Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
帯電部材および画像形成装置 - キヤノン株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> キヤノン株式会社

発明の名称 帯電部材および画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−143176
公開日 平成11年(1999)5月28日
出願番号 特願平9−310681
出願日 平成9年(1997)11月12日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】若林 忠 (外4名)
発明者 河田 将也 / 江原 俊幸 / 唐木 哲也 / 栢 孝明
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 被帯電体に加圧当接し帯電させることにより、該被帯電体上に静電潜像を形成する帯電部材において、前記帯電部材の表面粗さをRz-yとし、前記被帯電体の進行方向における前記被帯電体表面の表面粗さをRz-xとしたときに、0.5≦Rz-y/Rz-x≦300の関係を満たすことを特徴とする帯電部材。
【請求項2】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、1≦Rz-y/Rz-x≦200の関係を満たす請求項1に記載の帯電部材。
【請求項3】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、0.01≦Rz-y×Rz-x≦20〔μm2
の関係を満たす請求項1または2に記載の帯電部材。
【請求項4】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、0.05≦Rz-y×Rz-x≦10〔μm2
の関係を満たす請求項1乃至3いずれかに記載の帯電部材。
【請求項5】 前記Rz-yと前記被帯電体の進行方向における前記被帯電体表面の凹凸の平均間隔Sm-xが、1×10-4≦Sm-x/Rz-y≦1×10-2の関係を満たす請求項1乃至4いずれかに記載の帯電部材。
【請求項6】 前記Rz-yおよび前記Sm-xが、2×10-4≦Sm-x/Rz-y≦5×10-3の関係を満たす請求項5に記載の帯電部材。
【請求項7】 前記帯電部材の繊維表面の非晶質材料が、少なくともシリコン原子を母体として水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料からなり、電荷を保持する機能を有する材料であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の帯電部材。
【請求項8】 帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材の帯電面を被帯電体に加圧当接させ、前記帯電部材を放電させ前記被帯電体を帯電させることにより、前記被帯電体上に静電潜像を形成し、これをトナーによって顕画像化する画像形成装置において、前記帯電部材の表面粗さをRz-yとし、前記被帯電体の進行方向における前記被帯電体表面の表面粗さをRz-xとしたときに、0.5≦Rz-y/Rz-x≦300の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、1≦Rz-y/Rz-x≦200の関係を満たす請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、0.01≦Rz-y×Rz-x≦20〔μm2
の関係を満たす請求項8または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、0.05≦Rz-y×Rz-x≦10〔μm2
の関係を満たす請求項8乃至10いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】 前記Rz-yと前記被帯電体の進行方向における前記被帯電体表面の凹凸の平均間隔Sm-xが、1×10-4≦Sm-x/Rz-y≦1×10-2の関係を満たす請求項8乃至11いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】 前記Rz-yおよび前記Sm-xが、2×10-4≦Sm-x/Rz-y ≦5×10-3の関係を満たす請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】 前記帯電部材を前記被帯電体の回転方向と異なる方向に振動または移動させる手段を有する請求項8乃至13いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】 ローラー状、又はベルト状の部材からなる転写帯電器を備えた請求項8乃至14いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】 前記帯電部材を前記被帯電体から離脱する手段を有する請求項8乃至15いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項17】 前記帯電部材と前記被帯電体との接触域巾(ニップ巾)を規制する手段を有する請求項8乃至16いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項18】 前記帯電部材の繊維表面の非晶質材料が、少なくともシリコン原子を母体として水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料からなり、電荷を保持する機能を有する材料であることを特徴とする請求項8乃至17いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項19】 前記被帯電体が、(a)導電性支持体と、(b)シリコン原子を母体として水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料からなり光導電性を示す光導電層及び電荷を保持する機能を有する表面層を含む光受容層とから構成される画像形成装置用感光体であって、該光導電層が10〜30原子%の水素を含有し、少なくとも光の入射する部分において、サブバンドギャップ光吸収スペクトルから得られる指数関数裾の特性エネルギーが50〜60meV、かつ局在状態密度(D.O.S.)が1×1014〜1×1016cm-3で、表面層の電気抵抗値が1×1010〜5×1015Ωcmである請求項8乃至18いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項20】 前記被帯電体が、(a)導電性支持体と、(b)シリコン原子を母体として水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料からなり光導電性を示す光導電層及び電荷を保持する機能を有する表面層を含む光受容層とから構成される画像形成装置用感光体であって、前記表面層が非晶質炭素から主としてなる請求項8乃至19いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項21】 前記表面層がフッ素を含有する非晶質炭素からなる請求項20に記載の画像形成装置。
【請求項22】 前記表面層の最表面がフッ素の結合した非晶質炭素からなる請求項21に記載の画像形成装置。
【請求項23】 前記被帯電体が、導電性支持体と、有機感光層と、電荷保持粒子を含む表面層とを有する電子写真感光体である請求項8乃至22いずれかに記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧を帯電部材に印加し、この帯電部材の樹脂からなる帯電面を像担持体であるところの被帯電体に当接させ、離合部分での放電により被帯電体表面を帯電し、その帯電面に可視光、ライン走査レーザー光により画像情報の書き込みをして画像形成を実行する方式の画像形成装置に関する。
【0002】より具体的には上記の様な電圧印加方式の帯電装置を被帯電面の帯電手段として、高湿環境下での良好な画質を極めて長期にわたって安定して供給する帯電部材、帯電装置、画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】〔画像形成装置〕画像形成装置は従来の原稿を複写するいわゆる複写機のみならず、近年需要の伸びの著しいコンピュータ、ワードプロセッサの出力手段としてのプリンターを加え、広く利用されている。こうしたプリンターは従来のオフィスユースのみならず、パーソナルユースが増大した為、低コスト、メンテナンスフリーといった経済性が重視される。
【0004】更に、エコロジーの観点から、両面コピー、再生紙利用等紙の消費低減、消費電力低減の省エネルギー、オゾン量低減等近隣生物への影響対策が、経済性と同様の重要度で求められている。
【0005】従来の帯電方式の主流であったコロナ帯電器は、¢50〜100μm程度の金属ワイヤーに5〜10kV程度の高電圧を印加し、雰囲気を電離し対向物に帯電を付与する。その過程において、ワイヤー自身も汚れを吸着し、定期的な清掃、交換が必要となる。また、コロナ放電にともない、オゾンが大量に発生してしまう。
【0006】省エネルギーに関しては、感光体ヒータの問題もある。近年使用される電子写真感光体は、耐刷枚数の増大を図る為表面硬度が高くなっており、繰り返し使用により帯電器から発生するオゾンから派生するコロナ生成物の影響で被帯電体である所の感光体の表面が湿度に敏感となり水分を吸着し易くなり、これが感光体表面の電荷の横流れの原因となり、画像流れといわれる画像品質低下を引き起こす欠点を有している。
【0007】この様な画像流れを防止する為に、実公平1−34205に記載されている様なヒーターによる加熱や、特公平2−38956に記載されている様なマグネットローラーと磁性トナーから形成されたブラシにより被帯電体である所の像担持体例えば感光体表面を摺擦しコロナ生成物を取り除く方法、特開昭61−100780に記載されている様な弾性ローラーによる感光体表面の摺擦でコロナ生成物を取り除く方法等が用いられてきた。
【0008】感光体表面を摺擦する方法は、極めて硬度の高いアモルファスシリコン系感光体(a−Si感光体)で使用されるが、クリーニング装置が大きくなる等、装置の小型化が困難な一因となる。また、ヒーターによる常時加熱は前述の様に消費電力量の増大を招く。こうしたヒーターの容量は通常15Wから80W程度と必ずしも大電力量といった印象を得ないが、夜間も含め常時通電されているケースがほとんどであり、一日あたりの消費電力量としては、画像形成装置全体の消費電力量の5〜15%にも達する。
【0009】また、本発明に類似する形態での外部ヒータ加熱方式、すなわち、特開昭59−111179や特開昭62−278577においても、感光体の温度変動に伴う画像濃度不安定要素の改善についてはなんらの開示もない。
【0010】また、こうした画像流れの原因であるオゾンは、画像形成装置周囲の人や生物への健康障害のおそれもあり、従来からオゾン除去フィルターで分解無害化して排出していた。特にパーソナルユースの場合、排出オゾン量は極力低減しなければならない。このように経済面からも帯電時の発生オゾン量を大幅に低減する方式が求められている。
