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発明の名称 加熱体、加熱装置及び画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−65338
公開日 平成11年(1999)3月5日
出願番号 特願平9−239025
出願日 平成9年(1997)8月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
発明者 福沢 大三
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 基材に、抵抗発熱体と、温度検知抵抗体とを具備する加熱体において、上記温度検知抵抗体を、加熱体発熱領域と非発熱領域とに複数配置し、これら複数の温度検知抵抗体の合成抵抗によって温度検知信号を出力することを特徴とする加熱体。
【請求項2】 上記温度検知抵抗体を印刷焼成により形成することを特徴とする請求項1記載の加熱体。
【請求項3】 上記非発熱領域に配置した温度検知抵抗体が加熱体発熱領域に配置した温度検知抵抗体よりも低温で高い分解能を有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の加熱体。
【請求項4】 上記基材がセラミックであることを特徴とする請求項1,2又は3記載の加熱体。
【請求項5】 被加熱材を加熱する加熱体として、前記請求項1,2,3又は4に記載の加熱体を備えたことを特徴とする加熱装置。
【請求項6】 加熱体と加圧部材との間に耐熱性フィルムを挟ませて加熱ニップ部を形成し、該加熱ニップ部の耐熱性フィルムと加圧部材との間に被加熱材を導入し耐熱性フィルムと一緒に搬送して該被加熱材を熱処理する加熱装置であり、該加熱体が前記請求項1,2,3又は4に記載の加熱体であることを特徴とする加熱装置。
【請求項7】 被加熱材が顕画剤画像を担持した記録媒体であることを特徴とする請求項5又は6に記載の加熱装置。
【請求項8】 被加熱材が未定着顕画剤画像を担持した記録媒体であり、該記録媒体に加熱体からの熱を付与して該顕画剤画像を記録媒体に熱定着させる加熱装置であり、該加熱体が前記請求項1,2,3又は4に記載の加熱体であることを特徴とする加熱装置。
【請求項9】 記録媒体に顕画剤画像を形成担持させる像形成手段と、この顕画剤画像を担持した記録媒体を熱処理する像加熱手段とを有し、該像加熱手段が前記請求項5乃至8の何れか1項に記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加熱材を加熱するための加熱体、該加熱体を備えた加熱装置、及び該加熱装置を像加熱手段として備えた画像形成装置に関する。
【0002】特に、電子写真複写機・プリンタ・ファックス等の画像形成装置における像加熱装置、即ち電子写真・静電写真・静電記録・磁気記録等の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等により成る顕画剤(トナー)を用いて記録媒体(エレクトロファックスシート・静電記録シート・記録材シートなど)の面に形成した、目的の画像情報に対応した未定着のトナー画像を前記画像を担持している記録材面に永久固着画像として加熱定着処理する画像形成装置として活用できる。
【0003】また、画像形成装置に限定されず、例えば画像を担持した記録材を加熱して表面性を改質する装置等、広く像担持体を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0004】
【従来の技術】便宜上、電子写真装置・静電記録装置等の画像形成装置において、転写材・エレクトロファックスシート・静電記録紙等の記録媒体に転写(間接)方式あるいは直接方式で形成担持させた未定着トナー画像を永久画像として熱定着(固着)させるために用いられる加熱定着装置を例にして説明する。
【0005】従来、該加熱定着装置としては熱ローラ方式の装置が多く用いられてきた。この装置は、ハロゲンランプ等の内蔵発熱源により所定の表面温度に加熱される熱ローラとしての定着ローラと、これに圧接させた加圧ローラとを有し、前記両ローラの圧接ニップ(定着ニップ部)に被加熱体としての記録媒体を導入して挟持搬送させることで圧接ニップ部において定着ローラの熱で未定着トナー画像を記録媒体面に熱定着させるものである。
