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発明の名称 定着装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−143276
公開日 平成11年(1999)5月28日
出願番号 特願平9−323767
出願日 平成9年(1997)11月10日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 暎
発明者 久米 隆生 / 廣島 康一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱源を有する定着ローラと、これに圧接した加圧ローラとの圧接部で、トナー像を担持した記録材を挟持搬送することにより、前記トナー像を加圧および加熱して記録材に定着する定着装置において、前記定着ローラおよび加圧ローラは、フッ素樹脂の表層と、ゴム硬度がJIS Aで5°以下の耐熱性ゴムの基層とを含むローラとして、前記圧接部から排紙される記録材の排紙方向を定着ローラ側の方向としたことを特徴とする定着装置。
【請求項2】 熱源を有する定着ローラと、これに圧接した加圧ローラとの圧接部で、トナー像を担持した記録材を挟持搬送することにより、前記トナー像を加圧および加熱して記録材に定着する定着装置において、前記定着ローラおよび加圧ローラは、フッ素樹脂の表層と耐熱性ゴムの基層とを含むローラからなり、前記定着ローラの製品硬度がアスカーCで75°以下、加圧ローラの製品硬度がアスカーCで60°以下で、かつ定着ローラの製品硬度が加圧ローラの製品硬度と同じかそれよりも大きくして、前記圧接部から排紙される記録材の排紙方向を定着ローラ側の方向としたことを特徴とする定着装置。
【請求項3】 熱源を有する定着ローラと、これに圧接した加圧ローラとの圧接部で、トナー像を担持した記録材を挟持搬送することにより、前記トナー像を加圧および加熱して記録材に定着する定着装置において、前記定着ローラおよび加圧ローラは、フッ素樹脂の表層と耐熱性ゴムの基層とを含むローラからなり、前記定着ローラの基層の厚さが1.5〜2.5mm、加圧ローラの基層の厚さが2.0〜2.5mmで、かつ定着ローラの基層の厚さが加圧ローラの基層の厚さと同じかそれ以下として、前記圧接部から排紙される記録材の排紙方向を定着ローラ側の方向としたことを特徴とする定着装置。
【請求項4】 熱源を有する定着ローラと、これに圧接した加圧ローラとの圧接部で、トナー像を担持した記録材を挟持搬送することにより、前記トナー像を加圧および加熱して記録材に定着する定着装置において、前記定着ローラおよび加圧ローラは、フッ素樹脂の表層と、耐熱性ゴムの基層とを含むローラからなり、前記定着ローラの外径が加圧ローラの外径よりも5%だけ小さくして、前記圧接部から排紙される記録材の排紙方向を定着ローラ側の方向としたことを特徴とする定着装置。
【請求項5】 前記トナー像を構成するトナーは、ワックスもしくはパラフィンを内包した、重合法により製造された重合トナーである請求項1〜4のいずれかの項に記載の定着装置。
【請求項6】 前記トナー像を構成するトナーは、低軟化点でかつシャープメルトな非磁性トナーである請求項1〜5のいずれかの項に記載の定着装置。
【請求項7】 前記定着ローラにシリコーンオイルを塗布する請求項1〜6のいずれかの項に記載の定着装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置用の定着装置に関し、特にカラー電子写真装置用に好適に用いることができる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式を利用した画像形成装置では、像担持体上に露光、現像により形成したトナー像を記録材に転写した後、そのトナー像を熱ローラを有する定着装置により永久画像として定着している。従来の熱ローラ定着装置を図5に示すように構成されている。
【0003】図5において、符号1は定着装置の定着ローラ、2は加圧ローラであり、定着ローラ1に加圧ローラ2を圧接することにより、これらの間にニップ(定着ニップ)が形成される。この定着ローラ1と加圧ローラ2は、定着ローラ1を回転駆動し、加圧ローラ2をその従動回転により回転して定着を行なう。
【0004】定着ローラ1は、アルミニウム等の中空筒体状の芯金上にシリコーンゴムの弾性層を形成してなっており、芯金の中空部内にはハロゲンヒータ3が内蔵され、定着ローラ1に定着に必要な熱が内部から供給される。加圧ローラ2は、同様に、アルミニウム等の中空筒体状の芯金上にシリコーンゴムの弾性層を形成してなっており、芯金の中空部内にはハロゲンヒータ3′が内蔵され、加圧ローラ2に定着に必要な熱が内部から供給される。
【0005】これらローラ1、2の表面温度は、定着ローラ1に温度検知素子としてサーミスタ4を接触設置し、もしくは加圧ローラ2にサーミスタ4′を接触設置して、そのサーミスタ4、4′の温度変化による抵抗値変化から検知し、図示しない制御装置によりヒータ3、3′をON/OFF制御することにより、定着に必要な所定温度に維持される。