【0011】こうした状況から、新たな帯電部材、帯電装置、画像形成装置としての発生オゾン量が皆無、或いは低減された帯電装置、除湿装置が求められている。
【0012】〔帯電装置、帯電ローラー〕前述の問題点を解決すべく、各種帯電装置が提案されている。近年では、いわゆる「ローラー帯電」という接触帯電方式が広く用いられている。ローラー帯電は帯電部材として導電ローラーを用い、これに電圧を印加した状態で被帯電体に加圧当接させて感光体表面を所用の電位に帯電するものである。これらは、帯電部装置として広く利用されているコロナ帯電装置に比べ、以下のような長所を有している。
■被帯電体面に所望の電位を得るのに必要とされる印加電圧の低電圧化が図れる。
■帯電部材を小型化できる。
■帯電過程で発生するオゾン量が極微量であり、またコロナ帯電である様なシールドが不要である。そのため装置の排気系の構成が簡素化される。
■帯電過程において発生したオゾン並びにオゾン生成物が被帯電体面である像担持体、例えば感光体表面に付着し、コロナ生成物の影響で感光体表面が湿度に敏感となり水分を吸着し易くなることによる、表面の低抵抗化による画像流れを低減できる。
【0013】そこで例えば、画像形成装置(複写機、レーザービームプリンター)、静電記録装置等の画像形成装置において、感光体、誘電体等の像担持体、その他の被帯電体を帯電処理する手段としてコロナ放電装置に代わるものとして注目される。
【0014】具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体への放電により行なわれる為、ある閾値(以下、「放電開始電圧:Vth」と称する)以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。
【0015】感光体の種類、容量により閾値は異なるが、例を示すと厚さ30μmのa−Si感光体に対して帯電部材を加圧当接させた場合には、約200V以上の直流電圧(Vdc)を印加すれば被帯電体の表面電位が上昇しはじめる。また厚さ25μmの有機光導電体からなる有機感光体(OPC)に対して帯電部材を加圧当接させた場合には、約640V以上の直流電圧(Vdc)を印加すれば被帯電体の表面電位が上昇しはじめる。
【0016】電子写真に必要な表面電位Vdを得る為には帯電部材には電圧印加電源によりVd+Vth+Vdd(暗減衰)のVdc単独、或いはそれに交流電圧(Vac)を重乗(Vdc十Vac:以下単に交流電圧Vacと称する)して印加すれば良い。これらを各々DC帯電、AC帯電と称する。
【0017】主帯電にローラー帯電を使用し、転写、分離の帯電をローラー帯電或いはベルト帯電方式にすることで電子写真装置のシステムとしてのオゾン発生量を抑制できる。図4及び図5にその一実施態様を示す。202は像担持体である感光体ドラムであり、矢印Aの時計方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動されるドラム型の電子写真感光体である。201は帯電部材である。その構成を図6に示す。帯電部材である帯電ローラー201は、該帯電ローラー201の抵抗を制御する中抵抗の帯電層201−1と、被帯電体面と均一なニップを形成する為に必要な弾性を有する導電性弾性層201−2と、支持部材(芯金)である導電性基体201−3とで形成される。導電性弾性層201−2は、EPDM、アクリルゴム、ウレタンゴム等のソリッド製ゴムにカーボンブラック等の導電性物質を分散させて形成される。帯電層201−1は、ナイロン、ウレタン等の樹脂にカーボンブラック等の導電性物質を分散させてなる中抵抗体であり、被帯電体である感光体にピンホール等の欠陥が生じた際に該位置を含む被帯電体の長軸方向での帯電不良を抑制する機能を有する。帯電部材の抵抗値は、その使用される環境、帯電効率、或いは該感光体の電気的耐圧特性等に応じて適宜選択されることが望ましい。
【0018】図4において、帯電ローラー201は不図示の電圧印加電源により直流電圧Vdc単独、或いはそれに交流電圧(Vac)を重乗して帯電ローラ201の導電性基体201−3に電圧が印加され、導電性弾性層201−2、小抵抗層201−1に印加されて、回転駆動されている感光体ドラム202とのニップ近傍による放電で該感光体ドラム202の外周面が均一に帯電される。
【0019】更に、ランプ210から発した光が原稿台ガラス211上に置かれた原稿212に反射し、ミラー213、214、215を経由しレンズユニット217のレンズ218によって結像され、ミラー216を経由し、導かれ投影された、或いは画像信号に応じて強度変調されるレーザービームプリンター光(不図示)が走査される事によって該感光ドラム上に静電潜像が形成される。この潜像は、適宜な極性の現像剤が塗布された現像スリーブ204によって顕画像化された後、転写材P上に転写帯電器206(a)を介して転写される。転写残トナーは、クリーニングブレード221によって感光ドラム上から除去されると共に該転写像は、定着装置224によって定着された後、出力される。一方、感光体に残留する静電潜像は除電光源209によって消去される。
【0020】〔有機光導電体(OPC)〕電子写真感光体の光導電材料として、近年種々の有機光導電材料の開発が進み、特に電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型感光体は既に実用化され複写機やレーザービームプリンターに搭載されている。
【0021】しかしながら、これらの感光体は一般的に耐久性が低い事が1つの大きな欠点であるとされてきた。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼけ等の電子写真物性面の耐久性及び摺擦による感光体表面の磨耗や引っ掻き傷等の機械的耐久性に大別されいずれも感光体の寿命を決定する大きな要因となっている。
【0022】このうち、電子写真物性面の耐久性、特に画像はけに関しては、帯電器での放電により発生するオゾン、NOx等の活性物質により感光体表面層に含有される電荷輸送物質が劣化する事が原因である事が知られている。また機械的耐久性に関しては、感光層に対して紙、ブレード/ローラー等のクリーニング部材、トナー等が物理的に接触して摺擦する事が原因である事が知られている。
【0023】電子写真物性面の耐久性を向上させる為には、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにくい電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位の高い電荷輸送物質を選択する事が知られている。また、機械的耐久性を上げる為には、紙やクリーニング部材による摺擦に耐える為に、表面の潤滑性を上げ摩擦を小さくする事、トナーのフィルミング融着等を防止する為に表面の離形性をよくすることが重要であり、フッ素系樹脂粉体粒子、フツ化黒鉛、ポリオレフィン系樹脂粉体等の滑材を表面層に配合することが知られている。しかしながら、摩耗が著しく小さくなるとオゾン、NOx等の活性物質により生成した吸湿性物質が感光体表面に堆積し、その結果として表面抵抗が下がり、表面電荷が横方向に移動し、いわゆる画像流れを生ずるという問題があった。
【0024】〔アモルファスシリコン系感光体(a−Si)〕電子写真において、感光体における感光層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、等の特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで使用される画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の場合には、大量に、且つ長期にわたり複写される事を考えると、画質、画像濃度の長期安定性も重重な点である。
【0025】この様な点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号公報には画像形成装置用感光体としての応用が記載されている。
【0026】このような画像形成装置用感光体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法により作製されたSiからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上に作製されたSi堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
【0027】また、特開昭54−83746号公報においては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されている。当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特性を得ることができるとしている。
【0028】また、特開昭57−115556号公報には、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が記載されている。
【0029】更に、特開昭60−67951号公報には、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体についての技術が記載され、特開昭62−168161号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0030】また更に、特開昭57−158650号公報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクトルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置用感光体が得られることが記載されている。一方、特開昭60−95551号公報には、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して帯電、露光、現像および転写といった画像形成工程を行うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技術が開示されている。これらの技術により、画像形成装置用感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0031】〔環境対策ヒータ〕前述感光体の高湿画像流れを防止、除去する為に、感光体内面に熱源を設ける事が周知であり、最も一般的なのは、面状乃至棒状の電熱ヒータを円筒状感光体内面に配設している。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の様な電圧印加式の帯電ローラーを用いた帯電装置を像担持体の帯電手段として利用した場合の問題点として、以下の点が挙げられる。
【0033】まず、特に感光体の回転速度や印加される帯電電位(以下Vpと称する)と帯電前の感光体表面の電位差が大きい時、該帯電部材と感光体表面の接触部及びその近傍の状態により帯電が不安定になる場合がある。感光体の表面粗さ、且つ/又は帯電部材の表面粗さにより両者の距離が感光体及び帯電部材の周方向且つ/又は長軸方向で差が生じ、感光体表面電位の不均一化が生じる。
【0034】また、帯電部材と感光体の接触、離合均一性が充分に確保されていない場合は局部的に、或いは広い範囲で帯電不良が生じる場合がある。