【0006】しかし、定着ローラは熱容量が大きく、また熱ロスが大きくて熱効率が悪い等のことから、被加熱体を加熱するのに適した温度まで定着ローラを昇温させるのに時間がかかり、クイックスタート性に欠け、待機中も常時高温を維持しておかなければならず、そのため消費エネルギーが大きく省エネルギーに反していた。また、待機中も機内に熱を放出するため機内昇温の問題も発生していた。
【0007】一方、クイックスタート性があり、省電力オンデマンド加熱が可能な装置として、特開昭63−313182号公報等でフィルム加熱方式の加熱装置が提案されており、実用化もされている。図7に要部の構成模型図を示した。
【0008】1は図面に垂直な方向を長手とする低熱容量の横長の加熱体、30はこの加熱体1の発熱面を下向きに固定支持させた加熱体ホルダー、31は耐熱性フィルム、32は弾性加圧ローラであり、加熱体1と加圧ローラ32とを耐熱フィルム31を挟ませて圧接させることで所定幅の加熱部としての定着ニップ部Nを形成させてある。
【0009】フィルム31は不図示の駆動手段もしくは加圧ローラ32の回転駆動力により、定着ニップ部Nにおいて加熱体1の面に密着摺動しながら矢印方向に所定の速度で走行搬送される。
【0010】フィルム31が所定の速度で走行搬送され、加熱体1が所定の温度に温調された状態において、定着ニップ部Nのフィルム31と加圧ローラ32との間に、被加熱体としての未定着トナー像Tを担持した記録媒体Pが導入され、該記録媒体Pが像担持面をフィルム31の面に密着させて該フィルム31と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていき、その搬送過程で加熱体1からフィルム31を介して熱を受けて未定着トナー像Tが記録媒体面に熱定着される。
【0011】定着ニップ部Nを通った記録媒体Pはフィルム31の面から分離されて排出搬送される。
【0012】このような構成の装置おいては、加熱体1や耐熱性フィルム31に低熱容量のものを使用でき、また加熱部としての定着ニップ部Nをフィルム31を介して集中的に加熱できるので、装置をクイックスタートさせることができ、省電力オンデマンド加熱が可能である。
【0013】即ち、短時間に加熱体1の温度が上昇するため、加熱体1を予熱せずに被加熱体としての記録媒体の通紙を開始しても、記録媒体が定着部位Nに到達するまでに加熱体1を必要な温度に加熱することができる。しかも待機中は加熱を行わないので機内の昇温もなく、またエネルギーの消費もない。
【0014】低熱容量の加熱体1としては、セラミック基材に、抵抗発熱体と、温度検知抵抗体と、導電体パターンを具備させてなる、温度制御可能な加熱体が用いられている。
【0015】図8の(a)にその加熱体1の一例の一部切り欠き表面模型図(耐熱フィルム31が接する面側)を、(b)に裏面模型図を、(c)に(b)のc−c線に沿う拡大横断面模型図を示した。
【0016】(a)の加熱体表面側において、8はアルミナ等の横長セラミック基材、2はこの基材8の表面に基材長手に沿って細帯状に形成具備させた銀パラジウム等の抵抗発熱体、3は同じく基材8の表面に沿って上記抵抗発熱体2に平行させて細帯状に形成具備させた銀等の導電性パターンである。3aは抵抗発熱体2の左端部に電気的に導通接続させて基材左端部側の表面に形成具備させた銀等の第1電極、3bは導電体パターン30の左端部に一連にして基材左端部側の表面に、上記第1電極3aに並べて形成具備させた銀等の第2電極である。4は上記の第1及び第2の電極3a・3b部分を除いて、抵抗発熱体2と導電体パターン3をカバーさせて基材表面に形成具備させて基材表面に形成具備させたガラス等の絶縁性表面保護層である。
【0017】(b)の加熱体裏面において、12・12は基材右端部側から基材長手方向のほぼ中央部にかけて基材裏面長手に沿って平行に形成具備させた2条の細帯状の銀等の導電パターン、13はこの2条の導電パターン12・12の左端部間に導通通電させて基材裏面に形成具備させた温度検知抵抗体である。
【0018】そして、第1と第2の電極3a・3b間に不図示の通電回路からAC電圧が印加されることで、第1電極3a・抵抗発熱体2・導電体パターン3・第2の電極3bの通電制御回路(ACライン)に通電がなされ、抵抗発熱体3が全長に渡って発熱して加熱体が迅速昇温する。
