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発明の名称 静電荷像現像用マゼンタトナー及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−84735
公開日 平成11年(1999)3月30日
出願番号 特願平10−45414
出願日 平成10年(1998)2月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 儀一
発明者 千葉 建彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 結着樹脂及びマゼンタ顔料を少なくとも含有するマゼンタトナー粒子を有する静電荷像現像用マゼンタトナーであり、該マゼンタ顔料がシー・アイ・ピグメントレッド122(C.I.Pigment Red 122)、シー・アイ・ピグメントレッド202(C.I.Pigment Red 202)及びシー・アイ・ピグメントバイオレット19(C.I.Pigment Violet 19)の固溶体顔料であることを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナー。
【請求項2】 固溶体顔料は、1重量部当りC.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202及びC.I.Pigment Violet 19を下記割合で含有している請求項1のマゼンタトナー。
0.3≦A/C≦5.00.1≦A×C/B≦10.0〔式中、Aは、C.I.Pigment Red 122の配合重量を示し、BはC.I.Pigment Red 202の配合重量を示し、CはC.I.Pigment Violet 19の配合重量を示す〕
【請求項3】 固溶体顔料は、1重量部当りC.I.Pigment Red 122を0.50〜0.85重量部含有し、C.I.Pigment Red 202を0.03〜0.35重量部含有し、C.I.Pigment Violet 19を0.06〜0.40重量部含有している請求項1又は2のマゼンタトナー。
【請求項4】 固溶体顔料は、1重量部当りC.I.Pigment Red 122を0.55〜0.80重量部含有し、C.I.Pigment Red 202を0.05〜0.30重量部含有し、C.I.Pigment Violet 19を0.10〜0.35重量部含有している請求項1又は2のマゼンタトナー。
【請求項5】 マゼンタトナー粒子は、スチレン重合体、スチレン共重合体又はそれらの混合物と、極性樹脂とを含有している請求項1乃至4のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項6】 マゼンタトナー粒子は、結着樹脂65〜98重量%、マゼンタ顔料1〜15重量%及び酸価3.0乃至20.0mgKOH/gの極性樹脂1〜20重量%を含有している請求項1乃至5のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項7】 マゼンタトナー粒子は、極性樹脂を2.0〜10.0重量%含有している請求項6のマゼンタトナー。
【請求項8】 マゼンタトナー粒子は、マゼンタ顔料及び酸価3.0乃至20.0mgKOH/gの極性樹脂を下記式を満足するように含有している請求項5乃至7のいずれかのマゼンタトナー。
【外1】

【請求項9】 極性樹脂が飽和ポリエステル樹脂である請求項5乃至8のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項10】 飽和ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2.500〜10.000である請求項9のマゼンタトナー。
【請求項11】 極性樹脂がエポキシ樹脂である請求項5乃至7のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項12】エポキシ樹脂は数平均分子量が2.500〜10.000である請求項11のマゼンタトナー。
【請求項13】 極性樹脂がスチレン−アクリル酸共重合体である請求項5乃至7のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項14】 スチレン−アクリル酸共重合体は、数平均分子量が2.500〜10.000である請求項13のマゼンタトナー。
【請求項15】 マゼンタトナー粒子は、DSC吸熱曲線における吸熱メインピークが55〜130℃の低軟化点物質を含有している請求項1乃至14のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項16】 マゼンタトナー粒子は、低軟化点物質を5〜25重量%含有している請求項15のマゼンタトナー。
【請求項17】 低軟化点物質がワックスである請求項15又は16のマゼンタトナー。
【請求項18】 低軟化点物質は、炭素数が15以上の長鎖エステル部【外2】

(式中、R1 は炭素数15個以上の有機基を示す)を有するエステル化合物を含有している請求項15乃至18のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項19】 低軟化点物質は、下記式(1)
2 −COO−R3 (1)
〔式中、R2 及びR3 は炭素数15〜45を有する飽和炭化水素基を示す。〕で示されるエステル化合物を含有している請求項15乃至18のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項20】 R2 及びR3 がアルキル基である請求項19のマゼンタトナー。
【請求項21】 低軟化点物質が下記式(2)
【外3】

〔式中R4 及びR6 は炭素数15乃至32を有する有機基を示し、R5 は炭素数2乃至20の有機基を示す。〕で示されるエステル化合物を含有している請求項15乃至18のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項22】 R4 及びR6 がアルキル基であり、R5 がアルキレン基である請求項22のマゼンタトナー。
【請求項23】 低軟化点物質が下記式(3)
【外4】

〔式中R7 及びR9 は炭素数15乃至32を有する有機基を示し、R8 は炭素数2乃至20の有機基を示す。〕で示されるエステル化合物を含有している請求項15乃至18のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項24】 R7 及びR9 はアルキル基を示し、R8 はアルキレン基を示す請求項23のマゼンタトナー。
【請求項25】 低軟化点物質は、下記式(4)
【外5】

〔式中、R10及びR11は炭素数15乃至40の有機基を示し、a及びbは0乃至4の整数を示し、a+bが4であり、m及びnは0乃至25の整数であり、m+nは1以上である〕で示されるエステル化合物を含有している請求項15乃至18のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項26】 R10及びR11はアルキル基である請求項25のマゼンタトナー。
【請求項27】 低軟化点物質は、下記式(5)
【外6】

