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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−45014
公開日 平成11年(1999)2月16日
出願番号 特願平9−202021
出願日 平成9年(1997)7月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
発明者 大釜 裕子 / 長谷川 浩人 / 後藤 正弘
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 像担持体に当接する回転体状の接触転写部材を備え、前記像担持体と前記接触転写部材間に形成される転写ニップ部において転写材を狭持搬送しながら前記像担持体上に形成されたトナー像を前記転写材上に転写する転写手段を有する画像形成装置において、前記接触転写部材は、芯金上に少なくともソリッド状で加熱処理されたローラ形状の弾性層を備え、かつ前記転写ニップ部での前記像担持体に対する前記接触転写部材の転写ニップ幅を0.5〜2.5mmとした、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記接触転写部材は転写ローラである、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】 前記弾性層は、硬度が1kg荷重時のASKER−C硬度が50〜80度である、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】 前記接触転写部材表面の表面粗さが、十点平均表面粗さ(Rz)で12μm以下である、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】 前記加熱処理は紫外線照射による処理である、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】 前記接触転写部材の長手中央部の径に対してその両端側の径を小さくした、請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】 前記接触転写部材の長手方向の両端部に、該接触転写部材の外径より小径の加圧力規制部材を設けた、請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式や静電記録方式を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、特に転写方式としてローラ転写方式を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式を利用した画像形成装置の多くは、有害とされているオゾンの発生が非常に少ない接触転写方式を採用しており、なかでも転写部での紙などの転写材の搬送性に優れたローラ転写方式が主流となっている。
【0003】ローラ転写方式は、弾性ゴムローラ層を有する転写ローラを電子写真感光体(以下、感光ドラムという)に圧接して転写ニップを形成し、該転写ニップで転写材を搬送しつつ、転写ローラに印加された転写バイアスの作用で感光ドラム上のトナー像を転写材上へ転写するものである。
【0004】転写ローラは、一般的にSUS、Fe等の芯金状にカーボン、イオン導電性フィラー等により抵抗調整しその抵抗を1×106 〜1×1010Ωとした導電性スポンジ弾性体層を形成した硬度20〜40度(ASKER−C)の弾性スポンジローラが用いられている。
【0005】また、近年、様々な転写材に印字する市場の要求が高まるに従い、より搬送性に優れた導電性ソリッドゴムからなる転写ローラを用いた画像形成装置も開発されている。
【0006】導電性ソリッドゴムからなる転写ローラは、その弾性層が高い復元力を有するソリッド状ゴムであるため、従来のスポンジタイプの転写ローラに比較して転写ニップ部での転写材保持力が高く、給紙のバックテンションや、葉書や厚紙などが転写材搬送路にこすれて生じる搬送抵抗などに対しても影響を受けにくく、より安定した転写材の搬送が行えるというメリットがある。
【0007】特に、感光ドラムに対して転写ローラを速回し駆動し、転写材を感光ドラムよりも速送りすることで感光ドラム上からトナーを掻き取る効果を持たせて中抜けを防止する、いわゆる転写速回し系の画像形成装置において、スポンジタイプの転写ローラに比べて印字比率の変化による転写材搬送速度の変化が少ないという特徴がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の導電性ソリッドゴムからなる転写ローラを用いる画像形成装置では、以下に示すような問題があった。
