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発明の名称 画像定着装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−38806
公開日 平成11年(1999)2月12日
出願番号 特願平9−208296
出願日 平成9年(1997)7月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 徹
発明者 片岡 洋
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 一対の回転体の間に未定着トナー像を担持させた記録材を搬送し、記録材を加熱および加圧することでトナー像を記録材上に永久定着させる画像定着装置において、少なくとも一方の回転体に当接するとともに記録材に接触する帯電部材が一対の回転体の記録材搬送方向の後方に設けられ、帯電部材には、トナーと同極性の直流電圧が印加されていることを特徴とする画像定着装置。
【請求項2】 帯電部材に印加されている直流電圧の絶対値は、帯電部材が当接させられている回転体の表面電位の絶対値よりも高いこととする請求項1に記載の画像定着装置。
【請求項3】 帯電部材は、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体に当接させられていることとする請求項1または請求項2に記載の画像定着装置。
【請求項4】 帯電部材は、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体に当接させられ、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体と画像形成装置GNDとの間に、画像形成装置GNDにアノード側を接続したダイオード素子と画像形成装置GNDにカソード側を接続したダイオード素子との2つのダイオード素子が配置されて、一対の回転体の間の記録材の有無によって2つのダイオード素子の一方がオフかつ他方がオンとなることとする請求項1または請求項2に記載の画像定着装置。
【請求項5】 一対の回転体の間に未定着トナー像を担持させた記録材を搬送し、記録材を加熱および加圧することでトナー像を記録材上に永久定着させる画像定着装置において、少なくとも一方の回転体と対向するとともに非接触に配置され、且つ、記録材に接触する帯電部材が一対の回転体の記録材搬送方向の後方に設けられ、帯電部材には、トナーと同極性の直流電圧が印加されているとともに、帯電部材に印加されている直流電圧の絶対値は、帯電部材が対向させられている回転体の表面電位の絶対値よりも高いこと特徴とする画像定着装置。
【請求項6】 帯電部材に印加する直流電圧に、所定のデューティー比の矩形波の交流電圧を重畳することを特徴とする請求項5に記載の画像定着装置。
【請求項7】 一対の回転体の間に未定着トナー像を担持させた記録材を搬送し、記録材を加熱および加圧することでトナー像を記録材上に永久定着させる画像定着装置において、少なくとも一方の回転体と対向するとともに非接触に配置され、且つ、記録材と非接触の帯電部材が一対の回転体の記録材搬送方向の後方に設けられ、帯電部材には、トナーと同極性の直流電圧に所定のデューティー比の矩形波の交流電圧を重畳したバイアスが印加されていること特徴とする画像定着装置。
【請求項8】 帯電部材は、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体に対向させられていることとする請求項5から請求項7のうちいずれか1つに記載の画像定着装置。
【請求項9】 帯電部材は、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体に対向させられ、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体と画像形成装置GNDとの間に、画像形成装置GNDにアノード側を接続したダイオード素子と画像形成装置GNDにカソード側を接続したダイオード素子との2つのダイオード素子が配置されて、一対の回転体の間の記録材の有無によって2つのダイオード素子の一方がオフかつ他方がオンとなることとする請求項5から請求項7のうちいずれか1つに記載の画像定着装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未定着トナー像を担持した記録材に加熱および加圧作用を施すことで、永久画像として定着する画像定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、像担持体上に形成された静電潜像を、例えばトナーで現像してトナー画像として可視像化し、像担持体上のトナー画像を記録材上に未定着画像として転写し、記録材上に担持された未定着トナー画像を加熱および加圧することで記録材上に定着させて永久画像を得ることができる画像形成装置が知られている。
【0003】図8に、上記の画像形成装置に用いられて、記録材上の未定着画像を定着させる画像定着装置の構成を示す。図8に示すように、一対の回転体として、定着ローラ1と加圧ローラ2とが対向して配置され、定着ローラ1と加圧ローラ2との対向部で形成されるニップ部Nに記録材として記録紙6を通し、記録紙6を定着ローラ1の回転により所定方向に搬送することができるようになっている。
【0004】定着ローラ1は、例えば、アルミニウムや鉄等の芯金11上にPFA、PTFE等のフッ素樹脂から成る離型層12を設け、内部には加熱手段としてヒータ3が設けられており、ヒータ3により定着ローラ1の表面を内部より加熱して、ニップ部Nに通された記録紙6上の未定着トナー像7を加熱できるようになっている。
【0005】なお、定着ローラ1の表面には、定着ローラの表面温度を検知する温度検知センサーであるサーミスタ5が設けられ、サーミスタ5が定着ローラの表面に所定の当接圧で当接させられており、定着ローラ1の表面の温度をサーミスタ5で検知するとともに、その検知結果によって、定着ローラ1の表面温度が一定となるようにヒータへの通電をオンまたはオフできるようになっている(通電をオンまたはオフさせている電気回路は図示を省略した)。
【0006】加圧ローラ2は、図示を省略した加圧手段によって定着ローラ1側に押圧されて、定着ローラ1と加圧ローラ2とで定着ニツプNを形成して、ニップ部Nに通された記録紙6を所定の圧力で加圧できるようになっている。また、加圧ローラは、例えば、アルミニウムや鉄等の芯金21上に、耐熱性を持ったシリコンスポンジゴム等からなる弾性層22を設けるとともに、PFA、PTFE等のフッ素樹脂等の離型性の良い樹脂からなる離型層23が形成されている。