〔式中、R12及びR13は炭素数15乃至40の有機基を示し、R14は水素原子又は炭素数1乃至40の有機基を示し、c及びdは0乃至3の整数を示し、c+dは1乃至3であり、zは1乃至3の整数を示す。〕で示されるエステル化合物を含有している請求項15乃至18のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項28】 R12、R13及びR14はアルキル基である請求項27のマゼンタトナー。
【請求項29】 マゼンタトナー粒子は、形状係数SF−1が100乃至150である請求項1乃至28のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項30】 マゼンタトナー粒子は、形状係数SF−1が100乃至125である請求項1乃至28のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項31】 マゼンタトナー粒子は、負摩擦帯電性を有し、負荷電性制御剤を0.5乃至10重量%含有している請求項1乃至30のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項32】 負荷電性制御剤は、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属化合物である請求項31のマゼンタトナー。
【請求項33】 マゼンタトナー粒子は、スチレンモノマー、マゼンタ顔料、極性樹脂及び重合開始剤を少なくとも含有している重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒し、スチレンモノマーを重合して生成された重合マゼンタトナー粒子を有している請求項1乃至32のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項34】 重合性単量体組成物は、さらにアクリル酸エステルモノマー又はメタクリル酸エステルモノマーを含んでおり、水系媒体中のモノマーの重合により生成されたスチレン共重合体を重合マゼンタトナー粒子を有している請求項33のマゼンタトナー。
【請求項35】 マゼンタトナー粒子は、重量平均粒径が3〜9μmである請求項1乃至34のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項36】 マゼンタトナー粒子は、重量平均粒径が3〜8μmである請求項1乃至34のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項37】 重合性単量体、マゼンタ顔料及び重合開始剤を混合して重合性単量体組成物を調製し、重合性単量体組成物を水系媒体中へ分散して重合性単量体組成物の粒子を生成し、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子中のスチレンモノマーを重合して結着樹脂を生成してマゼンタトナー粒子を生成するマゼンタトナーの製造方法であり、マゼンタトナー粒子は、重合性単量体から生成した結着樹脂を含有し、該マゼンタ顔料がシー・アイ・ピグメントレッド122(C.I.Pigment Red 122)、シー・アイ・ピグメントレッド202(C.I.Pigment Red 202)及びシー・アイ・ピグメントバイオレット19(C.I.Pigment Violet 19)の固溶体顔料であることを特徴とするマゼンタトナーの製造方法。
【請求項38】 固溶体顔料は、1重量部当りC.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202及びC.I.Pigment Violet 19を下記割合で含有している請求項37のマゼンタトナーの製造方法。
0.3≦A/C≦5.00.1≦A×C/B≦10.0〔式中、Aは、C.I.Pigment Red 122の配合重量を示し、BはC.I.Pigment Red 202の配合重量を示し、CはC.I.Pigment Violet 19の配合重量を示す。〕
【請求項39】 重合性単量体は、スチレンモノマーである請求項37又は38のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項40】 結着樹脂は、スチレン重合体、スチレン共重合体又はそれらの混合物を含有している請求項37乃至39のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項41】 重合性単量体組成物は、さらに極性樹脂を含有している請求項37乃至40のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項42】 固溶体顔料は、1重量部当りC.I.Pigment Red 122を0.50〜0.85重量部含有し、C.I.Pigment Red 202を0.03〜0.35重量部含有し、C.I.Pigment Violet 19を0.06〜0.40重量部含有している請求項37乃至41のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項43】 固溶体顔料は、1重量部当りC.I.Pigment Red 122を0.55〜0.80重量部含有し、C.I.Pigment Red 202を0.05〜0.30重量部含有し、C.I.Pigment Violet 19を0.10〜0.35重量部含有している請求項37乃至41のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項44】 マゼンタトナー粒子は、スチレン重合体、スチレン共重合体又はそれらの混合物と、極性樹脂とを含有している請求項37乃至43のいずれかのマゼンタトナー。
【請求項45】 マゼンタトナー粒子は、結着樹脂65〜98重量%、マゼンタ顔料1〜15重量%及び極性樹脂1〜20重量%を含有している請求項37乃至44のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項46】 マゼンタトナー粒子は、極性樹脂を2.0〜10.0重量%含有している請求項45のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項47】 マゼンタトナー粒子は、マゼンタ顔料及び酸価3.0乃至20.0mgKOH/gの極性樹脂を下記式を満足するように含有している請求項44乃至46のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【外7】

【請求項48】 極性樹脂が飽和ポリエステル樹脂である請求項44乃至47のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項49】 飽和ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2.500〜10.000である請求項48のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項50】 極性樹脂がエポキシ樹脂である請求項44乃至46のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項51】エポキシ樹脂は数平均分子量が2.500〜10.000である請求項50のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項52】 極性樹脂がスチレン−アクリル酸共重合体である請求項44乃至47のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項53】 スチレン−アクリル酸共重合体は、数平均分子量が2.500〜10.000である請求項52のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項54】 マゼンタトナー粒子は、DSC吸熱曲線における吸熱メインピークが55〜130℃の低軟化点物質を含有している請求項37乃至53のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項55】 マゼンタトナー粒子は、低軟化点物質を5〜25重量%含有している請求項54のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項56】 低軟化点物質がワックスである請求項54又は55のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項57】 低軟化点物質は、炭素数が15以上の長鎖エステル部【外8】

(式中、R1 は炭素数15個以上の有機基を示す)を有するエステル化合物を含有している請求項54乃至56のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項58】 低軟化点物質は、下記式(1)
2 −COO−R3 (1)
〔式中、R2 及びR3 は炭素数15〜45を有する飽和炭化水素基を示す。〕で示されるエステル化合物を含有している請求項54乃至56のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項59】 R2 及びR3 がアルキル基である請求項58のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項60】 低軟化点物質が下記式(2)
【外9】

〔式中、R4 及びR6 は炭素数15乃至32を有する有機基を示し、R5 は炭素数2乃至20の有機基を示す。〕で示されるエステル化合物を含有している請求項54乃至56のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項61】 R4 及びR6 がアルキル基であり、R5 がアルキレン基である請求項60のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項62】 低軟化点物質が下記式(3)
【外10】

〔式中、R7 及びR9 は炭素数15乃至32を有する有機基を示し、R8 は炭素数2乃至20の有機基を示す。〕で示されるエステル化合物を含有している請求項54乃至56のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項63】 R7 及びR9 はアルキル基を示し、R8 はアルキレン基を示す請求項62のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項64】 低軟化点物質は、下記式(4)
【外11】

〔式中、R10及びR11は炭素数15乃至40の有機基を示し、a及びbは0乃至4の整数を示し、a+bが4であり、m及びnは0乃至25の整数であり、m+nは1以上である〕で示されるエステル化合物を含有している請求項54乃至56のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項65】 R10及びR11はアルキル基である請求項64のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項66】 低軟化点物質は、下記式(5)
【外12】

