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発明の名称 画像形成装置及びその駆動方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−15285
公開日 平成11年(1999)1月22日
出願番号 特願平10−134430
出願日 平成10年(1998)4月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 暎
発明者 金子 修三 / 古屋 正
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、を有し、前記出口スリット部は、前記静電潜像の画像域幅方向においてはその断面の空間ギャップより大きいスリット長を有し、且つ断面の断面長がその空間ギャップより大きいスリットノズル状の形状を含むように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 液体インクを保持するインク保持部よりインクを搬送するインク搬送スリット部を設けたことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項3】 前記インク搬送スリット部は、その断面の断面長がその空間ギャップより大きい形状を含むように構成したことを特徴とする請求項2の画像形成装置。
【請求項4】 前記出口スリット部に制御電極を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3の画像形成装置。
【請求項5】 前記インク搬送スリット部に前記インクを帯電せしめる帯電手段を有することを特徴とする請求項2、3又は4の画像形成装置。
【請求項6】 前記液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部に前記インクを帯電せしめる帯電手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項7】 前記出口スリット部は、該出口スリット部の断面長方向にバイアスを印加するための複数の電極を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項8】 静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、を有し、前記出口スリット部は、該出口スリット部の断面長方向にバイアスを印加するための複数の電極を備え、該複数電極間に含液性部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】 前記含液性部材は、前記複数の電極間より前記インク霧化部へと連結する空孔内に設けたことを特徴とする請求項8の画像形成装置。
【請求項10】 液体インク保持部よりインクを搬送するインク搬送スリット部を設けたことを特徴とする請求項8又は9の画像形成装置。
【請求項11】 静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、を有し、前記出口スリット部は、その断面の断面長がその空間ギャップより大きく、かつ前記静電潜像の画像域幅方向においては前記断面の断面長より大きいスリット長を有するスリットノズル状の形状部分を含むように複数のスリットギャップ保持部材で保持されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】 前記スリットノズル状の形状部分に制御電極を設けたことを特徴とする請求項11の画像形成装置。
【請求項13】 更に、液体インクを保持するインク保持部より液体インクを搬送するインク搬送スリット部を有し、前記インク搬送スリット部は、その断面の断面長がその空間ギャップより大きく、かつ前記静電潜像の画像域幅方向においては前記断面の断面長より大きいスリット長を有するスリットノズル状の形状部分を含むように複数のスリットギャップ保持部材で保持されていることを特徴とする請求項11又は12の画像形成装置。
【請求項14】 前記複数のスリットギャップ保持部材は、一体成型されたものであることを特徴とする請求項11、12又は13の画像形成装置。
【請求項15】 前記静電潜像担持体は一つ配置され、その回りにそれぞれ異なる色の液体インクを使用する複数の前記現像装置を固定配置したことを特徴とする請求項1〜14のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項16】 静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置の駆動方法であって、前記現像装置は、液体インクを保持するインク保持部と、前記液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、前記液体インクを帯電せしめる帯電手段と、前記液体インクを微細ミスト状に霧化する霧化手段と、を有し、前記帯電手段の動作を開始せしめた後に、前記インク霧化手段の動作を開始せしめることを特徴とする画像形成装置の駆動方法。
【請求項17】 更に、前記微細ミスト状インクを制御する制御電極を設け、前記帯電手段の動作を開始せしめ、これと前後して、前記制御電極に電圧を印加して後、前記インク霧化手段の動作を開始せしめることを特徴とする請求項16の画像形成装置の駆動方法。
【請求項18】 静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置の駆動方法であって、前記現像装置は、液体インクを保持するインク保持部と、前記液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、前記液体インクを帯電せしめる帯電手段と、前記液体インクを微細ミスト状に霧化する霧化手段と、前記微細ミスト状のインクを制御する制御手段と、を有し、前記インク霧化手段の動作を終了した後、前記帯電手段と前記制御電極との間で画像形成時とは逆のバイアスとなる電圧を印加せしめることを特徴とする画像形成装置の駆動方法。
【請求項19】 前記インク霧化手段の動作を終了して後、前記帯電手段の動作を終了せしめた以後に、前記制御電極への制御電圧の印加を終了せしめることを特徴とする請求項18の画像形成装置の駆動方法。
【請求項20】 静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置の駆動方法であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、前記出口スリット部の断面長方向にバイアスを印加するための複数の電極と、を有し、前記複数の制御電極間の電圧を調整して印加することを特徴とする画像形成装置の駆動方法。
【請求項21】 静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置の駆動方法であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、前記出口スリット部の断面長方向にバイアスを印加するための複数の電極と、を有し、前記複数の制御電極間で前記微細ミストが前記インク霧化部側へ引き戻される方向のバイアスとなる電圧を印加せしめることを特徴とする画像形成装置の駆動方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置及びその駆動方法に関するものであり、特に、電子写真、静電記録、イオンフロー法などにより感光体、絶縁体又は強誘電体などの静電潜像担時体に形成される静電潜像を、液体インクを用いこれを微細化することにより、非接触で現像し可視像とするための画像形成装置及びその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスや家庭で使用される複写機、プリンタなどに採用されている電子写真方式や静電記録方式による現像手段としては、現像剤として着色顔料を粒子中に含有させたトナーを用いる乾式現像方法が主流である。この理由として、乾式現像方法は、従来古くは用いられていた湿式現像方法に比べて、現像剤の扱い及び現像装置の小型化に有利であったことや、更には、トナーを担持し搬送する現像スリーブへのトナーの保持を磁力や、静電気力、又はファンデルワールス力を利用して調整することができ、カブリなどの画像性の向上に対して制御がし易いなどといった利点があったからである。
【0003】一方、最近、特に解像度を高め、より画質を向上させるためにはトナーの粒径を更に細かく、例えば直径5μm以下とする必要性が生じてきた。しかしながら、このようにすることによって、画像性を向上することはできるが、トナー飛散の問題が生じ、トナーの画像形成装置本体内部のみならず装置外への飛散を抑制することは技術的に困難であり、装置コストを引上げることが考えられる。
【0004】そこで、このような観点から、液体インクを微細化し、これを帯電させ、静電潜像を現像する試みが幾つか検討されている。これらの方式は、記録材としての例えば紙への直接記録を行なう従来のインクジェット法に対して、高精細な静電潜像を利用する点で高画質化が達成される。又、このような方式は、信号供与のための大掛りな微細加工が不要で、広い画像形成幅の現像装置を容易に形成できる点で高速記録化にとって有利である。
【0005】このような方式の例としては、例えば、特開昭58−215671号公報、特開平3−125171号公報、特開平5−333703号公報、特開平6−95514号公報、更には、電子写真16巻2号(昭和52年)p21−p26などに記載のミスト現像法が挙げられる。更には、特開昭62−5283号公報に記載のスリットからのインクを液滴状態で潜像に飛翔させる方法、或は、特開平6−295131号公報に記載のように、ローラ上にインクを液滴状態で保持させ、これを潜像面に飛翔させる非接触インク現像方法などが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の諸方法の欠点としては、例えば上記特開昭58−215671号公報などに記載のミスト現像法について言えば、ミスト放出の開口部が広く、インクミスト発生から潜像面に至るまでにミストが不要に飛散してしまう可能性が高い構成になっており、又、インクミストの飛散を抑制するためにグリッド電極などを設ける必要があったり、更には、ミストを搬送或は回収するために装置構成が複雑化し、且つ大型化してしまうという問題を有している。又、上記特開平6−95514号公報の図面に記載されるように、単にミスト放出の開口部を狭めることによっては、ミストの均一性や、高濃度化及び放出の制御が同時に達成されない、といった難点がある。
【0007】又、上記特開昭62−5283号公報などに記載のインクを液滴状態で飛翔させる方式のものは、液滴をスリット又はローラから剥離、飛翔させるためには、大きなエネルギを必要とし、このため、潜像面とインクの飛翔位置との距離を例えば200μm程度にまで狭める必要がある。そのために、インクを介して放電ショートが生じたり、又は、剥離、飛翔の過程で液滴同士が再結合して真に細かい液滴のみを飛翔させることが困難であるなどの問題を有している。
【0008】従って、本発明の目的は、簡易な且つ超小型の構成にて、均一なインクの搬送、帯電、制御を行ない、インクを微細化してインクミストを形成し、このインクミストを静電潜像面にのみ確実に、且つ安定して飛翔、付着させ、鮮明な現像を実現し、高精細な、高品質の画像を得ることのできる画像形成装置及びその駆動方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明の第1の態様によれば、静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、を有し、前記出口スリット部は、前記静電潜像の画像域幅方向においてはその断面の空間ギャップより大きいスリット長を有し、且つ断面の断面長がその空間ギャップより大きいスリットノズル状の形状を含むように構成したことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0010】上記本発明にて、好ましくは、液体インクを保持するインク保持部よりインクを搬送するインク搬送スリット部が設けられ、また、このインク搬送スリット部は、その断面の断面長がその空間ギャップより大きい形状を含むように構成される。又、出口スリット部には制御電極を設けることができる。