【0007】定着ローラ1の離型層12は、記録紙6の上に担持されている未定着トナー像のトナーが定着ローラ1の表面に転移することを防止して、トナーが定着ローラ1の表面に転移して後続の画像を汚す現象であるオフセット現象を防止するものである。更に、トナー固有の静電荷(例えば、マイナス極性)を利用してオフセット現象を防止している。具体的には、定着ローラ1に接続された定着バイアス電源8から芯金11に、トナー固有の静電荷と同極性(例えば、マイナス)のバイアスを印加することで、トナーと定着ローラとの間に発生する斥力によって確実にオフセット現象を防止するものである。
【0008】定着ローラ1に印加される定着バイアスは、画像形成装置本体に設けられたメインモータMと同期して印加されるようになっており、メインモータが回転している間は画像形成装置本体の制御CPU15から定着バイアスをONとする信号が発信され、メインモータが回転している間は定着バイアスがONとなり、回転していないときは定着バイアスをOFFとしている。
【0009】加圧ローラ2の離型層23は、記録材上から定着ローラ1にトナーが付着した場合に、定着ローラ1の表面に転移したオフセットトナーや記録材の裏面に付着したトナーが、加圧ローラ2の表面に付着することを防止している。
【0010】また、加圧ローラ2には、加圧ローラ2の芯金21と画像形成装置の本体GNDとの間にダイオード素子9が設けられており、加圧ダイオード素子9は、加圧ローラ2の芯金21側がカソード、本体GND側がアノードとなるように接続することで、芯金21の電位がマイナスとならないようにし、定着ローラ1の表面と加圧ローラ2の芯金21との間に電位差を作り、その電界によってオフセット現象を防止している。
【0011】また、画像定着装置には、記録紙6をニップ部Nに導く入り口ガイド4が設けられており、未定着トナー画像が担持された記録紙6を定着ニツプ部Nに搬送するようになっている。そして、ニップ部Nで、記録紙6に担持された未定着トナー7が、定着ローラ1により加熱されるとともに加圧ローラ2により加圧されることで、記録紙6上にトナー画像が永久画像として定着する。なお、トナー画像を担持させて定着装置へ搬送される記録材としては、例えば記録紙等がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の画像定着装置に搬送される記録材として記録紙を用いた場合、記録紙に填料として炭酸カルシウム(以下、炭カルとする)を10%以上含有している記録材を連続通紙すると、搬送されてくる記録紙に含有されている炭カルと、定着ローラ表層であるフッ素樹脂層が、搬送中に摩擦帯電することで、記録紙に含有されている炭カルは、例えばプラスに帯電し、フッ素樹脂はマイナスに帯電する。ここで、定着ローラの芯金にはオフセット防止の目的で、マイナスの定着バイアスを印加しているため定着ローラ表面はマイナスの電位となっている。
【0013】プラスに帯電した炭カルと、マイナスに帯電しているフッ素樹脂とオフセット防止の定着バイアスによってマイナスの表面電位となっている定着ローラ表面の間には、静電的な力が働き、記録材の表面部分の炭カルが定着ローラ表面に静電的に付着することとなる。定着ローラ表面には、離型性に優れたフッ素樹脂が用いられているが、炭カルが付着することで離型性が低下してしまい、更に炭カルが付着しやすくなるという問題がある。
【0014】定着ローラ表面に炭カルが付着すると、■定着バイアスによるマイナス電荷と炭カルの帯電電荷であるプラス電荷が相殺してしまう、■離型性が低下してしまう、の2つの原因により記録材上の未定着トナーが定着ローラ上にオフセットしてしまう。オフセットしたトナーは記録材と記録材の搬送間隔において、定着ローラ表面から加圧ローラ表面に転移し、加圧ローラ表面に蓄積してしまう。蓄積したトナーは、記録材裏面のトナー汚れとなって表れ画像欠陥となるという問題があった。
【0015】そこで、本発明は、定着ローラなどの回転体に付着した炭カルを除去できるようにすることにより、定着ローラや加圧ローラにオフセットトナーが付着しないようにして、画像欠陥を防止することができる画像定着装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本出願にかかる第1の発明によれば、上記目的は、一対の回転体の間に未定着トナー像を担持させた記録材を搬送し、記録材を加熱および加圧することでトナー像を記録材上に永久定着させる画像定着装置において、少なくとも一方の回転体に当接するとともに記録材に接触する帯電部材を一対の回転体の記録材搬送方向の後方に設け、帯電部材には、トナーと同極性の直流電圧を印加することにより達成される。
【0017】また、本出願にかかる第2の発明によれば、上記目的は、帯電部材に印加されている直流電圧の絶対値を、帯電部材が当接させられている回転体の表面電位の絶対値よりも高くすることにより達成される。
【0018】また、本出願にかかる第3の発明によれば、上記目的は、帯電部材を、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体に当接させることにより達成される。
【0019】また、本出願にかかる第4の発明によれば、上記目的は、帯電部材を、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体に当接させ、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体と画像形成装置GNDとの間に、画像形成装置GNDにアノード側を接続したダイオード素子と画像形成装置GNDにカソード側を接続したダイオード素子との2つのダイオード素子を配置して、一対の回転体の間の記録材の有無によって2つのダイオード素子の一方がオフかつ他方がオンとなるようにすることにより達成される。
【0020】また、本出願にかかる第5の発明によれば、上記目的は、一対の回転体の間に未定着トナー像を担持させた記録材を搬送し、記録材を加熱および加圧することでトナー像を記録材上に永久定着させる画像定着装置において、少なくとも一方の回転体と対向するとともに非接触に配置され、且つ、記録材に接触する帯電部材を一対の回転体の記録材搬送方向の後方に設け、帯電部材には、トナーと同極性の直流電圧を印加するとともに、帯電部材に印加されている直流電圧の絶対値を、帯電部材が対向させられている回転体の表面電位の絶対値よりも高くすることにより達成される。
【0021】また、本出願にかかる第6の発明によれば、上記目的は、帯電部材に印加する直流電圧に、所定のデューティー比の矩形波の交流電圧を重畳することにより達成される。
【0022】また、本出願にかかる第7の発明によれば、上記目的は、一対の回転体の間に未定着トナー像を担持させた記録材を搬送し、記録材を加熱および加圧することでトナー像を記録材上に永久定着させる画像定着装置において、少なくとも一方の回転体と対向するとともに非接触に配置され、且つ、記録材と非接触の帯電部材を一対の回転体の記録材搬送方向の後方に設け、帯電部材には、トナーと同極性の直流電圧に所定のデューティー比の矩形波の交流電圧を重畳したバイアスを印加することにより達成される。