【0006】定着ローラ1にはオイル塗布ローラ12が離接自在に配置されており、定着時、この塗布ローラ12が定着ローラ1の表面に接触して回転することにより、定着ローラ1の表面に離型剤オイルが塗布される。離型剤オイルとしてはシリコーンオイルが適している。また定着ローラ1にはクリーニングウエブ7が離接自在に配置され、定着時、このクリーニングウエブ7を定着ローラ1の表面に接触して摺擦することにより、定着ローラ1の表面に付着したオフセットトナーが除去される。
【0007】転写によるトナー像を担持した記録材Pは、入口ガイド8による案内で定着ローラ1と加圧ローラ2との定着ニップに導かれてそこに進入し、定着ニップを通過する間に、定着ローラ1のオイルが塗布された表面によりトナー像が加圧および加熱され、トナー像が記録材Pに定着される。トナー像が定着された記録材Pは、定着ニップから出た後、出口ガイド8′により案内されて画像形成装置の機外に排出される。
【0008】定着が終了した定着ローラ1の表面は、定着後の後回転中に、再びクリーニングウエブ7で摺擦してオフセットトナーの除去を行ない、また同時にオイルが塗布される。
【0009】定着ローラ1は、単色のトナー像〜4色の積層トナー像の厚さ(数μm〜数十μm)に追従できるようにするために、芯金上のシリコーンゴム弾性層を数十μm以上設けることが必要である。定着ローラ1の弾性層が薄く弾性が小さいと、トナー像の凹部の未定着やトナー粒子のつぶれによる定着画像の解像度低下をもたらす。
【0010】上記弾性層の材質は、メチル系やメチルビニル系であって、RTV、LTVタイプのシリコーンゴムであり、JIS Aに規定するゴム硬度で20°〜25°のものが好適である。特にRTVシリコーンゴムは、シリコーンオイルとの親和性が高く、オイルを塗布しやすいのでよい。上記のRTV、LTVシリコーンゴムを表層だけに用い、その下層に熱に強いHTVシリコーンゴムの層を設けて、表層の裏面における熱劣化や剥れを防いだ多層構成の定着ローラとしてもよい。
【0011】加圧ローラ2は、定着ローラ1に比べて弾性が小さくてもよいので、構成の単純化が可能であり、前記したように、芯金上にHTV等のゴム層を設けたり、あるいはフッ素ゴム等のゴム層を設けるのみでよい。表面にフッ素樹脂のPFAまたはPTFEのコート層等を施し、オイルの膨潤防止を図ってもよい。シリコーンゴム層にはRTVシリコーンゴムを用いることもできる。勿論、加圧ローラ2を加圧ローラ1と同一構成とすることもできる。図において、符号9は定着された記録材Pと加圧ローラ2とを分離する分離爪である。
【0012】なお、定着ローラ1、加圧ローラ2に使用するシリコーンゴムとしては、上記のメチル系やメチルビニル系の他に、メチルフェニル系シリコーンゴムを用いることができる。
【0013】離型剤オイルとしては、前記したように、シリコーンオイルが適している。シコリオイルとしては、メチルフェニル系のシリコーンオイルがよく使用される。このメチルフェニル系シリコーンオイルのフェニル基含有量は、定着ローラ1のゴムの膨潤防止の観点から、好ましくは5モル%以上とされる。またオイルの粘度が低すぎると、定着ローラ1のゴム膨潤性が大となり、また揮発による画像形成装置の機内汚染が悪化し、逆に粘度が高すぎると、定着ローラ1へのオイルの馴染みが悪くなるので、メチルフェニル系シリコーンオイルの粘度は、常温で100〜1000cs程度であることが好ましい。
【0014】定着温度は、120〜180℃の範囲内の一定温度で、その変動幅は±3℃以内である。定着ローラ1、加圧ローラ2の周速は110〜120mm/秒の範囲である。
【0015】オイル塗布装置は、主として、前記のオイル塗布ローラ12等を備えた塗布部と、これにシリコーンオイルを送りまた回収するオイル供給部とからなっている。
【0016】オイル供給部は、箱状の収納フレーム19内に収納した交換可能なオイルタンク18を有する。このオイルタンク18は、剛性ケース内にオイルの入ったアルミニウムパックを収容してなっており、タンク18の底部は、ジョイント17を介してシリコーン樹脂等のチューブでオイルポンプ16に接続されている。ジョイント17はゴムシール、バネ等を組合せてなり、オイルタンク18を収納フレーム19から取り出したときに、タンク18の底部接続部およびオイルポンプ16のオイルシールをする。このように、オイル供給部は、オイル漏れの心配がない完全閉鎖系に構成されるので、装置本体側に設置することも、定着装置側に設けることも可能である。
【0017】オイルポンプ16は、タンク18内に収容されたシリコーンオイルを配管20を経て、オイル塗布部の補給ノズル13に送る役目をする。オイルポンプ16としては、パルス信号によりオイル送給量の制御を行なえる電磁ポンプを用いることが好ましいが、低コスト化を図るなら、ギアポンプを用いることができる。オイルポンプ16には逆流防止弁を備えることがよい。
