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発明の名称 現像装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−15268
公開日 平成11年(1999)1月22日
出願番号 特願平9−180242
出願日 平成9年(1997)6月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 勝広 (外1名)
発明者 野々村 真
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 磁性を有する現像剤を使用し、回転可能な現像剤担持体と、回転可能な現像剤規制部材と、該現像剤規制部材に当接された現像剤剥ぎ取り部材と、現像剤の動きを磁気的に規制するための磁場発生手段とを備え、現像剤の動きが、前記現像剤担持体、前記現像剤規制部材、及び前記磁場発生手段とが協動して形成する磁場により規制され、且つ、現像剤が、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との両方からの搬送力を受けることで、現像に適した帯電電荷量を有するトナーが選択的に前記現像剤担持体上へ塗布される構成を有する現像装置において、前記現像剤規制部材の表面が導電性を有し、且つ、現像剤担持体とトナーとの摩擦帯電において、相互に付与し合う電荷量が略同等となるように現像剤規制部材の現像剤との接触面を構成したことを特徴とする現像装置。
【請求項2】 現像剤規制部材が、基材とその周囲に形成された表面部材とからなり、該表面部材が、基材と異なる材質であって、且つ導電性を有する樹脂層で構成されている請求項1記載の現像装置。
【請求項3】 現像剤規制部材が、基材とその周囲に形成された表面部材とからなり、該表面部材が、基材と異なる材質であって、且つ金属膜或いは合金膜を現像剤接触面に形成したものを用いる請求項1記載の現像装置
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式画像形成装置及び静電記録装置等に用いられる現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真式画像形成装置に用いられる現像方式として、トナーとキャリアが混合された二成分現像剤を使用する二成分現像法と、主にトナーからなる一成分現像剤を使用する一成分現像法がある。二成分現像法では、現像剤担持体上に、トナーの付着した磁性キャリアによって磁気ブラシを形成し、これをもって静電潜像が形成された像担持体を慴擦することで現像を行う「磁気ブラシ現像法」が一般的である。
【0003】それに対する一成分現像方式としては、例えば、磁性一成分現像剤を、現像剤担持体(以下、現像スリーブとも呼ぶ)上に現像剤層厚規制部材を使用して薄層に塗布し、これを像担持体と非接触の状態で、交番電界によって飛翔、往復させることで現像を行う「ジャンピング現像法」等が使用されている。その他にも、非磁性トナーを用いた一成分現像法が各種提案され、使用されている。前述の磁気ブラシ現像法では、像担持体上に現像されたトナー像を、磁気ブラシが慴擦してトナー像を乱してしまったり、像担持体上へキャリアの一部が転移して画像にノイズを生じ易いのに対し、一成分現像法では、キャリアを使用しておらず、現像剤担持体上にはトナーのみが塗布されるので、上記磁気ブラシ現像法におけるようなキャリアの存在によって生じるノイズは発生せず、画像の均一性を得やすいといった特徴がある。
【0004】しかし、キャリアとの摩擦帯電によってトナーに対して十分な電荷付与が安定的に行われる二成分現像法に比べ、上記の一成分現像法では、摩擦帯電によるトナーに対する電荷付与が不均一、不十分になり易く、これが良好な画像の安定形成への妨げの原因の一つとなっている。そこで、一成分現像法では、現像に供するのに十分な摩擦帯電量をトナーに与えるべく、トナーと現像スリーブとの接触機会を増加させる等の手段により、現像剤担持体上にトナーを薄層塗布することが行われている。
【0005】例えば、トナーと現像スリーブとの接触機会を増加させるために、非磁性トナーを現像剤担持体上に薄層塗布する構成を有するものとしては、特公平2−13792号公報、特公平2−15068号公報、特開昭60−42776号公報等で、現像剤塗布方法並びに現像方法を提案している。これらの現像方法においては、非磁性トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を使用し、磁性キャリアの動きを磁場により規制し、キャリアを現像剤容器内に拘束して不動層を形成させ、実質的に、非磁性トナーのみを現像スリーブ上に塗布して現像に供させるものである。この結果、非磁性トナーに対しては、現像スリーブ表面との摩擦帯電のみならず、磁性キャリアとの摩擦帯電によって現像に供するのに十分な電荷付与が行われると共に、キャリアの動きは磁場によって規制されるので、現像スリーブ上に非磁性トナーのみが薄層塗布される。
【0006】しかしながら、上記構成を有する現像装置においては、磁場によって現像剤の動きを規制し、磁性キャリアの不動層を形成する構成をとるために、この現像剤規制領域内における現像剤の入れ替わりが抑制され易く、トナーへの電荷付与が不安定となったり、トナー塗布量の変動が生じる場合があった。このような場合には、出力画像の濃度低下、濃度ムラが生じ、良好な画像形成を行なうことができなくなる。又、不動層を形成すべきキャリアが現像領域へと一部漏れ出す場合があり、キャリアが転写して画像にノイズを生じる場合があった。
【0007】これに対し、上記した種々の問題を解決すべく下記のような構成を有する現像装置が開発された。このような従来例について、以下、図10に即して説明する。図10に例示した現像装置は、内部に固定配置された磁場発生手段である永久磁石10を有し、図10中の矢印方向に回転自在に構成されている現像剤担持体としての現像スリーブ1と、内部に固定配置された磁場発生手段である永久磁石11を有し、現像スリーブ1の回転方向と同方向に回転自在に構成されている現像剤規制部材である規制スリーブ2と、該規制スリーブ2に当接して設けられている現像剤剥ぎ取り部材であるスクレイパ3とを有し、更に、現像剤容器5内において現像剤の撹拌並びに現像スリーブ1への現像剤の供給を行なう攪拌部材4とにより構成される。そして、規制スリーブ2は、現像スリーブ1と対向して設けられ、一定の距離W、例えば、100μm〜2mmの程度の間隙をおいて配置されている。又、このような構成を有する従来の現像装置においては、現像スリーブ1及び規制スリーブ2は、非磁性部材よって形成されている。当該装置に搭載する現像剤には、体積平均径10μm以下程度の非磁性トナーと平均粒径20〜100μm程度の磁性キャリアを含んだものを使用している。
【0008】このような従来例において、現像スリーブ1内部の永久磁石10、及び規制スリーブ2の内部永久磁石11は、現像スリーブ1と規制スリーブ2との対向部近傍に、夫々磁極N1、S1を有するので、現像スリーブ1と規制スリーブ2との近接部一帯に磁力線の集中した磁場が協働して形成される。その結果、形成された磁場によって現像剤の動き(特に、磁性キャリアの動き)が規制され、図中にGで示した現像剤規制領域が現像スリーブ1と規制スリーブ2との近接部一帯に形成される。以下、この領域を単に、現像剤規制領域と呼ぶ。
【0009】次に、上記現像装置における現像剤の一連の循環、並びに、これによるトナーの現像スリーブ上への塗布について簡単に説明する。先ず、現像剤容器5から、撹拌部材4によって撹拌されながら現像スリーブ1へと供給された現像剤は、現像スリーブ1内部の永久磁石10の磁力を受け、現像スリーブ1上に担持され搬送されるが、現像剤規制領域Gにおいて、その動きに規制を受ける。図11に、現像剤規制領域Gの拡大図を示し、その際の現像剤の受ける規制について説明する。
