発明の名称 |
画像形成装置 |
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発行国 |
日本国特許庁(JP) |
公報種別 |
公開特許公報(A) |
公開番号 |
特開平11−84801 |
公開日 |
平成11年(1999)3月30日 |
出願番号 |
特願平9−259432 |
出願日 |
平成9年(1997)9月9日 |
代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】藤岡 徹
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発明者 |
大嶋 慶諾 |
要約 |
目的
構成
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特許請求の範囲
【請求項1】 装置本体内に回転可能に設けられた現像器ロータリーと、この現像器ロータリーの周方向に着脱可能に搭載された複数個の現像器とを有する画像形成装置において、現像器ロータリーは、回転指示を受けると、画像形成装置の状態に応じて回転するように設定されていることを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】 現像器ロータリーは、回転指示を受けると、現像剤が無くなった現像器が所定の取出位置に到達するまで回転するように設定されていることとする請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項3】 現像器ロータリーは、故障があることが検知されると、回転されないように設定されていることとする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
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発明の詳細な説明
【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、カラー画像形成装置の現像装置であって、特に、装置本体内に回転可能に設けられた現像器ロータリー(現像器保持体)と、この現像器ロータリーの周方向に着脱可能に搭載された複数個の現像器とを有する現像装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】カラー画像形成装置は、複数の現像器ごとに異なる色の現像剤が収容されている。そして、ある色の現像剤が無くなったときには、現像器ロータリーを回転させて、当該現像器が所定の取出位置(外装に形成された窓など)にくるように回転させる必要がある。そのため、当該現像器が所定の取出位置に達するまで現像ロータリーを回転させるように利用者が選択、指示するスイッチからなる回転指示手段が設けられている。 【0003】すなわち、従来、利用者が、装置本体あるいはホストコンピュータの表示部によってどの現像器が現像剤無しなのかを確認してから、スイッチを押して、当該現像器が所定の取出位置に達するまで現像器ロータリーを回転させていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従来例にあっては、装置本体やホストコンピュータの表示部により確認するときに、交換すべき現像器を間違えて現像器ロータリーを回転させるおそれがある。 【0005】また、装置本体あるいはホストコンピュータの表示部とから交換すべき現像器を確認しなければならないので、操作性にも問題があった。 【0006】本発明の目的は、例えば現像器交換時における現像ロータリーの回転動作が正確であり、且つその時の操作性に優れた画像形成装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本出願に係る第1の発明によれば、上記目的は、装置本体内に回転可能に設けられた現像器ロータリーと、この現像器ロータリーの周方向に着脱可能に搭載された複数個の現像器とを有する画像形成装置において、現像器ロータリーが、回転指示を受けると、画像形成装置の状態に応じて回転するように設定されていることにより達成される。 【0008】また、本出願に係る第2の発明によれば、上記目的は、第1の発明の現像器ロータリーが、回転指示を受けると、現像剤が無くなった現像器が所定の取出位置に到達するまで回転するように設定されていることにより達成される。 【0009】また、本出願に係る第3の発明によれば、上記目的は、第1の発明または第2の発明の現像器ロータリーが、故障があることが検知されると、回転されないように設定されていることにより達成される。 【0010】すなわち、本出願に係る第1の発明にあっては、現像器ロータリーが、回転指示を受けると、画像形成装置の状態に応じて回転する。 【0011】また、本出願に係る第2の発明にあっては、第1の発明の現像器ロータリーが、回転指示を受けると、現像剤が無くなった現像器を所定の取出位置に位置するように回転する。 