米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> キヤノン株式会社

発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−125988
公開日 平成11年(1999)5月11日
出願番号 特願平9−308129
出願日 平成9年(1997)10月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 徹
発明者 林崎 実
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 像担持体上に画像情報に基づいて形成された静電潜像を、トナー像に現像し、記録材上に転写せしめる画像形成部と、該記録材上の未定着トナー像を定着する定着装置と、該定着装置に高周波電流を供給する手段とを備えた画像形成装置であって、該定着装置は、定着回転体と、該定着回転体に圧接しながら回転自在に配設された加圧部材と、上記定着回転体の内側に配設され上記高周波電流を供給する手段に接続された励磁コイルと、該励磁コイルに対向するように配設された発熱金属体、あるいは上記定着回転体自体を形成する発熱金属体と、上記圧接部周辺に配設された温度測定手段とを備え、上記発熱金属体に発生する渦電流により加熱を行う画像形成装置において、上記高周波電流を供給する手段は、上記温度測定手段からの出力に基づいて温度を制御する温度制御手段を備え、該温度制御手段への電力供給は、画像形成装置本体の電源装置により行われ、上記温度測定手段及び温度制御手段に入力する基準電圧は、画像形成装置本体の電源装置から供給されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 定着回転体は定着ローラまたは耐熱性フィルムであることとする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】 画像形成装置の制御手段により定着許可信号及び温度制御手段の基準となる温度目標設定値の設定を行うこととする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】 温度測定手段を複数備え、温度制御手段は、各温度測定手段からの温度情報に基づいて、比例制御、積分制御、微分制御の各パラメータを得て温度制御を行うこととする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】 定着回転体と加圧部材の圧接部への記録材の通過及び圧接部からの通過を検知する記録材通過検知手段を備え、高周波電流を供給する手段は、該記録材通過検知手段により、記録材が上記圧接部への通過を開始したと判断した時は、該開始時から温度測定手段が有効となるまでの温度測定手段の遅れ時間中に、記録材のサイズ及び厚さと搬送速度により予め定められている電力を供給し、温度測定手段が有効となった時から温度制御を行い、記録材が上記圧接部の通過を終了した時から温度測定手段が有効となるまでの温度測定手段の遅れ時間中、加熱を中断あるいは再び予め定められた電力を供給することとする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセスで形成される現像剤(トナー)像を磁気誘導加熱により定着せしめる定着装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、マイクロフィルムリーダプリンタ、画像表示(ディスプレイ)装置、記録機等の画像形成装置に適用可能な定着装置としては、熱ローラ方式の定着装置が広く用いられている。
【0003】この熱ローラ方式の定着装置は、図8に示すように、アルミニウム等から形成された中空芯金20a上にゴム弾性層20bを有する定着ローラ20と、芯金21a上にゴム弾性層21bを有する加圧ローラ21とを互いに圧接させ、上記定着ローラ20内にハロゲンヒータ等の加熱手段Hを配設したもので、加熱手段Hを発熱させることによりその熱を輻射・対流によって定着ローラ20の芯金20aに伝達させ、搬送手段22により搬送され定着ローラ20と加圧ローラ21の圧接部に挟持された記録材P及びトナーに熱を与えて定着を行っている。
【0004】しかし、この熱ローラ方式の定着装置における温度制御の方式は、定着ローラ20に近接させたサーミスタ等の温度測定手段23による測定温度に基づいて、加熱手段Hと交流電源との間に設けられたトライアック等のスイッチング素子をオン/オフ制御するものであるため、加熱手段Hから定着ローラ20に到達するまでの熱抵抗及び定着ローラ20の熱容量に起因するオーバーシュートが大きくなる場合があった。また、このような熱抵抗及び熱容量により、ウォームアップ時間が長くなるという問題もあった。