【0010】先ず、領域Gにおける磁場によって拘束された現像剤中の磁性キャリアは、規制スリーブ2内の永久磁石11の磁極S1の磁力によって束縛を受けて留まる。しかし、規制スリーブ2は、図中に矢印で示した方向に回転しているため、磁性キャリアは、その回転に伴って現像剤容器5内へ戻される方向の搬送力(逆搬送力)を受けることになる。従って、磁性キャリアは、規制領域Gで拘束を受けつつも、規制スリーブ2からの搬送力によって、図中に太い矢印で表示したように、順次、現像剤容器5方向へと戻される。これによって、磁性キャリアは、現像領域Gに漏出することなく、現像剤容器内を循環する。
【0011】一方、現像剤規制領域Gにおける現像剤中の非磁性トナーは、磁性キャリアとの摩擦帯電、及び現像スリーブ1表面との摩擦帯電により付与された電荷によって、現像スリーブ1からの鏡映力が作用するものの、非磁性ゆえに領域Gでの磁場による拘束を受けることはない。従って、非磁性トナーには、図中に矢印で示した現像スリーブ1の回転に伴って、鏡映力に起因した現像スリーブの回転方向への搬送力が働く。加えて、前述の磁性キャリアにおいて説明した領域G内で形成される現像剤容器内方向へ戻されるような循環に伴なった慴擦により、非磁性トナーも、現像剤容器5内方向へ戻されるような搬送力(逆搬送力)を受ける。従って、現像スリーブ1上に残り、最終的に現像スリーブ1上に塗布される非磁性トナーは、この逆搬送力に打ち勝つだけの搬送力を有したもの、即ち、十分な帯電量を有し、鏡映力によって強く現像スリーブに束縛されていたものだけとなる。
【0012】上記のように構成されている従来の現像装置においては、現像スリーブ1及び規制スリーブ2の夫々からの搬送力によって、図10中に太い矢印で示したような現像剤の循環が形成され、この一連の循環によって、磁性キャリアが現像領域に漏出することがなく、且つ、現像に供されるに十分な電荷が付与された非磁性トナーのみが現像スリーブ上に塗布されている。
【0013】即ち、上記した従来例においては、規制領域Gにおいて拘束された現像剤、とりわけ磁性キャリアに、現像剤容器5内方向への搬送力を付加して現像剤を積極的に循環させる構成を採ることで、規制領域Gにおける磁性キャリアの不動層を形成することなく、しかも、その拘束を十分維持させることができる。従って、磁性キャリアの漏出が防止される。更に、現像剤の円滑な循環が行われることで、トナーとキャリアとの撹拌、混合が十分に行われ、現像に供される非磁性トナーに対する電荷付与の安定化が図られる。従って、このような現像装置を使用すれば、良好な画像形成を、連続、且つ高速に行うことが可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁性を有する現像剤を使用し、磁場を利用して現像剤、特に磁性キャリアの動きを規制する構成を有する現像装置において、上記図10に示した従来例のように、現像剤規制部材が、磁場を利用して現像剤の規制を行うのみに留まらず、現像剤に対して搬送力を作用させる構成を有している場合においては、現像剤規制部材により、必ずしもすべての現像に不要な現像剤が現像剤容器内へと戻される訳ではなく、その一部が現像剤規制部材上に担持され、その回転に伴って現像剤担持体上へと漏出することが生じる。
【0015】このため、図10に示した従来例のように、現像剤規制部材に現像剤剥ぎ取り部材、例えば、スクレイパ、ローラー、ブラシ等を当接して設け、これによって現像剤規制部材上に担持された現像剤を掻き落し、現像剤の漏出を防止している。しかしながら、現像剤規制部材上に担持された現像剤、とりわけトナーを完全に掻き落とすことは容易ではなく、現像に不要な現像剤の現像剤担持体への漏出が防止できない場合があり、良好な画像形成に支障を来たす場合があった。以下、上記したような場合について、図10に示した従来例に則して詳述する。
【0016】現像剤規制部材である規制スリーブ2上に担持される現像剤には、以下の二つの状態が存在する。一つは、現像剤規制領域G内におけるもので、主に、規制領域Gを形成する磁場の作用により規制スリーブ2上に付着、担持されている状態である。もう一つは、現像剤規制領域G外におけるもので、主に静電的な付着力、即ち、現像剤の有する電荷に対して作用する鏡映力により、規制スリーブ2上に付着、担持されている状態である。この時の、現像剤の有する電荷とは、例えば、トナーと磁性キャリアとを含んだ現像剤の場合では、トナーと磁性キャリアとの相互の摩擦帯電、及び、規制領域Gにおける、現像スリーブ1表面との摩擦帯電により現像剤に付与される電荷に、規制スリーブ2表面との摩擦帯電により現像剤に付与される電荷が加わったものである。従って、規制スリーブ2表面との摩擦帯電により付与される電荷が大きな場合には、規制スリーブ2上に担持された現像剤に対して作用する付着力は増大しているため、スクレイパ3等による現像剤の掻き落しが不完全なものとなり易く、現像スリーブ1への漏出を引き起こしてしまう。
【0017】ところで、上記のような現像剤を構成するトナーと磁性キャリアとは、その大きさで数倍〜数十倍、質量で数百倍以上異なり、磁性キャリアの方が大きさが大きく、質量も大きい。従って、トナー、磁性キャリアの重量比電荷は、トナーの方が圧倒的に大きく、それゆえ、トナーは磁性キャリアに比べて、相対的に大きな付着力をもって規制スリーブ上に担持されていることになる。そのため、現像剤のうちでも、とりわけトナーの掻き落としは容易ではない。加えて、磁性キャリアに比べてトナーは、その大きさが小さいために、例えば、剥ぎ取り部材としてスクレイパを使用する場合には、像担持体と当接するスクレイパとの間をトナーがすり抜けてしまう場合がある。特にこの傾向は、トナーが小粒径である場合や球形である場合に顕著なものとなる。
【0018】これに対して、スクレイパの当接圧を高めることで、現像剤、特にトナーの十分な掻き落としを可能とすることができるが、このようにすると、スクレイパとの当接部における負荷が増大し、現像剤の損傷等を招く場合があり望ましい方法とは言えない。同様のことが、剥ぎ取り部材として、ローラー、ブラシ等を使用した場合にも言える。更に、上述のような現像剤規制部材に対して剥ぎ取り部材が当接する構成を用いる場合には、剥ぎ取り部材自身の耐久劣化や、現像剤規制部材表面の磨耗等が生じ易く、これが良好な画像形成を安定して行う際の障害ともなっていた。
【0019】加えて、上述のように、現像剤規制部材が、現像剤の規制を行うのみに留まらず、現像剤に対して搬送力を作用させる構成を有している場合においては、現像剤規制部材と現像剤との摩擦帯電による電荷付与による影響で、現像剤の帯電量の変動が生じ易く、これもまた、良好な画像形成に支障を来たす要因の一つとなる場合があった。
【0020】従って、本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、現像剤規制部材上に担持された現像剤の十分な掻き落としを可能とすることで、良好な画像形成を安定して行なうことのできる現像装置を提供することにある。又、本発明の目的は、現像剤を構成しているトナーに付与される帯電量の変動を抑制し、現像に必要な一定の帯電量を有するトナーのみを現像剤担持体上に塗布することによって、安定した画像形成を可能とすることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、磁性を有する現像剤を使用し、回転可能な現像剤担持体と、回転可能な現像剤規制部材と、該現像剤規制部材に当接された現像剤剥ぎ取り部材と、現像剤の動きを磁気的に規制するための磁場発生手段とを備え、現像剤の動きが、前記現像剤担持体、前記現像剤規制部材、及び前記磁場発生手段とが協動して形成する磁場により規制され、且つ、現像剤が、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との両方からの搬送力を受けることで、現像に適した帯電電荷量を有するトナーが選択的に前記現像剤担持体上へ塗布される構成を有する現像装置において、前記現像剤規制部材の表面が導電性を有し、且つ、現像剤担持体とトナーとの摩擦帯電において、相互に付与し合う電荷量が略同等となるように現像剤規制部材の現像剤との接触面を構成したことを特徴とする現像装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の態様を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明者は、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意研究の結果、磁性を有する現像剤を使用し、回転可能な現像剤担持体と、回転可能な現像剤規制部材と、該現像剤規制部材に当接配置された現像剤はぎ取り部材と、現像剤の動きを磁気的に規制するための磁場発生手段とを備え、現像剤の動きが、前記現像剤担持体、前記現像剤規制部材、及び前記磁場発生手段とが協動して形成する磁場により規制され、且つ、現像剤が、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との両方からの搬送力を受けることで、現像に適した帯電電荷量を有するトナーが選択的に前記現像剤担持体上へ塗布される構成を有する現像装置において、現像剤規制部材上に担持された現像剤の十分な掻き落としを行うと共に、現像剤を構成しているトナーの帯電量の変動を抑制することで、良好な画像形成が可能となることを知見して本発明に至った。