【0012】また、本出願に係る第3の発明にあっては、第1の発明または第2の発明の現像器ロータリーが、故障があることが検知されるときには、回転されることがない。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を添付図面を参照して説明する。 【0014】本発明の画像形成装置の一実施形態が図1に示されている。本実施形態では、カラー画像形成装置としてカラーレーザープリンタ(以下、プリンタと略称する。)を例に挙げている。 【0015】このプリンタは、概略的にいうと、スキャナ部1と、このスキャナ部1により露光されて潜像が形成される像担持体2と、この像担持体2に現像剤を付与して可視像を形成する現像装置3と、像担持体2から多重転写されてカラー画像が形成される中間転写体4と、この中間転写体4からカラー画像を転写された後の転写材にカラー画像を定着させる定着器5と、定着後の排出された転写材を受ける排出部6とを有してる。 【0016】ここで、スキャナ部1は、レーザダイオード(図示省略)から画像情報に対応する画像光が照射されるポリゴンミラー7と、このポリゴンミラー7で反射した画像光を像担持体2の表面に導く結像レンズ8および反射ミラー9とを有している。 【0017】また、像担持体2は、クリーニング装置10に回転自在に支持されている。像担持体2は、外周囲上に、クリーナブレード11、一次帯電手段12が配置されている。像担持体2は、画像形成動作に応じて図示反時計回りに回転されるようになっている。 【0018】また、現像装置3は、現像剤ロータリー16と一体的に回転自在に設けられたイエロー,マゼンタ,シアンの三色の現像器13Y,13M,13Cと、固定されたブラック現像器14Bとを有している。 【0019】三色の現像器13Y,13M,13Cは、軸15を中心として回転する現像器ロータリー16の周方向に着脱可能に搭載されている。画像形成に際しては、各現像器13Y,13M,13Cが現像器ロータリー16に保持された状態で、軸15を中心に公転移動し、所定の一個の現像器が像担持体2に対向した位置に止まり、さらにその現像器の現像スリーブ17が像担持体2に対し微小間隔をもって対向するように位置決めされた後、像担持体2に現像剤を付与して可視像を形成するようになっている。 【0020】カラー画像形成時には、中間転写体4の一回転ごとに現像ロータリー16は回動し、イエロー現像器13Y、マゼンタ現像器13M、シアン現像器13C、次いでブラック現像器14Bの順で現像工程がなされ、中間転写体4が四回転して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれの現像剤による可視像を順次形成し、その結果、フルカラー可視像を中間転写体4上に形成する。 【0021】図1には、イエローの現像器13Yが、像担持体2に対向した位置に位置決め静止した状態を示している。現像器13Yは、容器内の現像剤送り機構によって塗布ローラ18へ現像剤を送り込み、図示時計方向に回転する塗布ローラ18および現像スリーブ17の外周に圧接されたブレード19によって、図示時計方向に回転する現像スリーブ17の外周に現像剤を薄層塗布し、且つ現像剤へ電荷を付与(摩擦帯電)する。潜像が形成された像担持体2と対向した現像スリーブ17に現像バイアスを印加することにより、潜像に応じて像担持体2上に現像を行うものである。マゼンタ現像器13M、シアン現像器13Cについてもイエロー現像器13Yと同様の動作にて現像が行われる。 【0022】各現像器の各現像スリーブ17は、各現像器が現像位置に回転移動されたときプリンタ本体に設けられた各色現像用の高圧電源および駆動部と接続されるようになっており、各色現像ごとに順次選択的に現像バイアスが印加され、現像剤付与動作がなされるものとなっている。 【0023】中間転写体4は、カラー画像形成時には像担持体2から四回の多重転写を受けるため、図示時計方向に回転する。多重転写を受けた中間転写体4は、電圧を印加された転写ベルト20との間に転写材を挟み込んで搬送することにより、転写材に中間転写体4上の各色現像剤像を同時多重転写する。 【0024】次に、給紙部は、画像形成部へ転写材を給送するものであり、複数枚の転写材21を収容したカセット22と、各種ローラ、給紙ガイドなどから構成されている。 【0025】また、転写ベルト20は、図示上下に移動可能となっている。転写ベルト20は、中間転写体2に四色のトナー像を形成している間、つまり中間転写体2が複数回転する間、図示するように、下方に位置しており、中間転写体2とは離れている。一方、転写ベルト20は、中間転写体2上に四色の現像剤像が形成し終わった後、上方の位置に移動、つまり転写材を介して中間転写体2に押しつけられる。同時に、転写ベルト20には転写バイアスが印加され、中間転写体2上の現像剤画像は転写材に転写される。 【0026】定着器5は、定着ローラ23と、この定着ローラ23に圧接される加圧ローラ24を有している。両ローラ23,24共にヒータを内蔵している。 