【0023】また、本出願にかかる第8の発明によれば、上記目的は、帯電部材を、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体に対向させることにより達成される。
【0024】また、本出願にかかる第9の発明によれば、上記目的は、帯電部材を、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体に対向させ、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体と画像形成装置GNDとの間に、画像形成装置GNDにアノード側を接続したダイオード素子と画像形成装置GNDにカソード側を接続したダイオード素子との2つのダイオード素子を配置して、一対の回転体の間の記録材の有無によって2つのダイオード素子の一方がオフかつ他方がオンとなるようにすることにより達成される。
【0025】つまり、本出願にかかる第1の発明によれば、回転体よりも記録材搬送方向の後方に配置された帯電部材にトナーと同極性の直流電圧を印加することにより、トナーが担持された記録材と当接している回転体の表面にトナーと異極性に帯電して付着した炭カルが除去され、回転体の離型性が維持されてトナーの回転体へのオフセットが防止される。また、帯電部材が記録材に接触させられていることにより、帯電部材に付着した炭カルが記録材の表面に擦り付けられるので、帯電部材への炭カルの蓄積が防止される。
【0026】また、本出願にかかる第2の発明によれば、帯電部材に印加されている直流電圧の絶対値を、帯電部材が当接させられている回転体の表面電位の絶対値よりも高くすることにより、効果的に炭カルの除去が行なわれる。
【0027】また、本出願にかかる第3の発明によれば、帯電部材を、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体に当接させることにより、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体の離型性が長期にわたって確保され、トナーのオフセットが防止される。
【0028】また、本出願にかかる第4の発明によれば、帯電部材を、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体に当接させることにより、未定着トナー像と接する回転体の表面に帯電部材との摺察による傷等が発生することがない。また、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体と画像形成装置GNDとの間に、画像形成装置GNDにアノード側を接続したダイオード素子と画像形成装置GNDにカソード側を接続したダイオード素子との2つのダイオード素子を配置して、一対の回転体の間に記録材があるときには本体GND側がアノードとなっているダイオードをオンにし(他方のダイオードをオフ)、一対の回転体の間に記録材が無いときには、本体GND側がカソードとなっているダイオードをオンにし(他方のダイオードをオフ)にすることにより、定着工程中のオフセットが効果的に防止されるとともに、未定着トナー像と接する回転体に付着した炭カルが効果的に除去される。
【0029】また、本出願にかかる第5の発明によれば、回転体に非接触に配置されるとともに、回転体よりも記録材搬送方向の後方に配置された帯電部材にトナーと同極性の直流電圧を印加することにより、トナーが担持された記録材と当接している回転体の表面にトナーと異極性に帯電して付着した炭カルが、帯電部材に飛翔することにより除去され、回転体の離型性が維持されてトナーの回転体へのオフセットが防止される。このとき、帯電部材により回転体の表面に傷が付くなどの不具合が無いとともに、帯電部材が記録材に接触させられていることにより、帯電部材に付着した炭カルが記録材の表面に擦り付けられるので、帯電部材への炭カルの蓄積が防止される。
【0030】また、本出願にかかる第6の発明によれば、帯電部材に印加する直流電圧に、所定のデューティー比の矩形波の交流電圧を重畳することにより、交流電圧のデューティー比に応じた時間だけ帯電部材と対向する回転体の表面と帯電部材の表面との間で炭カルが飛翔をくり返し、飛翔を繰り返している間に炭カルの自重によって落下して回転体への炭カルの付着が防止される。
【0031】また、本出願にかかる第7の発明によれば、帯電部材が回転体と記録材との両者から非接触で配置され、帯電部材に印加する直流電圧に、所定のデューティー比の矩形波の交流電圧を重畳されているので、交流電圧のデューティー比に応じた時間だけ帯電部材と対向する回転体の表面と帯電部材の表面との間で炭カルが飛翔をくり返し、飛翔を繰り返している間に炭カルの自重によって落下して回転体への炭カルの付着が防止されるとともに、帯電部材が当接して回転することによる傷などが発生しない。
【0032】また、本出願にかかる第8の発明によれば、帯電部材を、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体に対向させることにより、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体の離型性が長期にわたって確保され、トナーのオフセットが防止される。
【0033】また、本出願にかかる第9の発明によれば、帯電部材を、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体に非接触で対向させることにより、未定着トナー像と接する回転体の表面に帯電部材との摺察による傷等が発生することがない。また、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体と画像形成装置GNDとの間に、画像形成装置GNDにアノード側を接続したダイオード素子と画像形成装置GNDにカソード側を接続したダイオード素子との2つのダイオード素子を配置して、一対の回転体の間に記録材があるときには本体GND側がアノードとなっているダイオードをオンにし(他方のダイオードをオフ)、一対の回転体の間に記録材が無いときには、本体GND側がカソードとなっているダイオードをオンにし(他方のダイオードをオフ)にすることにより、定着工程中のオフセットが効果的に防止されるとともに、未定着トナー像と接する回転体に付着した炭カルが効果的に除去される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0035】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の実施形態を図1により説明する。なお、本実施形態における画像定着装置の構成で、従来例と同様である箇所については同じ番号を付与し、一部説明を省略する。また、広く知られている電子写真方式の画像形成装置についての説明は省略するが、本実施形態では、A4サイズの記録材を横方向の通紙で毎分25枚プリントすることが可能な画像形成装置とした。なお、本実施形態に使用されるトナーは、マイナスに帯電するものを用いるようにした。
