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発明の名称 中間転写体およびそれを用いた画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−24425
公開日 平成11年(1999)1月29日
出願番号 特願平9−175706
出願日 平成9年(1997)7月1日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】山下 穣平
発明者 田中 篤志 / 芦邊 恒徳 / 島田 明 / 下條 稔 / 長田 弘行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 画像形成装置において第1の画像担持体上に形成された画像を第2の画像担持体上にさらに転写するための中間転写体において、前記中間転写体が、体積抵抗率1×1013Ω・cm以上の最外層を有しており、かつ該最外層に耐侯性付与剤を1重量%以上10重量%以下含有していることを特徴とする中間転写体。
【請求項2】 前記最外層の体積抵抗率が1×1014Ω・cm以上である請求項1に記載の中間転写体。
【請求項3】 前記耐侯性付与剤が、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、オゾン劣化防止剤、アルカリ土類金属の酸化物からなる群から選ばれる請求項1または請求項2に記載の中間転写体。
【請求項4】 前記中間転写体が、内部に繊維を有する弾性層およびその上に前記最外層を有するシームレスベルトである請求項1または請求項2に記載の中間転写体。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の中間転写体と、該中間転写体の転写面を帯電可能な帯電部材と、該帯電部材に交流電圧を印加する手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置において、第1の画像担持体上に形成されたトナー像が転写され、このトナー像を第2の画像担持体に転写させるために設けられる中間転写体、およびこの中間転写体を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成装置は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成装置、またはカラー画像形成機能や多色画像形成機能を具備させた画像形成装置として有効である。
【0003】中間転写体を用いた画像形成装置の一例の概略図を図1に示す。
【0004】図1に示す画像形成装置は、電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)である。
【0005】符号1は、第1の画像担持体としてのドラム状の電子写真感光体(以下感光ドラムと記す)であり、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0006】感光ドラム1は、その回転過程で、1次帯電器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段3による露光3を受ける。このようにして目的のカラー画像の第1の色成分像(たとえばイエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0007】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器41)により第1色であるイエロー成分像に現像される。この時第2〜第4の現像器、すなわちマゼンタ現像器42、シアン色現像器43、ブラック色現像器44は作動しておらず、感光ドラム1には作用していないので、上記第1色のイエロー成分画像は上記第2〜第4の現像器による影響を受けない。
【0008】中間転写体20は、ローラ65,66及び後述する2次転写対向ローラ64間に張設され、矢印の方向に感光ドラム1と同じ周速度で回転駆動される。
【0009】感光ドラム1上に形成された上記第1色のイエロー成分像が、感光ドラム1と中間転写体20とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ62から中間転写体20に印加される1次転写バイアスによって形成される電界により、中間転写体20の外周面に順次転写(1次転写)されていく。
【0010】中間転写体20に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面はクリーニング装置13により清掃される。
【0011】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写体20上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