【0011】更には、上記インク搬送スリット部に上記インクを帯電せしめる帯電手段が設けられるか、又は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部に前記インクを帯電する帯電手段を設けたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0012】又、好ましくは、前記出口スリット部は、該出口スリット部の断面長方向にバイアスを印加するための複数の電極を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0013】本発明の第2の態様によれば、静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、を有し、前記出口スリット部は、該出口スリット部の断面長方向にバイアスを印加するための複数の電極を備え、該複数電極間に含液性部材を設けたことを特徴とする画像形成装置が提供される。好ましくは、前記含液性部材は、前記複数の電極間より前記インク霧化部へと連結する空孔内に設けられる。
【0014】更に好ましくは、液体インク保持部よりインクを搬送するインク搬送スリット部を設けたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0015】本発明の第3の態様によれば、静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、を有し、前記出口スリット部は、その断面の断面長がその空間ギャップより大きく、かつ前記静電潜像の画像域幅方向においては前記断面の断面長より大きいスリット長を有するスリットノズル状の形状部分を含むように複数のスリットギャップ保持部材で保持されていることを特徴とする画像形成装置が提供される。好ましくは、前記スリットノズル状の形状部分に制御電極が設けられる。好ましくは、更に、液体インクを保持するインク保持部より液体インクを搬送するインク搬送スリット部を有し、前記インク搬送スリット部は、その断面の断面長がその空間ギャップより大きく、かつ前記静電潜像の画像域幅方向においては前記断面の断面長より大きいスリット長を有するスリットノズル状の形状部分を含むように複数のスリットギャップ保持部材で保持されている。更に、好ましくは、前記複数のスリットギャップ保持部材は、一体成型される。
【0016】本発明の第4の態様によれば、静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置の駆動方法であって、前記現像装置は、液体インクを保持するインク保持部と、前記液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、前記液体インクを帯電せしめる帯電手段と、前記液体インクを微細ミスト状に霧化する霧化手段と、を有し、前記帯電手段の動作を開始せしめた後に、前記インク霧化手段の動作を開始せしめることを特徴とする画像形成装置の駆動方法が提供される。好ましくは、更に、前記微細ミスト状インクを制御する制御電極を設け、前記帯電手段の動作を開始せしめ、これと前後して、前記制御電極に電圧を印加して後、前記インク霧化手段の動作を開始せしめる。
【0017】本発明の第5の態様によれば、静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置の駆動方法であって、前記現像装置は、液体インクを保持するインク保持部と、前記液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、前記液体インクを帯電せしめる帯電手段と、前記液体インクを微細ミスト状に霧化する霧化手段と、前記微細ミスト状のインクを制御する制御手段と、を有し、前記インク霧化手段の動作を終了した後、前記帯電手段と前記制御電極との間で画像形成時とは逆のバイアスとなる電圧を印加せしめることを特徴とする画像形成装置の駆動方法が提供される。
【0018】更に好ましくは、前記インク霧化手段の動作を終了して後、前記帯電手段の動作を終了せしめた以後に、前記制御電極への制御電圧の印加を終了する。
【0019】本発明の第6の態様によれば、静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置の駆動方法であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、前記出口スリット部の断面長方向にバイアスを印加するための複数の電極と、を有し、前記複数の制御電極間の電圧を調整して印加することを特徴とする画像形成装置の駆動方法が提供される。
【0020】更に、本発明の第7の態様によれば、静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置の駆動方法であって、前記現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、前記出口スリット部の断面長方向にバイアスを印加するための複数の電極と、を有し、前記複数の制御電極間で前記微細ミストが前記インク霧化部側へ引き戻される方向のバイアスとなる電圧を印加せしめることを特徴とする画像形成装置の駆動方法が提供される。
【0021】上記各本発明の画像形成装置の一実施態様によれば、一つの静電潜像担持体を有し、その回りにそれぞれ異なる色の液体インクを使用する複数の現像装置を固定配置した構成とすることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0023】実施例1図26に、本発明の画像形成装置の一実施例の全体概略構成を示す。本実施例の画像形成装置では、静電潜像担持体としての例えばドラム状の電子写真感光体30が設けられ、矢印方向に回転自在とされる。感光体ドラム30は、静電潜像記録手段によって、つまり、本実施例では、先ず、帯電手段としての帯電ローラ32により一様に帯電され、次いで、レーザ或はLEDアレイなどの露光手段35、又は原稿の反射光により画像露光され、それによって、感光体ドラム30上に静電潜像が形成される。
【0024】この感光体ドラム30上の潜像は、本発明の特徴をなす現像装置1からのインクミストにて現像され、可視像となる。現像装置1については、後で更に詳しく説明する。図26には、現像装置1にインクホッパー31が接続された態様を例示する。
【0025】感光体ドラム30上の可視像は、次いで、転写ローラ34などが配置された転写手段により、紙などの記録材Pに転写される。感光体ドラム30上の転写残りインクはクリーナ33により払拭され、その後、感光体ドラム30は次の画像形成に供される。
【0026】本発明によれば、静電潜像担持体30としては、上述の電子写真感光体のように、例えばアルミニウムなどの導電基板上に、セレン、アモルファスシリコン、有機感光体などの感光性材料の静電荷保持体を設けた構成とすることもできるが、更には、静電荷保持体としては、ポリエチレンテレフタレート、酸化タンタルなどの絶縁性材料、或はポリフッ化ビニリデンなどの強誘電体若しくは焦電体材料などを使用することも可能である。従って、静電潜像記録手段としては、一様帯電された感光体に対する上述の光情報書き込みによるほか、絶縁体、強誘電体などに対する静電スタイラス、イオンフローヘッドによる静電記録、又は、サーマルヘッドなどによる熱書き込みなどの公知の方法により静電潜像を形成することができる。
【0027】次に、図1(a)、(b)及び図2を参照して現像装置1について説明する。本実施例にて現像装置1は、インク保持部7、インク搬送スリット部12、インク霧化部13、出口スリット部14を有する。現像装置の出口スリット部14は、静電潜像担持体30に対向して配置される。静電潜像担持体30は、上述のように、導電基板21上に静電荷保持体20が形成されたものであり、種々の方法にて静電潜像が形成される。図1には、静電潜像担持体30にはマイナスの表面電荷が形成されているが、静電潜像の極性は使用する静電荷保持体20の特性に応じて選択し得る。
【0028】現像装置1のインク保持部7は、例えば樹脂製のインク保持部材6にて形成されており、上方に開口し、インクホッパー31が接続可能とされたインク溜め部6Aと、この溜め部6Aに連通して本実施例では水平方向に開口した開口部6Bとを備えている。インク保持部7で保持されるインクとしては水、アルコール系インク、或は油性インクなどを用いることができ、体積抵抗値としては、104〜1013Ω・cm程度のものが好ましく用いられる。
【0029】インク保持部材6の前記開口部6Bには、インク搬送スリット部12を形成するガラス又は樹脂製のスリット形成部材5の一端が接続される。スリット形成部材5の他端は、後述のインク霧化部13に連通される。本実施例では、スリット形成部材5の内部には、帯電手段としての注入帯電電極8が対向して配置され、インク搬送スリット部12を通過するインクを所定極性に帯電させる。
【0030】図2にて、インク搬送スリット部12の断面空間ギャップD1は、インクの浸透圧が適度に作用するサイズが適当であり、10μm〜5mm、好ましくは30μm〜1mmである。又、スリット形成部材5のインク搬送部の断面長L1は、適度な浸透圧によりインクが保持され且つ十分な量のインクを搬送するために0.5mm〜50mm、好ましくは1mm〜20mmであり、上記空間ギャップD1より大きくするのが好ましい。更に、図1(b)をも参照すると理解されるように、搬送スリットは、画像域幅方向(図1(a)の図面の紙面垂直方向)に上記空間ギャップD1より大きな、例えば300mm程度といったスリット長を有することで、この方向にも適度な浸透圧が作用し、均一なインクの搬送が行なわれる。本実施例では、特にこのような狭いスリットノズルを搬送路とし、且つここに前記帯電電極8を設け、インクの帯電を行なうようにしたためにより均一な帯電を得ることができる。
【0031】又、電極8としては、金、白金、アルミニウムなどの金属、又は酸化インジウム/錫などの金属酸化物の、厚さ50nm〜500nm程度の蒸着膜或はスパッタ膜が好ましく用いられるが、金属薄板などを貼り付けたものでもよい。電極の断面長L5は、インクを十分帯電し得るように大きい方がよいが、L5としては0.1mm〜20mmの範囲で、画像域幅(図面の紙面垂直方向)に対応した長さを有する膜として形成することができる。
【0032】前記インク搬送スリット部12に連通するインク霧化部13は、本実施例では、前記スリット形成部材5に接続された、上方に位置した霧化部形成部材2及びこの霧化部形成部材2の下方に対向して位置した霧化手段取付け部材4とで構成される。霧化手段取付け部材4に取付けられる霧化手段としては、本実施例では、超音波振動子3が使用される。超音波振動子3は、インク搬送スリット部12及び電極8を通ってインク霧化部13へと移動してきたインクを霧化する機能をなす。又、超音波振動子3にてインクを有効に霧化するためには、霧化部形成部材2と霧化手段取付け部材4にて構成されるインク霧化部13の空間ギャップD2は、大きい方が好ましく、本実施例では、超音波振動子3上に保持されたインクの液面から0.5mm程度以上確保することが望ましい。但し、装置の小型化、又、装置製作の容易さの点から空間ギャップD2としては、好ましくは1mm〜30mm程度である。
