米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> キヤノン株式会社

発明の名称 帯電装置および画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−24370
公開日 平成11年(1999)1月29日
出願番号 特願平9−190525
出願日 平成9年(1997)6月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
発明者 井上 亮
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 回転するスリーブと、該スリーブに内包された磁界発生手段と、該磁界発生手段により該スリーブ上に磁気ブラシとして磁気拘束された導電性磁性粒子と、該スリーブ上に拘束される該導電性磁性粒子の担持量を規制する規制手段を有し、該導電性磁性粒子を被帯電体に接触させて該被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電装置において、該スリーブと該被帯電体の間隙をL[cm]、該導電性磁性粒子の見かけ密度をp[g/cm3 ]、該スリーブ上の該導電性磁性粒子が被帯電体に接触していない場合の、規制手段で規制した後の該スリーブ上での該導電性磁性粒子の担持量をM[g/cm2 ]、該導電性磁性粒子の体積平均粒径をd[cm]としたとき、3d<L<M/pを充たし、かつ該被帯電体の当接時は、該被帯電体の当接部を通過する該導電性磁性粒子と規制部を通過する該導電性磁性粒子の時間当たりの量が常に平衡状態にあることを特徴とする帯電装置。
【請求項2】 該磁界発生手段は、少なくとも、該被帯電体との対向位置に第一の磁極と、該スリーブの回転方向の反対方向に隣り合う第一の磁極とは異なる第二の磁極を有し、該規制手段の規制位置が第一の磁極と第二の磁極の間に位置し、かつ該規制位置と該スリーブの回転中心を結ぶ直線と、該スリーブと被帯電体の最近接位置と該スリーブの回転中心を結ぶ直線のなす角を70°以下とすることにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】 該磁界発生手段は、少なくとも、該被帯電体との対向位置に第一の磁極と、該スリーブの回転方向の反対方向に隣り合う第一の磁極とは異なる第二の磁極を有し、該規制手段の規制位置が第一の磁極と第二の磁極の間に位置し、かつ該規制位置における、該磁界発生手段による磁束密度が400×10-4[T]以下であることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項4】 該規制手段は、剛体からなるものであることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1つに記載の帯電装置。
【請求項5】 該規制手段は、可撓性を示す材料からなるものであることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1つに記載の帯電装置。
【請求項6】 被帯電体は、画像形成装置における像担持体であり、表面に電荷注入層を有する、あるいは電荷注入帯電性であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1つに記載の帯電装置。
【請求項7】 該電荷注入層は、導電性微粒子を分散した樹脂からなることを特徴とする請求項6に記載の帯電装置。
【請求項8】 該電荷注入層は、非晶質のシリコンであることを特徴とする請求項6に記載の帯電装置。
【請求項9】 像担持体に該像担持体を帯電する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該像担持体の帯電工程手段が請求項1ないし8の何れか1つに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被帯電体を帯電(除電も含む)する帯電装置に関する。
【0002】より詳しくは、接触帯電装置、特には、磁気ブラシとして磁気拘束させた導電性磁性粒子を被帯電体に接触させて被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電装置に関する。
【0003】さらには、該帯電装置を具備した、複写機・プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0004】
【従来の技術】転写式電子写真装置を例にして説明する。該装置は、像担持体として回転ドラム型を一般的とする電子写真感光体(以下、感光ドラム、あるいは感光体と記す)を用い、該回転感光ドラムの表面を帯電手段で所定の極性・電位に一様に帯電させ、帯電後の感光ドラム表面を像露光手段で像露光して露光像に対応した静電潜像を形成させ、現像手段で該静電潜像に現像剤のトナーを付着させてトナー像として現像させ、そのトナー像を転写手段で転写材に転写させる。トナー像を転写させた転写材は定着手段でトナー像を定着処理して画像形成物(コピー・プリント)として排出させる。また転写材に対するトナー像転写後の回転感光ドラムはクリーニング手段で転写残トナーの除去を受けて繰り返し作像に供される。