【0012】63は2次転写ローラで、2次転写対向ローラ64に対応し平行に軸支させて中間転写体20の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0013】トナー画像を感光ドラム1から中間転写体20へ転写するための1次転写バイアスは、トナーとは逆極性でバイアス電源29から印加される。その印加電圧はたとえば+100V〜+2kVである。
【0014】感光ドラム1から中間転写体20への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ63および中間転写体のためのベルトクリーナ52は中間転写体20から離間することも可能である。
【0015】中間転写体20上に転写されたフルカラー画像は、2次転写ローラ63が中間転写体20に当接され、給紙ローラ11から中間転写体20と2次転写ローラ63との当接部分に所定のタイミングで第2の画像担持体である転写材Pが給送され、2次転写バイアスがバイアス電源28から2次転写ローラ63に印加されることにより転写材Pに2次転写される。トナー画像が転写された転写材Pは、定着器15へ導入され加熱定着される。
【0016】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写体20には転写残トナー帯電部材52が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写体20上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム1と逆極性の電荷が付与される。
【0017】前記転写残トナーは、感光ドラム1との当接部およびその近傍において感光ドラム1に静電的に転写されることにより、中間転写体がクリーニングされる。
【0018】前述の中間転写体を用いた画像形成装置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転写ドラム上に張り付けまたは吸着させ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画像形成装置を有したカラー電子写真装置、たとえば特開昭63−301960号公報中で述べられたような転写装置と比較すると、第2の画像担持体である転写材になんらの加工、制御(たとえばグリッパーに把持する、吸着する、曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写体から画像を転写することができるため、封筒、ハガキ、ラベル紙等、40g/m2程度の薄い紙から200g/m2程度の厚い紙まで、幅の広狭や、長さの長短によらず転写可能であるという利点を有している。
【0019】このような利点のため、すでに市場においては中間転写体を用いたカラー複写機、カラープリンター等が稼働し始めている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】中間転写体を用いた画像形成装置には上記のような利点がある半面、転写工程が2度(1次転写および2次転写)あるために、画像品位が低下しやすいという問題がある。特に1次転写から2次転写までの間に、中間転写体上のトナーが飛び散り、画像品位を低下させる(以下、単に「飛び散り」と称する)という問題があった。
【0021】この問題に対して、たとえば特開平8−50419号公報では、中間転写体の層構成および抵抗値を適当に設定することで、飛び散りを防ぐ提案がなされている。
【0022】この提案のように、層構成や抵抗値を適当に設定することで、初期の飛び散りを改善することは可能である。しかしながら、このような中間転写体を繰り返し使用していると、次第に飛び散りレベルが悪化してしまうという問題があり、耐久後も飛び散りの少ない中間転写体の提案は、まだなされていない。
【0023】本発明の目的は、繰り返し使用後も飛び散りの少ない中間転写体を提供することである。
【0024】
【発明を解決するための手段】すなわち本発明は、画像形成装置において第1の画像担持体上に形成された画像を第2の画像担持体上にさらに転写するための中間転写体において、前記中間転写体が、体積抵抗率1×1013Ω・cm以上の最外層を有しており、かつ該最外層に耐侯性付与剤を1重量%以上10重量%以下含有していることを特徴とする中間転写体である。
【0025】本発明者らの検討によれば、飛び散りを防止するためには、1次転写開始時から2次転写開始時までの間、中間転写体表面(転写面)の非画像部に、トナーと同極性の電荷を有することが必要である。つまり、中間転写体表面の非画像部にトナーと同極性の電荷を与えることで、非画像部と画像部(トナー像)の静電的な反発力を発生させ、トナー像が非画像部に移動する(飛び散る)ことを防止できる。もちろん、非画像部に与える電荷量は多いほど好ましく、目安としては、|中間転写体表面の非画像部電位−中間転写体表面の画像部電位|≦100(V)