【0035】また、周方向且つ/又は長軸方向の局部的に、或いは広い範囲で放電が異常な部分が生じる事により、該部分の帯電部材表面が異常放電により劣化し、画質の低下が生じる場合がある。
【0036】感光体においても、異常放電によりピンホールリークの発生により帯電不良によるポチが生じる場合がある。
【0037】更に上記による帯電部材からの電流増加は帯電部材、且つ/又は感光体を劣化させる要因の一つとなり、システムとしての寿命が縮まることが懸念される。
【0038】特に、アモルファスシリコン感光体の様に高速で使用され、極めて長い寿命を有する感光体を用いた画像形成装置においては、帯電器の表面性、或いは電気特性の劣化や帯電の不均一化により画質が低下し、メンテナンス乃至帯電部材の交換をせざるをえなくなってしまう。こうした事はサービスコストの増加をまねき、メンテナンスフリー化を阻害する。
【0039】また、耐久時の縦スジ(以下、まだらスジと呼ぶ)がある。まだらスジの発生メカニズムとしては以下の様な事が考えられる。長軸方向の局部的に、或いは広い範囲で放電の異常部分が生じる事で異常放電により劣化した帯電部材表面が、更には該部分を起点に劣化部位が広がる事により、或いは感光体が異常放電により損傷を受ける事により、画質の低下が生じる場合がある。その結果まだらスジが発生する問題があった。
【0040】また、劣化部分が長軸方向に広がった場合、或いは細い劣化部分が集合的に存在する場合などには、画像上いわゆる「かぶり」等の画像欠陥が発生する場合もあった。
【0041】また、トナーが物理的に付着する、いわゆる引っかかる大きさまで劣化が拡大した場合、該トナーがクリーニングブレード等の位置で感光体を損傷する場合がある。特に表面硬度がそれほど高くない感光体においては、その影響は更に大きくなる。
【0042】その他、異常放電により過剰電流が生じた部分等は帯電部材表面が損傷を受け、感光体に付着する場合もある。
【0043】したがって、画像形成装置、乃至電子写真画像形成方法を設計する際に、上記のような課題が解決されるように、画像形成装置用感光体の電子写真物性、機械的耐久性など総合的な観点からの改良を図るとともに、帯電部材、帯電装置、画像形成装置の一段の改良を図ることが必要とされる。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明の帯電部材は、被帯電体に加圧当接し帯電させることにより、該被帯電体上に静電潜像を形成する帯電部材において、前記帯電部材の表面粗さをRz-yとし、前記被帯電体の進行方向における前記被帯電体表面の表面粗さをRz-xとしたときに、0.5≦Rz-y/Rz-x≦300の関係を満たすことを特徴とする。ここで、添え字のxは感光体、yは帯電部材を示す。
【0045】また、本発明の画像形成装置は、帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材の帯電面を被帯電体に加圧当接させ、前記帯電部材を放電させ前記被帯電体を帯電させることにより、前記被帯電体上に静電潜像を形成し、これをトナーによって顕画像化する画像形成装置において、前記帯電部材の表面粗さをRz-yとし、前記被帯電体の進行方向における前記被帯電体表面の表面粗さをRz-xとしたときに、0.5≦Rz-y/Rz-x≦300の関係を満たすことを特徴とする。
【0046】上記の帯電部材、画像形成装置において、Rz-y/Rz-xの値は、1乃至200とすることがさらに好ましい。
【0047】また、Rz-y×Rz-xの値は、0.01μm2以上20μm2以下であることが好ましく、0.05μm2以上10μm2以下であることがさらに好ましい。
【0048】また、前記Rz-yと前記被帯電体の進行方向における前記被帯電体表面の凹凸の平均間隔Sm-xとしたときに、Sm-x/Rz-yの値は、1×10-4以上1×10-2以下であることが好ましく、2×10-4以上5×10-3以下であることがさらに好ましい。
【0049】以上のようにすることにより、ニップ部近傍のいわゆる近接部分での異常放電を防止し、高画質な画像を長期に渡って得ることができる。
【0050】また、ローラー状、又はベルト状の転写帯電器を用いてもよい。これによりコロナ帯電の様にオゾン生成物が発生しない。システム全体としてオゾン発生を抑制できる。
【0051】また、使用中に帯電部材を該帯電部材の長軸方向、即ち感光体回転方向に並行でない方向に振動させてもよい。これにより、近接状態のむらを補正し、局部的な劣化を防止できる。
【0052】また、帯電部材と感光体のニップ巾を規制する機構を設けてもよい。また、非帯電行程において、該帯電部材を被帯電体から離脱する手段を設けてもよい。これにより長時間の休止による帯電部材の変形や、それによる近接状態の変化を、また帯電部材表面が感光体に融著する事を防止できる。
【0053】また、温度による帯電能力の変化(以下、温度特性と称する)を低減ないしは解消した新規なアモルファスシリコン系感光体を使用することもできる。これにより環境対策ヒーターのない状態で、装置の立上げ時から一貫して画像濃度変化がない安定な画像を得られる。
【0054】また、表面粗さや硬度、摩擦特性に優れた新規な表面層を使用する。これにより、更に良好な耐久性を得られる。
【0055】また、少なくとも導電性支持体と有機感光層、及び電荷保持粒子を含む表面層を有する感光体を使用してもよい。コロナ帯電の様に多量のオゾン生成物が発生しない為、いわゆる「高湿流れ」対策が不変になり、ドラムヒーター等の除去に伴い、夜間通電や消費電力が低減されエコロジーの点からも有効である。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について述べる。
【0057】〔帯電部材〕以下更に本発明の要所を説明する。図4、5は本発明にかかる帯電部材、被帯電体、画像形成装置の該略図である。前述の如き画像形成プロセスを経て画像が形成される。
【0058】帯電ローラー201は、該帯電ローラーの抵抗を制御する中抵抗の帯電層201−1と、被帯電体面と均一なニップを形成する為に必要な弾性を有する導電性弾性層201−2と、支持部材(芯金)である導電性基体201−3とで形成される(図6)。導電性弾性層201−2は、EPDM、アクリルゴム、ウレタンゴム等のソリッド製ゴムにカーボンブラック等の導電性物質を分散させて形成される。帯電層201−1は、中抵抗層であり、ナイロン、ウレタン等の樹脂にカーボンブラック等の導電性物質を分散させてなる。該帯電部材の抵抗値は、その使用される環境、帯電効率、或いは該感光体の電気的耐圧特性等に応じて適宜選択されることが望ましい。
【0059】被帯電体と帯電ローラー201の中心の距離は、感光体の回転方向における該帯電ローラー201の接触域幅(以下ニップと称する)を安定に制御する為、該弾性層201−2の硬度調整、該帯電ローラー201を被帯電体であるところの感光体202に加圧当接するバネ2014の強度調整がなされる事が望ましい。他にコロ(不図示)やスペーサ等、適宜な方法で、適宜な距離に設定される方法でも良い。その他にニップ調整用の機構を設けても良い。ニップ調整用機構としては、帯電部材と被帯電体であるところの感光体表面との距離を制御する方法などがある。
【0060】また、該帯電ローラー201は感光体202の回転方向Xに対して適宜な相対速度で回転する。
【0061】該帯電ローラー201の抵抗は、図14に示す様に、帯電効率を良好に保持し、一方でリークポチや、感光体表面の微小欠陥から、帯電部材長軸方向で電位が低下してしまう事の防止等のために全体抵抗として1×103〜1×109Ωなる抵抗を有することが好ましい。より好ましくは1×105〜1×107Ωである。
【0062】該抵抗値の測定は、規定の速度で回転させている円筒状金属と測定するべき帯電部材を規定のニップ巾になるまで加圧当接させ、接触面積を測定すると共に、HIOKI社(メーカー)製のMnテスターで50〜1000Vの印加電圧における測定にて行なった。
【0063】本発明では、該帯電部材201の表面粗さと後述する被帯電体である所の感光体202の表面微細粗さとの相関を規定する事により、該帯電部材と感光体の、ニップ近傍における微視的な近接状態を好適な状態に保ち、異常放電、異常電流や、過剰な摩擦等による帯電部材の表面劣化などに起因する帯電不良や画質低下を防止する。
【0064】該帯電部材の表面凹凸(Rz-y)と感光体表面の表面凹凸(Rz-x、Sm-x)を好適な状態にする事により、帯電部材通過中での該帯電部材表面と該感光体の表面の近接状態が安定し、異常電流、帯電不良を防止し、高画質な画像を安定して得ることができる。
【0065】例えば、前露光を有する電子写真装置、特にアモルファスシリコン系感光体を使用した電子写真装置においては、帯電部材から感光体に電圧印加中の電流が多い場合にはDC電流(Idc)で約10μA/cm2〔全電流で約250μA〕以上という電流が流れる。その際、該帯電部材と感光体の微視的な近接状態を安定に保持することにより放電、即ち電荷の移動がスムーズになり、帯電のむらや異常放電の発生を防止する。又、感光体表面且つ/又は帯電部材を機械的に損傷する危険性が減少し、装置の長寿命化、メンテナンスフリーに有利である。更に、帯電部材を感光体回転方向に非平行に移動或いは振動させることにより、近接状態が感光体、帯電部材の長軸方向でならされる(平均化される)ことにより、特定の部位の帯電部材の劣化を防止することができる。これにより、プロセススピードや像保持部材の帯電設定等の画像形成装置の設定変更に対し、耐久性その他、広範囲に対応出来る。感光体等の被帯電体202は従来のものと同じものでも良いが、必要に応じて後述する新規な感光体を用いる。
【0066】〔感光体〕前述の問題を解決する為の一つの手段として、本発明者らは感光体表面の微細粗さに注目し、該微細粗さを規定し、上記磁性粒子の表面粗さとの相関を規定することにより、長期にわたり極めて好適な画像安定化が達成される事を見いだした。
【0067】前述の問題を解決する為の、もう一つの手段として、本発明者らは上記の条件に加え、温度依存性が小さく、かつ表面耐久性に優れた感光体を用い、長期にわたり極めて好適な画像安定化が達成される事を見いだした。
【0068】〔有機光導電体(OPC)〕本発明に用いた好適な感光体の一形態であるOPC感光体について以下に述べる。図15、図16は、本発明の画像形成装置用感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。
【0069】図16(b)に画像形成装置用感光体の一例を示す。OPC感光体1100は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1102が設けられている。該感光層1102は電荷発生層1107、電荷輸送層1108からなり、必要に応じて、保護層ないし表面層1109、及び支持体1101と電荷発生層1107の間に中間層を設けて構成されている。
【0070】本発明に用いられるOPC感光体、すなわち表面層、光導電層、必要に応じて設けられる中間層、特にその表面層は、前述の帯電部材からの放電電荷を効率的に受容し、該電荷を有効に保持することが必要である。
【0071】本発明者らは、特に表面層で高融点ポリエステル樹脂と硬化樹脂の混成材等の高抵抗樹脂等の材料が、それぞれの樹脂成分の特性を相乗的に作用させあい、こうした条件を満足する事を見いだした。また該材料中にSnO2など金属酸化物等の電荷保持粒子を分敵させた材料を用いてもよい。