【0023】即ち、本発明においては、上記構成を有する現像装置において、現像剤規制部材の表面が導電性を有するように構成し、且つ、現像剤担持体とトナーとの摩擦帯電において、相互に付与し合う電荷量が略同等となるように現像剤規制部材の現像剤との接触面を構成することにより、現像剤規制部材上に担持された現像剤(トナー)の帯電量の増加、換言すれば、トナーの現像剤規制部材に対する静電的付着力の増加が抑制され、この結果、現像剤規制部材上の現像剤を容易に掻き落とすことが可能となる。又、上記の構成によれば、併せて、現像剤を構成するトナーの帯電量の変動が抑制されるので、良好な画像を安定して形成することが可能となる。
【0024】従って、本発明の現像装置においては、現像剤規制部材の現像剤との接触面を、上記の要件を満足し得る材料で形成することを要する。そこで、本発明においては、現像剤規制部材を、基材と、その基材と異なる材質からなる上記した機能を有する表面部材とから構成することによって、所期の目的に合致したより良好な現像剤規制部材の形成を可能とすることが好ましい。
【0025】即ち、使用する現像剤に対して、上記したような電荷付与能を有する材質は限られており、このような材質を有するものが、必ずしも、現像剤規制部材として満たすべきその他の各種条件、例えば、強度、耐磨耗性、コスト等を満足する訳ではないが、現像剤接触面を構成する表面部材に、基材と異なる材質を使用すれば、現像剤に対する電荷付与能と、現像剤規制部材として満たすべき各種条件との両立を図り、現像剤規制部材の形成材料の選択性を拡大することができる。
【0026】本発明の現像装置において使用し得る現像剤規制部材の現像剤接触面を構成する表面部材としては、例えば、導電性を有する樹脂層や、金属膜或いは合金膜が挙げられる。これらの表面部材は、いずれも導電性を有しており、現像剤との摩擦帯電によって付与された電荷が過剰に蓄積されることがないので、摩擦帯電による電荷の付与性の変動が小さい。この結果、現像剤規制領域における現像剤に対する電荷付与能の変動を有効に防止でき、現像剤が適正な帯電量を維持することができる。
【0027】本発明で使用し得る導電性を有する樹脂層としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等をバインダー樹脂として、カーボン、金属粉、金属酸化物等の導電性微粒子を分散させたものが挙げられる。この際に使用し得るバインダー樹脂としては、具体的には、例えば、スチレン及びその置換体の単独重合体、及びそれらの共重合体;スチレンと、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルのいずれか、ないしは両方の共重合/多元重合体;スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体;スチレンとビニル系共重合性単量体とのスチレン系共重合体、更に、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0028】又、バインダー樹脂中に分散させる導電剤としては、カーボンやグラファイト、Al及びCu等の金属単体粉末、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化スズ等の金属酸化物粉末等が挙げられる。本発明においては、上記した導電剤と併せて適宜な電荷制御剤を分散させて導電性を有する樹脂層を形成し、電荷付与性の制御を行ってもよい。この際に使用し得る電荷制御剤としては、具体的には、例えば、ネガ系として、サリチル酸、ナフトエ酸及びダイカルボン酸等の金属塩、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ酸化合物、尿素化合物、ケイ酸化合物、カリークスアレーン等を利用することができ、ポジ系として、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等を利用することができる。
【0029】基材上に設けられる樹脂層の厚みとしては、基材表面粗さのRzの値以上とすることが望ましい。これは、現像剤規制部材表面において、基材の材質が露出しないようにするためであり、上記値未満の厚みでは、基材の影響が現れてしまい本発明による効果が不十分となる。尚、Rzとは、表面の任意の10点における平均粗さで、JIS B0601において示される定義のものであり、その測定には、小坂研究所製の表面粗さ試験器「SE−30H」を用いた。
【0030】又、本発明においては、現像剤規制部材の表面部材として金属膜或いは合金膜を使用し、現像剤接触面を形成することができるが、その際の金属膜或いは合金膜としては、基材上に、電解/無電解メッキ、融着、蒸着、スパッタリング、拡散等によって単一金属ないしは複数の金属からなる合金、金属酸化物合金、金属窒化物合金、金属炭化物合金、金属硼化化合物等を表面に積層したものが挙げられる。これらの使用により、先に述べた基材表面に樹脂層を形成した部材に比べて、耐摩耗性に優れたものとすることができる。具体的な金属元素としては、例えば、Ni、Cu、Zn、Sn、Cr、Ti、Pd、Pt、Fe、Co、Mo及びW等を使用できる。又、基材上に樹脂層を設ける場合と同様に、これらの材料で基材上に設ける金属膜の厚みも、その表面粗さのRz値以上とすることが望ましい。
【0031】更に本発明においては、現像剤規制部材の表面に形成されたこれらの表面膜に対して、併せて公知の各種表面改質処理を施すことで、耐摩耗性の他に、例えば、平滑性を持たせ、現像剤の離型性を向上させる等の機能を付加することも可能である。例えば、PTFE、PFA、(CF)X等のフッ素化合物や、MoS等の潤滑剤を分散させながら膜を形成する複合メッキや、イオンビームの打ち込み、熱処理等による表面改質処理が挙げられる。
【0032】又、これらの表面部材を設ける基材としては、強度、耐摩耗性等を考慮すると、例えば、アルミニウム(Al)やSUS(ステンレス)等のφ5〜40mm程度の金属シリンダ或いは棒等が好適である。
【0033】本発明では、現像剤規制領域において、現像剤規制部材の現像剤接触面との摩擦帯電により現像剤規制部材が現像剤に付与する帯電量と、トナー同士、或いはキャリアとの摩擦によって現像剤が付与される帯電量との比較を、下記の手順で摩擦帯電量を測定することによって行なった。即ち、下記の手順によって測定される摩擦帯電量がゼロに近いような材料を、現像装置の現像剤規制部材の表面部材に使用すれば、上記した優れた効果を有する本発明の現像装置とすることができる。