【0009】転写ローラの弾性層を形成するゴム内には、ベースポリマーを合成する際に投入する反応開始剤の残留物やその際に生成する副生成物、ベースポリマーの低分子成分、ゴムローラ成形時に添加する加硫剤や軟化剤、可塑剤等の成分が含まれる。
【0010】これらの成分は、感光ドラムの表層と反応しやすいものが多く、長時間転写ローラと感光ドラムを圧接した状態で放置すると、これらの成分が転写ローラよりしみ出してきて感光ドラムに付着し、反応して感光ドラム表面を改質してしまう。特に、ソリッドゴム状の転写ローラは、スポンジ状ゴムを弾性層とするスポンジ転写ローラに比較して硬度が高く、転写ニップ幅が狭くなるために単位面積当たりの感光ドラムに対する圧接力が高くなる傾向にある。
【0011】そのため、転写ローラ内に存在する材料ゴムの低分子量成分や加硫剤・可塑剤等が転写ローラ表面にしみ出しやすく、転写ローラが感光ドラムと圧接固定した状態のまま長時間おかれた場合、感光ドラム表面にしみ出した物質が付着して画像を乱し、さらにひどくなると、感光ドラム表面が反応・改質して白化してしまい以降の画像を全て乱してしまうという問題があった。
【0012】また、ソリッドゴム状の転写ローラは表面の粘着性が大きいため、通紙によって紙粉、トナー等が付着して表面が汚れてしまい、その付着物によってローラの表面抵抗が変化するために適正な転写電流が均一に流れなくなって、良好な画像得られなくなるという問題があった。
【0013】これらの問題を解決するために、転写ローラ表面に含有成分がしみ出すのを防止するバリア層となる物質をコーティングすることが考えられるが、転写ローラが複数層構成となることにより、材料費が増え、また、製造工程が複雑になるために転写ローラのコストが高くなるという問題があった。
【0014】また、紙粉の付着に対しても、転写ローラ表面に離型性の良い材料をコーティングすることで紙粉の付着を防止することが考えられるが、高離型性材料は一般的にコストが高いので、この場合も転写ローラのコストが高くなるという問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、像担持体に当接する回転体状の接触転写部材を備え、前記像担持体と前記接触転写部材間に形成される転写ニップ部において転写材を狭持搬送しながら前記像担持体上に形成されたトナー像を前記転写材上に転写する転写手段を有する画像形成装置において、前記接触転写部材は、芯金上に少なくともソリッド状で加熱処理されたローラ形状の弾性層を備え、かつ前記転写ニップ部での前記像担持体に対する前記接触転写部材の転写ニップ幅を0.5〜2.5mmとしたことを特徴としている。
【0016】また、前記接触転写部材は転写ローラであることを特徴としている。
【0017】また、前記弾性層は、硬度が1kg荷重時のASKER−C硬度が50〜80度であり、前記接触転写部材表面の表面粗さが、十点平均表面粗さ(Rz)で12μm以下であることを特徴としている。
【0018】また、前記加熱処理は紫外線照射による処理であることを特徴としている。
【0019】また、前記接触転写部材の長手中央部の径に対してその両端側の径を小さくしたことを特徴としている。
【0020】また、前記接触転写部材の長手方向の両端部に、該接触転写部材の外径より小径の加圧力規制部材を設けたことを特徴としている。
(作用)本発明の構成によれば、接触転写部材の弾性層を加熱処理することにより、接触転写部材表面に存在するゴム等の低分子成分や、加硫剤等の添加物をとばすと共に、シミ出し防止層を形成し、接触転写部材表面への内部物質のシミ出しを防止することができる。
【0021】また、転写ニップ部での前記像担持体に対する接触転写部材の転写ニップ幅を0.5〜2.5mmとしたことにより長期圧接放置による接触転写部材の内部物質のシミ出しによる像担持体の変質、白濁を防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【0023】この図において、1は像担持体としての感光ドラム、2は帯電ローラ、3は露光装置(レーザースキャナ)、4は現像装置、5は転写ローラ、6は定着装置、7はクリーニング装置である。