【0072】本発明の電子写真感光体の表面層、光導電層、電荷輸送層及び電荷発生層の形成にもちいる樹脂の一例を説明する。
【0073】ポリエステルとは酸成分とアルコール成分との結合ポリマーであり、ジカルボン酸とグリコールとの縮合あるいはヒドロキシ安息香酸のヒドロキシ基とカルボキシ基とを有する化合物の縮合によって得られる重合体である。酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を用いる事が出来る。グリコール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメチロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を使用することが出来る。
【0074】尚、前記ポリエステル樹脂が実質的に線状である範囲でペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ピロメリット酸及びこれらのエステル形成誘導体等の多官能化合物を共重合させても良い。
【0075】本発明に用いるポリエステル樹脂としては、高融点ポリエステル樹脂を用いる。高融点ポリエステル樹脂としては、オルソクロロフェノール中36℃で測定した極限粘度が0.4dl/g以上、好ましくは0.5dl/g以上、更に好ましくは0.65dl/g以上のものが用いられる。
【0076】好ましい高融点ポリエステル樹脂としては、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂が挙げられる。ポリアルキレンテレフタレート系樹脂は酸成分として、テレフタール酸、グリコール成分として、アルキレングリコールから主としてなるものである。
【0077】その具体例としては、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分とから主としてなるポリエチレンテレフタレート(PET)、テレフタル酸成分と1,4−テトラメチレングリコール(1,4−ブチレングリコール)成分とから主としてなるポリブチレンテレフタレート(PBT)、テレフタル酸成分とシクロヘキサンジメチロール成分とから主としてなるポリシクロヘキシルジメチレンテレフタレート(PCT)等をあげることができる。他の好ましい高分子量ポリエステル樹脂としては、ポリアルキレンナフタレート系樹脂を例示できる。ポリアルキレンナフタレート系樹脂は酸成分としてナフタレンジカルボン酸成分とグリコール成分としてアルキレングリコール成分とから主としてなるものであって、その具体例としては、ナフタレンジカルボン酸成分とエチレングリコール成分とから主としてなるポリエチレンナフタレート(PEN)等を挙げることができる。
【0078】高融点ポリエステル樹脂としては、その融点が好ましくは160℃以上、特に好ましくは200℃以上のものである。
【0079】ポリエステル樹脂の他に、アクリル樹脂を使用しても良い。又、バインダとしては2官能アクリル、6官能アクリル、ホスファゼン等が使用される。
【0080】これらの樹脂は、比較的結晶性が高く、硬化樹脂ポリマー鎖と高融点ポリマレ鎖との柑互の絡み合いが均一かつ密になって、高耐久性の表面層を形成できるものと考えられる。低融点ポリエステル樹脂等の場合には、結晶性が低いので、硬化樹脂ポリマー鎖との縮み合いの程度が大きいところと小さいところが生じ、耐久性が劣るものと考えられる。
【0081】表面層には、SnO2等の電荷保持材を分散させた物を用いてもよい。その際、使用条件等により適宜に選択された分散量を用い、抵抗値、帯電効率を制御する事が好ましい。
【0082】また、該感光体の表面は感光体形成条件を調整、適した径の研磨材による研磨、或いは混入する粒子の径、量等を調整する等して微細表面粗さを調整する事ができる。
〔アモルファスシリコン系感光体(a−Si)〕本発明に用いた好適な感光体の一形態であるアモルファスシリコン系感光体(以下ra−Si感光体」と称する)について以下に述べる。
【0083】本発明に係るa−Si系感光体は周知の、導電性支持体と、シリコン原子を母体とする非単結晶材料から成る光導電層を有する感光層とから構成され、感光体でもかまわないが、必要に応じて特性を向上させた物を用いる。
【0084】本発明の、特性を向上させたa−Si系感光体は、光導電層は10〜30原子%の水素を含み、光吸収スペクトルの指数関数裾(アーバックテイル)の特性エネルギーが50〜60meVであって、かつ局存状態密度が1×1014〜1×1016cm-3であることを特徴としている。上記したような構成をとるように設計された画像形成装置用感光体は、帯電能の温度依存性をはじめ、極めて優れた電気的、光学的、光導電的特性、画像品質、耐久性及び使用環境特性を示す。以下、図面に従って本発明の光導電部材について詳細に説明する。図15は、本発明の画像形成装置用感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。図15(a)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1102が設けられている。該感光層1102はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103で構成されている。
【0085】図15(b)は、本発明の画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。図15(b)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1102が設けられている。該感光層1102はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103と、アモルファスシリコン系表面層1104とから構成されている。
【0086】表面層1104は、上記アモルファスシリコン系に限らず、非晶質炭素(a−c:H)あるいはフッ素による処理、且つ/又は、フッ素を含有したもの(a−C:H:F)を用いても良い。
【0087】図15(c)は、本発明の画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。図15(c)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1102が設けられている。該感光層1102はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103と、アモルファスシリコン系表面層1104と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層1105とから構成されている。
【0088】図15(d)及び図16(a)は、本発明の画像形成装置用感光体のさらに他の層構成を説明するための模式的構成図である。画像形成装置用感光体1100は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1102が設けられている。該感光層1102は光導電層1103を構成するa−Si:H,Xからなる電荷発生層1107ならびに電荷輸送層1108と、アモルファスシリコン系表面層1104とから構成されている。
【0089】〔支持体〕支持体としては、導電性でも電気絶縁性であっでもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
【0090】また、支持体1101の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体1100を形成し得るように適宜決定するが、支持体1101は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされる。
【0091】特にレーザー光などの可干渉光を用いて像記録を行う場合には、可視画像において現われる、いわゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するために、光生成キャリアの減少が実質的にない範囲で支持体1101の表面に凹凸を設けてもよい。支持体1101の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−168156号公報、同60−178457号公報、同60−225854号公報、同61−231561号公報等に記載された公知の方法により作成される。
【0092】又、レーザー光等の可干渉光を用いた場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するさらに別の方法として、感光層1102内、或いは該層1102の下側に光吸収層等の干渉防止層或いは領域を設けても良い。
【0093】又、支持体の表面に微細なキズをつけることにより感光体表面の微細粗さを制御する事もできる。キズの作成は研磨材を使用しても良いし、化学反応によるエッチングやプラズマ中のいわゆるドライエッチング、スパッタリング法等を用いても良い。この際に該キズの深さ、大きさは光生成キャリアの減少が実質的にない範囲であれば良い。
【0094】〔光導電層〕図15に示すように、本発明に於いて、その目的を効果的に達成するために支持体1101上、必要に応じて下引き層(不図示)上に形成され、感光層1102の一部を構成する光導電層1103は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成される。具体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、所望の特性を有する画像形成装置用感光体を製造するに当たっての条件の制御が比較的容易であることからしてグロー放電法、特にRF帯、μW帯またはVHF帯の電源周波数を用いた高周波グロー放電法が好適である。
【0095】グロー放電法によって光導電層1103を形成するには、基本的には周知のごとくシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体1101上にa−Si:H、Xからなる層を形成すればよい。
【0096】また、シリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させるために、光導電層1103中に水素原子または/及びハロゲン原子が含有されることが必要であるが、水素原子またはハロゲン原子の含有量、または水素原子とハロゲン原子の和の量はシリコン原子と水素原子または/及びハロゲン原子の和に対して10〜30原子%、より好ましくは15〜25原子%とされるのが望ましい。
【0097】そして、形成される光導電層1103中に水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるように図り、本発明の目的を達成する膜特性を得るために、これらのガスに更にH2および/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形成することが必要である。また、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し支えないものである。