という関係を満足することが好ましい。なお、中間転写体表面の非画像部にトナーと同極性の電荷を与えることは、1次転写時に感光ドラムの表面電荷が中間転写体に移動することで容易に達成される。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明者らは、繊維で補強された106Ω程度のゴムよりなる弾性層の上に、最外層(被覆層)を設けた中間転写体を種々作製し、飛び散りと最外層の体積抵抗率について検討を行った結果、最外層の体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上、好ましくは1×1014Ω・cm以上であれば、少なくとも初期においては飛び散りの少ない画像が得られ、実用に耐えるレベルとなることが分かった。
【0027】なお、本明細書において体積抵抗率は、最外層を23℃/55%の雰囲気に12時間以上放置した後、超高抵抗測定用資料箱TR42(アドバンテスト社製、主電極直径50mm、ガードリング内径70mm、ガードリング外径80mm)にセットし、TR42を超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社製)に接続し、印加電圧10(V)で測定した値で表す。ただし、測定はプログラムモード5で行い、プログラムモード5のディスチャージ時間は5秒、チャージ時間は30秒、メジャー時間は30秒とする。
【0028】しかし、このようにして得た中間転写体を用いて繰り返し画像を出力(耐久)すると、次第に飛び散りレベルが悪化し、ついには実用上許容できないレベルになってしまうことが分かった。
【0029】そこで、本発明者らは、耐久により飛び散りレベルの悪化した中間転写体の最外層について調べた。その結果、耐久後の最外層には、硝酸が付着していることが分かった。硝酸は、転写時に発生する窒素酸化物(NOX)と空気中の水分とが結合することにより生成すると考えられる。最外層に硝酸が付着すると、水素イオン(H+)および硝酸イオン(NO3-)が生成し、最外層の抵抗を低下させ、1次転写時に感光ドラムから中間転写体表面の非画像部に移動した電荷が短時間で減衰してしまい、トナーとの静電的な反発力を2次転写時まで保持できないため、飛び散りが悪化すると考えられる。この知見にもとづき、本発明者らは中間転写体の表面を水で洗浄し、付着している硝酸を除去してみたところ、飛び散りレベルはやや良化した。しかし、初期のレベルには至らなかった。
【0030】以上の結果より、飛び散り悪化の原因の1つは、硝酸の付着により最外層が低抵抗化することであることが分かった。
【0031】硝酸除去により飛び散りが初期のレベルまでには回復しなかったことから、耐久による飛び散り悪化には、硝酸付着以外の要因もあると考えられる。そこで、耐久後の最外層をGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により分析し、最外層の分子量分布を測定した。その結果、耐久後の最外層は、耐久前と比較して低分子量成分が増加していることが確認された。
【0032】上記分析結果は、何らかの作用により最外層が分解していることを示しており、これにより最外層の抵抗が低下し、飛び散りを悪化させたと考えられる。
【0033】本発明者らは、この「何らかの作用」が、放電時に発生するオゾンや光(紫外、可視)による劣化、放電エネルギーにより発生するラジカルによる分解(連鎖反応)、硝酸による加水分解等ではないかと予想した。
【0034】そこで、本発明者らは、NOXや硝酸と反応することができる物質、オゾンや光(紫外、可視)による劣化を遅らせる作用を有する物質、ラジカルをトラップして連鎖反応を遅らせる(または停止させる)ことのできる物質、樹脂の加水分解を遅らせる作用を有する物質を耐侯性付与剤と定義し、該耐侯性付与剤を最外層に添加することで、耐久による飛び散りの悪化を防止することが可能か否かの検証実験を行った。
【0035】その結果、以下のような結果が得られた。
(1)耐侯性付与剤は、フルカラー連続1万枚後にも実用上許容できる飛び散りレベルを維持することができる程度に、飛び散り悪化の防止効果を有する。
(2)ただし、耐侯性付与剤の添加量には好ましい範囲がある。つまり、樹脂などに一般に添加されている耐侯性付与剤の添加量(たとえば0.5重量%未満)では、飛び散り悪化の防止効果がほとんどなく、多すぎると表面にブリードアウトしやすくなり、画像品位が低下する。具体的には、耐侯性付与剤を除き最外層に含まれる全ての物質100重量部に対して、耐侯性付与剤の含有量が1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%である。