【0024】感光ドラム1は、OPC、アモルファスSi等の感光材料をアルミニウムやニッケル等からなるシリンダ状の基体上に形成して構成されており、所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0025】帯電ローラ2は、感光ドラム1表面に所定の押圧力で当接されて感光ドラム1の回転駆動に伴い従動回転し、帯電バイアス電源(不図示)から帯電ローラ2に対して所定の帯電バイアスを印加して、感光ドラム1を所定の極性、電位に帯電処理する。
【0026】露光装置3は、入力される画像情報に応じてレーザー光Lによる露光を、帯電処理された感光ドラム1上に行って静電潜像を形成する。
【0027】現像装置4は、本実施の形態では現像スリーブ4aを有する反転現像装置であり、現像スリーブ4aには現像バイアス電源(不図示)より現像バイアスが印加される。
【0028】転写ローラ5は、芯金上にソリッド状の弾性層を成形したローラ転写方式の接触転写手段であり、転写バイアス電源(不図示)より転写バイアスが印加される(転写ローラ5の詳細な構成については後述する)。
【0029】次に、上記した画像形成装置の画像形成動作について説明する。
【0030】画像形成時には、感光ドラム1は駆動手段(不図示)により所定のプロセススピードで回転駆動される。このとき、帯電ローラ2に帯電バイアス電源(不図示)からから帯電バイアスを印加して、感光ドラム1表面を帯電処理する。
【0031】そして、帯電処理された感光ドラム1表面に、露光装置3からレーザー光Lを画像情報に応じてON/OFF制御して走査露光がなされ、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置4で現像され、トナー像として顕像化される。
【0032】このとき、用紙などの転写材Pは、手差しトレイ10またはカセット11から各給紙ローラ12または13によって1枚づつ取り出され、プレフィードセンサ14によって定着温調立ち上げ完了を検知するまで待機した後、レジストセンサ15によって感光ドラム1表面に形成されたトナー像と同期を取って、感光ドラム1と転写ローラ5とで形成される転写ニップ部(転写部)にレジストローラ16、転写前ガイド17を介して供給される。
【0033】そして、転写ニップ部において、転写バイアスが印加された転写ローラ5により感光ドラム1上の前記トナー像が転写材Pに転写される。トナー像が転写された転写材Pは定着装置6に搬送され、定着装置6のニップ部で加熱・加圧されてトナー像が転写材P上に永久固着画像として定着され、外部へ排出される。
【0034】一方、転写後に感光ドラム1上に残留している転写残トナーは、クリーニング装置7によって感光ドラム1表面より除去される。
【0035】次に、転写ローラ5の構成について説明する。
【0036】転写ローラ5は、図2、図3に示すように、鉄、SUS等で形成される芯金20上にEPDM、シリコーン、NBR、ウレタン等のソリッド状の弾性体層21を形成したソリッドゴムローラで、ローラ硬度50〜80度(ASKER−C/1kg荷重時)、抵抗値106 〜1010Ωの範囲のものを使用する。弾性体層21は、研磨後にその表面を加熱処理したものを用いる。
【0037】転写ローラ5の芯金20の両端は軸受け22a,22bに回転自在に軸支されており、軸受け22a,22bに取り付けた加圧バネ23a,23bにより転写ローラ5の弾性層21を感光ドラム1に圧接している。転写ローラ5の芯金20の一端側には、感光ドラム1側に設けた駆動ギア(不図示)と噛み合ったギア24が連結されており、駆動手段(不図示)による感光ドラム1の回転駆動力がギア24を介して芯金20に伝達されることにより、転写ローラ5が回転される。感光ドラム1は矢印R2方向に回転駆動され、転写ローラ5は矢印R1方向に回転駆動される。
【0038】このときの転写ローラ5の感光ドラム1に対する圧接力は、静止状態における感光ドラム1上にトナー、インク等を均一に塗布し、そこに転写ローラ5の両端に荷重を加えて感光ドラム1に圧接して、転写ローラ5表面に付着したトナーまたはインクの幅から転写ニップ部Nの幅を求め、そのときの最大転写ニップ部の幅を最大ニップ幅とする。
【0039】本発明は、転写ニップ部Nでの最大転写ニップ幅を0.5〜2.5mmに設定することで、転写ローラ5の弾性層21からの含有成分のシミ出しによる感光ドラム1の変質、白濁を防止するものである。また、転写ローラ5の弾性層21表面を加熱処理することで弾性層21から含有成分がシミ出しにくくすると共に、表面を平滑にして紙粉などの付着を防止して長期に渡り良好な画像を得るのものである。