【0018】オイル塗布部は、前記の塗布ローラ12、補給ノズル13の他に、ブレード11、オイルため板14およびオイルケース15を備えてなっている。オイルタンク18から送給されたシリコーンオイルは、補給ノズル13から噴射され、補給ノズル13の下側で塗布ローラ12とこれに密接配置したオイルため板14との間の間隙に保持され、その保持されたオイルが回転する塗布ローラ12の表面に付着することにより、塗布ローラ12の表面にオイルが塗布される。塗布されたオイルは、塗布ローラ12の回転方向下流側に設けられたブレード11により塗布量を規制された後、塗布ローラ12により定着ローラ1に運ばれ、その当接部で定着ローラ1にオイルが塗布される。
【0019】オイルため板14と塗布ローラ12との間隙は、所定の微少オイル量を保持可能に形成されており、ブレード11の規制によるオイルの戻り等で保持したオイル量が過剰になると、これら塗布ローラ12、オイルため板14等を覆ったオイルケース15内に排出され、オイルケース15の底面からポンプ16により配管21およびオイルパン16を経て、オイルタンク18に回収される。
【0020】定着ローラ1に塗布されたシリコーンオイルは、定着ニップへの記録材Pの通紙にともない、記録材Pに付着し、あるいは吸収されて定着装置の外に出ていくが、定着ローラ1の記録材Pと接触しない表面部分に塗布されたオイルや、定着の前回転、後回転中に塗布されたオイルは、定着ローラ1から加圧ローラ2に付着、転移していき、加圧ローラ2に対し設置されたクリーニングブレード5により、加圧ローラ2上より紙粉やトナーとともに掻き取られる。クリーニングブレード5の材質は、トナーが付着しにくく滑りやすい、フッ素ゴム等の離型性、未着摺動性に優れたものがよい。
【0021】定着ローラ2から掻き取られたオイル等は、定着ローラ2の下に交換可能に設置されたオイルパン6内に落下し、そこに収納したオイルフィルタ10で不純物を取り除き、オイルパン16を経てオイルタンク18に回収される。オイル吸収材10は、天然もしくは人造の繊維体や、毛細管現象によるオイル吸収を期待できる多孔質体がよい。一例を挙げれば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の数〜数十μm径の合成繊維を数センチ以下の厚さに積層した不織布が挙げられる。オイル吸収材10の表面には、親油性を高める処理を施すことができる。なお、化学変化によりオイルを固化する薬剤を用いて、オイルパン6内に落下したオイルを処理してもよい。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カラーの画像形成の場合、トナーの混色性を高めるために、軟化点が低くかつ溶融粘度も低いシャープメルト性の非磁性トナー(ノンマグトナー)が使用されており、定着ローラ1への高温オフセットが発生しやすいので、シリコーンオイルの塗布を特に必要としていた。
【0023】このようなシリコーンオイルの塗布は、ユーザによる画像形成装置のメンテナンスを煩雑にするとと同時に、輸送時や運搬時のオイル漏れの怖れや、OHT(オーバーヘッドトランスペアレンシー)の触手感の悪化をもたらす。
【0024】そこで、溶融粘度の高いトナーを用いればオイルの塗布を不要にできるが、混色性が低くいので、ピクチャー画像の鮮明度が悪化したり、光透過性が悪化した暗いOHT投影像しか得られない。
【0025】また、定着のオイルレス化を図るために、シャープメルトトナーとして、トナーの樹脂よりも粘度と分子量が小さいワックス、パラフィン等の離型剤を予め内添した重合法によるトナーを使用し、定着ローラおよび加圧ローラの表層にPFSAやFEP等のフッ素樹脂の離型層を設けて、熱ローラ定着装置の離型効果を高めることが考えられている。
【0026】しかしながら、フッ素樹脂の離型層を設けると、定着ローラや加圧ローラの製品硬度が80°〜90°(アスカーC)と高くなってしまう。このため、定着性を確保するのにさらに熱と圧力を加えなければならず、またコシのない坪量60g/m2 の薄紙等では離型性が悪化するので、定着ローラへの巻き付きを防止するためには、排紙方向を下側、つまり加圧ローラ側にする必要があった。
【0027】その結果、定着により記録材の非トナー像の面方向に丸まるカールが生じ、特に薄紙ではコシがないため大きい。いずれにせよ、定着によるカールのために、平滑性が良くコシのある厚紙でも、良好な積載性を得ることができなかった。
【0028】これの対策として、定着ローラ、加圧ローラのニップ形状、特に排紙方向のニップ形状を変えることにより、記録材を水平方向に排紙して、非トナー像側にカールするのを抑制することが考えられるが、この場合には、トナー像の定着ローラからの分離性悪化による記録材の定着ローラへの巻き付きや、トナーの表面張力による記録材のトナー像の面方向へのカールが生じて、排紙ジャムや両面プリント時の通紙ジャムが発生してしまう。従って、記録材のカールを抑制できる排紙条件が極めて狭い範囲に限定される問題があった。