【0033】一方、超音波振動子3の断面長L6としては、1mm〜20mm程度とされ、画像域幅(図面の紙面垂直方向)に延在した長尺の、例えばチタン酸バリウムなどの圧電材料3Aの上下に電極3Bを有する構造のものとすることができる。又、画像域幅方向においては、振動時に有効に振幅の定在波ができるように長さを決め、必要に応じて、複数の振動子で画像域幅をカバーするようにする。更に、超音波振動子3を有効に作用せしめるためにインク霧化部、即ち、ミスト発生部13の断面長L2としては、超音波振動子3の断面長L6より大きい方が望ましく、2mm〜30mmで形成しうる。
【0034】尚、前記霧化手段取付け部材4としては、少なくとも超音波振動子3に接触する部分にはゴム材など軟質の部材を用いるのが有効な振動を得る上で望ましい。又、超音波振動子3とインクとの間には、ショートを防止するための保護絶縁膜15を設けることが好ましい。
【0035】前記インク霧化部13に隣接して、インク霧化部13にて発生したインクミストを静電潜像担持体30の潜像面へと放出するミスト放出口14Aを有する出口スリット部14が形成される。
【0036】本実施例にて、出口スリット部14は、対向して配置された出口スリット構成部材9にて形成され、前記霧化部形成部材2と霧化手段取付け部材4に取付けられる。この出口スリット構成部材9は、ガラス又は樹脂で作製することができる。出口スリット部14は、インク霧化部13からのインクミストを一時保持すると共に、静電潜像担持体30に形成された静電潜像に応じたミスト放出口14Aからのインクミスト放出を制御する重要な機能をもたらす。出口スリット部14として好ましい形態を次に示す。
【0037】先ず、インクミストの濃度を高めることで潜像への現像性を高め、又は容易に放出口14Aよりインクミストが漏れないようにするために、スリット断面長L3を空間ギャップD3より大きくし(L3≧D3)、所謂スリットノズル状に形成する。具体的には、空間ギャップD3の好ましい範囲として、50μm〜20mm、更に好ましくは100μm〜10mmとされ、断面長L3は、好ましくは300μm〜30mm程度とされる。このように、ノズル状とすることで、出口スリット部14内にインクミストが高密度に浮遊したまま、放出口14Aよりの漏れを抑制することができる。
【0038】本発明によれば、前記出口スリットは、画像域幅方向(図1(a)の図面の紙面垂直方向)に上記空間ギャップD3より大きなスリット長を有することで、どのような潜像に対してもこの出口スリット内で、この方向においてはインクミストが適度に拡散し、画像形成が良好に行なわれる。本実施例では、特にこのようなスリットノズルをミストの保持拡散部としたためにより均一な画像形成を得ることができる。
【0039】更に好ましくは、図1及び図2に図示するように、出口スリット部14に、本実施例では、対向配置された出口スリット構成部材9の内側にそれぞれ制御電極10を設けることができる。この場合の上記空間ギャップD3は両電極10間の距離である。この構成により、出口スリット部14におけるインクミストの制御性を高めることができる。制御電極10としては、上記した注入帯電電極8と同様の材質を使用し、同様の方法にて形成することができる。また、電極10の断面長L7としては、出口スリット部14の断面長L3を超えない程度で、なるべくインク放出口14Aに近い位置に上記注入帯電電極8と同様、画像域幅に対応して配置する。
【0040】又、本実施例では、この制御電極10は、撥水性表面(低表面張力の表面)を有する絶縁層11で被覆した。絶縁層11としては、例えば、五酸化タンタルなどをスパッタ膜として成膜し、これを更に撥水性材料、例えば旭硝子社製のサイトップなどのようなフッ素樹脂などで被覆することなどで得られる。この場合の上記空間ギャップD3は、図2に示すように、両絶縁層11間の距離である。
【0041】又、制御電極10による出口スリット部14内でのインクミストに対する電気的制御性を十分作用させ、且つ放出口14Aと対峙する静電潜像に応じた十分な現像のコントラストを得るために、更に好ましい構成として、インク放出口14Aと潜像担持体30との断面距離L4が出口スリット部14の空間ギャップD3程度の大きさとなるように構成し、より好ましくは、静電潜像のコントラストを有効に生かすために上記断面距離L4がギャップD3の半分程度以下となるようにする。現状の技術をもってすれば、例えばL4を50μm程度に安定に保つことは可能であるが、通常100μm〜2mm程度で設定した方が楽であるので、出口スリット部14の空間ギャップD3としては、200μm〜5mm程度で形成するのが好ましい。
【0042】本実施例では、更に、このようなスリットノズルとしての狭い空間に電極を設け、ミストを保持拡散させると共に、良好な電気的制御を行なうことができる。
【0043】以上、本発明の特徴をなす現像装置について説明したが、上記構成にてインク保持部7、インク搬送スリット部12、インク霧化部13、出口スリット部14を構成する各形成部材6、5、2(4)、9は、それぞれ別部材として形成した後接合して一体とすることもできるが、例えば、各部材を樹脂などで一体モールド成形するか、或は部分的に一括成形し、後で一体化する構成としても良い。
【0044】実施例2次に、図3及び図4を参照して、実施例1にて説明した図1及び図2に示す構成の現像装置1及び図26に示す画像形成装置を使用して実際に画像形成を行なった場合について説明する。但し、現像装置1の各部における空間ギャップ及び断面長は、次のようにした。
空間ギャップ D1:200μm、D2:20mm、D3:3mm断面長 L1:15mm、L2:10mm、L3:10mm L5:8mm、L6:5mm、L7:8mm現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm【0045】現像装置1にて使用するインクとしては、上述したように、水、アルコール系インク、或は油性インクなどを用いることができ、体積抵抗値としては、104〜1013Ω・cm程度のものが好ましく用いられるが、本実施例では、一例として水、アルコール系混合溶媒に着色顔料を3%〜5%含有し、粘度が約2cP、体積抵抗測定値が約107 Ω・cmのものを用いた。
【0046】図3にて、インクをミスト化する超音波振動子3は、両電極間に周波数1.7MHzの正弦波の電圧(Vm)を印加して駆動した。
【0047】本実施例では、静電潜像担持体30として有機感光体を使用し、静電潜像担持体30にマイナスの電荷による静電潜像を形成し、この潜像を現像装置1にて現像した。この時、現像装置1に対する電圧印加条件を以下に示すように種々に変化させた。
【0048】実験例(1):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−50V、注入帯電電極8への印加電圧(Vi)=+800V、制御電極10への印加電圧(Vc)=+100V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+200V、とした場合、図4(a)、(b)に示すように画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現像された。
【0049】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、注入帯電電極8への印加電圧(Vi)=−800V、制御電極10への印加電圧(Vc)=−50V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+600V、とした場合、上記実験例(1)と異なり、即ち、図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂反転現像が鮮明に行なわれた。
【0050】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)と同じく、静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、注入帯電電極8への印加電圧(Vi)=−800V、制御電極10への印加電圧(Vc)=−50Vとし、ただ、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)としては、直流オフセット300Vで、3KHzの300Vppの矩形電流を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0051】又、上記実験例1、2、3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。
【0052】実施例3図5及び図6に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施例を示す。本実施例の現像装置1は、図1〜図3を参照して説明した実施例1の現像装置と同様の構成であり、ただインク搬送スリット部12において電極8を設けていないこと、及びインク霧化部13の構成において異なるのみである。従って、インク霧化部(本実施例ではインク霧化帯電部)13の構成について説明し、その他の同じ構成及び機能をなす部材には、先の実施例と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0053】本実施例によると、前記したインク霧化部13において霧化部形成部材2には、霧化したインクミストを帯電するための帯電手段8aが設けられる。帯電手段8aは、本実施例では、放電電極であり、基板8c上に金、白金、タングステン、アルミニウムなどの金属又は酸化インジウム/錫などの金属酸化物の、厚さ50nm〜1μm程度の蒸着膜又はスパッタ膜を成膜して形成することができる。又、厚い金属薄板を張り付けものでも良い。更には、基板8c上にワイヤを張り付けるか、或は、画像域幅に亙り基板8cと非接触にて張設しても良い。
【0054】インク帯電霧化部13には、電極8aの対向電極として電極8bが電極8aに隣接して配置される。通常、この対向電極8bは接地して用いられるが、インクミストの微妙な制御のためにバイアス電圧を印加して用いても良い。この対向電極8bは、基本的には電極8aと同様の材質で作製することができ、基板8c上に、または霧化部形成部材2上に固定化する。
【0055】本実施例では、電極8aと8bとの間で放電が行われ、インクミストの帯電が行われる。放電部の断面長L5としては、インクを十分帯電しうるように断面長L2より大きい方が良いが、良好な放電が行われる小型の帯電部としてはL5として5mm〜30mmの範囲で画像域幅(図面の紙面垂直方向)に対応した長さで設ける。
【0056】尚、図5及び図6では放電電極8aは1箇所設けられているが、放電電極8a及び対向電極8bを複数、基板8c上に配置するようにしても良い。
【0057】インク霧化帯電部13に隣接してインクミストを静電潜像面に放出する放出口14Aを有する出口スリット部14が配置される。この出口スリット部14の構成は、先に説明した実施例1の現像装置と同様であり、詳しい説明は省略する。
【0058】本実施例における現像装置1の各部における空間ギャップD1〜D3及び断面長L1〜L7は、先に説明した実施例1、2の現像装置と同様に構成することができる。
【0059】本実施例においても、先の実施例2で説明したと同様に、図26に示す画像形成装置を使用して実際に画像形成を行なった。現像装置1の各部における空間ギャップ及び断面長は、次のようにした。
空間ギャップ D1:200μm、D2:25mm、D3:3mm断面長 L1:15mm、L2:10mm、L3:10mm L5:12mm、L6:5mm、L7:5mm現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm【0060】現像装置1にて使用するインクとしては、先の実施例と同様に、水、アルコール系インク、或は油性インクなどを用いることができる。