【0098】また本発明において使用されるハロゲン原子供給用の原料ガスとしては、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく用いられる。また、シリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。本発明において好適に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的にはフッ素ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF4、Si26等のフッ化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
【0099】光導電層1103中に含有される水素原子または/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体1101の温度、水素原子または/及びハロゲン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0100】本発明においては、光導電層1103には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層1103中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
【0101】前記伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
【0102】第IIIb族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。
【0103】光導電層1103に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、好ましくは1×10-2〜1×104原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子ppmとされるのが望ましい。
【0104】伝導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、光導電層103を形成するための他のガスとともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0105】そのような第IIIb族原子導入用の原料物質として具体的には、硼素原子導入用としては、B26、B410、B59、B511、B610、B612、B614等の水素化硼素、BF3、BC13、BBr3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlC13、GaCl3、Ga(CH33、InCl3、TlCl3等も挙げることができる。
【0106】第Vb族原子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P24等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsCl3、ASBr3、ASF5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
【0107】また、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2および/またはHeにより希釈して使用してもよい。
【0108】さらに本発明においては、光導電層1103に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子を含有させることも有効である。炭素原子及び/または酸素原子/及びまたは窒素原子の含有量はシリコン原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子の和に対して、好ましくは1×10-5〜10原子%、より好ましくは1×10-4〜8原子%、最適には1×10-3〜5原子%が望ましい。炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子は、光導電層中にまんべんなく均一に含有されても良いし、光導電層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0109】本発明において、光導電層1103の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは20〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最適には25〜40μmとされるのが望ましい。
【0110】さらに、支持体1101の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜310℃とするのが望ましい。
【0111】光導電層を形成するための支持体温度、ガス圧等の条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0112】〔表面層〕本発明においては、上述のようにして支持体1101上に形成された光導電層1103の上に、更にアモルファスシリコン系の表面層1104を形成することが好ましい。この表面層1104は自由表面1106を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
【0113】表面層1104は、アモルファスシリコン系の材料であればいずれの材質でも可能であるが、例えば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材料が好適に用いられる。
【0114】該表面層1104は、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法など周知の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作製される画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、感光体の生産性から光導電層と同等の堆積法によることが好ましい。
【0115】例えば、グロー放電法によってa−SiC:H、Xよりなる表面層1104を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得る、Si供給用の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層1103を形成した支持体1101上にa−SiC:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0116】表面層をa−SiCを主成分として構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対して30%から90%の範囲が好ましい。また表面層内の水素含有量を30原子%以上70%以下に制御することで電気的特性及び高速連続使用性において飛躍的な向上とを図り、表面層の高い硬度を確保できる。表面層中の水素含有量は、H2ガスの流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。表面層1104中に含有される水素原子または/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体1101の温度、水素原子または/及びハロゲン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子は、表面層中にまんべんなく均一に含有されても良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0117】さらに本発明においては、表面層1104には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層1104中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。前記伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、「第IIIb族原子」または「第Vb族原子」を用いることができる。また、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0118】本発明に於ける表面層1104の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられる。
【0119】本発明の目的を達成し得る特性を有する表面層1104を形成するには、支持体1101の温度、反応溶器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定する必要がある。表面層を形成するための支持体温度、ガス圧等の条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。さらに本発明に於いては、光導電層と表面層の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表面層より減らしたブロッキング層(下部表面層)を設けることも帯電能等の特性を更に向上させるためには有効である。
【0120】また表面層1104と光導電層1103との間に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子の含有量が光導電層1103に向かって減少するように変化する領域を設けても良い。これにより表面層と光導電層の密着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の影響をより少なくすることができる。その他に、表面層として炭素を主体として、内部且つ/又は最表面にフッ素との結合を有する非晶質炭素膜(以下「a−C:H:F」と表記する)を使用しても良い。
【0121】表面層1104が非単結晶質のカーボンから成る場合の例を示す。原料ガスとしては炭化水素を用い、高周波によりグロー放電分解して作製される。表面保護層としては透明度が高い方が感度の低下が少なく好都合であるので、必要に応じて水素や、ヘリウム、アルゴン等のガスが適宜混合される。また、基板温度は室温から350℃までで適宜に温度調整される。
【0122】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、CH4、C26、C38、C410等のガス状態の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、炭素供給効率の良さ等の点でCH4、C26が好ましいものとして挙げられる。また、これらの炭素供給用の原料ガスを必要に応じて、H2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0123】高周波電力については、出来るだけ高い方が炭化水素の分解が充分に進むため好ましいが、異常放電が発生してしまい、電子写真感光体の特性を劣化させるので、異常放電が発生しない程度の電力に抑える必要がある。具体的には炭化水素の原料ガスに対して10W/cc以上が好ましく、適宜調整される。
