40mmアルミ芯金上に2mmのシリコンゴム層と離型層50μmのPFA層を設けたものを用い、加圧力45kg、定着ニップ幅6.5mm、定着速度を120mm/sとして上ローラー表面温度を所定温度に設定して光沢度、定着性、ローラー巻き付き及び定着飛び散りの評価を行った。
【0145】(光沢度)光沢度の評価は75g/m2の紙を使用し4色の単色ベタ部を持つ画像を定着させた後、PG−3D(NIPPON DENSHOKU社製)を用い、75度光沢度を測定し、ブラックトナー画像と他の色トナーの光沢度差を評価した。
◎:非常に良好 フルカラー画像でのグロスが均一で4%未満。
○:良好 フルカラー画像でのグロス差が4〜7%。
△:実用可 フルカラー画像でのグロス差が7〜9%。
×:実用不可 フルカラー画像でのグロス差が10%以上。
【0146】(定着性)定着性の評価は75g/m2の紙を使用し、フルカラー画像(4色の単色ベタ画像に対しのり量30%・2次色ハーフトーン各20%2色重ね画像を含む)を15℃の環境下で定着させた。この画像を70g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄紙により摺擦し、摺擦前後での画像濃度低下率(%)をブラックトナー画像と他の色単色画像並びに2次色ハーフトーンとの差を評価した。
◎:非常に良好 フルカラー画像での定着性が均一で2%未満。
○:良好 フルカラー画像での画像濃度低下率差が2〜5%。
△:実用可 フルカラー画像での画像濃度低下率差が6〜9%。
×:実用不可 フルカラー画像での画像濃度低下率差が10%以上。
【0147】(耐オフセット性)耐オフセット性は、上記定着性評価画像の画像汚れの程度により評価した。
◎:非常に良好 未発生。
○:良好 殆ど発生せず。
△:実用可 僅かに発生する。
×:実用不可 画像上に汚れが目立つ。
【0148】(定着飛び散り)4色の単色100μmライン画像が混在する画像を30℃で80%RHの高温高湿下で定着試験を行い、ライン画像の飛び散りの程度並び色差を評価した。
◎:非常に良好 未発生。
○:良好 殆ど発生せず。
△:実用可 僅かに発生する。
×:実用不可 飛び散りが目立つ。
【0149】(巻き付)巻き付きの評価は、60g/m2の紙を用いて定着ローラへの巻き付きを220℃の定着温度で評価した。
◎:非常に良好 未発生。
○:良好 殆ど発生せず。
△:実用可 僅かに巻き付きが発生するが通紙に支障はない。
×:実用不可 定着ローラー巻き付きが発生し、通紙に問題が生じる。
【0150】評価トナーキット並びに評価結果を表3に示す。その結果、本発明においては、色トナーとのグロス差、フルカラー定着性、定着ローラー巻き付き、定着飛び散り、耐オフセット性に関し、良好な結果を得た。
【0151】実施例2〜6評価トナーキット並びに評価結果を表3に示す。その結果、本発明においては、色トナーとのグロス差、フルカラー定着性、定着ローラー巻き付き、定着飛び散り、耐オフセット性に関し、良好な結果或いは実用可能な評価結果を得た。
【0152】実施例7実施例1の定着器構成をオイル塗布機能を有するものに変更し、その他は実施例1と同様にして評価を行った。評価トナーキット並びに評価結果を表3に示す。その結果、本発明においては、色トナーとのグロス差、フルカラー定着性、定着ローラー巻き付き、定着飛び散り、耐オフセット性に関し、実用可能な評価結果を得た。
【0153】比較例1及び2比較例1及び2を実施例1と同様にして評価した。比較例1では、色トナーとのグロス差、定着ローラー巻き付きが特に悪化し、比較例2では色トナーとのグロス差、フルカラー定着性、定着飛び散りが特に悪化した。
【0154】表3:評価結果
註)実施例7はオイル塗布機能を有する定着器を使用した。
【0155】
【発明の効果】本発明によれば、以上詳述したイエロートナーと、マゼンタトナーと、シアントナーと、ブラックトナーとを組み合わせたフルカラー画像形成用トナーキットに用いることによって、■非磁性トナーと磁性トナーとを同時に使用した場合にも、画像の光沢度の差が少ない高品位な画像が提供される。
■更にフルカラー画像の定着性、耐オフセット性に優れ、定着器への巻き付きが無く、フルカラー画像に要求される高画質を高度に達成できる。
■更にオイルレス定着器を用いた場合においても、オフセット現象や画像の定着装置への巻き付き現象を生じることなく定着性が良好であり、且つフルカラー画像の光沢度のコントロールが容易に行える。
等の効果が得られる。




 

 


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