【0036】記録材上のみ定着トナー画像を永久定着させる画像定着装置Aは、一対の回転体として定着ローラ1と加圧ローラ2とが対向して配置されている。また、定着ローラ1の記録材の搬送方向後方で、定着ローラ1の表面に当接するとともに搬送される記録材である記録紙6の表面に当接するように配置された帯電部材である帯電ローラ25が設けられて画像定着装置が形成されており、加圧ローラ2が図示を省略した加圧手段により定着ローラ1方向に加圧されることにより定着ローラ1と加圧ローラ2とが当接されており、定着ローラ1と加圧ローラ2との当接部で形成されるニップ部Nに記録紙6を通し、記録紙6を定着ローラ1の回転により所定方向に搬送することができるようになっている。
【0037】定着ローラ1は、例えば、直径40mm、肉厚1mmのアルミニウムを芯金11とし、芯金11の外周に離型層12として厚さ50μmのPFAチューブを被覆して形成されている。定着ローラ1の芯金11にはDC電源8が接続されて、トナーのオフセットを防止する定着バイアスが印加されるようになっている。具体的には、定着バイアスとして、定着ローラ1の芯金11に、−700vDCをDC電源8によって印加することで定着ローラ表面電位を約−650vに保持し、定着ローラと加圧ローラ間にオフセット防止の電位差を付与するようにしている。定着バイアスを印加するタイミングは、画像定着装置の駆動用のモータMと同期するようになっており、モータMの駆動中に制御CPU15からDC電源8に電圧印加の信号が送信されて、画像定着装置が回転駆動中であれば、定着バイアスはONとなるようになっている。また、モータMの停止中は、制御CPU15から電圧印加の信号がオフにされ定着バイアスがOFFとなるようになっている。
【0038】加圧ローラ2は、例えば、直径14mmの鉄芯金21の外周に厚さ8mmのシリコンスポンジゴムから成る弾性層22、更に弾性層22の外周に離型層23として厚さ50μmのPFAチューブを被覆して形成されており、加圧ローラ2の硬度は約56度(アスカーC硬度計にて1Kg荷重)とし、20N(ニュートン)の押圧力によって定着ローラに押し当てることで、約5mm巾の定着ニツプNを得ることができるようになっている。また、芯金21と本体GNDとの間には、耐圧2Kvのダイオード素子9が設けられており、ダイオード素子9は、芯金21側をカソード、本体GND側をアノードとして接続し、加圧ローラ2の表面をプラス電位に保持するように構成されている。
【0039】なお、ニップNの記録紙6の搬送方向前方に定着入り口ガイド4が設けられて、未定着トナーが担持された記録紙6が定着入り口ガイド4に沿って定着ニツプNに導かれるようになっている。
【0040】定着ローラ1の記録材搬送方向後方に配置された帯電ローラ25は、定着ニツプNより後方の位置で定着ローラ1に当接して配置されているとともに、記録紙6がニップNから排出された状態で、帯電ローラ25が記録紙6の表面に当接できるようになっており、図1の矢印の方向に定着ローラ1の回転に追従して回転するようになっている。なお、本実施形態では、帯電ローラ25と記録紙6との当接位置で記録紙6の搬送方向と対向する方向に帯電ローラ25が回転接触するようになっている。
【0041】また、帯電ローラ25には、DC電源26が接続されており、帯電ローラ25にはトナーと同極性であるマイナスであるとともに、定着ローラ1の表面電位の絶対値よりも絶対値の値が大きい直流電圧が印加されている。具体的には、帯電ローラ25に、−900vDCがDC電源26により印加されて、帯電ローラ25表面の電位は約−800vに帯電されて、定着ローラ1の表面電位よりも低くなるようになっている。
【0042】帯電ローラ25は、例えば、直径6mmの鉄芯金の外周に厚さ3mmの導電性シリコンスポンジゴム層が被覆され、その外周に保護層として導電性フッ素樹脂をディッピング法により厚さ30μmでコートして形成している。なお、帯電ローラ25へのDCバイアスの印加は、画像定着装置の定着ローラ1の回転駆動と同期して行われる。
【0043】上記構成の画像定着装置に炭カルを填料として含有した記録材を通紙すると、定着ローラ1表層の離型層13のPFA等の樹脂はマイナスに帯電し、炭カルはプラスに帯電する。このとき、オフセット防止の目的で印加しているマイナスの定着バイアスと、PFA等の樹脂がマイナスに帯電することによって、プラスに帯電した炭カルが静電気的に定着ローラ1の表面に付着する。
【0044】本実施形態では、静電気的に定着ローラ1の表面に付着した炭カルは、定着ローラ1の表面に当接しているとともに定着ローラ1の表面より大きなマイナス表面電位となっている帯電ローラ25の表面に転移するようになっている。このように、定着ローラ1の表面から帯電ローラ25の表面へ炭カルを転移させることで、定着ローラ1へ炭カルが付着することによる弊害を防止できるようにしている。
【0045】また、帯電ローラ25は、定着ニツプNの後方で記録材搬送方向に対向して回転接触しているため、定着ローラ1の表面から帯電ローラ25の表層に付着した炭カルが定着ニツプNを過ぎた記録紙6にこすり付けられ、記録紙6と一緒に機外に排出されることとなるとともに、帯電ローラ25の表面がクリーニングされるため、帯電ローラ25に炭カルが蓄積することなく使用することができる。
【0046】次に、本実施形態の画像定着装置と従来の画像定着装置により炭カルを含有した記録紙を用いて画像形成を行い、各印刷枚数におけるオフセット現象の発生、加圧ローラへのトナー付着、及び、記録材への黒ポチの発生、に関して、比較実験を行ったので結果について表1に示す。なお、○は良好を、△は多少付着または多少発生を、×は不良を示す。
【0047】
(表1)
本実施形態────────────────────────────── 印刷枚数(枚) 初期 5万 10万 15万 25万 オフセット 画像の発生 ○ △〜○ △〜○ △〜○ △ 加圧ローラへ のトナー付着 ○ ○ ○ ○ ○ 記録材への トナー付着 ○ ○ ○ ○ ○ 従来例───────────────────────────────── 印刷枚数(枚) 初期 5千 8千 1万 5万 オフセット 画像の発生 ○ ○ ○ ○ △〜○ 加圧ローラへ のトナー付着 ○ △ × × × 記録材への トナー付着 ○ ○ △〜○ × × 表1から分かるように、オフセットに対しては、本実施形態と従来例とのいずれにおいても、記録材が定着ニツプにある状態では定着バイアスはONとしているので、両者で遜色はない。