【0034】先ず、現像剤として、本発明で使用するトナー100gを、トルエン等の有機溶剤に溶かして得た溶液中に、平均粒径100μm程度の鉄粉を混合して撹拌し、その後、乾燥して鉄粉の表面全体がトナー粒子で覆われたものを作成してサンプル粒子とする。この時の鉄粉表面に対するトナーの被覆状態は、電子顕微鏡により観察したところ、全面に被覆されていた。ここで、トナーによって表面を被覆する粒子として上記では鉄粉を使用したが、その材質は、導電性を有するものであれば特に限定されない。何故なら、この粒子表面は、上記したようにトナー粒子(樹脂)で完全に覆われるため、摩擦帯電による電荷のやり取りは、その表面のトナーが有する摩擦帯電特性によるものが主となり、内部の材質の影響は大きくないからである。導電性が必要とされるのは、摩擦帯電により付与される電荷が、内部の材料に過剰に蓄積されることで表面の摩擦帯電特性が変動することを抑止するためである。
【0035】次に、本発明で使用する現像剤規制部材で使用する芯材と同様のAl或いはSUS基板の表面に、各種の樹脂層或いは金属膜等を形成した板を作製してサンプル板とした。そして、このサンプル板の表面に、上記で得たサンプル粒子を接触させて摩擦することによって、サンプル粒子に付与される摩擦帯電量を以下の手順により測定した。そして、この帯電量をもって、現像剤規制部材のトナーに対する摩擦帯電による電荷付与性とした。
【0036】帯電量の測定装置としては、図12に示すものを用いた。100はサンプル粒子を入れる容器であり、101はサンプル板、102は、サンプル板101に接続されたコンデンサであり、103は、サンプル粒子を受ける受け皿である。上記のような構成を有する測定装置を用い、サンプル粒子を容器100内に入れ、容器100に設けられたスリットより一定量ずつ10〜20秒間の範囲の一定時間に亘って供給すると、サンプル粒子は、水平面に対して45〜60°の範囲内の角度で、一定の傾斜で配置されているサンプル板101の上を摩擦帯電されながら転がり落ちる。この時、生じた摩擦帯電電荷は、サンプル板101に接続されたコンデンサ102に蓄えられる。尚、落下したサンプル粒子は、受け皿103に収容される。上記のようにして得られる摩擦帯電電荷量によって、サンプル粒子1gあたりに生じた摩擦帯電電荷量を測定する。尚、この帯電量は、コンデンサ102の両端の電位の測定値と容量の積により算出される。尚、摩擦帯電による電荷付与性の測定は、上記方法以外にも、例えば、ブローオフ法等の公知の各種測定法を用いてもよい。
【0037】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)本実施例における現像装置の構成を述べる。本実施例の現像装置は、図7に示した構成を有し、現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアとを含んだ現像剤を使用した。図7に示したように、本実施例の現像装置は、図中の矢印方向に回転する現像スリーブ1と、該現像スリーブ1と一定の距離Wの間隙を有し、現像スリーブ1と対向した位置にあり、現像スリーブ1の回転方向と同方向に回転自在に配置された規制スリーブ2と、該規制スリーブ2に当接して配設されたスクレイパ3、現像剤容器5内にあって現像剤の撹拌並びに現像スリーブ1へ現像剤を供給するための攪拌部材4とから構成される。
【0038】現像スリーブ1及び規制スリーブ2は、夫々内部に固定配置された永久磁石10、11を有し、φ20mmの外径をもつ非磁性体からなるシリンダからなる。現像スリーブ1と、規制スリーブ2は、一定の距離Wの間隙をおいて対向して配置されている。両者の間隙の距離Wは、1.0mmの値に設定されている。規制スリーブ2の形成材料等については後述するが、SUSシリンダーの上に導電性を有する樹脂層を設けたものを用いた。
【0039】現像スリーブ1内の永久磁石10は、規制スリーブ2との対向位置近傍に磁極N1を有し、規制スリーブ2内の永久磁石11は、現像スリーブ1との対向位置近傍に前述の磁極N1とは異極性の磁極S1を有している。この磁極N1並びに、磁極S1が主に協働することで、現像スリーブ1並びに規制スリーブ2との近接部一帯に磁力線の集中した磁場が形成され、この磁場によって現像剤の動きが規制される現像剤規制領域Gが形成される。
【0040】本実施例で使用した現像剤を構成するトナーとしては、結着樹脂たるスチレンアクリル樹脂に対して、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤等を加圧ニーダーやエクストルーダー、又はメディア分散機を用いて均一に分散せしめた後、機械的またはジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化せしめた後に、更に分級工程を経て、粒度分布を所望の分布にそろえた、所謂、「粉砕方式」により作成し、現像の際に負極性に帯電された状態で使用するものを用いた。又、磁性キャリアとしては、市販のフェライトキャリアの表層にシリコン樹脂を被覆したものを用いた。
【0041】上記の構成を有する本実施例の現像装置における現像剤の一連の循環と、これにより行なわれる現像スリーブ1上への一定の帯電量を有する非磁性トナーの塗布について簡単に説明する。本実施例の現像装置では、図7中に太い矢印で示したような一連の現像剤の循環が形成される。又、現像剤容器5から撹拌部材4によって現像スリーブ1上へ供給された現像剤は、内部の永久磁石10の磁力を受け、現像スリーブ1上に担持され、搬送されるが、前述の現像剤規制領域Gにおいて、その動きが下記のような規制を受ける。
【0042】領域Gにおける現像剤中の磁性キャリアは、現像スリーブ1、規制スリーブ2、及び永久磁石10と11とが協動して形成する磁場により規制されるが、その中で、最も近傍に位置する永久磁石11の磁極S1からの束縛を強く受ける。この時、規制スリーブ2は、図7で示される矢印方向に回転しているため、その回転に伴い、磁性キャリアには逆搬送力が作用する。従って、磁性キャリアは、規制領域Gで拘束を受けつつも、規制スリーブ2からの逆搬送力によって、順次、現像剤容器方向へ戻されるので、現像領域に漏出することがない。
【0043】一方、領域Gにおける現像剤中の非磁性トナーには、磁性キャリアとの摩擦、並びに現像スリーブ1表面との摩擦帯電により電荷が付与されており、現像スリーブ1からの鏡映力が作用する。従って、非磁性トナーは、現像スリーブの回転に伴い、現像スリーブの回転方向への搬送力を受けることとなり、規制領域G内の磁場によって拘束されて形成された磁性キャリアによる磁気ブラシの間を通過して、現像スリーブ上へ塗布される。加えて、規制領域G内の磁性キャリアの循環に伴なった慴擦により、非磁性トナーは、現像剤容器内方向へ戻されるような搬送力(逆搬送力)も受ける。従って、この逆搬送力に打ち勝つだけの搬送力を有することが可能な、十分な電荷を有する非磁性トナーのみが、現像スリーブ上に塗布される。以上のようにして、磁性キャリアが漏出することなく、現像に供されるに十分な電荷が付与された一定の帯電量を有する非磁性トナーのみが安定して現像スリーブ上に塗布される。
【0044】一方、規制スリーブ2上に担持された現像剤は、規制スリーブ2表面が導電性を有する樹脂層を有するため、その作用により大きな付着力をもって担持されることはないので、当接するスクレイパ3によって完全に掻き落される。そして、現像剤容器5内へ戻された現像剤は、不図示のトナー供給部から新たに供給された非磁性トナーと共に、回転する撹拌部材4によって、攪拌、混合され、再び現像スリーブ1上へと供給される。
【0045】以下に、本実施例の現像装置において、最も特徴的な規制スリーブ2について述べる。規制スリーブ2は、前述のように、内部に永久磁石11を有し、φ20mmの外径を有する円筒状のシリンダからなる。該シリンダは、φ20mmのSUS(ステンレス)からなる基体と、その表面、即ち、現像剤接触面を形成する、フェノール樹脂中に、平均粒径0.5μmのカーボン微粒子が分散された厚みが 150μmの樹脂層Aとからなっている。この際、SUS基体の表面に、上記樹脂層Aが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、本実施例で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって樹脂層の帯電付与性を測定し、図1に示したように、帯電量が、+0.5×10-4μC/gとなるように、荷電制御剤の量を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する摩擦帯電量を非常に僅かにした。