〔式中、R12及びR13は炭素数15乃至40の有機基を示し、R14は水素原子又は炭素数1乃至40の有機基を示し、c及びdは0乃至3の整数を示し、c+dは1乃至3であり、zは1乃至3の整数を示す〕で示されるエステル化合物を含有している請求項54乃至56のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項67】 R12、R13及びR14はアルキル基である請求項66のマゼンタトナーの製造方法。
【請求項68】 マゼンタトナー粒子は、形状係数SF−1が100乃至150である請求項37乃至67のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項69】 マゼンタトナー粒子は、形状係数SF−1が100乃至125である請求項37乃至67のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項70】 マゼンタトナー粒子は、負摩擦帯電性を有し、負荷電性制御剤を0.5乃至10重量%含有している請求項37乃至69のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項71】 負荷電性制御剤は、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属化合物である請求項70のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項72】 マゼンタトナー粒子は、重量平均粒径が3〜9μmである請求項37乃至71のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
【請求項73】 マゼンタトナー粒子は、重量平均粒径が3〜8μmである請求項37至71のいずれかのマゼンタトナーの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真法及び静電印刷法の如き画像形成方法で形成される静電荷像を現像するためのマゼンタトナー及びその製造方法に関する。
【0002】詳しくは、本発明は高画質で色再現性に優れ、摩擦帯電的に安定しているフルカラー画像形成用の静電荷像現像用マゼンタトナー及びその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、デジタルフルカラー複写機やプリンターが実用化され、解像力、階調性はもとより色むらのない色再現性に優れた高画質画像が得られるようになってきた。
【0004】デジタルフルカラー複写機においては、色画像原稿を、B(ブルー)、G(グリーン)、R(レッド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像に対応した約20μm乃至約70μmのドット径からなる潜像をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の各色トナーを用い、加熱加圧定着時の減色混合作用を利用して再現している白黒複写機と比べ多量のトナーを感光体から中間転写体を介して、又は、介さずに転写材に転写させる必要がある。
【0005】カラートナーの中でも、マゼンタトナーは、肌色を再現するのに重要であり、さらに、人物像における肌の色調はハーフトーンであることから、優れた現像性も要求される。
【0006】従来よりマゼンタトナー用着色剤としてキナクリドン系着色剤、チオインジゴ系着色剤、キサンテン系着色剤、モノアゾ系着色剤、ペリレン系着色剤、ジケトピロロピロール系着色剤が知られている。
【0007】例えば、特公昭49−46951号公報には、2、9−ジメチルキナクリドン顔料が提案され、特開昭55−26574号公報にはチオインジゴ系顔料が提案され、特開昭59−57256号公報にはキサンテン系染料が提案され、特開平2−210459号公報にはジケトピロロピロール系顔料が提案され、特公昭55−42383号公報にはアントラキノン系染料が提案されている。
【0008】さらに、着色剤透明性及び色味を調節するために、顔料化合物を単独で使用せず、特開平1−22477号公報に記載されるような顔料−顔料、顔料−染料の配合や、特開昭62−291669号公報(対応米国特許No.4777105号明細書)のように混晶状態でキナクリドン顔料を用いる方法も知られている。
【0009】これらのマゼンタ着色剤は結着樹脂と親和性及び耐光性が良好であり、一応、摩擦帯電特性及び色調の優れたマゼンタトナーが、得られるが透明性を満足し、より原稿に忠実な画像を得るためには、より一層の色調、彩度、電子写真特性が向上しているマゼンタトナーが待望されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した静電荷像現像用マゼンタトナーを提供するものである。
【0011】本発明の目的は、高画質濃度で極めて鮮明なマゼンタの色彩が得られる静電荷像現像用マゼンタトナーを提供するものである。
【0012】本発明の目的は、OHPシートの定着画像において透明性に優れている静電荷像現像用マゼンタトナーを提供するものである。
【0013】本発明の目的は、ハイライト部(ハーフトーン部)の再現性に優れている静電荷像現像用マゼンタトナーを提供することにある。
【0014】本発明の目的は、負荷電性に優れ、電子写真特性に優れている静電荷像現像用マゼンタトナーを提供することにある。
【0015】本発明の目的は、該マゼンタトナーを生成するための製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂及びマゼンタ顔料を少なくとも含有するマゼンタトナー粒子を有する静電荷像現像用マゼンタトナーであり、該マゼンタ顔料がシー・アイ・ピグメントレッド122(C.I.Pigment Red 122)、シー・アイ・ピグメントレッド202(C.I.Pigment Red 202)及びシー・アイ・ピグメントバイオレット19(C.I.Pigment Violet 19)の固溶体顔料であることを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナーに関する。
【0017】さらに、本発明は、重合性単量体、マゼンタ顔料及び重合開始剤を混合して重合性単量体組成物を調製し、重合性単量体組成物を水系媒体中へ分散して重合性単量体組成物の粒子を生成し、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子中のスチレンモノマーを重合して結着樹脂を生成してマゼンタトナー粒子を生成するマゼンタトナーの製造方法であり、マゼンタトナー粒子は、重合性単量体から生成した結着樹脂を含有し、該マゼンタ顔料がシー・アイ・ピグメントレッド122(C.I.Pigment Red 122)、シー・アイ・ピグメントレッド202(C.I.Pigment Red 202)及びシー・アイ・ピグメントバイオレット19(C.I.Pigment Violet 19)の固溶体顔料であることを特徴とするマゼンタトナーの製造方法に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の特徴のひとつは、特定の固溶体顔料をマゼンタトナー粒子中に含有させることである。
【0019】本発明に用いられる固溶体顔料は一般に顔料の製造過程の脱水工程、顔料化工程の前の工程で少なくとも3種のマゼンタ顔料を混合して後、脱水し顔料化するという工程によって得られる。本発明で使用する固溶体顔料は解砕され易いため容易に1次粒径付近まで顔料粒子を分散できる。
【0020】固溶体の組み合わせとしては、その構造の安定性や製造のし易さによりなるべく構造の近いものが組み合わせて使用される。特に耐光性、着色力、負摩擦帯電性及び混色性のバランスがとれているという面より、下記に示す構造の置換キナクリドン顔料2種と無置換キナクリドン顔料を組み合わせて使用する。
【0021】
【外13】