【0036】上記の実験結果より、耐久による飛び散り悪化の要因は、最外層への硝酸の付着、放電時に発生するオゾンや光(紫外、可視)による最外層の劣化、放電エネルギーにより発生するラジカルによる最外層の分解(連鎖反応)、硝酸による最外層の加水分解、の全てであり、これらの内、少なくとも1つの要因を抑制すれば、飛び散り悪化の防止効果が得られるものと考えられる。
【0037】さらに、硝酸、オゾン、光、ラジカルのいずれも、その発生原因は、転写時(あるいは中間転写体表面への帯電時)に発生する放電であり、前記放電こそ、耐久による飛び散り悪化の根本原因であると考えられる。
【0038】耐侯性付与剤の好ましい例としては、アミン化合物、アルカリ土類金属の酸化物などの塩基性物質、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、燐系、硫黄系など)、カルボジイミド化合物が挙げられる。
【0039】一般に、これら耐侯性付与剤は、2種類以上を併用することで相乗効果が得られることが知られているが、本発明においても、併用することで高い飛び散り防止効果を得ることができる。
【0040】特開平6−149079号公報等に1×101〜1×1013Ω・cmのベルト状中間転写体が提案されており、付加的成分として酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加してもよいとの記載がある。しかし、該公報のベルト状中間転写体は体積固有抵抗が1×101〜1×1013Ω・cmと低いため、初期より飛び散りレベルの悪い画像しか得ることができない。さらに、付加的成分の添加量についても全く言及されておらず、本発明とは異なるものである。
【0041】また、特開平5−213504号公報では、体積固有抵抗が1×100〜×1013Ω・cmのベルト状中間転写体が提案されており、該公報中にも、添加剤として酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加してもよいとの記載がある。該公報には、ベルト状中間転写体について、各層の体積固有抵抗は明確に記載されていないが、各層ともカーボンを含有する導電性樹脂を原料としていることから、初期より飛び散りレベルの悪い画像しか得ることができない。また、付加的成分の添加量についても全く言及されていない。該公報には、難燃剤として燐系の化合物が記載されており、その一部は燐系の酸化防止剤と同一化合物の場合もある。従って、燐系難燃剤の一部は、本発明の耐侯性付与剤に含まれることになるが、該公報では、難燃剤を最外層に添加しないため、飛び散り防止効果を得ることはできない。以上の理由から、該公報も本発明とは異なるものである。
【0042】中間転写体の形態としては、ドラム形状、シームレスベルト形状が考えられるが、装置の小型化の観点からはシームレスベルト形状が有利である。本発明の中間転写体は、最外層を1013Ω・cm以上の最外層とすることで初期の飛び散りを抑え、耐侯性付与剤を1〜10重量部含有することで、耐久による飛び散りの悪化を防止できるため、シームレスベルト形状の中間転写体は、本発明の好ましい形態例と言える。ただし、中抜け画像を防止するためには、最外層の下方にゴムなどからなる弾性層を設けることが好ましい。さらにこの場合、弾性体の内部に繊維等を含有させて弾性層を補強することで、ベルト状中間転写体の弾性率を向上させ、耐久性とレジずれを改善する必要がある。以上より、中間転写体を、内部に繊維を有する弾性層およびその上の最外層を有するシームレスベルトとすることが、本発明の最も好ましい形態例と言える。
【0043】なお、弾性層の硬度は85°以下が好ましく、より好ましくは60°〜80°程度である。弾性層の硬度が85°より大きいと、中抜け防止効果が小さい。硬度はJIS−K6301に記載のデュロメータ(タイプA)硬さ試験に従うものとする。
【0044】また弾性層の体積抵抗率は、1×106Ω・cm〜1×1011Ω・cmが好ましく、より好ましくは2×106Ω・cm〜5×1010Ω・cm、さらに好ましくは1×107Ω・cm〜8×108Ω・cmである。弾性層の体積抵抗率が1×104Ω・cmより小さいと、ベルト状中間転写体の耐電圧率が低下し、使用中に印加電流がリークする危険性が高い。また、弾性層の体積抵抗率が1×1011Ω・cmより大きいと、転写バイアスの大部分が弾性層にかかり、実質的に最外層にかかる転写電圧が減少するので、最外層の表層にトナーと逆極性の電荷を与えることが困難になり、飛び散りが悪くなる。
【0045】弾性層の抵抗値を調節するために、任意の導電剤を添加することができる。たとえばカーボン、アルミニウム、ニッケル等の金属粉末、酸化チタンなどの金属酸化物、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化合物およびポリピロール等の導電性高分子化合物等が挙げられる。