【0005】従来、電子写真の帯電装置としては、コロナ帯電器が使用されてきた。これは、コロナ帯電器を感光ドラムに非接触に対向配設し、高圧を印加したコロナ帯電器から発生するコロナシャワーに感光ドラム表面をさらすことで感光ドラム表面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0006】近年は、これに代わって、接触帯電装置が実用化されてきている。これは、オゾン、低電力を目的としており、中でも特に接触帯電部材として導電ローラを用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。
【0007】ローラ帯電では、導電性の弾性ローラ(帯電ローラ)を被帯電体に加圧当接させ、これに電圧を印加することによって被帯電体の帯電を行なう。
【0008】接触帯電装置において、帯電バイアスとして接触帯電部材に直流バイアスを印加するDCバイアス印加方式と、直流バイアスを交流バイアスに重畳して印加するACバイアス印加方式のニ種類がある。
【0009】DCバイアス印加方式の場合、環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、感光体が削れることによって膜厚が変化すると、帯電開始電圧(放電開始電圧)Vthが変動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しかった。ACバイアス印加方式の場合は、交流バイアスによるならし効果のために環境などの外乱には影響されることはないが、放電現象に起因する感光体表面の劣化等がDCバイアスよりも顕著になるという問題がある。また、両方式においても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から感光体への放電現象を用いているため、微量のオゾンは発生する。
【0010】そこで新たな帯電方式として、感光体への電荷の直接注入による注入帯電方式が考案されている。この帯電方式は、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電磁気ブラシ等の接触導電部材(接触帯電部材)に電圧を印加し、感光体表面にある電荷注入層に電荷を注入して接触注入帯電を行なう方法である。この帯電方式では、放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する感光体表面電位分のみであり、オゾンの発生もない。またACバイアス印加方式にした場合でも放電は抑制されるためオゾンの発生も少なく、感光体表面の劣化も大幅に低減できる。
【0011】電荷注入層は酸化錫等の導電性微粒子を樹脂中に分散させたものや、非晶質のシリコン等が用いられる。
【0012】帯電磁気ブラシは、給電電極を兼ねる担持部材に磁気拘束して担持させた導電性磁性粒子の磁気ブラシ部を有し、該磁気ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触させ、担持部材に給電することで、感光体を帯電させるものである。帯電磁気ブラシは他の接触帯電部材に比べ、帯電均一性に優れることや、感光体上の残留物による汚染による影響を受けにくい等の利点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に、帯電磁気ブラシを用いた接触帯電装置(磁気ブラシ帯電装置)の改善である。
【0014】即ち、磁気ブラシ帯電は被帯電体と磁気ブラシ部の導電性磁性粒子の接触領域のみ帯電される性質がある。このため、所定の電位まで被帯電体を帯電するのに十分な帯電能力を得るためには、被帯電体表面と磁気ブラシ部の導電性磁性粒子との接触機会を多くすることが望ましい。その接触機会を増やす手段としては、導電性磁性粒子で構成される磁気ブラシを担持している帯電スリーブの回転速度を速くしたり、磁気ブラシ部と被帯電体の接触領域を広くすることが有効である。
【0015】被帯電体表面と磁気ブラシ部の導電性磁性粒子との接触機会が不十分であると、所定の帯電電位が得られなくなるだけでなく、磁気ブラシの汚染による帯電能力の低下が起き易く、画像形成装置にあっては、かぶりや、帯電ゴースト(帯電器の帯電能力が低下すると、被帯電体の潜像の履歴を消すことができなくなり、次の画像上に、その履歴が現れてしまうこと)の要因となることがあった。
【0016】本発明は、磁気ブラシ帯電装置において、被帯電体表面と磁気ブラシ部の導電性磁性粒子との接触機会を増やすように工夫したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特徴とする帯電装置及び画像形成装置である。
(1)回転するスリーブと、該スリーブに内包された磁界発生手段と、該磁界発生手段により該スリーブ上に磁気ブラシとして磁気拘束された導電性磁性粒子と、該スリーブ上に拘束される該導電性磁性粒子の担持量を規制する規制手段を有し、該導電性磁性粒子を被帯電体に接触させて該被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電装置において、該スリーブと該被帯電体の間隙をL[cm]、該導電性磁性粒子の見かけ密度をp[g/cm3]、該スリーブ上の該導電性磁性粒子が被帯電体に接触していない場合の、規制手段で規制した後の該スリーブ上での該導電性磁性粒子の担持量をM[g/cm2]、該導電性磁性粒子の体積平均粒径をd[cm]としたとき、3d<L<M/pを充たし、かつ該被帯電体の当接時は、該被帯電体の当接部を通過する該導電性磁性粒子と規制部を通過する該導電性磁性粒子の時間当たりの量が常に平衡状態にあることを特徴とする帯電装置。