【0046】(実施例2)樹脂層Aの代わりに、PMMA(ポリメチルメタクリレート)樹脂100部に対して、荷電制御剤であるサルチル酸金属塩を2.0部添加したものからなる導電性を有する樹脂層Bを使用した以外は実施例1と同様にして現像剤規制部材を形成した。そして、得られた現像剤規制部材を、実施例1と同様の構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。この際、基体の表面上に樹脂層Bが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例1で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって樹脂層の帯電付与性を測定し、図1に示したように、帯電量が、+1×10-4μC/gとなるように、荷電制御剤の量を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する摩擦帯電量を僅かにした。
【0047】(比較例1)実施例2で使用した荷電制御剤の代わりに、正極性の荷電制御剤である4級アンモニウム塩を使用した以外は実施例2と同様にして、導電性を有する樹脂層CをSUS基体上に設けた。そして、得られた現像剤規制部材を実施例1と同様の構成の現像装置に適用して比較用の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層Cが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例1で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって上記現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合は、図1に示したように帯電量が+8×10-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によって、かなりの量の電荷がトナーに付与されていることを確認した。
【0048】(比較例2)実施例2で使用した荷電制御剤の代わりに、負極性の荷電制御剤であるアゾ染料を使用した以外は実施例2と同様にして、導電性を有する樹脂層DをSUS基体上に設けた。そして、得られた現像剤規制部材を実施例1と同様の構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層Dが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例1で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合は、図1に示したように帯電量が、−5×10-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によって、かなりの量の電荷がトナーに付与されていることを確認した。
【0049】(実施例3)PMMA樹脂の代わりに、エポキシ樹脂を使用した以外は実施例2と同様にして、導電性を有する樹脂層EをSUS基体上に設けた。そして、得られた現像剤規制部材を実施例1と同様の構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。この際、基体の表面上に樹脂層Eが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例1で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって、樹脂層の帯電付与性を測定し、図1に示したように、帯電量が、−0.5×10-4μC/gとなるように、導電剤と荷電制御剤の量を調整し、現像剤規制領域における現像剤規制部材が、現像剤に付与する摩擦帯電量を非常に僅にした。
【0050】(比較例3)実施例3で使用した荷電制御剤の代わりに、アゾ染料を使用した以外は実施例3と同様にして、導電性を有する樹脂層FをSUS基体上に設けた。そして、得られた現像剤規制部材を実施例1と同様の構成の現像装置に適用して比較例の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層Fが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例1で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合は、図1に示したように、帯電量は、−11×10-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によって、かなりの量の電荷がトナーに付与されていることを確認した。
【0051】[評価]上記で得られた実施例1〜3と、比較例1〜3との現像装置を使用して、5,000回までの間欠した画像形成を行う過程で、現像剤の漏出がなかったものを「○」、現像剤の漏出を生じたものを「NG」で評価し、図2に結果を示した。又、出力画像の画質を、画像濃度及び画像均一性に注目し、初期(およそ100回の画像形成時)に得られた画像、及び耐久後(4,500〜5,000回の画像形成時)に得られた画像について、良好な場合を「○」、濃度の変動、ないしは画像のムラを生じたものを「×」として、評価し、その結果を併せて図2に示した。尚、上記の実施例1〜3及び比較例1〜3では、基材上に設ける各樹脂層の体積抵抗値が、ほぼ同等となるように調整して現像剤規制部材を作製した。
【0052】図1及び図2に示したように、現像剤規制部材のトナーに対する電荷付与性を、トナーの有する電荷量と略同等とした、実施例1(樹脂層A)及び実施例2(樹脂層B)の場合には、耐久後においても現像剤の漏出は生じず、良好な画像形成が維持された。これに対して、トナーに対して負極性の電荷を付与する(即ち、図1に示したサンプル板を使用しての測定では、トナーに付与して失った電荷の対となる正電荷の帯電性が測定される)比較例1(樹脂層C)の場合には、100回の間欠した画像形成を待たずして現像剤の漏出を生じた。これは、トナーに対して更に電荷が付与されてしまうために、過度に帯電したトナーが生じ、スクレイパによる掻き落としが不完全となってしまうためと考えられる。
【0053】又、比較例1(樹脂層C)とは逆に、トナーに対して逆極性の正極性の電荷が付与される(サンプル板を使用しての測定では、負電荷の帯電性を示す)比較例2(樹脂層D)の場合には、図2に示したように現像剤の漏出は生じなかった。これは、現像容器内等における磁性キャリアとの摩擦帯電、及び規制領域Gにおける現像スリーブ表面との摩擦帯電によりトナーが有していた負極性の電荷が、規制スリーブ表面の導電性を有する樹脂層Dとの摩擦帯電により奪われてしまい、トナーが有している帯電量が減少するので、スクレイパによる掻き落としが容易となるためであると考えられる。しかしながら、この場合には、画像形成を重ねるにつれ、出力画像の濃度ムラが生じた。これは、トナーが有していた電荷が、規制スリーブ表面の樹脂層Dとの摩擦帯電により奪われてしまったために、現像剤容器内の現像剤中に帯電不十分なトナーが次第に多く含まれることになって、これが画像の濃度ムラを引き起こしていると考えられる。
【0054】実施例1と同様に、規制スリーブのトナーに対する電荷付与性を、トナーの有していた電荷量と略同等とした本実施例3(樹脂層E)の場合にも、図2に示したように、耐久後も現像剤の漏出は生じず良好な画像形成が維持された。
【0055】一方、負に帯電しているトナーに対して逆極性の正極性の電荷を付与する比較例3(樹脂層F)の場合は、比較例2(樹脂層D)と同様に、画像形成の当初にはトナーの漏出を生じることはなかったが、図2に示したように、およそ3,000回の間欠した画像形成時にトナーの漏出を生じた。これは、樹脂層Fが、樹脂層Dに比べて、電荷付与能がより大きいために、トナーが樹脂層Fと摩擦帯電を繰り返す結果、所望の極性とは逆の正極性の電荷を有するに至り、ついには、過度に帯電したトナーが生じるので、現像剤規制部材上のトナーをスクレイパで掻き落とすことが不完全となってしまうためと考えられる。又、これは、耐久後に次第に出力画像の濃度低下を生じ画像性が劣ったものとなっていることとも整合する。即ち、画像形成を重ねるにつれて、現像に供されない極性に帯電したトナーの存在が増して、出力画像の濃度低下を生じたものと考えられる。