【0040】以下、具体例を挙げて転写ローラ5の構成ならびに動作について説明する。
(実施例1)本実施例では、図2、図3に示した転写ローラ5を、直径φ10mmの芯金20上にNBR系イオン導電性高分子を形成し、外径をφ18mm、長手方向の長さを216mmとした、ソリッドゴムを弾性層21とする単層ローラである。また、本実施例では、弾性層21のローラ硬度は60度(ASER−C/1kg荷重時)、抵抗値は1×108 Ωのものを用いた。
【0041】弾性層21は、芯金20上にインジェクション成形またはプレス成形した後に加硫し、表面を研磨した後に加熱処理を行って形成した。また、弾性層21を押し出し成形で形成した後、芯金20に圧入・加硫し、研磨した後に加熱処理を行っても良い。加熱処理としては、本実施例では250nm〜400nmの紫外線を照射するUV処理を行った。
【0042】表1は、250nm近傍の紫外線を3分間照射してUV処理を行った上記構成の転写ローラ5を用い、転写加圧力を変えた場合の転写ローラ5と感光ドラム1間の総圧接力(総圧)と、そのときの最大転写ニップ幅、さらにその圧接力をかけたたまま転写ローラ5と感光ドラム1を、温度40℃、湿度95%の環境に2週間放置した場合の感光ドラム1の変質状態を示したものである。
【0043】
【表1】

表1から明らかなように、転写総圧1.8kgまで(最大転写ニップ幅は2.3mm以下)は、感光ドラム1上に転写ローラ5内部からの含有成分のシミ出しによる跡は認められず(○)、感光ドラム1の変質も発生しないため、放置テスト後の感光ドラム1でも良好な画像が得られた。
【0044】転写総圧2.2kgで放置した場合(最大転写ニップ幅は2.6mm)は、感光ドラム1表面上端部の最大転写ニップ幅部に白い転写ニップ状のニップ跡が生じてハーフトーン画像に白筋が確認された(△)が、印字を5枚程度行うことで画像上の白筋は消えた。また、感光ドラム1表面をアルコールで拭くと感光ドラム1表面に残存しいるシミ出し物質はとれ、感光ドラム1の変質は発生しなかった。
【0045】転写総圧2.5kgで放置した場合(最大転写ニップ幅は3.0mm)は、感光ドラム1表面上端部の最大転写ニップ幅部に通紙、アルコール拭き等ではとれないニップ跡の白筋が発生した(×)。これは、転写ローラ5のつぶれ量が大きくなり、転写ローラ5からソリッドゴムに含まれる低分子成分がシミ出しやすくなったためで、この感光ドラム1表面の白筋は、転写ローラ5からシミ出した物質と感光ドラム1表面とが化学反応を起こしてドラム表面が変質したために、白濁をした跡であった。
【0046】このように、感光ドラム1表面が反応を起こして変質してしまった白濁はアルコールなどの溶剤で拭いてもとれず、その後の通紙で画像上に白いニップ跡を発生させ、文字画像でもその跡が確認できるレベルとなった。このニップ跡はさらに500枚通紙を行っても消えなかった。
【0047】更に、弾性層21の硬度が50〜80度(ASKER−C/1kg荷重時)の範囲の転写ローラ5に対して前記同様の実験を行った結果、転写加圧力が総圧2.2kg以下、最大転写ニップ幅が2.5mm以下で、転写ローラ5内部からの含有成分のシミ出しによる感光ドラム1の変質を防止することができた。
【0048】しかしながら、転写加圧力が小さく、転写ニップ部Nの幅が0.5mm以下になると転写ニップ部Nでの転写材Pの保持性が悪くなり、搬送力が小さくなって転写ニップ部N(転写部)での搬送性が不安定になることが分かっている。
【0049】図4は、ソリッド状の弾性層20を有する転写ローラ5を用いた場合の感光ドラム1に対する転写加圧力(転写総圧)と転写ニップ幅の関係を示すグラフである。この図に示すように、ソリッド状の弾性層20を有する転写ローラ5は、一般的に約50〜80度(ASKE−C/1kg荷重時)の範囲のもを用いているが、いずれの硬度でも安定して0.5mm以上の転写ニップ幅が確保できる転写加圧力は500g以上であった。
【0050】従って、感光ドラム1に対する転写ローラ5内の物質によるシミ出しと、転写ニップ(転写部)での転写材Pの搬送性を両立する転写加圧力(転写総圧)は総圧500〜2000gの範囲である。
【0051】表2は、ソリッド状の弾性層20を有する転写ローラ5の弾性層20の表面粗さと1万枚通紙耐久後の紙粉の付着の様子を示したものである。
【0052】
【表2】

ここで、ソリッド状の弾性層20を有する転写ローラ5の弾性層20の表面粗さは、UV処理時間等の加熱処理条件を変えることで変更することができる。本実施例では、UV照射時間を変えることで転写ローラ5の弾性層20の表面粗さを変えた。