【0019】この加熱体1の温度が基材裏面側の温度検知抵抗体13で検温されて前記温度検知抵抗体13の出力が導電体パターン12・12(DCライン)の右端部から不図示の通電制御回路にフィードされ、加熱体1の温度が所定の温度に維持されるように上記ACラインへの通電が制御される。即ち加熱体1の温度制御がなされる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】加熱体1の温度検知手段に関して、図9の(a)のように、サーミスタビーズ5をガラス6で保護したサーミスタ9を加熱体裏面等に取り付けてリード線7を介してサーミスタビーズ5の抵抗値を不図示の制御回路で測定することで加熱体1の温度を検出し、その測定情報に基づいて抵抗発熱体2に加える電力を制御して加熱体1の温度を所定の値に制御する場合は、サーミスタ9と加熱体1との接触状態のばらつきが大きく応答性が悪いといった欠点があった。
【0021】そこで近年は図9の(b)に示すような、チップ型のサーミスタ10を取り付けた加熱体が作られるようになった。このチップ型のサーミスタ10はアルミナの基材41の上にサーミスタ材42と電極43・43を形成具備させ、サーミスタ材42上に防湿層としてガラス層44をコートしたものである。そしてこのチップサーミスタ10を加熱体1の裏面に、チップサーミスタ10側の電極43・43と加熱体裏面側の電極12・12とを導電接着剤45・45で相互接着して導通させて取り付けたものである。
【0022】しかし、この手段構成も接着後に加熱硬化させる必要があったり、チップサーミスタ10と加熱体1の裏面との間隙によって応答性にばらつきが生じたりする点は完全には解決できなかった。また、導電接着剤45が十分に硬化していないため、工程の管理が複雑になる欠点がある。
【0023】そこで温度検知抵抗体を印刷によって加熱体上に直接形成することが提案されている。前述図8の(b)と(c)における温度検知抵抗体13はこれである。温度検知抵抗体の印刷による形成で早い応答性と強固な接着を可能とする。
【0024】しかし、単に、印刷で温度検知抵抗体13を加熱体1上に形成しても、200℃といった高温下や90℃、80%といった高湿下に置くと経時的に抵抗が増加してしまい制御温度が高めになってしまうという欠点が判った。
【0025】これは、印刷時にスクリーンメッシュを通して水蒸気や酸素といった気体が温度検知抵抗体のペーストの中に混入してしまうことで、その気体による温度検知抵抗体の酸化がおこるためと推測されている。このため、200℃で500時間放置するとおよそ3%以上の抵抗増加が発生していた。これは通常保管時には問題ないが加熱処理時は高温になるため処理を続けるにしたがって抵抗−温度特性が変化していくのである。
【0026】これに対して、本発明者は温度検知抵抗体上をガラス層でコートして防湿・酸化防止を図ったが十分な効果が得られなかった。これは温度検知抵抗体上に防湿用のガラス層を被覆しても、前記ガラス層の下にすでにこれらの気体が存在しているためである。この状態で、長期にわたって加熱体を高温にすると、その気体による温度検知抵抗体の酸化がおこり、温度検知抵抗体の抵抗値が上がると推測される。
【0027】そこで、本発明は早い応答性を確保すると共に、この温度検知抵抗体の酸化、その他の要因による抵抗特性の経時変化の問題を解決して信頼性、制御性、耐久性、加工性に優れた加熱体、加熱装置及び画像形成装置を得ることを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
〔1〕:基材に、抵抗発熱体と、温度検知抵抗体とを具備する加熱体において、上記温度検知抵抗体を、加熱体発熱領域と非発熱領域とに複数配置し、これら複数の温度検知抵抗体の合成抵抗によって温度検知信号を出力することを特徴とする加熱体。
【0029】〔2〕:上記温度検知抵抗体を印刷焼成により形成することを特徴とする〔1〕記載の加熱体。
【0030】〔3〕:上記非発熱領域に配置した温度検知抵抗体が加熱体発熱領域に配置した温度検知抵抗体よりも低温で高い分解能を有するものであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の加熱体。