【0018】(2)該磁界発生手段は、少なくとも、該被帯電体との対向位置に第一の磁極と、該スリーブの回転方向の反対方向に隣り合う第一の磁極とは異なる第二の磁極を有し、該規制手段の規制位置が第一の磁極と第二の磁極の間に位置し、かつ該規制位置と該スリーブの回転中心を結ぶ直線と、該スリーブと被帯電体の最近接位置と該スリーブの回転中心を結ぶ直線のなす角を70°以下とすることにより構成されることを特徴とする(1)に記載の帯電装置。
【0019】(3)該磁界発生手段は、少なくとも、該被帯電体との対向位置に第一の磁極と、該スリーブの回転方向の反対方向に隣り合う第一の磁極とは異なる第二の磁極を有し、該規制手段の規制位置が第一の磁極と第二の磁極の間に位置し、かつ該規制位置における、該磁界発生手段による磁束密度が400×10-4[T(テスラ)]以下であることを特徴とする(1)に記載の帯電装置。
【0020】(4)該規制手段は、剛体からなるものであることを特徴とする(1)ないし(3)の何れか1つに記載の帯電装置。
【0021】(5)該規制手段は、可撓性を示す材料からなるものであることを特徴とする(1)ないし(3)の何れか1つに記載の帯電装置。
【0022】(6)被帯電体は、画像形成装置における像担持体であり、表面に電荷注入層を有する、あるいは電荷注入帯電性であることを特徴とする(1)ないし(5)の何れか1つに記載の帯電装置。
【0023】(7)該電荷注入層は、導電性微粒子を分散した樹脂からなることを特徴とする(6)に記載の帯電装置。
【0024】(8)該電荷注入層は、非晶質のシリコンであることを特徴とする(6)に記載の帯電装置。
【0025】(9)像担持体に該像担持体を帯電する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該像担持体の帯電工程手段が(1)ないし(8)の何れか1つに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0026】〈作 用〉磁気ブラシ帯電装置おいて、上記の関係式3d<L<M/pを充たすことで、帯電ニップ部(スリーブと被帯電体との対向位置における被帯電体に対する導電性磁性粒子(磁気ブラシ)の接触領域部)で導電性磁性粒子の最密状態を形成することができて、即ち帯電ニップ部での被帯電体表面と磁気ブラシを構成している導電性磁性粒子との接触機会を増やすことができて、帯電能力を大幅に向上させることができる。
【0027】ただ、帯電ニップ部で導電性磁性粒子の最密状態を形成すると帯電ニップ部で導電性磁性粒子溢れの発生をみやすい。その導電性磁性粒子溢れは、被帯電体の当接部を通過する導電性磁性粒子と規制部を通過する導電性磁性粒子の時間当たりの量が常に平衡状態にあること(自己制御機構)で防止できる。
【0028】具体的には、磁界発生手段は、少なくとも、被帯電体との対向位置に第一の磁極と、スリーブの回転方向の反対方向に隣り合う第一の磁極とは異なる第二の磁極を有し、規制手段の規制位置が第一の磁極と第二の磁極の間に位置し、かつ規制位置とスリーブの回転中心を結ぶ直線と、スリーブと被帯電体の最近接位置とスリーブの回転中心を結ぶ直線のなす角を70°以下とすること、あるいは規制手段の規制位置が第一の磁極と第二の磁極の間に位置し、かつ規制位置における、磁界発生手段による磁束密度が400×10-4[T]以下であることにより、被帯電体の当接部を通過する導電性磁性粒子と規制部を通過する導電性磁性粒子の時間当たりの量を常に平衡状態させて帯電ニップ部における導電性磁性粒子溢れを防止できる。
【0029】したがって、帯電ニップ部において導電性磁性粒子の最密充填状態を磁性粒子を溢れさせることなく形成でき、帯電能力を向上させることができる。さらに、このような構成では導電性磁性粒子の供給量が自己規制されるような状態になっているため、環境変動などで導電性磁性粒子の流動性が変化しても、導電性磁性粒子溢れの発生しない安定した帯電を実行させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉(図1〜図4)
図1は本発明に従う磁気ブラシ帯電装置例の概略の横断面模型図である。
【0031】(1)帯電装置Aの全体的な概略構成1は導電性磁性粒子の磁気ブラシの担持部材としての回転スリーブ(帯電スリーブ)である。本例のスリーブ1は直径25mmの非磁性のスリーブであり、給電電極を兼ね、例えばアルミニウム製である。装置ケーシング5内に両端側を回転自由に軸受けさせて配設してある。このスリーブ1はその前面側を装置ケーシング5の前面開口部から外側に露呈させてある。
【0032】2は上記スリーブ1内にほぼ同心に挿入して内包させた磁界発生手段としてのマグネットローラである。本例のものは4極マグネットローラであり、非回転に固定したローラである。N1・S1・N2・S2は磁極部である。
【0033】スリーブ1はこの固定のマグネットローラ2の外回りを不図示の駆動系により矢印R1の反時計方向に周速度200mm/secで回転駆動される。
【0034】3は導電性磁性粒子(磁性キャリア、以下、磁性粒子と記す)もしくは該磁性粒子の磁気ブラシであり、スリーブ1の外面にスリーブ内部のマグネットローラ2の磁気力で磁気拘束させてある。
【0035】4はスリーブ1上に拘束される磁性粒子の担持量を規制する規制手段としての規制板(規制部材)である。本例においてこの規制板4は非磁性の剛体ブレードである。該規制板4は、装置ケーシング5の前面開口部の上辺側の前面壁に、規制板下辺とスリーブ1の外面との間に所定の間隙α[cm]を設定して固定配設してある。この間隙α部が規制板4による磁性粒子規制位置である。