【0048】炭カルを含んだ記録材を使用した場合の、加圧ローラへのトナー付着、及び、記録材へのトナー付着については、従来の画像定着装置では、約5,000枚の通紙時点では、加圧ローラへのトナー付着が発生し、約8,000枚通紙時点では記録材へのトナー付着も発生してしまった。
【0049】これに対して、本実施形態の画像定着装置では、記録材から定着ローラ表面に付着した炭カルを、帯電ローラを用いることで静電気的に剥離し、帯電ローラに再付着した炭カルは、記録材にこすり付けて機外に排出するため、250,000枚の通紙にわたって、加圧ローラへのトナー付着、及び、記録材へのトナー付着を抑えることができ、従来例と比べて長期にわたって良好な画像形成を行うことができることがわかる。
【0050】このように、本発明の定着装置構成をとれば、オフセット及び記録材へのトナー付着の発生を長期にわたって抑えることができる画像定着装置とすることが可能となる。
【0051】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形態を図2と図3により説明する。本実施形態は、加圧ローラに帯電ローラを当接させるとともに、定着ニップに記録紙が存在するときには加圧ローラの芯金側をカソード、本体GND側をアノードとし、定着ニップに記録紙が存在しない場合は加圧ローラの芯金側をアノード、本体GND側をカソードとなるように、加圧ローラと本体GNDとの間にダイオードを設けるようにしたものである。
【0052】定着ローラ1は、第1の実施形態と同様に、直径40mm、肉厚1mmのアルミニウムを芯金11とし、離型層12として厚さ50μmのPFAチューブを被覆して形成されている。定着ローラ1への定着バイアスの印加については、定着前の記録材検知センサー16と、定着後の記録材検知センサー17とがニップNの記録紙搬送方向の前後に設けられ、両検知センサー16,17からの検知信号によりメインCPU15からバイアス印加の信号がDC電源8に送信されるようになっている。
【0053】具体的には、定着前の記録材検知センサー16が記録材を検知すると、画像形成装置のメインCPU15は、定着バイアス印加の信号をDC電源8に出力し、DC電源は定着バイアスとして−700vDCを印加することで定着ローラ表面電位を約−650vに保持し、定着ローラと加圧ローラ間にオフセット防止の電位差を付与することで、オフセットを防止するようにしている。そして、定着後の記録材検知センサー17が記録材を検知するのがおわると、定着ローラへのDCバイアスの印加をOFFとする。
【0054】加圧ローラ2は、第1の実施形態と同様に、直径14mmの鉄芯金21の上に厚さ8mmのシリコンスポンジゴムから成る弾性層22、更に弾性層の上に離型層23として厚さ50μmのPFAチューブを被覆し、加圧ローラとしての硬度は約56度(アスカーC硬度計にて1Kg荷重)とし、20N(ニュートン)の押圧力によって定着ローラに押し当てることで、約5mm巾の定着ニツプNを得ている。
【0055】本実施形態では、加圧ローラ2の芯金21と本体GNDとの間に、ダイオード切換回路19が接続されており、ダイオード切換回路19内に耐圧2Kvの2つのダイオード素子19a,19bが設けられている。2つのダイオード素子19a,19bは、接続方向が互いに逆となるように接続するとともにそのオンオフを切り換えることにより、定着前の記録材検知センサー16と定着後の記録材検知センサー17によって検知される定着ニツプNでの記録材の有無に応じて、加圧ローラ表面の帯電をプラスとマイナスとに切り換えることができるようにしている。
【0056】具体的には、図3に示すように、定着ニツプNに記録材が存在するときは、加圧ローラ2の芯金21側をカソード、画像形成装置本体GND側をアノードとして接続したダイオード素子19aがオンとなるようにし、定着ニツプに記録材が存在しないときは、加圧ローラ芯金側をアノード、画像形成装置本体GND側をカソードとして接続したダイオード素子19bがオンとなるようにしている。なお、ダイオード切換回路19はメインCPU15に接続され、両記録材検知センサー16,17からの検知結果に応じた作動信号がメインCPU15からダイオード切換回路19に送信されて2つのダイオード素子19a,19bのオンオフを切換できるようになっている。
【0057】加圧ローラ2の記録材搬送方向の定着ニツプより後方の位置には、加圧ローラ2に当接するとともに、搬送されてきた記録紙6に回転接触する帯電ローラ25が設けられている。帯電ローラ25は、加圧ローラ2の回転に追従して時計回りの方向に回転し、搬送されてきた記録紙6の搬送方向に対向するように回転する。
【0058】また、帯電ローラ25には、定着ニツプNに記録材があるときはバイアスが印加されず、定着ニツプに記録材がないときはDC電源26によって−400vDCが印加される構成となっている。帯電ローラに−400vDCが印加されると帯電ローラ表面の電位は約−350vに帯電される。なお、帯電ローラ25の構成は、実施形態1と同様な構成となっている。なお、DC電源26は、メインCPU15に接続されて、両記録材検知センサー16,17からの検知結果に応じた作動信号がメインCPU15からDC電源26に送信されることにより、帯電ローラ25へのバイアスの印加を制御できるようになっている。
【0059】上記構成の画像定着装置では、炭カルを填料として含有した記録材を通紙すると、定着ローラ表層のPFAはマイナスに帯電し、炭カルはプラスに帯電する。プラスに帯電した炭カルは、オフセット防止の目的で印加しているマイナスの定着バイアスと、マイナスに帯電したPFA樹脂によって、静電気的に定着ローラ表面に付着する。本実施形態では、定着ニツプに記録材がないときは定着バイアスをOFFとし、加圧ローラダイオード素子の接続方向を切替ることで、定着ローラ表面に付着した炭カルを剥離し、加圧ローラ表面へと転移することとしている。
【0060】本実施形態では、このように加圧ローラに転移した炭カルを、加圧ローラ表面のマイナス電位より大きなマイナスの表面電位となっている帯電ローラ表面に再転移させることで、炭カルの加圧ローラへの付着を防止している。
【0061】帯電ローラ25は定着ニツプ後方で、記録材搬送方向に対向して記録材と回転接触しているため、帯電ローラ25の表層に再転移した炭カルは、定着ニツプを過ぎた記録材にこすり付けられることで、記録材と一緒に機外に排出されることとなると同時に、帯電ローラ25の表面がクリーニングされるため、帯電ローラ25に炭カルが蓄積することなく使用することができる。
【0062】次に、本実施形態の画像定着装置と従来の画像定着装置により炭カルを含有した記録紙を用いて画像形成を行い、各印刷枚数におけるオフセット現象の発生、加圧ローラへのトナー付着、及び、記録材への黒ポチの発生、に関して、比較実験を行ったので結果について表2に示す。なお、○は良好を、△は多少付着または多少発生を、×は不良を示す。