【0031】〔4〕:上記基材がセラミックであることを特徴とする〔1〕,〔2〕又は〔3〕記載の加熱体。
【0032】〔5〕:被加熱材を加熱する加熱体として、前記〔1〕,〔2〕,〔3〕又は〔4〕に記載の加熱体を備えたことを特徴とする加熱装置。
【0033】〔6〕:加熱体と加圧部材との間に耐熱性フィルムを挟ませて加熱ニップ部を形成し、該加熱ニップ部の耐熱性フィルムと加圧部材との間に被加熱材を導入し耐熱性フィルムと一緒に搬送して該被加熱材を熱処理する加熱装置であり、該加熱体が前記〔1〕,〔2〕,〔3〕又は〔4〕に記載の加熱体であることを特徴とする加熱装置。
【0034】〔7〕:被加熱材が顕画剤画像を担持した記録媒体であることを特徴とする〔5〕又は〔6〕に記載の加熱装置。
【0035】〔8〕:被加熱材が未定着顕画剤画像を担持した記録媒体であり、該記録媒体に加熱体からの熱を付与して該顕画剤画像を記録媒体に熱定着させる加熱装置であり、該加熱体が前記〔1〕,〔2〕,〔3〕又は〔4〕に記載の加熱体であることを特徴とする加熱装置。
【0036】〔9〕:記録媒体に顕画剤画像を形成担持させる像形成手段と、この顕画剤画像を担持した記録媒体を熱処理する像加熱手段とを有し、該像加熱手段が前記〔5〕乃至〔8〕の何れか1項に記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0037】[作 用]即ち、温度検知抵抗体を加熱体発熱領域と非発熱領域とに複数配置し、これら複数の温度検知抵抗体の合成抵抗によって温度検知信号を出力する構成としたことにより、加熱体発熱領域よりも温度の低い非発熱領域に配置された温度検知抵抗体の経時変化が、加熱体熱領域に配置された温度検知抵抗体の経時変化よりも少くなるため、合成抵抗の経時変化が小さく抑えられ、信頼性、制御性、耐久性、加工性に優れた加熱体、加熱装置及び画像形成装置が得られる。
【0038】特に、温度検知抵抗体を印刷焼成によって形成したことにより、応答性のバラツキを少なくすることや、強固な接着を実現しつつ、経時変化を抑えられた。
【0039】
【発明の実施の形態】図1の(a)は本実施形態例における加熱体1の一部切り欠き表面模型図(前述の耐熱性フィルム31が接する面)、(b)は裏面模型図、(c)は(b)のc−c線に沿う拡大横断面模型図である。本形態例の加熱体1は、図6に示した装置と同様の加熱定着装置に備えられたものである。
【0040】図1の(a)において、8はアルミナ・窒化アルミ等のセラミックの基材、2はこの基材8の表面に対し銀パラジウム(Ag/Pd)・RuO2 ・Ta2 N等の電気抵抗材料のペースト材を印刷して焼成した抵抗発熱体、3,3a,3bは該抵抗発熱体22へAC電力を供給するため、該抵抗発熱体2と同様に印刷焼成された導電パターン,第1電極,第2電極、4は該抵抗発熱体2及び導電体パターン3を被覆して保護する絶縁性表面保護層としてのガラスコート層である。
【0041】また、図1の(b)、(c)において、13a,13bは温度検知抵抗体、12a,12b,12cは該温度検知抵抗体13a,13bと接続された導電パターン、14は防湿用・酸化防止用のガラスコートであり、外気による温度検知抵抗体13の耐久変化を防止している。これらは基材8の裏面に対し導電パターン12a,12b,12cを印刷焼成した後、温度検知抵抗体用のペースト材を印刷焼成して温度検知抵抗体13a・13bを形成し、該温度検知抵抗体13a・13bを夫々覆うようにガラスコート14を形成している。
【0042】該温度検知抵抗体用のペースト材は、コバルト、マンガン、ニッケル、ルテニウムといったものの合金や酸化物、白金あるいはチタン酸バリウム等のセラミックスといったものの粒子をガラスペースト材と混合したものが用いられる。
【0043】本形態例では、温度検知抵抗体13aを抵抗発熱体形成部の反対側、即ち基板内の最も高温となる加熱体発熱領域に配設し、温度検知抵抗体13bを抵抗発熱体2が形成されていない部分の反対側、即ち非発熱領域に配設している。
【0044】図2は、この温度検知抵抗体13a、13bを含む温度制御回路の概略図である。51は抵抗であり、この温度検知抵抗体13aから51までの間に電圧Vが印加されている。抵抗51の抵抗値Rは温度検知抵抗体13a、13bの常温時の抵抗値に対して十分小さいものが選択され、本形態例では温度検知抵抗体13a、13bの常温時の抵抗400kΩに対して50kΩである。また、電圧Vは5.0Vである。