【0022】C.I.Pigment Violet 19はその結晶構造によって耐光性、着色力が変化しやすいが、C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Red 202との固溶体を形成することにより安定化する。さらに、固溶体の色相はC.I.Pigment Violet 19の配合比や結晶化時の条件設定を変えることにより顔料の彩度、明度を損なうことなく固溶体の色相空間を広げることが可能となる。
【0023】固溶体顔料は、1重量部当りC.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202及びC.I.Pigment Violet 19を下記割合で含有していることが好ましい。
【0024】0.3≦A/C≦5.00.1≦A×C/B≦10.0〔式中、Aは、C.I.Pigment Red 122の配合重量を示し、BはC.I.Pigment Red 202の配合重量を示し、CはC.I.Pigment Violet 19の配合重量を示す〕
【0025】固溶体顔料が上記条件を満足していると、マゼンタトナーの負帯電性が向上し、重合性単量体への分散性が向上し、結着樹脂への分散性が向上し、着色力が向上し、他のカラートナーとの混色性が向上して色度図の色再現範囲が好適な位置にいるようになる。
【0026】A/Cの値が0.3未満であると、固溶体顔料の着色力が低下し、マゼンタトナーの画像濃度が低下する。A/Cの値が5.0を越えると、固溶体顔料の負摩擦帯電性が低下するとともに、正摩擦帯電性が向上するので、マゼンタトナーが負摩擦帯電性の場合、マゼンタトナーの負摩擦帯電性が低下し、カブリが発生しやすくなる。また、A/Cの値が5.0を越えると重合性単量体又は結着樹脂への分散性が低下し、マゼンタトナー粒子の着色力が低下する。
【0027】A×C/Bの値が、0.1未満であると、マゼンタトナーとしての色調が好適な範囲からはずれやすい。さらに、A×C/Bの値が0.1未満であると、固溶体顔料の負摩擦帯電性が強く、固溶体顔料粒子の静電的自己凝集力が強いために固溶体顔料の重合性単量体への分散性又は結着樹脂への分散性が低下する。A×C/Bの値が10.0を越えると、固溶体顔料の負摩擦帯電性が低下し、正摩擦帯電性が向上するので、マゼンタトナーが負摩擦帯電性の場合、マゼンタトナーの負摩擦帯電性が低下し、カブリが発生しやすくなり、また、マゼンタトナーが現像器から飛散しやすくなる。
【0028】固溶体顔料は、1重量部当り、C.I.Pigment Red 122を0.50〜0.85、より好ましくは0.55〜0.80重量部含有し、C.I.Pigment Red 202を0.03〜0.35、より好ましくは0.05〜0.30重量部含有し、C.I.Pigment Violet 19を0.06〜0.40、より好ましくは0.10〜0.35重量部含有しているのが良い。
【0029】固溶体顔料の製造は、例えば米国特許3160510号公報明細書に記載の固溶体成分を硫酸又は適当な溶媒から同時に再結晶させ、(塩磨砕後に)続いて溶剤処理する方法や、ドイツ特許出願公告1217333号公報に記載の適当に置換されたジアミノテレフタル酸混合物の環化後に溶剤処理する方法が挙げられる。
【0030】本発明のマゼンタトナー粒子は、スチレンモノマーの如き重合性単量体,必要により他のビニルモノマー,マゼンタ固溶体顔料,極性樹脂及び重合開始剤を混合して重合性単量体組成物を調整し、重合性単量体組成物を水系媒体中へ分散して重合性単量体組成物の粒子を生成し、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子中のスチレンモノマーを重合して生成されることが好ましい。
【0031】この様な製造方法でマゼンタトナー粒子が生成されると、重合性単量体組成物を調製する際に、マゼンタ固溶体顔料が一次粒子近くまで分散される。酸価3.0乃至20.0mgKOH/gを有する極性樹脂を使用すると窒素原子を有するマゼンタ固溶体顔料の粒子の再凝集が抑制されることにより、マゼンタトナー粒子の着色力、明度及び彩度が向上するからである。
【0032】本発明に用いられる極性樹脂は、重合性単量体組成物粒子中の重合性単量体の重合初期では重合性単量体組成物中に均一に分散しつつ固溶体顔料の再凝集を抑えるという機能と、水系媒体中における重合性単量体組成物の粒子の安定化させる機能の両方を有するために、極性樹脂の酸価が3.0〜20.0(mgKOH/g)の範囲であることが好ましい。
【0033】極性樹脂の酸価が3.0mgKOH/g未満であると、極性樹脂と固溶体顔料の親和性が低く分離し易くなるため、再凝集の抑制効果が低く、着色力の低下や帯電性の低下が生じやすくなる。極性樹脂の酸価が20.0mgKOH/gを超えると、極性樹脂の分子鎖間での凝集性が大きくなるためスチレン単量体(無極性液体)中での極性樹脂の分散性が低下する。そのため、水系媒体中での極性樹脂による重合性単量体組成物の粒子の安定化が低下し、マゼンタトナー粒子の製造安定性が低下する。
【0034】固溶体顔料の再凝集の抑制を考慮すると、該極性樹脂が該マゼンタトナー粒子に対して1〜20重量%、より好ましくは2.0〜10.0(wt%)含有されていることが良く、さらに下記式を満足しているように含有されていることがより好ましい。
【0035】
【外14】

【0036】極性樹脂の添加量が1wt%未満であると、添加効果が少なくトナーの負摩擦帯電性の低下を生じ易い。極性樹脂の添加量が20wt%を超えると、重合性単量体組成物の粘度が上がり、水系媒体中での造粒が困難になり製造安定性が低下してくる。
【0037】さらに、上記式の値が5未満であるとマゼンタトナーにカブリやトナー飛散が現れ易い。
【0038】また、上記式の値が20を超えると、水系媒体中での重合法によるマゼンタトナー粒子の製造時に微粉成分の増加が生じやすく好ましくない。
【0039】極性樹脂としてはスチレン単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが好ましい。反応性の不飽和基を有する極性樹脂を使用する場合は、スチレン単量体と極性樹脂との間に架橋反応が起き、混色性が低下するので好ましくない。
【0040】極性樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチレン−アクシル酸共重合体,スチレン−メタクリル酸共重合体,スチレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。中でも、極性樹脂としては飽和ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂が好ましく、特に飽和ポリエステル樹脂が酸価の制御のしやすさを、トナー粒子の流動性、負摩擦帯電特性、透明性の点で好ましい。
【0041】極性樹脂は数平均分子量(Mn)が2,500乃至10,000であることが、スチレンモノマーへの溶解性、固溶体顔料粒子の再凝集の抑制、重合性単量体組成物の水系媒体中での造粒の容易性、マゼンタトナー粒子の多数枚耐久性の向上の点で好ましい。
【0042】本発明においては、該固溶体顔料をあらかじめ極性樹脂と共にスチレン単量体中に分散させて充分に混合した後、重合開始剤を添加して重量性単量体組成物を調製することが好ましい。
【0043】本発明においては、重合性単量体としてスチレンモノマーo(m,p)−メチルスチレン,m(p)−エチルスチレンの如き置換スチレン単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリス酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如き単量体を加えても良い。好ましくは、出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(JohnWiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)を用いた計算により、50〜85℃を示すようにスチレンモノマーと他の単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が50℃未満の場合には、トナーの保存安定性やトナーの耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方85℃を超える場合はフルカラー画像形成の場合において、OHP画像の透明性が低下する。
【0044】スチレン重合体,スチレン共重合体又はそれらの混合物及び極性樹脂は、THF可溶成分のゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され数平均分子量(Mn)が、5,000〜1,000,000で有り、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、2〜100(好ましくは、5〜50)であるのが良い。
【0045】本発明においては、マゼンタトナー粒子は、結着樹脂(すなわち、スチレン重合体、スチレン共重合体又はそれらの混合物)65〜98重量%、マゼンタ顔料1〜15重量%及び極性樹脂1〜20重量%(より好ましくは2.0〜10.0重量%)を含有しているのが良い。
【0046】本発明のマゼンタトナーにおいては、トナーの耐オフセット性及び固溶体顔料の分散性を向上させるためにASTM D3418−8に準拠して測定されたDSC吸熱曲線における吸熱メインピークが50〜130℃(より好ましくは、55〜110℃)の低軟化点物質が含有されていることが好ましい。
【0047】極大メインピーク値が50℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として高温オフセット性が弱くなり、特にフルカラー画像形成用マゼンタトナーとしては好ましくない。一方極大メインピーク値が130℃を超えると、マゼンタトナーの低温定着性,透明性の面から好ましくない。
【0048】極大メインピーク値の温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いて、温度範囲20乃至200℃の範囲でおこなう。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行う。
【0049】マゼンタトナーの耐オフセット性及び多数枚耐久性を考慮すると低軟化点物質はトナー粒子に5〜25重量%含有されているのが良い。
【0050】低軟化点物質は、加熱加圧定着時の溶融のしやすさからワックスが好ましい。中でも、炭素数が15以上の長鎖エステル部【0051】
【外15】