【0005】そこで、このような熱ローラ方式の定着装置における問題点を解決するために、磁気誘導加熱方式の定着装置が提案された。例えば、特公平5−9027号公報には、磁束により加熱部材としての定着ローラに渦電流を発生させジュール熱により発熱させる手法が開示されている。
【0006】この磁気誘導加熱方式の定着装置は、渦電流の発生を利用することで、発熱位置をトナーに近くすることができ、ハロゲンランプを用いた熱ローラ方式に比べウォームアップ時間の短縮が達成できるという利点を有するものである。
【0007】また、本発明者等は、磁性材(誘導磁性材、磁性金属部材、磁界吸収導電材、導電部材)と励磁コイルで構成した加熱体に、耐熱カーボン部材等の耐熱性フィルムを密着させて移動自在に配設し、上記励磁コイルに高周波スイッチング電流を印加して高周波磁界を磁性材に磁気結合させ、磁気が及ぼす渦電流損によって磁性材を発熱させ、その熱を耐熱性フィルムを介し被加熱材に熱伝達させるようにした磁気誘導加熱フィルム方式の定着装置を提案した。
【0008】さらに、耐熱性フィルム自体を磁性体にして、これを磁気誘導加熱で発熱させることで、耐熱性フィルムが熱抵抗とならないようにして熱効率を向上させた磁気誘導加熱フィルム方式の定着装置をも提案するに至った。
【0009】これは、励磁コイルに高周波を加えて、その発生磁場の中を移動する磁性材としてのフィルムにおいて磁界の発生消滅を繰り返し、フィルムの中の磁性層に渦電流を発生させるものである。そして、この渦電流が磁性層の電気抵抗によって熱(ジュール熱)に変換され、結果的に被加熱材に密着する加熱部材としてのフィルムのみが発熱するようになっている。
【0010】このように加熱部材としてのフィルムの表層近くを直接発熱させるので、フィルム基層の熱伝導率、熱容量によらず急速に加熱できる利点があり、フィルムの厚さにも依存しない急速加熱が実現できるだけでなく、温度制御の際のオーバーシュートを低減させることができる。
【0011】一方、オーバーシュートを抑える制御方式として、温度測定手段からの温度情報に基づいて、周知のPID制御方式の演算によってその制御量を求め、求めた結果をスイッチング制御素子の導通時間として求め、制御を行う方式も提案されており、定着ローラまたは耐熱性フィルムを用いた上記磁気誘導加熱方式の定着装置において、このPID制御を利用した温度制御方式を用いることにより、省エネルギー及びクイックスタート性を損なうことなく、オーバーシュートの少ない安定した温度制御の可能な定着装置を提供することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のPID制御方式では、基準電圧を発生させるための専用の電源を必要としており、コストが上昇する場合があった。
【0013】また、上記従来のPID制御方式においても、通紙時と非通紙時の温度の相違、あるいは紙質の相違、もしくは周囲温度の変化に応じて理想的な制御を行うには、高速かつ高精度の温度測定手段を用いなければ、安定した制御ができない虞もあった。
【0014】そこで、本発明は、耐熱性フィルムを用いた磁気誘導加熱方式の定着装置において、制御温度のリップルが小さく、また、オーバーシュートのない安定した高精度の温度制御を可能にし、高信頼性かつ生産性に優れた画像形成装置を低コストで提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本出願に係る第1の発明によれば、上記目的は、像担持体上に画像情報に基づいて形成された静電潜像を、トナー像に現像し、記録材上に転写せしめる画像形成部と、該記録材上の未定着トナー像を定着する定着装置と、該定着装置に高周波電流を供給する手段とを備えた画像形成装置であって、該定着装置は、定着回転体と、該定着回転体に圧接しながら回転自在に配設された加圧部材と、上記定着回転体の内側に配設され上記高周波電流を供給する手段に接続された励磁コイルと、該励磁コイルに対向するように配設された発熱金属体、あるいは上記定着回転体自体を形成する発熱金属体と、上記圧接部周辺に配設された温度測定手段とを備え、上記発熱金属体に発生する渦電流により加熱を行う画像形成装置において、上記高周波電流を供給する手段は、上記温度測定手段からの出力に基づいて温度を制御する温度制御手段を備え、該温度制御手段への電力供給は、画像形成装置本体の電源装置により行われ、上記温度測定手段及び温度制御手段に入力する基準電圧は、画像形成装置本体の電源装置から供給されることにより達成される。