【0063】
(表2)
本実施形態────────────────────────────── 印刷枚数(枚) 初期 5万 10万 15万 17万 オフセット 画像の発生 ○ △〜○ △〜○ △〜○ △ 加圧ローラへ のトナー付着 ○ ○ ○ △〜○ △ 記録材への トナー付着 ○ ○ ○ ○ △〜○ 従来例───────────────────────────────── 印刷枚数(枚) 初期 5千 8千 1万 5万 オフセット 画像の発生 ○ ○ ○ ○ △〜○ 加圧ローラへ のトナー付着 ○ △ × × × 記録材への トナー付着 ○ ○ △〜○ × × 表2から分かるように、オフセットに対しては、本実施形態と従来例とのいずれにおいても、記録材が定着ニツプにある状態では定着バイアスはONとしているので、両者で遜色はない。
【0064】また、炭カルを含んだ記録材を使用した場合の、加圧ローラへのトナー付着、及び、記録材への黒ポチの発生については、加圧ローラへのトナー付着が従来例では約5,000枚通紙で発生したのに対し、本実施形態では約150,000枚通紙で発生となり、約30倍の延命を達成することが可能となっている。さらに、記録材への黒ポチの発生は、従来例では約8,000枚通紙で発生してしまったのに対して、本実施形態では約210,000枚通紙で発生となり、約26倍の延命を達成することが可能となった。
【0065】このように、本実施形態の画像定着装置では、オフセット及び記録材へのトナー付着の発生を長期間抑えることができ、良好な画像形成を長期にわたって行うことができるようになる。
【0066】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形態を図4と図5により説明する。本実施形態は、フィルム加熱方式の画像定着装置の加熱回転体と対向するとともに非接触で帯電ローラを配置し、帯電ローラは定着ニップを通過した記録材と回転接触するようにしたものである。
【0067】本実施形態では、極めて熱容量の小さいフィルムとフィルムを内部から加熱するヒーターとから記録材上のトナーを加熱する加熱回転体を構成したフィルム加熱方式の画像定着装置においても、フィルムの表面等に炭カルが付着することを防止して、炭カルによる画像形成不良が起ることがないようにした。
【0068】フィルム加熱方式の画像定着装置としては、フィルムを内部から加熱するフィルム加熱方式が、特開昭63−313182号公報、特開平2−157878、特開平4−44075〜44083、特開平4−204980〜204984号公報等に種々提案されている。なお、本実施形態における画像定着装置の加熱回転体と加圧ローラは、フィルム加熱方式における代表的な構成を採用した。
【0069】具体的には、薄肉で耐熱性のフィルム50(シートでもよい)と、フィルムの内面に一定温調される加熱体であるヒータ70と、ヒータ70を断熱支持するとともにフィルム50を保持するヒートホルダー55とから加熱回転体49を形成し、加熱回転体49のフィルム50の外周面側に、ヒータ70と対向するように加圧ローラ60を当接させている。
【0070】加圧ローラ60は、図示を省略した回転手段により所定方向に回転駆動し、加圧ローラ60の回転に、フィルム50が従動回転できるようになっており、フィルム50が、画像定着実行時に、フィルム50と加圧ローラ60の間に搬送される記録材と同一方向に同一速度でヒートホルダー55の外周に沿ってシワなく回転するようになっている。
【0071】また、フィルム50を挟んでヒータ70と加圧ローラ60との圧接により形成される定着ニツプNに、未定着トナー画像を担持した記録材を通過させることで、記録材上の未定着トナー面をフィルム50を介してヒータ70で加熱してトナーを溶融させるとともに、加圧ローラ60で加圧することで記録材上にトナー画像を定着させることができるものである。
【0072】加熱回転体49のフィルム50は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚が総厚50〜20μm程度の耐熱性、離型性、耐久強度性あるいは熱伝導性等を考慮して構成された複合層フィルムである。具体的には、複合層の基層51の外周にプライマー層52が設けられ、プライマー層52の外周に離型層53が設けられて形成されている。
【0073】複合層の基層51は、耐熱樹脂ポリイミド(PI)に、熱伝導性が良い金属酸化物としてマグネシア(MgO)を45wt%分散させて形成されている。また、フィルム基層51の外周のプライマー層52は、基層51と最外層である離型層53との接着性を確保するために、ポリイミド樹脂+フッ素樹脂の接着剤に、導電性を付与するために酸化チタン(TiO2)を分散させて形成されている。さらに、離型層53は、フッ素樹脂であるPFAに導電性カーボン粒子を0.3wt%の割合で分散させ、ディッピング法によりコーティングさせた。
【0074】フィルム50を介してヒータ70に当接させられる加圧ローラ2は、直径10mmのアルミニウム芯21の外周に、厚さ6mmの導電性シリコンゴムから成る弾性層22を設け、さらに弾性層22の外周に離型層23として厚さ40μmのPFA樹脂をPFAチューブとして被覆して直径23mmのローラとした。加圧ローラ2の硬度は、約42度(アスカーC硬度計にて500g荷重)とし、8N(ニュートン)の押圧力によってフィルム50に押し当てることで、約3mm巾の定着ニップNを得ている。
【0075】また、図5に示すように、加圧ローラ2の端部でフィルム50のプライマー層52と当接するようにして中抵抗ゴム輪69が設けられているとともに、加圧ローラ2の芯金21が、抵抗値100MΩの抵抗素子90を介して本体GNDに接地されて、オフセットを防止している。なお、中抵抗ゴム輪69は、抵抗値が106〜1010Ω・cm(DC100v印加)程度のものが用いられている。
【0076】フィルム50ないに配置されて記録材を加熱するヒータ70は、電気絶縁性、耐熱性あるいは低熱容量の材料であるAl23(アルミナ)で形成されたセラミック基板71のフィルム50側の面に、線状に形成した発熱源として銀パラジウム(Ag/pd)の通電発熱体72を設け、この通電発熱体72の表面を電気絶縁性に優れるガラスのコート層で覆った構成となっている。
【0077】また、ヒータ70のフィルム50とは逆側の面に、サーミスタや温度ヒューズ等の温度検知素子73が設けられ、温度検知素子73の検知結果が制御回路(図示せず)へ送信され制御回路から通電発熱体72へ通電制御信号が送信されることによって、ヒータ70の温度を常に一定に保持するように温調制御がなされるようになっている。