(式中、R1 は炭素数15以上の有機基を示す)を含有するエステル化合物を含有するワックスが、耐オフセット性及び透明性の点で好ましい。特に下記式(1)乃至(5)に示されるエステル化合物を含有するワックスが好ましい。
【0052】式(1)2 −COO−R3〔式中、R2 及びR3 は炭素数15〜45を有する飽和炭化水素基を示す。〕R2 及びR3 はアルキル基であることが好ましい。
【0053】
【外16】

〔式中、R4 及びR6 は炭素数15乃至32を有する有機基を示し、R5 炭素数2乃至200の有機基を示す。〕
4 及びR6 はアルキル基であることが好ましく、R5 はアルキレン基であることが好ましい。
【0054】
【外17】

〔式中、R7 及びR9 は炭素数15乃至32を有する有機基を示し、R8 は炭素数2乃至20の有機基を示す。〕
7 及びR9 はアルキル基であることが好ましく、R8 はアルキレン基であることが好ましい。
【0055】
【外18】

〔式中、R10及びR11は炭素数15乃至40の有機基を示し、a及びbは0乃至4の整数を示し、a+bが4であり、m及びnは0乃至25の整数であり、m+nは1以上である。〕
10及びR11はアルキル基であることが好ましい。
【0056】
【外19】

〔式中、R12及びR14は炭素数15乃至40の有機基を示し、R14は水素原子又は炭素数1乃至40の有機基を示し、c及びdは0乃至3の整数を示し、c+dは1乃至3であり、zは1乃至3の整数を示す。〕
12 ,R13及びR14はアルキル基であることが好ましい。
【0057】本発明で好ましく用いられるワックスは、硬度0.5〜5.0を有するものが好ましい。ワックスの硬度は、直径20mmで、厚さが5mmの円筒形状のサンプルを作製した後、例えば島津製作所製ダイナミック超微小硬度計(DUH−200)を用いビッカース硬度を測定した値である。測定条件は、0.5gの荷重で負荷速度が9.67mm/秒の条件で10μm変位させた後15秒間保持し、得られた打痕形状を測定しビッカース硬度を求める。硬度が0.5未満のワックスでは定着器の圧力依存性及びプロセススピード依存性が大きくなり、耐低温オフセット性が低下し、一方5.0を超える場合ではトナーの保存安定性が低下し、ワックス自身の自己凝集力も小さいために耐高温オフセットが低下する。
【0058】エステルワックスに含まれるエステル化合物の具体例を以下に例示する。
【0059】
【外20】

【0060】
【外21】

【0061】
【外22】

【0062】
【外23】

【0063】本発明においてはエステルワックスがトナー粒子中に5〜25wt%含有されていることが好ましい。該エステルワックスの含有量が5wt%未満であると、本発明の効果が十分発揮されず、若干耐オフセット性が低下する。
【0064】また、該エステルワックスの含有量が25wt%を超えると、多数枚耐久性が低下しやすく、耐ブロッキング性も低下する。
【0065】本発明のマゼンタトナーは負荷電制御剤を含有しても良い。無色又は淡色でマゼンタトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる負荷電制御剤が好ましい。
【0066】直接的に重合方法を用いてマゼンタトナー粒子を生成する場合には、重合阻害性が無く水系媒体への可溶化物の少ない荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、負荷電性制御剤としてサリチル酸,アルキルサリチル酸,ジアルキルサリチル酸,ナフトエ酸,又はダイカルボン酸の金属化合物;スルホン酸,カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物,ホウ素化合物,尿素化合物,ケイ素化合物,カリークスアレーン等が挙げられる。
【0067】中でも、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属化合物が、無色又は淡色で負荷電性の制御性に優れているので好ましい。
【0068】該荷電制御剤の含有量は、マゼンタトナー粒子に対し0.5〜10重量%が好ましい。
【0069】重合性単量体組成物に使用される重合開始剤として、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0070】該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には重合性単量体に対し0.5〜20重量%添加される。重合開始剤は、重合方法の種類により若干異なるが、十時間半減期温度を参考にして、単独又は混合し利用される。重合度を制御するために必要により架橋剤,連鎖移動剤,重合禁止剤を更に使用しても良い。
【0071】マゼンタトナーの粒子の製造に使用される水系媒体は、無機分散剤として例えばリン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナが挙げられる。有機分散剤としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプンが挙げられる。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜2.0重量部を使用することが好ましい。また、分散剤は、水100重量部に対して0.01乃至0.5重量部使用するのが良い。
【0072】これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有す分散粒子を得るために、水系媒体中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることも好ましい。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方法に好ましい分散剤を得ることが出来る。これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が挙げられる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウムがある。
【0073】直接重合方法を用いる場合に於いては、以下の如き製造方法によって、マゼンタトナー粒子を好ましく製造する事が可能である。スチレンモノマーを含む重合性単量体中にマゼンタ着色剤,極性樹脂,低軟化点物質,その他の添加剤を加えアトライターで分散し、次いで重合開始剤を加えホモジナイザー又は超音波分散機によって均一に溶解又は分散せしめて重合性単量体組成物を調製し、分散安定剤を含有する水系媒体中に撹拌機,ホモミキサー,ホモジナイザー等により重合性単量体組成物を分散せしめ造粒する。
【0074】好ましくは重合性単量体組成物の液滴粒子が、所望のマゼンタトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度及び時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合性単量体の重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナー画像定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体及び副生成物を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を反応容器から留去しても良い。反応終了後、生成したマゼンタトナー粒子をろ過し、洗浄し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常重合性単量体組成物100重量部に対して水系媒体300〜3000重量部を使用するのが好ましい。
【0075】本発明のマゼンタトナーに使用されるマゼンタトナー粒子としては、形状係数SF−1の値が100〜150、特に好ましくは100〜125であることが好ましい。
【0076】本発明において、形状係数を示すSF−1とは、例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い倍率500倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入し解析を行い、下式より算出し得られた値を形状係数SF−1と定義する。
【0077】
【外24】