【0016】また、本出願に係る第2の発明によれば、上記目的は、上記第1の発明において、定着回転体は定着ローラまたは耐熱性フィルムであることにより達成される。
【0017】さらに、本出願に係る第3の発明によれば、上記目的は、上記第1の発明または第2の発明において、画像形成装置の制御手段により定着許可信号及び温度制御手段の基準となる温度目標設定値の設定を行うことにより達成される。
【0018】また、本出願に係る第4の発明によれば、上記目的は、上記第1の発明ないし第3の発明のいずれか一において、温度測定手段を複数備え、温度制御手段は、各温度測定手段からの温度情報に基づいて、比例制御、積分制御、微分制御の各パラメータを得て温度制御を行うことにより達成される。
【0019】さらに、本出願に係る第5の発明によれば、上記目的は、上記第1の発明ないし第4の発明のいずれか一において、定着回転体と加圧部材の圧接部への記録材の通過を検知する記録材通過検知手段を備え、高周波電流を供給する手段は、該記録材通過検知手段により、記録材が上記圧接部への通過を開始したと判断した時は、該開始時から温度測定手段が有効となるまでの温度測定手段の遅れ時間中に、記録材のサイズ及び厚さと搬送速度により予め定められている電力を供給し、温度測定手段が有効となった時から温度制御を行い、記録材が上記圧接部の通過を終了した時から温度測定手段が有効となるまでの温度測定手段の遅れ時間中、加熱を中断あるいは再び予め定められた電力を供給することにより達成される。
【0020】つまり、本出願に係る第1の発明においては、温度制御手段への電力供給を、画像形成装置本体の電源装置により行い、温度測定手段及び温度制御手段に入力する基準電圧を、画像形成装置本体の電源装置から供給するので、温度制御を安定して行う。
【0021】また、本出願に係る第2の発明においては、上記第1の発明の定着回転体を定着ローラまたは耐熱性フィルムとしたので、省エネルギー及びクイックスタート性を損なうことなく、安定した温度制御の下で良好な定着を行う。
【0022】さらに、本出願に係る第3の発明においては、上記第1の発明または第2の発明にて必要となる定着許可信号、及び温度制御手段の基準となる温度目標設定値の設定を、画像形成装置の制御手段により行うので、記録材の材質や大きさ、あるいは搬送速度等に応じた最適な目標温度による温度制御が行われる。
【0023】また、本出願に係る第4の発明においては、上記第1の発明ないし第3の発明のいずれか一の温度測定手段を複数備え、温度制御手段は、各温度測定手段からの温度情報に基づいて、比例制御、積分制御、微分制御の各パラメータを得て温度制御を行うので、高速かつ高精度の温度測定手段を用いることなく、応答性の良い、精度の高い温度制御が行われる。
【0024】さらに、本出願に係る第5の発明においては、上記第1の発明ないし第4の発明のいずれか一の定着回転体と加圧部材の圧接部への記録材の通過を検知する記録材通過検知手段を備え、高周波電流を供給する手段は、該記録材通過検知手段により、記録材が上記圧接部への通過を開始したと判断した時は、該開始時から温度測定手段が有効となるまでの温度測定手段の遅れ時間中に、記録材のサイズ及び厚さと搬送速度により予め定められている電力を供給し、温度測定手段が有効となった時から温度制御を行い、記録材が上記圧接部の通過を終了した時から温度測定手段が有効となるまでの温度測定手段の遅れ時間中、加熱を中断あるいは再び予め定められた電力を供給するので、記録材通過時の温度リップルを最小にする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0026】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図2は本実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。図2において、71は電子写真の像形成を行う像担持体たる感光体ドラムであり、矢印方向に回転自在に配設されている。この感光体ドラム71を帯電器72により帯電し、レーザビームスキャナ73により画像情報に応じたレーザ光Lの照射を行うと、この感光体ドラム71上には静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置74の現像ローラ74aに担持されたトナーによりトナー像として現像される。