【0029】本発明の目的は、記録材の排紙方向を定着ローラ側にしても、複数色のトナー像を担持した記録材を定着ローラに巻き付くことなく定着し、記録材のトナー像側、非トナー像側へのカールを軽減することができる定着装置を提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にかかる定着装置にて達成される。要約すれば、本発明は、熱源を有する定着ローラと、これに圧接した加圧ローラとの圧接部で、トナー像を担持した記録材を挟持搬送することにより、前記トナー像を加圧および加熱して記録材に定着する定着装置において、前記定着ローラおよび加圧ローラは、フッ素樹脂の表層と、ゴム硬度がJIS Aで5°以下の耐熱性ゴムの基層とを含むローラとして、前記圧接部から排紙される記録材の排紙方向を定着ローラ側の方向としたことを特徴とする定着装置である。
【0031】本実施例の他の態様では、前記定着ローラおよび加圧ローラは、フッ素樹脂の表層と耐熱性ゴムの基層とを含むローラからなり、前記定着ローラの製品硬度がアスカーCで75°以下、加圧ローラの製品硬度がアスカーCで60°以下で、かつ定着ローラの製品硬度が加圧ローラの製品硬度と同じかそれよりも大きくして、前記圧接部から排紙される記録材の排紙方向を定着ローラ側の方向とした。
【0032】本発明のさらに他の態様では、前記定着ローラの基層の厚さが1.5〜2.5mm、加圧ローラの基層の厚さが2.0〜2.5mmで、かつ定着ローラの基層の厚さが加圧ローラの基層の厚さと同じかそれ以下として、前記圧接部から排紙される記録材の排紙方向を定着ローラ側の方向とした。
【0033】本発明のさらに他の態様では、前記定着ローラの外径が加圧ローラの外径よりも5%だけ小さくして、前記圧接部から排紙される記録材の排紙方向を定着ローラ側の方向とした。
【0034】好ましくは、前記トナー像を構成するトナーは、ワックスもしくはパラフィンを内包した、重合法により製造された重合トナーであり、さらには、低軟化点でかつシャープメルトな非磁性トナーである。前記定着ローラにシリコーンオイルを塗布することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0036】実施例1本発明の定着装置の一実施例を図1にそって説明する。
【0037】本定着装置自体の構成は、図5に示した従来の定着装置と基本的に同じでなので、図1において図5と同一箇所は同一の符号を付して、必要がない限りその説明を省略する。
【0038】図1に示すように、定着装置は、定着ローラ1に加圧ローラ2を圧接することにより、これらの間に定着ニップを形成しており、定着ローラ1を回転駆動し、加圧ローラ2を定着ローラ1の従動回転により回転して定着を行なう。
【0039】定着ローラ1は、アルミニウム等の中空筒体状の芯金1aを有し、芯金1aの中空部内に内蔵されたハロゲンヒータ3により、定着ローラ1に定着に必要な熱が内部から供給される。同様に、加圧ローラ2は、中空筒体状の芯金2aを有し、芯金2aの中空部内に内蔵されたハロゲンヒータ3′により、加圧ローラ2に定着に必要な熱が内部から供給される。
【0040】これらローラ1、2の表面温度は、定着ローラ1に温度検知素子としてサーミスタ4を接触設置し、もしくは加圧ローラ2にサーミスタ4′を接触設置して、そのサーミスタ4、4′の温度変化による抵抗値変化から検知し、図示しない制御装置によりヒータ3、3′への電流をON/OFF制御することにより、定着に必要な所定温度に維持される。
【0041】転写によるトナー像22を担持した記録材Pは、入口ガイド8による案内で定着ローラ1と加圧ローラ2との定着ニップに導かれてそこに進入し、定着ニップを通過する間に、定着ローラ1の表面によりトナー像が加圧および加熱され、トナー像が記録材Pに定着される。トナー像が定着された記録材Pは、定着ニップから出た後、図示しない出口ガイドにより案内されて画像形成装置の機外に排出される。図において、符号9aは定着された記録材Pと定着ローラ1とを分離する分離爪、9bは定着された記録材Pと加圧ローラ2とを分離する分離爪である。
【0042】本実施例によれば、定着ローラ1は、図1に示すように、芯金1a上に弾性層1bを形成し、その上にフッ素樹脂の離型層1cを形成してなっている。
【0043】本実施例の1つの大きな特徴は、定着ニップからの記録材Pの排紙方向を定着ローラ1側とするともに、記録材Pの定着時の変形によるカール量を抑制するために、弾性層1bをゴム硬度がJIS A規格で5°以下の低硬度の耐熱性ゴム(メチル系、メチルビニル系の液体シリコーンゴム)で形成したことである。定着ローラ1の製品硬度は、アスカーC硬度で75°以下が好ましいが、弾性層1bをJIS A硬度が5°以下のゴムにより形成すれば、定着ローラの製品硬度をアスカーCで75°以下にすることが可能である。これにより、ニップが確保できるので定着性がよく、また柔らかいので永久変形しにくい。