〔式中、MXLNGはトナー粒子の絶対最大長を示し、AREAはトナー粒子の投影面積を示す。〕
【0078】形状係数SF−1は、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0079】トナー粒子の形状係数SF−1が150より大きいトナー粒子は、球形から徐々に不定形に近づき、それにつれて転写効率の低下が認められる。多種の転写材に対応させるために中間転写体を使用する場合、転写工程が実質2回行われるため、転写効率の低下はトナーの利用効率の低下を招く。更に最近のデジタルフルカラー複写機やデジタルフルカラープリンターにおいては、色画像原稿を予めB(ブルー),G(グリーン),R(レッド)フィルターを用い色分解した後、感光体上に20〜70μmのドット潜像を形成しY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),B(ブラック)の各色トナーを用いて減色混合作用を利用し原稿又は色情報に忠実な多色カラー画像を再現する必要がある。この際感光体上又は中間転写体上には、Y,M,C,Bトナーが原稿やCRTの色情報に対応して多量にトナーが乗るため本発明に使用される各カラートナーは、極めて高い転写性が要求される。そのため、トナーの好転写性を維持するためにも摩擦帯電量の値が大きく、更にトナー粒子の形状係数SF−1が100〜150であるマゼンタトナーが好ましい。
【0080】更に高画質化のため微小な潜像ドットを忠実に現像するために、コールターカウンターにより測定された重量平均径が3乃至9μm(より好ましくは、3〜8μm)で個数変動係数が35%以下のトナーが好ましい。重量平均径が3μm未満のトナーは、転写効率が低く、感光体や中間転写体上に転写残トナーが多く発生し、カブリ、転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となりやすい。トナーの重量平均径が9μmを超える場合には、解像性やドット再現性が低下し、また各部材への融着が起きやすく、トナーの個数変動係数が35%を超えると更にその傾向が強まる。
【0081】本発明における各種測定方法について説明する。
【0082】結着樹脂及び極性樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。
【0083】具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、さらに離型剤等の低軟化点物質は溶解するが樹脂成分は溶解し得ない有機溶剤(例えばクロロホルム等)で充分洗浄又は抽出を行った後、THF(テトタヒドロフラン)で溶解した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用いて測定する。カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定する。
【0084】次に摩擦帯電量測定方法について述べる。
【0085】図1はトナーのトリボ電荷量を測定する装置の概略的説明図である。測定するマゼンタトナーを準備する。摩擦帯電量を測定しようとするマゼンタトナー(外添剤はない)とキャリアの混合物を50〜100ml容量のポリエチレン製のビンに入れ、約5分間手で振とうして摩擦帯電させる。該キャリアはシリコーン樹脂コートされたフェライトキャリア(平均粒径35μm)を使用し、マゼンタトナーとキャリアの混合重量比は7:93とする。
【0086】次に底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に、該混合物(トナーとキャリア)W0(g:約0.5−1.5g)を入れ金属製のふた4をする。このときの測定容器2全体の重量を秤りW1(g)とする。次に吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁性)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を2450(hpa)とする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。
【0087】このときのトナーの摩擦帯電量Q(mC/kg)は、トナー100%補正をすると下記のように定義される。
【0088】
【外25】

(V(ボルト)は電位計9の電位を示し、C(μF)はコンデンサー8の容量を示し、W2(g)は吸引後の測定容器2の重量を示し、Tはトナー/キャリアの重量比を示す)
【0089】マゼンタトナーの環境帯電安定性は、該トナーの摩擦帯電量Qを高温高湿(35℃、90%RH)、常温常湿(23℃、60%RH)、低温低湿(15℃、10%RT)で測定した。
【0090】次に酸価の測定方法について述べる。
【0091】樹脂サンプル2〜10gを200mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50mlを加えて樹脂を溶解させる。そして、0.1%のプロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、予め評定された0.1N−水酸化カリ/エタノール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
【0092】酸価=KOH(ml数)×F×56.1/試料重量(g)
(Fは0.1N−水酸化カリ/エタノール溶液のファクターを示す)
【0093】次に着色力の評価方法について述べる。
【0094】マゼンタトナー7重量部に対し、シリコーン樹脂コーティングされたフェライトキャリア93重量部を混合し、二成分系現像剤とする。得られた現像剤を用いて、定着温度を可変とし、定着オイル塗布機構を省いたキヤノン製フルカラー複写機(CLC500)改造機にて、トナー画像を転写材上に転写し、定着画像を得る。このとき定着条件は、転写材としては光沢度4の秤量99g/m2 紙を用い、トナーのり量0.5mg/cm2 のマゼンタベタ画像を得て、該画像を光沢度10〜15になるよう定着温度を調整する。この単色ベタ画像の画像濃度をもって着色力とする。
【0095】光沢度の測定にはJIS Z8741の方法2に準拠して行い、画像濃度は反射濃度計RD918(マクベス社製)で測定する。
【0096】次に画像の画質の評価方法について述べる。
【0097】マゼンタトナー7重量部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライトキャリア93重量部を混合し、二成分系現像剤を調製する。得られた現像剤を用いて、定着温度を可変とし、上下ローラーの表面材質をフッ素系樹脂とし、定着オイル塗布機構を省くよう改造したキヤノン製フルカラー複写機(CLC500)改造機にて、マゼンタトナー画像を転写材上に転写し、定着画像を得る。
【0098】このとき定着条件は転写材としては光沢度4の秤量99g/m2 紙を用い、マゼンタトナーのり量0.5〜0.7mg/cm2 の単色ベタ画像を得て、該画像を光沢度10〜15になるよう定着温度を調整する。濃度条件は、コダック社製のグレースケールとカラーパッチを原稿とし、フルカラーコピー画像でグレースケールがなるべく忠実に再現できるように調整し、マゼンタ(M)単色コピーの最高濃度が1.1以上となるように濃度調節する。
【0099】そしてフルカラー複写機の改造機で、マゼンタ(M)色の画像濃度1.2のベタ画像上での明度L*,彩度C*で色再現性を評価し、画像濃度0.2のハイライト画像で画質均一性を評価する。
【0100】評価は5段階で行い、比較例1の画像の色再現範囲Eを下記式で定義しその値を100としたとき、色再現範囲:E=((明度L*)2×(彩度C*)21/2E>110=A105<E≦110=B90<E≦105=C80<E≦ 90=DE≦ 80=Eと評価した。
【0101】ハイライト部の均一性についても比較例1をBとしたA、B、C、D、Eの五段階の目視による相対評価で評価する。
【0102】次にトランスペアレンシー画像(OHP)の透明性について評価法を述べる。
【0103】OHP透過画像の透過率は以下の如く評価する。
【0104】市販のフルカラー複写機(CLC500;キヤノン社製)の改造機を使用して、トランスペアレンシーシート上に温度23度/湿度65%RHの環境下で、現像コンストラスト320Vにて現像転写し、階調を有する未定着トナー画像を得る。得られた未定着トナー画像を定着ローラーの表面がフッ素系樹脂で形成されている外部定着機(オイル塗布機能なし;ローラー直径40mm)にて、定着温度180度、定着プロセススピード30mm/secで、定着画像を得る。
【0105】得られた定着画像の画像濃度0.4〜0.6(ハーフトーン部)の箇所の透過率T%を測定し、比較例1の透過率を100としたとき、T%>110=A100<T%≦110=B90<T%≦105=C80<T%≦ 90=DT%≦ 80=Eと相対値で評価した。
【0106】透過率の測定は、島津自己分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使用し測定した。そして、イメージングシート単独の透過率を100%とし、650nmでの最大吸収波長における透過率を測定した。
【0107】
【実施例】本発明を以下に実施例を示すことでより具体的に説明する。
【0108】固溶体顔料の製造例1下記式【0109】
【外26】