【0056】上記に挙げた実施例1〜3では、現像剤に使用するトナーとして非磁性トナーを使用したが、非磁性トナーの代わりに磁性トナーを使用する以外は実施例1〜3と同様にして試験を行なった。この結果、規制スリーブのトナーに対する電荷付与性が、磁性トナーが規制スリーブに対する電荷付与性と略同等である導電性を有する樹脂層を設けることで同様の効果が得られた。以上までで示したように、前記した摩擦帯電量測定法によって得られるサンプル板の帯電電荷量Qの絶対値[Q]とした場合に、[Q]<5×10-4μC/gとなるようにする、即ち、現像剤規制部材とトナーとの摩擦帯電において、相互に付与し合う電荷量が略同等となるように現像剤規制部材の現像剤との接触面を構成することで、良好な画像形成が達成された。
【0057】(実施例4)本実施例における現像装置は、図8に示されるもので、先の実施例1〜3における現像装置の小型化と、画像形成の高速化を図ったものであり、基本的には、同様の構成をもつ。本実施例における現像装置と、実施例1〜3の現像装置との相違点は、構成材料が異なる現像剤の使用、これに伴う現像剤規制部材表面に設ける樹脂層の種類の相違、並びに、より小径のシリンダからなる現像剤担持体及び現像剤規制部材の使用である。従って、これらの相違点並びに、これに伴う若干の相違のみを示し、その他の説明は省略する。
【0058】先ず、本実施例の現像装置に使用する現像剤としては、実施例1と同様に、非磁性トナーと磁性キャリアを含むものを用いるが、トナーとして、結着樹脂たるスチレンアクリル樹脂に対して、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤等を分散させ、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報等に記載の懸濁重合方式によるトナー製造方法を用いて形成した重合トナーを使用する。又、実施例1と同様に、現像の際に、負に帯電させて使用するものを用いた。上記の懸濁重合法によって製造することによって、4〜8μm程度の体積平均径を有する小粒径の球状トナーを容易に得ることができる。
【0059】又、磁性キャリアには、前述のフェライトを、エポキシ樹脂のバインダーに分散して作製した平均70μm程度の樹脂キャリアを使用した。更に、トナーに対して所望の電荷付与を行うために、その表面にシリコン樹脂の被覆を施したものを使用した。尚、本発明においては、その他にも、表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属、及びそれらの合金又は酸化物フェライト等を、熱硬化性樹脂等のバインダー樹脂に分散して形成した樹脂キャリアを用いてもよい。
【0060】本実施例の現像装置を構成する現像剤担持体たる現像スリーブ1は、φ16mmの外径を有する非磁性体からなるシリンダと、内部に固定配置された磁性部材10からなり、規制スリーブ2は、非磁性体からなるシリンダと、その内部に配置された現像スリーブ1と規制スリーブ2との対向位置近傍に位置する磁極S1と、図8中には図示されていないもう一つの磁極の、2極を有する永久磁石11とからなる。
【0061】現像スリーブ1内の磁性部材10は、規制スリーブ2内の永久磁石11によって磁化されることで、永久磁石11と協働し、現像スリーブ1と一定の距離W=500μmの間隙をおいて対向する規制スリーブ2との近接部一帯に磁力線の集中した磁場を形成する。この磁場によって、実施例1の装置の場合と同様に、現像剤規制領域Gが形成され、この磁場に起因する作用により一連の現像剤の循環が形成される。これによって、磁性キャリアは漏出することなく現像剤容器内を循環し、現像スリーブ1上に、非磁性トナーのみが塗布される。本現像装置を使用し、画像の出力を高速且つ連続して行なったが、規制スリーブ上に担持された現像剤の十分な掻き落とし状態が維持されると共に、現像剤の漏出による画像不良は生じず、良好な画像形成を安定して行なうことができた。
【0062】以下に、本実施例の現像装置における規制スリーブ2の構成、及び、規制スリーブ2上に担持された現像剤の剥ぎ取りの経緯について詳述する。規制スリーブ2は、前述のように、内部に永久磁石11を有し、φ16mmの外径を有する円筒状のシリンダを用いたが、該シリンダは、基体と、導電性を有する樹脂層Gからなる表面部材とからなる。基体には、Alを用い、樹脂層Gには、フェノール樹脂に、荷電制御剤のアゾ染料と、更に導電剤としての粒径1.0μmのカーボンブラックを分散したものを用いた。荷電制御剤及びカーボンブラックの量は、先に述べたサンプル粒子及びサンプル板を使用しての帯電量を測定して、図3に示したように、帯電量が−0.5×10-4μC/gと帯電量がほぼゼロになるように決定した。
【0063】又、本実施例の現像装置では、シリンダの径が実施例1〜3で使用したものよりも小さく、高速で画像形成が行なわれるので、装置の動作に伴う現像剤の一連の循環も実施例1の装置の場合よりも著しく、特に、規制スリーブ2と現像剤との摩擦帯電による影響が無視できない。しかし、本実施例では、規制スリーブ2表面に設けられた樹脂層が導電性を有しており、現像剤との摩擦帯電により生じる樹脂層自身の帯電が防止されるので、現像剤に対する電荷付与能の変動が抑制され、現像剤は適正な帯電量を維持することができる。
【0064】(比較例4)樹脂層Gの代わりに、ポリカーボネイトに対して、導電剤及び荷電制御剤を分散した樹脂層Hを使用した以外は実施例4と同様にして現像剤規制部材を形成した。そして、得られた現像剤規制部材を実施例4と同様の構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層Hが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例4で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合は、図3に示したように、帯電量が+9×10-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によって、かなりの量の電荷が磁性トナーに付与されていることを確認した。
【0065】(比較例5)樹脂層Gの代わりに、メラミン樹脂に対して、導電剤として、酸化チタンを分散した樹脂層Iを使用した以外は実施例4と同様にして現像剤規制部材を形成した。そして、得られた現像剤規制部材を実施例4と同様の構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層Iが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例4で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合は、図3に示したように、帯電量が−6×10−4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によって、かなりの量の電荷がトナーに付与されていることを確認した。
【0066】(実施例5)フェノール樹脂の代わりにエポキシ樹脂を使用し、導電剤として酸化スズと、荷電制御剤としてサルチル酸金属塩を使用した以外は実施例4と同様にして樹脂層Jを基体上に設けた。そして、得られた現像剤規制部材を実施例4と同様の構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。この際、基体の表面上に樹脂層Jが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例4で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって、樹脂層の帯電付与性を測定し、図3に示したように、帯電量が、+1×10-4μC/gとなるように、導電剤及び荷電制御剤の量を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する摩擦帯電量を僅かにした。