【0044】弾性層1bの材質としては、メチル系やメチルビニル系で、RTV、LTVタイプのシリコーンゴムが、耐熱性で弾性が高いので好適である。弾性層1bは、表層をRTVシリコーンゴム層とし、その下層を熱に強いHTVシリコーンゴム層とした、表層の裏面における熱劣化や剥れを防いだ多層構成としてもよい。
【0045】弾性層1bは、定着ローラ1が単色のトナー像〜4色の積層トナー像の厚さ(数μm〜数十μm)に追従できるようにするために、数十μm以上の厚さとすることが必要である。弾性層1bの厚さが薄く弾性が小さいと、トナー像の凹部の未定着やトナー粒子のつぶれによる定着画像の解像度低下をもたらす。
【0046】本実施例では、定着ローラ1は、アルミニウム製の芯金1a上に、JIS Aのゴム硬度が1°、アスカーC規格によるゴム硬度が11°のLTVシリコーンゴムによる弾性層1bを厚さ1.7mmに設け、その上にPFAチューブによるフッ素樹脂の離型層1cを厚さ50μmに設けた構成した。定着ローラ1の外径は46μmに成形した。
【0047】本実施例によれば、加圧ローラ2は、芯金2a上に弾性層2bを形成し、その上にフッ素樹脂の離型層2cを形成してなっている。加圧ローラ2は、定着ローラ1に比べて弾性が小さくてもよいので、構成の単純化が可能であり、芯金2a上にHTV、フッ素ゴム等の弾性層2bを設けるのみでもよい。勿論、加圧ローラ2を加圧ローラ1と同一構成とすることもできる。
【0048】本実施例の他の1つの大きな特徴は、定着ニップからの記録材Pの排紙方向を定着ローラ1側とするともに、記録材Pの定着時の変形によるカール量を抑制するために、この加圧ローラ2の弾性層2bを、定着ローラ1と同様、ゴム硬度がJIS A規格で5°以下の低硬度の耐熱性ゴムで形成したことである。加圧ローラ2の製品硬度は、アスカーC硬度で60°以下が好ましいが、弾性層2bをJIS A硬度が5°以下のゴムにより形成すれば、加圧ローラの製品硬度をアスカーCで60°以下にすることが可能である。
【0049】本例では、加圧ローラ2は、アルミニウム製の芯金2a上に、JIS Aのゴム硬度が1°、アスカーCのゴム硬度が11°のLTVシリコーンゴムによる弾性層2bを厚さ2.3mmに設け、その上にPFAチューブによるフッ素樹脂の離型層2cを厚さ50μmに設けて構成し、その外径を46μmに成形した。
【0050】なお、定着ローラ1、加圧ローラ2に使用するシリコーンゴムとしては、上記のメチル系やメチルビニル系の他に、メチルフェニル系シリコーンゴムを用いることができる。
【0051】定着温度は、180℃±3℃以内とし、定着ローラ1、2の加圧力は30〜60kgf、周速は110〜120mm/秒の範囲とした。
【0052】上記したように、本実施例では、記録材Pの排紙方向を定着ローラ1側とするともに、記録材Pの定着時の変形によるカール量を抑制するために、定着ローラ1および加圧ローラ2の弾性層1b、2bのゴム硬度を5°以下(JIS A)の低硬度にした。
【0053】従来は、定着ローラ1、加圧ローラ2は、弾性層1b、2bにJIS A硬度で20°〜25°といったゴムを使用していて高硬度であり、このため定着ローラ1に加圧ローラ2を加圧したときに、図2(a)に示すように、弾性層が相対的に薄く硬度が高い定着ローラ1が加圧ローラ2に強く食い込んで、加圧ローラ2の弾性層2bを大きく押しつぶすので、定着ニップがR形状に形成される。このため、定着により記録材Pにはトナー像側にカールが大きく形成されるので、記録材Pは定着ローラ1側に排紙されて定着ローラ1に巻き付く。
【0054】これが、本実施例のように、定着ローラ1、加圧ローラ2の弾性層1b、2bにJIS A硬度で5°以下の低硬度ゴムを使用した場合、定着ローラ1、加圧ローラ2が低硬度である。このため加圧力が同じならば、高硬度ゴムを使用した場合と同一の幅のニップを形成するが、この場合、図2(b)に示すように、ニップ内で加圧ローラ2の弾性層2bみならず、相対的に弾性層が薄く硬度が高い定着ローラ1の弾性層1bも押しつぶされるので、定着ニップは比較的フラットになってR形状が小さくなる。このため、記録材Pは定着ローラ1側に排紙されるが、記録材Pを定着している間のトナー像側あるいは非トナー像側への変形を抑制できるので、記録材Pが定着ローラ1に巻き付くことがなく、またカール量を小さく抑えることができる。
【0055】本発明で使用するトナーについて説明する。本発明では、好ましくは、シャープメルトトナーを使用するが、シャープメルトトナーとしては、トナーの樹脂よりも粘度と分子量が小さいワックス、パラフィン等の離型剤を予め内添した重合法によるトナー(重合トナー)を使用することが好ましい。これにより、高い混色性を達成するとともに、定着時に、熱によりトナーからワックス等の離型剤を滲みださせることにより、定着ローラ1の離型性を高めさせ、定着ローラ1等のフッ素樹脂による離型層の採用と相俟って、定着のオイルレス化を実現することができる。