【0045】温度の検出は温度検知抵抗体13aと13bの合成抵抗を含むA−B間の電圧VtをA/D変換してCPUにとりこむことで行われる。加熱体の温度が常温の時には、A−B間の抵抗は、抵抗51に対して十分大きいため、電圧Vtは約4.7Vと、電圧Vに近い値となる。加熱体の温度が上昇するにしたがって温度検知抵抗体13aの抵抗は低くなり、たとえば、所定の定着温度200℃では5kΩになる。この時、温度検知抵抗体13bは加熱体の発熱体の領域外にあるため、13aよりも温度は低く、約125℃で抵抗値は20kΩになる。A−B間の電圧Vtは、温度検知抵抗体13aと13bの抵抗をそれぞれRa,RbとするとV×(Ra+Rb)÷(Ra+Rb+R)であるから、本形態例では、5.0V×(5kΩ+20kΩ)÷(5kΩ+20kΩ+50kΩ)≒1.6666667Vで約1.67Vになる。Vtをこの電圧に制御することで、加熱体を所定の定着温度200℃に制御することができる。
【0046】従来の温度制御回路では図3に示すように温度検知抵抗体13は一つのみで、この一つの温度検知抵抗体の電圧がダイレクトに制御されていた。これに対し、本形態例では上記のように温度検知抵抗体を二つ、それぞれを加熱体の発熱領域内と発熱領域外に配置し、この二つの温度検知抵抗体の合成抵抗の電圧を制御している。
【0047】以下に、本形態例と従来例の比較を記す。
【0048】図3に示した従来の温度制御回路では抵抗51は10kΩ、電圧Vは5.0Vであり、温度検知抵抗体13を5kΩに制御する、すなわち200℃に加熱体を制御するのには電圧Vtを1.67Vにすればよい。この制御抵抗−制御電圧は本形態例と同様である。ここで、温度検知抵抗体13が1000時間経過して+10%抵抗値が上昇した場合、もともと200℃で5kΩであったものは5.5kΩになる。従来の温度制御回路では、制御はあくまで温度検知抵抗体13が5kΩになるように制御するため、10%の抵抗−温度特性の変化はそのまま10%で影響する。この温度検知抵抗体の場合、抵抗値10%の差は約7deg程度の温度差になるため、1000時間経過後に温度検知抵抗体13の抵抗を、同じ5kΩで制御していても、実際の加熱体の温度は207℃になる。
【0049】これに対し、本形態例の温度検知抵抗体13a,13bでは、配設された発熱領域と非発熱領域とで温度が異なるため、ほとんど常に200℃になる温度検知抵抗体13aと125℃の温度検知抵抗体13bとでは抵抗−温度特性の変化率も異なってくる。すなわち、1000時間経過後に温度検知抵抗体13aの抵抗−温度特性が10%変化しても、温度検知抵抗体13aより温度の低い位置にある温度検知抵抗体13bではほとんど変わらず1%以下である。従って、この二つの温度検知抵抗体13a,13bの合成抵抗は、経時変化が少なく、本実施例では、従来よりも制御温度のドリフトを少なくできるのである。
【0050】例えば、1000時間経過後に温度検知抵抗体13aの抵抗−温度特性が10%変化し、13bが0%の場合、13aの抵抗が5kΩの時は、加熱体温度は207℃になるため、13bの温度は125℃よりも高くなる。したがって、13bの抵抗は20kΩよりも低くなり、当然合成抵抗Ra+Rbは25kΩよりも小さくなる。電圧Vtも1.67Vよりも低いため、CPUはより13aの抵抗が高くなる方向(温度が低くなる方向)に制御をかける。結果として、13aの抵抗(温度)はより適正な方向に制御される。すなわち、抵抗−温度特性の変化に応じて自動的に温度検知抵抗体13aの制御抵抗値は補正されることになる。上記の例では温度検知抵抗体13aの温度が202℃・抵抗が5.3kΩ、13bの温度が126℃・抵抗が19.7kΩで合成抵抗が25kΩになり、バランスがとれて温調されることになる。これは従来の構成をとった場合の207℃と比べて、5degも温度が低く、この程度のドリフトであれば定着プロセス上問題の無いレベルである。
【0051】以上のように本形態例の構成をとることで、従来の温度検知抵抗体単体の電圧をダイレクトに制御したものに比べて、温度検知抵抗体の抵抗−温度特性の変化による制御温度のドリフトを減少させることができる。また、温度検知抵抗体は印刷で形成しているため、複数印刷してもほとんどコストアップにはならない。