【0061】図5にて、インクをミスト化する超音波振動子3は、両電極間に周波数1.7MHzの正弦波の電圧(Vm)を印加して駆動した。
【0062】本実施例では、静電潜像担持体30として有機感光体を使用し、静電潜像担持体30にマイナスの電荷による静電潜像を形成し、この潜像を現像装置1にて現像した。この時、現像装置に対する電圧印加条件を以下に示すように種々に変化させた。
【0063】実験例(1):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−50V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=+3KV、放電対向電極8bは接地、制御電極10への印加電圧(Vc)=+100V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+200V、とした場合、図4(a)、(b)に示すように画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現像された。
【0064】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=−3KV、放電対向電極8bは接地、制御電極10への印加電圧(Vc)=−50V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+600V、とした場合、上記実験例(1)と異なり、即ち、図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂反転現像が鮮明に行なわれた。
【0065】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)と同じく、静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=−3KV、放電対向電極8bは接地、制御電極10への印加電圧(Vc)=−50Vとし、ただ、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)としては、直流オフセット300Vで、3KHzの300Vppの矩形電流を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0066】又、本実施例における上記実験例1、2、3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。
【0067】実施例4図7及び図8に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施例を示す。本実施例の現像装置1は、図5及び図6を参照して説明した実施例3の現像装置と同様の構成であり、ただインク霧化帯電部13の構成において異なるのみである。従って、主としてインク霧化帯電部13の構成について説明し、その他の同じ構成及び機能をなす部材には、先の実施例と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0068】本実施例によると、インクミストを発生するインク霧化帯電部13は、先の実施例5と同様に、上方に位置した霧化部形成部材2、及びこの霧化部形成部材2の下方に対向して位置した霧化手段取付け部材4にて構成されるが、霧化手段取付け部材4に取付けられる霧化手段としての超音波振動子3は使用せず、代わりに、霧化手段取付け部材4にはインクに接するように構成された放電電極8aが、また、霧化部形成部材2には対向電極8bが配置される。
【0069】この構成により、インクを有効に霧化するためには、インク霧化帯電部13の空間ギャップD2として、インク液面から0.5mm程度以上確保することが望ましい。又、装置を小型化し、又は装置の製作を容易にする上で、D2としては好ましくは1mm〜30mm程度とされる。
【0070】又、放電手段8a、即ち、放電電極は、霧化手段取付け部材4に配置された基板8c上に金、白金、タングステン、アルミニウムなどの金属又は酸化インジウム/錫などの金属酸化物の、厚さ50nm〜10μm程度の蒸着膜又はスパッタ膜を成膜して形成することができる。又、厚い金属薄板を張り付けものでも良い。又、基板8c上に直径50μm程度のワイヤを張り付けるか、或は、画像域幅(図面の紙面垂直方向)に亙り基板8cと非接触にて張設しても良い。更には、画像域幅方向に鋸歯状にギザギザを付けた形状のものを使用することも、良好な放電霧化を行なう上からは好ましい。
【0071】又、インク帯電霧化部13に設けられる、電極8aの対向電極としての電極8bは、通常接地して用いられるが、インクミストの微妙な制御のためにバイアス電圧を印加して用いても良い。この対向電極8bは、基本的には電極8aと同様の材質で作製することができ、霧化部形成部材2上に固定化する。
【0072】本実施例では、電極8aと8bとの間で放電が行われ、インクミストの放電霧化が行われると同時に、インクミストの帯電が行なわれる。インク帯電霧化部13の断面長L2は、良好な放電が行われる小型の帯電部としては、好ましくは5mm〜30mmの範囲で画像域幅(図面の紙面垂直方向)に対応した長さで形成しうる。
【0073】本実施例における現像装置の各部における空間ギャップD1〜D3及び断面長L1〜L7は、先に説明した実施例1〜3の現像装置と同様に構成することができる。
【0074】本実施例においても、先の実施例で説明したと同様に、図26に示す画像形成装置を使用して実際に画像形成を行なった。現像装置1の各部における空間ギャップ及び断面長は、次のようにした。
空間ギャップ D1:200μm、D2:15mm、D3:3mm断面長 L1:15mm、L2:15mm、L3:10mm L7:5mm現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm【0075】現像装置1にて使用するインクとしては、先の実施例と同様に、水、アルコール系インク、或は油性インクなどを用いることができる。
【0076】本実施例においても、静電潜像担持体30として有機感光体を使用し、静電潜像担持体30にマイナスの電荷による静電潜像を形成し、この潜像を現像装置1にて現像した。この時、現像装置に対する電圧印加条件を以下に示すように種々に変化させた。
【0077】実験例(1):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−50V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=+10KV、放電対向電極8bは接地、制御電極10への印加電圧(Vc)=+100V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+200V、とした場合、図4(a)、(b)に示すように画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現像された。
【0078】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=−8KV、放電対向電極8bは接地、制御電極10への印加電圧(Vc)=−50V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+600V、とした場合、上記実験例(1)と異なり、即ち、図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂反転現像が鮮明に行なわれた。
【0079】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)と同じく、静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=−8KV、放電対向電極8bは接地、制御電極10への印加電圧(Vc)=−50Vとし、ただ、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)としては、直流オフセット300Vで、3KHzの300Vppの矩形電流を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0080】又、本実施例における上記実験例1、2、3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。
【0081】実施例5上記実施例1〜4に記載の現像装置は、従来のミスト現像装置に比較して非常に小型のものとして構成した場合においては、帯電電極8、8a、8c若しくは制御電極10、又はインクミスト発生手段の駆動を工夫することにより、インクの保持、搬送、帯電、又は、インクミストの保持や放出口からの不要な漏れの抑制を、更に良好に達成することができる。
【0082】即ち、本実施例によると、インク搬送部のスリット化(インク搬送スリット部12)、インク霧化部13の極小化、ミスト出口部のスリット化(出口スリット部14)を行うことにより、インクの良好なハンドリングが可能となり、更には、以下に説明するタイミングで駆動することにより、インクの帯電や、インクミストの制御がより完全なものとなる。
【0083】次に、実施例1にて説明した図1〜図3に示す構成の現像装置1を図26に示す画像形成装置に適用し、本実施例に従って図9に示す態様で画像形成装置を駆動することにより、実際に画像形成を行なった場合について、図3、図4及び図9を参照して説明する。
【0084】本実施例では、先の実施例と同様のインク、感光体を用いうる。
【0085】実験例(1):静電潜像担持体30上に、画像部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−100Vとなるように静電潜像を形成する。
【0086】現像装置は、図9に示す駆動順序に従って駆動する。
【0087】つまり、先ず、インク帯電手段としての注入帯電電極8への電圧印加(Vi=+800V)を開始する。これにより、インクミスト発生部13内部のインクへ注入帯電が行われ、この後ミスト化されるべきインクはもれなく帯電される。
【0088】上記帯電電極8への電圧印加と前後したタイミングで、制御電極10への電圧印加(Vc=+100V)、及び、潜像担持体基板21へのバイアス電圧印加(Vb=+250V)を開始する。これにより、この後ミスト化されるべきインクに対して、ミストの出口スリット部14よりの不用意な漏洩を予め防止する。
【0089】この後、インクをミスト化する超音波振動子3に周波数1.7MHzの正弦波の電圧(Vm)を印加し、インクのミスト化を開始する。
【0090】上記画像形成装置の駆動により、図4に示すように、画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現像され、インクミストの漏洩は観察されない。
【0091】次に、画像形成終了時は、先ず、超音波振動子3への電圧印加を中止し、この後に帯電電極8への電圧印加を中止する。これにより、このとき既に霧化しているミストはすべて確実に帯電している状態であり、且つ、制御電極10と帯電電極8に画像形成時とは逆のバイアスとなる電圧が印加され、この作用によりミストは出口スリット部14からミスト発生部13側に戻され、外への漏洩を確実に防止することができる。この作用を更に有効にするために、前記、超音波振動子3への電圧印加終了後に、制御電極10若しくは帯電電極8に上記逆バイアスとなる新たな電圧を印加するステップを設けることもできる。
【0092】この後、ミストがほぼ消滅して後、制御電極10への制御電圧、及び潜像担持体30へのバイアス電圧印加を中止することで、良好にインクを制御することができる。