【0053】図5は、転写ローラ5の弾性層20に対するUV処理時間と転写ローラ5の表面粗さ(十点平均粗さ:Rz)の関係を示すグラフである。この図では、UV処理前のローラ表面粗さが18.5μm程度の転写ローラ5をUV処理した場合を示した。転写ローラ5の表面は、処理時間を長くするにしたがって表面粗さが小さくなり、例えばUV処理時間4分では転写ローラ5の表面粗さは7.5μm程度であった。
【0054】表2に示すように、通紙耐久による転写ローラ5表面の紙粉汚れは、転写ローラ5表面粗さによってそのレベルが変わる。この結果から転写ローラ5の表面粗さを12.5μm程度以下、好ましくは12.0μm以下(表2では、UV処理時間が2〜5分の場合に表面粗さは11〜6μm)とすることで、紙粉による転写ローラ5表面の汚れと、それに伴う画像問題を防止することができることが分かった。
【0055】転写ローラ5表面の粗さは研磨のみでは、転写ローラ5の表面粗さを12μm以下にすることは難しいが、本実施例のように、UV処理のような加熱処理を研磨後に行うことで所望の表面粗さを容易に得ることができる。
【0056】そして、ローラ表面粗さが12μmのソリッド状の弾性層20を有する転写ローラ5を用いて通紙耐久を行ったところ、20万枚に渡り紙粉汚れもなく、画像問題のない良好な画像が得られた。
【0057】このように本実施例では、転写ローラ5のソリッド状の弾性層20表面を加熱処理し、感光ドラム1に対する転写ローラ5の転写加圧力を総圧500g〜2kg、最大転写ニップ幅を2.5mm以下(最小転写ニップ幅は、上記したように0.5mm)とすることで、転写ローラ5内の物質のシミ出しによる感光ドラム1の変質と画像問題のない良好な画像を得ることができ、また、通紙による転写ローラ5表面の紙粉等の異物の付着による画像問題を防止することができる。
(実施例2)本実施例では、転写ローラとしてコストの安い小径のソリッドゴム転写ローラを用い、転写ローラのたわみによる加圧力の不均一を補正して、局所的に高い圧力がかかることで転写ローラからのシミ出しが発生することを防止するようにした例である。
【0058】図6は、本実施例における転写ローラ5aを示す概略図である。本実施例の転写ローラ5aは、転写ローラ長手方向を研磨によりなだらかなクラウン形状(太鼓型形状)であり、直径φ4mmの芯金20上にイオン導電性のNBRゴムからなるソリッドゴムの弾性層21を形成し、外径φ12mm、抵抗値5×108 Ω、硬度を65度(ASER−C/1kg荷重時)としたものを用いた。画像形成装置の転写ローラ5a以外の構成は、図1に示した画像形成装置と同様である。
【0059】転写ローラ5aは表面を研磨した後に加熱処理を行うが、本実施例では250nm近傍の紫外線を照射するUV処理を3分間行った。
【0060】本実施例のように、芯金20が小径の転写ローラ5aは両端に加圧力をかけることで撓みやすい。特に、転写ローラ5aがソリッド状の弾性層21を有している場合はこの弾性層21の硬度が高く、変形しにくいため、撓みによって転写ニップの長手中央部と両端部での転写ニップ幅の差が大きくなる。
【0061】このため、転写ローラ5aのたわみを補正して転写加圧時に均一なニップ幅を得るために、本実施例では、上記したように転写ローラ5aの弾性層21の長手中央部の径に対して両端側の径を小さくしたクラウン形状(太鼓型形状)とした。
【0062】表3は、転写ローラ5aの弾性層21のクラウン量(弾性層21の長手方向の中央部と端部との径の差)が200μm、転写加圧力総圧が1kgの場合の転写ニップの測定値を示したものである。なお、比較例としてクラウン無しのストレート形状の転写ローラの転写ニップの測定値を示した。
【0063】
【表3】

表3に示した実験結果から明らかなように、比較例のストレート形状の転写ローラは端部のニップ幅が広く、転写加圧力が端部に集中的にかかっていることが分かる。この場合、転写加圧力が集中的にかかる転写ニップ端部で、転写ローラからのシミ出しが発生しやすくなることが分かっている。
【0064】一方、本実施例の構成では、転写ローラ5aの弾性層21のクラウン量(弾性層21の長手方向の中央部と端部との径の差)を200μmに設定した結果、転写ニップ幅が転写ローラ長手方向全域に渡りほぼ0.9mm強の一定幅となり、転写ニップに均一に転写加圧力がかかる状態となった。
【0065】そして、弾性層21のクラウン量が200μmの転写ローラ5を、感光ドラム1に転写加圧力(転写総圧)1kgで圧接し、温度40℃、湿度95%の環境下に2週間放置して転写ローラ5内部からの成分のシミ出しを調べた結果、転写ローラ5内部からの成分のシミ出し跡は認められず、良好な画像が得られた。