【0078】記録材搬送方向の定着ニツプNの後方には、加熱回転体49と対向するとともにフィルム50と非接触で帯電ローラ25が配置されている。加熱回転体49のフィルム50と帯電ローラ25との間隔は、約100μm以下の微小なGAPとしている。また、帯電ローラ25には、画像形成装置本体のメインモータの回転と同期して、メインモータが回転している画像形成中にDC電源26から−800vDCを印加できるようになっている。
【0079】なお、帯電ローラ25の構成は、実施形態1と同様に、例えば、直径6mmの鉄芯金の外周に厚さ3mmの導電性シリコンスポンジゴム層が被覆され、その外周に保護層として導電性フッ素樹脂をディッピング法により厚さ30μmでコートして形成した。
【0080】上記構成のフィルム加熱の画像定着装置を用いて、炭カルを含有した記録材を通紙した場合について説明する。記録材中に含有されている炭カルは、定着ニップNの通過中に静電気的な力によってプラスに帯電し、フィルム50の表面に付着する。
【0081】このとき、フィルム50に微小なGAPで対向している帯電ローラ25には−800vDCが印加されているため、フィルム50と帯電ローラ25との間では、放電が起こっており、その放電による電界によって、フィルム50に付着しているプラスに帯電した炭カルは、フィルム50表面から帯電ローラ25に飛来して付着することとなる。
【0082】帯電ローラ25は、上記各実施形態と同様に、記録材と接触しているため、帯電ローラ25の表面に付着した炭カルは記録材にこすり付けられ、記録材と共に機外に排出されることになる。
【0083】次に、本実施形態のフィルム加熱方式の画像定着装置と従来のフィルム加熱方式の画像定着装置により炭カルを含有した記録紙を用いて画像形成を行い、各印刷枚数における加圧ローラへのトナー付着、及び、記録材への黒ポチの発生、に関して、比較実験を行ったので結果について表3に示す。なお、○は良好を、△は多少付着または多少発生を、×は不良を示す。
【0084】
(表3)
本実施形態───────────────────────────────── 印刷枚数(枚) 初期 1万 3万 5万 7万 加圧ローラへ のトナー付着 ○ ○ ○ △〜○ △ 記録材への トナー付着 ○ ○ ○ ○ △〜○ 従来例───────────────────────────────── 印刷枚数(枚) 初期 3千 4.5千 7千 1万 加圧ローラへ のトナー付着 ○ △ × × × 記録材への トナー付着 ○ ○ △〜○ × × 表3から分かるように、炭カルを含んだ記録材を通紙した場合、加圧ローラへのトナー付着及び記録材への黒ポチの発生については、従来例では、加圧ローラへのトナー付着が約3,000枚通紙で発生し、記録材への黒ポチの発生が約4500枚通紙で発生した。
【0085】これに対して、本実施形態では、加圧ローラへのトナー付着が約50,000枚通紙で発生となり、約17倍の延命を達成することが可能となるとともに、記録材への黒ポチの発生が約70,000枚通紙で発生となり、約16倍の延命を達成することが可能となった。
【0086】このように、本発明の定着装置構成をとれば、記録材へのトナー付着による黒ポチの発生を従来例より抑えて、長期にわたって良好な画像形成を行える画像定着装置とすることが可能となる。
【0087】(第4の実施形態)本発明の第4の実施形態を図6と図7により説明する。本実施形態は、上記の第3の実施形態の帯電ローラに印加するバイアスを、DCバイアスにACバイアスを重畳させるとともに、帯電ローラを記録材と所定間隔を開けて配置させたものである。なお、印加するバイアスが違うことと帯電ローラと記録材とが接触していないことのほかは、第3の実施形態3と同様のフィルム加熱方式の画像定着装置であり、第3の実施形態と同様な箇所については説明を省略する。
【0088】本実施形態では、定着ニツプよりも記録材搬送方向の後方にフィルム50に対向するとともに非接触で帯電ローラ25を設け、フィルム50と帯電ローラ25の間隔は、約100μm以下の微小なGAPとしている。また、帯電ローラ25と搬送されてくる記録紙6とは非接触となるように帯電ローラ25が配置されている。なお、帯電ローラ25本体の構成は、上記の各実施形態と同様な構成としている。
【0089】また、帯電ローラ25には、DC電源26、AC電源27からDCバイアスに所定のデューティー比の矩形波のACバイアスを重畳させたバイアスを印加するようにしている。具体的には、帯電ローラには、画像形成装置本体のメインモータの回転と同期して、DC電源26からの−400vDCに、周波数1600Hzのピーク間電圧1800v(1800Vpp)のACバイアスをAC電源27によって重畳させた。
【0090】このときのACバイアスは、所定のデューティー比の波形、すなわち波長に対する山部と谷部との割合を所定の比率とした波形を用いるようにした。本実施形態においては、図7(a)に示すように、矩形波の山部の比率αよりも谷部の比率βが小さくなるようなACバイアスを用いている。また、矩形波の山部の比率αは約75%とし、谷部の比率βは約25%とした。
【0091】次に、上記構成のフィルム加熱定着装置を用いて、炭カルを含有した記録材を通紙した場合について説明する。記録材中に含有されている炭カルは、静電気的な力によって、フィルム50表面に付着する。
【0092】フィルム50に微小なGAPで対向している帯電ローラ25には、図7(a)に示す、1周期内で時間に対して非対称な1800Vpp、1600HzのAC波形がDCバイアスに重畳されたバイアスが印加されているため、図7(b)中の、αの間は−400v(DC分)と−900v(AC分)の和が印加されていることになり、フィルム50表面電位より帯電ローラ表面の平均電位はマイナスに大きくなっており、その電位差による電界によって、フィルム50に付着しているプラスに帯電した炭カルは、フィルム50表面から帯電ローラ25の表面方向へ飛来することとなる。
【0093】一方、図7(b)中の、βの間は、一400v(DC分)と+900v(AC分)の和が印加されることになり、フィルム50表面電位より帯電ローラ表面電位の平均電位がプラスに大きくなるため、その電位差による電界によって、帯電ローラ方向に飛来しようとしている炭カルは、再び、フィルム50方向に戻される。
【0094】このままでは、フィルム50に炭カルが付着することになり、問題となってしまうが、図7に示すように、本実施形態で重畳させているAC波形は、1周期内でαの間は約75%、βの間は約25%の時間的に非対称な波形としているため、炭カルがフィルム50から帯電ローラ25に飛来する時間αが長く、再び、フィルム50に戻ろうとする時間βが短くなるようになっている。このため、炭カルが再びフィルム50に戻ろうとして飛来しても、フィルム50表面に到達する前に、電界の向きが変わって、炭カルは再度、帯電ローラ25方向に飛来することとなり、フィルム50に炭カルが蓄積するのを抑えている。