【0093】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−100V、非画像部の帯電電位=−700V、注入帯電電極8への印加電圧(Vi)=−800V、制御電極10への印加電圧(Vc)=−100V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+550V、超音波振動子3への印加電圧(Vm)=周波数1.7MHzの正弦波の電圧、とした場合、上記実験例(1)及び図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂、反転現像が鮮明に行なわれた。
【0094】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)にて潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)のみを画像形成時に直流オフセット300Vで、3KHzの300Vppの矩形交流電圧に変更して印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0095】又、本実施例における上記実験例1〜3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。
【0096】実施例6本実施例では、実施例3にて説明した図5及び図6に示す構成の現像装置1を図26に示す画像形成装置に適用し、前の実施例5と同様に画像形成装置を駆動することにより、実際に画像形成を行なった場合について、図5、図6及び図9を参照して説明する。
【0097】本実施例でも先の実施例と同様のインク、感光体を使用しうる。
【0098】実験例(1):静電潜像担持体30上に、画像部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−100Vとなるように静電潜像を形成する。
【0099】現像装置は、図9に示す駆動順序に従って駆動する。
【0100】つまり、先ず、インク帯電手段としての注入帯電電極8aへの電圧印加(Vi=+3KV)(放電対向電極8bは接地)を開始する。これにより、この後ミスト化されるべきインクはもれなく帯電される。
【0101】引き続いて、上記帯電電極8aへの電圧印加と同時、或いはその後のタイミングで、制御電極10への電圧印加(Vc=+100V)、及び、潜像担持体基板21へのバイアス電圧印加(Vb=+250V)を開始する。これにより、この後ミスト化されるべきインクに対して、ミストの出口スリット部14よりの不用意な漏洩を予め防止する。
【0102】この後、インクをミスト化する超音波振動子3に周波数1.7MHzの正弦波の電圧(Vm)を印加し、インクのミスト化を開始する。
【0103】ここで、本実施例の現像装置に固有の作用、効果として、インクのミスト発生時においては、通常、ミストが帯電電極8a方向に吹き上がり、帯電電極周辺を汚染する可能性があるのに対し、本実施例の駆動法によれば、ミスト発生に先立ち、既に上記帯電電極8aによる放電が開始されており、この結果、ここで「放電風」が起きている。このため、帯電電極8a付近にミストが接近し難い作用をもたらし、結果的に、上記汚染を防止する効果を生じさせることになる。
【0104】上記画像形成装置の駆動により、図4に示すように、画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現像され、インクミストの漏洩は観察されない。
【0105】次に、画像形成後は、先ず、超音波振動子3への電圧印加を中止する。この時、既に霧化しているミストはすべて確実に帯電している状態であるとともに、「放電風」は依然発生しているため、この後、ミストがほぼ消滅して後、帯電電極8aへの電圧印加を中止することで、現像装置内の帯電手段の汚染も防止される。更にこの後、制御電極10への制御電圧、及び潜像担持体30へのバイアス電圧印加を中止することで、制御電極への電圧の作用により出口スリットからの漏洩もなく、完全にインクを制御することができる。
【0106】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−100V、非画像部の帯電電位=−700V、注入帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=−3KV、放電対向電極8bは接地、制御電極10への印加電圧(Vc)=−100V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+550V、超音波振動子3への印加電圧(Vm)=周波数1.7MHzの正弦波の電圧、とした場合、上記実験例(1)及び図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂、反転現像が鮮明に行なわれた。
【0107】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)にて潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)のみを画像形成時に直流オフセット300Vで、3KHzの300Vppの矩形交流電圧に変更して印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0108】又、本実施例における上記実験例1〜3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。
【0109】上記実施例5及び実施例6によれば、現像装置を超小型化したことで、取り回しが大掛かりになっていた粉体現像剤を用いず、高精彩な画像出力が可能な液体インクを容易に扱うことができ、又、現像剤による装置や環境の汚染を防止でき、種々の小型のカラープリンタを容易に実現し得る。
【0110】実施例7図10〜図12に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施例を示す。本実施例の現像装置1は、図1〜図3を参照して説明した実施例1の現像装置と同様の構成とされ、ただ出口スリット部14の構成において異なるのみである。従って、主として出口スリット部14の構成について説明し、その他の同じ構成及び機能をなす部材には、先の実施例と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0111】本実施例によると、インク霧化部13にて発生したインクミストを静電潜像担持体30の潜像面へと放出する出口スリット部14には、対向配置された出口スリット構成部材9の内側にそれぞれ、出口スリット部14の断面長方向に複数の、本実施例では2つの制御電極10a、10bが設けられ、出口スリット部14におけるインクミストの制御性を高める構成とされる。即ち、本実施例では、制御電極10a、10b間の電圧を調整することで、前記帯電手段(帯電電極)8で帯電され微細ミスト状に霧化されたインクに対して、スリット内の狭い空間で静電的な力を強く作用せしめることができ、良好なミストの制御が可能となる。
【0112】制御電極10a、10bとしては、実施例1などにて説明した注入帯電電極8と同様の材質を使用し、同様の方法にて形成することができる。また、電極10aは、なるべくインク霧化部13に近い位置に、又電極10bは、なるべくインク放出口14Aに近い位置に、上記注入帯電電極8と同様、図10の紙面に垂直な方向の画像域幅に対応して配置する。制御電極10a、10bの断面長L8としては、0.5〜5mm、一例として、1mm程度で形成可能である。
【0113】又、本実施例では、この制御電極10a、10bは、撥水性表面(低表面張力の表面)を有する絶縁層11で被覆した。絶縁層11としては、例えば、五酸化タンタルなどをスパッタ膜として成膜し、これを更に撥水性材料、例えば旭硝子社製のサイトップなどのようなフッ素樹脂などで被覆することなどで得られる。
【0114】本実施例の現像装置1によると、従来のミスト現像装置に比較し非常に小型のものとして構成した場合には、インクの保持、搬送、帯電又は、インクミストの保持や放出口からの不要な漏れの抑制を、上記帯電電極8、或いは制御電極10a、10b、又はインクミスト発生手段の駆動を工夫することにより、更に良好に作用させることができる。即ち、搬送スリット部12のスリット化、インク霧化部13の極小化、又はミスト出口部14のスリット化などの小型化の効果として、特にインクの良好なハンドリングが可能となる。更に、上記制御電極10a、10bに対して、図18を参照して以下に説明するようなタイミングで駆動することで、インクの帯電や、インクミストの制御が良好なものとなる。
【0115】本実施例における現像装置1の各部における空間ギャップD1〜D3及び断面長L1〜L7は、先に説明した実施例1〜3の現像装置と同様に構成することができる。
【0116】本実施例においても、先の実施例で説明したと同様に、図26に示す画像形成装置を使用して実際に画像形成を行なった。現像装置1の各部における空間ギャップ及び断面長は、次のようにした。
空間ギャップ D1:200μm、D2:20mm、D3:3mm断面長 L1:15mm、L2:10mm、L3:10mm L5:8mm、L6:5mm、L7:5mm、L8:1mm現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm【0117】実験例(1):静電潜像担持体30上に、画像部の帯電電位=−750V、非画像部の帯電電位=−100Vとなるように静電潜像を形成する。
【0118】現像装置は、図18に示す駆動順序に従って駆動する。
【0119】つまり、先ず、インク帯電手段としての注入帯電電極8への電圧印加(Vi=+800V)を開始する。これにより、インク搬送部12内のインクのみならず、インクミスト発生部13内部のインクへも良好な注入帯電が行われる。従って、この後ミスト化されるべきインクはもれなく帯電される。
【0120】上記帯電電極8への電圧印加と前後したタイミングで、制御電極10aへの電圧印加(Vc1=+50V)、制御電極10bへの電圧印加(Vc2=+120V)、また、潜像担持体基板21へのバイアス電圧印加(Vb=+250V)を開始する。これにより、この後ミスト化されるべき帯電されたインクに対して、出口スリット部14内で放出口14Aよりインク霧化部13方向へと引き戻す方向のバイアス(逆バイアス)となり、ミストの出口スリット部14よりの不用意な漏洩を予め防止する。
【0121】この後、インクをミスト化する超音波振動子3に周波数1.7MHzの正弦波の電圧(Vm)を印加し、インクのミスト化を開始する。
【0122】更に、この後の画像形成時においては今度は、制御電極10aへの電圧印加(Vc1=+120V)、制御電極10bへの電圧印加(Vc2=+50V)、また、潜像担持体基板21へのバイアス電圧印加(Vb=+250V)を開始する。このようにすることにより、制御電圧10a、10b間の出口スリット部14内に霧化したインクを蓄積する方向の電圧(順バイアス)となり、ミスト濃度を高めることになり、上記画像部に対してはミスト化されたインクが充分に飛翔する。一方、非画像部に対しては潜像担持体30との間で逆バイアスとなり、インクは飛翔しない。
【0123】上記画像形成装置の駆動により、図4に示すように、画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現像され、インクミストの漏洩は観察されない。
【0124】次に、画像形成終了時は、先ず、制御電極10a、10bに、再び上記インクミストをインク霧化部13側に引き戻す電圧(逆バイアス)を印加する。これと前後して超音波振動子3への電圧印加を中止し、この後に帯電電極8への電圧印加を中止する。これにより、このとき既に霧化しているミストはすべて確実に帯電している状態であり、且つ、制御電極10a、10b間に逆バイアスとなる電圧が印加され、この作用によりミストは出口スリット部14からミスト発生部13側に戻され、外への漏洩を確実に防止することができる。