【0124】放電空間の圧力については100mTorr以下、より好ましくは50mTorr以下、更に好適には10mTorr以下、圧力の下限は放電が安定して立つ領域であればどれだけ低くても本発明の効果は充分に得られる。
【0125】フッ素原子が膜中に結合した領域を作成するためには、a−Cからなる表面保護層を作成した後にフッ素を含有したガスを導入し、適宜な高周波電力でプラズマを発生させて表面保護層のエッチング処理を行う事によって表面保護層の膜中にフッ素原子を含有させる。また、電力は10Wから5000Wまで、各々のエッチング速度に鑑み、適宜決定される。また、同様に処理空間の圧力も1mTorrから数Torrの範囲で適宜決定される。
【0126】本発明の効果を得る為に用いられるフッ素系のガスとしてはCF4、CHF3、C26、ClF3、CHClF2、F2、C38、C410等のフッ素含有ガスを用いれば良い。
【0127】エッチングする膜厚に関しては最小20Å以上あれば本発明の効果は得られる。100A以上エッチングすると、再現性、均一性が向上し、更に好ましい。エッチングする膜厚は20〜100Å以上あればどれだけエッチングしても本発明の効果は得られるので任意に決めて良いが、制御の容易性と工業的な生産性から言えば1000Å〜5000Å以下程度が好ましいと考えられる。本発明の効果を得ながら、表面を荒らさず、「す」を発生させずに最も効果的にフッ素原子を最表面に結合させるために、エッチング速度は0.1Å/secから50Å/secの間が好ましい。
【0128】〔電荷注入阻止層〕本発明の画像形成装置用感光体においては、導電性支持体と光導電層との間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を設けるのがいっそう効果的である。すなわち、電荷注入阻止層は感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
【0129】該層に含有される伝導性を制御する原子は、該層中にまんべんなく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向にはまんべんなく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するように含有させるのが好適である。いずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な分布でまんべんなく含有されることが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0130】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御する原子としては、半導体分野におけるいわゆる不純物を挙げることができ、「第III族原子」または「第V族原子」を用いることができる。
【0131】本発明において、電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
【0132】本発明においては、電荷注入阻止層を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、支持体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、これらの層作成ファクターは通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する表面層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて各層作製ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
【0133】また、本発明の画像形成装置用感光体に於いては、支持体1101と光導電層1103あるいは電荷注入阻止層105との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例えば、Si34、SiO2、SiO、あるいはシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良い。更に、前述のごとく、支持体からの反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設けても良い。各層を製造後に表面粗さを調整する為にSiC粉やダイヤモンド粉その他適宜な材料を使用した研磨、或いはプラズマ等による表面粗さ処理を行なっても良い。上記の各層は、例えば図8や図9に示される様な周知の装置および膜形成方法にて製造される。
【0134】図8は電源周波数としてRF帯を用いた高周波プラズマCVD法(以後「RF−PCVD」と略記する)による画像形成装置用感光体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。
【0135】この装置は大別すると、堆積装置(3100)、原料ガスの供給装置(3200)、反応容器(3111内を減圧にするための排気装置(不図示)から構成されている。堆積装置(3100)中の反応容器(3111)内には円筒状支持体(3112)、支持体加熱用ヒーター(3113)、原料ガス導入管(3114)が設置され更に高周波マッチングボックス(3115)が接続されている。
【0136】原料ガス供給装置(3200)は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガスのボンベ(3221〜3226)とバルブ(3231〜32、36、3241〜3246、3251〜3256)およびマスフローコントローラー(3211〜3216)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(3260)を介して反応容器(3111)内のガス導入管(3114)に接続されている。次に、電源にVHF帯の周波数を用いた高周波プラズマCVD(以後「VHF−PCVD」と略記する)法によって形成される画像形成装置用感光体の製造装置は、例えば図8に示した製造装置におけるRF−PCVD法による堆積装置(3100)を図9に示す堆積装置(4100)に交換して原料ガス供給装置(3200)と接続することにより、得ることができる。
【0137】この装置は大別すると、真空気密化構造を成した減圧にし得る反応容器(4111)、原料ガスの供給装置(3200)、および反応容器内を減圧にするための排気装置(不図示)から構成されている。反応容器(4111)何には円筒状支持体(4112)、支持体加熱用ヒーター(4113)、原料ガス導入管(4114)、電極が設置され、電極には更に高周波マッチングボックス(4120)が接続されている。また、反応容器(4111)内は排気管(4121)を通じて不図示の拡散ポンプに接続されている。
【0138】原料ガス供給装置(3200)は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガスのボンベ(3221〜3226)とバルブ(3231〜3236、3241〜3246、3251〜3256)およびマスフローコントローラー(3211〜3216)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(3260)を介して反応容器(4111)内のガス導入口(4115)に接続されている。また、円筒状支持体(4112)によって取り囲まれた空間(4114)が放電空間を形成している。
【0139】〔画像形成装置〕図4、5中の202は像担持体である感光ドラムであり、矢印Xの時計方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動されるドラム型の電子写真感光体である。
【0140】該感光体の表面層の抵抗値は、その電荷保持能、帯電効率等の電気的特性を良好に有し、電圧により表面層が損傷する、いわゆるピンホールリークを防止する為に、1×1010〜5×1015Ωcmなる抵抗を有する事が好ましい。より好ましくは1×1012〜1×1014Ωcmである。
【0141】該抵抗値の測定はHIOKI社(メーカー)製のMnテスターで250V〜1kVの印加電圧における測定にて行なった。
【0142】図6は帯電部材201の構成を示す為の断面該略図である。201は導電性ローラーからなる帯電部材であり、図示のように、芯金となる導電性基体201−3、導電性弾性層201−2及びその面上に形成した中抵抗層201−1とからなり、該感光体202に加圧当接する為に、必要に応じて加圧用バネ2014で加圧される。
【0143】該帯電部材201の抵抗値は、図14で示される様に、良好な帯電効率を保持する為、一方ではピンホール防止の為にHIOKI社(メーカー)製のMΩテスターで250V〜1kVの印加電圧における測定にて、全体抵抗で1×103〜1×109Ωなる抵抗を有する事が好ましい。より好ましくは1×105〜1×107Ωである。
【0144】図7は帯電部材201の設置状態の一例を示す図である。帯電部材201には図に示すように電圧印加手段が付随し、該電圧印加手段により直流電圧Vdc或いは交流を重乗した電圧Vacが帯電部材の中抵抗層201−1に印加されて、回転駆動されている感光体202の外周面が均一に帯電される。
【0145】像担持体であるところの感光体202と接触帯電部材201の距離は、そのニップ制御の為に導電性弾性層201−2の硬度調整および加圧用ばね2014により安定的に設定されることが好ましい。その他にニップ調整用の機構を設けても良い。
【0146】「図3:近接領域モデル」:該接触型帯電部材201と感光体202の表面の微細粗さ及び近接状態を図3にモデル化して表してある。感光体202表面と帯電部材201の表面に位置する中抵抗層201−1(図6)との近接領域での距離は、図の様に該帯電部材の表面粗さと感光体の微細表面粗さの比により変化する。
【0147】「図1:近接領域均一性グラフ」:該帯電部材201の表面粗さRz-y、および感光体202の表面の進行方向における微細表面粗さRz-xと凹凸平均距離Sm-xについて、各々の比と近接状態均一性の相関としてそれぞれ図1(a)、図1(b)に示してある。
【0148】図1(a)より、0.5≦Rz-y/Rz-x≦300、より好ましくは1≦Rz-y/Rz-x≦200の時に、良好な帯電均一性、良好な耐久性が得られた。また、図1(b)より、0.01≦Rz-y× Rz-x≦20〔μm2〕、より好ましくは0.05≦ Rz-y× Rz-x≦10〔μm2〕の時に、良好な帯電均一性、良好な耐久性が得られた。
【0149】また、図1(c)より、Rz-yと前記被帯電体の進行方向における該被帯電体表面の凹凸の平均間隔Sm-xが、1×10-4≦Sm-x/Rz-y≦1×10-2のとき、より好ましくは2×10-4≦Sm-x/Rz-y≦5×10-3のときに、良好な放電均一性、耐久性が得られた。
【0150】上記の範囲で帯電均一性、即ち放電均一性の効果が、或いは特に該帯電部材を連れ廻りで使用する場合等、帯電部材の表面が均等に帯電行程に当たらない事等によるとみられる、特に該帯電部材の周方向における局所的な劣化を防止する効果がみられた。