【0052】なお、本形態例では温度検知抵抗体13aと13bに同一のものを用いたが、異なるものを用いてもよい。温度検知抵抗体は抵抗−温度特性によって、各温度検出の分解能に差があるが、13a、13bそれぞれの温度で最も分解能の良くなる温度検知抵抗体を用いれば、より温度制御の精度を向上させることができる。
【0053】また、本形態例では温度検知抵抗体13bは加熱体長手方向で発熱領域外に配置したが、図4に示すように加熱体幅方向で発熱領域外に配置してもよい。
【0054】また、本形態例では温度検知抵抗体13a、13bは直列で接続されているが、図5のように並列に接続しても同様の効果が得られる。
【0055】〈画像形成装置例〉図6は画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用の複写機或はプリンタである。
【0056】21は回転ドラム型の電子写真感光体であり、矢印の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)をもって回転駆動される。
【0057】22は感光体帯電手段としての接触帯電ローラであり、所定の帯電バイアスが印加されていて、この帯電ローラ22により回転感光体21面が所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
【0058】この回転感光体21の帯電処理面に対して不図示の露光手段(原稿画像のスリット結像露光手段、レーザビーム走査露光手段等)により目的の画像情報の露光23がなされて、回転感光体21面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0059】その潜像がトナー現像装置24によりトナー画像として現像される。
【0060】そのトナー画像が、回転感光体21とこれに接触させた転写ローラ25との圧接ニップ部である転写部において、該回転感光体−転写ローラ間に印加された転写バイアスにより、所定のタイミングにて搬送された被記録材としての転写材Pに対して転写されていく。
【0061】転写部を通過してトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光体21面から分離され、例えば、前述の画像加熱定着装置としてのフィルム加熱方式の加熱装置Rに搬送導入されて未定着トナー画像の加熱定着処理を受け、コピー或はプリントとして出力される。
【0062】転写材Pに対するトナー画像転写後の回転感光体21面はクリーニング装置26により転写残りトナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
【0063】〈その他〉■.上記形態例では、加熱体背面において抵抗発熱体2の直上の部分を加熱体発熱領域としたが、例えば、図7に示したように、発熱体2を基板中央よりも通紙方向上流側に偏らせて配置した装置で連続して通紙を行なった場合には、該発熱体直上よりも通紙方向の下流側に温度ピークが生じることがあるので、これを考慮して、該発熱体直上よりも、やや通紙方向下流側を加熱体発熱領域として考え、その他を非発熱領域と定義しても良い。この場合、連続通紙時の温度分布を予め測定し、抵抗変化が所定量(例えば5%)以上生じると推定される温度に達する領域を加熱体発熱領域、その他を非発熱領域と設定しても良い。
【0064】■.本発明の加熱装置は上記形態例で示した定着装置としてばかりでなく、その他例えば、画像を担持した転写材を加熱して表面性(つや等)を改質する装置、仮定着する装置等のいわゆる像加熱装置や、シート状物を給紙して乾燥処理・ラミネート処理する等の装置として広く使用できる。
【0065】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれば、早い応答性を確保すると共に、この温度検知抵抗体の酸化、その他の要因による抵抗特性の経時変化の問題を解決して信頼性、制御性、耐久性、加工性に優れた加熱体、加熱装置及び画像形成装置を得ることができる。




 

 


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