【0125】この後、ミストがほぼ消滅して後、制御電極10a、10bへの制御電圧、及び潜像担持体へのバイアス電圧印加を中止することで、良好にインクを制御することができる。
【0126】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−100V、非画像部の帯電電位=−700V、注入帯電電極8への印加電圧(Vi)=−800V、制御電極10aへの印加電圧(Vc1)=0V(逆バイアス時)、−150V(順バイアス時)、制御電極10bへの印加電圧(Vc2)=−100V(逆バイアス時)、−100V(順バイアス時)、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+550V、超音波振動子3への印加電圧(Vm)=周波数1.7MHzの正弦波の電圧、とした場合、上記実験例(1)及び図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂、反転現像が鮮明に行なわれた。
【0127】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)の潜像担持体21への印加バイアス電圧(Vb)のみを画像形成時に直流オフセット−100Vで、3KHzの100Vppの矩形交流電圧に変更して印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0128】又、本実施例における上記実験例1〜3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。
【0129】実施例8図13及び図14に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施例を示す。本実施例は実施例3の現像装置の出口スリット電極を実施例7と同様にした。従って、詳しい説明は省略する。
【0130】本実施例における現像装置1の各部における空間ギャップD1〜D3及び断面長L1〜L7及びL8は、先に説明した各実施例の現像装置と同様に構成することができる。
【0131】本実施例においても、先の実施例7で説明したと同様に、図26に示す画像形成装置を使用して実際に画像形成を行なった。現像装置1の各部における空間ギャップ及び断面長は、次のようにした。
空間ギャップ D1:200μm、D2:25mm、D3:3mm断面長 L1:15mm、L2:10mm、L3:10mm L5:12mm、L6:5mm、L7:5mm、L8:1mm現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm【0132】実験例(1):静電潜像担持体30上に、画像部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−100Vとなるように静電潜像を形成する。
【0133】現像装置は、図18に示す駆動順序に従って駆動する。
【0134】つまり、先ず、帯電電極8aへの電圧印加(Vi=+3KV、放電対向電極8bは接地)を開始する。
【0135】これにより、この後ミスト化されるべきインクは漏れなく帯電される。
【0136】これ以降の画像形成における制御電極10a、10bへの電圧印加の大きさ及び作用は、上記実施例7の実験例(1)と同様であり、画像形成終了時に対しても同様に行われる。
【0137】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−100V、非画像部の帯電電位=−700V、注入帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=−3KV、放電対向電極8bは接地、制御電極10aへの印加電圧(Vc1)=0V(逆バイアス時)、−150V(順バイアス時)、制御電極10bへの印加電圧(Vc2)=−100V(逆バイアス時)、−100V(順バイアス時)、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+550V、超音波振動子3への印加電圧(Vm)=周波数1.7MHzの正弦波の電圧、とした場合、上記実験例(1)と異なり、即ち、図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂、反転現像が鮮明に行なわれた。
【0138】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)と同じであるが、ただ、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)としては、画像形成時に直流オフセット+300Vで、3KHzの300Vppの矩形交流を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0139】実施例9図15〜図17に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施例を示す。本実施例の現像装置1は、図10〜図12を参照して説明した実施例7の現像装置と同様の構成とされ、ただ出口スリット部14の構成において異なるのみである。従って、主として出口スリット部14の構成について説明し、その他の同じ構成及び機能をなす部材には、先の実施例と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0140】本実施例によると、インク霧化部13にて発生したインクミストを静電潜像担持体30の潜像面へと放出する出口スリット部14には、対向配置された出口スリット構成部材9の内側にそれぞれ、出口スリット部14の断面長方向に複数の、本実施例では2つの制御電極10a、10bが設けられ、出口スリット部14におけるインクミストの制御性を高める構成とされる。即ち、本実施例では、制御電極10a、10b間の電圧を調整することで、前記帯電手段(帯電電極)8で帯電され微細ミスト状に霧化されたインクに対して、スリット内の狭い空間で静電的な力を強く作用せしめることができ、良好なミストの制御が可能となる。
【0141】更に、本実施例においては、複数の上記制御電極10a、10b間の、特に下部側壁面に付着する水滴を効率よく吸収するために含液性部材90を配置して、この部分に水滴が溜まることを防止する構成とされる。
【0142】つまり、本実施例では、下部スリット構成部材9内に画像域幅方向(図15(a)の図面の紙面垂直方向)に空間(空孔)90Aが形成され、この空間90Aは、上記制御電極10a、10b間に開口する細長連通孔90Bにて出口スリット部14に連通し、又、細長連通孔90Cにてインク霧化部13に連通しており、又、この空間90A及び連通孔90B、90Cには含液性部材90が充填される。含液性部材90は、多孔性部材であって、例えば東洋ポリマー社製ルビーセル、INOAC社製モルトプレーンなどのウレタン材などのほか、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)、NBR、IR、その他の含液性多孔性材料を用いることができる。
【0143】このように、本実施例によると、含液性部材90を配置したことにより、第1には、上記複数の上記制御電極10a、10bに高濃度で浮遊するインクミストの制御性を高めることができる。即ち、この制御電極10a、10bに水滴ができると、ミストが水滴に吸着し加速度的に水滴が成長することで、ミストの濃度変動や、電気的な制御性が悪化する。含液性部材90は、水滴を吸収し、これらの問題の発生を防止する。更に、第2には、含液性部材90をインク霧化部13へと連結する構成としたことで、インク搬送スリット部12におけるインクの浸透圧と、含液性部材90における浸透圧との釣り合いにおいて、インク霧化部13におけるインクの液面調整にも良好な作用をなしインク液面を安定化する作用をなす。即ち、搬送スリット部12におけるインクの浸透圧と、含液性部材90の含水圧のバランスを有効に作用させることができる。本実施例によると、インク霧化部13におけるインクの深さを0.5〜10mm程度に好ましく規制することが可能となる。
【0144】本実施例においても又、付加的に好ましい構成として、インク保持部7を多孔性部材で埋めることによって更にインクの搬送制御性を高めることができる。
【0145】本実施例の現像装置1によると、インクの保持、搬送、帯電又は、インクミストの保持や放出口からの不要な漏れの抑制を、上記帯電電極8、或いは制御電極10a、10b、又はインクミスト発生手段の駆動を工夫することにより、更に良好に作用させることができる。即ち、搬送スリット部12のスリット化、インク霧化部13の極小化、又はミスト出口部14のスリット化などの小型化の効果として、特にインクの良好なハンドリングが可能となる。更に、上記制御電極10a、10bに対して、図18を参照して以下に説明するようなタイミングで駆動することで、インクの帯電や、インクミストの制御が良好なものとなる。
【0146】本実施例における現像装置1の各部における空間ギャップD1〜D3及び断面長L1〜L7は、先に説明した各実施例の現像装置と同様に構成することができ、実施例7と同様に構成する。
【0147】本実施例においても、先の実施例で説明したと同様に、図26に示す画像形成装置を使用して実際に画像形成を行なった。
【0148】実験例(1):静電潜像担持体30上に、画像部の帯電電位=−750V、非画像部の帯電電位=−100Vとなるように静電潜像を形成する。
【0149】現像装置は、図18に示す駆動順序に従って駆動する。
【0150】つまり、先ず、インク帯電手段としての注入帯電電極8への電圧印加(Vi=+800V)を開始する。これにより、インク搬送部12内のインクのみならず、インクミスト発生部13内部のインクへも良好な注入帯電が行われる。従って、この後ミスト化されるべきインクはもれなく帯電される。
【0151】上記帯電電極8への電圧印加と前後したタイミングで、制御電極10aへの電圧印加(Vc1=+50V)、制御電極10bへの電圧印加(Vc2=+120V)、また、潜像担持体基板21へのバイアス電圧印加(Vb=+250)を開始する。これにより、この後ミスト化されるべき帯電されたインクに対して、出口スリット部14内で放出口14Aよりインク霧化部13方向へと引き戻す方向のバイアス(逆バイアス)となり、ミストの出口スリット部14よりの不用意な漏洩を予め防止する。
【0152】この後、インクをミスト化する超音波振動子3に周波数1.7MHzの正弦波の電圧(Vm)を印加し、インクのミスト化を開始する。
【0153】更に、この後の画像形成時においては今度は、制御電極10aへの電圧印加(Vc1=+120V)、制御電極10bへの電圧印加(Vc2=+50V)、また、潜像担持体基板21へのバイアス電圧印加(Vb=+250)を開始する。このようにすることにより、制御電圧10a、10b間の出口スリット部14内に霧化したインクを蓄積する方向の電圧(順バイアス)となり、ミスト濃度を高めることになり、上記画像部に対してはミスト化されたインクが充分に飛翔する。一方、非画像部に対しては潜像担持体30との間で逆バイアスとなり、インクは飛翔しない。
【0154】上記画像形成装置の駆動により、図4に示すように、画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現像され、インクミストの漏洩は観察されない。
【0155】次に、画像形成終了時は、先ず、制御電極10a、10bに、再び上記インクミストをインク霧化部13側に引き戻す電圧(逆バイアス)を印加する。これと前後して超音波振動子3への電圧印加を中止し、この後に帯電電極8への電圧印加を中止する。これにより、このとき既に霧化しているミストはすべて確実に帯電している状態であり、且つ、制御電極10a、10b間に逆バイアスとなる電圧が印加され、この作用によりミストは出口スリット部14からミスト発生部13側に戻され、外への漏洩を確実に防止することができる。