【0056】重合トナーの概略構成を図3に示す。図3に示すように、重合トナー110はその製法上、球形となる。本実施例では、重合トナー110は、エステル系ワックスを内包したコア113上に、スチレン−ブチルアクリレートの樹脂層112を設け、その上にスチレン−ポリエスエルの表層111を設けた3層構造になっている。その比重は約1.05である。3層構造にした理由は、コア113にワックスを内包することにより、定着時のオフセット防止効果を得、樹脂層の表層111を設けることにより、トナーの摩擦帯電効率の向上を得るためである。
【0057】一般に、トナーの製造法としては、結着樹脂、ワックス等の低軟化点物質からなる離型剤、着色剤および荷電制御剤等を、加圧ニーダーやエクストルーダーまたはメディア分散機を用いて均一に分散した後、機械的またはジェット気流下でターゲットに衝突して所望のトナー粒径に微粉砕化した後、さらに分級工程によりトナー粒度分布をシャープにした、いわゆる粉砕法によるトナーの製造方法;特公昭56−13945号公報等に記載のディスクまたは多流体ノイズを用い、溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法;特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて、直接トナーを生成する方法;単量体は可溶で、得られる重合体は不溶な水系有機溶剤を用いて直接トナーを製造する、ソープリー重合法に代表される乳化重合法等を用いることができる。
【0058】本発明では、モノマーとしてスチレンとn−ブチルアクリレートを用い、これに、荷電制御剤としてサリチル酸金属化合物、極性レジンとして飽和ポリエステル、さらに着色剤を加えて、常圧下または加圧下の懸濁重合法により、重量平均粒径が7μmの着色懸濁粒子、つまり、重合トナーによる色トナーを製造した。この常圧下または加圧下の懸濁重合法は、粒度分布がシャープで、4〜8μmの粒径の微粒子トナーを比較的容易に得やすい製造法である。
【0059】トナー粒度分布の制御や粒径の制御は、軟水溶性の無機塩や保護コロイド作用を有する分散剤の種類、添加量を変える方法、たとえばローラの周速、パス回数、撹拌羽根の形状等の撹拌条件や容器形状といった機械的条件の変化、さらには水溶液中での固形分濃度等の調整によって行なうことができ、所定のトナーを得ることができる。
【0060】トナーの結着樹脂としては、一般に用いられるスチレン−(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体を利用することができる。重合法によるトナーの場合には、それらの単量体が好ましく用いられる。
【0061】具体的には、o−、m−もしくはp−メチルスチレン、m−もしくはp−エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。
【0062】これら単量体は、単独、または「ポリマーハンドブック」(第2版 III−P139〜192、John Wiley & Sons 社) に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜75℃を示すように、単量体を適宜混合して用いることができる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合は、トナーの保存安定性や現像剤の長期使用時安定性の面で問題が生じ、一方、75℃を超える場合は、定着温度の上昇をもたらし、特にフルカラー画像形成では、各色トナーの混色が不十分となり、色再現性に乏しく、さらにOHP画像の透明性を著しく低下させ、高画質を得る面で好ましくない。
【0063】結着樹脂の分子量は、GPC(Gel Permiation Chromatography )により測定することができる。具体的なGPCの測定方法を述べれば、つぎのようである。ソックスレー抽出器を用いてトルエン溶剤により、予めトナーを20時間、抽出した後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去し、さらにエステル系ワックスは溶解するが結着樹脂は溶解しない有機溶剤、たとえばクロロホルウ等を加えて十分に洗浄し、ついでTHF(テトラヒドロフラン)に溶解する。そのTHF溶液をポア径0.3μm耐溶剤性メンブランフィルターでろ過し、ろ液をサンプルとして、ウォターズ社製のカラムクロォマトグラフィー150Cを用い、分子量分布を測定する。カラム構成は、昭和電工製のA−801、802、803、804、805、806、807を連結し、標準ポリスチレン樹脂の検量線を使用する。
【0064】本発明で使用するトナーの結着樹脂は、数平均分子量(Mn)が5,000〜1,000,000で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2〜100を示すものが好ましい。ワックスの分子量は、結着樹脂の分子量より少なく、数平均分子量で数1,000〜数10,000のものがよい。