【0036】7は被帯電体であり、本例は電子写真装置における像担持体としての電子写真感光ドラムである。より具体的には、この感光ドラム7は最表層を電荷注入層としたものであり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した電荷発生層と、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散した電荷輸送層を持ち、さらに最表層には光硬化性のアクリル樹脂に超微粒子のSnO2 (導電性フィラー)を分散した電荷注入層からなる有機感光層を持ち、矢印R2の反時計方向に100mm/secの周速度で回転駆動される。
【0037】装置ケーシング5の前面開口部から外側に露呈させたスリーブ部分と感光ドラム7とは所定の間隙L[cm](両者1・7の最近接位置における間隙寸法)を設定して対向させてある。
【0038】スリーブ1の外面に磁気拘束されて付着の磁性粒子3はスリーブ1の反時計方向R1への回転とともに同方向に搬送され、装置ケーシング5内において、スリーブ1の上面部分と、規制板4の裏面部分と、装置ケーシング5の前面壁裏面部分とで構成される空間部分に大きい溜り部(滞留部)を生じて保持される。
【0039】その溜り部の磁性粒子の一部がスリーブ1の回転に伴い規制板4の下辺とスリーブ1の外面との間の間隙部すなわち磁性粒子規制位置αを通って装置ケーシング5の外側に抜け出てスリーブ1上に層厚規制された磁気ブラシとして保持され、スリーブ1と感光ドラム7との対向位置に搬送される。
【0040】スリーブ1と感光ドラム7との対向位置に搬送された磁性粒子の磁気ブラシは、この対向位置にほぼ対応させて位置させたマグネットローラ2上の第一の磁極N1(以下、主極と記す)の磁気力で穂立ち、回転感光ドラム7面に当接し、回転感光ドラム7面が磁性粒子の磁気ブラシで摺擦される。スリーブ1と感光ドラム7との対向位置において感光ドラム7面に対する磁性粒子(磁気ブラシ)の接触領域部が帯電ニップ部aである。
【0041】スリーブ1と感光ドラム7対向位置の間隙Lを通り抜けた磁性粒子はスリーブ1上に磁気拘束されて保持され引き続くスリーブ1の回転で装置ケーシング5内に戻し搬送され、循環的に搬送使用される。
【0042】スリーブ1には電源6より所定の帯電バイアスが印加され、回転感光ドラム7面は帯電ニップ部aにおいて磁性粒子の磁気ブラシによる摺擦と印加帯電バイアスで、所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施例では、電源6よりスリーブ1に帯電バイアスとしてDCバイアス:−700VACバイアス:振幅1000V、周波数1kHzの重畳バイアスを印加した。
【0043】本実施例では被帯電体としての感光ドラム7は前述したように最表層を電荷注入層としたものであるので、該感光ドラム7は上記の印加帯電バイアスのDCバイアスに対応してほぼ−700Vに注入帯電方式で接触帯電処理される。
【0044】(2)磁性粒子3磁気ブラシを構成させる磁性粒子としては下記のようなものが好適に用いられる。
【0045】a.樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成形したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カーボン等を混ぜたもの、b.焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれらを還元または酸化処理して抵抗値を調節したもの、c.上記の磁性粒子を抵抗調整をしたコート材(フェノール樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたはNi等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの等。
【0046】これら磁性粒子の抵抗値としては、高すぎると感光ドラム表面に電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良によるカブリ画像となってしまう。低すぎると感光ドラム表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電流が集中して帯電電圧が降下し感光ドラム表面を帯電することができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。よって磁性粒子の抵抗値としては、1×104 〜1×107 Ωが望ましい。
【0047】磁性粒子の抵抗値は、電圧が印加できる金属セル(底面積228mm2 )に磁性粒子を2g入れた後加重し、電圧を1〜1000V印加して測定した。
【0048】磁性粒子の磁気特性としては、感光ドラム表面への磁性粒子付着を防止するために磁気拘束力を高くする方がよく、飽和磁化が50(A・m2 /kg)以上が望ましい。
【0049】磁性粒子の磁気特性測定は、理研電子株式会社の直流磁化B−H特性自動記録装置BHH−50を用いることができる。この際、直径(内径)6.5mm、高さ10mmの円柱状の容器に磁性粒子を荷重約2g重程度で充填し、容器内で磁性粒子が動かないようにしてそのB−Hカーブから飽和磁化を測定する。
【0050】実際に、本実施例で用いた磁性粒子は、体積平均粒径が30μm、見かけ密度2.0[g/cm2 ]、抵抗値1×106 Ω、飽和磁化58(A・m2 /kg)であった。
【0051】磁性粒子の見かけ密度はJIS Z25041記載の方法に準じて行なった。
【0052】また、磁性粒子の粒径は帯電能力や帯電の均一性に影響する。つまり、粒径が大きすぎると感光ドラム表面との接触割合が低下し帯電ムラの原因となる。粒径が小さいと帯電能力、均一性ともに向上する反面、感光ドラム表面への付着が起きやすくなる。このため磁性粒子の粒径としては5〜100μmのものが好適に用いられる。