【0151】評価方法は上記ともに下記の方法で行なった。帯電均一性、即ち放電均一性の評価はキャノン製NP6062内蔵のドラム表面電位センサを改造して行なった。該電位センサを帯電部材の感光体回転方向上流側の、放電の影響を実質的に受けない範囲で帯電部材最近傍に設置して感光帯電位の周方向むら、長軸方向むらを測定し、その電位ばらつき範囲で評価した。
【0152】具体的には、被測定物となる帯電部材の導電性弾性層および中抵抗層を長軸方向で5mm以下の矩尺とした物、および感光体を図5に示す装置に投入した。さらに感光体の周速度(プロセススピード)を、50〜250mm/secの範囲で変化させ、除電光源209の除電光に暴露した状態でDC電圧印加し、通紙を行なわない状態で空回転し、帯電電流および上記の感光体表面電位の安定性を測定した。その結果から耐久前後の放電安定性を下記1〜5にランク付けした。ここでのランクは、電位むら、電流むらが5:非常に良好=従来の系の初期のむらに対して40%未満4:良好=従来の系の初期のむらに対して60%未満3:やや良好=従来の系の初期のむらに対して80%未満、2:実用上問題なし=従来の系の初期のむらに対して100%未満1:実用上やや難あり=従来の系の初期のむらに対して100%以上である。
【0153】「図2:放電均一性−帯電性グラフ(耐久後)」:図1の放電安定性に対し、各々それに相当する条件で50万枚画像出し相当の耐久実験を行なった後の「帯電均一性」の相関を図2に示す。帯電部材に1000VのVdcを印加した時の1周目での帯電部材直後電位を示してある。放電均一性が増加する、即ち局部的な異常放電を抑制することで耐久後の帯電性も向上し、システムとしての安定性、耐久性の向上が見られる。なお、該評価において、2分以上の帯電行程継続後の定常状態の表面電位は700±3Vであった。
【0154】これらより、帯電部材と感光体の微細表面粗さの比を適した範囲に制御する事により、帯電特性が向上する。又、接触面積比が大きくなる事により、帯電均一性が向上し、さらに高精細な画像に対応できる。なお、帯電部材の表面粗さ、及び感光体表面の粗さの各値は、感光体の感度特性等の電子写真特性に実質的に影響のない範囲であれば良い。
【0155】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0156】〔実施例1〕図8に示すRF−PCVD法による画像形成装置用感光体の製造装置を用い、直径(φ)301mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダーと、該シリンダーを、前述の公知の方法で凹凸処理を施した物を使用した。これらのシリンダー上に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。さらに光導電層のSiH4とH2との混合比ならびに放電電力を変えることによって、種々の感光体を作製した。
【0157】
【表1】

作成した感光体は、必要に応じてSiC粉体やダイヤモンド粉体等の研磨材を使用して表面粗さを調整した。作製した感光体を画像形成装置(キャノン製GP55IIをテスト用に改造)にセットして、帯電能の温度依存性(温度特性)、メモリーならびに画像欠陥を評価した。本改造機において、転写、分離帯電器206(a)、同(b)は図の如くローラー帯電器、またはベルト状帯電器にし、この部位でのコロナによるオゾン発生を極力抑制する様にした。温度特性は、感光体の温度を室温から約45℃まで変えて帯電能を測定し、このときの温度1℃当たりの帯電能の変化を測定して、2V/deg以下を合格と判定した。
【0158】また、メモリー、画像流れについては、画像を顕微鏡による画像観察を含む目視により判定し、1:非常に良好、2:良好、3:実用上問題なし、4:実用上やや難ありの4段階にランク分けした。一方、円筒形のサンプルホルダーに設置したガラス基板(コーニング社7059)ならびにSiウェハー上に、光導電層の作製条件で膜厚約1μmのa−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはAlの串型電極を蒸着し、CPMにより指数関数裾の特性エネルギー(Eu)と局存準位密度(D.O.S.)を測定し、Siウェハー上の堆積膜はFT−IR(フーリエ変換赤外吸収)により含有水素量を測定した。このときのEuと温度特性との関係を図10に、D.O.S.とメモリー、画像流れとの関係を図11、図12に示す。いずれのサンプルも水素含有量は10〜30原子%の間であった。
【0159】図10、図11ならびに図12から明らかなように、サブバンドギャップ光吸収スペクトルから得られる指数関数裾の特性エネルギー(Eu)が50〜60meV、かつ伝導帯端下の局在状態密度(D.O.S.)が1×1014〜1×1016cm-3である事が良好な電子写真特性を得る好適条件である事がわかった。又、同様に表面層のサンプルを作成し、櫛型電極を用いて抵抗値の測定を行なった。
【0160】一方、帯電部材201は以下の条件で製作した。帯電部材201の導電性基体201−1はSUSを用いた。導電性弾性層は、アクリルゴムからなるソリッド状ゴムにカーボンブラックを分散させて、該導電性基体にφ14mmのローラー状になる様に構成した。さらに該ローラー上に、中抵抗層として、ポリエステル樹脂にカーボンブラックを分散させ、外径φ16mmのローラー状帯電部材を構成した。又、本実施例ではニップ幅を6乃至6.5mmとした。これは図7の様に、バネを用いてニップ調整を行った。該バネ部は不図示の調整機構によりニップ巾を変更することができるようにした。該帯電部材の形成行程の調整により微細表面の表面粗さRz-yを調整した。作製した感光体、帯電部材を、キャノン製GP55IIを改造し、図5に示した様な画像形成装置にセットした。
【0161】環境対策ヒーター223はOFFにして帯電能力を評価した。結果を図14に示す。帯電効率を良好に保持し、一方でリークポチや、感光体表面の微小欠陥から、帯電部材長袖方向で電位が低下してしまう事の防止等のために全体抵抗として1×103〜1×109Ωなる抵抗を有することが好ましい。より好ましくは1×105〜1×107Ωである。
【0162】帯電部材抵抗が1×103Ω未満だった場合は、異常放電、ピンホールが発生し、またその部位においては該ピンホールに電流が集中し、感光体長軸方向に帯電不良が生じる、或いは感光体が破損する危険性がある。また、1×109Ω以上の領域では帯電効率低下、また環境による帯電性変動が増加した。
【0163】前記感光体の中から下記aからfを、また帯電部材の中から下記AからFをそれぞれ用い、以下の耐久試験をした。
【0164】図5に示す様な画像形成装置を用い、23℃、50%RHの環境で3万枚の耐刷試験を行い、耐久に伴う放電電流の変化、帯電均一性の変化および前後の画質を比較した。なお、耐久に際しても上記ヒーター223はOFFにした。画像は目視判断の他、耐久後の画質の保持率の判断の1つとして、耐久に伴い帯電部材表面が劣化し、剥離した該表面成分が現像器或いはコピー用紙に移動する事、或いは帯電ローラーや感光体の局部的劣化、局所的な帯電不良による局所的な濃度変化を測定した。該画像濃度測定はベタ自画像及びハーフトーン画像における局所的な濃度変化をマクベス社製反射濃度計により測定した。
【0165】帯電部材100への印加電圧条件は、900VのVdcに、3kHz、1.5kVppのVacを重乗した。プロセススピードは200mm/secとした。
【0166】又、帯電部材は感光体と同方向、即ち感光体との当接面で、感光体に連れ廻り進行する(本実施例では帯電部材の駆動用部材を特に設けていない)。又、帯電部材巾の帯電部材等の劣化や不均一帯電による画質への影響と、ニップ巾等の他の要因による影響等を分離する為、ニップ巾等の帯電部材条件を一定に保持して耐久を行なった。感光体の表面粗さ、及びその他の条件は、表2に示す通りである。
【0167】
【表2】

帯電部材の表面粗さ、及び23℃、50%RH環境下で測定した帯電部材の全体抵抗は、表3に示す通りである。
【0168】
【表3】

耐久前後の画像の評価結果を表4に示す。本実施例においては、0.5≦Rz-y/Rz-x≦300および0.01≦Rz-y×Rz-x≦20〔μm2〕を満たすため、均一な放電が維持され、その結果良好な画質が維持された。また、感光体及び帯電部材表面に傷等は認められなかった。
【0169】
【表4】

〔実施例2〕実施例1同様、図5に示す製造装置を用い、表5に示す作製条件で画像形成装置用感光体を作製した。このときの光導電層のEuとD.O.S. は、それぞれ55meV、2×1015cm-3であった。
【0170】
【表5】

感光体表面は表面粗さRz-xを実施例1の感光体cと同じにして、シリンダー切削、且つ/又は成膜後の研磨工程で平均凹凸間距離Sm-xを変化させ表6に示す感光体i〜viを得た。
【0171】
【表6】

これに、抵抗、硬度等が実施例1の帯電部材Cと同様の物を成型工程で表面粗さRz-yを変化させ、表7に示すI〜VIを使用した。
【0172】
【表7】

帯電部材への印加電圧条件、プロセススピード、及び帯電部材の回転等は実施例1と同様にした。実施例1と同様の評価をした結果を表8に示す。
【0173】
【表8】

本実施例においては、感光体表面のSm-xと帯電部材表面粗さRz-yの比Sm-x/Rz-yが、1×10-4≦Sm-x/Rz-y≦1×10-2を満たすため、帯電部材の局部的な劣化や帯電不良等を抑制し、また良好な画像が更に長期にわたり安定して得られた。
【0174】〔実施例3〕実施例1で用いた感光体c、帯電部材C、および画像形成装置を用い、32.5℃、85%RHの環境下で実施例1と同様の耐久前後の評価をしたところ、実施例1同様に良好な画像、結果が得られた。また、高湿環境で特に懸念される高湿画像流れ、まだらスジ、かぶりもなく高画質な画像を安定して得られた。また、暗状態電位は耐久前後の差は認められなかった。
【0175】〔実施例4〕実施例1で用いた感光体c、帯電部材C、および画像形成装置を用い、15℃、10%RHの環境下で実施例1と同様の耐久前後の評価をしたところ、初期の帯電効率が実施例1と比較して10〜20V低下したが、これは帯電部材自体の抵抗値の環境依存性に相当する値であり、抵抗値を考慮した使用条件下では帯電効率は同等であった。上記磁性粒子Cを使用して実施例1と同様の耐久を行なった結果、実施例1と同様に良好な画像、結果が得られた。また、暗状態電化は耐久前後の差は認められなかった。
【0176】いわゆるローラー帯電において、帯電部材、感光体間の放電は接触域(ニップ)前後の近接領域でなされる。放電はその近接距離を含めた空間の容量、感光体と帯電部材の電位差により発生し、感光体が帯電される。そのために目標とする感光体の表面電位よりも高いDC電圧を印加、或いは目標同等のDC電圧にAC電圧を印加する等の方法が採られる。特にa−Si系感光体系では、帯電前露光、帯電行程の後に感光体の表面電位が減少する、いわゆる「暗減衰」特性が有り、帯電部材での印加電圧現像位置で必要な電圧よりも高く設定している。また、電気容量が大きい為、帯電に必要な電荷量も大きいため電流値が大きく、異常放電の発生を抑制することで、樹脂等からなる帯電ローラーからなる帯電部材の劣化を防止する効果が大きくなる。したがって、帯電部材と感光体表面の表面粗さ、凹凸間距離の相関を適宜な範囲に規定することにより、上記要因等による、局所的且つ/又は全体的な異常放電を効果的に防止し、均一な帯電を長期に安定して得ることができるのである。