【0046】さらに、シームレスベルト形状の中間転写体の弾性層の厚さは0.3mm〜3mmが好ましく、0.5mm〜1.2mmがより好ましい。弾性層の厚さが0.3mm未満であると、精度、強度、コストの点で作り難くなり、3mmを越えると弾性層に剛性が出てきてベルト状中間転写体の柔軟な回転が困難になる。
【0047】シームレスベルト形状の中間転写体の弾性層を繊維で補強するための具体的な形態例としては、図2に示すような糸状、あるいは図3に示すような織布状が挙げられる。
【0048】製造のしやすさ、製造コストの観点から、繊維の最も好ましい形態例は、螺旋状に設けられた糸である。繊維の材質は、強度、コストの観点から、綿、ポリエステル繊維が好ましい。ただし、もちろんこれに限定されるものではない。糸は1本のフィラメントであっても、複数のフィラメントを撚ったものであってもよく、混紡してもよい。同じく織布は、たとえばメリヤス織り等のような織成構造の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能である。
【0049】さて、中間転写体を用いた電子写真画像形成装置において、中間転写体上(1次転写後、2次転写前)のトナーを、中間転写体に併設したポスト帯電部材で帯電すると、トナーのトリボ(中間転写体上のトナーの保有電荷量)が大きくなり、2次転写効率が向上して好ましいことが知られている。この時、特にポスト帯電部材に交流電圧を印加すると、トリボの均一性がより向上して好ましい。
【0050】また、中間転写体上の2次転写残トナーを感光ドラムと逆極性に帯電させ、2次転写残トナーを感光ドラムに転写することで中間転写体を静電的にクリーニングする方式が知られているが、この場合にも、2次転写残トナーを帯電するための転写残トナー帯電部材に交流電圧を印加すると、2次転写残トナーを均一に帯電することができ、クリーニングが良好に行われる。
【0051】このように、ポスト帯電部材や転写残トナー帯電部材を併設することで、得られる画像を高画質化することが可能であり、特にこれらの帯電部材に交流電圧を印加する場合にその効果が顕著である。ところが、前記帯電部材は、トナーを帯電すると同時に中間転写体の転写面も帯電することになる。従って、従来の中間転写体に前記帯電部材を併設すると、高画質化が達成される一方で、放電量の増大により中間転写体の最外層(転写面)に受けるダメージも大きくなり、飛び散り悪化が促進され、中間転写体の寿命を縮めてしまうという問題があった。
【0052】本発明の中間転写体は、耐侯性付与剤を1〜10重量%含有しているために、前記帯電部材を併設した場合にも、飛び散り悪化の防止効果を有し、中間転写体の長寿命化を図ることができるために、高画質化と長寿命化を両立できる。すなわち、中間転写体の転写面を帯電可能な帯電部材を備えており、該帯電部材に交流電圧を印加することを特徴とする画像形成装置は、本発明の中間転写体を用いた画像形成装置の好ましい例と言える。
【0053】特に、前記帯電部材を接触帯電部材とすると、帯電時に発生するオゾン量の低減、印加電圧の低減を図ることができるため、環境面、コスト面においてより好ましい。
【0054】さらに、画像形成装置の現像方式をジャンピング現像方式とすると、より高精細な画像を得ることができるが、ジャンピング現像方式はライン幅あたりのトナーの乗り量が多いため、耐久による飛び散り悪化が発生しやすい。しかし、本発明の中間転写体は、耐侯性付与剤を1〜10重量%含有しているため、飛び散り悪化を防止することができる。
【0055】本発明の中間転写体の最外層には、体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上であればどのような材料を用いても良い。たとえば、ポリウレタン樹脂とフッ素樹脂の混合物やフッ素変性ウレタン等は、耐久性と離型性の観点から好ましい。
【0056】本発明の中間転写体は、2層以上の複層構成とすることができるが、各層の製造方法は、スプレー塗装、浸漬塗装、静電塗装、押し出し成形等、任意の方法で製造することができる。
【0057】以上述べてきたように、本発明の中間転写体は、体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上の最外層を有しており、該最外層に耐侯性付与剤を1重量%以上10重量%以下含有していることを特徴としている。したがって、繰り返し使用後も飛び散りの少ない画像を得ることができるという特長を持つ。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本願発明をさらに詳細に説明する。