【0053】磁性粒子の体積平均粒径は、水平方向最大弦長で示し、測定法は顕微鏡法により磁性粒子300個以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をとることによって算出した。
【0054】(3)間隙L、磁極N1・S1・N2・S2、磁性粒子規制位置α等a)スリーブ1と感光ドラム7との対向位置の間隙L[cm]は本実施例では0.05cm(500μm)とした。
【0055】Lは、小さすぎると感光体へのリークが生じやすくなり、大きすぎると帯電能力が低下してしまう。Lは0.01[cm]〜0.2[cm]の範囲で概ね良好な帯電性を示す。
【0056】b)スリーブ1内にほぼ同心に挿入して内包させた磁界発生手段としての非回転・固定のマグネットローラ2は本例のものは4極マグネットローラである。このマグネットローラの磁極N1・S1・N2・S2のうち、スリーブ1と感光ドラム7との対向位置にほぼ対応させて位置させた主極N1(第一の磁極)のスリーブ1上の磁束密度は本実施例では800×10-4[T]とした。
【0057】この主極N1の磁束密度が小さすぎると感光ドラム7上に磁性粒子の付着が発生し、また強すぎると帯電ニップ部aにおいて磁性粒子が停滞してしまう。このため、主極N1の磁束密度としては600〜1200×10-4[T]が好適である。
【0058】主極N1の感光ドラム7に対する対向角度θ3 (以下、主極位置角と称する)、すなわちスリーブ1の回転中心軸線O1 と、スリーブ1と感光ドラム7との最近接位置を結んだ直線b(=スリーブ1の回転中心軸線O1 と感光ドラム7の回転中心軸線O7 を結んだ直線)と、スリーブ1の回転中心軸線O1 と主極N1を結ぶ直線cとのなす角θ3 は、直線bを境(0°)として、これよりもスリーブ回転方向上流側をプラス、下流側をマイナスとして、−10°≦θ3 ≦5°であることが好ましい。
【0059】この範囲外であると帯電ニップ部aにおける磁性粒子の保持力が不足するため感光ドラム7への磁性粒子付着が増加したり、磁性粒子の搬送力が不十分になったりする。
【0060】本実施例ではθ3 =−5°、すなわち直線bよりもスリーブ回転方向下流側に5°傾ける(位置ずれ)構成とした。
【0061】c)磁極S1はマグネットローラ2上の第二の磁極(以下、規制極と記す)であり、主極N1よりもスリーブ回転方向上流側(スリーブ1の回転方向の反対方向)において主極N1と隣り合う磁極である。
【0062】この規制極S1は、装置ケーシング5内において、スリーブ1の上面部分と、規制板4の裏面部分と、装置ケーシング5の前面壁裏面部分とで構成される空間部分に形成される磁性粒子の大きい溜り部の位置にほぼ対応させて位置させてある。
【0063】本実施例では主極N1に対して規制極S1は、スリーブ1の回転中心軸線O1と主極N1を結ぶ直線cに対して、スリーブ1の回転中心軸線O1 と規制極S1を結ぶ直線dのなす角θ1 (以下、規制極位置角と称す)を90°の関係にして設けた。
【0064】規制極S1のスリーブ1上の磁束密度は本実施例では350×10-4[T]とした。規制極S1の磁束密度は、小さすぎると磁性粒子の搬送力が不足したり、規制板4の裏に磁性粒子を保持することができない場合があり、また強すぎると磁性粒子規制位置αでの磁性粒子磁気ブラシの層厚規制が安定しなかったり、磁性粒子にストレスがかかりすぎ、磁性粒子に対するトナースペントの要因となったりする。
【0065】したがって規制極S1の磁束密度としては200〜1000×10-4[T]のものが好適に用いられる。
【0066】d)磁極N2は主極N1のほぼ180°反対側位置のマグネットローラ上に、また磁極S2は規制極S1のほぼ180°反対側位置のマグネットローラ上に、それぞれ着磁させてあり、磁性粒子の搬送極として機能する。
【0067】e)規制板4は、本例では、主極N1と規制極S1の間であり、かつスリーブ1の回転中心軸線O1 と、スリーブ1と感光ドラム7との最近接位置を結んだ直線bと、スリーブ1の回転中心軸線O1 と規制板4の下辺エッジ部による磁性粒子規制位置αを結ぶ直線eのなす角θ2 (以下、磁性粒子規制位置角と称す)が80°である位置に配置した。
【0068】(4)3d<L<M/pと、磁性粒子溢れ防止について上述のような条件のもと、スリーブ1上の磁性粒子の感光ドラム非当接時の規制後の担持量と帯電能力の関係を調べたところ、担持量が0.1[g/cm2 ]を越えると急激に帯電能が向上することが見いだされた。
【0069】これを図2に示す。縦軸は初期電位収束率であり、初期電位の収束電位に対する割合で表され、初期電位収束率が高いほど帯電能力が高いことを示している。
【0070】担持量0.1[g/cm2 ]前後の帯電ニップ部aの様態を観察したところ、担持量0.1[g/cm2 ]以上では、磁性粒子が帯電ニップ部a内でパッキング状態(最密充填状態)となっていた。
【0071】このことから、帯電ニップ部a内で磁性粒子が最密充填されたことに加え、僅かな磁性粒子の滞留のため帯電ニップ面積が増加したことによる相乗効果により帯電能力が急激に増加したことがわかった。
【0072】さらに、数種類の磁性粒子を用い様々な条件のもとで検討を行なった結果、帯電ニップ部aにおける磁性粒子のパッキングが生じる場合、3d<L<M/p・・・・・式1L:スリーブ1と感光ドラムの間隙[cm]
p:磁性粒子の見かけ密度[g/cm3
M:スリーブ1上の磁性粒子の感光ドラム非当接時の規制後の担持量[g/cm2