【0027】上述した現像ロータリー16を回転させる駆動部(図示省略)は、CPUなどの回転制御手段(図示省略)に接続されている。この回転制御手段は、現像剤残量センサ(図示省略)にも接続されている。回転制御手段は、現像ロータリー16を印字動作中に適切に現像動作させるように回転を制御する他、非印字動作中に不図示の回転指示手段であるスイッチがONされて回転指示が入力されると、現像剤が無くなった現像器を所定の取出位置まで回転させるように設定されている。 【0028】取出位置は、三個の現像器13Y,13M,13Cを取り出すための位置である。取出位置とは、例えば外装に設けられている不図示の窓の位置のことである。この窓から、一度に一個づつの現像器が交換されるようになっている。したがって、現像剤が無くなった現像器が窓の位置にくるように現像ロータリー16を回転させる必要がある。 【0029】現像剤残量センサは、所定のタイミングで各現像器13Y,13M,13Cの現像剤残量を検知している。現像剤が所定量以下になったときには、現像剤残量センサからの信号により、利用者に対して現像剤無しの警告が表示されるようになっている。また、同じく現像剤残量センサからの信号により、回転制御手段は、現像剤が所定量以下となった現像器がどれかを知ることができる。 【0030】上述のように構成された画像形成装置によると、次のように現像器の交換が行われる。 【0031】現像剤残量センサによって、ある現像器(イエロー現像器13Yとする)の現像剤が所定量以下になったことを検知すると、利用者に対して現像剤無しの警告がプリンタ本体あるいはホストコンピュータの表示部(図示省略)に表示される。また、現像剤残量センサからの信号により、回転制御手段は、現像剤が所定量以下となった現像器が、イエロー現像器13Yであることを知る。 【0032】この状態で、現像剤無しの表示を見た利用者が回転指示手段であるスイッチを押すと、回転制御手段は、現像ロータリー16を回転させて、イエロー現像器13Yが取出位置(窓の位置)に達した時点で現像ロータリー16を停止させる。利用者は、窓からイエロー現像器13Yを外に取り出して交換する。このように利用者がスイッチを押すだけで、現像剤が無くなった現像器13Yを取出位置のところにくるように現像ロータリー16が回転される。 【0033】その後に続くスイッチの操作では、一回押すごとに、次の現像器が窓の位置まで図示時計回りに回転する。 【0034】利用者としては、プリンタ本体もしくはホストコンピュータの表示を見るとき、どの色の現像器が現像剤無しなのか確認するという手間をかけなくてすむ。また、現像剤無しの現像器を示す表示を見間違えたり、スイッチを押し間違えた結果、他の現像器が取出位置にくるようなこともなくなる。 【0035】(第2の実施形態)第2の実施形態における画像形成装置の全体構成は、上述した第1の実施形態と同じであるので、詳細な説明を省略する。 【0036】現像ロータリー16は、故障検知手段(図示省略)により、モータ故障または回転異常の故障が所定のタイミングで検知されている。そして、故障が検知された場合には、利用者に対して現像ロータリー16が故障したとの警告を表示すると共に、回転制御手段に故障発生を知らせるものとなっている。 【0037】本実施形態では、このような現像器ロータリー16に故障がある状態下で、利用者が現像器交換のためにスイッチを操作したとしても、回転制御手段は、現像ロータリー16を回転させないように設定されている。これによると、現像ロータリー16が故障しているにも拘らず、利用者が無理に回転させようとする誤操作によって、修復不可能な故障を引き起こすことを避けることができる。 【0038】 【発明の効果】以上説明した本出願に係る第1の発明によれば、現像ロータリーが、回転指示を受けると、画像形成装置の状態に応じて回転する。したがって、従来のように利用者が表示を見て例えば現像剤無しの現像器を確認するような画像形成装置の状態を確認してから利用者がその表示にふさわしいスイッチを選んで現像ロータリーを回転させるものに比べて、表示の見間違えやスイッチの押し間違えによる誤動作を回避でき、また、画像形成装置の状態を確認することのない優れた操作性を実現できるものとなる。 【0039】また、本出願に係る第2の発明によれば、現像器交換のために利用者がスイッチを押すだけで、現像剤が所定量以下となった現像器が取出位置に達するように現像ロータリーが回転する。したがって、従来のような表示の見間違えやスイッチの押し間違えにより、現像剤がまだ十分入っている現像器が取出位置にくるようなことを回避できる。また、どれが現像剤の無くなった現像器なのかを確認する必要もなく、スイッチを押すだけでよいので、現像器交換時の操作性が優れたものとできる。 【0040】また、本出願に係る第3の発明によれば、現像ロータリーが故障しているにも拘らず、利用者が無理に回転させようとする誤操作によって、修復不可能な故障を引き起こすようなことを確実に避けることができる。
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