【0177】〔実施例5〕図9に示すVHF−PCVD法による画像形成装置用感光体の製造装置を用い、実施例1と同様に直後30mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に表5に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。
【0178】
【表9】

さらに光導電層のSiH4とH2との混合比、放電電力支持体温度ならびに内圧を変えることにより、種々の感光体を作製した。一方、光導電層の作製条件で、円筒形のサンプルホルダーに設置したガラス基板(コーニング社7059)ならびにSiウェハー上に膜厚約1μmのa−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはAlの串型電極を蒸着して、CPMにより指数関数裾の特性エネルギー(Eu)と局在準位密度(D.O.S.)を測定し、Siウェハー上の堆積膜はFTIRにより含有水素量ならびにSi−H2結合とSi−H結合の吸収ピーク強度比を測定した。Eu、D.O.S.と温度特性、メモリー、画像流れとの関係は実施例1と同様であり、良好な電子写真特性のためにはEu=50〜60meV、D.O.S.=1×1014〜1×1016cm-3であることが好ましいことがわかった。さらに、図13に示すSi−H2/Si−Hとガサツキとの関係から、Si−H2/Si−H=0.2〜0.5の範囲にすることが好ましいことがわかった。
【0179】この感光体のうち、Eu、D.O.S.およびSi−H2/Si−Hが、各々54meV、8×1014cm-3、0.29の感光体について、表面層にはa−C:H、表5に示す方法等によりa−C:H:F表面層を研磨し実施例1のcと同様の感光体にした。またa−C:Hを研磨した上にCF4でプラズマ処理することにより、差異表面にフッ素を結合させた、実施例1のcと同等のRz-x、Sm-xを有する感光体に形成した。上記各感光体を、実施例1の帯電部材Cと同じものを使用して実施例1の環境下で、実施例1同様の耐久評価を行ったところ、良好な結果を得た。また、実施例3同様の高湿高温環境において、同様の耐久を行なった結果、純水の接触角の保持率が向上していた。接触角が大きい程、撥水性が良好であることを示す。従って、画像流れへの耐性が向上しているといえる。
【0180】〔実施例6〕外径30mmのアルミニウムシリンダーを基体とし、これにアルコキシメチル化ナイロンの5%メタノール溶液を浸漬法で塗布して、膜厚1μmの下引き層(中間層)を設けた。次にチタニルフタロシアニン原料を10部(重量部、以下同様)、ポリビニルブチラール8部、及びシクロヘキサノン50部を直径1mmのガラスビーズ100部を用いたサンドミル装置で20時間混合分散した。この分散液にメチルエチルケトン70〜120部(適宜)を加えて下引き層上に塗布し、100℃で5分間乾燥して0.2μmの電荷発生層を形成した。次にこの電荷発生層の上に下記構造式のスチリル化合物10部と【0181】
【化1】

ビスフエノールZ型ポリカーボネート10部をモノクロルベンゼン65部に溶解した。この溶液をデイッピング法によって基体上に塗布し、120℃で60分間の熱風乾燥させて、20μm厚の電荷輪送層を形成させた。次にこの電荷輸送層の表面を研磨材を使用して表面を加工した。さらにその上に以下の方法で膜厚1.0μmの表面層を設けた。酸成分としてテレフタル酸を、またグリコール成分としてエチレングリコールを用いて得られた高融点ポリエチレンテレフタレート(A)[極限粘度0.70dl/g、融点258℃(示差熱測定器を用いて10℃/minの昇温速度で測定した。また、測定サンプルは5mgで、測定しようとするポリエステル樹脂を280℃で溶融後、0℃の氷水で急冷して作成した)、ガラス点移転温度70℃]100部とエポキシ樹脂(B)[エポキシ当量160;芳香族エステルタイプ;商品名:エピコート190P(油化シェルエポキシ社製)]30部とをフェノールとテトラクロロエタン(1:1)混合液100mlに溶解させた。本実施例の感光体は対で作成した。
【0182】一方には更に上記溶液中に電荷保持粒子として、SnO2粉を60wt%混入した。次いで光重合開始剤としてトリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート(C)3部を添加して樹脂組成物溶液を調製した。
【0183】光の照射条件としては、2kW高圧水銀灯(30W/cm)を20cm離した位置から130℃で8秒間照射して硬化させた。
【0184】この様に作成した感光ドラムの表面の微細粗さは、Rz-x=0.98μm、Sm-x=0.0057μmである。該感光体を、実施例1の帯電部材のうち実施例1のDを使用した。また、帯電部材のニップは実施例1同様6〜6.5mmとした。
【0185】この条件下で、実施例3同様に32.5℃、85%の条件下で5万枚の耐刷試験を行い、高湿画像流れ、及びまだらスジ、かぶりに着目し評価した。帯電部材への印加電圧条件は、直流電圧−700Vdcに1.5kHz、1000Vppの交流電圧を重乗した電圧印加を行なった。プロセススピード200mm/secで行った。帯電直後に測定した帯電電位は、耐久前後友に−695〜−700Vであった。評価の結果を表6に示す。
【0186】また、耐久後の感光体表面、帯電部材表面の傷や削れ量に関して、画像上問題となる様な傷、削れは認められなかった。
【0187】これは、帯電部材と感光体の表面粗さの相関を規定した事により放電が局所的、全体的共により安定して均一に行なわれる事、局所的な圧力がかからなくなった事等によるものと考えられる。
【0188】〔実施例7〕実施例6で用いたのと同じ感光体、帯電部材を使用し、15℃10%RHの条件下で実施例6と同様に耐久テストを行った。結果を表6に示す。実施例6と比較して、耐久前後を通して若干の感光体表面電位の差異が有った。これは帯電部材の電気抵抗の環境依存性によるもので、環境による抵抗変化分を考慮すると同等となった。表10より、被帯電体であるところの感光体が、高融点ポリエステル樹脂、及び硬化樹脂を含み、SnO2等の電荷保持粒子を分敵させた表面乱或いはアクリル樹脂小にSnO2等の電荷保持粒子を分散させた表面層等の、電荷保持部材を分散させた硬化樹脂表面層を有してもよい事が判明した。特にキズ等に関しては表面層の機械的強度等も関与しているのであろうと思われる。また、耐久後の感光体表面の傷や削れ観察の結果は実施例6と同様であった。結果を表10に示す。
【0189】
【表10】

〔実施例8〕実施例1で用いた感光体c、帯電部材Cと同じものを使用し、25℃45%RHの条件下で実施例1と同様に耐久テストを行った。その際、画像形成装置に、非帯電行程中に該帯電部材を感光体から最短部で10mm以上の距離を有する様に帯電部材の離脱機構を追加した。これについて実施例1と同様の耐久テストを行なった結果、実施例1同様に良好な結果を得た。
【0190】更に耐久試験後、離脱機構のあるものとないものとの双方を60時間放置し、その後の1枚目の電位、電流むらを比較したところ、離脱機構を有するものの方が、帯電部材の変形が低減されていた。このことは寸法(断面径)を含む断面形状の比較からも確認された。
【0191】〔実施例9〕実施例1で用いた感光体c、帯電部材Cと同じものを使用し、25℃45%RHの条件下で実施例1と同様に耐久テストを行った。その際、耐久テストに使用する画像形成装置に帯電行程中に該帯電部材をその長軸方向、即ち感光体の回転方向に直角方向に0.5mm/sで往復する(レシプロ)機構を設けた。これについて実施例1と同様の耐久テストを行なった結果、実施例1同様に良好な結果を得た。
【0192】更に感光体cの長軸方向の一部を追加研磨し、Rz-x、Sm-xを増大させた。これをレシプロ機構の有無の系にて耐久テスト後、レシプロ機構を設けた方は感光体の位置に相当する帯電部材の劣化が抑制された。また、上記各実施例で帯電部材に直流電圧のみを印加した場合にも、同様の効果が得られた。
【0193】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、帯電部材の表面粗さRz-Yと、被帯電体の表面粗さ、特に平均粗さRz-xや平均凹凸距離Sm-xとの相関を規定しているため、ニップ部近傍のいわゆる近接部分での異常放電を防止し、高画質な画像を長期に渡って得ることができる。
【0194】また、転写帯電器としてローラー状、又はベルト状の部材を用いるため、システム全体としてオゾン発生を抑制することができる。
【0195】また、使用中に主帯電部材を該帯電部材の長軸方向、即ち感光体回転方向に並行でない方向に振動させるため、近接状態のむらを補正し、局部的な劣化を防止することができる。
【0196】また、帯電部材と感光体のニップ巾を規制する手段や、非帯電行程において該帯電部材を被帯電体から離脱する手段を設けているため、長時間の休止による帯電部材の変形や、それによる近接状態の変化、帯電部材表面への感光体の融着を防止することができる。
【0197】また、温度による帯電能力の変化(以下、温度特性と称する)を低減ないしは解消した新規なアモルファスシリコン系感光体を使用するため、環境対策ヒーターのない状態で、装置の立上げ時から一貫して画像濃度変化がない安定な画像を得ることができる。
【0198】また、表面粗さや硬度、摩擦特性、環境耐性に優れた新規な表面層を使用するため、更に良好な耐久性を得ることができる。
【0199】また、コロナ帯電の様に多量のオゾン生成物が発生しない為、いわゆる「高湿流れ」対策が不要になり、ドラムヒーター等の除去に伴い、夜間通電や消費電力が低減されエコロジーの点からも有効である。
【0200】さらに、a−Si系感光体は、特に帯電前に主除電光等により除電を行なう機構を有する場合では帯電電圧を高く設定しなければならず、容量も有機感光体に比較して大きい為大電流となっているが、上記の構成の単独或いは重乗により、以上放電による画像欠陥の防止、帯電部材且つ/又は感光体の寿命延長等大きな効果が現れる。表面硬度も高く長寿命なa−Si感光体において、その作用はより効果的に働く。
【0201】また、帯電部材、また有機感光体を含めたシステムの耐刷寿命が延び、帯電部材交換或いは感光体や帯電部材を含むプロセスカートリッジの交換、すなわちサービスメンテナンスの簡易化が可能となる。
【0202】さらに、感光体上の突起等に起因する画像欠陥或いは該欠陥の成長が低減できる。近接状態の均一化の向上により微細な異常放電等が防止されることで均一に帯電がなされると共に、欠陥部の損傷拡大が防止され画像欠陥の成長が抑制されることによるものと考えられる。
【0203】また、トナーの径を変化させた際、感光体に付着したトナーが剥れにくくなり、画像に黒スジ状の欠陥が生じる「融着」が抑制される。帯電部材が感光体を均一、かつ綿密に摺擦される事によりクリーニング効果が生じているものと考えられる。
【0204】さらに、耐久での磁性粒子の汚染レベルが改善できる。装置中の紙粉等が帯電部材中に混入しても磁性粒子の流動性等により微量の内に帯電部材から放出され易くなり、早期に下流のクリーナー等により系外に除去されるものと考えられる。
【0205】この効果により更に磁性粒子の耐刷寿命の向上を図ることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013