で示される化合物をリン酸中で環化して2,9−ジメチルキナクリドンを生成した。2,9−ジメチルキナクリドンを有するリン酸を水へ分散し、次いで2,9−ジメチルキナクリドンをろ別し、水に湿潤している粗製の2,9−ジメチルキナクリドン(C.I.Pigment Red 122)を調製した。
【0110】別途、下記式【0111】
【外27】

で示される化合物をリン酸中で環化して3,10−ジクロロキナクリドンを生成した。3,10−ジクロロキナクリドンを有するリン酸を水へ分散し、次いで3,10−ジクロロキナクリドンをろ別し、水に湿潤している粗製の3,10−ジクロロキナクリドン(C.I.Pigment Red 202)を調製した。
【0112】別途、下記式【0113】
【外28】

で示される化合物をリン酸中で環化して無置換のキナクリドンを生成した。キナクリドンを有するリン酸を水へ分散し、次いでキナクリドンをろ別し、水に湿潤している粗製のキナクリドン(C.I.Pigment Violet 19)を調整した。
【0114】粗製の2、9−ジメチルキナクリドン70重量部と、粗製の3、10−ジクロロキナクリドン10重量部と、粗製の無置換のキナクリドン20重量部とを、水600重量部とエタノール300重量部とからなる混合液を有する、コンデンサーを具備した容器に添加し、6時間の間、2、9−ジメチルキナクリドン、3、10−ジクロロキナクリドン及び無置換のキナクリドンを磨砕しながら混合液を加熱し、還流した。6時間後に固溶体顔料をろ別し、洗浄し、乾燥後に固溶体マゼンタ顔料(1)を得た。
【0115】固溶体マゼンタ顔料(1)のAの値は0.70であり、Bの値は0.10であり、Cの値は0.20であり、A/Cは3.50であり、A×C/Bは1.40であった。
【0116】固溶体顔料の製造例2及び32、9−ジメチルキナクリドン、3、10−ジクロロキナクリドン及び無置換のキナクリドンの配合量(重量比)を下記表1に示す如く変更することを除いて、製造例1と同様にして固溶体マゼンタ顔料(2)及び(3)を得た。
【0117】
【表1】