d:磁性粒子の体積平均粒径[cm]
の条件を満たしていることがわかった。
【0073】L<3dの領域では、磁性粒子が帯電ニップを磁性粒子が安定に通過できずに、逆に磁性粒子が疎の状態となってしまった。
【0074】上記の式1の条件により、帯電ニップでは磁性粒子が最密充填された状態になっており、帯電能力を大幅にアップさせることができた。
【0075】しかし、この式1の条件のもとでは、帯電ニップ部aにおいて磁性粒子溢れが発生した。
【0076】この磁性粒子溢れの過程を詳しく観察した結果、磁性粒子溢れは次のようなものであった。これを図3の(a)〜(c)の模型図を用いて説明する。
【0077】磁性粒子溢れが発生する場合、スリーブ1・感光ドラム7間、即ちスリーブ1と感光ドラム7の対向位置の間隙Lを通過できる時間当たりの磁性粒子量よりも多い磁性粒子が規制手段部、即ち規制板4の下辺とスリーブ1の外面との間の間隙部である磁性粒子規制位置αからスリーブ1上に供給されている。
【0078】このため感光ドラム7に対する磁気ブラシ当接部即ち帯電ニップ部aには徐々に磁性粒子溜まりfが形成される((a)→(b))。
【0079】この磁性粒子溜まりfは磁気的に拘束され滞留しており、磁性粒子の働きはきわめて遅い状態になっている。磁性粒子溜まりfはスリーブ1が回転するにつれ成長し、磁気拘束力により保持しきれないほど成長したとき、磁性粒子溢れgとなる((b)→(c))。
【0080】この磁性粒子溢れgを防止する方法を検討した結果、規制板4を帯電ニップ部aに近づけることによって磁性粒子溢れgが抑制されることを見いだした。
【0081】さらに、数種類の規制極位置角θ1 の磁極パターンをもつマグネットローラ2を用いて磁性粒子規制位置角θ2 と主極位置角θ3 、規制極位置角θ1 、それらと磁性粒子溢れgの関係を調べた結果、以下の条件では磁性粒子溢れが生じないことがわかった。
【0082】すなわち、規制板4をスリーブ1上の主極N1と規制極S2の間に配置し、かつ磁性粒子規制位置角θ2 が70°以下となるような構成をとることにより、磁性粒子溢れが生じないことがわかった。
【0083】その実験結果を表1に示す。また、方向性では磁性粒子規制位置角θ2 の下限は20°であったが、その下限値においても磁性粒子溢れは発生しなかった。
【0084】スリーブ1の直径は本実施例における25mmのものに加え、15mm、35mmのものも検討したが、スリーブ1の直径の依存性は見られなかった。
【0085】
【表1】

ここで、上記の構成によって磁性粒子溢れが生じない理由について図4の(a)〜(c)の模型図を用いて述べる。
【0086】この条件においても磁性粒子溢れが生じる場合(図3)と同様に帯電ニップ部aには磁性粒子溜まりfが形成される((a)→(b))。
【0087】この磁性粒子溜まりfの近傍には、該磁性粒子溜まり部が磁性粒子の流れに対し障害物の様に働くことにより、磁性粒子の流れが遅くなる領域が生じる。その流れは磁性粒子溜まりfに近いほど遅くなる。これは磁性粒子溜まりfが形成されることによって、磁性粒子の流れに対する抵抗のようなものが働いていると言い替えることができる。
【0088】そしてその抵抗は磁性粒子溜まりfに近いほど大きく、遠いほど小さい。また磁性粒子溜まりfが大きいほど抵抗は大きく、小さいほど抵抗は小さい。
【0089】規制板4を感光ドラム7に対する磁気ブラシ当接部即ち帯電ニップ部a側に近づけることは、この抵抗が及ぶ範囲に規制板4を置くことに他ならない。つまり磁性粒子溜りfが形成されるにつれて規制板4近傍の磁性粒子には抵抗が働き、磁性粒子規制位置αを通過する時間当たりの磁性粒子の量は減少してくる。
【0090】そしてその量が、スリーブ1と感光ドラム4との対向位置の間隙Lを通過できる時間当たりの磁性粒子の量と等しくなったとき、磁性粒子溜まりfは成長しなくなる。その結果磁性粒子溢れは発生しない((b)→(c))。
【0091】繰り返すと、磁性粒子溢れg(図3)が発生するのは、磁気ブラシ当接部即ち帯電ニップ部aから規制板4が遠い場合、磁性粒子規制位置αまで抵抗を及ぼすような大きな磁性粒子溜まりfが成長する前に磁性粒子が磁気的拘束から解かれ、崩壊してしまうからである。
【0092】本実施例では規制板4として非磁性のものを用いたが、これは磁性体であっても、非磁性体に磁性板を貼ったものであっても同じ傾向を示す。
【0093】このように、磁性粒子規制位置αを帯電ニップ部aに近づけることにより、スリーブ1・感光ドラム7間の間隙Lを通過できる時間当たりの磁性粒子量より多く磁性粒子を供給することができるようになる。これによって帯電ニップ部aにおいて磁性粒子はパッキング状態となり帯電能が大幅に向上する。
【0094】また、このような状態では磁性粒子の供給量があたかも自己制御された様になっている。このため環境変動で磁性粒子の流動性が変動するなどして磁性粒子の供給量が変化する状態になっても、磁性粒子溜まり量が変化するだけで溢れは発生せず、非常に安定した帯電が可能となる。
【0095】〈実施例2〉(図5)
スリーブ上に拘束される磁性粒子の担持量を規制する規制手段としての規制部材は可撓性部材を用いることもできる。
【0096】本実施例はその例であり、図5は該装置の概略の横断面模型図である。
【0097】本実施例の磁気ブラシ帯電装置Aは規制板として可撓性部材を用いたこと以外は前述実施例1の装置Aと同様の構成であるので、共通する構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0098】4Aは可撓性の規制板であり、本例のものはウレタンゴムを板状に成形したものである。この可撓性規制板4Aを金属製支持体8上に接着固定し、該金属製支持体8を装置ケーシング5に取り付けることで配設してある。