【0067】(比較例6)実施例5で使用した荷電制御剤の分散量を変えて、現像剤規制部材を絶縁性とした以外は実施例5と同様にして樹脂層Kを基体上に設けた。そして、得られた現像剤規制部材を実施例4と同様の構成の現像装置に適用して比較例の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層Kが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例4で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合は、図3に示したように、帯電量が、+0.5×10-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によっても、現像剤に電荷が付与されていないことが確認された。
【0068】[評価]上記の実施例4及び5、比較例4〜6で得た現像装置を夫々用い、500回の連続した画像形成を、60回繰り返し、計30,000回の画像形成を行う過程での、現像剤の漏出、及び出力画像の画質の試験を行なった。評価基準は、実施例1〜3で用いたと同様にし、図4に、初期(およそ250回の画像形成時)、及び耐久後(25,000〜30,000回の画像形成時)についての評価結果を示した。
【0069】図3及び図4に示したように、現像剤規制部材のトナーに対する電荷付与性を、トナーの有する電荷量と略同等とした、実施例4(樹脂層G)及び実施例5(樹脂層J)の場合には、耐久後においても現像剤の漏出は生じず、良好な画像形成が維持された。これに対して、図3及び4で示されるように、トナーに対して負極性の電荷を付与する(図3に示したサンプル板を使用しての測定では、正電荷の帯電量が測定される)比較例4(樹脂層H)の場合には、250回の間欠した画像形成を待たずして、現像剤の漏出を生じた。これは、規制スリーブからの過剰な電荷付与のために、過度に帯電したトナーが生じ、スクレイパによる掻き落としが不完全となったためである。
【0070】又、上記比較例4(樹脂層H)とは逆に、トナーに対して逆極性の正極性の電荷を付与する(図3に示したサンプル板を使用しての測定では、負電荷の帯電量が測定される)比較例5(樹脂層I)の場合には、現像剤の漏出は生じなかった。これは、トナーの有していた負極性の電荷が、規制スリーブ表面の導電性を有する樹脂層Iとの摩擦帯電により奪われてしまうために、帯電量が減少し、スクレイパによる掻き落としが容易となったからである。しかしながら、耐久後には、出力画像の濃度ムラが生じた。これは、規制スリーブからの逆極性の電荷の付与により、現像剤容器内の現像剤中に、帯電不十分なトナーが増加することで、画像の濃度ムラを生じたものである。
【0071】更に、実施例5(樹脂層J)と同様の構成材料を使用するが絶縁性とした比較例6(樹脂層K)の場合には、現像剤の漏出こそ生じなかったものの、耐久に連れ、出力画像の濃度変動や、ムラが生じた。これは、現像剤との摩擦帯電により生じた電荷が、絶縁性の樹脂層Kに蓄積されてしまうので、現像剤に対する電荷付与性が変化し、現像剤の有する電荷量の変動を招いてしまったためと考えられる。
【0072】(実施例6)本実施例における現像装置は、図9に示されるもので、現像装置の高耐久、長寿命を目指したものであり、基本的には、実施例1〜3の現像装置と同様の構成をもつ。従って、本実施例の現像装置は、使用される現像剤、現像剤規制部材、及び現像剤担持体が異なる点以外は、実施例1の現像装置と同様な構成を有するので、以下、その相違点のみ順に述べる。
【0073】本実施例では現像剤として、磁性トナーを含んだ、所謂、一成分現像剤を使用する。該トナーとしては、結着樹脂たるスチレンアクリル樹脂に対して、磁性体、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、及び荷電制御剤等を分散せしめ、粉砕方式により作成した正極性に帯電させて使用するものを用いた。本実施例の現像装置を構成する現像スリーブ1及び規制スリーブ2は、夫々内部に固定配置された永久磁石10、11を有し、φ20の外径をもつ非磁性体からなるシリンダからなる。
【0074】現像スリーブ1内の永久磁石10は、規制スリーブ2との対向位置近傍に磁極N1、及び、静電潜像が形成された像担持体との対向部近傍において、磁性トナーによる磁気ブラシを形成させるための磁極(現像極)を有し、一方、規制スリーブ2内の永久磁石11は、現像スリーブ1との対向位置近傍に、前述の磁極N1とは異極性の磁極S1を有している。この磁極N1並びに、磁極S1が主に協働して形成した磁場によって、現像剤規制領域Gが形成される。
【0075】本実施例における磁性トナーへの電荷付与、並びに、現像スリーブ1上への磁性トナーの塗布について簡単に説明する。現像剤容器5から撹拌部材4によって現像スリーブ1上へに供給された磁性トナーは、内部の永久磁石10の磁力を受け、現像スリーブ1上に担持、搬送された後に、前述の領域Gにおいて規制を受ける。領域G内で規制されている磁性トナーは、現像スリーブ1との摩擦帯電により電荷を付与され、この電荷に作用する現像スリーブからの鏡映力により拘束を受けることになる。従って、この磁性トナーには、現像スリーブの回転に伴って、現像スリーブ回転方向への搬送力が働く。
【0076】一方、領域G内の磁性トナーは、規制スリーブ2内の永久磁石11の磁極S1の磁力による束縛も受ける。従って、この磁性トナーには、規制スリーブの回転に伴い、規制スリーブ回転方向、つまり現像剤容器内方向への逆搬送力が働く。即ち、規制領域G内の磁性トナーは、付与された電荷に起因する現像スリーブ1の回転方向の搬送力と、磁性に起因する現像剤容器5内方向への逆搬送力が働いている。従って、現像スリーブ1上に塗布される磁性トナーは、この逆搬送力に打ち勝つだけの搬送力を有することが可能な、十分な電荷を有するもののみとなり、帯電不十分な磁性トナーは、逆搬送力により、現像剤容器内方向へ戻されることになる。以上のようにして、現像に供されるに十分な電荷を付与された一定の帯電量を有する磁性トナーのみが、安定して現像スリーブ1上に塗布される。
【0077】尚、規制スリーブ2上に担持された現像剤は、規制スリーブ2表面に設けられている金属膜の作用により、大きな付着力をもって担持されることはないため、当接するスクレイパ3によって完全に掻き落される。その後、現像剤容器内へ戻された現像剤は、不図示のトナー供給部から新たに供給された磁性トナーとともに、回転する撹拌部材4によって、再び現像スリーブ1上へと供給される。
【0078】上記した構成を有する本実施例の現像装置を使用し、画像の出力を連続して行なったが、規制スリーブ2上に担持された現像剤の掻き取り不良、並びに、これに伴う現像剤の漏出は生じず、良好な画像形成を長期に渡って安定して行なうことができた。以上までで示したように、前記した摩擦帯電量測定法によって得られるサンプル板の帯電電荷量Qの絶対値[Q]とした場合に、[Q]<5×10−4μC/gとなるようにする、即ち、現像剤規制部材とトナーとの摩擦帯電において、相互に付与し合う電荷量が略同等となるように、現像剤規制部材の現像剤との接触面を構成することで良好な画像形成が達成された。
【0079】以下に、本実施例の現像装置において、現像剤規制部材たる規制スリーブ2、及び、これに関する点について詳述する。現像剤規制部材たる規制スリーブ2は、内部に永久磁石11を有し、φ20の外径を有する円筒状のシリンダからなる。シリンダは、Alからなる基体からなり、その表面、即ち、現像剤接触面には、現像剤を構成するトナーとの摩擦帯電による電荷付与性が略同等となる金属膜として、Niをメッキ(Ni−Pメッキ/金属膜L)したものを用いた。その際、先に説明した方法によって、金属膜の帯電付与性を測定し、図5に示したように、帯電量が、−1.5×10-4μC/gとなるように、現像剤規制部材の現像剤接触面の材質を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する摩擦帯電量を僅かにした。これにより、規制スリーブ2から磁性トナーに対する電荷付与の寄与が実質的になくなるので、規制スリーブ上の磁性トナーの付着力の増大が抑制される。