【0095】また、本実施形態では、帯電ローラを記録材と非接触とした点について説明する。上記で説明したように、本実施形態では、炭カルはフィルム50と帯電ローラ25との間で往復飛来しているので、炭カルはフィルム50表面にも帯電ローラ25表面にも到達できずに、自重落下してしまう。自重落下したところには、搬送されている記録材があり、記録材の表面はトナーによってマイナスに帯電しているため、自重落下した炭カルは、記録材表面に付着して、記録材とともに、機外に排出されることとなる。このように、帯電ローラ25にもフィルム50にも炭カルが蓄積されることがないとともに、帯電ローラ25が記録材に接触しないので、帯電ローラのこすれによる画像の乱れの発生が防止される。
【0096】上記のフィルム加熱定着装置を用いて、炭カルを含有した記録材を通紙した場合の加圧ローラへのトナー付着、及び、記録材へのトナー付着の発生防止の効果であるが、実施形態3で示した従来例に比較して、本実施形態では、約140,000枚の通紙にわたって、記録材への黒ポチのを防止することが可能とすることができ、長期にわたって良好な画像形成が可能となった。
【0097】なお、本実施形態では、帯電ローラを記録材と接触しないように配置しているが、帯電ローラを記録材に回転接触するように配置させるようにしてもよく、その場合は、帯電ローラに炭カルが蓄積することがない。
【0098】また、上記の第3と第4の本実施形態では、フィルムを用いた加熱回転体と対向するとともに非接触で帯電ローラを設けているが、フィルムを用いた加熱回転体に替えて、上記の第1と第2の実施形態の定着ローラとし、帯電ローラを定着ローラと対向するとともに非接触で配置させるようにしてもよい。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本出願にかかる第の発明によれば、回転体よりも記録材搬送方向の後方に配置された帯電部材にトナーと同極性の直流電圧を印加することにより、トナーが担持された記録材と当接している回転体の表面にトナーと異極性に帯電して付着した炭カルが除去され、回転体の離型性が維持されるとともにトナーの回転体へのオフセットを防止することができ、オフセットによる画像欠陥を防止することができる。また、帯電部材が記録材に接触させられていることにより、帯電部材に付着した炭カルが記録材の表面に擦り付けられるので、帯電部材への炭カルの蓄積を防止して、長期にわたって良好な画像形成を行うことができる。
【0100】また、本出願にかかる第2の発明によれば、帯電部材に印加されている直流電圧の絶対値を、帯電部材が当接させられている回転体の表面電位の絶対値よりも高くすることにより、効果的に炭カルの除去を行うことができ、回転体の離型性を長期にわたって維持することができる。
【0101】また、本出願にかかる第3の発明によれば、帯電部材を、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体に当接させることにより、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体の離型性を長期にわたって確保でき、回転体へのトナーのオフセットが防止されて、画像欠陥を防止することができる。
【0102】また、本出願にかかる第4の発明によれば、帯電部材を、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体に当接させることにより、未定着トナー像と接する回転体の表面に帯電部材との摺察による傷等の発生を防止して、未定着トナー像と接する回転体の離型性を維持することができる。また、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体と画像形成装置GNDとの間に設けられた、2つのダイオードにより、定着工程中のオフセットを効果的に防止できるとともに、未定着トナー像と接する回転体に付着した炭カルを効果的に除去することができ、炭カルの蓄積を防止することができる。
【0103】また、本出願にかかる第5の発明によれば、回転体に非接触に配置されるとともに、回転体よりも記録材搬送方向の後方に配置された帯電部材にトナーと同極性の直流電圧を印加することにより、トナーが担持された記録材と当接している回転体の表面にトナーと異極性に帯電して付着した炭カルを、帯電部材に飛翔させて付着させることにより除去することができ、回転体の離型性が維持されてトナーの回転体へのオフセットを防止することができる。このとき、帯電部材により回転体の表面に傷が付くなどの不具合が無く、帯電部材が記録材に接触させられていることにより、帯電部材に付着した炭カルが記録材の表面に擦り付けられるので、帯電部材への炭カルの蓄積を防止することができる。
【0104】また、本出願にかかる第6の発明によれば、帯電部材に印加する直流電圧に、所定のデューティー比の矩形波の交流電圧を重畳することにより、交流電圧のデューティー比に応じた時間だけ帯電部材と対向する回転体の表面と帯電部材の表面との間で炭カルが飛翔をくり返し、飛翔を繰り返している間に炭カルの自重によって落下して回転体への炭カルの付着を防止することができる。
【0105】また、本出願にかかる第7の発明によれば、帯電部材が回転体と記録材との両者から非接触で配置され、帯電部材に印加する直流電圧に、所定のデューティー比の矩形波の交流電圧を重畳されているので、交流電圧のデューティー比に応じた時間だけ帯電部材と対向する回転体の表面と帯電部材の表面との間で炭カルが飛翔をくり返し、飛翔を繰り返している間に炭カルの自重によって落下して回転体への炭カルの付着を防止できるとともに、帯電部材が当接して回転することによる傷などの発生を防止することができる。
【0106】また、本出願にかかる第8の発明によれば、帯電部材を、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体に対向させることにより、記録材の未定着トナー像と接触する側の回転体の離型性が長期にわたって確保され、トナーのオフセットを防止することができる。
【0107】また、本出願にかかる第9の発明によれば、帯電部材を、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体に非接触で対向させることにより、回転体の表面と帯電部材との摺察による傷等の発生を防止して、未定着トナー像と接する回転体の離型性を維持することができる。また、未定着トナー像と接する回転体とは逆側の回転体と画像形成装置GNDとの間に設けられた、2つのダイオードにより、定着工程中のオフセットを効果的に防止できるとともに、未定着トナー像と接する回転体に付着した炭カルを効果的に除去することができ、炭カルの蓄積を防止することができる。




 

 


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