【0066】また、転写ニップが均一なため、転写材Pの搬送性は良好であった。特に、幅の狭いサイズ紙を通紙した場合、従来では大サイズ紙に比べて搬送力が不安定になりやすい欠点があったが、本実施例では常に安定した搬送力が得られるようになった。
【0067】転写ローラ5の上記したクラウン量は、転写ローラ5の芯金20及び弾性層21の肉厚と硬度、転写加圧力等によって最適値は異なるため、使用する転写ローラによって転写ニップ幅が均一になるように規定する。
【0068】このように本実施例では、転写ローラ5aの弾性層21の長手中央部に対して両端部を細くしたクラウン形状(太鼓型形状)としたことにより、小径の転写ローラがたわむことで発生する転写圧の不均一をなくし、転写ローラ5aからのシミ出しによる感光ドラムの変質、白濁のない良好な画像を得ると共に、安定した転写材Pの搬送性を得ることが可能となる。
【0069】また、表面を加熱処理したことにより、通紙による転写ローラ5a表面の紙粉等の異物の付着による画像問題を防止することができる。
(実施例3)本実施例では、ソリッドゴム転写ローラを用い、転写ローラの長手方向両端側に転写加圧力を規制するためのコロを設けることで転写加圧力を規制し、転写ローラからの成分のシミ出しを防止して、それによる感光ドラムの変質を防止するものである。
【0070】図7は、本実施例における転写ローラ5bを示す概略図である。本実施例では、転写ローラ5bの長手方向両端の芯金20上に、転写ローラ5bの外径よりやや小径のPOM等の樹脂製からなる転写加圧規制コロ24a,24bを取り付けた構成である。
【0071】転写ローラ5bは、直径φ8mmの芯金20上にNBR系イオン導電性高分子を形成し、外径をφ16mm、長手方向の長さを216mmとした、ソリッドゴムを弾性層21とする単層ローラである。また、本実施例では、弾性層21のローラ硬度は55度(ASER−C/1kg荷重時)、抵抗値は1×108 Ωのものを用いた。
【0072】弾性層21は、押し出し成形で形成した後、芯金20に圧入・加硫し、研磨した後に加熱処理を行って形成した。加熱処理としては、本実施例では300nmの紫外線を3分間照射するUV処理を行った。画像形成装置の転写ローラ5b以外の構成は、図1に示した画像形成装置と同様である。
【0073】転写加圧規制コロ24a,24bと弾性層21との外径差(弾性層21の外径の方が転写加圧規制コロ24a,24bの外径より大きい)をΔ0.3mmとした。このときの、転写ローラ5bと感光体1間の転写ニップの幅は1.2mmであった。
【0074】このように、加圧力規制コロ24a,24bを弾性層21の両側に設けることで、製造上の弾性層21の外径、硬度のばらつき、耐久による外径、硬度の変化があっても、一定以上の加圧力で転写ローラ5bが感光体1に当接すると、加圧力規制コロ24a,24bが感光体1に当接することにより、転写ローラ5bにかかる圧力を一定にすることができるので、最大転写ニップ幅を2.5mm以下(最小転写ニップ幅は、上記したように0.5mm)に設定することができる。
【0075】従って、本実施例においても、感光ドラム1に対する転写ローラ5bの転写加圧力を総圧500g〜2kg、最大ニップ幅を2.5mm以下とすることで、転写ローラ5bからのシミ出しによる感光ドラム1の変質と画像問題のない良好な画像を得ることができ、また通紙による転写ローラ5b表面の紙粉等の異物の付着による画像問題を防止することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、接触転写部材は、芯金上に少なくともソリッド状で加熱処理された弾性層を備え、かつ転写ニップ部での像担持体に対する接触転写部材の転写ニップ幅を0.5〜2.5mmとしたことにより、接触転写部材表面に存在するゴム等の低分子成分や、加硫剤等の添加物をとばすと共に、シミ出し防止層を形成し、接触転写部材表面への内部物質のシミ出しを防止することができる。
【0077】また、転写ニップ部での像担持体に対する接触転写部材の転写ニップ幅を0.5〜2.5mmとしたことにより、長期圧接放置による接触転写部材の内部物質のシミ出しによる像担持体の変質、白濁を防止することができるので、良好な画像を得ることができる。




 

 


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