【0080】ところで、規制スリーブ2には、規制スリーブ上に担持される磁性トナーを掻き落すために、スクレイパ3が当接されている。このような構成を有する現像装置においては、スクレイパ自身の耐久劣化や、現像剤規制部材表面の磨耗等が生じるので、装置の長寿命化をなすのは困難とされる。しかし、本実施例のように、規制スリーブを構成する表面部材として金属膜を設けることで、磁性トナーの付着力の増大を抑制し、磁性トナーを剥ぎ取り易くし、スクレイパへの負荷を低減せしめると共に、規制スリーブに耐磨耗性を持たせることで、長寿命化を達成できる。
【0081】又、磁性トナーに対する電荷付与性や、耐磨耗性は、規制スリーブ2の表面部材である金属膜によるものであり、規制スリーブの基体自身に対しては、上記特性を求める必要がなくなるので、その材質の選択肢は多くなる。例えば、強度に優れ低コストで有りながら、耐磨耗性に劣るAlのような材質を用いたり、金属膜を設けて強度向上をはかることで単独では強度不十分な各種樹脂を使用することも可能である。
【0082】比較例7実施例6で用いた金属膜Lの代わりに、Snメッキによる金属膜Mを使用した以外は、実施例6と同様にして現像剤規制部材を作製し、実施例6と同様の構成の現像装置に適用して本比較例の現像装置とした。基体の表面上に金属膜Mが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例6で使用したと同様の磁性トナーを用いて、先に説明した方法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合は、図3に示したように、帯電量が、−6×10-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によって、かなりの量の電荷が磁性トナーに付与されていることを確認した。
【0083】比較例8実施例6で用いた金属膜Lの代わりに、無電解Crメッキによる金属膜Nを使用した以外は、実施例6と同様にして現像剤規制部材を作製し、実施例6と同様の構成の現像装置に適用して本比較例の現像装置とした。基体の表面上に金属膜Nが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例6で使用したと同様の磁性トナーを用いて、先に説明した方法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合は、図3に示したように、帯電量が、+7.5×10-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によって、かなりの量の電荷が磁性トナーに付与されていることを確認した。
【0084】実施例7実施例6で用いた金属膜Lの代わりに、Cu−Znによる合金膜Oを使用した以外は、実施例6と同様にして現像剤規制部材を作製し、実施例6と同様の構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。基体の表面上に上合金膜Oが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例6で使用したと同様の磁性トナーを用いて、先に説明した方法によって、図5に示したように、帯電量が、−0.5×10-4μC/gとなるように、現像剤規制部材の現像剤接触面の材質を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する摩擦帯電量を非常に僅かにした。
【0085】実施例8実施例6で用いた金属膜Lの代わりに、フェノール樹脂に、導電剤としてカーボンブラック、及び帯電制御剤を添加して形成した樹脂層Pを使用した以外は、実施例6と同様にして現像剤規制部材を作製し、実施例6と同様の構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層Pが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例6で使用したと同様の磁性トナーを用いて、先に説明した方法によって現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。そして、図5に示したように、帯電量が+0.2×10-4μC/gとなるように、現像剤規制部材の現像剤接触面の形成材料の材質を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する摩擦帯電量を非常に僅かにした。
【0086】[評価]上記で得られた実施例6〜8と、比較例7及び8の現像装置を使用して、100,000回までの間欠した画像形成を行う過程での現像剤の漏出、及び、出力画像の画質を、初期(およそ100回の画像形成時)、耐久中間(40,000〜50,000回の画像形成時)、及び、耐久後(80,000〜100,000回の画像形成時)について、実施例1〜3の場合と同様の方法及び基準で評価した。結果を図6に示した。
【0087】図5及び図6で示されるように、トナーに対して正極性の電荷を付与する比較例7(金属膜M)の場合には、耐久中間時点で、現像剤の漏出を生じた。これは、トナーに対して更に電荷が付与されてしまうために、過度に帯電したトナーが生じ、スクレイパによる掻き落としが不完全となってしまうためである。又、比較例7(金属膜M)とは逆に、トナーに対して逆極性の負極性の電荷を付与する比較例8(金属膜N)の場合には、磁性トナーの漏出は生じなかった。これは、現像スリーブ表面との摩擦帯電によりトナーが有していた正極性の電荷が、規制スリーブ表面の金属膜Nとの摩擦帯電により奪われてしまうことで、帯電量が減少し、スクレイパによる掻き落としが容易となるためである。しかしながら、この場合には、画像形成を重ねるにつれ、出力画像の濃度変動、及びムラが生じた。これは、トナーが有していた電荷が、金属膜Mとの摩擦帯電により奪われてしまうために、現像剤容器内の現像剤中に、帯電不十分なトナーが含まれることになり、これが画像の濃度変動、ムラを引き起こすためである。
【0088】一方、トナーに対する電荷付与性を略同等とした、実施例6(金属膜L)、実施例7(合金膜O)及び実施例8(樹脂層P)の場合には、いずれも、初期及び耐久中間時においては、現像剤の漏出は生じなかった。しかしながら、実施例6(金属膜L)及び実施例7(合金膜O)の場合は、更に耐久を続けた長期耐久後にも、現像剤の漏出を生じなかったのに比べ、実施例8(樹脂層P)では、長期耐久後において、一部の現像剤の漏出が生じた。これは、樹脂層Pの耐磨耗性が、長期耐久に対しては不十分であり、スクレイパの当接により樹脂層Pが摩耗してしまったからと考えられる。以上までで示したように、前記した摩擦帯電量測定法によって得られるサンプル板の帯電電荷量Qの絶対値[Q]とした場合に、[Q]<5×10-4μC/gとなるようにする、即ち、現像剤規制部材とトナーとの摩擦帯電において、相互に付与し合う電荷量が略同等となるように現像剤規制部材の現像剤との接触面を構成することで、良好な画像形成が達成された。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、現像剤規制部材上に担持された現像剤の十分な掻き落としが可能となり、良好な画像形成を安定して行なうことのできる現像装置を提供できる。又、本発明によれば、現像剤を構成しているトナーに付与される帯電量の変動を抑制し、現像に必要な一定の帯電量を有するトナーのみを現像剤担持体上に塗布され、良好な画像形成を安定して行なうことが可能な現像装置となる。




 

 


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