【0156】この後、ミストがほぼ消滅して後、制御電極10a、10bへの制御電圧、及び潜像担持体へのバイアス電圧印加を中止することで、良好にインクを制御することができる。
【0157】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−100V、非画像部の帯電電位=−700V、注入帯電電極8への印加電圧(Vi)=−800V、制御電極10aへの印加電圧(Vc1)=0V(逆バイアス時)、−150V(順バイアス時)、制御電極10bへの印加電圧(Vc2)=−100V(逆バイアス時)、−100V(順バイアス時)、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+550V、超音波振動子3への印加電圧(Vm)=周波数1.7MHzの正弦波の電圧、とした場合、上記実験例(1)及び図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂、反転現像が鮮明に行なわれた。
【0158】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)の制御電極10aへの印加電圧(Vc1)のみを画像形成時に直流オフセット−100Vで、3KHzの100Vppの矩形交流電圧を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0159】又、本実施例における前実施例と同様の実験例1〜3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。更に、上記制御電極10a、10b間には上記駆動方法により常時ミストが高濃度に浮遊した状態であるにもかかわらず、本発明の含液性部材90の効果により、水滴が蓄積することなく、安定した画像形成が達成された。
【0160】実施例10図19及び図20に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施例を示す。本実施例の現像装置1は、図1〜図3を参照して説明した実施例1の現像装置と同様の構成とされ、ただインク搬送スリット部12及び出口スリット部14の構成において異なるのみである。従って、主としてインク搬送スリット部12及び出口スリット14の構成について説明し、その他の同じ構成及び機能をなす部材には、先の実施例と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0161】インク保持部材6の前記開口部6Bには、インク搬送スリット部12を形成するガラス又は樹脂製の上下のスリット形成部材5の一端が接続される。スリット形成部材5の他端は、後述のインク霧化帯電部13に連通される。本実施例によると、インク搬送スリット部12には、上下のスリット形成部材5間の空間ギャップを保持するためにスリットギャップ保持部材として、端部スペーサ51と、更に、注入帯電電極8の入り口側に位置して、前記端部スペーサ51間に配置された複数のスペーサ50とが設けられる。
【0162】上記端部スペーサ51及び複数のスペーサ50としては、図20に示すように、角柱又は円柱状の、例えば射出成型により作製されたガラス又は樹脂製の部材を画像域幅方向に整列して配置し、上下のスリット形成部材5にそれぞれ、熱硬化性の接着剤などで固定することもできる。又、上記空間ギャップD1を例えば数十μmに小さくする場合は、複数のスペーサ50としては、シリカビーズなどの球形のものを上記スリットノズル条件を満足するように、散布しても良い。
【0163】又、本実施例にて、出口スリット部14は、ガラス又は樹脂で作製され、対向して配置された出口スリット構成部材9と、この上下の出口スリット構成部材9間の空間ギャップD3を保持するための端部スペーサ54及び複数設けられたスペーサ53とにて形成され、出口スリット構成部材9は、前記霧化部形成部材2と霧化手段取付け部材4に取付けられる。出口スリット部14は、インク霧化部13からのインクミストを一時保持すると共に、静電潜像担持体30に形成された静電潜像に応じたミスト放出口14Aからのインクミスト放出を制御する重要な機能をもたらす。従って、本実施例にて、スリットギャップ保持部材としての上記複数のスペーサ53は、以下に述べる条件を満足するように設けられたものであり、出口スリット部14として好ましい形態を次に示す。
【0164】先ず、インクミストの濃度を高めることで潜像への現像性を高め、又は容易に放出口14Aよりインクミストが漏れないようにするために、スリット断面長L3を空間ギャップD3より大きくし(L3≧D3)、所謂スリットノズル状に形成する。具体的には、空間ギャップD3の好ましい範囲として、50μm〜20mm、更に好ましくは100μm〜10mmとされ、断面長L3は、好ましくは300μm〜30mm程度とされる。このように、ノズル状とすることで、出口スリット部14内にインクミストが高密度に浮遊したまま、放出口14Aよりの漏れを抑制することができる。
【0165】本発明によれば、前記出口スリットは、画像域幅方向(図19の図面の紙面垂直方向)に上記空間ギャップD3より大きなスリット長を有することで、どのような潜像に対してもこの出口スリット内で、この方向においてはインクミストが適度に拡散し、画像形成が良好に行なわれる。本実施例では、特にこのようなスリットノズルをミストの保持拡散部としたためにより均一な画像形成を得ることができる。以上のミストの保持拡散部は、特にミスト放出口側にその空間として構成することがより好ましい。
【0166】上記端部スペーサ54及び複数のスペーサ53としては、前記インク搬送スリット部12の形成要領と同様に、図20に示すように、角柱又は円柱状の、例えば射出成型により作製されたガラス又は樹脂製の部材を画像域幅方向に整列して配置し、上下の出口スリット構成部材9にそれぞれ、熱硬化性の接着剤などで固定することもできる。
【0167】更に好ましくは、図19及び図20に図示するように、出口スリット部14に、本実施例では、対向配置された出口スリット構成部材9の内側にそれぞれ制御電極10を設けることができる。この場合の上記空間ギャップD3は両電極10間の距離である。この構成により、出口スリット部14におけるインクミストの制御性を高めることができる。制御電極10としては、上記した注入帯電電極8と同様の材質を使用し、同様の方法にて形成することができる。また、制御電極10の断面長L7としては、出口スリット部14の断面長L3を超えない程度で、なるべくインク放出口14Aに近い位置に上記注入帯電電極8と同様、画像域幅に対応して配置する。
【0168】上記構成にてインク保持部7、インク搬送スリット部12、インク霧化部13、出口スリット部14を構成する各形成部材6、5、2(4)、9は、それぞれ別部材として形成した後接合して一体とすることもできるが、例えば、各部材を樹脂などで一体モールド成形するか、或は部分的に一括成形し、後で一体化する構成としても良い。
【0169】実施例11次に、図21及び図4を参照して、実施例10にて説明した図19及び図20に示す構成の現像装置1及び図26に示す画像形成装置を使用して実際に画像形成を行なった場合について説明する。但し、現像装置1の各部における空間ギャップ及び断面長は、次のようにした。
空間ギャップ D1:200μm、D2:20mm、D3:5mm断面長 L1:15mm、L2:10mm、L3:10mm L5:8mm、L6:5mm、L7:8mm現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:0.5mm【0170】実験例(1):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−50V、注入帯電電極8への印加電圧(Vi)=+800V、制御電極10への印加電圧(Vc)=+100V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+200V、とした場合、図4(a)、(b)に示すように画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現像された。
【0171】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、注入帯電電極8への印加電圧(Vi)=−800V、制御電極10への印加電圧(Vc)=−50V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+600V、とした場合、上記実験例(1)と異なり、即ち、図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂反転現像が鮮明に行なわれた。
【0172】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)と同様とし、ただ、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)としては、直流オフセット300Vで、3KHzの300Vppの矩形電流を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0173】又、上記実験例1、2、3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。
【0174】比較例1次に、実施例10及び実施例11に示す現像装置に対する比較構成例として、図22に示す現像装置を作製した。
【0175】つまり、この比較例1においても、図22に示すように、出口スリット部14に複数のスペーサ55を設けたが、各スペーサ55は、出口スリット構成部材9の断面長(L8)のほぼ全長さにわたって形成され、実施例10にて説明した条件を満足しないようにした。又、この各スペーサ55間の画像域幅方向の隙間長(G1)は、出口スリット構成部材9の断面長(L8)より狭い間隔とした。
【0176】この比較例1の構成の現像装置を用いて、実施例11の実験例(1)〜(3)と同様の条件にて画出しを行ったところ、特に連続した縦線において、部分的な現像抜けが生じ、画質が落ちた。
【0177】実施例12図23及び図25に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施例を示す。本実施例の現像装置1は、図13及び図14を参照して説明した実施例8の現像装置と同様の構成とされ、ただインク搬送スリット部12の構成において異なるのみである。従って、主としてインク搬送スリット部12の構成について説明し、その他の同じ構成及び機能をなす部材には、先の実施例と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0178】本実施例においてインク搬送スリット部12は、空間ギャップを保持するスペーサ50、51が一体に成型された樹脂製の上スリット形成部材5bと、この上スリット形成部材5bが熱硬化性の接着剤などで固定された下スリット形成部材、即ち下基板5aとにて形成される。スリット寸法などは、上記実施例10と同様である。又、本実施例では、このスリット部12に実施例1で説明したような注入帯電電極8は設けられていない。
【0179】本実施例によると、実施例3と同様に、霧化部形成部材2には、霧化したインクミストを帯電するための帯電手段8aが設けられる。
【0180】インク霧化帯電部13に隣接してインクミストを静電潜像面に放出する放出口14Aを有する出口スリット部14が配置される。この出口スリット部14の構成は、先に説明した実施例10の現像装置と同様に構成される。