【0059】(実施例1)カーボンブラックを配合したNBR/EPDM=6/4のコンパウンドを、厚さ0.4mmのチューブ状に押し出し、これを円筒状の金型に被せた。次に、この上に直径約150μmのポリエステル糸をピッチ0.7mmで螺旋状に巻き付けた。さらに、前記チューブをもう一度被せ、テーピングによりコンパウンドを金型に密着させた後、加硫および研磨を行うことにより、内部に螺旋状の繊維を有する弾性層を得た。得られた弾性層の厚さは0.7mm、硬度は70°、体積抵抗率は7×107Ω・cmであった。次に、該ベルト上に被覆層(最外層)を得るための塗料を下記処方にて作成した。
【0060】
塗料配合 ポリカーボネートポリウレタン 59部(重量%、以下同様)
フッ素系グラフトポリマー(分散剤) 2部 PTFE樹脂微粉末 41部 耐侯性付与剤1 3部 メチルエチルケトン 400部 トルエン 200部 N−メチルピロリドン 100部本実施例で用いた耐侯性付与剤1は、3,9−ビス[2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオナイロキシ)−1,1−ジメチル]−2,4,8,10−テトラオキザスピロ[5.5]ウンデカンで、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤である。耐侯性付与剤1は、ポリマーのパーオキシラジカル(ROO・)を補足する性質、およびNOXと反応する性質を有する。
【0061】上記塗料を前記弾性層上にスプレー塗布し、室温にて指触乾燥後130℃で70分加熱することにより残存溶剤を除去し、1×1014Ω・cmの被覆層を有するベルト状中間転写体を得た。
【0062】得られたベルト状中間転写体を、図4に示されるフルカラー電子写真装置に装着した。図4の電子写真装置は、図1に示したものと同様であるが、ポスト帯電部材51及び転写残トナー帯電部材52を備えている。
【0063】この電子写真装置について、以下のように転写効率を定義して、転写効率の測定を行った。
【0064】2次転写効率(ベルト状中間転写体から転写材への転写効率)=ベルト状中間転写体上の転写残画像濃度/(中間転写ベルト上の転写残画像濃度+転写材上の画像濃度)
なお、図4において、現像方式はジャンピング現像方式とし、ポスト帯電部材にはコロナ帯電部材を用い、500Hz、8kVp−pのサイン波DC=−1kVを重畳して印加した。また、転写残トナー帯電部材には、被覆層を有するゴムロール(106Ω程度)を用い、2kHz、2.8kVp−p、デューティー比80%の矩形波を印加した。
【0065】本実施例においては、ベルト状中間転写体上のトナーを帯電させるためのポスト帯電部材を有しているために、2次転写効率が向上して、より高精細な画像が得られた。
【0066】その後、フルカラー連続1万枚の耐久を行った。
【0067】本実施例のベルト状中間転写体には、耐侯性付与剤が3重量%含有されているために、1万枚耐久後の飛び散りレベルは実用上許容できるレベルを維持していた。
【0068】結果を表2に示す。
【0069】(実施例2)実施例1の塗料配合において、耐侯性付与剤2を1部追加した以外は、実施例1と同様にしてベルト状中間転写体を得た。
【0070】本実施例で用いた耐侯性付与剤2は、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネートであり、硫黄系の酸化防止剤である。耐侯性付与剤2は、耐侯性付与剤1とパーオキシラジカル(ROO・)との反応により生成するハイドロパーオキサイド(ROOH)と反応し、より安定なアルコール(ROH)を生成する性質を持つ。従って、耐侯性付与剤1と耐侯性付与剤2を最外層に添加することによって、より高い飛び散り悪化の防止効果が期待される。
【0071】得られたベルト状中間転写体を実施例1と同様の評価を行った。1万枚耐久後の飛び散りレベルは、実施例1より良好であった。結果を表2に示す。
【0072】(実施例3〜7)実施例1の塗料配合において、耐侯性付与剤1を添加しない代わりに表1に示す耐侯性付与剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてベルト状中間転写体を得た。得られたベルト状中間転写体は実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0073】
【表1】

(実施例8)実施例1の塗料配合に、実施例6で使用した耐侯性付与剤(オゾン劣化防止剤)を1.5部添加した以外は、実施例と同様にしてベルト状中間転写体を得た。本実施例では、酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤が配合されているために、実施例1および実施例6と比較して、より高い飛び散り悪化の防止効果が期待される。