【0118】固溶体顔料の製造例(a)(参考例)製造例1と同様にして調製した粗製の2、9−ジメチルキナクリドン66重量部と、粗製の無置換のキナクリドン34重量部とを、水600重量部とエタノール300重量部からなる混合液を有する、コンデンサーを具備した容器に添加し、5時間2、9−ジメチルキナクリドン及びキナクリドンを磨砕しながら混合液を加熱し還流した。5時間後、固溶体顔料をろ別し、洗浄し、乾燥後に粉砕して固溶体マゼンタ顔料(a)を得た。
【0119】固溶体顔料の製造例(b)(参考例)製造例1と同様にして調製した粗製の3、10ジクロロキナクリドン20重量部と、粗製の無置換のキナクリドン80重量部とを、水600重量部とエタノール300重量部からなる混合液を有する、コンデンサーを具備した容器に添加し、5時間3、10−ジクロロキナクリドン及びキナクリドンを磨砕しながら混合液を加熱し還流した。5時間後に、固溶体顔料をろ別し、洗浄し、乾燥後に粉砕して固溶体マゼンタ顔料(b)を得た。
【0120】実施例10.1MのNa3 PO4 水溶液と1MNOCaCl2 水溶液を調製した。高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた四つ口フラスコ中にイオン交換水710重量部と0.1モル−Na3 PO4 水溶液450重量部を添加し回転数を12.000回転に調整し、65℃に加温せしめた。ここに1.0モル−CaCl2 水溶液68重量部を徐々に添加し微小な軟水溶性分散剤Ca3 (PO42 を含む水系分散媒体を調製した。
【0121】・スチレン単量体 165重量部・n−ブチルアクリレート単量体 35重量部・固溶体マゼンタ顔料(1) 7重量部・飽和ポリエステル樹脂(極性樹脂) 10重量部(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA−トリメリット酸の重合体;酸価=15mgKOH/g、Mn=4500;ピーク分子量=6000)
・ジアルキルサリチル酸の金属化合物(負帯電性制御剤) 2重量部 ・エステルワックス(吸熱メインピーク値64.4℃) 15重量部(エステル化合物(1)がメイン成分;硬度3.2)
上記混合物をアトライターを用いて3時間分散させて顔料分散液を調製した。
【0122】顔料分散液の1gをスチレンモノマー9gで希釈し、70℃に加温した状態で60時間静置する沈降試験をおこなったところ、固溶体マゼンタ顔料(1)の沈降はみられず、固溶体マゼンタ顔料(1)が良好な分散性を有していることが確認された。該顔料分散液に重合開始剤である2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2重量部を添加し、重合性単量体粗製物を調製した。重合性単量体粗製物を水系分散媒体に投入し高速撹拌機の回転数12,000rpmを維持しながら、15分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根の撹拌器を変え、50rpmの回転で撹拌しつつ内温を60℃で4時間、その後80℃に昇温させ4時間重合を計8時間継続させた。重合終了後スラリーを冷却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめた。
【0123】更に洗浄し乾燥を行うことでマゼンタトナー粒子(1)を得た。コールターカウンターで測定したマゼンタトナー粒子(1)の重量平均径は、63μmで個数変動係数が24%で、形状係数SF−1は106であった。得られたマゼンタトナー粒子(1)は、スチレン−n−ブチルアクリレート、共重合体約200重量部、固溶体マゼンタ顔料約7重量部、飽和ポリエステル樹脂約10重量部、ジアルキルサリチル酸の金属化合物約2重量部及びエステルワックス約15重量部を含有していた。
【0124】得られたマゼンタトナー粒子(1)100重量部に疎水化処理酸化チタン微粉体を2重量部外添し、マゼンタトナーを得、このトナー7重量部に対し、アクリル樹脂コーティングされた磁性フェライトキャリア93重量部を混合し二成分系現像剤としてキヤノン製フルカラー複写機CLC500改造機にて耐久評価を行った。常温常湿(23℃、60%)の条件下、2万枚耐久後も現像性が低下することなく安定した鮮明かつ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0125】また着色力も良好であって、OHP透明性にも優れたものであった。結果を表3に示す。
【0126】比較例1着色剤をC.I.Pigment Red 122の7重量部に変更したことを除いては、実施例1と同様に処理し、比較マゼンタトナー粒子(1)を得た。得られた比較マゼンタトナー粒子(1)の重量平均径は、6.2μmで個数変動係数が58%で形状係数SF−1が109であった。
【0127】実施例1と同様にして、使用したC.I.Pigment Red 122の沈降試験をおこなったところ、約10時間でC.I.Pigment Red122は沈降してしまった。
【0128】得られた比較マゼンタトナー粒子(1)100重量部に疎水化処理酸化チタン微粉体2重量部を外添しマゼンタトナーを得、このトナー7重量部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライトキャリア93重量部を混合し二成分系現像剤として、キヤノン製フルカラー複写機CL500改造機にて耐久評価を行った。常温常湿の条件下、2万枚耐久を行ったところ、帯電性が低いために非画像部上にカブリがあるマゼンタ画像が得られた。
【0129】また着色力も実施例1と比較して低く、特にOHP透明性が実用上不十分なものであった。
【0130】比較例2着色剤をC.I.Pigment Violet 19の7重量部に変更したことを除いて実施例1と同様にして比較マゼンタトナー粒子(2)を生成した。得られた比較マゼンタトナー粒子(2)は重量平均粒径が6.7μmであり、個数変動係数が49%であり、形状係数SF−1が106であった。
【0131】実施例1と同様にして、使用したC.I.Pigment Violet 19の沈降試験をおこなったところ、約8時間でC.I.Pigment Violet 19は沈降してしまった。
【0132】得られた比較マゼンタトナー粒子(2)を実施例1と同様に耐久評価を行ったところ、実施例1と比較して帯電性も低いために初期よりカブリが生じ、画質も悪いものであった。
【0133】又、トナー粒子中における着色剤の分散性が悪いために、着色力や色再現性、OHP透過性に劣ったものであった。
【0134】比較例3固溶体マゼンタ顔料のかわりにC.I.Pigment Red 122を4.6重量部及びC.I.Pigment Violet 19を2.4重量部を使用することを除いて実施例1と同様にして比較マゼンタトナー粒子(3)を生成した。得られた比較マゼンタトナー粒子(3)は重量平均粒径が5.9μmであり、個数変動係数が56%であり、形状係数SF−1が113であった。
【0135】実施例1と同様に使用したマゼンタ顔料の沈降試験をおこなったところ、約10時間でマゼンタ顔料は沈降した。
【0136】得られたマゼンタトナー粒子を実施例1と同様に耐久試験を行ったところ、耐久枚数を重ねるにつれてカブリが生じ、画質も悪いものであった。
【0137】又、トナー粒子中における着色剤の分散性が実施例1よりも悪いために、着色力やOHP透過性、特に色再現性に劣ったものであった。
【0138】参考例1固溶体マゼンタ顔料(1)のかわりに固溶体マゼンタ顔料(a)を使用することを除いて、実施例1と同様にしてマゼンタトナー粒子(a)を生成した。マゼンタトナー粒子(a)の重量平均径は、6.2μmで個数変動係数が28%で、形状係数SF−1は107であった。得られたマゼンタトナー粒子(a)は、スチレン−n−ブチルアクリレート、共重合体約200重量部、固溶体マゼンタ顔料約7重量部、飽和ポリエステル樹脂約10重量部、ジアルキルサリチル酸の金属化合物約2重量部及びエステルワックス約15重量部を含有していた。
【0139】実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得、さらに、二成分系現像剤を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0140】参考例2固溶体マゼンタ顔料(1)のかわりに固溶体マゼンタ顔料(b)を使用することを除いて、実施例1と同様にしてマゼンタトナー粒子(b)を生成した。
【0141】得られたマゼンタトナー粒子(b)の重量平均は7.7μmで個数変動係数が35%で、形状係数SF−1が110であった。
【0142】実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得、さらに、二成分系現像剤を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0143】実施例2固溶体マゼンタ顔料(1)のかわりに、固溶体マゼンタ顔料(2)を使用することを除いて、実施例1と同様にしてマゼンタトナー粒子(2)を得た。マゼンタトナー粒子(2)の重量平均粒径は6.6μmであり、変動係数が32%であり、形状係数SF−1が109であった。
【0144】実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得、さらに、二成分系現像剤を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0145】実施例3固溶体マゼンタ顔料(1)のかわりに、固溶体マゼンタ顔料(3)を使用することを除いて、実施例1と同様にしてマゼンタトナー粒子(2)を得た。マゼンタトナー粒子(3)の重量平均径は6.2μmであり、変動係数が27%であり、形状係数SF−1が108であった。
【0146】実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得、さらに、二成分系現像剤を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0147】実施例4実施例1のエステルワックスをアルコール変性ポリプロピレンワックス(吸熱極大ピーク値;94℃)7重量部に変更したことを除いては実施例1と同様に処理し、マゼンタトナー粒子(4)を得た。
【0148】得られたマゼンタトナー粒子(4)の重量平均径は6.9μmで個数変動係数が27%で、形状係数SF−1が114であった。
【0149】得られたマゼンタトナー粒子(4)を実施例1と同様に耐久試験を行ったところ、現像性が安定した鮮明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0150】実施例5実施例1の飽和ポリエステル樹脂をスチレン−アクリル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチルエステル共重合体;酸価=12mgKOH/g;Mn=6700;ピーク分子量;10000)に変更したことを除いては実施例1と同様にして、マゼンタトナー粒子(5)を得た。
【0151】得られたマゼンタトナー粒子(5)の重量平均径は7.4μmで個数変動係数が31%で、形状係数SF−1が106であった。
【0152】得られたマゼンタトナー粒子(5)を実施例1と同様に耐久評価を行ったところ、現像性が安定した鮮明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0153】実施例6実施例1の飽和ポリエステル樹脂をエポキシ樹脂(ビスフェノールA−エピクロルヒドリン−無水フタル酸−トリエチレンテトラミンの重合体;酸価=3mgKOH/g;Mn=2800;ピーク分子量;7500)5重量部に変更したことを除いては実施例1と同様にして、マゼンタトナー粒子(6)を得た。
【0154】得られたマゼンタトナー粒子(6)の重量平均径は4.9μmで、個数変動係数が42%で、形状係数SF−1が111であった。
【0155】得られたマゼンタトナー粒子(6)を実施例1と同様に耐久評価を行ったところ、実施例1に比べやや帯電性が低いためにカブリが若干生じたが、実用のレベルで現像性が安定した鮮明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0156】
【表2】

【0157】
【表3】

【0158】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーは、高画像濃度のマゼンタ画像を形成し得、色彩が鮮明なマゼンタ色であり、OHPシートの定着画像において透明性に優れ、負摩擦帯電性にも優れているものである。




 

 


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