【0181】本実施例にて、出口スリット部14は、空間ギャップD3を保持するスペーサを樹脂製の上出口スリット構成部材9bと一体に成型し、下出口スリット構成部材、即ち、下基板9aに熱硬化性接着剤で固定化することにより形成した。スリットの形成サイズとしては上記実施例10と同様にした。
【0182】更に、本実施例によると、実施例8と同様に、対向配置された出口スリット構成部材9a、9bの内側にそれぞれ、電極形成部材10c配置され、この電極形成部材10cに、出口スリット部14の断面長方向に複数の、本実施例では2つの制御電極10a、10bが設けられ、出口スリット部14におけるインクミストの制御性を高める構成とされる。即ち、本実施例では、制御電極10a、10b間の電圧を調整することで、前記帯電手段(帯電電極)8で帯電され微細ミスト状に霧化されたインクに対して、スリット内の狭い空間で静電的な力を強く作用せしめることができ、良好なミストの制御が可能となる。
【0183】制御電極10a、10bとしては、実施例1などにて説明した注入帯電電極8と同様の材質を使用し、同様の方法にて形成することができる。また、電極10aは、なるべくインク霧化部13に近い位置に、又電極10bは、なるべくインク放出口14Aに近い位置に、上記注入帯電電極8と同様、図10の紙面に垂直な方向の画像域幅に対応して配置する。制御電極10a、10bの断面長L8としては、前記と同様0.5〜5mmとされ、一例として1mmで形成しうる。
【0184】本実施例においても、先の実施例で説明したと同様に、図26に示す画像形成装置を使用して実際に画像形成を行なった。現像装置1の各部における空間ギャップ及び断面長は、次のようにした。
空間ギャップ D1:200μm、D2:25mm、D3:5mm断面長 L1:15mm、L2:12mm、L3:10mm L5:8mm、L6:5mm、L7:5mm、L8:1mm現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:0.5mm【0185】実験例(1):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−100V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=+3KV(放電対向電極8bは接地)、超音波振動子3への電圧印加(Vmとして周波数1.7MHzの正弦波の電圧)、制御電極10aへの印加電圧(Vc1)=+120V、制御電極10bへの印加電圧(Vc2)=+50V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+250V、とした場合、図4(a)、(b)に示すように画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現像された。
【0186】又、他の実験例として、実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位=−100V、非画像部の帯電電位=−700V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=−3KV(放電対向電極8bは接地)、超音波振動子3への電圧印加(Vmとして周波数1.7MHzの正弦波の電圧)、制御電極10aへの印加電圧(Vc1)=0V、制御電極10bへの印加電圧(Vc2)=−100V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+550V、とした場合、上記実験例(1)と異なり、即ち、図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所謂反転現像が鮮明に行なわれた。
【0187】更に、他の実験例として、実験例(3):上記実験例(2)と同様とし、ただ、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)としては、直流オフセット+300Vで、3KHzの300Vppの矩形電流を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれた。
【0188】又、上記実験例1、2、3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。
【0189】実施例13図27は、本発明の画像形成装置をカラーの電子写真プリンタとして適用した実施例を示す概略構成図である。即ち、この画像形成装置は、静電潜像記録手段として複数のレーザビームを用いた光走査手段35を有するレーザビームプリンタの一例であって、静電潜像担時体30としての感光体ドラムを4つ備えている。
【0190】このプリンタは、電子写真感光体の周囲に画像形成手段を有して構成される画像形成ステーションが色に対応して4個設けられ、各画像形成ステーションにて形成された感光体上のトナー画像が、この感光体に対向して搬送される記録材Pに転写される構成を備えている。
【0191】つまり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成ステーションPY、PM、PC、PBkにそれぞれ感光体ドラム30Y、30M、30C、30Bkが配置され、図中にて矢印方向(時計方向)に回転される。また各感光体ドラム30Y、30M、30C、30Bkの周囲には、帯電ローラ32Y、32M、32C、32Bk、また、光走査手段としての走査光学装置35Y、35M、35C、35Bk、更に現像装置1Y、1M、1C、1Bk、転写ローラ34Y、34M、34C、34Bk、そしてクリーナ33Y、33M、33C、33Bkを有する画像形成手段が配設されている。本実施例にて、各現像装置にはインクホッパ31Y、31M、31C、31Bkがそれぞれ直結して装着されているが、インクホッパ31Bkは、現像装置とは離隔した位置に配置し、例えば、連結チューブなどを介して連結することもできる。
【0192】又、上記走査光学装置35Y、35M、35C、35Bkは、図示しない光源であるレーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を走査する回転ポリゴンミラーと、走査ビームを感光ドラム表面の母線上に集光するfθレンズと、光束を偏向する反射ミラーと、上記走査ビームの特定位置を検出するビーム検出装置とから構成されている。
【0193】本実施例の画像形成装置にて、各画像ステーションは同じ作動とされるので、ブラックの画像ステーションPBkについてのみ説明すると、帯電ローラ32Bkにて帯電された感光体ドラム30Bkには走査光学装置35Bkにて像露光が行われ、その表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置1Bkにて可視像とされる。
【0194】上述の構成にて、各画像形成ステーションを通して移動される記録材P上に、順次上記感光体ドラム30Y、30M、30C、30Bk上に形成された各色のトナー像を、転写ローラ34Y、34M、34C、34Bkが配置された転写部にて転写することによってフルカラー画像が得られる。転写ローラ34Y、34M、34C、34Bkは、望ましくは弾性体で構成し、感光体ドラム30Y、30M、30C、30Bkとの間で圧力を印加する形式のものが望ましい。なお、記録材Pは給紙カセット36から供給され、各転写工程を終了した転写材Pは分離され、外部トレイ(図示せず)に排出される。
【0195】上記構成のカラー画像形成装置に、実施例1〜12で説明した各現像装置を使用したが、いずれにおいても、インクの飛散、漏洩はなく、鮮明な現像を実現し、高精細な、高品質のカラー画像を得ることができた。
【0196】実施例14図28は、本発明の画像形成装置を更に他の構成のカラーの電子写真プリンタとして適用した他の実施例を示す概略構成図である。即ち、この画像形成装置は、静電潜像担時体30として一つの感光体を備えている。本実施例で感光体30はドラム形状とされるが、ベルト状とすることもできる。又、静電潜像記録手段として、実施例13で説明したと同様の構成のレーザビームを用いた光走査手段35を有する。
【0197】このプリンタは、1つの電子写真感光体30の周囲に、それぞれ異なる色のインクを使用する複数の、本実施例では4個のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像装置1Y、1M、1C、1Bkが固定して配置され、感光体30上に形成されたトナー画像が、この感光体30に対向して配置された転写ドラムのような記録材担持体37にて担持搬送される記録材Pに転写される構成とされる。
【0198】つまり、帯電ローラ32にて帯電された感光体30は光走査手段35にて像露光が行われ、その表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、イエロー現像装置1Yにて可視像とされる。本実施例にて、各現像装置は、別位置に設けられたインクホッパー31Y、31M、31C、31Bkからチューブを介してインクの供給が行なわれる。
【0199】一方、カセット36から矢印41aのように搬送される記録材Pは、静電吸着ローラ38により転写ドラムのような記録材担持体37に静電的に吸着され、転写ローラ34が配置された転写部へと搬送される。感光体上のイエロー画像は、この転写ローラ34の作用により記録材Pに転写される。
【0200】感光体30上の転写残りインクは、クリーナ33により払拭され、感光体30は次の画像形成に供される。このようにして、感光体30上に順次マゼンタ、シアン、ブラックの各画像が形成され、記録材P上に重畳転写され、カラー画像が得られる。次いで、記録材Pは、分離除電器43及び分離部材42により転写ドラム37から分離され、矢印41b方向に送られ、排紙トレイ39上に排紙される。
【0201】本実施例の画像形成装置においては、従来必要とされた現像装置の感光体への切換え当接手段などを必要とせず、装置構造が簡単となり、又小型化を促進し、更には、付加的に現像装置の位置精度などを安定させることができる。
【0202】上記構成のカラー画像形成装置に、実施例1〜12で説明した各現像装置を使用したが、いずれにおいても、インクの飛散、漏洩はなく、鮮明な現像を実現し、高精細な、高品質のカラー画像を得ることができた。
【0203】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成装置は、静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置であって、現像装置は、液体インクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段と、を有し、出口スリット部は、前記静電潜像の画像域幅方向においてはその断面の空間ギャップより大きいスリット長を有し、且つ断面の断面長がその空間ギャップより大きいスリットノズル状の形状を含む構成とされ、好ましくは、出口スリット部に制御電極が配置され、更に好ましくは、断面の断面長がその空間ギャップより大きいスリットノズル状の形状を含む搬送スリット部が形成される構成とされるので、簡易な且つ超小型の構成にて、均一なインクの搬送、帯電、制御を行ない、液体インクを微細化してインクミストを形成し、この形成したインクミストを良好に保持、搬送又は拡散せしめ、更に電気的制御性を良好に作用せしめることができ、インクミストを必要な静電潜像面にのみ確実に飛翔、付着させ、又、不要なインクの飛散、漏洩を阻止することができ、これにより鮮明な現像を実現し、高精細な、高品質の画像を得ることができる。又、本発明によれば、高精彩な画像出力が可能な液体インクを超小型化した現像装置により容易に扱えるようになり、また、粉体現像剤を使用しないので、現像剤による装置や環境の汚染を防止でき、延ては、小型の画像形成装置を実現し得るといった利点をも有している。




 

 


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