【0027】一方、カセット75に収容された記録材Pは、給送ローラ76により一枚ずつ給送され、搬送部77を経由して搬送ローラ78により上記感光体ドラム71側へと搬送される。そして、ガイド79により、感光体ドラム71と転写ローラ80との圧接部82へ記録材Pが案内されると、上記トナー像は電源81から高電圧が印加された転写ローラ80により記録材P上に転写され、搬送部84を介して定着装置85へと搬送される。
【0028】この定着装置85は、定着回転体たるフィルム9と、加圧部材たる加圧ローラ14が圧接するように配設されており、上記記録材Pが記録材通過検知手段たる定着前センサ16を通過することにより、フィルム9と加圧ローラ14は回転を始め、後述する加熱手段を所定温度まで上昇させる。
【0029】そして、未定着トナー像が転写された記録材Pが、このニップに挟持されると、トナー像及び記録材Pに熱が伝達され、さらに上記ニップ部にて加圧することにより、記録材P上のトナーを溶融し、記録材Pの繊維内に染み込ませ、定着させる。
【0030】そして、この定着の終了した記録材Pが記録材通過検知手段たる排紙センサ17を通過すると、フィルム9と加圧ローラ14の回転は停止され、記録材Pが排出トレイ86上に排出されることにより画像形成が終了する。なお、転写の際に、記録材P上に転写されずに感光体ドラム71上に残ったトナーはクリーニング手段83によりクリーニングされ、次の画像形成に備えるようになっている。
【0031】次に、以上のような本実施形態の画像形成装置における定着装置85の温度制御部について図1を用いて説明する。図1において1は本体内の電源装置及び制御手段たるDC電源及びコントローラ、2はスイッチングレギュレータ制御回路、3は温度制御手段たる温度制御回路、4は温度設定回路、5はFETやバイポーラ素子(トランジスタ、IGBT)等のスイッチング素子、6は温度測定手段、7は励磁コイル、8は共振コンデンサ、9は強磁性金属材等からなる定着回転体としてのフィルムである。
【0032】本実施形態の画像形成装置においては、本体電源投入後、コントローラ1により定着許可信号が出力されると、定着装置のスイッチング素子5をオン/オフするスイッチングレギュレータ制御回路2のPWM回路が発振を始め、ソフトスタート回路により予め定められた時間の間に、オンデューティーを0から定められた値まで増加させ、定常の出力状態となる。温度は、フィルム9に取り付けられたサーミスタ等の温度測定手段6により測定され、その情報を基にスイッチング素子のオン時間幅(オンデューティー)を温度制御回路3により変化させることで制御を行う。
【0033】つまり、コントローラ1から出力される温度設定信号に基づいて、温度設定回路4から設定温度に対応する定着制御目標電圧を誤差増幅器10に出力し、誤差増幅器10において、この定着制御目標電圧と温度測定手段6から得られる電圧との偏差に応じてPID制御を行うことにより、スイッチング素子5のオンデューティーを調節している。
【0034】そして、本実施形態の装置においては、温度測定手段6の基準電圧、及び温度制御回路の電源を、本体内DC電源/コントローラ1により供給し、温度設定回路4から出力される定着制御目標電圧も、本体内DC電源/コントローラ1により供給される電源に基づいて生成するように構成したので、安定した制御が可能となった。
【0035】また、部品の重複を避けることができ、部品を節約し、回路の簡単化、低コスト化も実現することができる。
【0036】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0037】本実施形態においては、誤差増幅器10に出力する定着制御目標電圧を、直接コントローラ1のA/Dコンバータから出力するようにする。これにより、定着温度目標値を、容易に変更することができる。
【0038】なお、A/Dコンバータの代わりに、PWM等の伝達手段を用いてもよい。また、A/Dコンバータの基準電圧を、温度制御回路3及び温度測定手段6の基準電圧に用いてもよい。
【0039】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の実施形態を図3に基づいて説明する。なお、第1の実施形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0040】図3は本実施形態の画像形成装置における温度制御部のブロック図を示す。本実施形態においては、温度測定手段として複数の温度測定手段6a,6b,6cを備え、また、誤差増幅器も、積分項制御のための誤差増幅器11、微分項制御のための誤差増幅器12、比例項制御のための誤差増幅器13を備えているところが第1の実施形態と異なる。