【0065】トナーの着色剤のうち、黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体の他、イエロー、マゼンタ、シアン着色剤から黒色に調整したものが利用される。
【0066】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アトラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。
【0067】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アトラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、220、221、254が特に好ましい。
【0068】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0069】以上の着色剤は、単独または混色し、さらには固溶体の状態で用いることができる。また着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、トランスペアレンシー透明性(トラペン透明性)、トナー中への分散性を考慮して選択することができる。着色剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対し1〜20重量部とされる。
【0070】本実施例は、以上のように構成され、定着ローラ1および加圧ローラ2は、フッ素樹脂の表層1c、2cと、基層としてのゴム硬度がJIS Aで5°以下の耐熱性ゴムの弾性層1b、2bで構成したので、記録材Pの排紙方向を定着ローラ1側とした定着を、記録材Pのトナー像側、非トナー像側への変形を抑制して行なうことができ、従って記録材Pが定着ローラ1に巻き付くことがなく、またカール量を小さく抑えることができる。
【0071】本実施例において、重合トナーを用いて画像形成し、記録材に転写したトナー像を、弾性層にJIS A硬度が5°以下の低硬度ゴムを使用した定着ローラ1および加圧ローラ2を用いて定着し、そのときの記録材のカール量を調べた。比較のために、定着ローラ1、加圧ローラ2として、弾性層をJIS A硬度が5°を超える高硬度ゴムで形成したものを定着に供し、同様に記録材のカール量を調べた。
【0072】画像は、ニイーナー・ボンド用紙(Neenah Bond、60g/m2 、レターサイズ)上に全体に均等になるように、平均画像比率4〜5%で形成した。記録材は定着装置に100枚通紙し、その初期10枚と最後の10枚についてカール量を測定した。カール量の測定は、定着ニップから排紙された直後に記録材を採取して、画像側を上にして水平に置き、記録材の四隅で測定した。
【0073】そのときの定着ローラ1、加圧ローラ2のゴム硬度、製品硬度および記録材カール量を表1に示す。
【0074】表1において、先前、先後、後前、後後は、記録材を通紙方向に対し直角の横方向から見て、それぞれ、記録材の先端の手前位置、奥側位置、後端の手前位置、奥側位置であることを示す。符号はプラスが画像側のカールを、マイナスが非画像側のカールを示す。
【0075】
【表1】

【0076】表1に示されるように、本実施例1は、定着ローラ1、加圧ローラ2の弾性層にJIS A硬度で5°以下の低硬度ゴムを使用しており、ローラ製品硬度(アスカーC)が定着ローラで75°以下、加圧ローラで60°以下で、かつ定着ローラの製品硬度≧加圧ローラの製品硬度の関係になっている。本実施例1によれば、低硬度ゴムを使用した比較例1と比べカール量がかなり小さく、最大カール量で10mm以下の大きさに抑制できている。
【0077】以上説明したように、本実施例によれば、記録材の排紙方向を定着ローラ側として、記録材を定着ローラに巻き付かせることなく定着して、記録材のカール量を抑制することができ、記録材の通紙性、定着後の記録材の積載性をも満足することができる。
【0078】実施例2本実施例では、定着ローラ1の弾性層1bの厚さを1.5〜2.5mm、加圧ローラ2の弾性層2bの厚さを2.0〜2.5mmとし、かつ定着ローラ1の弾性層1bの厚さを加圧ローラ2の弾性層2bの厚さと同じかそれ以下とした。
【0079】これにより、定着ニップから排紙される記録材Pの排紙方向を定着ローラ1側の方向として、記録材Pを定着ローラ1に巻き付かせることなく定着して、記録材Pのカール量を抑制することができる。
【0080】本実施例において、実施例1と同様にして、重合トナーを用いて画像形成し、記録材に転写したトナー像を定着して、そのときの記録材のカール量を調べた。ただし、弾性層の厚さが1.5〜2.5mmの定着ローラ1、および弾性層の厚さが2.0〜2.5mmで、定着ローラのときよりも薄いか同じである加圧ローラ2を用いて定着した。比較のために、定着ローラ1、加圧ローラ2として、弾性層の条件が本実施例の範囲を外れたものを使用し、同様に定着して記録材のカール量を調べた。
【0081】そのときの定着ローラ1、加圧ローラ2のゴム硬度、製品硬度および記録材カール量を表2に示す。