【0074】得られたは実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0075】(実施例9)予め接着剤を塗布した厚さ2mmのアルミシリンダーに、実施例1と同様のゴムコンパウンドを巻き付けた後、テーピングによりコンパウンドをアルミシリンダーに密着させ、加硫および研磨を行うことにより、アルミシリンダー上に厚さ3mmの弾性層を得た。
【0076】次に実施例1と同様にして被覆層(最外層)を設け、中間転写ドラムを得た。
【0077】得られた中間転写ドラムを図5に示す画像形成装置に組み込み、実施例1と同様にして評価を行った。図5の装置は、図4の装置に対して、円筒状の中間転写体20が使用され、この中間転写体20に転写ベルト67が対設されている点で異なる以外、同様の動作を行う。
【0078】なお、ポスト帯電部材および転写残トナー帯電部材は実施例1と同様のものを用い、印加電圧も実施例1と同様にした。結果を表2に示す。
【0079】(実施例10)塗料配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にしてベルト状中間転写体を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた被覆層の体積抵抗率は1×1013Ω・cmであった。
塗料配合ポリエステルポリウレタン 59部PTFE樹脂微粉末 41部耐侯性付与剤1 3部メチルエチルケトン 400部トルエン 200部N−メチルピロリドン 100部(実施例11)実施例10で得られたベルト状中間転写体を図6に示す画像形成装置に組み込んだ。図6の画像形成装置においては、ポスト帯電部材および転写残トナー帯電部材がなく、ベルト状中間転写20のクリーニングは、クリーニングブレード50により行われる。
【0080】ポスト帯電部材がないため、2次転写効率は若干劣り、実施例1ほど高精細な画像は得られなかったが、実用に耐えるレベルであった。
【0081】実施例1と同様に2次転写効率を測定した後、フルカラー2万枚の連続耐久を行った。ベルト状中間転写体の最外層に受けるダメージが少ない分2万枚耐久後も飛び散りレベルは実用上問題なく、より高い耐久性が得られた。
【0082】(比較例1)実施例1の塗料配合において、耐侯性付与剤の配合量を0部とした以外は実施例1と同様にしてベルト状中間転写体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0083】耐侯性付与剤を配合していないため、4000枚の耐久程度で飛び散りレベルが実用上許容できないレベルに悪化し、1万枚耐久後にはさらに悪化した。
【0084】(比較例2)実施例1の塗料配合において、耐侯性付与剤の配合量を0.5部とした以外は実施例1と同様にしてベルト状中間転写体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0085】耐侯性付与剤を配合量が0.5部と少ないため、5000枚の耐久程度で飛び散りレベルが実用上許容できないレベルに悪化し、1万枚耐久後にはさらに悪化した。
【0086】(比較例3)実施例1の塗料配合において、耐侯性付与剤の配合量を15部とした以外は実施例1と同様にしてベルト状中間転写体を作製し、評価した。結果を表2に示す。耐侯性付与剤を添加量が多いため、中間転写体表面にブリードアウトし、初期より2次転写効率が悪かった。また、中抜けもひどく、高精細な画像を得ることができなかったこのため、飛び散りレベルを判定できなかった。したがって、1万枚の耐久は行わなかった。
【0087】(比較例4)塗料配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にしてベルト状中間転写体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0088】塗料配合ポリエーテルポリウレタン 59部PTFE樹脂微粉末 41部フッ素系グラフトポリマー(分散剤) 2部耐侯性付与剤1 3部メチルエチルケトン 400部トルエン 200部N−メチルピロリドン 100部得られた最外層の体積抵抗率1×1012Ω・cmと低かったため、初期より飛び散りレベルが悪かった。このため、1万枚の耐久は行わなかった。
【0089】
【表2】

【0090】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明は、第1の画像担持体上に形成された画像を中間転写体に転写した後、第2の画像担持体上にさらに転写する画像形成装置において、前記中間転写体が、1×1013Ω・cm以上の最外層を有しており、該最外層に耐侯性付与剤を1重量%以上10重量%以下含有していることを特徴とする中間転写体である。
【0091】したがって繰り返し使用後も飛び散りの少ない画像を得ることができるという特徴を持つ。




 

 


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