【0041】本実施形態においては、定着器の温度調整を開始すると、誤差増幅器13にて、コントローラ1からの温度設定信号に基づいて温度設定回路4から出力される定着制御目標電圧と、温度測定手段6aにより分圧された電圧の偏差eに対して比例項ゲインK1により操作変数(オンデューティー)を決定し、目標温度のオフセットが小さくなるようにする。
【0042】しかし、実動作上、制御対象であるフィルム9が蓄熱系であり、制御しにくい特性であるため、比例項制御だけでオフセットを0にするのは不可能である。
【0043】そこで、オフセットを0に近付けるために、誤差増幅器11において、現在までの偏差量の積分値に対して積分項ゲインK2により、操作変数(オンデューティー)を決定し、先の比例項との和を制御量とする。
【0044】さらに、制御対象に外乱(入力電圧変動及び記録媒体の通過等)が入ると、これらPI動作だけでは応答し切れなくなる。従って、制御応答を速くするために、誤差増幅器12において、定着器温度の微分値に対して微分項ゲインK3により、操作変数を決定し、先のPI制御項との和を制御量とする。
【0045】即ち、本実施形態においては、以下の式の各項の係数をセンサからの情報により算出し、制御を行っている。
【0046】
【数1】

【0047】また、本実施形態では、以上のような制御を行うため、比例項K1を得るための温度測定手段6aは、精度の高いセンサを用い、制御したい部分にできるだけ近いところに設けている。また、微分項K2を得るための温度測定手段6bは、応答速度の速いセンサを用い、やはり制御対象にできるだけ近いところに設けている。さらに、積分項K3を得るための温度測定手段6cは、精度の高いセンサまたは応答速度の速いセンサあるいは両方の特性を合わせ持つセンサを用い、制御対象にできるだけ近いところに設けている。
【0048】図4及び図5に、温度測定手段の配置例を示す。いずれの場合も各温度測定手段の信号のうち、応答性の良い(但し、精度は良くない)温度測定手段6bからの信号を微分制御項に、精度の良い温度測定手段6a,6cの信号から比例項と積分項を得ている。
【0049】なお、以上のような、P,I,D各項の比例定数を得るために、温度測定手段の一つの値を比例項、もう一つの値を微分項としたが、各温度測定手段の値を演算した結果を比例、積分、微分の各項として求めても良い。
【0050】また、定着制御目標電圧と温度測定手段から得られる電圧との偏差は、アナログ演算あるいは、A/D変換したサンプリング値をCPU等によりデジタル演算して求めても良い。
【0051】以上のように、本実施形態においては、比例制御、積分制御、微分制御の各パラメータ検出を、複数の温度測定手段に分配して行うことにより、高速かつ高精度の温度測定手段を用いることなく、応答性が良く、かつ、精度の高い温度制御が可能となる。また、機械的配置により直接測定ができない部分での温度制御を可能にする。
【0052】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。なお、第1及び第2の実施形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0053】通常、温度測定手段として用いられるサーミスタ測温素子は、図6に示すように、被測定物の温度に対して遅れ時間tdを持っている。また、サーミスタ測温素子の取り付け位置により、遅れ時間tmが生じる。従って、この間、正常な温度測定は望めないことになり、外乱が生じる場合のフィルム温度は乱れることになる。
【0054】例えば、定着器への電源投入後からtl時間後に、記録材がニップに進入したとすると、フィルム温度は図7(A)に示すように低下するが、サーミスタの温度情報は図7(B)に示すように遅れ時間tm後に変化し、供給電力も図7(C)に示すようにそれに応じて遅れる。従って、フィルム温度は図7(A)に示すように定着制御目標温度から大きく外れてしまうことになる。
【0055】そこで、本実施形態においては、この遅れ時間を見込んで電力補正を行うことにより、安定した温度制御を行うものである。つまり、図7の例で説明すると、定着装置への電源投入後からtl時間後に、サーミスタの温度情報に基づくことなく、強制的に所定の電力供給を行い、記録材の進入による温度低下を防ぐのである。
【0056】以下、定着動作の前後における本実施形態の温度制御の手法について説明する。本実施形態においては、記録材が所定位置を通過し始めたことをセンサが感知すると、コントローラ1から温度設定信号を操作することにより、定着制御目標温度に合わせた電力を供給する。この定着制御目標温度は、記録材のサイズ、記録材の搬送速度等により、予め定められたテーブルにより、CPUにより決定する。