【0082】
【表2】

【0083】表2に示されるように、本実施例2は、定着ローラ1の弾性層の厚さを1.5〜2.5mm、加圧ローラ2の弾性層の厚さを2.0〜2.5mmで、かつ加圧ローラの弾性層の厚さ≦定着ローラの弾性層の厚さの関係にしており、ローラ製品硬度(アスカーC)が定着ローラで75°以下、加圧ローラで60°以下で、かつ定着ローラの製品硬度≧加圧ローラの製品硬度の関係になっている。本実施例2によれば、比較例2と比べカール量がかなり小さく、最大カール量で10mm以下の大きさに抑制できている。
【0084】以上のように、本実施例では、定着ローラの弾性層の厚さを1.5〜2.5mm、加圧ローラの弾性層の厚さを2.0〜2.5mmとし、かつ定着ローラの弾性層の厚さ≦加圧ローラの弾性層の厚さの関係にしたので、記録材の排紙方向を定着ローラ側として、記録材を定着ローラに巻き付かせることなく定着して、記録材のカール量を抑制することができ、記録材の通紙性、定着後の記録材の積載性をも満足することができる。
【0085】実施例3本実施例は、図4に示すように、定着ローラ1の外径を加圧ローラ2の外径より小さくしたことが特徴である。本実施例のその他の点は、図1で示した実施例1と同じで、図4において図1と同一の符号は同一の部材を示す。
【0086】上記の加圧ローラ2に対する定着ローラ1の外径の縮径の程度は、好ましくは、加圧ローラ2の外径の1.5〜2.0%である。本実施例のように、定着ローラ1の外径を加圧ローラ2よりも縮径すると、定着ローラ1から記録材Pを曲率分離しやすくできるので、定着ローラ1と加圧ローラ2との定着ニップから排紙される記録材Pの排紙方向を定着ローラ1側の方向として、記録材Pを定着ローラ1に巻き付かせることなく定着して、記録材Pのカール量を抑制することができる。
【0087】本実施例の場合、定着ニップ幅が減少するが、定着ローラ1に対する加圧ローラ2の加圧力を高めることにより、定着性を確保できる8.0mm以上の幅の定着ニップを容易に形成できる。またこの加圧力の上昇も、定着ローラ1、加圧ローラ2のゴム硬度が低ければ、ニップ形状をほぼフラットに抑えることができるので問題ない。
【0088】本実施例において、実施例1と同様にして、重合トナーを用いて画像形成し、記録材に転写したトナー像を定着して、そのときの記録材のカール量を調べた。ただし、定着ローラ1は、加圧ローラ2に対する外径の縮径率を1.3〜2.2%として、定着に用いた。比較のために、定着ローラ1の外径の縮径率が本実施例の範囲を外れたものを使用し、同様に定着して記録材のカール量を調べた。
【0089】そのときの定着ローラ1、加圧ローラ2の外径、定着ローラ1の外径の縮径率および記録材カール量を表3に示す。
【0090】
【表3】

【0091】表3に示されるように、本実施例3は、加圧ローラ2に対する定着ローラ1の外径の縮径率を1.3〜2.2%にしており、比較例3と比べカール量がかなり小さく、最大カール量で10mm以下の大きさに抑制できている。
【0092】以上のように、本実施例によっても、記録材の排紙方向を定着ローラ側として、記録材を定着ローラに巻き付かせることなく定着して、記録材のカール量を抑制することができ、記録材の通紙性、定着後の記録材の積載性をも満足することができる。
【0093】以上の実施例1〜3では、定着ローラ1および加圧ローラ2の離型性が高く、かつワックス、パラフィンを内包した重合トナーを使用したので、定着ローラ1にシリコーンオイルの塗布を行なわないで定着を行なったが、本発明は、シリコーンオイルの塗布を妨げるものではなく、シリコーンオイルの塗布により定着ローラ1の離型性をさらに高めることができる。特にカラーの画像形成の場合、トナーの混色性を高めるために、軟化点が低くかつ溶融粘度も低いシャープメルト性の非磁性トナー(ノンマグトナー)が使用することが多く、定着ローラ1への高温オフセットが発生しやすいので、定着ローラ1へのシリコーンオイルの塗布は有益である。
【0094】定着ローラ1へのシリコーンオイルの塗布により、定着ローラ1の離型性を向上して、本発明の、記録材の排紙方向を定着ローラ側として、記録材を定着ローラに巻き付かせることなく定着して、記録材のカール量を抑制することができるという効果を、さらに良好に発揮させることができる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、定着ローラおよび加圧ローラを、フッ素樹脂の表層と、ゴム硬度がJIS Aで5°以下の耐熱性ゴムの基層とを含むローラに構成する等の手段を講じたので、記録材の排紙方向を定着ローラ側として、複数色のトナー像を担持した記録材を定着ローラに巻き付かせることなく定着して、記録材のトナー像側、非トナー像側へのカール量を抑制することができる。従って、フルカラー等のカラー画像を安定した通紙性、定着後積載性で得ることができる。




 

 


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