【0099】磁性粒子のない状態では可撓性規制板4Aはスリーブ1と接触しているか、あるいは非常に近接しているが、スリーブ1の回転に伴い磁性粒子3が搬送される力によって可撓性規制板4Aが撓み、それによって生じる反発力によって磁性粒子はスリーブ1上に層厚規制される。
【0100】磁性粒子の担持量は可撓性規制板4Aのスリーブ1に対する当接圧や距離、あるいは金属支持体8の端部から、可撓性規制板4Aの先端までの長さを変えることによって制御することができる。
【0101】本実施例では、可撓性規制板4Aとスリーブ1の最近接位置をスリーブ上の磁性粒子規制位置αとする。
【0102】前述実施例1の装置Aと同様に本実施例の装置においても、前記式1の3d<L<M/pを充たすことによって、帯電ニップ部aで磁性粒子の最密状態を形成することができる。さらに磁性粒子の層厚を規制する可撓性規制板4Aによる磁性粒子規制位置θ2 が70°以下となるような構成をとることにより、帯電ニップ部aでの磁性粒子溢れを防止することができる。
【0103】以上に示したように、規制板4Aとして可撓性を持つ材料を用いたとしても帯電ニップ部Aで磁性粒子溢れを生じさせることなく磁性粒子の最密充填状態を形成し、帯電能力を大幅に向上させることができる。
【0104】また、磁性粒子の供給量が自己規制されるような状態になり、環境変動などで磁性粒子の流動性が変化しても、磁性粒子溢れの発生しない安定した帯電を行うことができる。
【0105】可撓性規制板4Aの材料としては、本実施例ではウレタンゴムを用いたが、その他の可撓性をもつもの、例えばシリコンゴムやSUS製の金属板なども用いることができる。
【0106】〈実施例3〉(図6〜図13)
実施例1で説明した磁性粒子溢れg(図3)は、規制板4をスリーブ1上の主極N1と規制極S2の間に配置し、かつ規制板4による磁性粒子規制位置αにおける磁束密度が400×10-4[T]以下となるような構成をとることによっても生じないことがわかった。
【0107】そのいくつかの実験のうちの代表的な結果を表2〜表9に示した。各表において、溢れ発生状況欄における、○は溢れ発生せず、△は溢れ少、×は溢れ大を意味している。
【0108】また図6〜図13のグラフはその各実験において磁界発生手段として用いたマグネットローラのスリーブ1上の磁束密度[×10-4T]表すものであり、夫々表2〜表9に対応する。
【0109】■.表2・表3はそれぞれ、規制極位置角θ1 が90°であり、規制極S1の磁束密度が500×10-4[T]であるマグネットローラ2と、規制極位置角θ1 が90°であり、規制極S1の磁束密度が800×10-4[T]であるマグネットローラ2における磁性粒子規制位置αと磁性粒子溢れの発生との関係を示すものである。
【0110】これらの結果と、表2・表3にそれぞれ対応の図6・図7のスリーブ1上の磁束密度を照らし合わせると、磁性粒子溢れは規制極S1の磁束密度の大きさによらず、磁性粒子規制位置αにおける磁束密度が400×10-4[T]以下である場合におおむね発生しないことがわかる。
【0111】■.表4・表5はそれぞれ、規制極位置角θ1 が120°であり、規制極S1の磁束密度が800×10-4[T]であるマグネットローラ2と、規制極位置角θ1 が120°であり、規制極S1の磁束密度が500×10-4[T]であるマグネットローラ2における磁性粒子規制位置αと磁性粒子溢れの発生との関係を示すものである。
【0112】これらの結果と、表4・表5にそれぞれ対応の図8・図9のスリーブ1上の磁束密度を照らし合わせると、主極N1と規制極S1の角度即ち規制極位置角θ1または規制極S1の磁束密度によらず、磁性粒子規制位置αにおける磁束密度が400×10-4[T]以下である場合に磁性粒子溢れは発生しないことがわかる。
【0113】■.表6・表7・表8・表9は規制極位置角θ1 が90°で、それぞれ規制極S1の磁束密度が500×10-4[T]と800×10-4[T]であるニつのマグネットローラ2を用いて主極位置角θ3 と磁性粒子溢れの発生の関係を調べた結果である。主極位置角θ3 は−10°、15°である。
【0114】これらの結果と、表6〜表9にそれぞれ対応の図10〜図13の結果を照らし合わせると、このときも磁性粒子の溢れは主極位置角θ3 によらず規制極における磁束密度が400×10-4[T]である場合におおむね発生しないことがわかる。
【0115】上述の実験結果は、磁性粒子規制位置αにおける磁束密度が400×10-4[T]以下であれば、磁性粒子の供給力は磁性粒子溜まりの抵抗力と十分バランスをとることが可能であることを示している。
【0116】このように、磁性粒子規制位置αにおける磁束密度を400×10-4[T]以下とすることにより、磁性粒子溢れを防止しながら磁性粒子溜まりを形成することが可能となるため、帯電ニップ部aにおいて磁性粒子はパッキング状態となり帯電能が大幅に向上する。
【0117】また、このような状態では磁性粒子の供給量は自己制御された状態になっている。このため環境変動で磁性粒子の流動性が変動するなどして磁性粒子の供給量が変化する状態になっても、磁性粒子溜まり量が変化するだけで溢れは発生せず、非常に安定した帯電が可能となる。
【0118】また本構成では磁性粒子規制位置角θ2 の下限は20°であるが、実験結果から判断して磁性粒子規制位置角θ2 が20°以下であっても磁性粒子溢れは発生しないことが推察できる。