【0057】そして、記録材の先端が定着可能部分(ニップ)に来た時、通常の制御モードにおけるテーブルでなく、記録材の先端用のテーブルにより、予め定められた電力を予め定められた時間(記録材がニップに入る時から遅れ時間tm+tdの間)、励磁コイル7に供給する。あるいは温度測定手段より得られる温度情報が、有効となるまで供給する。この制御は、温度設定信号により、目標温度を設定することで、ソフトウェアで実行することも可能である。この記録材先端の温度制御の後、通常の制御状態に移行する。
【0058】次に、記録材が通過し終えたことをセンサが感知すると、記録材後端の温度制御に移行し、コントローラ1から温度設定信号を操作することにより、定着目標温度に合わせた電力を供給する。
【0059】さらに、記録材の後端が定着可能部分(ニップ)から出る時、通常の制御モードにおけるテーブルでなく、記録材後端用のテーブルにより、予め定められた電力を予め定められた時間(記録材がニップに入る時から遅れ時間tm+tdの間)、励磁コイル7に供給する。あるいは温度測定手段より得られる温度情報が、有効となるまで供給する。
【0060】そして、それ以降に定着する記録材が無ければ、電力供給をカットあるいはスタンバイ状態での電力供給に止める。この制御は、温度設定信号により、目標温度を設定することで、ソフトウェアで実行することも可能である。
【0061】この補正を行うことにより、外乱が生じても安定した温度制御が可能となる。
【0062】なお、上述した各実施形態においては、磁性体としての耐熱性フィルムを備えた磁気誘導加熱方式の定着装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、磁性体に耐熱性フィルムを密着させて移動自在とした磁気誘導加熱方式の定着装置、定着ローラを用いた磁気誘導加熱方式の定着装置にも適用可能である。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本出願に係る第1の発明によれば、温度制御手段への電力供給を、画像形成装置本体の電源装置により行い、温度測定手段及び温度制御手段に入力する基準電圧を、画像形成装置本体の電源装置から供給するので、制御温度のリップルが小さく、また、オーバーシュートのない安定した高精度の温度制御を可能にし、高信頼性かつ生産性に優れた装置をローコストで実現可能である。また、部品の重複を避けることができ、部品を節約し、回路の簡単化、低コスト化を実現することができる。
【0064】また、本出願に係る第2の発明によれば、上記第1の発明の定着回転体を定着ローラまたは耐熱性フィルムとしたので、省エネルギー及びクイックスタート性を損なうことなく、安定した温度制御の下で良好な定着を行うことができる。
【0065】さらに、本出願に係る第3の発明によれば、上記第1の発明または第2の発明において必要となる定着許可信号、及び温度制御手段の基準となる温度目標設定値の設定を、画像形成装置の制御手段により行うので、記録材の材質や大きさ、あるいは搬送速度等に応じた最適な目標温度による温度制御を行うことができる。
【0066】また、本出願に係る第4の発明によれば、上記第1の発明ないし第3の発明のいずれか一の温度測定手段を複数備え、温度制御手段は、各温度測定手段からの温度情報に基づいて、比例制御、積分制御、微分制御の各パラメータを得て温度制御を行うので、高速かつ高精度の温度測定手段を用いることなく、応答性の良い、精度の高い温度制御を行うことができる。また、機械的配置により直接測定ができない部分での温度制御を可能にする。
【0067】さらに、本出願に係る第5の発明によれば、上記第1の発明ないし第4の発明のいずれか一の定着回転体と加圧部材の圧接部への記録材の通過を検知する記録材通過検知手段を備え、高周波電流を供給する手段は、該記録材通過検知手段により、記録材が上記圧接部への通過を開始したと判断した時は、該開始時から温度測定手段が有効となるまでの温度測定手段の遅れ時間中に、記録材のサイズ及び厚さと搬送速度により予め定められている電力を供給し、温度測定手段が有効となった時から温度制御を行い、記録材が上記圧接部の通過を終了した時から温度測定手段が有効となるまでの温度測定手段の遅れ時間中、加熱を中断あるいは再び予め定められた電力を供給するので、記録材通過時の温度リップルを最小にすることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013