【0119】またスリーブ1の直径は本実施例における25mmのものに加え、15mm、35mmのものも検討したが、スリーブ1の直径の依存性は見られなかった。
【0120】また本実施例では規制板4として非磁性のものを用いたが、これは磁性体であっても、非磁性体に磁性板を貼ったものであっても同じ傾向を示した。
【0121】本実施例の装置においても、スリーブ上に拘束される磁性粒子の担持量を規制する規制手段としての規制部材は、前述実施例2の装置のように、可撓性部材4Aを用いることができることは勿論である。
【0122】
【表2】

【0123】
【表3】

【0124】
【表4】

【0125】
【表5】

【0126】
【表6】

【0127】
【表7】

〈実施例4〉(図14)
図14は本発明に係る磁気ブラシ帯電装置Aを像担持体の帯電手段として用いた画像形成装置の一例の概略構成図である。
【0128】本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用、クリーナレスシステム(現像同時クリーニング)の複写機あるいはレーザープリンタである。
【0129】7は像担持体であり、本例は実施例1と同様の電荷注入帯電性の感光ドラムであり、矢印R2の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。この感光ドラム7は回転過程で磁気ブラシ帯電装置Aにより所定の極性・電位に電荷注入帯電式で一様に接触帯電処理される。この帯電装置Aは例えば実施例1の帯電装置である。
【0130】次いで、その回転感光ドラム7の帯電処理面に対して、不図示の像露光装置(原稿画像のスリット露光装置、レーザービーム走査露光装置等)により、目的の画像情報の像露光11がなされることで、回転感光ドラム面に像露光に対応した静電潜像が形成される。
【0131】次いで、その静電潜像は現像装置12によりトナー画像として正規現像あるいは反転現像される。12aは現像ローラあるいは現像スリーブである。12Sは現像ローラあるいは現像スリーブに対する現像バイアス印加電源である。
【0132】そのトナー画像が、感光ドラム7と転写ローラ13との当接ニップ部である転写部14において、該転写部14に不図示の給紙機構部から所定のタイミングにて給紙された転写材Pに対して順次に転写されていく。13Sは転写ローラに対する転写バイアス印加電源である。
【0133】転写部14を出た転写材Pは回転感光ドラム7の面から分離されて定着装置15へ導入され、転写トナー画像の定着処理を受けて画像形成物(コピー、プリント)として排紙される。
【0134】転写材Pに対するトナー画像転写後の感光ドラムは繰り返して画像形成に供される。この場合、本例の画像形成装置においては転写材Pに対するトナー画像転写後の感光ドラム面に残留する転写残トナーは現像装置12に至り、この現像装置12に回収(現像同時クリーニング)され、現像剤として再使用される。
【0135】磁気ブラシ帯電装置Aの磁性粒子の磁気ブラシに混入した転写残トナーも自然にあるいは吐き出しバイアスの印加により感光ドラム面に吐き出されて現像装置12にて回収される。
【0136】現像同時クリーニングは感光ドラム上の転写残トナーを次工程以降の現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光ドラムの表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【0137】もっとも、転写部14と磁気ブラシ帯電装置Aとの間において感光ドラム面から転写残トナーを除去する専用のクリーニング装置を設けてもよい。
【0138】〈その他〉1)本発明に係る磁気ブラシ帯電装置は、画像形成装置における像担持体の帯電手段に限らず、広く被帯電体の帯電手段として使用できることは勿論である。
【0139】2)帯電バイアスや現像バイアス等にAC電圧(交番電圧)を含ませる場合におけるそのAC電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。このように交番電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
【0140】3)画像形成装置の像担持体は静電記録誘電体等であってもよい。この場合、該誘電体面を所定の極性・電位に一次帯電した後、除電針ヘッド・電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成する。
【0141】画像形成装置は感光紙(エレクトロファックス紙)・静電記録紙に転写なしで直接作像する直接方式の装置であってもよい。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁気ブラシ帯電装置について、帯電ニップ部で磁性粒子の最密状態を形成することができて、即ち帯電ニップ部での被帯電体表面と磁気ブラシを構成している磁性粒子との接触機会を増やすことができて、帯電能力を大幅に向上させることができる。
【0143】また帯電ニップ部での磁性粒子溢れを防止することができる。
【0144】したがって、帯電ニップ部において磁性粒子の最密充填状態を磁性粒子を溢れさせることなく形成でき、帯電能力を向上させることができる。さらに、このような構成では磁性粒子の供給量が自己規制されるような状態になっているため、環境変動などで磁性粒子の流動性が変化しても、磁性粒子溢れの発生しない安定した帯電を実行させることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013